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写真で見るパネッタ長官最後の一日(・・・のはずが) [パネッタ国防長官]

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2月14日、パネッタ長官は国防省に別れを告げました。写真上段は国防省内での見送り風景です。
パネッタ長官は、本当に何時も執務室に愛犬「Bravo」を伴っていたようで、見送りには奥さんのシルビアさんと「Bravo」が参加しています。

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国防省での見送り前には、まず朝一番でアーリントン墓地で戦没者の冥福を祈り、その後クリントン国務長官に国防長官として勲章を贈っています。

クリントン長官は受賞後、「ゲーツ前長官とマレン前統合参謀本部議長は、国家安全保障のために国務省予算を増額すべきと議会に訴えてくれ、パネッタ長官とデンプシー議長も応援してくれた」と国防省と国務省の良好な関係を語りデンプシー議長は「リビア作戦の成功は国務省との連携なしにはなしえなかった。イランへの制裁でも米国の安全保障上の視点を重視してくれた」、「国防省との関係強化のため個人的な時間を割いてくれた」と讃えています

パネッタ長官は「20年以上共に仕事をし、彼女の国家への貢献が計り知れないことを誰よりも知っている」、「国務省関連の外交官や開発援助関係者が、最前線の兵士をどれだけ支援してくれたか言葉では表現できない」と延べ、国防と外交が一体となって機能することの重要性を強調しています

軍事と外交の協力を考える
「軍事力使用の3原則」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-07
「米外交の軍事化を警告」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-15-1
「軍事と外交が一丸となって」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-03

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14日にはもう一つ、CIA本部へのお別れ訪問をしています。
愛犬「Bravo」とラングレーを訪れ、CIAから勲章を受け取っています。
半世紀にわたり米国の公務についてきたパネッタ氏への国としての配慮が伺えます

しかし米国時間14日、米議会はヘーゲル次期長官候補の承認投票延期を決定しています。自体は益々混沌と・・・・
そこでパネッタ長官は次期長官が決まるまで国防長官職を継続します!

なんと来週はNATO国防相会議出席のためにブラッセルへご出張です!
少なくとも、2月26日まではヘーゲル氏の議会承認投票は行われないため、それまでは宙ぶらりんな状態で職務継続です!

パネッタ長官の活動
最近の動きhttp://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301808881-1

「米中軍事関係の重要性は」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-24
「パネッタ長官2度目の訪中」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-19
「インド訪問」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-06

「カムラン湾歴史的訪問」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-04
「パネッタ長官シャングリラ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-24
「新海軍士官にア太平洋重視を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-30

「米中国防相会談」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-08
「国防省がHUMINT強化」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-27
「初の南米ツアーで革新的関係」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-24

「強制削減の陰が・・・」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-17
「兵士はリスクを負い議会は逃げる」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-02
「イラン核施設の完全破壊困難」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-02

「敵に財政負担を強いる」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-03
「強制削減検討は夏から」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-01
「パネッタ長官:イラン攻撃は」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-05

「リーダーは困難な決断を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26
「追加予算削減の致死的影響」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-16
「パネッタ長官のアジアツアー」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-22

「運命の傍観者たることを拒む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-13-1
「パネッタ長官が使命感と信条を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-07
「議会承認のために、私は・・」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26
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パネッタ国防長官離任の辞 [パネッタ国防長官]

cere3.jpgブログ「東京の郊外より・・・」の原点に立ち返り、パネッタ長官離任の辞をご紹介いたします。まんぐーすの個人的好みで、お気に入りの箇所を・・・

ところでこの8日の儀式、「farewell ceremony」とか「armed forces farewell tribute to honor him」とかの名称で表現されていますが、本当にパネッタ氏は職務を離れたんでしょうか? 重要な職ですので、後任者が決まらないと「空席に出来ない」とか報道している記事もあり・・・

出席者に感謝を述べた後、冒頭ジョークは・・
●トルーマン大統領はかつて言いました。「ワシントンDCで真の友人を得たければ、犬を飼え」と。そこで私は「Brabo」を飼うことにしました。(Braboは式典に出席しています)
cere4.jpg●彼はビンラディン作戦を決定した会議にも出ていたし、他の重要な会議のほとんどに出席した。でも彼はそこで聞いたことを一度も口にしたことが無く、漏らさなかった

●議事堂やホワイトハウスの夜景をはじめて見た時の、畏怖の思いを忘れたことはありません。イタリア移民の息子でありながら議員となり、政府の要職を経験させてもらってアメリカンドリームを生きることが出来たのかもしれません
●初めて議員としてワシントンに来たとき、先輩のシカゴ選出のAnnunzio議員から「イタリア同窓会に入れ」と言われました。でも「仕事中心じゃなくて、食事の方だ」と言われ、そのとおりでしたが・・。

CIA長官に任命された時、家族が私のためにマグカップを用意してくれました。そこにはCIA、つまり「California, Italian, American」と書かれてありました。大統領、このような人間を23代の国防長官に任命し、サポートして頂き有難う御座いました。
●私は、ほんの少しかもしれないですが、両親の夢であり我々全ての夢でもある「我々の子供たちにより良い生活を人生をあたえること」が出来たのかもしれないと思っています。

忘れえぬ誇りと興奮
cere2.jpg私は決して忘れることが出来ません。対ビンラディン作戦が成功し、大統領による発表が行われた後の夜を。ホワイトハウスを後にするとき、庭の周りに集まった人々が「USA, USA」と叫んでいたあの光景を。
●また最前線で命を懸けて任務についている兵士の目を忘れることは出来ません。過去の戦いで祖国を守った退役軍人の人たちとの出会いや過去10年の戦いで負傷した兵士たちも・・・。

●同時に、祖国のために戦いその命を落とした兵士家族への手紙にお悔やみの言葉と署名する悲しみも忘れることは出来ないでしょう。しかしまた、無くなった彼らの犠牲心、勇気、勇敢さは、私に新たな米国への誇りと将来への希望を思い起こさせてくれます

不確実な時代に・・・
チャーチルは言いました「将来を知ることは出来ないが、過去は我々に希望を与えてくれる」と。不確実な時代ですが、私の公職での経験は、この国のリーダーたちは一致団結して困難を克服し、21世紀のチャンスをモノにすると希望を抱かせてくれます
cere.jpg●我々は戦争を乗り越え、災害を乗り越え、大恐慌を克服し、全ての危機と立ち向かって来ました。その歴史は決して、決してあきらめないのが米国民である示しています。我々の子孫によりよい生活や人生を与えるために

●(奥さんへ)彼女からのバレンタインプレゼントは、共に故郷に帰ることです
今後も私は神に祈り続けます。国家の要請に自らを捨て勇気を持って応じてくれた兵士のことを。自由と勇気に満ちた祖国アメリカ合衆国のことを
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ビンラディン作戦が成功した夜のことは、フロノイ前政策担当次官も退任の際に「忘れられない夜」として語っていました。それほど大きな賭けだったのでしょう。
でも、バレンタインのプレゼントが故郷への帰還ならば、もうワシントンDCにはいないかもしれませんね・・。

トランスクリプトは
http://www.defense.gov/speeches/speech.aspx?speechid=1749
米国防省web記事は
http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=119247

パネッタ長官のご活躍を約60本の記事で
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301808881-1
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パネッタ長官離任式:ちょっと寂しさが・・・ [パネッタ国防長官]

cerelast4.jpg8日、パネッタ国防長官の離任式典が米軍基地の室内ホール(体育館?)で行われました
直前まで上院軍事委員会で強制削減のダメージを訴え、米リビア大使館でのテロ事件の質問に答え、更に恐らく8日が提出期限の強制削減への国防省対処計画をホワイトハウスに当日提出した直後の「バタバタ」式典だったような気がします

室内だったのは大雪の影響で、大統領や統合参謀本部議長の出席、全軍の儀仗兵等々・・・場は整っているのですが、次期国防長官の選定が難航し、予算の強制削減が現実味を帯びる混乱状態の中で、なんとなく寂しさの漂う雰囲気です

この式典の位置づけが良く分かりません。後任者が決まっていないため、今月末までは職務を継続するとの報道もあり・・「モヤモヤ感」に拍車を

しかし陸軍中尉として、議員として、ホワイトハウスのスタッフ長として、政府の予算編成リーダーとして、CIA長官として、そして最後に国防長官として、国家に尽くした50年間です。拍手を持って見送りたいと思います。

オバマ大統領は式典で
cerelast2.jpg●政府が最初に国防長官就任を要望したとき、彼の反応はシンプルに「No」だった。しかし私は依頼し続けた。私は執拗に食い下がった。私がミシェルと結婚したときのように
●私は望みをかなえることが出来たが、彼が最後の公務を引き受けてくれたのは、レオン(パネッタ長官のこと)の愛国心と国民としての義務感の現れである

●カリフォルニアの農場からCIA長官として戻る決意をしてくれた際もそうだったと思う。そしてその責任感と指導力がアルカイダに対して強烈な打撃を与え、ビンラディンに正義の審判を下すと言う史上最大のインテリジェンス作戦の成功に導いた

●彼は幼いころ、両親がWW2に赴く兵士を家に迎え入れた記憶を鮮明に刻んでいる。そしてその思いが彼を陸軍士官に導き、また彼の息子をアフガンに派遣させた
●そして彼は第23代の国防長官として、唯一つの目標を心において全ての決断を行ってきた。それは前線兵士のケアと米国の安全を維持することである

cerelast.jpg●パネッタ長官在任間、負傷兵へのケア、軍人家族へのサポート、退役軍人の一般市民社会への転進支援の面で格段の進展があった。また同性愛者に対する「聞かない、言わない」政策撤廃の最後の詰めも行ってくれた

●(奥さんの)シルビアさん、あなたの犠牲の上に彼の国家への忠誠は果たされたのです。今度こそ彼が故郷に帰ることが出来ると約束します

●レオン、あなたの両親であるイタリア移民の夫婦が望んでいたように、チャンスを与えてくれた国に立派に恩返ししたあなたをご両親が誇りに思うことは間違いない
●そしてあなたはアメリカンドリームが未だ健在であり、あなたの子供や孫だけでなく、全ての子供や孫たちのものであることを明らかにしてくれたことを永久に感謝します
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見方によっては如何にも米国らしい送別の辞ですが、史上最高齢で国防長官を引き受けたパネッタ長官の決意や心情は、オバマ大統領の言葉が正確に表現していると思います

「アメリカンドリームとは、自分の子供や孫に、より良い生活をさせてやりたいとの願いをかなえることである」
              The 23rd Secretary of Defense  Leon E. Panetta

パネッタ前長官の思い
「リーダーは困難な決断を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26
「運命の傍観者たることを拒む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-13-1
「パネッタ長官が使命感と信条を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-07

Twitterもよろしく→https://twitter.com/Mongoose2011
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女性兵士への戦闘職解放を加速 [パネッタ国防長官]

「人生においてそうであるように、誰もが成功を保証されているわけではない。全員が戦闘員になれるわけではないのだ。しかし全員にチャンスはある」

WomanCombat.jpg24日、パネッタ国防長官とデンプシー統合参謀本部議長は定例会見の中で、地上戦闘職種を女性兵士に大幅開放する文書に署名しました。
同時にパネッタ長官は、不必要な性別による職種限定を全廃する計画を更に全軍種で推進すると宣言しました。

今回の戦闘職解放では、昨年2月に約14000の地上戦闘職域が女性に解放されたのに続き、184000もの戦闘職ポストと53000もの準戦闘職ポストが女性に開放されました。

これら一連の「解放」は、オバマ大統領のリベラルな姿勢を強く反映したものと思われ、同性愛者の受け入れ(同性愛者に関する「問わない、語らない」方針の撤廃)と同列の施策と考えられます

本決定にオバマ大統領が声明を
●この決定は、2世紀にわたる米国史上における女性の勇気と愛国心、そして現在の軍に女性の役割が必要不可欠であることを反映したものである

会見でパネッタ長官は・・・
●10年以上にわたる戦いで、女性たちはその勇気、技量、愛国心を示しており、152名もの戦死者を出している
●前線を訪問すると誰もがその職務に専念し任務を果たしている。ともに戦い、死ぬ時も同じである。この現実を認識する時が来たのだ

「ある特殊部隊女性の死」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27

WomanCombat2.jpg●全軍種に対し、全ての職域分野の業務達成基準が性別に対し中立で最適なものかを評価するよう指示している。各職域の専門学校においても同様な評価を行う。
●評価の結果は5月15日までに提出を義務付けられており、2016年1月までに全ての見直しを終了する

即応態勢や士気、戦闘能力を犠牲にすることなく実施しなければならない。責任ある一貫した確実な手法で遂行されなければならない
●本方針が完全に履行されれば、例外的に国防大臣が許可した職域のみに女性の配置が閉ざされることになる。能力と資格と働きぶりのみに基づいて評価されるとき、我が軍は一層効果的になる

●人生においてそうであると皆が知っているように、誰もが成功を保証されているわけではない。全員が戦闘員になれるわけではないのだ。しかし全員にチャンスはある

国防省関係者は・・・
●職域や配置は徐々に増加するが、級数的に増えるだろう。年間を通して開放を前進させる
●本方針転換では、女性の融合を成功させるため、十分な女性中上級下士官や女性士官を配置することを確実にする
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WomanCombat3.jpgパネッタ長官の発言「全員が戦闘員になれるわけではない。しかし全員にチャンスはある」と、国防省関係者の一定数を確実に配置させるとの表現との差が気になります
パネッタ長官が「機会の平等」を強調し、官僚が「結果の平等」に言及している点です。

去りゆくパネッタ長官は軍内の本音を語り、オバマ政権下で将来も働く関係者は、大統領の顔色を見ている・・・ということでしょうか。
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例えば米空軍では・・・
●全職域の99%がすでに女性にも解放されているようですが、残り1%(約3200ポスト)について今後検討を進めるそうです。
●残り1%の全てが特殊作戦部隊のポストで、士官と下士官合わせて7職域。
●特殊作戦部隊の戦闘指揮、戦闘気象、救命救助員、戦術航空管制などが含まれています。

米国防省・米軍女性関連記事
「初の戦闘航空団司令官」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-05-1
「大統領が24名の潜水艦女性を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-30-1
「米空軍の兵站改革に女性が」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-21

「不沈F-35と低酸素F-22」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-09
「レーザー兵器の開発動向」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-01
「ある特殊部隊女性の死」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27

「サイバー戦の指揮も女性」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-06
「宇宙戦争の指揮は女性が」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30
「特殊部隊にもっと女性が」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02-1

「女性だけの編隊で攻撃」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-04
「空軍士官学校の美人将軍」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-10
「もう一人の美人将軍」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-29

「日系女性が国防省IT戦略を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-27
「人事担当次官を女性が」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-25
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NATOよ、アジア太平洋に関与せよ [パネッタ国防長官]

「欧州が、米国と共にアジア太平洋への防衛関与を増加し深化させると信じている」
「我々の21世紀の安全保障は、共に戦うか、別々に戦うかに懸かっている」

LondonKings.jpg18日、パネッタ国防長官は長官として最後の海外訪問を締めくくるべく、英国のケンブリッジ大学King's Collegeで「最後の主要政策」講演を行い、同校「War Studies」の学生や教授陣を中心とする聴衆にNATOの将来について訴えました

NATOの方向性を巡る議論が続く中、財政危機を迎えた欧州各国が国防費を削減し、ゲーツ前長官が退任間際(2011年6月)にアフガンやリビア作戦での欧州の姿勢を厳しく批判、「欧州諸国の皆さん、今からでも決して遅くない。国防機関のあり方と同盟との関係を正常に戻すことが出来るはずだ」と警告してから早幾星霜・・・。軍事費削減は加速し、F-35への及び腰も顕著になりつつあります。

特に、冷戦やNATOの生い立ちを知らない若い世代に軍事同盟維持に消極的な傾向な顕著であり、「War Studies」学生を聴衆に場を設定し、今や単独では対処できない世界共通の脅威への取り組みを訴えています

サイバーにアフリカや中東、そして真打として「アジア太平洋」が登場します。欧州の一番の貿易相手は中国、2番が東南アジア、3番が日本、4番が韓国だろうと・・・

King's Collegeでパネッタ長官は・・・

NATOは歴史的転換点
LondonCameron.jpg設立から60年以上を経過したNATOは、米国の世界的パートナー関係の基礎であり続けているが、同盟は歴史上の転換点を迎えていると考える
●もし同盟が引き続き有効で永続的な安全保障同盟であり続けるには、厳しい財政圧力の下でも、迅速に多様な脅威に対応できなければならない
●NATOを深化変革させるためには、革新的な協力関係を編み出し、新規分野に投資し、地域の協力関係を構築しなければならない。重要なのは、一国では脅威に対応できないとの事実である。

●米軍は欧州から2個旅団を撤退するが、革新的で柔軟なローテーション配備でプレゼンスを構築する。また地域関係国との訓練・演習を強化して部隊の即応体制を隙間無く維持する
●スペインのロタ島にイージス艦を配備し、ポーランドに新たな航空戦力を配置。また陸軍をローテーション展開させる。新たな協力体制の目に見える投資を費用対効果の高い方法で実施する

新たな分野への取り組みを
新たな戦線にサイバー空間防衛がある。知的財産の略奪、私企業への攻撃や重要インフラへの攻撃等、サイバー攻撃は我々の政治、経済、生活活動を麻痺させうる。NATOは本分野での役割を考えるべきである
●サイバー防衛の新たな同盟に向け必要な手を打たねばならない。今年、NATOでサイバー防御策を検討する大臣レベル協議をスタートさせたい
●将来鍵となる投資が必要な分野には、無人ISR、宇宙防衛、特殊部隊があるが、国家間でこれら能力を共同保有する時が来ているのではと思う

LondonParli.jpg欧州以外の国家や地域同盟等と強固なパートナー関係を構築するため、決意を固め積極的でなければならない。
●すでにNATOはアフガンで域外国と協力し、リビア作戦ではアラブ連盟やGCC(湾岸協力会議)とNATOの傘の下で活動している。アフリカや中東での課題に対処するため、アラブ連盟やGCCとの協力を進化させ、アフリカ連合や西アフリカのECOWASとも協力する必要がある

アジア太平洋地域に共に
●また特に、欧州は米国と共にアジア太平洋への防衛関与を増加し深化させると信じている。米国がアジアに軸足を移すことが、欧州諸国に懸念を与えているかもしれないが、安全保障や米国の関与はゼロサムゲームではない。
欧州の一番の貿易相手は中国、2番が東南アジア、3番が日本、4番が韓国であり、米国も似たような状況である。アジアとのつながりは益々強くなっているのだ。

●2015年には、中国の国防支出が欧州主要8カ国の合計を上回るとの見積もりもあるが、中国との対話は我々共通の関心でもある。NATO加盟国は平和と繁栄の理念を示して前進させる責務を負っている
●このため、米国と欧州諸国は協力し、アジア太平洋地域の安全保障問題に共に努力して行かねばならない。NATOは世界平和と繁栄のモデルであるが、同盟は強くそして大胆に変革できなければならない

共に戦うか、バラバラか
RomePress.jpg●今回南欧州を歴訪し、財政問題が厳しいことを目の当たりにした。しかし財政危機によって我々の決意を損ねてはならない
●恐らく後任の国防長官はWW2を直接知らない世代であり、若い聴衆の皆さんもベルリンの壁崩壊後の世代だろう。しかし世代を超え、大西洋をまたぐ同盟は我々の安全と繁栄の基礎である

次世代の子供たちの、より良く安全な生活を確保するのは、若い聴衆の皆さんの責務である。我々の国の21世紀における安全保障は、共に戦うかバラバラに戦うかにかかっている。皆さんの選択に懸かっている
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前任のゲーツ長官も最後の海外訪問は欧州でした。ロシアも含め・・・。やはり、最後に頼るのは欧州です
それにしても、ここまで「アジアへ共に」のメッセージが明確に出るとは思いませんでした

Churchill-desk.jpg日本人にとってちょっと複雑なのは、パネッタ長官が欧米団結の象徴のように1943年のカサブランカ会談に言及し、原点を思い出そう・・と言ったニュアンスで語っている点です。
この会談は、ルーズベルトとチャーチルがWW2後の枠組みを議論し、枢軸側に無条件降伏を要求することを決めた会議ですから・・・。 チャーチルが当時使用した机に座る写真なんかを公開してみたり・・・ 

締めの言葉をもう一度
The future security of nations in the 21st century rests on whether you decide to fight together or fight separately. That decision rests with all of you.

トランスクリプト→http://www.defense.gov/transcripts/transcript.aspx?transcriptid=5180

パネッタ長官最後の海外訪問の概要
「欧州4カ国訪問の概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-16
米国防省特設ページ→http://www.defense.gov/home/features/2013/0113_panetta1/

ゲーツ前長官のNATO批判と露訪問
「警告する、NATOの2極化を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-12
「ロシアでCIAの思い出を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-28

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パネッタ長官:最後の訪問は欧州 [パネッタ国防長官]

6day-Europe.jpg14日、パネッタ長官は任期中最後の海外訪問に出発し、6日間で4カ国を訪問しています。訪問先は順番にポルトガル、スペイン、伊、英です。15日夜には既に伊に到着のスピード訪問です!

恒例の機中会見(14日)でパネッタ長官は、ご両親が伊からの移民である自分を「欧州の息子」と呼び、国防長官として18回目で最後の海外訪問が欧州であることを「ふさわしい」と表現しています

会見で長官は訪問の目的を3つ
NATOとそれぞれの2国間関係の重要性を強調・再確認
●訪問4カ国のアフガンにおける活躍を讃え、今後について協議
●世界が安全保障と財政面での課題に直面する中での将来施策協議

アフガンについて長官は
Afgan2.jpgオバマ大統領が先週述べたように、今春からアフガンの治安はアフガン治安機関が中心となり、ISAFは支援的役割に移行する。これは画期的な出来事であり、米、ISAF、アフガン国民の努力の賜物である。
●また先週ワシントンを訪問したカルザイ大統領と、将来のアフガン治安維持への米国の関与について実り多い協議が出来た。
●今回の訪問では、訪問国にこのあたりの状況を説明することを楽しみにしている

●しかし、テロ活動、特にアルカイダ関連の組織がパキスタン、ソマリア、イエメン、マリ等に存在し、訪問先全ての国の脅威となっている
●北朝鮮やイラン、中東での騒動、サイバー脅威など、全ての問題が共通の課題である。何人も単独でこれに対応することはできない

NATOの将来について(若い世代へ)
PortugalDM.jpg●これら世界中の様々な共通の脅威に対処するには、同盟やパートナー関係を強化、再確認、新たに構築して行くしかない
●NATO設立は1943年に遡り、今後の時代を担うベルリンの壁崩壊後の世代は、将来に向けてのNATOの重要性を十分に評価していない
●訪問国での協議でもこの点に焦点を当てるが、ロンドンで行うスピーチの中で「大西洋をまたぐ同盟やパートナー関係のバトンを、次の世代につなぐことがいかに重要か」をお話ししたいと思う
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訪問は猛烈なスピードで進んでいます!
14日夜にポルトガルに到着し、15日にはポルトガルとスペイン両国で日程をこなし、15日夜にはすでに伊に到着16日にはローマ法王に謁見
上でご紹介した共通のテーマ以外に・・・

ポルトガルでは・・・
PortugalDM2.jpg●国防長官として30年ぶりの訪問
●リスボンの西900マイルにある戦略的要衝、ポルトガル領アゾレス諸島のLajes基地に所在の米ポ両国で約1100名の兵士を半数以上削減する件は、地元経済への影響に配慮し、2年延期し2014年末から開始。それまでに経済対策を
●米軍航空機の中継業務を削減し、約400棟ある基地施設の300棟をポルトガル政府に返還する
●同島にはWW2時代の1943年から米軍が駐留し、当初は海上交通路防衛の先兵が、後に独潜水艦攻撃拠点に

スペインでは・・・
SpainPM.jpg●アフガンでの多大な貢献に感謝し、本日100人目の犠牲者がスペインから出たことに哀悼の意を表する
●全ての話題を議論するが、サイバーやサイバー協力も重要な議題
スペインのロタ島に米海軍イージス艦4隻を配備してミサイル防衛態勢を強化すると同時に、海洋安全保障面でも協力関係を強化する

イタリアでは・・
Benedict XVI.jpgローマ法王主催のミサに参加し、その後謁見、国防相等と協議
伊が50名以上の死者を出しつつも、アフガン任務を遂行してくれたことを決して忘れない
在伊米軍の兵士やその家族は3万人以上であり、北部伊のAviano空軍基地、シシリア島の海軍航空基地、ピサ近傍の陸軍基地等、集団安全保障を支えてくれている

F-35への米国のコミットメントは揺るぎないものである。
シシリア島通信施設が周辺住民に健康不安を与えている件については、伊国防相とともに懸念に対処する。現時点までのデータでは施設による住民への健康リスクはない

ご両親の故郷である「伊」訪問の細部や、ロンドンでのスピーチが気になります・・・。
気が向いたら追記します。

「パネッタ国防長官」を60本以上の過去記事で振り返ります
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301808881-1

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パネッタ長官メモ:強制削減を過剰に恐れるな [パネッタ国防長官]

panettaMEMO.jpg20日、パネッタ国防長官は国防省と米軍の主要幹部に対し「継続中の財政の壁に関する議論の示唆するもの」と題するメモを発出し、議会の回避策がまとまらなければ来年1月2日に発動される「sequestration」に対する心構えを示しました

Memorandumの中で長官は・・・
●昨年大統領は、仮に強制削減が発動されても軍人の給与が削減対象外となるようにすることを明言している
文民職員諸君に知ってほしいのは、今も関係者が強制削減が発動されないように懸命の交渉を行っているという事実である

Sequestration.jpg●しかし、仮に強制削減が来年1月2日に発動されたからといって、直ちに劇的な変化が国防省の日常業務が発生するわけではない。この点で過去にあった政府の一時的閉鎖危機とは異なっている
●強制削減は2013年度予算を無差別に削減するが、全てが急になくなるわけではない。対処を急いで立てる必要があるが、即時に支出を削減する必要は必ずしも無い。文民職員の有給休暇が直ちになくなることは無い

●一方で、削減された予算内での活動を迫られた場合、経費削減のために種々の対策を考慮しなければならないのも事実である。
ただしその対策は、関係者に周知した後に実施されることになる。私はとるべき対策をみなに周知するため全力を尽くす。

●最後に、日々厳しい環境の中で、物事を前進させるために懸命の努力をしてくれているみんなとその御家族にクリスマスのお祝いと、その献身的な努力に大統領と私からの感謝を申し上げたい
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HolydayMessage.jpgクリスマス休暇のこの時期に、ワシントンDCで「財政の崖」又は「sequestration」削減のため努力しておられる皆様の努力に期待しつつ・・・

でも、もっと早くやっとけば良かったのに・・と人間の性(さが)を思う今日この頃です。

米予算の「財政の崖」又は「sequestration」について丁寧に優しく解説
ワシントンDCで活躍する日本人女性研究者による分かりやすい正確な説明です
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-28
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ところで・・米空軍の北米防空司令部NORADによる伝統の一大イベント
50年以上の歴史を誇るサンタクロース大追跡は、日本時間24日の午後4時スタートです

なぜ米空軍が? どのように? どんな風に見られるの?
これらの疑問にはこちらの記事を
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18-1

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ナショナル・プレスクラブで語る [パネッタ国防長官]

NPclub5.jpg先日F-35の岩国配備関連で一部をご紹介したパネッタ長官によるナショナル・プレスクラブ講演(18日)ですが、他にも重要な部分があると考えますのでご紹介します

講演のメインは1月発表の国防戦略(DSG)を5つの要素から説明する部分ですが、F-35の岩国配備に触れた第2要素(フォースプロジェクション維持)以外で、1個以上の戦いにも同時に対応する戦い方に触れた第4要素と、将来のための優先投資分野に触れた第5要素の中からピックアップします

ちなみに5要素とは・・・
第1に、軍全体が「小さく、引き締まった」方向に
第2はフォース・プロジェクションを維持する話。ここで岩国F-35が
第3はラテンアメリカ、欧州、アフリカで米軍のローテーション派遣訓練で関係国の能力向上を図ること
第4は1個以上の紛争に同時対処可能な体制を維持する発言で、北朝鮮とイランを同時にOK発言
第5は、将来の鍵となる技術や能力に優先して投資する発言(この部分も大切かも・・)
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第4要素:一つ以上の相手に同時に対峙し撃破
NPclub3.jpg●これは例えば、朝鮮半島での紛争とイランによるホルムズ海峡封鎖の試みに同時に対処し、両者に決定的な対応が可能でなければならないということである
●同時に複数の脅威に対処するため、我々は緊要な戦力投射能力である空母群、大型強襲揚陸艦、新型浮遊前方拠点(a new afloat forward staging base)、長距離攻撃能力に投資する
●また、次世代爆撃機と次世代空中給油機に新たな投資を行い、F-35の足場をより強固にするため日々取り組んでいる。

●更に我々は、新たな非通常脅威や非対称攻撃を伴う最も現実的なシナリオに備えるため、我々の作戦計画の再精査を開始している
●また、アクセスを拒否する敵領域に戦力投射するエアシーバトルでの統合アクセス作戦は、これをさらに進化洗練する

第5要素:鍵となる技術・能力への優先投資
●国防省に求められた経費削減や効率性向上には戦力で取り組んできたが、最良の軍を維持するには、将来の優先任務への投資を確保しなければならない
●例えば、空母艦載無人機等の無人システムや自国の対テロ施策とパートナー国等の能力向上のための特殊部隊の増強である。特殊部隊は、2017年までに911時点の2倍の72000人になる計画だ

Npclub4.jpg●大量破壊兵器拡散防止のため、核物質探知の移動式大気サンプリング機材や地上センサーの試験を加速し、サイバー能力の大規模拡充に人材確保等に取り組んでいる
●また国防省は、最近サイバー空間での交戦規定制定して敵のサイバー攻撃への迅速な対応と国家防衛の任務を明確にした
●更に、州兵や予備役の動員や拡大能力の維持に努め、産業基盤の保護にも取り組んでいる
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第4要素の「新たな非通常脅威や非対称攻撃を伴う最も現実的なシナリオに備える」や「エアシーバトルでの統合アクセス作戦を更に進化洗練」は、具体的な動きに注目です
第5要素の「無人機システム」、「サイバー対処」や「核物質探知のセンサー」は我が国も積極的に協力しては・・と思います

日本のプレスは、「岩国にF-35」だけでなく、講演全体もよく読んでバランスよく報道してほしいものです

再度トランスクリプトはこちら
http://www.defense.gov/transcripts/transcript.aspx?transcriptid=5169

岩国にF-35配備関連発言(プレスクラブ講演)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-19-1
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速報!F-35初の海外配備は2017年岩国へ [パネッタ国防長官]

速報! 大勝した自民党も「寝耳に水」のF-35岩国配備発言

NPclub.jpg18日、ワシントンDCのナショナル・プレスクラブで講演したパネッタ長官は、カーター副長官、デンプシー統合参謀本部議長、陸海空海兵隊参謀総長、ミラー政策担当国防次官等々の主要メンバーを全員従え、プレスクラブの記者団に「講演の後に何でも聞いてくれ! みんな連れてきた!」と、やるき満々で講演を行いました
退任前の最後のサービスだったかもしれませんが・・・)

講演ではまず情勢認識を・・・
アフガンの治安権限委譲が注意深くも目指す方向に進んでいること、アルカイダとの戦いがパキスタン・北アフリカ・アフリカの角で継続中であること、北朝鮮とイランが地域の不安定化に繋がる活動を続けていること、兵器技術やサイバーや大量破壊兵器技術が拡散し脅威が今までになく複雑化していることを強調します。また仕掛け爆弾IED対策が依然重要であることも。

メインでは新国防戦略を5つの視点から説明
NPclub2.jpg第1に、軍全体が「小さく、引き締まった」方向に
第2はフォース・プロジェクションを維持する話。ここで岩国F-35が
第3は、ラテンアメリカ、欧州、アフリカで米軍のローテーション派遣訓練で関係国の能力向上を図ること

第4は1個以上の紛争に同時対処可能な体制を維持する発言で、北朝鮮とイランを同時にOK発言
第5は、将来の鍵となる技術や能力に優先して投資する発言(この部分も大切かも・・)

第2がポイント!(アジア太平洋部分:中東は省略) 
英文同時掲載で原文の吟味を!
●Over the past year, we reached major agreements with Japan to realign our forces and jointly develop Guam as a strategic hub. We've worked to strengthen cooperation with the Republic of Korea in space, in cyberspace, in intelligence.
---過去1年間、日本と兵力再編に合意し、グアムを戦略的ハブとして共同開発する事を決めた韓国とは宇宙、サイバー、情報分野での協力関係を強化した

●And we began a new Marine rotational deployment to Australia, as well as increased Air Force cooperation. Likewise, we are deepening our engagement and developing rotational deployments with allies and partners such as Singapore and the Philippines and expanding our mil-to-mil dialogue and exchanges with China.
---海兵隊のローテーション派遣を豪州で開始し、空軍間の協力も拡大。シンガポールやフィリピン等でローテーション派遣への取り組みを加速進展。中国との軍事対話を拡大

●We are also enhancing our presence and capabilities in the region. That includes reallocating the naval fleet to achieve in these next few years a 60/40 split between the Pacific and the Atlantic Oceans -- hopefully, we will do that by 2020 --
---地域での更なるプレゼンスと能力拡大。希望としては2020年までに太平洋と大西洋の海軍艦艇比率を6対4

●increasing Army and Marine presence in the region after Iraq and Afghanistan, locating our most advanced aircraft in the Pacific, including new deployments of F-22s and the MV-22 Ospreys to Japan, and laying the groundwork for the first overseas deployment of the F-35 Joint Strike Fighter to Iwakuni in 2017.
---イラクとアフガン後に陸軍と海兵隊プレゼンスをアジア地域に増強。より多くの最新航空機をアジア太平洋地域に配備。これには新たなF-22とオスプレイの日本への配備、F-35の初の海外配備となる岩国に2017年F-35を含む
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配備が予想される海兵隊用F-35B型のデモ映像
「映像:F-35垂直離着陸型」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-12

産経新聞の佐々木類記者は・・・
panettaNATO2.jpg日米関係筋はF-35の岩国配備について「初耳」としており、パネッタ長官の突然の発言は、山口県を地元とする自民党の安倍晋三総裁の1月訪米を前に「F35受け入れに理解を求めるメッセージ」(同筋)との見方も出ている
・・・と記事にしていますが、普天間・オスプレイ・F-35の3本立てに、安倍総裁はどう立ち向かいうのか?

new deployments of F-22s ・・・to Japan」も気になりますが・・・

講演のトランスクリプトは(F-35岩国以外は既定事項も、読む価値有りです)
http://www.defense.gov/transcripts/transcript.aspx?transcriptid=5169

20日朝のNHKニュースは・・「米海兵隊によれば、FA-18の後継として、F-35を16機配備予定」と報道

「米軍リバランスと日米協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-17
「パネッタ長官シャングリラ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-24
「日本に2つ目のXバンドレーダー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-18
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米軍防空ミサイル部隊がトルコ展開へ [パネッタ国防長官]

Patriot.jpg14日、パネッタ国防長官はNATOが決定した米軍パトリオット防空ミサイルと兵士400名のトルコ派遣に合意しました。一応、NATOの決定に合意した形になっていますが、米軍部隊を派遣するのですから米軍主導の動きでしょう
狙いは混迷の度を深めるシリアの脅威から、トルコを防衛するためです。14日付米国防省web記事より

リトル報道官はトルコ空軍基地で・・・
(長官のクウェートとアフガン訪問に同行中)
Little-Press.jpg米国は強力な同盟国であるトルコの自国防衛を支援してきた。NATOが最近、防空ミサイル部隊のトルコ展開を提案した
●米軍のパトリオット防空ミサイル部隊は、今後数週間でトルコに展開する。展開場所や展開期間等、細部については言及しない
●展開の目的は、NATO同盟国と緊密に協議連携した上で、シリアからの潜在的脅威に対し、トルコを防衛するという意志を強く発信するためである

パネッタ長官は同行記者団に
トルコは米軍兵士が多数駐留している鍵となる同盟国である。米国とトルコは共通の価値観を共有し、シリア内での暴力行為が地域安定の脅威になっていると認識している
●私はNATOが防空ミサイル部隊のトルコ派遣を先週確約してくれたことを喜んでいる。だから米国部隊を派遣することにしたのだ
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この米国防省発表からは、良好な米国とトルコの関係が感じられますが、シリアという共通の目の前の課題を抱えているからです
一皮向けば両国関係はそんなに単純ではありません

以下の過去記事はそのあたりを
「賢人は旧友を常に忘れず」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-19

ChinaTurky.jpg●2010年9月中旬、中国のSU-27とMIG-29戦闘機がパキスタン上空を飛行、イランで燃料補給した後、トルコ空軍との共同演習のためにトルコに到達。トルコ専門家は、「これは最初で最後のものではなく、両国軍は将来適切な場合に協力するだろう。今回の訓練はデビューと考えられると

●一方、2009年まで、トルコは中央アナトリア地方のコニヤで「アナトリヤの鷲」演習を米およびイスラエル空軍とともに行ってきた。
しかし08-09年のイスラエルのガザ攻撃後、昨年トルコはイスラエルを演習から追い出した。米はそれを受け、演習から撤退した。今年もトルコはイスラエルを招待せず、米も参加を取りやめた。そういう中で中国空軍がゲストとして来た

gatesturkey.jpg2010年米トルコ協会のスピーチしたゲーツ国防長官(当時)は・・・
賢人は旧友を常に忘れず、愚者は難時にのみ頼る
『a wise man remembers his friends at all times, a fool, only when he has need of them.』

・・・目先の不一致点にとらわれず、長年の友好関係を大切にしようと語っています。

中東情勢は益々流動的に・・・
「混乱エジプトに米がF-16提供へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-13

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パネッタ長官がアルカイダ対策を [パネッタ国防長官]

「孤立主義の追求は、われわれをより不安全な環境に導く。今は塹壕に隠れる時ではなく、孤立主義を追求すべきときでもない。新たな関与とパートナー関係を求めるときなのだ」

CNAS.jpg20日、パネッタ国防長官はシンクタンクCNAS主催の講演を行い、数ある課題の中でアルカイダ対策を重点に語りました。長い間、アフガンやアルカイダに関する話題をスキップしてきましたので、勉強もかねてご紹介します。

米国防省公表の写真からすると、場所はWillard Intercontinental(超高級ホテル)、司会進行は前国防次官フロノイ女史です。少数の関係者だけのディナーからスタートの企画で、政権への近さを感じさせます。オバマ大統領再選で意気あがるCNASでしょうが、相変わらず資金力も引き続き健在なようです。

パネッタ長官は満員の会場で講演し・・
●今夜は依然として優先度トップの話題に焦点を当てたい。大統領が「disrupt, degrade, dismantle and ultimately defeat」と述べた911の首謀者アルカイダ対策である。

第1はアフガンでの仕事を終えること
●2010年のNATOリスボンサミットで合意した、2014年末までにアフガンに治安責任を委譲する件である。我々は多くの犠牲を払ってきており、これを成し遂げない訳にはいかない
●近道は無いが、これまでの努力を無駄にすることは出来ない。アルカイダが過激派の巣窟であるアフガンで勢力を盛り返さないよう成功を収めなければならない
●長期間の軍事および情報作戦により、アフガンやパキスタンで敵は主要指導者を失って弱体化している。しかしまだ残存している

第2はパキスタン、イエメン、ソマリアで継続圧力
CNAS2.jpgパキスタンとの2国間関係には課題も多いが、パキスタン国内のテロリストを撲滅に関する両国の利害は一致している。米国は継続してパキスタンとの防衛協力推進にコミットする
イエメンのAQAP(アラビア半島のアルカイダ)が増殖している。AQAPは米国を標的としつつ、イエメン内で暴力行為や混乱を引き起こしている
ソマリアでは「al-Shaabab」との戦いが進展を見せている。アフリカ連合部隊との効果的な連携が功を奏しているが、まだ道のりは長い。これらの戦いには、大統領が指摘したように、軍事力だけでなく、外交、法機関、経済等々、全ての米国力が必要である

第3は世界でのアルカイダ聖域排除
●過去10年間の戦いは、パートナー国との情報共有や共同作戦が、アルカイダの隠れが排除に如何に重要かを示している。我々はこの国際協力関係の発展に、特に中東や北アフリカで取り組む
●この共同作戦は多くの場合戦闘地域外で行われる。目立たない精密作戦、関係国特殊部隊との連携、パートナー国も治安機関強化育成などの活動が含まれる
●国防省は可能なときは何時でもパートナーに協力するし、情報や支援提供に取り組む。例えばマリでは、西アフリカでの脅威拡大を阻止するための取り組みが進行中である

第4は各種将来への投資
●新たな軍事および情報能力獲得への投資、及びパトなーシップ強化への投資である
●米軍全体は縮小傾向にあるが、特殊部隊は10年前の3万7千から現在6万4千に、そして2017年には7万2千人に拡大する。またプレデターやリーパー無人機も増加させている
●関係法に則り、地域関係国の装備強化に投資を行っていく。「Global Security Contingency Fund」は本目的に非常に効果的である

最後は新規参入の防止
CNAS3.jpg●アルカイダ組織の撲滅に成果を挙げてきているが、依然としてこのイデオロギーへの若者の流入を食い止めること、また関係国政府や社会が過激な暴力思想に確実に立ち向い拒絶する方向を向かわせることに苦労している
●本分野では、軍が敵を殺害するだけでは問題は解決しない。米国は、外交、開発、教育、貿易等を通じ、過激派がはびこりやすい地域に関与しなければならない。本関与はパキスタンやアフガンにも言えることである
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「孤立主義の追求は、われわれをより不安全な環境に導く。今は塹壕に隠れる時ではなく、孤立主義を追求すべきときでもない。新たな関与とパートナー関係を求めるときなのだ」
パネッタ長官が講演の最後に語った言葉は、米国防政策の全てに当てはまる言葉です
Offshore Balancing的な考え方がオバマ大統領の再選により加速してきたのでしょうか? ワシントンDCで・・。

Willard Intercontinentalは歴史ある格式の高いホテルです。CNASは出版発表会や主要な講演等をここで行いますが、スポンサーが強力なんでしょうねぇ・・ 1度CNAS関連でお零れに預かった同ホテルのステーキは格別に「美味しゅうございました」。

パネッタ長官が熱く語ります・・・
「兵士はリスクを負い議会は逃げる」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-02
「リーダーは困難な決断を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26
「運命の傍観者たることを拒む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-13-1
「パネッタ長官が使命感と信条を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-07

「新国防戦略とoffshore balancing」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-27

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ASEAN国防相会議で更なる演習を [パネッタ国防長官]

cambo.jpg16日、パネッタ長官はアジアツアーの最終日をASEAN-Plus国防相会議で締めくくり、同日午後記者会見に臨みました。
パネッタ長官は就任以来、ASEAN10カ国のうちの5カ国(タイ、ベトナム、カンボジア、インドネシア、シンガポール)を訪問し、マレーシアとフィリピンの2カ国とはバイの会談を行っており、ミャンマー、ブルネイ、ラオスとはASEANの場で意見を交換しています

対中国のために、ASEAN諸国が米国と一枚岩の団結を形成できればよいのですが、17日開催のASEAN外相会議でも、中国からの外資や影響を強く受けている議長国カンボジアがこの団結に反対姿勢を貫いているようです。

ご紹介する米国防省web記事は、困難な状況には特に触れず、淡々と米国がとった姿勢と更なる演習開催で合意が得られたこと等の成果を報じています。

16日付米国防省web記事は
●パネッタ長官は、地域の安定構築のために重要なASEANの団結を再確認し、米国がASEAN主導の人道支援・災害対処・海洋安全保障・対テロ・不拡散分野における国防協力を支援して、米国とASEAN関係の強化に一層関与していくと述べた

cambo5.jpg●アジア諸国との太平洋地域での演習を、規模と回数の両面で拡大し、そのための資金を投入する
●ASEAN-Plusのメンバーが参加する演習を、2013年に3つ新たに始める。ブルネイがホストとなる災害対処演習、インドネシアと米が共催する対テロ演習、マレーシアと豪が共催する海洋安全保障演習である。

●また、タイが主導する2013年のCobra Gold演習に、ミャンマー軍のオブザーバー又は参加者を招くことになった
国防省高官は、ミャンマー(記事は一貫してBurmaと表記)との関係を長く中断してきたが、軍事関係再開の第一歩を踏み出したと述べた。

●パネッタ長官は、米国のアジア太平洋へのリバランスは現実であり継続的であり将来に続くものであると述べた。そしてこの方向性は、軍事のみならず、外交、経済、文化的関与を含むものであり、次世代にも続くものであると強調した
●更に長官は、オバマ大統領が参加する東アジアサミットがまもなく開催だが、大統領もリバランスを議論するのを楽しみにしていると付け加えた
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cambo3.jpgcambo4.jpgパネッタ長官がアンコールワットを訪問する写真も公開されています。
ガイドに案内されてのんびりと・・・それを見守る子供たちの写真も一緒に・・・

最後のアジアツアーになるのかなぁ・・・などと考えながら・・(推測です)

パネッタ長官のアジアツアー
「タイ関係を50年ぶり仕切り」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15
「豪に宇宙監視装備移設へ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15

「米軍がミャンマーにジワリ接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-20
「麻薬問題も中国から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-22-1

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米タイ軍事関係50年ぶりの仕切り [パネッタ国防長官]

Thai4.jpg15日、タイを訪問したパネッタ国防長官は「米タイ防衛同盟に関する2012 Joint Vision Statement」に署名した後、Suwannathatタイ国防相と共同会見に臨みました。
「50年ぶりの仕切り」とタイトルに付けたのは、米タイ軍事同盟の「最新」の公式ステートメントは、1962年に発表された「共産主義と闘う」ことを謳ったものだったからです。

半世紀ぶりだからといって両国軍事関係が「錆ついて」いたわけではありません。むしろアジア諸国の中で最も進展著しい国の一つです。「ほほえみの国」ですから、形にこだわらず、実質的中身を充実させるお国柄なのかもしれません

例えば、タイ主催で米軍も深く関与している世界最大級の多国間演習「Cobra Gold」はアジアの主要演習であり、またCARATと呼ばれる米海軍・海兵隊とバングラ・ブルネイ・カンボジア・インドネシア・マレーシア・フィリピン・タイの順次2カ国演習もタイが支えています

また本夏にはタイ国防省が2日間にわたる会議を開催、米軍のアジア太平洋「リバランス」でタイがどのような役割を果たすべきかを集中討議し、その結果の一つとして「50年ぶりの仕切り」に結びついたと米国防省web記事が紹介しています

パネッタ長官は共同会見で
Thai3.jpg●私とSuwannathat国防相は、米タイ同盟を21世紀に向けて前進させた。「Joint vision statement」への署名は、米タイが共に本地域で将来直面する脅威や課題に適応するための軍事協力を強化するものである
オバマ大統領が米国と本地域の関係強化に関与を表明する中、今週後半からバンコクを訪れ、タイとの関係が米国の本地域での取り組みの中で重要な位置にあることを示すことになる(なお大統領は、ミャンマーとカンボジアも訪問)

Joint vision statementの4つの鍵
-- Partnership for regional security in Southeast Asia
-- Supporting stability in the Asia-Pacific region and beyond
-- Bilateral and multilateral interoperability and readiness
-- Relationship building, coordination and collaboration at all levels

同行の国防省高官は・・・
Thai.jpgタイ側からは数多くの関係強化案件の要望が出ている。訓練の増加、米軍学校(技術、戦術、戦略レベル)への留学、運用面での協力進化等々の要望である
●両国国防省関係者は、この数か月間ミーティングを重ね、相互に訪問して両国関係のさらなる活性化に努めてきた
6月にはデンプシー議長、7月のカーター国防副長官、10月にはロックリア太平洋軍司令官が訪タイし、同じ10月にはタイの代表団が国防戦略対話のためワシントンを訪問している
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Thai.jpgなぜ50年間新たな文書等が出なかったのかは不明ですが、それでも軍事同盟が進展する国家像には、良い意味で恐れ入ります

今は少し異なっているようですが、「クーデター」と言う言葉が決して悪い意味を持たない、また国王を中心に和解が出来る社会を持った国でした。
民主主義と国王の存在が絶妙なバランスを持って共存していた、アジアらしい社会がタイには存在したのですが・・・

「豪で宇宙監視協力を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15
「インド訪問」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-06
「カムラン湾歴史的訪問」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-04
「パネッタ長官シャングリラ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-24
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パネッタ長官の後任議論へ [パネッタ国防長官]

Cyber.jpg大統領選挙が終了し、最近は「財政の崖」と呼称される予算の強制削減阻止に向けた民主党と共和党間の話し合いが始まったとの報道もチラホラです。
来年1月2日ら発動される強制削減を数か月先延ばしにし、新政権と新議会に検討時間を与える等の諸案が検討されているようです

そんな中ですが、パネッタ長官はオバマ新体制には残らず退任する方向にあり、後任者選びが今後加速するだろうとの報道が出ました
報道記事は、パネッタ長官が後任者選びの幕を開けたとのニュアンスの表現を用いていますが、具体的に何か発言や動きがあったのかははっきりしません

7日付「DODBuzz」は・・・
パネッタ国防長官がゲーツ前長官の後任に就任した最大の理由は、8期にわたり議員を務め、ホワイトハウスで予算編成に采配を振るった経験を買われ、議会と協議しつつ経費削減に取り組むことが期待されたからだ
●しかし74歳のパネッタ氏長官は、強制削減をめぐるロデオを最後に、来年6月の75歳の誕生日前にカリフォルニア州の農場へ戻りたい意向を水曜日に明確にした

carterashton2.jpg●数人の軍事アナリストによると、後任には2名の名前が取りあえず浮き上がるようだ。一人はカーター国防副長官であり、もう一人は前政策担当国防次官のフロノイ女史である
カーター副長官58歳はペンタゴン内での評価が高い理論物理学者で、取得技術兵站担当の国防次官を務めた経験が経費節減に取り組む国防省に求められている
フロノイ女史は、政策担当次官の前にCNAS理事長を務めた政策通であり、国防省において女性最高位のポストを務めた女性である。大統領選挙中は、オバマ派の集会やメディアに頻繁に登場し、存在感をアピールしていた

●ブルッキングスのオハンロン研究員は、カーター副長官は完全なる候補者であり十分な可能性があると語ったが、同時に大統領の人選の観点はペンタゴン内での評判だけではない、とも表現した
Flournoy.jpgフロノイ女史について別の専門家は、政策通ではあるが、今後問題になる装備品調達や人員削減と言った一筋縄ではいかない分野に関しての手腕は未知数だと評価している
●しかし彼女を初の女性国防長官にして「ガラスの天井」を破って見せるアピールを、オバマ大統領が求める可能性もあるといわれている

ゲーツ前長官退任時に、ドニロン大統領補佐官は15名ほどの候補者リストをオバマ大統領に準備したといわれており、パネッタ氏はその一人にすぎなかった
●現時点でもカーター氏やフロノイ女史のほかにも、Carl Levin上院軍事委員長、Jack Reed議員、Sam Nunn元上院議員が候補の噂に挙がっている。
共和党員でも、コリン・パウエル元国務長官、Chuck Hagel元上院議員、議員引退を表明しているOlympia Snowe上院議員が候補だといわれている。
///////////////////////////////////////////////////

ここで人事の噂をして「的中」したことはありませんので、その点をお含みおき下さい
いずれにしても、「財政の壁」又は予算の強制削減の行く先がまず第一の問題です。

パネッタ長官のアジア
「米中軍事関係の重要性を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-24
「パネッタ長官2度目の訪中」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-19
「インド訪問」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-06
「カムラン湾歴史的訪問」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-04
「パネッタ長官シャングリラ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-24

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パネッタ長官がアジア3カ国ツアーへ [パネッタ国防長官]

IndiaThinkTank.jpg8日、定例会見で国防省のリトル報道官がパネッタ長官によるアジアツアーの概要を公表しました。警備の都合上でしょうか、具体的な日時は明らかにしていません
3カ国ですが、最後のカンボジアではASEAN国防相会議に出席し、参加国とのバイ会談も予期されます。

またクリントン国務長官も同時期にアジアツアーを行う模様で、豪州では行動を共にするようです

会見で報道官は・・・
clinton.jpg●アジア太平洋の同盟国等とのパートナー関係を強化するため、パネッタ国防長官が2大陸3カ国訪問の準備を行っている。リバランス戦略による長期的な進展に資する機会になることを楽しみにしている
クリントン国務長官の当地訪問とも重なる今回の訪問は、アジア太平洋へのリバランスに米国が関与していくことを示すものである

最初の訪問先は豪州のパース(豪大陸の西海岸)で、毎年開催している米豪大臣級協議に参加する。この協議にはクリントン国務長官のほか、デンプシー統合参謀本部議長やロックリア太平洋軍司令官も参加する
●パネッタ長官にとって初の豪州訪問となるが、豪州のアフガンでの貢献に感謝の意を表する機会ともなる。また、海兵隊や米空軍の北豪州へのローテーション展開や協力関係の次なるステップについて議論する機会となろう

Little-Press.jpg次の訪問先はタイである。60年近くに及ぶ米タイ間の同盟関係について、将来を見据えた戦略的ビジョンを構築したいと両国が熱望しているところである

最後の訪問先はカンボジアである。同国の保養地Siem-Reapで開催されるASEAN国防相会議で、他の10カ国の国防相と合流する。パネッタ長官はASEANの団結を重視しており、ASEANによる国防協力への支援を伝える見込み
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豪州では西海岸のパース訪問です
豪の西海岸に米海軍の拠点を設けると、マラッカ海峡やインド洋へのアクセスが格段に向上するから、在日米海軍の艦艇はそちらに移転すべきとの米海軍大学教授の主張もありました

「米海軍は日本から豪へ移動」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-29-2
「米豪関係のミニ分析」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-12-1

ASEANの団結が重要・・とのご指摘ごもっともです。ベトナムやフィリピンが中国の脅威に直面している中、カンボジアあたりは中国のお金に目がくらんで団結を阻害しているのでは・・・。インドネシアが仲介に入ってまとめようとしているようですが・・・。

最近のアジア関連記事
「麻薬問題も中国から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-22-1
「米軍がミャンマーにジワリ接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-20
「印とインドネシアが軍事協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-17-1

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