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防衛研究所メモ「サイバー傭兵の動向」 [サイバーと宇宙]

ブログ「東京の郊外より」支援の会を立ちあげました!https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
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「サイバー傭兵」の事例をイラン・露・中から
更に「開発と攻撃者の分業化・専業化」の視点から

hacktivist.jpeg防衛研究所が定期的に出す「ブリーフィングメモ」として、小野圭司・特別研究官による「サイバー傭兵の動向」との興味深い4ページの論考が掲載されサイバー攻撃を支える「傭兵」とも考えられるハクティビスト(行動主義的なハッカー集団)の動向が紹介されています

ハクティビスト(行動主義的なハッカー集団)が生まれる背景には、まず、ソフトウェア開発が極めて知識集約的であることから、優秀なハッカーが個人や小集団で十分に世界をまたにかける競争力を獲得し得ることまた、サイバー人材は世界で400万人不足しているといわれるほど人材不足状態が続いており、自前で優秀な人材を確保することが難しく「外注化」が広がっておりサイバー攻撃でも同様の傾向が表れていることがあるようです

小野圭司 防研.jpeg技量に優れハクティビストの主要プレーヤーとなるハッカー達は、権威や常識にとらわれず、組織の枠にも収まらないで行動する傾向が強くサイバー攻撃で得た多額の報酬で豪華な生活を送っていることをSNS上でアピールする者もいるようですが

一方で「アノニマス」に参加するハクティビストのように、社会的・政治的正義感から無償でサイバー攻撃に加わる特性も同時に備えるものも多く、このような者達がサイバー攻撃に参加する動機として、報酬以外の比重(自己顕示や達成感、正義感)が大きい場合が少なくなく、問題を複雑にしているようです

以下では、まず「サイバー傭兵」の事例をイラン・ロシア・中国の例で確認し、次に最近のサイバー攻撃の特徴をなしている「開発と攻撃者の分業化・専業化」の視点から、「傭兵」たちの生態に迫りたいと思います

サイバー傭兵の事例
hacktivist2.jpegイランでは軍のサイバー軍設立(2006年)以前から、民間の技術者がハッカー集団(5-10名)を形成し米国のNASAや金融機関への侵入を行っていたが、イラン政府の依頼や指示でも活動するようになり、イラン情報機関への教育を担当したりもしていた。米政府も、イラン政府の依頼を受けたハッカー集団の攻撃を受けたことを公表しており、小組織が「競争力を有する」ことを証明した事例である

2007年4月にエストニア政府機関サイトが攻撃を受けた事案では、ロシア下院議員が、自身の関係者がプーチン政権支持のサイバー技術者と共にDoS/DDoS攻撃を行ったことを認めており、ハクティビスト関与の事例である
2008年の南オセチア事案でも、ロシア政府が犯罪者である民間人技術者が DoS/DDoS 攻撃に動員したと見られている。ロシアが犯罪者を非合法的な活動に従事させるのはソ連時代からの伝統で、例えば 2017 年には露保安庁(FSB)がサイバー犯罪者を使って、政府・報道・金融・交通関係企業者の個人情報をフィッシングしたことが明らかになっている

hacktivist3.jpeg中国でハッカー達は、国家に対して危険を及ばさない限り容認され、一部は国の支援を受けており、数万人から100 万人存在すると見られている
四川省のNCPH(Network Crack Program Hacker)に代表される大学生集団の中には、政府関係機関と密接な関係を有しているものがあり、例えば、2006 年の米国防省を含む米国政府機関への侵入は NCPH が行っている。これらハッカー集団は、中国では「サイバー民兵」や「情報専門民兵」と呼ばれており、2004 年の中国国防白書で初めてその存在を公式に認めている
中国は民間企業主体のサイバー民兵も組織しており背景にはサイバー防衛・セキュリティ需要の急増がある。中国のサイバー防衛市場規模は 2011年には 28 億ドルだったものが、2016 年には 48 億、2021 年には 132億ドルを超えるものと予測されている。代表例の南昊科技公司は、ソフトウェア開発やスキャナなど電子機器製造企業だが、解放軍のサイバー民兵として、また解放軍のサイバー戦要員教育も請け負っている

「開発と攻撃者の分業・専業化」から見る「傭兵」たちの今
hacktivist4.jpeg最近頻発しているランサムウェアのサイバー攻撃(身代金要求型)では、開発と攻撃者の分業化・専業化が指摘されている。かつてランサムウェアの開発者は自ら攻撃を行って収益を得ていたが、ファイル暗号化型ランサムウェアが台頭した 2013 年頃からRaaS(Ransomware-as-a-Service)と呼ばれるサイバー攻撃の請負・代行が確認されるようになった
RaaS では支払われた身代金を、開発者とサイバー攻撃請負・代行者の間で分配する。この仕組みにより、サイバー攻撃請負・代行者はランサムウェアを開発する手間を省いて簡便に金銭目当ての攻撃を行うことができ、逆に RaaS の提供者は自分の手を汚すことなく収益を上げることができる。収益の配分は開発者3-4割、攻撃者が6-7割と言われている

現在では、マルウェアに様々な形式の暗号化や圧縮を行って表面上のコードが異なる「亜種」を作成することで、サイバー防衛側による検出を回避することが常套化しており、また、サイバー攻撃請負・代行者の収益分配率を高くすることで、不特定のサイバー攻撃者を多数動員することが可能になっていると見られている
hacktivist5.jpegかつては、攻撃企画側は報酬用資金を事前に準備する必要があったが、資金力が無くてもソフトウェアの開発能力に優れる者は、ランサムウェアで身代金を獲ることができるので、それを前提にサイバー攻撃の請負・代行者(傭兵)を集めることも可能となる。このようにランサムウェアの普及で、サイバー傭兵の活用やサイバー攻撃代行に新しい傾向(元手は必ずしも必要ない)が生じたと言えよう

IT・サイバー技術者(ハッカー)は「権威や常識にとらわれず、組織の枠にも、はまらない」と述べたが、彼等は自由な情報交換と知識の共有のため非合理的な官僚主義を忌避し、政府や体制に対する批判勢力を形成することがある。その代表的なものの 1 つが、ウィキリークス(WikiLeaks)である
この運動が攻撃代行的なサイバー傭兵と大きく異なるのは、経済的利益(報酬)の追求が動機ではない点にある。つまり彼等は報酬を得ることを目的としておらず、主に行政機関や大企業を対象に、不正や理不尽に関する情報入手し、ネット上で世に告発するという懲悪義賊的な社会貢献を目指していた

注目を集めている集団に、「アノニマス」がある。これは不特定多数のハッカーが、「抽象的ではあるが誰もが賛同しやすい大義」の下に即興的に集まったもので、主にDoS/DDoS 攻撃を実行する。その中核ハッカーの技量は相当高いと見なされるが、不特定多数のハッカーを即興的に集めることから、長期的・計画的な攻撃には向いていない。DoS/DDoS攻撃は攻撃手順も単純で、調整負担も軽くて済むので、即興的組織に適している

付和雷同型のハクティビスト集団は、膨大な人数が徒党を組むことがある。この性質を有する彼等を自らの思う方向に利用した世論の誘導・世論工作も行われている
hacktivist6.jpeg欧米のハクティビストの多くは自由主義的な反体制の政治思想を共有しているが、中国の場合には、特に 2000 年前後に活発に活動した集団(「中国紅客連盟」や「中国鷹派連盟」等)は愛国主義的な傾向を持ち、中国政府もその限りにおいて、外国に対するサイバー攻撃を行う彼等を泳がせていた。その活動が中国の大衆から支持され、「英雄」として祭り上げられたことも、活動の動機として大きな比重を占めていた

ハクティビスト集団は一般に、「不正・理不尽」を正すとの正義感を持っており、中国の集団も、外国は誤っており理不尽だと考えている。ただこの「不正・理不尽」の判断は各ハッカーが独自に行うので、集団の中でこの判断の差異が顕在化すると、集団そのものが瓦解する危険がある。実際にアノニマスも、内部では派閥争いが絶えず生じている。このため中国も習近平政権になってからは、ハクティビストへの監視・管理を強め始めたと言われている
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基礎知識が薄い分野ですので、長々と引用してしまいました。サイバーと宇宙については、なじみの少ない方が多いと思うので、防衛研究所には発信の頻度を上げていただきたいものです

Cyber-new.jpg「ハクティビスト集団」は信用できるのでしょうか? 2重スパイ・3重スパイ的に動き回る者や、ブローカー的な輩が暗躍しないかと心配になります

でもこのような人たちが、クリック一つで社会を混乱させることが可能な世界って何なんでしょうか?抑止の議論が可能なんでしょうか???

「ダークウェブ」との、闇の深い世界のお話でした

防衛研究所webサイト
http://www.nids.mod.go.jp/

サイバー関連の記事
「過去最大のサイバー演習を完全リモート環境で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-22
「海兵隊サイバー隊が艦艇初展開」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-08
「サイバー停電に備えミニ原発開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-07
「米国務省のサイバー対策はデタラメ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-27
「やっとサイバー部隊に職務規定が」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-13
「喫緊の脅威は中露からではない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-16
「ハイブリッド情報戦に備えて」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-05
「ドキュメント誘導工作」を読む→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-22-1
「サイバー攻撃に即時ミサイル反撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-11-1
「NATOが選挙妨害サイバー演習」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-13
「サイバーとISR部隊が統合して大統領選挙対策に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-19
「ナカソネ初代司令官が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-17
「大活躍整備員から転換サイバー戦士」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-3
「サイバー戦略がもたらすもの」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-02
「市販UAVの使用停止へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-07-1
「サイバーコマンドの課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-04
「サイバー時代の核兵器管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02

「人材集めの苦悩」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-31
「米空軍ネットをハッカーがチェック」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23
「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

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ロシアが衛星から衛星攻撃物体の射出実験 [サイバーと宇宙]

2017年頃から続く一連の実験
宇宙兵器の制限を訴えるロシアを偽善者と非難

Raymond.jpg23日、初代宇宙コマンド司令官かねて宇宙軍参謀総長Raymond大将が声明を出し、7月15日にロシアが行った「Cosmos 2543衛星から、他のロシア衛星に向け、高速で物体を射出する実験」を、ロシアが軍事ドクトリンで表明している「米国やその同盟国の宇宙アセットを危機にさらす兵器」の試験だと厳しく批判しました

このような衛星破壊を伴わない実験をロシアは以前から行っており、米国務省は2018年に初めてこの問題を国連軍縮会議で取り上げ、今年4月にもChris Ford 国務次官補(当時)が、詳細には言及できないが「2017年にはCosmos 2519が子衛星Cosmos 2521を射出し、更にその子衛星Cosmos 2521が孫衛星Cosmos 2523を速度250km/hで射出する実験を行った」とロシアを非難しています

Cosmos 2543.jpg米国は、ロシアが外交の場で宇宙での軍備管理の必要性を訴え、米国の宇宙活動能力に制限を加えようとする一方で、ロシア自身が宇宙兵器開発を自制する意思を全く示さないのは、ロシアが偽善者であることの動かぬ証拠だと非難し、4月15日にロシアが行った地上発射の直接衛星攻撃兵器実験と合わせてロシアの非道ぶりを訴えているところです

米国防省は6月に「国防宇宙戦略」を発表し、中国やロシアの宇宙開発に強い危機感を示し、米国社会全般に危機感が不足していることや、米国防省の対応も後手に回っていることを認めた上で、同盟国も含めた取り組み強化を誓ったところですが、コロナ危機に付け込んだロシアや中国に全く容赦はないようです

23日付C4isrnet記事によれば
Raymond3.jpg23日付の声明文でRaymond宇宙コマンド司令官は、「7月15日に宇宙軌道上で衛星攻撃兵器の試験を行ったのは、米国の政府衛星に接近したことで我々が年初に懸念を表明した同じロシア衛星である」と述べ、「このロシアの活動は、ロシアの軍事ドクトリンが明記している、米国とその同盟国の宇宙アセットを危険にさらす兵器展開への取り組み」と一致するもので、ロシアは継続的にその実現に動いていると懸念を表明した
ちなみに7月15日の試験に関与したロシア衛星は、2019年11月と12月に打ち上げられたCosmos 2542とCosmos 2543で、打ち上げ後から米国の政府衛星に接近する特異な動きを見せ、米国関係者が懸念を表明していたものである

米国務省はこのようなロシアの宇宙活動を2018年に国連軍縮会議で初めて取り上げ、ロシアの行為が宇宙兵器の制限を主張する発言と食い違う偽善的なものだと非難し、今回の宇宙コマンドの声明でも同様の懸念を表明し
Cosmos 2543 4.jpg「(7月15日のロシアによる)試験は、ロシアによる宇宙兵器制限の主張が偽善によるもので、米国の能力を抑えようとする意図から出たものであることを明確に示している。ロシア自身は宇宙兵器開発を止める考えを全く持っていない。これは地上発射の直接攻撃兵器を含めてのことである」とChris Ford軍備管理担当次官(現在)はコメントしている

米国防省は6月に発表した「国防宇宙戦略」で中国やロシアの活動について危機感を示し、「宇宙アセットは、もはや安全な聖域に存在するものではなくなってきており、様々なレベルの戦いでターゲットになる恐れと直面している。特に中国とロシアは宇宙アセットへの最大の脅威となっており、米国とその同盟国の軍事能力をそぐため、「宇宙の兵器化」に向け、多様な能力の研究・開発・試験を行っている」と表現しているところである
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コロナと大統領選挙で混乱状態の米国を見て、中国が本性を現したかのような振る舞いを世界各地で見せていますが、ロシアも負けていないようです

Cosmos 2543 2.jpg「Cosmos 2519が子衛星Cosmos 2521を射出し、更にその子衛星Cosmos 2521が孫衛星Cosmos 2523を速度250km/hで射出」の部分は、英文の理解が正しいのか自信がありませんが、宇宙に関して非公開の部分が多い中で、米関係者の精いっぱいの表現だと思うので、推測してご紹介しました

2018年の国連軍縮会議以降、米国関係者のこのロシア衛星に関する表現は「ぼんやりした」ものでしたが、今回は具体的に「launched an additional object into space」、「high relative speed of about 250 km per hour,」とまで語っており、米側の状況把握能力を明かしてまで脅威を訴える手段に出たようです

ロシアの宇宙兵器疑惑
「4月中旬のロシア衛星破壊兵器試験を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-17
「怪しげなロシア衛星問題提起」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-04
「再び同高官が指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-26

米国の取り組み
「国防宇宙戦略を発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-19
「提案:宇宙兵器の6分類」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-28
「航空機からロケット発射で衛星を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-14
「宇宙軍の最初の攻撃兵器」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-09
「画期的:衛星が推進力衛星とドッキングで延命へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-27
「宇宙Fenceレーダー試験開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-12-1
「同盟国にも宇宙関連訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

その他の宇宙関連記事
「5G企業にGPS干渉の恐れある電波使用許可へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-14

ブログ「東京の郊外より」支援の会を立ちあげました!
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過去最大のサイバー演習を完全リモート環境で [サイバーと宇宙]

PCTEとのサイバー演習環境を国防省が優先整備
サイバー演習「Cyber Flag」に全世界の基地から参加可能に

cyber flag4.jpg15日付FifthDomeinは、6月15日から26日の間に実施された過去最大のサイバー演習「Cyber Flag」が、米国防省が優先事業として取り組んできたサイバー訓練環境整備の成果物であるバーチャル演習場「PCTE」の使用開始により、世界各地からリモート参加可能な体制で行われたと紹介しています

バーチャル演習場「PCTE:Persistent Cyber Training Environment」は全ての米軍が使用できるサーバー訓練環境で、今現在はプロトタイプ段階ですが、主担当の米陸軍により「TRIDENT:Cyber Training, Readiness, Integration, Delivery and Enterprise Technology」計画として、正規版の提案要求書が6月11日に関係企業へ発出されているということです

cyber flag.jpg過去数年のサイバー演習「Cyber Flag」は、ヴァージニア州のSuffolkにある米統合軍基地の施設で開催され、参加者の大半は、同盟国軍や米国の他政府機関からの参加者を含め、同施設まで出張して演習に参加していたとのことですが、今年は一部の例外を除き、世界中からリモート参加で行われ、規模も過去最大となったといことです。

米軍の実働部隊の場合、海外派遣される前には米陸軍Fort Irwin内に設けられた「National Training Center」に集まって事前訓練を行ってきましたが、従来サイバー戦の世界にはそのような演習環境が十分な形で存在せず、「PCTE」がその状況を一変させたようです

15日付FifthDomein記事によれば
5日、サイバーコマンドのPCTE担当Tanya Trout大佐は、「コロナのパンデミックの中、米サイバーコマンドは即応態勢維持のため、米軍の先陣を切って実戦的な訓練を行い、この新たな環境を活用して運用態勢を整え、部隊を鍛錬する」と述べ、コロナの影響で物理的移動が制約を受ける中での訓練充実に自信を示した
cyber flag2.jpg15日からの「Cyber Flag」演習では、一部の例外を除き、世界中の地域コマンドから関連部隊がリモート参加するが、従来のように一か所に集まって実施していた当時と同様に、敵からのサイバー攻撃への防御訓練などを実施できる、と同大佐は説明した

PCTE計画は今回の「Cyber Flag」演習で、これまでの単一部隊による演習から、より大規模な「Tier-1」レベルの演習も可能なことを確認し、得られた教訓を生かして更なる改良を図る予定である
PCTE計画では今後、PCTE内にあらかじめ準備された幾つかの訓練メニュを準備し、部隊のニーズに応じた訓練を、いつでも世界中からアクセスして可能な環境を整備し、訓練メニューも最新に事象を迅速に反映出来るよう取り組む方向である

PCTE計画の実施に当たり担当の米陸軍は、通常の調達要領とは異なり、小さな契約を積み重ねて最新の技術導入を可能にし、サイバードメインでの日進月歩の技術革新に追従できるよう工夫している
またこの過程で米陸軍担当部署は、現場のサイバー部隊からの意見吸い上げに注力し、現場の声を生かして「使えるシステム」構築と改良を重視している
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<cyber flag3.jpgstrong>コロナ感染が発生する以前から、サイバーコマンドではPCTEを活用したリモート「Cyber Flag」演習を企画していたようで、今後はこれが一つのサイバー演習の標準形になるようです。

皆が集まってブレインストーミングを必要とする様な演習や検討会も必要でしょうが、サイバー部隊の場合は、普段勤務している職場が戦場になるのでしょうから、移動時間も省けて効率的ですね。

ちなみに、記事に登場する「PCTE担当Tanya Trout大佐」は、アジア系の女性です。

今回のコロナ対応で、いろんなことがリモート環境である程度可能なことを否応なしに検証され、この記事がスッキリ身体に沁み込む方も多いでしょう。自衛隊はどうだったんでしょうか? ほとんどリモート化が出来なかった、進まなかった・・・・ような噂を聞きましたが・・・内部部局も含め・・

6月15-26日の「Cyber Flag」演習には、「international partners」も参加していると記事は紹介していますが、自衛隊部隊が参加したかは不明です

サイバー関連の記事
「海兵隊サイバー隊が艦艇初展開」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-08
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「米国務省のサイバー対策はデタラメ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-27
「やっとサイバー部隊に職務規定が」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-13
「喫緊の脅威は中露からではない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-16
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「大活躍整備員から転換サイバー戦士」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-3
「サイバー戦略がもたらすもの」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-02
「市販UAVの使用停止へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-07-1
「サイバーコマンドの課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-04
「サイバー時代の核兵器管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02

「人材集めの苦悩」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-31
「米空軍ネットをハッカーがチェック」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23
「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

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米国防省が国防宇宙戦略を発表 [サイバーと宇宙]

実質9ページの文書(水増し表紙等で18ページ)
国家防衛戦略NDSを支える下部戦略として

Defense Space St.jpg17日、米国防省のStephen Kitay宇宙政策担当次官補代理が会見し、2018年制定の国家防衛戦略NDSを宇宙分野から支える実質9ページの「国防宇宙戦略:Defense Space Strategy」を発表し、概要を説明しました

同戦略にすべて目を通したわけではありませんが、宇宙軍誕生に伴い現在取り組んでいる各種政策を整理紹介している印象です。

そんなに目新しい事実や方針が打ち出されたわけではありませんが、米国軍事宇宙政策の現在位置を確認し、頭を整理するにはよい文書ですので、概要の概要をご紹介いたします

17日付米空軍協会web記事によれば
●同戦略の情勢認識
Defense Space St2.jpg---米国が人工衛星を打ち上げて以来、宇宙アセットは地球内での作戦のサポート的な役割と考えれてきており、その防御についてはあまり考えられてこなかった。しかし今や宇宙アセットは、米国のみならず世界の日常生活を支える極めて重要なアセットであり、米軍事力にとっても必要不可欠なアセットである
---しかし宇宙アセットは、もはや安全な聖域に存在するものではなくなってきており、様々なレベルの戦いでターゲットになる恐れと直面している。特に中国とロシアは宇宙アセットへの最大の脅威となっており、米国とその同盟国の軍事能力をそぐため、「宇宙の兵器化」に向け、中国やロシアは多様な能力の研究・開発・試験を行っている

●米国の問題認識
---これらの脅威に対処するにあたり、我々はいくつかの課題に直面している米国防省自体に宇宙軌道上での戦いに関する経験が不足していること。世界全体の間に、宇宙での作戦に関するグローバルな理解や共通認識が不足していること。更に米国民の間にも、宇宙アセットにどれだけ日常生活が依存しているか等に関する認識が不足している
---そして、我々の日常生活から安全保障に至るまで広範に依存している宇宙アセットが、他国の活動の前にさらされ、その度合いが急増していることが良く認知されていない

●米国の対応状況
Defense Space St3.jpg---米国の脅威となる中国やロシアの宇宙能力開発は急速である一方で、米国は必ずしもすべての側面で迅速だとは言えない状況にある
---ただ、米国も宇宙軍を立ち上げ、作戦を担う宇宙コマンドを創設し、宇宙の重要性への理解も進みつつある。また民間企業の宇宙開発能力も飛躍し、同盟国とともに宇宙分野への取り組みが加速している

●具体的な重点分野
---今後10年追求する主要目標3つ
・ Maintain space superiority
・ Provide support to national, joint, and combined operations
・ Maintain space stability

主要目標3点を達成するための取り組み事項
1. Build a comprehensive military advantage in space
2. Integrate space more into combined operations
3. Shape the strategic environment
4. Cooperate with allies, partners, industry, and other U.S. Government departments and agencies
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Defense Space St4.jpg







国防宇宙戦略の現物
https://www.airforcemag.com/app/uploads/2020/06/2020-Defense-Space-Strategy-Summary-1.pdf

もう少し詳しい解説記事(C4isrnet)
https://www.c4isrnet.com/battlefield-tech/space/2020/06/17/pentagon-releases-defense-space-strategy-to-counter-russia-and-china/

取り組み事項にある「Shape the strategic environment」とは、一般国民や政治家等に、宇宙ドメインの重要性を知らしめることを指すのでしょうか?

最近取り上げていなかった宇宙の話題でした

宇宙兵器関連の記事
「提案:宇宙兵器の6分類」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-28
「4月中旬のロシア衛星破壊兵器試験を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-17
「航空機からロケット発射で衛星を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-14
「宇宙軍の最初の攻撃兵器」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-09
「画期的:衛星が推進力衛星とドッキングで延命へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-27
「怪しげなロシア衛星問題提起」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-04
「再び同高官が指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-26

その他の宇宙関連記事
「5G企業にGPS干渉の恐れある電波使用許可へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-14
「宇宙Fenceレーダー試験開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-12-1
「同盟国にも宇宙関連訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

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CSIS:宇宙兵器議論のため兵器分類をまず考えよう [サイバーと宇宙]

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野放しな宇宙兵器を管理する議論の枠組み構築に向けた一歩
部分的核実験禁止条約と宇宙条約しかない現状から前進したい

SpaceWeaponCSIS.jpg5月27日、CSISのTodd Harrison研究員が「International Perspectives on Space Weapons」との33ページのレポートを発表し、世界各国の関心が高まる宇宙ドメインにおける兵器議論の枠組みを構築するため、また可能ならば宇宙兵器管理の枠組み構築の第一歩になればとの願いを込め、「宇宙兵器の6分類」を議論のたたき台として提示しました

Harrison研究員は問題認識として、宇宙兵器を制限する現存の唯一の枠組みである部分的核実験禁止条約(Partial Test Ban Treaty)や宇宙条約(Outer Space Treaty)が「宇宙の兵器化:weaponization of space」を制限しているが、幾つかの国が数十年前から宇宙兵器と呼ばれるものを保有していることは否定できない事実であると指摘し

Harrison.jpg一方でこの問題を議論しようにも、何が「宇宙の兵器化:weaponization of space」や「宇宙兵器:space weapon」なのか定義の合意も皆無な状況で、更にこの定義を定める条約的枠組みを構築する動きもほとんどない現状を挙げています

そこで同研究員は、まず米国と西側同盟国間(一般国民を含め)で宇宙兵器について議論する際の実用的な区分として「6分類」を準備し、まず宇宙ドメインで急いでやるべき、またはやりたいことの議論を行う際の、「航海」を手助けしたいと考えたようです

同研究員の言葉を借りれば、「人々は何十年も、宇宙の兵器化はダメだ、宇宙兵器はダメだと言って立ち止まっているが、この暫定枠組みで見てみれば、既に実用化されているものが厳然と存在していることに、より明確に気づく」ためのものです。特別驚く分類ではありませんが、まんぐーすのような初心者にはありがたいのでご紹介します

5月27日付C4isrnet記事によれば
Harrison研究員は、「kinetic か non-kineticか」及び、どこ(地球内または宇宙)からどこへ作用を及ぼすかを組み合わせ、「6分類」を作成した。ただし、地上にある宇宙関連施設(衛星との通信施設など)を地球内から攻撃するパターンは、宇宙を経由していないので除外している

Earth-to-space kinetic
地球から宇宙アセットに発射する物理的破壊を狙ったミサイルなどで、2019年にもインドが実験している。この兵器は目標破壊後に「宇宙ゴミ」を宇宙空間に放出・残置することが大きな問題と言われている。通常弾頭と、理論的には核弾頭が使用される
既に、米、露、中、印がこの能力保有を示している。米露は1960年代に宇宙での核実験を行ったが、ロシアは今年4月にも能力試験を行っている
Earth-to-space non-kinetic
Space Weapon.jpg地球から宇宙アセットへの電波妨害、レーザーによるセンサーかく乱、サイバー攻撃で、その効果は多様であるが、一時的な機能妨害や停止から、恒久的な機能喪失までに及ぶ
米露中及びイランを含む、多くの国がこの能力を保有している


Space-to-space kinetic
宇宙空間で衛星が他の衛星に接触して機能を妨害したり破壊したりする。この目的専用の衛星も含まれる。ここでも物理的接触により生じる「宇宙ゴミ」が問題となる。ロシアは冷戦期に繰り返し、この種の兵器を宇宙軌道に置く試験を行っていた
核兵器の使用も理論的にはあるが、影響範囲が大きく、周辺の宇宙アセットにも被害が及ぶ可能性がある。
Space-to-space non-kinetic
軌道上の衛星から、高出力マイクロ波や妨害電波などにより宇宙アセットの機能を阻害する。公開情報でこの兵器の使用が明らかになったことはない
この兵器が使用されたことを外部から確認することは困難であるが、2018年にフランスがロシアに直接、この手段で軍事通信を傍受(または妨害:intercept)しようとしたと非難している

Space-to-Earth kinetic
Space Weapon2.jpg古くからフィクション映画で用いられている、宇宙アセットから地上目標(地球内目標)を攻撃するイメージである
宇宙から地上や地球内に金属片を落として重力エネルギーで破壊力を得る手法や、大気圏突入装置に弾道を搭載する手法等が考えられる。米国がかつて検討したといわれているが、このような兵器が試験された記録は公開情報にはない

Space-to-space non-kinetic
衛星など宇宙アセット(地上から発射された弾道ミサイルを含む)を、電波妨害などで機能喪失させる手法
米国が議論していた衛星からレーザーを使用して弾道ミサイルを無効化する構想もこの範疇に含める。しかし、この手法が使用された記録は公開情報にはない
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CSISの同レポート紹介ページ
https://aerospace.csis.org/international-perspectives-on-space-weapons/

「公開情報では確認できない」との表現が多数見られますが、サイバーと同様に観察・監視するのが難しい世界だということでしょう。

Space Weapon3.jpg「Earth-to-space non-kinetic」能力を「米露中及びイランを含む、多くの国がこの能力を保有している」というのは、衛星通信電波の妨害は容易だということなのでしょう。

Harrison研究員は、宇宙兵器や宇宙の軍事化の定義にコンセンサスが得られなくても、「宇宙兵器の開発は将来に向け加速する。しかしこの際各国は、防御用の兵器だと主張してその開発を説明するだろうが、その能力は他の方向ににも使用可能な能力であると認識すべきだろう」と結んでいるようです。要注意ですね!

宇宙兵器関連の記事
「4月中旬のロシア衛星破壊兵器試験を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-17
「航空機からロケット発射で衛星を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-14
「宇宙軍の最初の攻撃兵器」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-09
「画期的:衛星が推進力衛星とドッキングで延命へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-27
「怪しげなロシア衛星問題提起」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-04
「再び同高官が指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-26

その他の宇宙関連記事
「5G企業にGPS干渉の恐れある電波使用許可へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-14
「宇宙Fenceレーダー試験開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-12-1
「同盟国にも宇宙関連訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
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「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

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X-37Bが少しソフトな路線に??? [サイバーと宇宙]

謎の無人宇宙実験船が5月16日打ち上げへ
宇宙滞在2800日以上の10年選手が6回目に挑戦
3年ぶりにご紹介

X-37B2.jpg6日、宇宙軍が謎に包まれた宇宙実験船X-37Bの6回目の打ち上げを5月16日に実施すると発表し、今まで打ち上げ前に明かされることのなかった任務内容について少し明らかにし、空軍・宇宙軍・軍需産業の強固なスクラムを示す事例としてアピールしています

X-37Bは「9m×4.5m×3m」とマイクロバス弱程度の大きさで、ロケットの先端に取り付けて打ち上げ、帰還時は無人のスペースシャトルのような感じで飛行機のように滑走路に着陸する無人宇宙船です。OTV(Orbital Test Vehicle)が正式名称の実験船で、当初はNASA所管でスペースシャトルの貨物室に搭載する予定でしたが、同シャトル計画が中断されて2004年以降は国防省が引き継いでいます

X-37B4.jpg2010年4月に最初の打ち上げられた1回目の宇宙滞在が224日間、2回目が468日間、3回目が675日、そして2017年5月に帰還の4回目は718日間、2019年10月に帰還した5回目は780日で、その任務が非公開であることから、アマチュア天文家が競ってその様子を地上から観測し、中国衛星に接近しているとか、様々な憶測を呼んでいるところです

前回5回目の帰還後に、イオンエンジンの一種らしい「Hall Effect thruster」も試験の一つだと公表されましたが、頻繁に軌道を変更することから、まだまだ興味は尽きませんただ今回は、空軍士官学校制作の小型衛星や農業関係の試験も行うと「打ち上げ前に」公表され、「その心は?」と新たな関心を集めていることろです

7日付C4ISRnet記事によれば
国防省の中では、米空軍の緊急能力造成室(Air Force Rapid Capabilities Office) が担当していることから、その目的を、軍事衛星や通信衛星が機能喪失した際の緊急代替衛星や装置の宇宙投入用とか、宇宙空間で軌道を柔軟に変更して敵衛星を無効化する任務を担うのではとか、貨物室に新素材を載せて宇宙空間で試験しているのではとか等々、様々な憶測呼んでいる
X-37B3.jpg今回の打ち上げは新設の米宇宙軍担当による初めての機会であるが、引き続きX-37B自体は米空軍の所有である。

同時期に予定されていたGPS III衛星の打ち上げはコロナの影響で延期されたが、同じ宇宙軍が打ち上げを担当するX-37Bは予定に変更なしと発表された
宇宙軍参謀総長のJohn Raymond大将は、「国家として宇宙ドメインに求められているスマートで機敏で先進的な技術開発を継続推進するため、同チームは日夜努力を続けている」、「指示や要求に迅速に対応できる開発試験展開能力の発展を表現する重要な打ち上げだ」と発表声明で表現している

6日の発表で宇宙軍は、今回のX-37Bでは、宇宙船の太陽光発電システムで生み出した電力をマイクロウェーブで地上に送信する研究「SSPIDR:Space Solar Power Incremental Demonstrations and Research」の試験を行うと発表した。
米空軍研究所はNorthrop Grummanと約110億円の宇宙実験支援契約を結んでいるが、空軍研究所のEric Felt担当部長は、「SSPIDRはgame-changingな技術追求の一つで、宇宙で生成したエネルギーを地上の好きな場所で利用する興味深いコンセプトだ」と表現し、宇宙から僻地の地上に展開する部隊への電力供給を可能にする技術試験といわれている

X-37B.jpgSSPIDRの他にも、X-37Bに付加された機体尾部の新モジュールに米空軍士官学校が教育の一環として作成した5つの実験機材を搭載した小型衛星「FalconSat-8」を搭載して軌道に投入したり、政府機関が行う食用作物の種子への放射線や宇宙空間が与える影響調査を行う実験機材の搭載などすることになっている
Goldfein空軍参謀総長は今回の打ち上げに関し、「米空軍と宇宙軍、そして軍需産業界の一体となった取り組みを象徴する事例だ」、「X-37Bは再利用可能な宇宙船の限界に挑戦し続け、将来の宇宙能力向上に資する」とコメントを寄せている
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非公開な実験だらけのX-37Bですが、今回は、新設宇宙軍による初打ち上げアピール、コロナに負けずgame-changing技術に挑戦し続けているアピール、打撃を受けている軍需産業との強固な連携をアピール、4月中旬に対衛星兵器実験を行ったロシアとの姿勢の違い&負けないぞ意識をアピール・・・などなどの観点から、数ある実験項目からソフトなものを公表したのではないか・・・と邪推しています

それにしても、機体の修理や部品の交換は当然行っているのでしょうが、第1回の打ち上げからまる10年、6回目の打ち上げで宇宙滞在3000日越えを目指すとは大したものです

X-37B関連の記事
「ちょっと明らかに?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-05-11
「中国版X-37B?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-15
「X-37Bは中国衛星を追跡?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-07
「X-37BがSシャトルの代替?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-12

「米が宇宙アセット防護計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-16
「X-37B関連小ネタ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-04
「X-37Bをご存じですか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20

4月中旬のロシア衛星兵器試験を痛烈批判
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-17

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ロシアの衛星攻撃ミサイル発射試験に警戒感 [サイバーと宇宙]

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ドサクサに紛れロシアが
宇宙関連の2つの研究機関レポートもご紹介

DA-ASAT.jpg15日、米宇宙軍のJohn Raymond司令官は、ロシアが地上打上式衛星攻撃ミサイル(DA-ASAT:direct-ascent anti-satellite)の発射試験を行い低高度軌道衛星を妨害又は破壊する能力を確認したと発表し、その姿勢を非難しました

同司令官は声明で、「ロシアのDA-ASAT試験は、宇宙における米国や同盟国に対する脅威の更なる事例であり、その脅威がますます大きく深刻に現実味を帯びてきていることを示すものだ」、「米国は、侵略を抑止し、米国や同盟国の国益を害する宇宙での行為を防ぐ体制を整えている」と発表しました

更にRaymond大将は、「ロシアは自身に宇宙兵器開発をやめる意図が全く無いにもかかわらず、米国の宇宙能力開発を抑えるため宇宙兵器の軍備管理を呼びかけているが、この実験は、ロシアの宇宙軍備管理呼びかけが、如何に偽善的なものであるかを如実に示している」とロシアの姿勢を厳しく表現しました

以下では、本件を報じる15日付Military.com記事が紹介する、最近発表された2つの米シンクタンクの宇宙兵器競争についてもご紹介します

15日付Military.com記事によれば
DA-ASAT4.jpg司令官の声明に関連し宇宙軍関係者は、2月に2個のロシア衛星(Cosmos 2542 and 2543)が米国の偵察衛星(KH-11)へ接近して不審な行動をとったと指摘し、同司令官はこれを過去にもロシアが行ってきた「普通でない迷惑で危険な行為」と雑誌インタビューで表現している

●また、同司令官はコロナ対処における宇宙軍の重要性についても言及し、「このような危機的状況に際し、地球規模のロジスティック、運輸輸送、通信を担う宇宙システムは、国家や国民の生活にとって必要不可欠なものであり、コロナ対処撲滅の鍵である」と述べ、
●更に、「宇宙活動の安全と安定的運用を全ての関係国家が享受することが、皆の共通の利害であり責任であるはずだ。その宇宙活動は商用、市民活動、安全保障関連を含む全てである」と述べている

CSISとSecure World Foundationのレポート
DA-ASAT2.jpg3月30日にCSISは「Space Threat Assessment 2020」なるレポートを発表し、米露中を含む多くの国が宇宙での次世代技術の実験や打ち上げを始めており、非破壊(non-kinetic)方向に向かう傾向もあると指摘し、GPSに対する通信妨害、なりすましかく乱、更にはレーザー光線による目くらまし、盲目化などへの取り組みが見られるとしている
そしてCSISレポートは、静止軌道にある他の衛星と同じ軌道に入り込み近接する「co-orbital adversary activity」の増加を警告しつつ、各国の能力向上にともない、このような近接行動は増える一方であろうと見ている

SWF(Secure World Foundation)が3月に発表した年次レポート「Global Counterspace Capabilities study」は、悪意あるプレーヤーが精力的に攻撃と防御の両面で能力向上に取り組んでいることを、世界の人々は肝に銘じるべきであると述べ、「ロシアは少なくとも2011年以来、軌道上での衛星攻撃兵器の実験に取り組んでいる」、「複数の国で、膨大な研究開発が、多様な破壊型と非破壊型の宇宙能力獲得に向け行われている」と分析している
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宇宙軍関連の記事が多くなるのは、創設直後の宇宙軍による積極アピールもありますが、地球上での米陸海空海兵隊の活動が、核抑止待機、領空領海保全、全ドメインでの警戒監視活動等の維持程度に成っており、実質的にコロナ対処以外での活動がほとんど停止していることが影響しています

DA-ASAT3.jpgエスパー国防長官が4月14日、米軍兵士やその家族の「不要不急」の移動を当初5月11日まで原則禁止するとしていたが、5月11日以降も延長すると発表し、複数の関係筋は夏ごろまで原則移動禁止が続くだろうと発言している模様です

中東やアフガン派遣兵士が期間延長で現場張り付きが続く中、宇宙軍にはがんばっていただきましょう

「コロナ関連・米国防省の動き」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-19

宇宙関連の記事
「航空機からロケット発射で衛星を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-14
「宇宙軍の最初の攻撃兵器」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-09
「画期的:衛星が推進力衛星とドッキングで延命へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-27
「怪しげなロシア衛星問題提起」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-04
「宇宙Fenceレーダー試験開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-12-1
「同盟国にも宇宙関連訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「再び同高官が指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-26
「米高官が不審な露衛星を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-15

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航空機を利用した衛星打ち上げ計画OSP-4 [サイバーと宇宙]

航空機にロケットを搭載し小型衛星打ち上げ
今後9年間で20回の打ち上げ計画

LauncherOne.jpg13日付米空軍協会web記事は、バージン航空の系列会社である宇宙関連企業「Virgin Orbit」とその子会社「VOX Space」が、航空機からのロケット発射方式による衛星打ち上げを、2021年10月に開始するための準備を着々と進めていると報じています

この低軌道への衛星打ち上げ事業(宇宙軍のOrbital Services Program-4:OSP-4)には、バージン関係企業だけでなく、「Aevum, Firefly Black, Northrop Grumman, Rocket Lab, SpaceX, United Launch Alliance, and X-Bow Launch Systems」などの複数の企業が参入し、最大の打ち上げ需要を持つ米軍を初めとする民間需要を含め受注を目指すようで、競争原理による価格低下が期待されています

中国やロシアは、米国の衛星を無効化する手法開発に注力しており米国は少数の多機能で高価な衛星に依存する体制から、単機能で安価な多数の衛星による体制への転換を目指しておりこのようなより軽易な打ち上げを方法を確立することで、衛星打ち上げ計画から軌道への投入サイクルを早くすることや、打ち上げ単価を低下させることを狙っています

13日付米空軍協会web記事によれば
LauncherOne2.jpg「Virgin Orbit」とその子会社「VOX Space」は、2021年11月からの3回の打ち上げ(Space Test Program-S28)で、44個の衛星を打ち上げる契約を約40億円弱で受注している。
●同社は、Boeing 747-400旅客機を改良した「Cosmic Girl」との機体の翼の付け根に、「LauncherOne rocket」との全長約22mの打ち上げ用ロケットを装着し、高度35,000フィート上空に達した時点でロケットを分離発射させる方式に取り組んでいる

●同社は、「LauncherOne rocket」の全ての構成品のチェックを終え、間もなく実施予定である、上空の「Cosmic Girl」からデモ発射する準備が整ったと明らかにしている
「Virgin Orbit」CEOのDan Hart氏は、「宇宙の環境がより厳しいものとなる中、宇宙安全保障のために迅速に効率的に対応する能力が不可欠であり、我々の経済的で対応が早い打ち上げシステムは、衛星無効化を狙う敵対国に対抗する意味で、平和に貢献すると信じている」と語った

LauncherOne3.jpgこのような方式による低軌道衛星打ち上げ事業OSP-4は、今後9年間で400ポンド(200kg弱)以上の搭載物の打ち上げを20回計画しており、米宇宙軍はこれにより、従来は計画から打ち上げまで数年(several years)待つ必要があったが、それを2年以内に短縮しようとしている

●4月10日のリリースで米空軍宇宙ミサイルセンターは、「Virgin Orbit」とその子会社「VOX Space」との契約打ち上げでは、米空軍研究所とカナダ国防省の共同事業である「QUEYSSAT」との実験衛星が含まれていると明らかにし、「quantum channel(小規模チャネル)を活用した quantum network(小さなネットワーク)コンセプトの改良と量的拡大を実証したい」、「宇宙状況把握の能力向上に貢献したい」としている
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官民の打ち上げ需要の拡大を受け、様々な企業が打ち上げビジネスに参入し始めて競争が生まれ、その能力を安全保障関連打ち上げでも活用しようとの動きをご紹介しました

「LauncherOne rocket」は全長約22mで約28トンのロケットの様ですが、一回の打ち上げ能力400ポンド(200kg弱)以上とか、44個の衛星を打ち上げとか、9年間で20回の打ち上げとか、これらの関係がこの和訳で正しいのか自信がありません

LauncherOne4.jpgquantum channelとquantum networkの意味を正確に把握しておらず、GPS電波が活用しにくい宇宙で時刻・位置等を提供するquantumセンサーとの関係も気にしながら、「小さな」ととりあえず訳しています

小規模な衛星を、短い準備期間で、安価に打ち上げる手段の開発と理解すればよいのでは・・・と考えています。多数の企業が参加している点が魅力的ですね

鮮やかな色合いの「Cosmic Girl」による打ち上げ成功に期待しましょう

宇宙関連の記事
「宇宙軍の最初の攻撃兵器」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-09
「画期的:衛星が推進力衛星とドッキングで延命へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-27
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「米高官が不審な露衛星を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-15

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米宇宙軍初の攻撃兵器CCSが初期運用態勢 [サイバーと宇宙]

衛星通信妨害兵器のようです
改良型バージョン10.2が運用態勢確立

CCS.jpg8日付C4ISRnetは、米宇宙軍の最初の攻撃型兵器であるCCS(対衛星通信システム:Counter Communications System)の第2世代型(Block 10.2)が、3月9日に初期運用態勢を確立したと報じ、細部は非公開ながら能力が向上し、更なる能力向上型の開発も始まっていると紹介しています

CCSは、「Harris Corporation」が「L3Harris」と協力して初期型(Block 10.1)を当時の米空軍に2004年に納入したもので、今回の第2世代型(Block 10.2)への能力向上も同じ2社が担当したようです。

公開情報がほとんどない装備品で、世界の軍装備品の性能等をまとめているSecure World Foundationが発表している「2020 Global Counterspace Capabilities」レポートでも、「対象の周波数レンジ、出力レベル、波形等々の公開情報が全くない」と記し、かろうじて推定情報として「C-,Ku- and X-band周波数帯への妨害を行い、主な目標は静止軌道にある衛星との通信だろう」しているようです

以下では、第2世代型が3月9日に初期運用態勢を確立したことに関する、関連企業関係者の言葉をご紹介します

8日付C4ISRnet記事によれば
CCS2.jpg「L3Harris」社の宇宙局責任者のPraveen Kurian氏は、「これは基本的に機動展開可能な通信妨害システムで、多様な任務に活用できるプラットフォームと考えていただいてよい」、「対象目標に恒久的なダメージを与えるのではなく、一時的に通信を拒否するものである」と表現し、初代型より能力が向上しているとも語った
創設されたばかりの米宇宙軍も、この装備を宇宙軍初の攻撃兵器だと讃えている。装備品の性格上、装備の細部については明らかにされていないが、宇宙軍は「移動可能で、一時的に敵能力を拒否して宇宙コントロール効果を得る電子戦装備の一つで、全てのタイプの紛争に使用可能だ」と表現している

●Kurian氏はまた、「第2世代型(Block 10.2)は大幅に実施できる任務の幅と能力を拡大した。更に輸送容易性も第1世代と比較して向上した」とも語っている
「L3Harris」社は既に第2世代型(Block 10.2)に続く、「Meadowlands」と呼ばれる次世代の装置開発を開始している。第1世代から第2世代への近代化では、物理的に装置を小型化する取り組みはなかったが、「Meadowlands」では大幅に装置の大きさを縮小することが検討されている、とKurian氏は語った

「ただ次世代の「Meadowlands」は第2世代型(Block 10.2)の後継を狙っているのではなく、2つを併用してより幅広い能力を提供したいと考えている」とKurian氏は説明した
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CCS3.jpg新装開店の宇宙軍は、様々な視点からアピールを試みており、コロナ報道に埋没ぎみですが、「Space Force」との単語が軍事メディアではコロナに続いて登場している今日この頃です

宇宙軍には様々な課題があり、それを詳しく語る知見のないまんぐーすですが、一つだけ印象に残っているのは、Willson前空軍長官が退任直前に指摘していた「組織体系や管理要領など目の前の課題はもちろんいろいろあるが、一番大きいのは、宇宙軍の人材をどのように育てていくかであろうと思う」、

「宇宙軍として人材の育成を考えるとき、高校や大学を卒業した新卒者を宇宙軍の中でどのように育成していくかは大きな課題だ。多くの重要な宇宙軍のアセットは、一度打ち上げてしまえば直接触れることができなくなり、陸海空軍等とは全く異なる状態での勤務となるからだ」との言葉です。

「一番大きい宇宙軍の課題」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-18

宇宙関連の記事
「画期的:衛星が推進力衛星とドッキングで延命へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-27
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5G企業に国防省大反対の周波数使用許可へ [サイバーと宇宙]

10年論争に大統領府が経済・政治面から決断か
国防商務内務運輸国土安全保障省NASA等の反対の中

Ligado5.jpg10日付C4Isrnetは、10年にわたり論争が続いていた民間5G企業「Ligado」に衛星通信用Lバンド周波数(1~2 GHz)の使用許可を与えるかについて、米国防省や多数の政府機関がGPSシステムへの電波干渉を懸念する中、判断する所轄のFCC(連邦通信評議会Federal Communications Commission)が、ホワイトハウス担当部署の強い後押しを受け、近く許可すると報じました

「Ligado」社は2010年に静止軌道に打ち上げた通信衛星SkyTerra-1等を使用し、全米のみならず世界をカバーする「5G」衛星通信網構築を狙っており、推進派の司法長官は「多数の地上局で全米の5G網を構築すれには10年間必要だが、雲や水滴に影響されないLバンド周波数を使用する衛星を活用すれば、地上局数を劇的に削減可能であり、18ヶ月間で構築できる」とその利点を説明しています

まんぐーすは技術的な知見がなく、この論争についてコメント困難なのですが、次世代通信の鍵を握る「5G」は中国企業ファーウェイが大きく先行し、米国は代替製品をエリクソン、ノキア、サムスン等との協力体制で打ち出そうとするものの苦労しており、米国通信業界からの電波使用要求を簡単に却下できない状況に追い込まれています

Ligado4.jpgアメリカファーストでコロナ打撃に苦しむトランプ政権からすれば、経済的にも政治的にも「5G」で他国の後塵を浴びることは耐え難く、10年の論争を何時までも放置して置けない状況にあります

以下では推進派・反対派の双方の意見を紹介するのですが、多くの試験や事前確認が行われているようで、推進派は十分事前確認は行ったし問題が出たら対応するとの姿勢ですが、反対派はリスクは排除されておらず、問題が出ても影響が広範膨大で実質的に迅速な対応が困難と主張しています

これは技術的な問題でなく、国防省を初めとする役所の官僚制から来る問題だと推進派は主張し、反対派は国家安全保障との間違いが許されない分野でリスクを犯すのか、車の自動運転や農業器具の制御、スマホやクレジットカード決済までが利用しているGPS信号を危険にさらすのか・・・との言い争いで、難しい問題です

推進派の主張
(ホワイトハウス経済部署、司法長官、FCC議長など)
5000時間もの各種試験や確認を行い、反対派が主張するGPSへの干渉問題は確認されていない
Ligado2.jpg反対派懸念派との意見交換を受け、Ligado社は電波出力の削減、使用周波数域の削減、許可された周波数以外への副次的電波放射量の極限措置などを行い、仮に使用後に干渉が生じた場合には関連部品の交換措置等も行う予定

これまでも、政府機関が独占使用する周波数帯の民間への開放問題は多数議論されてきたが、政府機関が干渉を恐れて強く反対してきた周波数においても、実際に開放されて過去に大きな問題となった周波数はない国家活動における民生分野の比重が拡大する時代の変化を政府機関は理解し、官僚的な閉鎖姿勢を改め、技術的な視点で議論に応じるべき
国防省を中心とした反対派は、あらゆる言い訳、遅延戦術、政治的根回しなどの本質的でない手段で、電波割り当て議論を妨害している

反対派の主張
(国防省、商務省、内務省、運輸省、国土安全保障省、連邦航空局、NASA、イリジウムなど)
様々な環境や用途で使用されているGPSへの干渉の可能性を否定できるだけの検証は行われておらず、リスクが厳然と残っている。国家安全保障の基礎を多様な形で支えるGPSを危機の淵に置く措置は許容できない
Ligado3.jpg最近だけでも、Lバンド使用許可に関する反対意見をまとめ、2016年3月に下院軍事委員会へ、2019年4月と11月に国防長官が、2020年2月には12の政府機関が連名で、3月には内務省と国防省連名で、Lバンド使用を許可しないように関係機関に申し入れ

推進派や企業側は、GPSへの干渉が発生する可能性がある旧式のGPS受信装置に影響が確認されたら影響を受けた装置の交換等で対応すると言うが、膨大なGPS装置をモニターすることはユーザーに大きな負担となり困難で、実行可能性のある対応ではない
2016年にニューメキシコ州の演習場で行われた実験で示されたように、Lバンド使用によるGPS装置への影響を把握分析するには膨大な時間と労力を要し、経費的にも不可能なのは明らかで、この結果を無視してはいけない

また企業側は、政府機関が使用するGPS装置への影響が出た場合にのみ言及しているが、車の自動運転や農業器具の制御、スマホやクレジットカード決済等々の広範な民生分野で使用されているGPS装置に影響が出た場合の問題について触れていない
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「Ligado」社への正式許可が間もなくだ、との複数の関係筋の証言から記事は始まっていますが、司法省や商務省では部署によって賛否が異なるドロドロ論争に至っているようで、Lバンド電波使用許可後も、事業開始から影響評価に至るまで、まだまだ紆余曲折がありそうです

Ligado.jpg米軍はその推移がますます早くなる将来戦に備え、統合レベルで指揮統制の一元化をめざし、その基礎として各種目標情報のリアルタイム共有を絶対的な命題として取り組んでいます。データリンクによる情報共有の基礎がGPS信号によるの把握で、GPSへの干渉はリスクを感受できない問題です

5Gの利用においても、GPS信号の位置情報や時刻情報が欠かせないと思うのですが、このあたりも知識不足で突っ込めません・・・

5Gと干渉問題の記事
「米議会でも国防省使用の周波数議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-05
「ファーウェイ5G使用は米国との関係に障害」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-17
「軍事レーダーの干渉確認」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-05
「5G企業とGPS関係者がLバンド電波巡り激突中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-22-2
「戦略コマンドが5Gとの電波争奪に懸念」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-27
「GPSが30日間停止したら」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-18
「5G試験のため民間に演習場提供案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-14

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なぜ今?:海兵隊サイバー防御チームが艦艇初展開 [サイバーと宇宙]

コロナで艦艇運用が大変なこの時期に発表
前方展開艦艇群のサイバー防御の将来像を追及

DCO-IDM.jpg7日付FifthDomeinは、米海兵隊第31海兵遠征部隊が、自身が保有するサイバー防御チームを初めて艦艇に乗船展開させ、本格的な前方展開艦艇群のサイバー防御体制構築に向けた動きを始めたと報じています

5日付で同海兵隊部隊が発表したもので、初の展開先は佐世保所属の強襲揚陸艦USS America(45000トン、アメリカ級強襲揚陸艦の一番艦)で、米海兵隊の主力艦艇です

派遣されたサイバー防御チームは、「Defensive Cyberspace Operations-Internal Defensive Measures (DCO-IDM)」との任務を帯びた小規模「unit」で、人数規模は明らかにされていません。ただ、米海兵隊第31海兵遠征部隊(31st MEU)は、海外に駐在する唯一の海兵遠征部隊で沖縄が根拠地ですから、沖縄の地上勤務部隊が艦艇に派遣されたものと推測します

DCO-IDM2.jpg前線部隊のサイバー能力を強化するのは自然な流れで、何も驚くことではないのですが、海軍艦艇でコロナ感染が広まる中、典型的な「3密」職場である艦艇へのサイバーチーム派遣を、なぜ、このタイミングでわざわざ公式発表したのでしょうか?

以下は完全にまんぐーすの「邪推」ですが、米軍にもコロナ感染が進む中で、中国を初めとする「相手の弱みに付け込む輩」から米海軍海兵隊部隊へのサイバー攻撃が急増していることから、サイバー防御能力を強化するため、また防御を固めているとアピールすることで敵サイバー攻撃を抑止するための発表ではないかと思います

以上はあくまでまんぐーすの邪推ですが、以下では米海兵隊の発表をご紹介しておきます

7日付FifthDomein記事によれば
(米海兵隊第31海兵遠征部隊の報道官声明によれば)
Defensive Cyberspace Operations-Internal Defensive Measures (DCO-IDM)は、米海兵隊や米海軍ネットワークを安全に融合し、敵対者の悪意ある行動や侵入から守る役割を担う
●またDCO-IDMは、将来のサイバセキュリティーを担うチームの枠組みを検討するものともなる。この将来チームは、前方展開する全ての艦艇を支援することになる

DCO-IDM3.jpg●このDCO-IDMで艦艇に派遣されているチームは、「動き回る防御部隊」とも呼ぶことができ、派遣部隊が使用しているネットワークを探索して普段と異なる傾向や悪意ある兆候を見つけ出す
チームのメンバーは、何か異状が探知されてから能動的に対応するのではなく、「先行的:proactively」に米海軍戦力攻撃群ネットワークを防御するのが役割だとチームの特徴を語っている

●そして具体的に「DCO-IDMは脅威を即座に識別し、影響を局限する事が出来る。最新の分析手法を用い、ネットワークにフィルターをかけ、敵に侵入手法に対抗できる」、「我が海兵隊部隊は、悪意ある侵入者を追跡し、ネットワークISR能力で敵の根拠地までさかのぼることが出来る」、「怪しい動きはレポートにまとめ、データを蓄積して分析に活用し、日々の活動にフィードバックする」と明らかにしている

●また関連チームは、例えば地域諸国との共同演習である「Cobra Gold 2020」に参加し、タイ軍の関係者とともに情報交換したり訓練したりして、能力強化とスキルアップに励んでおり、同様の活動を、日本、マレーシア、インドネシア、シンガポールとも行っている
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記事を読めば読むほど、「邪推」に確信を深めるまんぐーすであります

DCO-IDM4.jpg記事とは直接関係ありませんが・・・コロナ感染が進む中で、SNS利用者やYouTuberの中には、アクセス数やフォロワーや視聴数を増やすために、「ワザと悲観的な情報を流す」とか「センセーショナルな見出しを付ける」とかの「ゲス」な手法を用いる者が増えているようです。人間そこまで落ちたくないですが、国家としてそのレベルまで落ちることをなんとも思わない国や輩がおりますので、ご注意を

サイバー関連の記事
「サイバー攻撃停電に備えミニ原発開発中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-07
「米国務省のサイバー対策はデタラメ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-27
「やっとサイバーチームの職務規定が」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-13
「喫緊の脅威は中露からではない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-16
「ハイブリッド情報戦に備えて」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-05
「ドキュメント誘導工作」を読む→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-22-1
「サイバー攻撃に即時ミサイル反撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-11-1
「NATOが選挙妨害サイバー演習」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-13
「サイバーとISR部隊が統合して大統領選挙対策に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-19
「ナカソネ初代司令官が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-17
「大活躍整備員から転換サイバー戦士」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-3
「サイバー戦略がもたらすもの」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-02
「市販UAVの使用停止へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-07-1
「サイバーコマンドの課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-04
「サイバー時代の核兵器管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02

「人材集めの苦悩」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-31
「米空軍ネットをハッカーがチェック」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23
「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

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サイバー攻撃停電に備えミニ原発開発中 [サイバーと宇宙]

追加報道
2種類のプロジェクトで実用化検討
SCOが3企業と設計契約結びコンペへ
調達次官室は2027年試験運用開始を目指し

9日付Defense-Newsが、下でご紹介する4日のLord国防次官の講演の続報として、米国防省によるミニ原発開発の動きに関し、大きく2つのプロジェクトが進んでいると報じています

Project Peleについて
Project Pele2.jpg9日、3企業と総額約44億円のミニ原発設計契約を結び、1-5メガワット級のデザイン設計を競わせる
安全かつ迅速に展開設置が可能で、かつ陸海空路で輸送可能なものを目指す
●国防省のSCOが担当し、2年後に最も優れたものを1社選び、更にデモ機製造へ進む予定も、提案の成熟度によっては実用化しない可能性もあり
3企業とそれぞれとの契約額は・・・
--- BWX Technologies 約15億円
--- Westinghouse Government Services 約13億円
--- X-energy 約16億円

2019年国防授権法に基づくデモ機
2-10メガワット級を想定し、デモ機の効率性や安全性等を確認・実証するため、2023年にエネルギー省の試験施設での初期段階試験を構想
●上記初期段階試験で所望の成果が得られた場合、米国原子力規制評議会の許可を受け、商業ベースで具体的開発を進め、2027年までに米本土の米軍基地で1号機の固定デモ運用を構想
●ミニ原発を基地内で運用開始後は、運用民間会社から電力を購入する形式で利用
約9割の米本土米軍基地の電力は40メガワット級の発電所でまかなえるが、サイバー攻撃停電に備え、ミニ原発で2-10メガワット程度を確保したいとの構想

その他、様々な視点から小型原発について同記事は紹介しています。ご興味のある方はどうぞ・・・
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米空軍の僻地展開飛行場にも、民間僻地用にも
究極的には航空機搭載用もねらい
2メガワット級を国防省は狙うとか

miniature nuclear.jpg4日、辣腕でおなじみのEllen Lord調達担当国防次官が講演で、電源供給網に対するサイバー攻撃の脅威が無視できなくなっていることから、米軍基地の重要施設へのバックアップ電源として、小型の原子力発電を検討していると述べ、重要装備品の迅速な調達を担当するSCO(Strategic Capabilities Office)を中心に関連企業と進めていると語りました

同次官は「2メガワット級」の発電量を想定していると述べたようですが、この規模はまんぐーすがググッて調べたところによれば、一般家庭約200世帯をまかなう事が可能な、一般的な日本の原発炉1基の1/500程度の発電能力だそうです。また最近流行の大規模太陽光発電施設と同レベルだそうです

miniature nuclear2.jpg多くの米軍基地は商用電力で運用されており、当然ある程度の緊急対処用の自家発電施設を確保しているでしょうが、サイバー攻撃の対象と考えられている商用電力網が麻痺した場合の長期にわたる電力供給源確保に迫られているということです

また同次官は、ミニ原発の将来の活用先として「前線の僻地:forward, remote operating locations」と言及しており、米空軍が対中国を想定して取り組み始めた「航空アセットの分散運用」に必要な各種装備の展開運用に欠かせない電力源確保にも期待されている模様です

一例として、ロッキード社も開発に5年以上取り組んでいるようで、こちらは究極の目標として航空機搭載も狙っているようです。

5日付米空軍協会web記事によれば
Lord2.jpg●Lord次官はMcAleese and Associates conferenceで講演し、「電源網がサイバー攻撃で途絶することを恐れている」、「我々はモジュラーな小型原子力発電を検討している」と述べた
●国防省の報告書によると、2018年度1年間で、米軍基地で8時間以上の停電が発生した事案が562件もあり、そのうちの223件の損失額は25億円と見積もられている

●Lord次官は、重要装備品の迅速な調達を推進する特別チームSCOが出資し、民間企業と協力して国の認可を受けられるミニ原発のデモ機開発に取り組んでおり、この努力は小型原発開発に関する民間人材の育成にも貢献するものだと説明した
●また、小型原発は「前線の僻地:forward, remote operating locations」において重要な電力供給を担うことも期待していると将来の可能性について語った。米空軍は現在の根拠基地が有事に敵の攻撃目標になると想定し、施設が不十分な飛行場などに航空アセットを分散して運用する方向を追求し始めており、このような場合の電力源としても期待されている

miniature nuclear4.jpgロッキード社は少なくとも2014年から、「CFR:compact fusion reactor」開発に取り組み、2020年代半ばには工場や都市への電力供給を狙っており、将来的には航空機への搭載も目指していると担当責任者が昨年語っていたところである
●ただしLord次官は、国防省が取り組んでいるのが「核分裂型」か「核融合型」かには言及しなかったので、このロッキード社の取り組みとの関係は不明である

●ちなみに、米空軍は1950年代に一度、原子炉搭載航空機開発を検討したことがあったが、墜落時のリスクや搭乗員への放射能の影響を懸念し、開発を中止した経緯がある
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「モジュラーな小型原子力発電」がどれくらいの規模のものなのかイメージがわきませんが、最新のフォード級空母の原子炉発電能力が約200メガワット(19.5万kw)ですから、Lord次官が言及した2メガワットの100倍です。全くの想像ですが、「モジュラーな小型原子力発電」は2階建て一般住宅2軒分ぐらいの大きさでしょうか???

miniature nuclear5.jpgググッて見ると、色々な写真が出てきましたので、適当に添付しています。想像を膨らませていただければ幸いです

サイバー攻撃による電源網ダウンを想定した取り組みを始めて耳にしました。国家安全保障の観点からすれば、金融や治水や交通網システムの防御と並び、極めて重要な分野ですから、是非参考にしたいものです。福島第一アレルギーで立ち止まってはおれません

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画期的:衛星が推進力衛星とドッキングで延命へ [サイバーと宇宙]

米企業がインテルサット衛星に推進力衛星をドッキング
通信衛星を約5年延命する画期的手法
安全保障関連衛星への応用を検討分析中

MEV-1.jpg26日、Northrop Grumman社のグループ企業SpaceLogistics LLCが、衛星を延命させるための衛星「MEV-1:Mission Extension Vehicle-1」を史上初めて商用衛星にドッキングさせることに25日に成功したと発表しました。

延命のためドッキングされたのはインテルサット商用通信「Intelsat 901」で、MEV-1から軌道修正等の支援を受けることで約5年間寿命が延び、また延命に貢献したMEV-1は、今後同様の衛星支援活動を15年間宇宙空間で継続する画期的な仕組みです

米国防省も、今回のSpaceLogistics LLCとインテルサットの挑戦に関心を示し、昨年7月には米空軍の「Space and Missile Systems Center」がSpaceLogistics LLCと、安全保障関連衛星にこの仕組みが応用できるか検討する契約を結んでいるようです

細かなコスト比較は明らかではありませんが、新たな衛星を打ち上げるより、この延命衛星MEV-1のような仕組みを活用することで、随分と資源の有効活用が図られると思いますし、宇宙ゴミの削減にもつながるのでは・・・と勝手に想像しております

26日付C4isrnet記事によれば
MEV-1 4.jpgMEV-1は昨年10月9日に打ち上げられ、徐々に高度約180nmの静止衛星軌道に向かって高度を上げていた。一方で支援を受けるIntelsat 901通信衛星は、昨年12月に衛星通信サービス業務から一旦外され、MEV-1の軌道まで移動し、2月25日午前2時15分(米国東時間)にドッキングに成功した
ドッキング後、Intelsat 901通信衛星は自身の機能に異常がないか自己診断を行い、その後MEV-1の推進力で所定の通信衛星としての軌道に戻り、今年3月から再び通信衛星として役割を再開する予定である

般に人工衛星の寿命は搭載燃料に左右され、例え搭載機材に異常がなく、搭載機材を稼働させる電力を太陽電池から得ることが出来ても、燃料が枯渇して移動できなくなると、軌道を維持することや、求められる軌道への移動が出来なくなり、その役割を終えることになる
●SpaceLogistics社のMEV-1は、機器は正常でも燃料不足に陥った衛星に接近してドッキングし、MEV-1搭載燃料と推進装置を使用して、顧客の衛星を所望の軌道や位置に移動させることで人工衛星の延命に貢献する

MEV-1 2.jpgまたMEV-1は、今回のIntelsat 901への任務を終えた後、引き続き約15年間宇宙に留まり、他の燃料切れ衛星に同様のサービスを提供することが可能だと、SpaceLogistics社は説明している
SpaceLogistics社のTom Wilson社長、「我が社はインテルサット社と協力し、官民両方を対象とした革新的な宇宙でのサービスに乗り出した」、「我々のMEV衛星は、革新的な人工衛星延命サービスである」とアピールしている

インテルサット社のMike DeMarco担当副社長は、「我が社は数十年に渡り、宇宙技術分野において、革新の先駆者であり続けてきた。可能性を更に押し広げる我が社のDNAは、MEV-1の最初の顧客になることに一切躊躇しなかった」、「SpaceLogistics社やNorthrop Grummanともに、宇宙における地殻変動的な一里塚を築く歴史を描けたことを誇りに思う」との声明を発表した

なおSpaceLogistics社は、数年後にはMEV-1を発展させたサービスを計画しており、MEV-1の発展型衛星を複数宇宙に配備し、軌道傾斜の変更、衛星の機能点検、軌道上での修理や組み立てサービスにも乗り出したいと考えている
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MEV-1の紹介映像(約2分)


映像を見ると、助けられる側に特別なドッキング装置は不要そうなので、ある程度の大きさと強度を持つ衛星であれば、MEV-1やその発展型衛星の各種サービスを受けられるような気がするのですが、難しいことなのでしょうか?

考えてみれば、中国やロシアの衛星を宇宙で排除する兵器にも活用できそうな気がするのですが、どうなんでしょう?

この発表は、中国やロシアの「宇宙で怪しげな動きをする衛星」に対する、警告の役割も果たすのかもしれません

宇宙関連の記事
「怪しげなロシア衛星問題提起」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-04
「宇宙Fenceレーダー試験開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-12-1
「同盟国にも宇宙関連訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「再び同高官が指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-26
「米高官が不審な露衛星を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-15

「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28
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身内の監察官指摘:米国務省のサイバー対策はでたらめ [サイバーと宇宙]

数年前からの指摘も放置、多額の予算はどこに消えた
海外の米国大使館は更にひどい状況
全ての評価側面で問題ありの診断

OIG State2.jpg1月24日付DefensOneは、22日に米国務省監察官が発表した「監察レポート」によれば米国務省のITシステムのサイバー対策が数年前から複数の問題点を指摘されているにもかかわらず、改善されておらず、8つの評価カテゴリー全てで問題を抱えていると報じています。

1月22日の米国務省監察官レポートで指摘される直前にも、1月14日にMark Warne上院議員が国務長官に対し、以前の「監察官レポート」での指摘事項が改善されておらず、「歴史上の数々の情報漏洩に対する教訓が生かされていない」との公開書簡を出し、最近のイラン対応での情報管理のまずさを指摘したていたところでした

記事を見ると、重要な担当ポストが空席のままとか、国務省CIOが不適切な人選だとか、在外公館で未認可のITシステムを5年以上使用しているとか、膨大な予算に見合った成果が上がっていないとかサイバー対策面でガバナンスが機能していない様子が見受けられ、誰も関心を持って取り組んでいない組織であることが伺えます

24日付DefensOne記事によれば
OIG State4.jpg22日に米国務省監察官が発表したレポートは、米国務省ITシステムのサイバー対策に多くの誤りがあることを指摘しており、世の注目を集めている
●監察レポートは、「国務省が投入した多額の支出に見合わない状態」とサイバー対策の現状を表現し、「国務省の各種情報が、以前からの指摘にも拘わらず、引き続き危険な状態に置かれている」と明確に指摘している

●この「監察レポート」発表の直前、1月14日には民主党のMark Warne上院議員が国務長官に対し、以前の「監察官レポート」でのサイバー関連指摘事項が改善されておらず、、「歴史上の数々の情報漏洩に対する教訓が生かされていない」との公開書簡を出し、国務省を非難していたところである
●同上院議員が特に問題視していたのは、国務省のサイバー対策を担当する重要な2つのポストが空席であることと、2017年の監察レポートでも指摘されている、国務省CIOに適切な人材が配置されていない点である

22日公開のレポートは、例えば、同じ2017年レポートでも指摘されている「情報システムセキュリティー担当官の働きが不十分」な問題が、2019年になっても改善されていない点や、在外公館でのサイバー管理問題がより広範な点を指摘している
OIG State.jpg在外公館の問題に関しては、ITシステムのライフサイクル管理に関する考え方が欠如しており、使用承認のないまま、在外公館が2013年から特定のITシステムを使用している事案が明らかになったりしている

●このような実態から、米国務省の米国政府が法令に基づき行う情報管理評価の結果は、8つの評価カテゴリー全てで問題ありとされてる。8つの評価カテゴリーは、リスク管理、ITシステム形態管理、IDとアクセス管理、データ保護&情報保全訓練、情報セキュリティーの継続監視、事案対処、緊急事態計画の8つである
●米国務省の監察官は、2018年と2019予算年度に関する予算執行監査報告(consolidated financial statements)を同じく22日に公表したが、2009年の同監査報告から継続する形で、国務省のITセキュリティー管理に問題があると指摘し続けている
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米国は、対外的な交渉を行うプレーヤーが多く、また政治任用者が対外的に派手に立ち回ることから、職業外交官のステータスがそれほどでなく、意欲の面でも盛り上がらないのかもしれませんが、この状態はまずい気がします。大統領や国務長官が手と付けるべきレベルだと思います

OIG State3.jpgまぁ・・・サイバー攻撃で情報が漏洩するのではなく、人を介しての情報リークやメディアへの告発が「常態」になっていることの方が問題かもしれませんが・・・。国務省は国防省にとって、「2+2」とか重要な枠組みの相棒ですし・・・

公務に就く者が、お国のことだけを考えて、職務に誇りをもって取り組めるような環境と雰囲気のある社会でありたいものです

米国務省監察官室のwebページ
https://www.stateoig.gov/

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やっとサイバー防御チームの職務規定が [サイバーと宇宙]

まず「Cyber protection teams」から定義を

cyber forces4.jpg9日、米国防長官室のサイバー担当補佐官であるDennis Crall少将が講演で2018年4月にメジャーコマンドに格上げされた「サイバーコマンド」を構成する133個の「Cyber Mission Force teams」の中で、特にその職務内容を定義するのが難しい「Cyber protection teams」の職務について、国防長官名で職務内容が定義されたと明らかにし、サイバー組織強化の上で大きな勝利(big win)だと表現しています

「Unified Command」に格上げされたサイバーコマンドを復習すると、米軍の統合作戦を支えるため、その主戦力として133個の「Cyber Mission Force teams」を約6200名で編成しており(単純計算で各チーム46名程度)、その「teams」には以下の4種類が存在します

---Cyber national mission teamsは、敵の活動を察知し、攻撃をブロックして撃退する
---Cyber combat mission teamsは、世界中の地域コマンドにサイバー作戦能力を提供する
---Cyber protection teamsは、主に国防省ネットワークの防御に当たりつつ、攻勢的サイバー作戦の準備もする
---Cyber support teamsは、サイバー関連分析を提供し、「national and combat mission teams」の計画支援を行う

4つのチームの違いが判りにくいところですが、今回はこの4つの中の「Cyber protection teams」の職務が正式に定義され、大きな進歩だと国防省高官が語ったというお話です。

cyber forces.jpg今頃何を?・・・と言いたくなるところですが国防省のサイバー作戦の難しいところは敵が国家安全保障上の目標を達成するためにサイバー攻撃で狙うのは米軍や国防省だけでなく、エネルギーや交通や通信と言った社会インフラや金融インフラなど多様な中、最も米国の中で組織的活動が可能で能力もありそうな米軍サイバーコマンドが「どこまで国防省外に手を差し伸べるか?」にあります。

米軍が出しゃばると一般企業や社会から文句が出るし、かといって放置もできないし・・・とのジレンマが、「国防省ネットワークの防御が主任務」の米軍サイバーコマンドを苦しめ、その職務定義を難しくしているのかもしれません。職務の定義が明確でないと、組織編制や人材の育成、更には組織の評価も難しくなることから、今回の職務規定の正式発表を「big win」と表現したものと推測しています

またCrall海兵隊少将の話によれば、4種類のチームの中で「protection teams」の職務定義が最も難しいことから最初に取り組み、今後他のチームの職務定義に進んでいくとのことです。

以下は、「protection teams」の職務定義が出来てよかったと喜ぶ同少将のコメント等で抽象的なお話になりますが、認知されて約20年経過するサイバードメインが、依然として民主主義国家の中では取り組みが難しく、悪党に親和性の高いドメインであることを感じていただく契機となればとご紹介します

10日付fifthdomain記事によれば
cyber forces5.jpg●9日、Crall海兵隊少将は、陸海空ドメインと異なり、サイバードメイン、特にその中でも難しい「Cyber protection」は、職務内容や即応体制を定義して理解するプロセスが従来存在しなかったと述べ、我々は20年以上サイバーに取り組んでいるが、依然として新しい分野であり、その戦力、能力、手順、権限などについての考え方が変化を続けているからだと背景を説明した
●そして「我々は始めてprotection teamを定義し、何が役割で任務か、どのように評価するかを明らかにできた」と述べた

●サイバー作戦運用について国防省として正式化した以降も、国防省関係者の努力にもかかわらず、防御的サイバー分野のドクトリンは常に変化を続けてきた。この定義が困難な理由は、攻撃については過去のNSAの作戦例を雛形に考えればよかったが、防御については枠組みをゼロから生み出す必要があったからである
●また、cyber protectionの要領は最近の教訓を基に変化を続けており、数年前の手法や考え方が、あっという間に旧式化してしまう難しさが存在している。このことから、要員養成機関で教える内容は古い手法で、現場部隊で行われている手法とは異なり、新人は部隊配属後に初めて実際の手法に接することとなっている

cyber forces2.jpg●Crall少将は更に、職務定義により「個々の兵士の任務、即応体制レベルの報告、個人や部隊即応態勢レベルの指標化などが可能になり、個人や部隊の状況に応じたフィードバックやチームの再構成による戦力管理が可能となる」とも説明した
●また、戦闘機飛行隊が通常行っているように、チームの一部が前線に派遣され作戦を遂行している間に、残ったチームは教訓の整理や訓練を行って能力向上を計り、次回の前線派遣に備えるローテーションを組むことが可能になる、とも説明した。

●同少将は、職務定義が完成したことから、今後はこの定義に沿って戦力の現状規模をキチンと把握し、サイバーコマンド全体への任務要求と比較して規模(capacity)が適当なのか考える必要があると述べた
●また、職務定義から基本的な「cyber protection teams」の装備についても合意が出来たが、任務に応じて柔軟に使用装備を変更する必要もあり、人の編成や事前訓練などとあわせ、状況に応じた応用についても基本形を準備することが必要と説明した

●「protection teams」の定義が出来たことで、今後は「offensive」と「support」teamsの職務定義について検討を進める
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cyber forces3.jpg「cyber protection teams」の具体的な職務事例で、「職務定義」の重要性について説明出来ればよいのですが、事柄の性質上、具体的な事例について同少将は語っていないようです。

認知され始めてから約20年経過するサイバーの世界ですが、耳にする機会が増えたものの、自身が育った時代に存在しなかったものへの理解はなかなか進みません。特に軍組織だと、今の時代の上級指揮官クラスにはまだまだ実感として伝わっていないのでしょう。そんな事も、サイバーチームが派遣された際の仕事の困難さに繋がっているような気がします。

また冒頭で申し上げたように、依然として民主主義国家の中では取り組みが難しく、悪党に親和性の高いドメインであることを感じていただく契機となれば・・・とご紹介しました

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