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映像と5つの視点で学ぶシリーズ:スパイ機 [米空軍]

1月3日まではお休みです

SR-71 2.jpg久々に、Military.com提供の「あなたの知らない5つのポイント:5 things you don't know about」シリーズから、「スパイ航空機:Spy Plane」をご紹介します

作成が5年前の約6分間の映像ですので、最新のステルス無人偵察機が登場するわけではありませんが、U-2やSR-71といった懐かしのスパイ機(U-2はまだ現役です)を取り上げて「小ネタ」を提供してくれています

年末年始のお出かけが難しそうですので、まぁ・・・まったりとご覧ください

約5分半の映像です


●U-2 Dragon Lady初号機はわずか9か月で完成
冷戦真っ盛りの1955年7月に初飛行したU-2高高度偵察機だが、冷戦下での緊迫感もあり、発注から初飛行まで、僅か9か月弱しか要しなかった。 僅かな開発製造期間ではあったが、行動半径3000nmの範囲を、ソ連の地対空ミサイル射程高度以上の7万フィートで偵察飛行できる画期的な性能を発揮した

●超音速偵察機SR-71機体製造用のチタンはソ連から
SR-71.jpg音速の3倍で飛行するSR-71の機体表面は900度近くの高温となるため、希少金属チタンを使用した特殊な機体材料を使用することとなったが、米国産チタンは純度が不足していたため、CIAが欧州に複数のダミー会社を設立し、世界中から良質のチタンを買い集めることとした

その結果、複数のルートで確保できたSR-71機体用チタンは、ほとんどがソ連産のものとなった。ソ連国内やソ連の海外派遣部隊を偵察するための航空機製造に、ソ連産の材料が使用される皮肉な結果となった

●試験空域エリア51はスパイ機開発用に準備された
今もUFO目撃情報や宇宙人捕獲のうわさが絶えない立ち入り禁止の試験飛行空域「エリア51」だが、公開された政府文書から、U-2偵察機開発のためにルーズベルト大統領が1955年に命じて設けられた試験エリアだと明らかになっている

●SR-71超音速偵察機は世界最速の実用有人機
SR-71初号機が納入されてから約1年後の1963年7月、高度78000フィート(国際線民航機の2倍以上)で音速の3倍(マック3)での巡航飛行を達成し、これが作戦巡航速度・高度となっている。この記録は実用有人機では最速である

1991年に同機が引退する際、カリフォルニアからワシントンDCまでの飛行を行い、1時間4分20秒の記録を残している

●U-2偵察機は当初2年の運用期間を想定
U-2 AI 3.jpg1955年に短期間で初号機が納入されたU-2は、当初2年間程度の運用しか想定されていなかったが、2015年時点で34機が現役(2020年でも25機)として運用されており、運用60年も見据えている
(米空軍は退役させたいようだが米議会の反対もありなかなか・・・。12月15日には、AIにセンサー操作&戦術航法を担当させて初飛行との報道があり、再び注目を集めている)
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Military.com提供の「あなたの知らない5つのポイント:5 things you don't know about」シリーズからは、以下の過去記事のようなテーマをこれまでご紹介してきました

U-2 AI 2.jpg映像自体が削除されているものがほとんどですが、内容を簡単な記事にまとめていますので、ご興味のある方は「読んで」ください

YouTubeで「5 things you don't know about」と検索すると、色々な話題で作成されている同シリーズが出てきますので、クラシックな話題が多いですが、お好きな方はどうぞ・・

映像で5つの視点から学ぶ
「カモフラージュ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-04-16
「米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-05
「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07
「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

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Defense-Newsが選ぶ今年の「Top stories」10選 [安全保障全般]

12月29日から1月4日の間は、原則、年末年始のお休みです

選定理由は不明です:アクセス数か、編集部の好みなのか?
10個のうち、まんぐーすは6個ご紹介しています(自慢!)

21日付Defense-Newsが、今年の「Top stories」として10個の過去記事を紹介しています

NGAD5.jpg何を判断基準に「Top stories」10個を選定したのか説明がありませんが、「Defense News スタッフ」の選定という事なので、ご紹介しておきます

10個のうち、まんぐーすは6個を取り上げており、なかなか「いい線言ってる」と自画自賛しているのですが、取り上げていない4個は、海軍艦艇の情けない様子や重要だとは思うがこれがなぜ「Top stories」なのかよくわからないエスパー長官の中国脅威話です

まんぐーすが取り上げた6個には、戦闘機関連記事が4つ含まれており、大きなお金が動き、今後の戦いの変化を示すバロメータやリトマス試験紙であろう戦闘機に、「Defense News スタッフ」又は「読者」の方の関心が高かったことが伺えます

まず、まんぐーす既紹介の6個の記事をDefense-News紹介順で

●「大激震:米空軍は次期制空機のデモ機を既に初飛行済
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-16

Roper2.jpg9月14日、米空軍調達開発担当次官補Will Roper氏が、検討は行われているが先送り状態とご紹介してきた「次期制空機:NGAD:Next Generation Air Dominance」について、最新のバーチャル設計開発技術と最新製造技術を駆使し、要求性能設定から1年足らずで既にデモ機の初飛行を終えているとDefense-Newsに明らかにし、メディアや関係者が大仰天!!!

Roper氏は、初飛行の時期やデモ機の特徴、何機デモ機を製造したかや関与した企業の有無、有人機か無人運用可能か、ステルス性や航続距離や搭載兵器等々の具体的事項への質問に一切答えず、いつごろ本格生産可能かとの問いにも「pretty fast」とだけ回答

秘密プロジェクトが多く、予算獲得に必要な米議会の理解を得るのに苦労している米空軍が、本来隠しておきたかった開発状況を語らざるを得なかったのでは・・・と邪推しています

●「トルコ用F-35を米空軍が購入へ:機種別機数第3位へ」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07

7月20日、NATO加盟国なのにロシアから最新防空システムS-400を購入したトルコがF35計画から排除され、トルコ用に製造した8機の行方が話題となっていたところ、とりあえず8機を米空軍が購入して米空軍用に改修することが明らかに。そのほか何らかの製造段階にある20機もこの方向だとの噂です

●「強襲揚陸艦Bonhomme Richard火災の衝撃」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-15

Bonhomme.jpg定期修理&F-35B搭載用改修のためサンディエゴ港で停泊していた強襲揚陸艦Bonhomme Richardで7月12日朝に発生した大規模火災は、恐らく艦艇を使用不能または長期使用不可能にする可能性が高く、F-35B搭載の強襲揚陸艦ローテーション派遣を困難にし、米海軍と米海兵隊にとって大きな痛手に

艦内の火災温度が1000度に達し、艦艇を構成する鉄材の強度や形状を変質させる温度に至っていると報道されており、複数の専門家が艦艇としての再使用は困難と見積もっているようです→後に、修理は費用対効果から断念と米海軍発表

●「F-35B型とC型が超音速飛行制限甘受」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27

F-35 4.jpg4月末、米国防省F-35計画室が、F-35のB型とC型で明らかになった重大不具合に関し、「何も対策をせず、運用制限でリスクを回避する」方法で「米軍内の合意」を得たと明らかにして各方面がビックリ。主要な要求項目であるはずの超音速飛行要求を、いまさら影響なしという姿勢に唖然・・・との声が各方面から

問題は「高高度:extremely high altitudes」で超音速飛行を継続すると機体尾部の構造とステルス塗装に影響を及ぼすリスクが高く、尾部の各種アンテナにも被害が出るとの不具合ですが、F-35にはそれほど超音速飛行が必要ないことや、この不具合改修するには、長期にわたる設計開発と飛行試験が必要となることから、高速飛行に運用制限を課すことで対処することに決定とか

●「サイバー停電に備えミニ原発開発」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-07

mini nuclear.jpg3月6日、辣腕でおなじみのEllen Lord調達担当国防次官が講演で、電源供給網に対するサイバー攻撃の脅威が無視できなくなっていることから、米軍基地の重要施設へのバックアップ電源として、小型の原子力発電を検討していると述べ、重要装備品の迅速な調達を担当するSCO(Strategic Capabilities Office)を中心に関連企業と検討を進めていると明らかに

その数日後、3企業と総額約44億円のミニ原発設計契約を結び、1-5メガワット級のデザイン設計を競わせる計画も明らかに。
「安全かつ迅速に展開設置が可能で、かつ陸海空路で輸送可能なものを目指す」、「国防省のSCOが担当し、2年後に最も優れたものを1社選び、更にデモ機製造へ進む予定も、提案の成熟度によっては実用化しない可能性もあり」とのこと

●「インドネシアが欧州の中古戦闘機購入打診」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-21

Eurofighters.jpg同じく7月20日、インドネシア国防相がオーストリア国防相に書簡を送り、オーストリアが2002年から導入した15機のEurofighter Typhoon戦闘機を全て購入したいと提案

オーストリアのタイフーン戦闘機購入を巡り、オーストリア内で汚職がらみの問題が浮上し、あわせてタイフーン戦闘機のコストと能力についても疑問の声が上がり、「より効果的で、より費用対効果の高い解決策を求めて、2017年にオーストリアが同戦闘機の早期退役を決定」した事を受けたインドネシアの動きとか


取り上げていなかった4つの記事概要は

3月7日付 イージス艦の10年延命を米海軍断念
https://www.defensenews.com/naval/2020/03/07/destroyers-left-behind-us-navy-cancels-plans-to-extend-service-lives-of-its-workhorse-ddgs/  
酷使で痛みが激しいアーレイバーク級イージス艦を約10年延命する計画を、費用対効果の観点から米海軍が諦めると明らかに 現在の290隻体制から355隻体制を目指すと言い続けた米海軍だが、この後は、無人艦艇を大量に導入して隻数を拡大させ、敵の攻撃目標を分散させる路線に動き出す

3月19日付 エスパー長官が中国の脅威を語る
https://www.defensenews.com/opinion/commentary/2020/03/19/espers-dark-vision-for-us-china-conflict-makes-war-more-likely/ 
アフガンや中東での戦いから、中国やロシアとの戦いに向けた体制転換の必要性を各所で訴えてきたエスパー長官の発言等をまとめて紹介した記事

3月27日付 初のステルス駆逐艦が4年でやっと兵装完了か
https://www.defensenews.com/naval/2020/03/27/nearly-4-years-after-commissioning-the-us-navy-is-about-to-get-a-fully-working-stealth-destroyer/
鳴り物入りで海軍が開発したステルス駆逐艦Zumwalt級がやっと形になりそうだが、建造コスト急騰と計画遅延で、当初は28隻購入予定が7隻になり、今では3隻も危ないと言われる惨状。海軍は何をやっても駄目だと言われる一つの典型的な事例

10月28日付 沿岸戦闘艦LCSの推進システムがまた故障
https://www.defensenews.com/naval/2020/10/28/another-littoral-combat-breaks-down-on-deployment/  
南米での任務に出向した沿岸戦闘艦Detroitの推進装置が故障し、2015年16年に続く同種艦艇の推進装置トラブル。沿岸戦闘艦は他のタイプもトラブルや事故が多く、当初建造された4隻を改修する経費が費用対効果から見送られ、モスボール保管に。これも海軍は何をやっても駄目だと言われる一つの原因
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21日付Defense-Newsが掲載した、各記事の順序が何を示すのかも説明がありません。でも一番が「次期制空機のデモ機を既に初飛行済」なら、納得な気がします。驚きましたから・・・

electoric warfare.jpgクリスマス休暇前に、休暇中に掲載する記事を無理やり書きためた印象ですが、トランプ大統領関連やコロナ関連記事(米空母での集団感染で艦長と海軍長官が更迭など)が含まれていないのが意外な気もします

F-35をUAEに輸出」はまだ山あり谷ありの雰囲気ですが、中東の流れが激変した事の象徴としてインパクト大でしたし、ドイツから駐留米軍1.2万人削減発表にも驚きました。最近では、フロノイ女史が次期国防長官から外れた件も「大きなため息」ものでした

皆さまはこの年の瀬に、何を思い出されますか???

Top storiesの中の6記事
「激震:米空軍は次期制空機のデモ機を既に初飛行済」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-16
「トルコ用F-35を購入へ:機種別機数第3位へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「強襲揚陸艦Bonhomme Richard火災の衝撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-15
「F-35B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「サイバー停電に備えミニ原発開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-07
「インドネシアが欧州の中古戦闘機購入打診」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-21

その他関連の記事
「UAEへの輸出に事実上合意」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-26
「独から1.2万名削減計画を発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-30
「Austin元大将が国防長官になる高いハードル 」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-02
「コロナで艦長と海軍長官更迭の空母」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-27

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5G企業へのCバンド売却で電波高度計に懸念 [安全保障全般]

航空関係団体がCバンド売却に大反対もFCCは突っ走る
Lバンド売却でGPSへの干渉懸念もある中・・・

FCC C band2.jpg21日付Defense-Newsは、8日から米連邦通信委員会FCCが「5G」企業に「Cバンド」電波オークションを開始したことに関し、連邦航空局FAAや民間航空団体が「電波高度計」に干渉して安全上の重大な懸念事項となると猛反発している様子を報じています

米連邦数新委員会FCCは、衛星通信に使用する「Lバンド」電波を5G企業LINDOに売却したことで、GPS信号への干渉を懸念する国防省から猛反発され、今も議会を巻き込んで係争中と理解していますが、新たに「Cバンド」でも5Gのため強行突破を試みているようです

FCC 5G.jpg今回話題となっているのはCバンドの「3.7〜3.98 GHz」周波数帯で、従来この部分を静かに使用していた衛星事業者に他の周波数帯へ移行してもらい、代わりに5G事業者に対し「電波オークション」を開始したとのことで、17日の時点で既に50人以上の入札者が150億ドル以上を提示したと報じられています

問題はこの周波数に近い「4.2〜4.4 GHz」帯を数十年に渡り使用している電波高度計で、航空関係団体で構成するRTCAが10月の報告書で、電波高度計に有害な干渉を引き起こすリスクがあると警告を鳴らしたことから、FCCと航空関係者との戦いが本格的になっています

国防省、国土安全保障省や運輸省(連邦航空局FAA)も電波高度計への懸念で動きを始めており、仮に電波高度計をリスク回避のため交換する必要が生じるような場合、数千億円規模の投資が必要だとの話にまで伝わってきており、コロナで瀕死状態の航空業界や政府関係機関を巻き込み、「5Gに乗り遅れるな」VS「安全第一」の構図と、中国の5G覇権に負けられない・・・との思いが交錯し、泥沼乱戦模様になっているようです

21日付Defense-News記事によれば
FCC C band5.jpeg8日にCバンド電波オークションを開始するにあたり、連邦通信委員会FCC委員長は「5Gにおける米国の消費者と米国のリーダーシップにとって大きな日だ」とコメントしたが、12を超える商用航空グループで構成されるRTCAは「売却が複数の死者の可能性を伴う壊滅的な失敗につながる可能性がある」と警告した
この懸念は連邦航空局FAAと運輸省でも共有されており、安全性問題をより綿密に精査するためFCCに販売一時停止を求めているが、FCCは独自技術調査でリスクがほとんど又は全くないと主張し、今後も前進していくと述べている

国防省は軍用機への影響に対し正式な立場を決めておらず、21日に国防省、国土安全保障省ら関係者が会合を持ち、「調査結果を基に省庁の考えをまとめる」との方向を打ち出したところだが、同会合に電波高度計メーカーのHoneywellも呼ばれ、現高度計に干渉防止措置を施す等の措置について聞かれたとして話題を集めている
FCC 5G2.jpg電波高度計は、気圧高度計の誤差が大きくなる高度2500フィート以下になると特に重要になり、他の計測機器で代替不可能で、航空機離着陸時の安全確保に非常に重要な役割を果たす計器である

FCC報道官は懸念の声に対し、「Cバンドでの5G操作が電波高度計に有害な干渉を引き起こすと信じる理由は存在しない。FCCは、私たちの規則に沿ってCバンド周波数帯が使用されれば、電波高度計を保護すると結論付けた」とコメントしている
現在「3.7〜3.98 GHz」帯を使用している衛星事業者は、電波オークション売却代金の一部を受け取り、周波数帯移動費用に充てることができるが電波高度計に依存する民間、商業、および政府機関に資金が提供される予定はない

最近の多くの軍用機も電波高度計を使用しているが、1970年代設計のF-15C戦闘機などは装備しておらず、操縦者は目視で行動することに慣れているが、民航機と似ている輸送機や空中給油機は電波高度計に頼るところが大きいとみられる
また特殊作戦部隊が使用する輸送機やヘリは、夜間に低高度を飛行する作戦遂行が求められるため、電波高度計の精度は非常に重要となる

FCC 5G3.jpg関係者は、民間を含めたすべての電波高度計を干渉対策を施したものに交換するには数十億ドル(数千億円)と膨大な時間が必要との概算見積もりを示しているが、国防省内でも、新しい高度計の開発と調達、各プラットフォームのテストと再認証、そして潜在的に数百または数千の新しい装備の装着作業に数億ドルを投資する必要があり、「数十年とまではいかなくても、何年は必要」と考えかれている
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この問題も、5G企業への「Lバンド」帯使用許可問題(GPS信号への干渉懸念問題)と同じく、既得権を盾に航空業界が懸念を示しているのか、5Gで中国に負けたくない一心で連邦通信委員会FCCが暴走しているのか、よくわからない部分があります

でも、これだけ航空業界や政府関係機関がまとまって調査を行い懸念を示しているので、国防省だけが問題視している「Lバンド」問題よりも大きな動きになりそうな気がします。特にコロナ感染で苦しむ航空業界への影響がありますから、政治問題化しそうな予感です

「第3者的」視点で分析し、干渉の可能性や電波高度計への影響を示してくれる機関があればいいのですが、どうなることやら・・・。トランプ政権の強引さもFCCの背景にあるような気がしますので、政権交代後の動きにも注目です

RTCAのwebサイト
https://www.rtca.org/

5GのGPS信号への干渉問題
「炎上中:5G企業へのGPS近傍電波使用許可」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-14
「5G企業に国防省大反対の周波数使用許可へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-11
「米議会でも国防省使用の周波数議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-05
「ファーウェイ5G使用は米国との関係に障害」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-17
「軍事レーダーの干渉確認」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-05
「5G企業とGPS関係者がLバンド電波巡り激突中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-22-2
「戦略コマンドが5Gとの電波争奪に懸念」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-27
「GPSが30日間停止したら」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-18
「5G試験のため民間に演習場提供案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-14

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今年もやりますサンタ大追跡!!! [ちょっとお得な話]

2020年の大追跡は、25日18時ころ終了しました

コロナだろうが何だろうが、NORADや応援企業やボランティアの尽力で、今年のイブもサンタ大追跡を敢行!

このサイトで子供心を取り戻そう!!!
http://www.noradsanta.org/

日本時間の24日午後5時頃からサンタが北極で活動開始! 日本列島通過は22-23時頃かな???

NORAD(北米防空司令部)からの予告映像
その1(NORADが準備中!)


その2(サンタ追跡の歴史紹介)


富士山やスカイツリー上空も通過しました!


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SantaVillage.jpg既に65年の歴史を持つ行事ですが、ユーモアを解する世界の人々に8カ国語(日本、中国、オランダ、スペイン、伊、英米、仏、ポルトガル)で提供されており、厳しい予算の中でも頑張ってくれています。

皆さん!お子さんのいらっしゃる方はもちろん、意中の方とご一緒の方も、はたまた西洋のしきたりを無視する方も、遊び心で一度サイト(記事の冒頭にアドレス記載)を覗いてみては如何ですか。

最近のハイライト映像をご紹介
まず、サンタ村を出発した際の映像です!


ロンドンの時計台と大観覧車上空も通過!


エジプトのピラミッド上空も!



サンタ追跡の歴史と最新技術(?)映像で!

サンタ大追跡の歴史と最新技術?・・


なぜ米空軍NORADがサンタを追跡するのか?
NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)とその前身である CONAD(中央防衛航空軍基地)は、50 年以上にわたりサンタの飛行を追跡してきました。

NORADsanta.jpgNORADshaup.jpgこの恒例行事は、1955 年にコロラド州に拠点を置くシアーズ ローバック社が、子供向けに「サンタへの直通電話」を開設した際に、なんと誤って CONAD司令長官への直通電話番号を掲載したポスターを全国に掲示した事に始まりました。

子供たちからの間違い電話を受けた当時の司令官シャウプ大佐(写真)が、ユーモアでサンタの行動を部下に米空軍のレーダーで確認させる振りをして、電話を掛けてきた子供たちにサンタの現在地の最新情報を随時伝えたことに始まりました。

1958 年、カナダと米国の両政府は「NORAD」として知られる両国が共同運営する北米防空組織を創設しましたが、NORADもサンタの追跡という伝統も引き継いだというわけです。

それ以来、NORAD の職員とその家族や友人の献身的なボランティアによって、世界中の子供たちからの電話やメールへの対応が続けられています。また、現在ではサンタの追跡にインターネットも利用しています。サンタの現在地を調べようと「NORAD Tracks Santa」ウェブサイトアクセスする人の数は、何百万人にものぼります。

そして今では、世界中のメディアもサンタの飛行経路に関する信頼できる情報源として、NORAD の情報を採用しているそうです。
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どのようにサンタを追跡?
NORAD・Santaサイト情報。ジョークにご注意を。)

●NORAD は、レーダー、人工衛星、サンタ カメラ、ジェット戦闘機の 4 つの最新鋭システムでサンタを追跡します。

santa.jpgまず使用するのは、「北米警戒システム」と呼ばれる NORAD のレーダー システムです。この強力なレーダー システムは、北米の北部国境に張り巡らされた 47 の施設で構成されています。NORAD はクリスマス イブにこのレーダーを絶えず監視して、サンタクロースが北極を出発する瞬間をキャッチします。

●サンタが飛び立ったのをレーダーで確認したら、次の検知システムの出番です。地球の上空約 36,000 km の静止軌道上には、赤外線センサーが搭載され熱を感知することのできる人工衛星が複数配置されています。なんと、赤鼻のトナカイ「ルドルフ」の鼻からは赤外線信号が放出されているため、NORAD の人工衛星はルドルフとサンタの位置を検知できるのです。

3 番目の追跡システムは「サンタ カメラ」ネットワークです。「サンタ追跡プログラム」をインターネット上で展開し始めた 1998 年から使用しています。サンタ カメラは超クールなハイテクの高速デジタル カメラで、世界中にあらかじめ設置されています。NORAD では、これらのカメラをクリスマス イブの 1 日だけ使用します。これで世界中を飛び回るサンタとトナカイの画像と動画を捉えます。

santa-coat.jpg●追跡システムの 4 番手はジェット戦闘機です。CF-18 戦闘機を操縦するカナダ NORAD のパイロットがサンタに接近し、北米へと迎え入れます。米国内では、F-15 や F-16 戦闘機を操縦する米国 NORAD のパイロットが、サンタとその有名なトナカイたち(ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクゼン、コメット、キューピッド、ドナー、ブリッチェン、そしてもちろん、ルドルフ)とのスリル満点の共同飛行を実現します。
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サンタに関する米空軍の公式解説

サンタ行動の科学的分析
●サンタは良い子にしていた子供達の長いリストを持っています。毎年子供たちのリストは増え続けています。結果としてサンタは、1 軒あたり 0.0002~0.0003 秒の速さで各家庭を回らなければいけないということになります!
サンタクロースが1600 歳以上だという事実を考えても、また、サンタは子供たちにプレゼントを届ける大切な仕事を慌ててしようとは思わない点からしても、彼が私達の知る「時空間」で作業しているわけではないことが想像できます。
●そう考えると、私達とは異なる時空間で活動しているらしいと考えるのが唯一合理的な結論となります。

サンタの存在と移動手段について
santa-book.jpg多くの歴史的データと 50 年以上に渡る NORAD の追跡資料から導き出される結論は、サンタクロースが世界中の子供達に心の中に実在し心から愛されているということです
●ライト兄弟による最初の飛行機より以前から、サンタは猛スピードで家から家へと飛び回る方法を見つけなければなりませんでした。サンタ・カメラの画像からサンタは素早く移動するために空飛ぶトナカイの群れを選択したことが分かっています。

●このトナカイたちの詳細はまだまだ不明ですが、分かっていることは、サンタが世界中にプレゼントを届けるという任務の手伝いをトナカイ達に要請したということです。その他の詳細は、素敵な謎のベールに包まれています。

イブの24日午後5時頃からサンタが北極で活動開始!
本年も気楽に楽しみましょう!

NORADのサンタ大追跡webサイト
http://www.noradsanta.org/

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新型トマホーク「Block V」を5つの視点で:まだまだ活躍 [Joint・統合参謀本部]

亜音速の大ベテラン兵器を馬鹿にするなかれ
この射程距離と低コストの魅力は捨てがたし

Tomahawk V.jpg14日Defense-Newsは、12月に米海軍が発射試験を行ったばかりの最新型トマホーク巡航ミサイル(Block V)の特徴を5つの視点で紹介し、極超音速兵器開発に米軍がこぞって全力を挙げる中でも、トマホーク、SM-6、Naval Strike Missileの3種類は、当面組み合わせて使用され、米海軍の貴重な戦力であり続けるだろうと紹介しています

開発中の最新型トマホークBlock Vは、Va型とVb型が製造される方向で、Va型が海上移動目標対処能力を備えるMaritime Strike Tomahawk (MST) で、Vb型はJMEWS弾頭を搭載して貫通力を強化したバージョンになるようです

以下では5つの視点から、亜音速でもまだまだ活躍が期待される、射程2000㎞越えのトマホークBlock Vをご紹介しておきます

14日Defense-News記事によれば

1.能力強化
Tomahawk Maritime.jpg上述のように、新しいシーカーや弾頭を搭載し、Va型とVb型となって、より広範な攻撃能力を提供する。水上艦艇のVLS垂直発射管からだけでなく、潜水艦からの発射可能な点も重要である
中国の中距離弾道ミサイルDF-21の射程が約2400㎞で、DF-24に至っては4500㎞と言われる中、米軍にとってトマホークの2000㎞級の射程距離は極めて重要

2.残存性強化
Block Vでは通信能力や航法能力が強化され、敵の電子妨害への対処能力が向上し、また電波放射を改善して敵から発見される可能性も低下でき残存性が向上する
また恐らく、Block Vは攻撃目標となる敵防空レーダーを妨害して、自らの残存性を高める機能を有している
更に、2017年にレイセオン社のBlock V責任者が、GPSがダウンした状態でも、優秀な航法システムで攻撃任務を完遂できると語っている

3.亜音速飛行の利点は
Tomahawk V3.jpg超音速や極超音速兵器が話題の中心にある時代にあって、トマホークを時代遅れのように見る向きもあるが、トマホークが今後も活躍するには理由がある
まず、亜音速飛行することで燃料消費が抑えられ、射程距離を伸ばすことが出来る点である。仮に超音速ミサイルでトマホーク級の射程を得ようとすると、ミサイル自体が巨大化し、扱いが難しくなる

4.低価格が大きな魅力
トマホークは1発1億円程度だが、音速の3.5倍の速度を持ち、将来は極超音速飛行を目指すSM-6の現在価格はその4倍で、なおかつ射程は検討中の射程延伸型でも300㎞程度である
Tomahawk V4.jpgトマホークの価格だと大量購入が可能で、敵の防空網での損耗があってもそれほど痛くはなく、低価格は最大の特徴であり、長射程と併せ、将来も米海軍が使用し続けると言われる最大の理由である
次の大統領が「あのテロ組織訓練キャンプを叩き潰せ」と命じたなら、米軍はトマホークを一番に用いるだろう

5.兵器の多様性
超音速や極超音速兵器が注目される中でも、安価で射程2000㎞越えのトマホーク(大型艦のVLS搭載)と、射程200㎞程度の対艦ミサイルNaval Strike Missile(沿岸戦闘艦や新型フリゲート艦に搭載) 、本来艦艇防空用のミサイルを対艦用にも使用可能としたSM-6の3種類混合体制が、多様な場面に対応するのに有効だろうと専門家はコメントしている

SM-6 2.jpg将来的には、3軍が協力して取り組む国防省優先事業の極超音速ミサイルが完成し、艦艇の垂直発射VSLに搭載できるようになれば、トマホークに頼る割合は低下するだろう
ただし、極超音速兵器の成熟にはもう少し時間が必要だろう事から、(予算的な制約もあり)、米海軍のミサイル3種ミックス体制は、従来想定されていたより長く続くだろう
/////////////////////////////////////////////

「Block V」というより、トマホーク自体の存在意義をご紹介した形になりました

SM-6とNaval Strike Missileの特徴や用途を把握していないので、舌足らずのご紹介となりましたが、B-52爆撃機のように、末永くトマホークは改良されつつ活躍するのかもしれません

遠方攻撃を巡り米軍内に不協和音
「米空軍の課題:他軍種はABMSに懐疑的」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-12
「スタンドオフとインのバランスが重要」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-19-1
「遠方攻撃をめぐり米空軍が陸海海兵隊を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-22
「米空軍トップも批判・誰の任務か?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-02

米陸軍・海兵隊の長射程兵器導入など
「米陸軍は長射程兵器で2023年から変わる」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-09
「海兵隊は2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06
「中国対処に海兵隊が戦車部隊廃止へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
「射程1000nmの砲開発の第一関門間近」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-15
「射程1000nmの砲を真剣検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1

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ドローン使用作戦の一里塚:アゼルバイジャン大勝利 [安全保障全般]

ロシア兵器使用のアルメニア軍に圧勝
イスラエル製やトルコ製のドローン多用で劣勢を一気に挽回

azel.jpg21日付読売新聞は、9月下旬から11月上旬にかけ戦われた、アゼルバイジャン領ナゴルノ・カラバフ自治州を巡るアルメニア軍とアゼルバイジャン軍の大規模戦闘で、軍用無人機(ドローン)を駆使したアゼルバイジャン側が圧勝を納め、ドローンの実戦使用に新たな1ページを刻み、アルメニア軍を装備面で支援していたロシア軍に衝撃を与えていると報じています

ソ連崩壊前に勃発した両国間の戦いは、ロシア製兵器に依存した国同士の戦いでしたが、ロシアとの同盟関係を生かしたアルメニアが優勢だと言われてきました。しかし、旧ソ連製の旧式兵器も多いアルメニアに対し、アゼルバイジャンはイスラエル製やトルコ製の比重を徐々に高め、今回の大規模戦闘では、旧ソ連やロシア製兵器の運用思想から脱却したアゼルバイジャンが、一気に劣勢を覆したようです

戦いは9月下旬から44日間に及び、双方に6000人近い死者を出した戦闘は11月10日に停戦が発効しましたが、アゼルバイジャンがアルメニア側からナゴルノ・カラバフ自治州の大半を奪還したようです

両国の戦いの様相について15日付読売新聞は
azel2.jpg作戦面では、特にトルコの影響が色濃かったと言われている。アゼルバイジャン軍は、第2次大戦直後に旧ソ連が開発した複葉機を無人機に改造して「おとり」に使い、アルメニア側の防空網に対応させ、その配置や使用周波数などをあぶり出した
その後、イスラエル製の自爆型ドローン「ハーピー」、トルコ製の攻撃ドローン「TB2」や新型ミサイルを多用しアルメニア防空設備を破壊し、地上部隊が進攻した。米シンクタンクCSISはトルコ製「TB2」の活躍が目立ったとの報告書を今月まとめ、「従来型兵器と新型兵器を巧みに融合させることが、現代の戦場では重要だ」と指摘している
 
TB2 Turkey.JPG戦闘での被害を分析した専門家グループによると、アルメニア側はロシア製の地対空ミサイル「S-300」等26基や戦車「T-72」130両以上を破壊された。いずれも武器輸出大国ロシアの看板商品である
一方で、アゼルバイジャン軍のドローン損失は僅か25機にとどまり有人機に比べてコストを低く抑えられるドローンの有効性が改めて歴然と証明されたことで、軍事関係者の注目を集めている。また無人機を用いた「小国同士の軍事衝突が増える可能性」を指摘する声も聴かれる

ロシア製兵器は、リビアやシリアの戦場でも苦戦を強いられており、周辺国にも波紋を起こしている。米国との本格的な戦闘への備えを最重視するロシアは、偵察用ドローンは配備しているものの、攻撃ドローンの開発は後回しにしてきた
harpy israel.jpgニュースサイト「ガゼータ・ルー」は、「ロシアはドローン革命で眠り続けている」と指摘し、攻撃ドローンの開発推進を求めた。ロシアに南部クリミアを併合されたウクライナは昨年、トルコとTB2の購入契約を結び、国内生産に向けても協議しているという
////////////////////////////////////////////////////////////

ロシア軍も無人機の有用性は承知しているものの、人間パイロット族の組織防衛により、攻撃任務を無人機に委ねるまでの構造改革には踏み込めず、結果として敵の無人機攻撃の可能性に「目を背ける」ことになり、兵器体系の変革に後れを取ったのでしょう

米軍だって、程度の差はあれその傾向はあり、西側諸国も同列ですし日本の自衛隊は対応&変革の遅さでは最後尾を走っていると考えてよいかもしれません

アゼルバイジャンのアリエフ大統領は18日、旧ソ連諸国の独立国家共同体(CIS)オンライン首脳会議で、「戦闘はもはや過去形で語るものになった」と「歴史的勝利」を振り返ったようですが、ドローンを巧みに使用する戦いは今後ますます普及するのでしょう

無人機対処にレーザーや電磁波
「小型ドローン対策に最新技術情報収集」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-20-1
「米海兵隊の非公式マニュアル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-31
「ドローン対処を3-5種類に絞り込む」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-14
「米軍のエネルギー兵器が続々成熟中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-30-1
「米空軍が無人機撃退用の電磁波兵器を試験投入へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-27
「米陸軍が50KW防空レーザー兵器契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-05
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24

「無人兵器の群れ制御に苦戦」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-30

米空軍の無人ウイングマン計画
「デモ機作成3企業決定」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-09
「無人ウイングマンのデモ機選定開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-21
「米空軍の無人ウイングマン構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-27
「XQ-58AのRFI発出」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1

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驚愕のサイバー攻撃:被害の全容不明:潜伏の可能性も [サイバーと宇宙]

6か月に渡り、好き放題に侵入されていた可能性
マルウェア「SUNBURST」または「Solorigate」
被害の深刻度は10段階の「11」

SolarWinds Orion.jpg13日、米セキュリティ企業FireEyeが、ロシアが関与すると推測されるハッカー集団がSolarWindsのソフトウェア「Orion」のアップデート版を「トロイの木馬」化し、世界各地の企業や政府のネットワークを攻撃していると発表しました。これを受け米国土安全保障省は同日、同ソフトの利用を停止するよう警告しました。

攻撃対象となった「Orion」は、集中監視および管理を提供するソフトで、通常は大規模なネットワークに導入され、サーバーやワークステーション、モバイル端末、IoTデバイスなど、ITリソース全般の追跡に使われるソフトだそうです。

SolarWinds Orion5.jpg専門家はその深刻度を10段階評価の「11」だと表現し、「まだ被害の全容さえ分かっていないが、私たちがいま思っているよりも遥かに大きな被害が出ているのは確実だ誰がこの攻撃を受けたのか、まだそれさえ特定できていないのだから」と語っています

14日にSolarWindsが米証券取引委員会(SEC)に提出した文書によれば、同ソフトは「フォーチュン上位500社のうち425社以上」が使用し、少なくとも1万8000社の顧客がOrionのアップデート版をインストールしたと推計されており、それらの企業の社内ネットワークに「トロイの木馬」が存在している模様です

これらの同ソフト使用ネットワークの大半では、「トロイの木馬」が存在していても休眠状態になっている可能性があり、ハッカーは、価値が高い少数の標的にのみ追加のマルウェアを展開してハッキングを行っているとの見方もあるようです

16日現在で判明の被害組織
ホワイトハウス
米国防省
米財務省
米商務省国家電気通信情報局(NTIA)
米国立衛生研究所(NIH)
米Cyber Security Infrastructure Security Agency(CISA)
米国土安全保障省(DHS)
米国務省
NASA

関連の様々な報道からつまみ食い
SolarWinds Orion2.jpgロイター:国家安全保障会議(NSC)は事態を重くみて、発表の12日に大統領官邸で異例の協議を行っていた
WP紙:情報筋は、今回の攻撃をロシアの対外情報庁(SVR)配下のハッカー集団「APT29」と関連づけた。複数の情報筋は米ZDNetに対し、現時点での証拠から判断して、攻撃者はAPT29であるとする米国政府の見立てがおそらく正しいとの見解を示している
 
FireEyeはこのマルウェアを「SUNBURST」と名付けて関連情報を発出し、Microsoftはこのマルウェアを「Solorigate」と名付けて、Windowsに搭載の「Defender Antivirus」に検知ルールを追加した模様
Cyber Security企業「センチネルワン」のマーク・ライトはFOXニュースにで、「送電網などのインフラを狙う類のものではないが、情報、それも機密情報を盗んでいたこと、そしてそれが何カ月にもわたって行われていたことを考えると、きわめて深刻だ」とコメント

SolarWinds Orion3.jpg17日、本件に関し上院で演説した民主党上院No2のDick Durbin議員は、「これはバーチャル侵略だ」、「何らかの対応が必要」と訴え、前日にはCNNで「ロシアによる米国に対するバーチャル宣戦布告だ。真剣に対応しなければならない」と語っている
次期大統領バイデン氏も「厳しく対応する。米国に対する深刻なサイバー攻撃に対し、ぼんやり立ちすくんではいられない」と声明を出している
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日本への影響も懸念されますが、マスゴミからは米国情報の翻訳程度しか流れてきていません・・・

年末年始で社会活動が休眠に入る中、恐ろしい被害が出ないことを祈ります

サイバー関連の記事
「誘導工作の拠点完成!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-08
「過去最大のサイバー演習を完全リモート環境で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-22
「海兵隊サイバー隊が艦艇初展開」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-08
「サイバー停電に備えミニ原発開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-07
「米国務省のサイバー対策はデタラメ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-27
「やっとサイバー部隊に職務規定が」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-13
「喫緊の脅威は中露からではない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-16
「ハイブリッド情報戦に備えて」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-05
「ドキュメント誘導工作」を読む→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-22-1
「サイバー攻撃に即時ミサイル反撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-11-1
「NATOが選挙妨害サイバー演習」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-13
「サイバーとISR部隊が統合して大統領選挙対策に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-19
「ナカソネ初代司令官が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-17
「大活躍整備員から転換サイバー戦士」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-3

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AIがセンサー操作員を務めるU-2初飛行 [米空軍]

軍用機運用にAI本格活用は初のケースとか
空軍長官や空軍参謀総長が祝いのメッセージを寄せる

U-2 AI 3.jpg15日、加州beale空軍基地をAIセンサー操作員兼ねて戦術航法士を搭乗させたU-2高高度偵察機が離陸し、空軍少佐がAI戦術航法士の指示で機体操縦を担当する中、敵の防空網の状況などをAIが自ら判断してセンサー類を操作し、情報収集する訓練を行いました

米空軍の新技術導入を推進するWill Roper調達担当次官補は、軍用機においてでAIが任務を担当する運用は初めてだととその意義を説明し、チェスや碁の世界で人間の名人を打ち破ってきた「μZeroゲームアルゴリズム」を使用しているとも語っています

U-2 AI.jpg先日も「AIは孤独に情報もなく判断を迫られる指揮官を助ける」との記事でご紹介しましたが、米国防省や各軍種は、AIを前線部隊で受け入れてもらえるよう、戦闘機パイロットとAI操縦者でバーチャル空中戦をやらせてみたり、演習司令部で指揮官の判断を支援する情報整理・選択オプションを提示させたりしてAIの有効性を知らしめる試みを続けています

「AIは孤独に情報もなく判断を迫られる指揮官を助ける」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-27

今回は、1960年代から運用している超ベテラン(空軍は退役させたいと考えている)にAIを組み合わせ、AIの能力を証明しようとの試みでしょう。具体的なAIの活躍状況は報じられていませんが、とりあえず概要をご紹介

16日付Military.com記事によれば
U-2 AI 2.jpg15日にbeale空軍基地から発進したU-2は、名前非公開の第9偵察航空団所属のコールサイン「Vudu」少佐に操縦され、センサー操作員としてAIのコールサイン「ARTUµ」(R2と発音。映画スターウォーズのR2-D2を真似たもの)を搭乗させた
離陸後、「ARTUµ」はセンサー類の操作を担当し、「Vudu」少佐とデータを共有しながら飛行を進めつつ、敵からのミサイル攻撃を想定した演習に臨み、「Vudu」少佐が敵機の状況を目視監視し、「ARTUµ」が敵の発射するミサイルの監視等を担った

AI「ARTUµ」は約50万回のシミュレーション訓練で自らの任務と判断基準を学習し、15日のフライトに備えた。
15日の飛行では、「(緊迫した場面で)U-2のレーダーを、地上の敵防空ミサイル発射機か、自身の防御用に活用するかの判断もこなしていた」とRoper次官補が明らかにしている

U-2 AI 4.jpg今年10月には、グーグルが提供するソフト管理システム「Kubernetes」を使用し、飛行中にU-2のソフトウェアをアップデートする試験に成功していたが、今回の「ARTUµ」導入にも「Kubernetes」が活用された
空軍幹部は、(Kubernetesのような)オープンソース・アーキテクチャーデザインを活用することで、容易に他のシステムにもAIを転用することが可能になる、と今後の可能性を説明している

またRoper次官補は、「ARTUµ」には、チェスや碁の世界で人間の名人を打ち破ってきた「μZeroゲームアルゴリズム」を使用しているが、人間もAIも強みもあれば弱みも持っており、これらを理解したうえでAI活用に進まないと、「algorithmic warfare」とも言われる新時代の戦いで後れを取ってしまうと述べている

Barrett2.jpg15日のU-2飛行に関しBarbara Barrett空軍長官は、「人間操縦者の専門能力と、AI機械学習の融合により可能となった今回の飛行は、国家防衛戦略が求める自立システムへの投資に合致したものであり、AIイノベーションの導入は航空宇宙ドメインを変革するだろう」とコメントしている
Brown空軍参謀総長は「大国との将来戦に勝利するために、デジタル世界で相手を圧倒していることが不可欠である。このためにAIは重要な役割を果たすことを期待されており、今回のU-2飛行に関わったチームを心から誇りに思う。変化を加速せねばならず、米空軍兵士一人一人が限界に挑戦することが求められている」とメッセージを寄せている
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Dunford AFA.jpg中国にAI開発拠点を持つグーグルの製品を活用していて大丈夫かよ! ダンフォード前統合参謀本部議長が退任直前に、「本件でグーグル幹部に直談判する」と記者会見で宣言したのに大丈夫かよ!・・・との声も聞こえてきそうですが、辣腕で名をはせるWill Roper調達担当次官補にお任せしておきましょう

AI関連の開発資金力や人材確保面で、他を圧倒していると言われる中国がどの程度のレベルにあるのか把握していませんが、だれも反対しそうもないU-2偵察機へのAI導入を契機として、米軍関係者のAIへのアレルギー感が少しでも払しょくされれば・・・と思います

まんぐーす自身は、Yahoo検索やYouTubeで、一度検索したテーマ関連の記事や広告ばかりが表示され、人間を偏らせるようなAI活用としか接していないので、なんとなくAI嫌いですが・・・

「Dunford統参議長がグーグルに怒り」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-23

AI関連の記事
「AIは孤独な指揮官を助ける」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-27
「AIと人間操縦者の実機対決を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10
「無人ウイングマンのデモ機選定開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-21
「米空軍の無人ウイングマン構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-27
「突然前倒し?第3回目は太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-29
「2回目のJADC2又はABMS試験演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-05

「人工知能シミュレータ提案を募集」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-26
「AI技術を昆虫に学べ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-1
「DARPAが新AIプロジェクトを」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-11-1
「中露がAI覇権を狙っている」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28
「2025年にAIで中国に負ける」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-04
「DARPA:4つの重視事項」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-08

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米空軍に海軍戦術核を補完する追加戦術核は必要ない [米国防省高官]

米国防省の核戦略担当次官補代理が語る
B61-12でOK、後は潜水艦発射W76-2弾頭で!?

Soofer.jpg3か月前の9月2日、米空軍協会ミッチェル研究所主催のオンラインイベントに登場した米国防省のRobert Soofer核戦略担当次官補代理が「米空軍は既に核兵器運用や核抑止に関して十分なシェアの役割を果たしており、空軍に核に関してこれ以上お願いする必要性はないと考える」と語りました

実際米空軍は、ICBMミニットマンⅢをN-グラマン社「Ground-Based Strategic Deterrent」への2020年代後半更新に着手し、2020年代半ば運用開始のB-21ステルス爆撃機の開発を進め、核搭載も狙う巡航ミサイルLRSOを2026年配備に向け開発中で、更に戦術核爆弾B61の後継B61-12(20キロトン以下)を2022-25年の間で調達する予定の大忙し状態です

B61-12 2.jpgただ本音としては、欧州諸国にも保管をお願いしている現有の戦術核は政治的意味合いもあり機種更新して現状維持も、ロシアや中国の強固な防空網や攻撃能力を考えると、米空軍航空アセットからの戦術核投射リスクは高まるばかりで、代わりに2019年末に配備が始まった潜水艦搭載戦術核弾頭「W76-2 弾頭」(5キロトン)に期待するとの意味を込めた発言だと思います

以下では、同次官補の発言とあわせ、通常戦と核戦争の区分が益々あいまいになりつつある中で、米空軍の対応を検討している米空軍司令部のRichard M. Clark核戦略担当部長(中将)による8月19日の情勢認識説明もご紹介しておきます

2日付米空軍協会web記事は次官補発言について
W76-2.jpg米国防省のRobert Soofer核戦略担当次官補代理は、「米空軍は既に核兵器運用や核抑止に関して十分なシェアの役割を果たしており、私としては空軍に核に関してこれ以上お願いする必要性を感じない」と語り、米海軍が2019年末から潜水艦への配備を始めた戦術核「W76-2弾頭」を補完するため、米空軍が追加で更に現在より小さい戦術核を保有する必要はないと示唆した

ちなみに、米海軍が2019年末に配備を開始した戦術核「W76-2弾頭」は「5キロトン」で、SLBM用戦略核の「W76-1 90キロトン」や「W88 455キロトン」、空軍が今後製造する戦術核B61-12の20キロトン以下よりも小さく、広島・長崎に投下された原爆の1/4程度である
なお、今後の核兵器については、使用の柔軟性を確保するため、状況に応じて破壊力を調整(dial a yield)可能な能力が重要になると言われている

8月19日付米空軍協会web記事はClark中将発言を
Clark.jpg8月19日、米空軍司令部のRichard M. Clark核戦略担当部長(中将)は同じくミッチェル研究所のイベントで講演し、通常戦と核戦争の区分が益々あいまいに流動的になりつつある中で、約1年半にわたり米空軍の新たな核兵器戦略を検討していると語った
同中将は、30年前にはソ連との間の核抑止を考えればよかったが、核戦力を強化している中国や行動が読めない北朝鮮など核兵器の使用を一つの兵器としか見ない考え方の台頭で、核戦略を取り巻く情勢が複雑になりつつあることを指摘し、「通常戦と核戦争の融合:conventional and nuclear integration」検討を迫られていると説明した

ロシアは地域的な戦いの場で、そのドクトリンや能力、戦術核を蓄積している様子から、明らかに(戦術核の使用を)作戦計画や戦略プロセスに組み込んでいると同中将は分析した
W76-2 sub-L.jpgまた中国に関し同部長は、核戦力の近代化更新を進めているが、これまで曖昧ながら基本としてきた「先制核攻撃はしない」姿勢から今後離れ、自身の防御のためには「Launch on Warning:我への危機が迫れば使用する」方向に向かうと見ていると述べた
さらに北朝鮮については、通常戦に核兵器を持ち込むカードを切る考えを持っていると語った

そして同部長は、核兵器を保有することで相手を抑止することが引き続き最優先であるが、中露北朝鮮などは通常戦力で米軍に圧倒されていると認識し、他の手段での対抗しようとしており抑止が崩壊した場合に備える体制が米軍にとって重要だと説明し、核兵器運用に関する指揮統制、訓練、技術などすべてを刷新して複雑な情勢に対応する必要があると述べた
///////////////////////////////////////////////////////////

これまで戦術核については、欧州の戦術核を、ドイツ軍のトーネード後継検討や在ドイツ米軍の削減などを絡めてご紹介してきましたが、やっと米海軍が潜水艦に新たに配備開始した戦術核「W76-2弾頭」の話にたどり着きました

B61-12.jpg基礎知識不足で誤って紹介している部分がありそうですが、日本で核兵器の話となれば、被爆者団体や核実験反対団体しかメディアに登場しない「思考停止状態」なので、誤りを覚悟で取り上げております

「核兵器の時代に核兵器を持たないと馬鹿になる」と誰かの言葉を振りかざすつもりはありませんが、サイバー兵器も宇宙兵器も出現し、その影響が国家運営や国民生活に甚大な影響を与える時代です。核兵器も含めた実のある議論をしたいものです。健全な判断ができる国民の存在こそが、国家安定の最大の担保ですから・・・

ドイツと戦闘機関連記事
「独3機種混合案検討を認める」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-23-1
「独トーネード後継を3機種混合で?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-29
「トーネード後継でFA-18優位?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-08
「独の戦闘機選定:核任務の扱いが鍵」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-01
「独トーネード90機の後継争い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28

戦術核兵器とF-35等
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ドイツ駐留米軍削減の関連
「米軍削減でドイツのNATO核任務に影響は?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-14
「国防長官が1.2万名削減計画を発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-30
「独駐留米軍を1万人削減へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-16
「移動先ポーランド大統領と会談」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-25
「米独2000名に安保アンケート」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-10
「9月末までに米軍再編検討を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-14 

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無人ウイングマン構想(Skyborg)デモ機製造3企業決定 [米空軍]

2023年実用化を目指して(?)

Skyborg.jpg7日、米空軍は無人ウイングマン構想(Skyborg構想)デモ機を製造する3企業を決定したと発表し、「Boeing」「General Atomics」「Kratos Unmanned Aerial Systems」の名前を挙げて、2021年5月までにプロトタイプ初号機が提供され、同7月に試験飛行を開始すると明らかにしました

3企業は2年間の契約で企業ごとに異なる金額を与えられるようで、「Boeing」が約27億円、「General Atomics」が約15億円、「Kratos Unmanned Aerial Systems」が約40億円との契約金額が公表されています

Skyborg2.jpg発表した米空軍の同計画責任者Dale White准将は、「この決定はgame-changingなSkyborg構想を前進させる大きなステップであり、その運用実験は構想を実現させる場となる」とコメントしました

デモ機製造企業選定は今年5月に開始され、当時は7月にも決定するとされていましたが、12月まで決定が伸びたようです。決定がここまで遅れた原因は不明ですが、候補に挙がっていた「ロッキードマーチン」が落ち、発表から5か月で初号機納入という短さからすると、ロッキードをなだめて納得させるのに時間がかかったのかもしれません(邪推です)

5月末以来ご紹介していない話題ですので、以下では、5月に選定を開始した当時の要求性能など解説記事を再度ご紹介しておきます

5月24日の記事によれば
Skyborg3.jpgこの無人ウイングマン構想は、中国やロシアなどの強固な防空網を持つ敵との本格紛争を想定し、現在は有人機がすべてを担っているISR偵察や攻撃を、安価で撃墜されても経済的負担が少ないながら、人工知能で任務遂行可能な無人機開発を目指すものである
例えばリスクの高いエリアでのISR任務を無人機が担当し、有人機は敵から遠い空域に在空して無人機からの入手情報を基に指揮統制をしたり、無人機が兵器を多量に搭載してシューターの役割を担い、有人機が各種情報を基に無人兵装機を誘導すなど、様々な任務分担が構想されている

具体的に米空軍研究所が、Kratos社と組んで無人ウイングマン機を想定した試験機XQ-58A Valkyrieで空力特性などの飛行試験を既に4回実施しており、この知見もデモ機開発に生かされる
また豪州とボーイング社が組み、米空軍と同様の構想で3機の試験機導入を決めており、その初号機納入式が5月4日に豪首相も参加して派手に行われたばかりだが、この試験機を通じて得られた知見も、当然米空軍とも共有され、無人ウイングマン構想や無人機全体の活用構想成熟に生かされるものと考えられる

XQ-58 Valkyrie.jpg将来的な計画は明示されていないが、2019年末の空軍高官の発言から、プロトタイプ方式で2023年までに無人ウイングマン(Skyborg)を実現する計画だと考えられている

デモ機製造企業の募集で示された無人ウイングマン機(Skyborg)への要求事項は・・・
---無人ウイングマン機(Skyborg)は、大きな戦闘力を発揮しつつも、維持整備の負担を最小限に抑え、現有の有人戦闘機に比して局限されなければならない
---またSkyborg機は、モジュラー式で多様なハードとソフトを搭載可能で、多様な任務に複数のバージョンで対応することを狙っている。またソフトは迅速に全機に対してアップデート可能であることが期待される
---Skyborg機は、繰り返し使用可能で使い捨てを前提としたものではないが、低コストで任務遂行中に失われても損害が軽微な「attritable system」であることを想定している
////////////////////////////////////////////////////

夢のある計画・構想ですので、F-35調達に押されて予算が削減されないよう、戦闘機パイロット族のおもちゃにされないよう祈念いたします

米空軍の計画
「無人ウイングマンのデモ機選定開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-21
「米空軍の無人ウイングマン構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-27
「XQ-58AのRFI発出」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3

無人ウイングマンの背景
「日米が協力すべき4分野」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-18
「戦闘機族ボスがNGADを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-28
「CSBAの米空軍将来提言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-24
「連接重視で航空アセット削減へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28
「次期制空機検討は急がない、急げない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-19
「米空軍が次期戦闘機検討でギャンブル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-05

豪州の取り組み関連
「試験用初号機納入式典」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-05-1
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2

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AIは孤独に情報もなく判断を迫られる指揮官を助ける [Joint・統合参謀本部]

統合AIセンター(JAIC)とか
AI開発環境JFC(Joint Common Foundation)とか

Groen.jpg11月24日、2018年に新設された統合AIセンター(JAIC)の所長であるMichaelGroen海兵隊中将が国防省で記者会見し、AIに対する米軍内の誤解からくる導入の難しさや、2021年に稼働予定の国防省にAI開発環境を提供するJFC(Joint Common Foundation)についてアピールしました

人口知能AIについては、人間に代わってコンピューターが勝手に判断するとか、AIの意思決定過程がブラックボックスで危険だとの懸念が先行し、今市場にあって米軍内でも活用できる技術が存在しているのに、なかなか導入が難しい現実が米軍内にはあるようで、そのような懸念払しょくのため同中将は語っているような印象を受けました

例えば、8月に人工知能戦闘機操縦者と人間パイロットのバーチャル空中戦対決が行われ、5戦5勝の圧倒的勝利をAI側が納めたことで話題になりましたが、同対決の主催者は、「AIに対する人間の信頼感を高めることが狙い」だと強調していた点が印象的でした

11月25日付Military.com記事によれば
Groen2.JPG2018年に新設された統合AIセンター(JAIC)は、国防省内でAIの力が十分活用されるように推進することが任務であるが、センター長のGroen中将は、AIが単なる情報技術でも、業者提供のブラックボックスでも、デジタルガジェットでもない」と述べ
「状況分析の正確さと意思決定の成否が試される戦闘では、Xともいえる重要なカギとなる情報を把握していれば指揮官は正しい判断ができるが、我がセンターは全てのレベルの指揮官がXにアクセスできるようにしたいと考えている」と役割を説明した

また上記を具現化するための一つとして、8月に国防省がDeloitte Consultingと約110億円の契約を結び、国防省のAI開発環境を提供するJFC(Joint Common Foundation)の設計と構築に取り掛かっていると述べた
Groen3.jpegこのJCFは、AI機能をテスト、検証、およびフィールド化するための開発環境となるもので、米軍部隊や国防省機関で、保有するデータ処理にAIを活用したいが専門家が近くにいなかったり、他の専門家からのアルゴリズム検討支援を希望するユーザーに技術的基盤を提供するもので、2021年に運用体制確立を目指している

同センター長はこれまでの戦場指揮官の意思決定について、「多くの場合、戦闘での意思決定は、多くの経験や成熟した理解を持つと考えられた人間だからということで、不完全な知識に基づいてリアルタイムでの意思決定を強いてきた」と評価し
今後は例えば、「各種センサーの情報を総合して基地に対する脅威の自動検出や脅威の識別を行ったり、無人偵察機にある種の計測器を装着し、1時間後ぐらいに故障が発生する可能性が高いとの評価を事前に警報として送信させたり・・・といったことが現在ある技術で可能だ」とAIの現在位置について説明した

Groen4.jpgそして、「戦域全体の状況を、指揮官が指先の操作で何時でも確認把握できるような技術が利用可能だ」とも表現した
ただし、国防省全体にそのようなAI技術を注入・普及させる時程について具体的には語らず、「一連の技術変革の意味を広く理解するためにやるべきことが多くある。様々なアイディアが市場にあふれており、それを生かして効率的・効果的にならねばならない」とのみ述べた
////////////////////////////////////////////////

米空軍が主導して行われた、3回の統合全ドメイン指揮統制演習JADC2又は先進戦闘管理システムABMS試験では、様々な形で指揮官への情報提供が試みられ、フロリダ州のテントの中で米本土への巡航ミサイル対処指揮が行われたり、太平洋を戦域とした3回目の演習では宇宙ドメインも絡めた指揮統制がAIを活用して行われたと報道されています

この米空軍の動きと、本日ご紹介した統合AIセンター(JAIC)が、どこまで連携しているのか不明ですが、研究投資額や研究者数で中国に対して劣勢と言われているAI分野で、米国防省のみならず、米国全体いや西側が結集して力を発揮していただきたいものです

2024年に実際の戦闘機で披露するそうです
「AIと人間操縦者の実機対決を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10

米軍情報共有の厚い壁
「データフォーマットの相違」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-12

全ドメイン指揮統制連接実験演習:ABMSとJADC2関連
「突然前倒し?第3回目は太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-29
「2回目のJADC2又はABMS試験演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-05
「初の統合「連接」実験演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「国防長官も連接性を重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-09
「将来連接性を重視しアセット予算削減」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28

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KC-46給油機の恒久対策は2024年以降に [米空軍]

期待値小の暫定対策ソフト改修にボーイングと合意した模様
ハード交換を伴う恒久対策を現在細部精査中
日本も4機導入するのですが・・・

KC-46A9.jpg11月24日、米空軍省の調達全般を取り仕切るWill Roper次官補が、米空軍の重要事業KC-46空中給油機の給油操作表示装置(RVS:remote vision system)の不具合解消について、ソフト改修による当面の暫定対策案の評価を終了し、本丸である2023-24年から実施予定の恒久対策(RVS2.0の搭載)に向けて本格的に進むと語りました

KC-10やKC135の老朽化が進み維持費が高騰して必要機数確保が困難になる中、また対中国で空中給油が極めて重要になる中、米空軍の最重要事業として2017年に初号機導入の予定だったものが2年遅れ、更に納入後の運用試験で上記トラブルの他に、機内への部品やごみの放置、燃料漏れ、貨物ロック装置の不具合など複数のトラブルで更に運用開始が遅れている状態のKC-46です

KC-46 Boom3.jpgRVSは、従来の給油機では給油捜査員が機体後方の窓から直接相手機を目視確認しながら給油を行っていたところ、KC-46では初めて機体後方のカメラ映像を操縦席内の給油捜査員がモニター画面上で見ながら操作する方式を追求していますが、相手機との遠近感が掴みにくい、夜間は相手機が見にくい、太陽光の角度によっては操作が困難等の不具合が現場から噴出し、実際の試験では給油棒(ブーム)で相手機に引っかき傷をつけてステルス塗装を損傷させる等の問題が多発していました

KC-46A1.jpgこの問題については、米空軍とボーイング間で協議が難航し「要求性能を満たしている」かどうかで1年半近く言い争いが続き、空軍参謀総長がボーイング社の乗り込んで直談判する等を経て、2020年4月に「ソフト改修の暫定対策」と「ハード改修追加を伴う恒久対策」の2段階で行う方向で両者が合意していたところです

しかし今日ご紹介する記事からすると、効果が限定的な「ソフト改修の暫定対策」内容についてしぶしぶようやく合意し、2023-24年からやっと開始の恒久対策についてやっとオプションを出そろい、今後地上試験を経て最終決定する「まだまだ」の段階です

25日付米空軍協会web記事によれば
Roper.jpg24日、Roper次官補は内容の確認が完了して合意した「ソフト改修の暫定対策」について、「いくつかのソフト上の機能を追加導入してRVSの機能改善を図るが、根本的に捜査員の視界を改善したり、劇的な変化が得られるものではない」と表現し、真に部隊運用にとって重要な恒久対策(RVS2.0の搭載)に今後は本腰を入れて取り組んでいくと語った
4月に合意した恒久対策には、追加のカメラ、表示ディスプレー、レーザー距離測定装置等々を含むハードウェアの根本変更が含まれていると同次官補は説明した

恒久対策の現状について同次官補は、「おおむねすべての側面の設計レビューを完了した」と述べ、残っている重要側面として、操縦席内で給油捜査員が確認しつつ操作する表示ディスプレーについて、2つの最終オプションを精査して今後1つに絞り込むと現状を説明した
2つのオプションは
---HDテレビに似た高精細液晶タイプの画面
---平行に配置したミラースクリーン、または訓練シミュレータで使用の大きな丸いスクリーン

KC-46A2.jpg2つのオプションを精査して絞り込んだのち、地上の操縦席を模した試験装置に表示装置を設置し、米空軍の要求に応える装置であるかを確認する
今年4月のボーイングとの合意上では、米空軍が地上で確認し納得した場合、2023年までに12機分の改修装置キットをボーイングが提供し、2024年から機体製造ラインへの投入が始まる予定となっている

Roper次官補は「恒久対策(RVS2.0の搭載)は、現在のRVS1.0とは全く異なる印象を受けており、前線兵士のニーズに応えられる新しい革新的プログラムである」、「新プログラムに取り組むことに喜びを感じている」と語った
/////////////////////////////////////////////////////////

KC-46 Boom4.jpg日本の航空自衛隊も4機導入を決定しているKC-46なので、チマチマと状況をフォローしております

コロナの影響で航空業界への影響は甚大で、ボーイングは需要が確実な軍事分野が唯一の安定収入でしょうから、誠実に取り組んでほしいものです

それにしても、導入は2024年以降となる模様で、ざっと5-6年の遅れとなります。空中給油の民間委託の話も出ていますが、現場の苦労がしのばれます・・

KC-46関連の記事
「今度は燃料漏れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-31-1
「やっぱりだめで更に1年遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「重大不具合について3月に手打ち!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-21
「空軍トップが新CEOに改善要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
「ついに空中給油の民間委託検討」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-15
「貨物ロックに新たな重大不具合」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-12
「海外売り込みに必死なボーイング」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-22-1
「米空軍2度目の受領拒否」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-1
「機体受領再開も不信感・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「米空軍がKC-46受け入れ中断」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-3
「不具合付きの初号機受領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-2
「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1

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初の女性空母艦長誕生へ [Joint・統合参謀本部]

女性艦載ヘリパイロットの草分け
士官学校卒業時に女性に戦闘艦艇や作戦機への門が開き

Bauernschmidt.jpg9日付Military.comが、米海軍が2022年度(2021年10月から)に空母艦長となる候補者6名を発表し、その中に初めて女性が選ばれていると報じました

初の空母艦長候補者となったのは、1994年に海軍士官学校を卒業したAmy Bauernschmidt海軍大佐(推定49歳)で、卒業後ヘリパイロットコースに進み、いくつものヘリコプター飛行隊で艦艇運用を経験してきた方のようです

Bauernschmidt4.jpg特に2016年、女性として初めて空母リンカーンのXO(executive officer)に就任したことで大きな注目を集めた方です。この「XO」は、空母艦長に次ぐNo2の位置づけで、日々の空母の活動細部を取り仕切る役割を担い、艦長がより大きな視点で作戦全般や戦略的視点で指揮できるよう補佐するポストだそうです

「XO」ポストについていた2018年11月、CBSのインタビューに答えた同大佐は、士官学校卒業した年に米議会で、海軍戦闘艦艇や艦載作戦機への女性搭乗に門戸が開く決定をしたことが人生を大きく変えたと語っています

同大佐のXO勤務を紹介するCBSインタビュー映像
https://www.cbsnews.com/video/navys-1st-female-executive-officer-leads-with-unique-leadership-style/#x

Bauernschmidt3.jpgまた最近まで、空母艦長への登竜門とみなされている強襲揚陸艦San Diegoの艦長を務めていた同大佐は艦長当時の2018年、NBCのインタビューにも答えて空母艦長になることを目指していると語り、強襲揚陸艦艦長としてしっかり任務を果たすことが空母艦長への道につながると決意を述べています

また更に、「空母艦長への道は決してやさしい道ではない。優れた海軍士官と私は競っており、同じような成果を上げてきた人物や道のりを歩んできた人物はたくさんいる。厳しい道だ」と表現し、「私にとって海軍勤務は、日々若い海軍兵士を導くことであり、素晴らしい仕事だ」と語っています

お写真を拝見すると、すっきりと前を見据えた、気持ちの良い人物に見え、上記で紹介したCBSインタビュー映像でも、強い信念が伺えます。素直に応援したいと思いました

Bauernschmidt海軍大佐の公式経歴
https://www.public.navy.mil/surfor/lpd22/Pages/bio1_9September2019-21October2020.aspx

軍での女性を考える記事
「黒人女性が初めて米海軍戦闘操縦コース卒業」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-12
「初の米空軍下士官トップにアジア系女性」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-20
「GAO指摘:女性の活用不十分」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-20
「初の歩兵師団長」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-10
「超優秀なはずの女性少将がクビに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-11
「3軍長官が士官学校性暴力を討議」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-10
「上院議員が空軍時代のレイプ被害告白」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-08
「空自初:女性戦闘機操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-25
「自衛隊は女性登用に耐えられるか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10
「女性特殊部隊兵士の重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「Red Flag演習に女性指揮官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19

「米国防省:全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「ある女性特殊部隊員の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「珍獣栗田2佐の思い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17
「2012年の記事:栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1

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米国防省が豪州と極超音速兵器で共同生産見据え合意 [米国防省高官]

豪州は2か国目で、ノルウェーが最初
豪州とは過去15年間基礎研究で協力してきたとか

Kratsios.jpg11月30日、米国防省のMichael Kratsios技術開発担当次官が、豪州と極超音速兵器のプロトタイプ迅速作成と将来の量産体制確立を念頭に置いた「SCIFiRE」(南十字星飛行研究実験:The Southern Cross Integrated Flight Research Experiment)に合意したと発表しました

このような極超音速兵器技術のプロトタイプ開発国際協力プロジェクトの取り組み(U.S.-run Allied Prototyping Initiative)は昨年米国防省が打ち出したものですが、1番に手を挙げたのがノルウェーの「固体燃料ラムジェット」共同開発で、今回の豪州との合意は2番目との事です

ARRW.jpg米国の陸海空軍は、極超音速兵器に関して共通部分を共同開発し、それぞれの搭載兵器や運用法に応じ、個別にランチャー等の開発にあたっており、陸2023年、海2023年、空2022年配備を目指してそれぞれが精力的に取り組んでいます

なお、米空軍は以下の2種類に取り組み中とのことです
「Mayhem」→air-breathing Hypersonic Attack Cruise Missile(ARRWより大きく、多様な弾頭を搭載可能)
「ARRW」→Air-Launched Rapid-Response Weapon 

以下では、細部不明ながら2番目の極超音速兵器の開発国際協力合意に達した豪州との取り組みについて、断片的にご紹介しておきます

11月30日付米空軍協会web記事によれば
Collins.JPG米空軍の計画リーダーであるHeath A. Collins准将は、「SCIFiRE:南十字星飛行研究実験」取り組みでは、米豪が協力して極超音速兵器のフルサイズ長射程プロトタイプを作成し、実戦的な飛行デモで検証すると計画を説明している
国防省によれば豪州との今回の合意は、「将来可能性のある極超音速兵器共同生産を追求する取り組みでもある。過去15年あまり、HIFiRE(Hypersonic International Flight Research Experimentation)との枠組みで同兵器開発で協力してきた両国の成果をてこにして取り組む」もので

「SCIFiRE:南十字星飛行研究実験」には、米空軍、米海軍、豪空軍、豪国防科学技術グループが協力して取り組む
Mayhem.jpg米国防省の研究開発担当次官室の下で運用されている「Allied Prototyping Initiative」は、世界中の軍事技術基盤を結んで迅速に最新技術を装備化する取り組みで、国際協力の重要性を説いている国家防衛戦略NDSに沿ったものである

Mel Hupfeld豪空軍参謀総長は合意に関し、「豪州の国防技術科学者と、米空軍をはじめ米国防省全体の最新の知見を持ち寄って、最新最高の成果を両空軍チームに提供したい」と述べている
////////////////////////////////////////////////////

「Allied Prototyping Initiative」が極超音速兵器のみを対象として始まっているのか、他の分野にも展開されているのか把握していませんが、「人工知能AI」や「無人機の群れ」関連を含め、今になって「大学との連携強化」とか「民間企業との連携強化」とかを打ち出す動きが広がっています

もちろん必要なことで、日本の「学術会議」のようなお寒い組織との戦いレベルからすると格段の違いなのですが、中国が国内のみならず「千人計画」なるもので国外にも触手を伸ばしている現状からすれば、極めて厳しい状況を言わざるを得ません。しかしこれが現実です・・・

日本もガッチリかかわっていきたいところですが・・・

米軍の極超音速兵器開発
「今頃学会と情報収集枠組み」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-28
「3月の極超音速兵器テストは誤差20㎝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-14
「3軍協力で極超音速兵器開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1
「ボディー試験に成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-22
「空軍開発本格化」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-16
「攻防両面で超超音速兵器話題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-09-08-1
「防御手段無し」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-03-21-1
「宇宙センサー整備が急務」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31

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Austin元中央軍司令官が国防長官候補に [安全保障全般]

長官就任には「いばらの道」とご紹介しましたが
軍退役後7年以上との規定の「例外」が再び承認されるか
とりあえずご経歴をご紹介

Austin.jpg日本時間の8日米メディアが、次期大統領バイデン氏が国防長官候補に、元中央軍司令官のLloyd J. Austin退役陸軍大将(2016年退役)を推薦すると報じました

7日付Military.comはAP報道を引用し、次期政権人選を行うバイデンチームの4名から別々に、Austin退役陸軍大将が国防長官に推挙されると紹介しています

Austin退役陸軍大将の国防長官可能性については、以下の12月3日付の記事でその可能性を報じる報道をご紹介し、同時に「軍人退役後7年以上経過」が条件で、マティス氏がトランプ政権スタート時の国防長官として同条件の「例外」を承認された当時と、現在の米議会の雰囲気が異なることから、Austin氏が「例外」承認を得ることは困難だろうとの見方をご紹介したところでした

「Austin元大将が国防長官になる為の高いハードル」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-02

それでも、初の黒人国防長官として、バイデンチームが推挙するにはそれなりの勝算があってのことだと思いますので、メディア報道からAustin退役陸軍大将(2016年退役)のご経歴(バイデン氏との接点を中心に)ご紹介しておきます

7日付Military.com記事によれば
Austin3.jpgAustin退役陸軍大将は、1953年8月アラバマ州生まれでジョージア州育ち。典型的な南部の出身の68歳。1971年陸軍士官学校卒業の歩兵部隊士官として勤務し、2016年に中央軍司令官を最後に退役し、大手軍需産業Raytheon取締役等の民間企業役員やコンサルファームの経営を行っていた
米陸軍式幕僚大学や米陸軍大学卒業。1986年のアラバマ州アーバン大学で教育カウンセラー修士号、1989年にウエブスター大学からMBAを取得している

オバマ氏が大統領に当選した2008年、イラク駐留多国籍部隊の司令官を務めており、その後、2010~2011年の間、その一つ上のイラク駐留米軍司令官を務め、オバマ政権(バイデン副大統領)の下で困難な対IS作戦の正面で指揮官を務めた
2011年12月、同大将は黒人初の陸軍副参謀総長に就任し、そのわずか1年後の2013年3月から米中央軍司令官を務め、2014年のモスル奪還など対IS作戦を指揮し、2016年4月に退役した

Austin2.jpgAustin退役陸軍大将は対外的には寡黙で、メディアの前でインタビューに答えることもほとんどなかったし、大衆の目を避けるように行動するタイプだが、強いリーダーシップを発揮する、誠実で知性あふれる人物として知られている
ただ一方で、米議会など証言の機会を与えられると率直な物言いで知られ、ISが北西イラク地方に侵攻を企てた際、イラクのスンニ派がイラク政府支援を拒否するだけでなく、ISの味方をして便宜を図ったと率直に語ったり

約50億円を投入した対ISのためのシリア反政府勢力教育訓練の成果を、当時のマケイン上院議員に「養成した要員が何名ぐらい前線でISと戦っているのか?」と質問され、「4-5人です」と正直に回答し、マケイン議員から「30年上院軍事委員会にいて、こんなにばかげた話を聞いたことがない」と酷評されるほど率直・正直な人物として知られている
それでもオバマ政権下で同大将は高い評価を得ていたが、オバマ大統領が決定した2011年12月のイラクからの米軍撤退について反対姿勢を示している

また、Austin退役大将の軍での経歴が中東に偏っており、対中国シフトへの転換が重要課題となっている中で、果たして大丈夫かと懸念する声もある
一方で、バイデン政権はコロナ対策のワクチン配給に軍の兵站組織を活用しようと考えており、中東での危機管理を担っていた同退役大将の手腕に期待しての選考だとの声も聴かれる
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Austin4.jpg女性初の国防長官でなく、初の黒人国防長官を選んだ・・・との表現の報道もあります

良く存じ上げない人物ですので、今後の動きを見守りたいと思います

ウィキペディアのAustin退役陸軍大将経歴
https://en.wikipedia.org/wiki/Lloyd_Austin

「Austin元大将が国防長官になる為の高いハードル」
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F-35A型への新型戦術核B61-12搭載飛行試験終了 [亡国のF-35]

部品の信頼性問題でB61-12製造が2022年以降と大幅遅延中も
F-15Eとは3月、B-2とは6月に搭載適合試験終了とか

B61-12 F-35.jpg11月23日付TheDriveが、ネバダ州の秘密試験場で行われた新型戦術核爆弾B61-12のF-35A型内部兵器搭載庫への搭載・投下試験が一応終了したと映像付きで紹介し、3月のF-15Eと6月のB-2爆撃機に続いての成果だとしています

ただF-15EやB-2は、核爆発から機体を守る改修対応済で既存の3つの戦術核(B61-1,2,10型)も使用可能ですので、新型B61-12へ適合搭載試験だけで、恐らく実戦可能となっているのでしょうが、コロナとの関係や作戦上の秘密として、以前は2020年末としていた適合承認時期について、米空軍は今は明確にしていません

B61-12 F-35 3.jpgまたもう一つの大きな問題として、航空機搭載の新型戦術核兵器B61-12も、潜水艦搭載のSLBM「Trident D5」の弾頭「W88 ALT 370」も、民間企業製造の重要部品の信頼性が不足していることが2019年に判明し、1個当たり5ドル程度の当該部品の代替品を確保するために約900億円もの投資が必要だと判明した等の理由で、B61-12の配備開始は早くとも2022年以降になる状況も絡んでいます

更に言えば、上記のような核兵器に関する信頼性確保や関連製造維持インフラへの投資額も含めると、B61-12の価格は同重量の「黄金」と同程度にもなるとも言われており、核兵器の在り方や抑止概念の整理などの議論を生起させる要因となっているところです

11月23日付TheDrive記事によれば
B61-12 2.jpgSandia国立研究所は、米空軍やロスアラモス研究所と協力し、新型戦術核爆弾B61-12重力投下爆弾をF-35Aに適合させる一連の飛行試験を終了したと明らかにし、F-35の内部兵器格納庫(internal bomb bay)から同戦術核爆弾を投下する映像を初めて公開した
公開された映像は、8月25日に非公開のネバダ州Tonopah Test Rangeで行われた試験模様で、B61-12型の模擬爆弾を高度約3300mから投下し、42秒後に指定されていた目標地点に着弾した様子を納めている

同戦術核システムチーム長は「F-35による歴史的な投下試験を成功裏に実施できた。この試験で同戦術核とF-3A5型との連接に関する機械、電気回路、データ通信など全ての側面を確認できた」、「これら最近の試験はF-35AとB61-12爆弾に関わる最も緊要な部分であった」と成功した試験を振り返った
B61-12 3.jpg8月の試験映像では、F-35から投下されたB61-12が、落下途中で同爆弾中央部に装備されたロケットを噴射して自らを安定させるための回転運動を始める様子が確認できる。また同爆弾にはJDAMキットに含まれているようなフィンが装着されており、GPS信号による誘導と空力作用で誘導爆弾的な運用が可能となっている

F-35へのB61-12適合試験は遅くとも2019年から開始されており、2020年6月には国防省F-35計画室が搭載試験飛行の写真を公開していたが、今回の搭載投下飛行試験の終了を受けても、最終的にいつ承認されるのか米空軍は「作戦運用上の秘密」として言及を避けている。2017年時点では、2020年末には搭載承認が下りると予定されていたが

2020年8月の投下試験(約50秒)


ただ、特にF-35Aでの試験は、超音速飛行可能な機種の空気抵抗の少ない内部兵器格納庫(internal bomb bay)から投下する手段を確保した点で重要であり、超音速飛行可能なF-15Eでも外部搭載した状態からの投下や、内部兵器庫から投下可能ながら亜音速飛行した出来ないB-2(B-21次期爆撃機を含む)からの投下とはその重要性が異なる
ちなみに、強固な防空網圏内での作戦が困難とされているB-52爆撃への搭載適合試験が行われるかは不透明だが、現時点ではB-52の脆弱性から戦術核兵器搭載任務は付与されていない

B61-12 F-35 2.jpgSandia国立研究所は、3月にF-15E戦闘爆撃機とB61-12新型戦術核の敵動画確認できたと発表し、6月にはB-2戦略爆撃機との適合性も確認したと明らかにしている
欧州NATO加盟国との「NATO nuclear sharing commitments」の関係から、欧州諸国が広く使用しているF-16C/DとB61-12との適合試験も計画されているが、ドイツやイタリアがトーネードの後継機として検討しているFA-18との適合試験実施は今検討中である
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B61戦術核兵器の話題は、欧州NATO諸国との「NATO nuclear sharing commitments」との関係から興味深い話なのですが、4年ぶりに取り上げました。ドイツのトーネード後継選定のゴタゴタと合わせ、欧州と米国の関係を考える上での「リトマス試験紙」の一つですので・・

しかし核兵器は「お高い兵器」なんですねぇ・・・・。日本も核武装を・・・との勇ましい話が時々飛び出しますが、このあたりも踏まえた落ち着いた議論が望まれます・・・

F-15Eストライクイーグルでの投下試験(2分半)


戦術核兵器とF-35等
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ドイツと戦闘機関連記事
「独3機種混合案検討を認める」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-23-1
「独トーネード後継を3機種混合で?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-29
「トーネード後継でFA-18優位?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-08
「独の戦闘機選定:核任務の扱いが鍵」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-01
「独トーネード90機の後継争い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28

核兵器の経費関連記事
「核戦力維持に10兆円?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

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