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パネッタ長官がアルカイダ対策を [パネッタ国防長官]

「孤立主義の追求は、われわれをより不安全な環境に導く。今は塹壕に隠れる時ではなく、孤立主義を追求すべきときでもない。新たな関与とパートナー関係を求めるときなのだ」

CNAS.jpg20日、パネッタ国防長官はシンクタンクCNAS主催の講演を行い、数ある課題の中でアルカイダ対策を重点に語りました。長い間、アフガンやアルカイダに関する話題をスキップしてきましたので、勉強もかねてご紹介します。

米国防省公表の写真からすると、場所はWillard Intercontinental(超高級ホテル)、司会進行は前国防次官フロノイ女史です。少数の関係者だけのディナーからスタートの企画で、政権への近さを感じさせます。オバマ大統領再選で意気あがるCNASでしょうが、相変わらず資金力も引き続き健在なようです。

パネッタ長官は満員の会場で講演し・・
●今夜は依然として優先度トップの話題に焦点を当てたい。大統領が「disrupt, degrade, dismantle and ultimately defeat」と述べた911の首謀者アルカイダ対策である。

第1はアフガンでの仕事を終えること
●2010年のNATOリスボンサミットで合意した、2014年末までにアフガンに治安責任を委譲する件である。我々は多くの犠牲を払ってきており、これを成し遂げない訳にはいかない
●近道は無いが、これまでの努力を無駄にすることは出来ない。アルカイダが過激派の巣窟であるアフガンで勢力を盛り返さないよう成功を収めなければならない
●長期間の軍事および情報作戦により、アフガンやパキスタンで敵は主要指導者を失って弱体化している。しかしまだ残存している

第2はパキスタン、イエメン、ソマリアで継続圧力
CNAS2.jpgパキスタンとの2国間関係には課題も多いが、パキスタン国内のテロリストを撲滅に関する両国の利害は一致している。米国は継続してパキスタンとの防衛協力推進にコミットする
イエメンのAQAP(アラビア半島のアルカイダ)が増殖している。AQAPは米国を標的としつつ、イエメン内で暴力行為や混乱を引き起こしている
ソマリアでは「al-Shaabab」との戦いが進展を見せている。アフリカ連合部隊との効果的な連携が功を奏しているが、まだ道のりは長い。これらの戦いには、大統領が指摘したように、軍事力だけでなく、外交、法機関、経済等々、全ての米国力が必要である

第3は世界でのアルカイダ聖域排除
●過去10年間の戦いは、パートナー国との情報共有や共同作戦が、アルカイダの隠れが排除に如何に重要かを示している。我々はこの国際協力関係の発展に、特に中東や北アフリカで取り組む
●この共同作戦は多くの場合戦闘地域外で行われる。目立たない精密作戦、関係国特殊部隊との連携、パートナー国も治安機関強化育成などの活動が含まれる
●国防省は可能なときは何時でもパートナーに協力するし、情報や支援提供に取り組む。例えばマリでは、西アフリカでの脅威拡大を阻止するための取り組みが進行中である

第4は各種将来への投資
●新たな軍事および情報能力獲得への投資、及びパトなーシップ強化への投資である
●米軍全体は縮小傾向にあるが、特殊部隊は10年前の3万7千から現在6万4千に、そして2017年には7万2千人に拡大する。またプレデターやリーパー無人機も増加させている
●関係法に則り、地域関係国の装備強化に投資を行っていく。「Global Security Contingency Fund」は本目的に非常に効果的である

最後は新規参入の防止
CNAS3.jpg●アルカイダ組織の撲滅に成果を挙げてきているが、依然としてこのイデオロギーへの若者の流入を食い止めること、また関係国政府や社会が過激な暴力思想に確実に立ち向い拒絶する方向を向かわせることに苦労している
●本分野では、軍が敵を殺害するだけでは問題は解決しない。米国は、外交、開発、教育、貿易等を通じ、過激派がはびこりやすい地域に関与しなければならない。本関与はパキスタンやアフガンにも言えることである
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「孤立主義の追求は、われわれをより不安全な環境に導く。今は塹壕に隠れる時ではなく、孤立主義を追求すべきときでもない。新たな関与とパートナー関係を求めるときなのだ」
パネッタ長官が講演の最後に語った言葉は、米国防政策の全てに当てはまる言葉です
Offshore Balancing的な考え方がオバマ大統領の再選により加速してきたのでしょうか? ワシントンDCで・・。

Willard Intercontinentalは歴史ある格式の高いホテルです。CNASは出版発表会や主要な講演等をここで行いますが、スポンサーが強力なんでしょうねぇ・・ 1度CNAS関連でお零れに預かった同ホテルのステーキは格別に「美味しゅうございました」。

パネッタ長官が熱く語ります・・・
「兵士はリスクを負い議会は逃げる」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-02
「リーダーは困難な決断を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26
「運命の傍観者たることを拒む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-13-1
「パネッタ長官が使命感と信条を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-07

「新国防戦略とoffshore balancing」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-27

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