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F-35の能力確認試験は更に13ヶ月以上延長へ [亡国のF-35]

本格フル生産も更に延期へ
この状態にもロッキードは能天気なコメント

lord.jpg18日、Ellen Lord米国防省調達兵站担当次官が記者会見を行い、2019年末までに終了する計画だったF-35の初度運用評価試験IOT&E(initial operational test and evaluation)が、最大能力を評価するシュミレーションの準備が遅れていることから終わりが見えず、同試験の結果を見て判断されるフル生産体制への移行決断時期が、13ヶ月延期されて2021年1月まで遅れると認めました

この初期運用評価試験IOT&Eは、当該装備開発の成熟度を国防省として最終的に判断し、量産を許可するかを判断するものですが、準備が遅れているJSE(Joint Simulation Environment)は、F-35の能力を最大限に発揮させるための脅威環境を実環境では再現しにくいことから準備される模擬環境で、F-35を1機「FIAB(F-35 In-A-Box)」という専用の環境におく準備を言うようですが、この体制が整わないようです

もともと初期運用評価試験IOT&Eの開始時期自体が2018年9月から同年12月まで遅れた時点で、2019年夏までに試験を終了するのは困難だろうと多くの専門家が予想していましたが、2020年度予算に間に合うようにしたいとの政策的配慮から、国防省F-35計画室がいつものように強がりを言い続けて今日に至っていたわけです

F-35hardpoints.jpg今年度も既に1年間で130機を製造するペースで、量産ペースとなる1年160機に十分近づいており、要求性能が確認できないまま見切り発車で機体をバコバコ作ることがなし崩し的に行われており、量産判断にどんな意味があるのか「?」な無気力感が漂う今日この頃ですが、後に発生する改修費用を無視するような狂気の沙汰が続いている状況です

また量産許可が下りても、維持経費も含めたF-35経費が高止まりしていることから米空軍もF-35調達ペースを安易に上げられないジレンマに苦しんでおり、戦闘機数を維持するためF-15最新型を今更調達する苦悩の決断をした次第です

18日付Defense-News記事によれば
Ellen Lord次官は記者会見で、初期運用評価試験IOT&E結果を踏まえて行う量産判断(Milestone C)は予定の2019年末には出来ず、13ヶ月ほど延期せざるを得ないと認めた
●F-35は、JSE(Joint Simulation Environment)環境下で高い脅威環境での能力評価を行う必要があるが、JSEの準備が遅れているのが延期理由だと同次官は説明した

F-35-lineUp.jpg●そして同次官は、国防省F-35計画室に対し、遅れを踏まえた量産判断までの修正計画をまとめるよう今週初めに指示したと語った。この延期が新たなコスト上昇を招くのかは明らかにされていない
●同次官は現状について、「JSE準備は順調ではないがIOT&Eの極めて重要な部分であり、国防省IOT&E室長のBehler博士と緊密に協議している。関係者は良い仕事をしているがJSEは欠くことが出来ない」と語った

●9月に軍事メディアが、JSEにF-35とそのセンサーや兵器群を組み込む「FIAB:F-35 In-A-Box」開発にロッキード社が遅れていると報じ、噂されていた試験の遅れが具体的に明らかになった
ロッキード社は今後の生産増への対処能力に自信を示した声明を発表し、「Lord次官が明らかにしたように、F-35は素晴らしい成果を顧客に提供しており、わが社は引き続き生産をアップし、機体の向上に努め、維持体制を改良していく」、「今年の生産目標は131機で順調に進んでおり、来年の140機生産に向けても順調である。我々はF-35計画に関連する全ての関係者がフル生産体制の準備が整い、顧客のニーズに応える準備が出来ていると自信を持っている」と述べた
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F-35 clear2.jpg試験の遅れのことなど、まるで気にしていないようなロッキードの声明に腹が立ちますし、これら全ての遅れは見え見栄なのに、最後まで遅れを認めない国防省側にも不誠実さを感じます。
国防省や米空軍は、このような大きなプロジェクトを1社に独占させてしまったことが間違いだったと「あきらめている」様にも見えます。

それでもこの反省を踏まえ、米空軍は次期制空機に関し、機種選定による1機種大量生産ではなく、複数企業が独自機体を長期契約更新しつつ保持、5年毎に最適なものに乗り換えなどの新たな構想を打ち出し、計画検討室長に45歳の調達幹部を指名したところです。

F-35の調達計画を、米空軍や米軍はどこまで守り続けられるのでしょうか? 
国防省高官が、空母1隻の予算で中国を攻撃可能な長射程ミサイルを2000発購入可能だと発言し、現在の脅威環境での空母の重要性に疑問を呈したようですが、戦闘機の位置づけに議論が及ぶのも時間の問題だと思います

F-35の能力評価試験関連
「F-35の量産判断試験IOT&Eは大丈夫?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-10-21
「F-35最終試験は1年遅れでも計画通りは不可能」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-02-17

米空軍は次期制空機調達に新構想
「米空軍が次期戦闘機検討でギャンブル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-05

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中国のネット窃盗対処強化と日本F-35共同開発国ならず [亡国のF-35]

2つ(3つ)の別の話題です
日本のF-35共同開発国可能性問い合わせに「締め切った」
中国のサイバー窃盗対策にCMMC導入へ

Lord8.jpg26日、Ellen Lord調達担当国防次官が会見を開きトルコをF-35計画から排除することで必要になるトルコに代わって900種類以上のF-35部品を製造する国は「まず」米国内から選定し、その後は定期的に見直しを行い他の部品と同様に品質や納期等に優れた共同開発国等のサプライヤーに発注すると明らかにしました

またF-35B型を含むF-35を追加発注して米国に次ぐ機体数を購入することになる日本が、防衛省整備計画局長名のレターでLord次官に尋ねていた、「日本が今からF-35共同開発国になるための条件と手続き」について共同開発国への道は「既に閉ざされている」と発言しました

更に中国による先端技術に関するサーバー空間での窃盗行為に対処するため、米国防省と兵器研究開発契約を結ぶ企業に対し、新たに設定するサイバーセキュリティー基準CMMCを満たすことを契約の条件する方式を、2020年秋ごろから導入すると語りました

以上はそれぞれに重い案件ですが、26日の会見で一度に明らかにされた内容ですので、まとめて簡単にご紹介しておきます。夏休み明けのぼんやり頭には重すぎる内容ですが・・・

26日付米空軍協会web記事:Lord次官は会見で
F-35-lineUp.jpgトルコ企業が製造することになっていた900種類以上のF-35部品の代替生産は、「米国が製造先変更にかかわる諸費用 nonrecurring engineering costsを負担すること」、及び「円滑で迅速な代替製造基盤確保のため」、当初は全て米国企業が行うことにい決定した
●ただし競争を友とする我々は、常により強靭なサプライチェーンを追求することから、それら部品生産が海外に移転する可能性は常に存在する

トルコのF-35計画からの除外は(書面上は)2020年3月になるが、代替生産の覚書等の手続きや実質の動きを含めると、今から1年後になるだろう
●またトルコが購入し、トルコ軍兵士の養成のため現在米空軍基地に所在している4機のF-35は、トルコ国内に持ち込まれることはない

仮にトルコ(のインジュリック基地)にF-35が展開したとしても、他とのトルコ内の活動から明確に分離されることとする。またトルコによるS-400導入に対する制裁を検討する場合は、米国務省が制裁の検討実施をリードして進める

日本の共同開発国入り要望に対しては
F-35 clear2.jpgトルコがF-35計画から除外され、共同開発国の地位を失うタイミングに併せ、(F-35を追加発注して米国に次ぐ機体数を購入することになる)日本が要請してきていたF-35部品製造と、FMS購入国から共同開発国への格上げ要請については、「FMS購入国が共同開発国になる機会はない」、「共同開発国の門はすでに閉鎖している」と語った

知的財産保護強化:サイバー窃盗対策強化
中国による米国知的財産のサイバー窃盗(Chinese IP theft)を重く見ているトランプ大統領と国防&国務長官の意向を受け、調達担当国防次官室は新たな知的財産保護政策を発表する予定で、国防長官室に知的財産保護担当部署を10月までに設置する方向である
●また知的財産をサイバー窃盗から守るため、従来の様々なサイバーセキュリティー基準を融合して新たな基準を設け、今後の新たな国防省契約締結の条件に含めるため、新たな基準(CMMC:Cyberspace Security Maturity Model Certification)をJohns Hopkins大学応用物理研究室やCarnegie Mellon大学工学研究所や産業界と共同開発している

CyberPolicy2.jpgCMMC基準枠組みは、2020年1月には完成し、同年6月には装備品開発に先立つ技術情報要求等に国防省の要求事項として企業側に提示されることになる。そして同年秋には提案要求書に条件の一つとしてCMMC基準が盛り込まれることになる
●国防省はこれまでの経験から、知的財産について、どこまでが国防省・政府側に帰属し、どこからが企業側のものかが不明確だったと認識しており、本件を明らかにすることが良い開発計画に必要だと考えている
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F-35共同開発国入りをLord次官にレターで要望なさっていた防衛省の鈴木敦夫・整備計画局長、残念でございました・・・

同じFMS購入国である韓国(イスラエルとも)と協力され、米国からバカ高いF-35部品を押し付けられないようご注意ください!

新たなサイバー基準のCMMCがどんなものなのかサッパリ想像できませんが、「応用物理研究室」等が絡む素人には理解しがたいものなのでしょう・・・言葉だけでも覚えておきましょう

「防衛省がF-35共同開発国入りを米国防省に要望」 https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-30
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カナダ仕切り直し戦闘機機種選定RFP発出 [亡国のF-35]

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カナダの分け前への配点を高く設定
F-35にもオファーでFA-18やタイフーンが辞退の可能性も
2025年導入開始で、落ち着いた頃のF-35が狙いか?

Trudeau4.jpg7月22日、カナダが老朽化が進んで維持が困難になりつつある138機のCF-18戦闘機の「やり直し」後継選定に関し、昨年から取りまとめを進めていた提案要求書RFPを決定して発出しました。

総額約1兆7000億円と推計されている後継機88機の選定は、まず第一弾の締め切りを2019年秋に設定し、その後2回目の締め切りである2020年春までは提案の修正や再提出を認める形で計画され、最終判断は2022年初めに行い、初号機の機体導入は2025年とのゆったりゆとりのスケジュールです。

「やり直し」機種選定に至る経緯を復習すると
●カナダはCF-18後継を想定して米国主導のF-35共同開発国に加わり、60機購入を計画して約1000億円を投資したが、2015年に誕生したトルドー政権はF-35計画への不信感をあらわにし、F-35購入を少なくとも5年は延期し、白紙的に検討すると発表
Sajjan Canada.jpg●一方で老朽CF-18の穴埋めとして、ボーイング製FA-18の購入を検討し始めたが、ボーイング社がカナダのボンバルディア社を旅客機のダンピングで訴えたことから米カナダ関係が悪化し、新臓器のFA-18購入中止を対抗措置として決定、埋め合わせとして中古の豪州空軍FA-18を18-25機購入すると2017年12月に発表。2018年9月、製造元米国も承認することを表明

5年間延期したCF-18後継機の選定準備を2018年からカナダ国防省が再開し、F-35、タイフーン、ラファール、グリペン、FA-18E/Fを対象として、2018年10月末に提案要求書の案を作成して関係企業からの意見聴取を行っていた
2018年11月、候補対象に挙がっていたラファールを製造するフランスのDassault Aviation社は、情報公開要求が厳しすぎるとしてて選定からの撤退を表明

23日付Defemnse-NewsはRFP発出について
●カナダの兵器調達責任者は23日、「カナダの安全保証を確かなものとする重要なステップを本日踏み出した。我々は適正な価格で、カナダに最も利益の上がる機体を選定できるようなプロセスを考えている」と説明した
●選定においては、技術的側面の評価が6割を占め、残りをコストと経済的利益が2割ずつを占める仕組みを採用するとカナダは明らかにしており、特にカナダが得る経済的利益(economic benefit)の重みが史上最大に高く設定されている

F-35canada.jpg●そして、この経済的利益の評価では、契約文書上でカナダ社会への経済的利益を保証した企業が、最も高い評価を得られるような仕組みを採用している。この点に関してカナダ政府は、今年5月にも「workshare」を保証した企業のポイントが高くなると発表している
●ただ、提案企業側にとっては難しい要求であり、特に部品供給先の選定を定期的な入札方式で柔軟に行おうとしているF-35にとっては、現状で受け入れがたい要求事項となっている

●実際、当時の米国防省F-35計画室長Mat Winter海軍中将は昨年12月、「F-35共同開発国の枠組みと相いれないオファーを受け入れることはできない」と表明し、カナダは既に共同開発国の一員として、約1700億円の部品供給契約を獲得しているとメリットを強調していた
現在の評価方式ではF-35に不利になるが、F-35製造のロッキードマーチンは提案する方向で、23日には「長期的な企業機会を提供しうる最も高性能な戦闘機を提供できるように、選定への参加を楽しみにしている」との声明を出している

FA-18EF2.jpg●一方で、FA-18を製造するボーイングや、ユーロファイターを製造するエアバス社は、この機種選定に参加するか不明確で、9日付ロイター報道では、両社がカナダ政府に対し書簡を送り、ロッキード社(F-35)を選定対象にすることへの不満を述べたと伝えられている
ボーイング社報道官は、「RFPを受領して確認中だが、FA-18を提案するかは未定だ」と述べており、エアバス社もRFPを注意深く確認中であるとメディアに述べるにとどまっている
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カナダが導入を考えている2025年頃になれば現在入手可能なF-35形態よりはるかに進化し、兵器搭載量も多く、無人機ウイングマンとの連携も視野に置いた「Block 4」が入手可能なります。予定通りであれば・・・

eurofighter.jpgトランプ政権誕生直後は、NAFTAを巡るゴタゴタや、ボーイングとボンバルディアの訴訟合戦など、米カナダ関係は緊迫していましたが、今はあまり聞こえてきません

カナダはうまく立ち回って、生煮えのF-35ではなく、手戻りの無い完成版のF-35をタイミングよく手に入れることになるのでしょうか? なかなか策士ですねぇ・・・

米国とカナダの航空戦争
「カナダ仕切り直し戦闘機選定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03
「カナダに軍配:旅客機紛争」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-28
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「5月18日が開戦日!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

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日本がF-35開発パートナー国入り要請も米は拒否へ [亡国のF-35]

防衛省局長のレターを米軍事メディアが入手
日本はトルコの抜けた穴を狙うのか
パンドラの箱を開けたくない米国は断る方向

F-35 partner.jpg29日付Defense-Newsがトップ記事で、日本の防衛省整備計画局長が19日付レターで米国防省Lord兵たん担当次官に対し現在は単なるF-35購入国である日本が、F-35の今後の改修計画を定め、部品製造などを優先して担う「F-35パートナー国」に加わることが可能か、またその条件等を質問してきているとの記事を掲載し、日本からのレターの内容を詳細に報じています

また米国防省側の対応として、日本は米国に次ぐF-35の大量購入国であるが、2002年に締め切っている「パートナー国9か国」参加の門を特例で日本に開くようなことになれば、同じF-35購入国レベルである韓国やイスラエルもパートナー国入りを要求してくる可能性があることから、日本の問い合わせに「No」回答をする方向だと紹介しています

ただ専門家は、米国に次ぐ数の147機を購入し、かつ米英に続き垂直離着陸型F-35Bと空軍型F-35Aの2タイプを運用する重要な同盟国である日本には、パートナー国入りには「No」でも、何らかの特権を与える可能性も指摘しており、この辺りが落としどころなのかもしれません・・・(邪推です)

仮にパートナー国になれるとしても、他のパートナー国9か国が支払い済みの開発協力金を日本も求められるでしょうし、F-2後継機の国産を狙う防衛省の姿勢に横やりや影響が避けられないとの見方もあり、猛暑の中のぼんやり頭では目が回りそうですが、とりあえず論点満載の鈴木敦夫・防衛省整備計画局長からLord次官へのレターと関連議論をご紹介しておきます

29日付Defense-News記事によれば
F-35 partner4.jpg●Defense-Newsが入手した19日付鈴木局長のレターは、「日本はパートナー国になるオプションがあると信じているが、Lord局長は可能性があるとお考えか伺いたい」、「またパートナー国の責務と権利、また必要な経費負担、更にパートナー国になる条件や手続きや必要な時間についてご教授いただきたい」、「ご教授いただいた諸条件を検討し、パートナー国になるための手続きを進めるか最終判断をしたい」と要望している
●またレターは「パートナー国に加わることで、今後の開発や部品供給プロセスに参画することに加え、国民への説明責任を果たすための安全に関する情報を(迅速に)得るニーズに対応可能と考える」、「国防省F-35計画室への防衛省からの人員常駐派遣による情報へのアクセス確保」にもつながるとも記し、日本でのF-35墜落事故に際し、パートナー国に対するよりも情報提供が遅れた可能性を示唆している

●米国防省のF-35計画室を配下に持つEllen Lord兵たん担当技官は、29日の週に日本側関係者と面談する予定があり、本レターに関しても話題になるとみられているが、日本側にとって良い回答は得られないだろう
公式にはLord次官から回答がなされるが、実務を取り仕切るF-35計画室報道官は、2002年7月15日にパートナー国募集は締め切っており、オリジナルの投資国であるパートナー国9か国(Australia, Canada, Denmark, Italy, the Netherlands, Norway, Turkey, the United Kingdom and the United States)に変更はないと語り、2007年に9か国が署名した覚書でも、開発フェーズに参画したパートナー国のみが、製造、維持、近代化改修フェーズにも参画できると明確に規定している

F-35 partner2.jpg元F-35計画室勤務者は、トルコが露製S-400導入でパートナー国から除外され、トルコの部品製造分担契約が来年春には終了する中、147機も購入する日本がパートナー国入りを要望するのは自然な動きであり、過去の経緯を見直す良いタイミングだと語っている
●また航空専門家は、日本に三菱や川崎重工やスバル等が存在することを考えれば、部品供給を担っても大きなリスクはないとみている

●一方で状況を知る関係者は、ペンタゴンは日本に特例を与えることが「パンドラの箱」を開くこととなり、日本にライバル心を持つ韓国や、米国とのパイプが太いイスラエルが同様の要求を持ち出すこととなり、今後の機能向上や部品製造分担議論や複雑混迷になることを懸念している。なお現在の購入国はIsrael, South Korea, Belgium、日本で、これにFinlandや Singaporeが加わる可能性がある

●航空専門家のRichard Aboulafia氏は、日本が2013年から稼働させているF-35最終組み立て施設FACOを2022年度で閉じる決断をし、なおかつレターで「パートナー国が既に多大な経費分担をしている」事に触れ、パートナー国入りのための経費負担を覚悟している様子から、部品製造割り当て確保より、「Block 4」など将来のF-35能力向上に積極的に関与したい思いが強いのではないかと推測している
F-35 partner5.jpg●更に同氏は、日本がF-2の後継機として2030年代運用開始の国産機開発に着手しているが、F-35計画への参画により、F-2後継機開発に生かせる情報を得ようとしているのではないかと日本の狙いを推測している

元F-35計画室関係者は、「これは国防省がプレーする必要がある、極めて興味深い政治的フットボールだ。大きな政治的決断を迫るものとなる」とコメントしてくれたが、日本のパートナー国入りを認めることによる「パンドラの箱」オープンのリスクは負えないことから、米国防省に可能なのは、日本に購入機数に応じた何らかの特権を提供する程度で、他国(韓国やイスラエル)に壁を示すことだ
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日本が名古屋三菱のFACO(最終組み立て検査工場)の運用停止を決断したのは、名古屋のFACOで組み立てると、いろいろ追加経費が必要で、米国直輸入より価格アップになるからです。

従来の40機程度の購入であれば耐えられたが、追加で100機購入を判断したタイミングで国内FACOをあきらめたのはコスト増に耐えられないとの判断ですから、これをもって日本が部品製造に興味がないとは判断できないと思います

19日付のレターへの返事が、これだけ重い問題で今週のLord次官と日本関係者の会談で得られるのか不明ですが、日本が本当に「亡国のF-35」と心中する覚悟を固めたような雰囲気ですので、とりあえずフォローしておきます

細部は、鈴木敦夫・整備計画局長にお尋ねください。
それから、当日Defense-Newsのもう一つのトップ記事も日本関連で、「批判の中でも日本のイージス・アショアは引き下がらない」でした・・・。

F-35の関連記事260本
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1

亡国のF-35記事いくつか
「米国はトルコをF-35計画から除外へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-17
「F-35能力向上で次世代戦闘機選定に名乗り」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-22
「米空軍F-35の維持費削減は極めて困難」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-03
「ALISは依然大きな障害」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-02

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欧州3か国と米国F-35が訓練でMADLアピール [亡国のF-35]

同時に4か国のF-35が飛行したわけではありません
2か国づつが南イタリアや地中海などで

3日付Defense-Newsは、3日、イタリア南部のイタリア空軍基地(Amendola)に配属されている8機のイタリア空軍F-35が、同基地に展開した米軍と英軍のF-35とともに飛行訓練を行い、共通のデータリンクMADLでスムーズな情報共有が行われたと紹介しています。

F-35 Itaria.jpgイタリア空軍は同国内に8機と米国内に訓練用で2機のF-35Aを保有していますが、キプロス島に英本国から展開中だった6機の英海空軍共有F-35Bの一部の4機と、そしてドイツの空軍基地に米本国から展開中だった12機の米空軍F-35の一部の4機とともに、訓練する機会を得た様です

整理すると、それぞれキプロスとドイツの基地で海外訓練中の英軍と米軍のF-35部隊が、イタリアまでさらに足を延ばしてイタリア空軍機と訓練したものです。

更にややこしくなりますがキプロスに展開中の6機の英海空軍共有F-35Bは、6月中旬にシリア上空警戒任務飛行で初実戦を経験したのですが、任務の合間を縫って、イスラエル空軍F-35やドイツ展開中の米空軍F-35とも既に、2か国共同訓練を行ったようです

F-35 Israel4.jpgF-35であれば、A型でもB型でも、飛び上がってしまえばシステムは同じで、MADL(Multifunction Advanced Data Link)を通じて瞬時に目標情報や戦域情報を共有できた」と参加した各国パイロットは語っており、また共に訓練したイタリア空軍Eurofightersとは「Link-16」を通じて情報共有し、相互運用性が確認できたとも証言しています

ポーランドやデンマークなどがF-35購入に傾く中、F-35の相互運用性をアピールするための「巧みに仕組まれた」2か国訓練集中実施と思われますが、情報共有が円滑に行われたことは結構なことです

3か国のF-35が終結したイタリア軍基地での訓練の様子と、同盟国間のネットワークの重要性を強調した欧州米空軍幹部の発言(6月末)もご紹介しておきます

3日付Defense-Newsは3か国F-35訓練について
F-35 Gilmore.jpg●3日午前中、Amendola空軍基地を離陸した2機のイタリア空軍F-35Aは、初めて2機の英海空軍共有F-35Bと共同訓練を行った
●共同訓練を行ったイタリア空軍部隊の飛行隊長は、「英軍指揮官と前日に訓練打ち合わせを行ったが、わずか10分間ほどの会話で、旧型機では不可能だった訓練の打ち合わせが可能だった」と語った

●Amendola空軍基地司令官の大佐は、グローバルな兵站支援体制を目指すF-35にとって、他国のF-35基地に展開して運用することは自然なことだと語っている。一方で、多くの問題が指摘されている自動兵站支援システムALISについて訓練関係者は、「日々改善されている」と表現するにとどまった

F-35B-2.jpgイタリア空軍F-35部隊は、既に6月に米空軍F-35部隊と地中海上空で共同訓練を経験済みで、英空軍機との訓練にもその経験が生きたようである
英空軍側の指揮官も、「離陸してほんの数分で、共通の目標情報をデータリンクで共有でき、他の情報共有も極めて容易に可能だった」と、MADLを用いた意思疎通の容易性を強調していた

●同日午後には、4機のイタリア空軍F-35と4機の米空軍F-35が共同訓練を行った。午後の参加機はイタリア空軍KC-767空中給油機と給油訓練も行い、イタリア空軍Eurofightersと「Link-16」を使用した情報共有も行った

定期的な移動訓練を超え、常設のネットワークを
Basham.jpg●6月末、パリ航空ショーの会場で欧州米空軍副司令官Steven Basham中将は、ロシアのクリミア半島併合後に開始された米空軍戦力のローテーション派遣は、同盟国との関係強化や練度向上に貢献しているが、国家防衛戦略NDSが目指す態勢確立には、更なる進化が必要だと語った
●そして同中将は、空軍参謀総長の「将来の戦いはネットワークの戦いでもある」との言葉を引いて、常設のネットワーク構築に向けた取り組みの重要性を強調した

●「欧州からアフリカにかけ、全てのレベルの指揮統制を支えるネットワークやデータリンク網を構築できるだろうか?」と自問した同中将は、「演習間だけの一時的なものではなく、日常的な活動で使用できる同盟国等を結んだネットワーク構築のロードマップが求められている」と語った
●また同中将は「演習間だけネットワークを構築し、普段は使用できずに使用法を忘れ、また演習時に思い出すような限定的な使用の繰り返しではダメだ。普段から使用して完熟しておく必要がある」とも述べた

JRE.jpg●そして、「Arctic Challenge」演習で使用したJRE(Jay-ree:Joint Range Extension)は、見通し線範囲を超えた遠距離コミニュケーションを可能にするもので、受信した情報をリンクを通じて特定の戦域に送り、更にそこから別のリンクで異なるエリアに転送する技術だが、「このような技術はextremely, extremely valuableだ」と力説した
●一方で、昨年10月の演習「Trident Juncture」(1991年以来最大規模)で、ノルウェー軍がロシアからと思われるGPS妨害を受けた事例に言及しつつ、「ネットワークは妨害にさらされることを念頭に置き、ネットワーク構築時から代替案を考え、同盟国等と共に準備と訓練しておくべきだ」とも強調した
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複数の記事を無理やり一つに詰め込んだので話題が飛んでしまいましたが、まずF-35売り込みのため、相互運用性能力をアピールするため、米英伊イスラエルがF-35同士の訓練を集中的にやってMALDが活躍した(ALISには苦労させられているが・・)との話と、

ネットワークは同盟国との協力で戦う上で重要だが、相手が必ず行う妨害への備えも忘れてはならないとのお話でした。最近、GPS妨害の話がよく話題になりますねぇ・・・。

おまけで
6月21日までの2週間で、米英日韓タイから約3000名が参加した「 Red Flag-Alaska 19-2」が行われ、F-16とF-2、KC-135、C-130、UH-60、HH-60、A-10、MQ-9が参加し、681505ポンドの実弾を投下したそうです。こちらは頑張っても「Link-16」レベルですね・・・

最近の関連記事
「空軍トップがネットワーク重視」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13
「イスラエルでGPS妨害3週間継続」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-03
「英海空軍共有F-35Bが初任務」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-27
「GPSが30日間中断したら」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-18

EW関連の記事(ロシア軍に驚嘆)
「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02
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英海軍と英空軍共有のF-35Bが初任務 [亡国のF-35]

キプロスから発進しシリアで警戒飛行
今秋には空母クイーンエリザベスで試験へ

cyprus.jpg6月25日付英国防省発表によれば、英海軍と英空軍が共有するF-35B型が、6月16日に地中海キプロス島の地上基地を2機で発進しタイフーン戦闘機と共にシリア上空で対IS作戦の一部である警戒飛行を行い、英軍F-35として初の実戦任務を遂行しました

6月16日から発表があった25日までの間に、既に12ソーティーの任務飛行をこなしたと併せて発表されており、攻撃任務や空中戦を遂行したとの発表はありませんが、タイフーン戦闘機と並ぶ戦力として地上発進態勢は確立されたということでしょう

これまでのF-35初任務遂行を整理すると・・・
イスラエル空軍 2018年5月
米海兵隊    2018年9月
米空軍      2019年4月
英空軍      2019年6月

F-35B-2.jpg今後の英海軍の焦点は、垂直離着陸可能なF-35Bの特徴を生かし、英海軍の新空母エリザベスでの運用態勢を確立することです

そのための大事な秋の訓練を、米東海岸沖で行わなければならない悲しい背景は先日ご紹介しましたが・・・、今日はお祝いですので、英軍の発表をご紹介しておきます

Tony Radakin英海軍参謀総長は25日の発表の中で
●我が軍が17機保有するF-35Bが、導入後の早い段階で、その優れた能力を発揮して証明してくれたこと素晴らしいと思う
●秋には空母エリザベスが米東海岸に戻り、F-35Bを搭載しての「作戦能力試験:Operational Trials」に臨み、第5世代機の能力を更に海から発揮できるレベルに引き上げる

今後数十年間に渡り、空母エリザベスとF-35Bのペアは、世界中に展開可能な攻撃能力と通常抑止力の担い手として、英国派遣部隊の中核をなすことになる
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Queen Elizabeth.jpg英国政府は各タイプを合計して138機のF-35を購入する計画を持っていますが、誰もその数を購入できるとは考えていない現実があります

米東海岸まで移動して空母の最終能力チェック「作戦能力試験」を行うのも、保有するF-35が空母の最大搭載能力35機に足りず、米軍の支援を受ける必要があるからです。

F-35Bを空軍と海軍で共有するとの素晴らしいアイディアの英軍ですが、「EUからの合意なき離脱」が現実味を帯びる中、明るい経済見通しはなく、苦しい台所事情です

空母エリザベスの悲しき現実
「米海兵隊F-35が英空母へ展開へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-09
「米軍F-35Bを英空母に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16
「英空母が航空機不足で米軍にお願い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-03

英国軍を考える記事
「EU離脱で英国防計画ピンチに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-01
「英軍新空母を南シナ海に!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-06
「新空母の艦載機が不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-03

「予算減で英軍の士気崩壊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-18
「英軍が戦闘機半減へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-13-2
「大なた:英軍の大軍縮」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-19-1

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F-35能力向上で次世代戦闘機選定に名乗り!? [亡国のF-35]

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F-35発展型は5世代機と6世代機の区分を曖昧に?

F-35 Paris4.jpg19日、パリ航空ショーの会場で会見したロッキード社幹部が、第6世代戦闘機開発を同会場でアピールする欧州企業をけん制するように、F-35の「Block 4」アップグレードの可能性をアピールするとともに、その高い能力と拡張性から第6世代戦闘機オプションとしての提案もあり得ると示唆しました

Defense-Newsが6月中旬、国防省が公にしていない「F-35未解決問題一覧」をスクープ報道し、まだまだ様々な追加経費が必要な状況が明らかになり、国防省F-35計画室が弁明に追われる「亡国のF-35」のいつものパターンがみられる今日この頃ですが、米軍や米空軍の将来の戦いに様々にかかわることが想定されているアセットですので、能力向上の方向性について触れておきます

国防省非公開「F-35未解決問題一覧」をスクープ
https://www.defensenews.com/smr/hidden-troubles-f35/

一つポイントとなる時期は2022年~2023年頃で、無人機ウイングマン構想や次世代空対空ミサイル配備、更にはマルチドメイン構想やIAMD(先進ミサイル防衛融合)などが、このF-35「Block 4」アップグレード型配備のタイミングと重なるように予定されている点に注目です。

21日付Defense-News記事によれば
F-35 Paris5.jpg●19日、ロッキードのMichele Evans航空工学首席技術者は、多くの国が第5世代機であるF-35の能力レベルを確認しつつ、第6世代機の開発に取り組んでいるが、F-35も現状に甘んじているわけではなく、更なる発展を予定していると記者団に語った
●そして、2023年に第15生産ロットとして完成機が提供開始になるF-35「Block 4」は、「TR3:Tech Refresh 3」と呼ばれるIT部門能力を強化するため、CPU能力アップやメモリー能力アップを行い、コックピット表示をパノラマビューにする改修を含んでいると説明した

●また、ソフトウェア更新を容易に段階的に迅速に行えるようなオープンアーキテクチャー構造を導入し、更に「conformal or external燃料増槽タンク」を可能にして航続距離を40%アップさせ、「auto-ground collision avoidance system」も予定よりも大幅に早く導入すると説明した
●現在、5世代機はステルスとセンサー融合で特徴づけられ、6世代機はネットワーク能力で機体外部の無人機やセンサーや兵器をコントロールする能力を備えるものと区分されているが、F-35「Block 4」が見据える更なる可能性は、これら区分を乗り越える可能性がある

F-35 Paris6.jpg●米空軍は無人機ウイングマン構想を進めているが、F-35「Block 4」に現時点でその構想に対応する具体的仕組みは組み込まれていないものの、データ融合や研究機関の能力からして、極めて同構想追及に適した機体だとロッキード社F-35責任者のGreg Ulmer氏は説明した

●更にミサイル防衛へのF-35の活用可能性についても、「これまでの関連実験から、F-35の同分野での活用を後押しする力強い結果が得られている」と表現した。
●Ulmer氏は細部への言及を避けたが、国防省はF-35による巡航ミサイルやICBM迎撃の可能性検討を既に行っており、少なくともF-35センサー能力活用可能性については2014年の演習で実証済である

マルチドメイン統合運用とその際の指揮統制へのF-35活用も、可能性を秘めた分野である。Ulmer氏はこの件についても細部への言及を避けたが、ロッキード社「Skunk Works」研究所で、この分野でのF-35の可能性を強く示唆する結果が得られている模様である
●記者団から、F-35能力向上型を第6世代機候補として提案する可能性について聞かれたEvans氏は、「まさにそれはロッキードが検討している中に含まれている(it’s definitely something Lockheed is looking at)」、「5世代から6世代への変化が、4から5世代への変化のように革新的なものかは定かでないが、F-35の能力は何らかの形で将来機のベースになる」と表現した
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F-35「Block 4」の夢を語る前にF-35調達予算確保、F-35維持整備コストの削減(ALIS問題解決を含む)、初期型F-35の「3Fソフト」レベルへの改修費用、多数残置するF-35不具合対処費用など、目もくらむような課題が山積していることを忘れてはいけません

F-35 Paris7.jpgでもこれは、ロッキード幹部が語るような形で、F-35を指揮統制からミサイル防衛まで、米軍の様々な作戦に絡ませることで、「亡国のF-35」から「足抜け」できなくする作戦かもしれません
全米の各州にF-35部品製造を分散分担させて雇用に結びつけ、地元議員からの支持を取り付ける巧妙な作戦のように・・・)

しかし、特に西太平洋地域のように、第1列島線上にF-35を配備・運用することが難しい環境では、F-35を中核の一つに据えた米軍作戦が困難になるんじゃないでしょうか???

無人機ウイングマン関連
「無人機ウイングマン構想を熱く語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-27
「別の無人機Skyborg構想」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3  

AMRAAMの後継AIM-260開発
後日公開の記事です・・・
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-21

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米空軍が初期型F-35でアグレッサー部隊編成へ [亡国のF-35]

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パイロットがJ-20やSu-57想定の訓練をしたいとか・・・
初期型のグレードアップ経費が高価なので現物活用へ

F-35 luke AFB.jpg5月30日付Military.comが、米空軍航空機の戦術研究や本格的演習のメッカであるネリス空軍基地に米空軍がF-35で編成するアグレッサー部隊(仮設敵機専用部隊)を編成する計画だと、退任するWilson空軍長官が語ったと報じています

米空軍は5月初めに、休眠中だった第65アグレッサー飛行隊を再立ち上げした所ですが、将来的に11機のF-35Aで構成される同飛行隊を2022年ころに立ち上げるようです

その背景について退任するWilson空軍長官が極めて率直に、初期型を最新のBlock 4レベルにアップグレードするにはお金がかかりすぎるから・・・と正直に語っているようですのでご紹介します

F-35 luke AFB2.jpg初期型F-35については、経費の掛かるアップグレードをどこまで行うのか頻繁に記者から質問が出ていましたが、退任前の空軍長官が責任を取るような形で「本音ベース」で吐露しています。

もちろん、米空軍パイロットに本格紛争を想定した中露最新鋭機レベルを想定した訓練が必要とのニーズはあるのでしょうが、あえてアップグレードの経費の話を持ち出すとは・・・。空中戦など将来可能性は極めて低い・・・との空軍内への警鐘でしょうか・・・

5月30日付Military.com記事によれば
14日、空軍長官としての最後の部隊訪問に同行したMilitary.com記者にWilson空軍長官は、米空軍として高性能航空機でアグレッサー部隊を編成するのは新しい事ではないがと前置きしつつ、機体全てを最新鋭機であるF-35Aで構成する背景について経費面から語った
Wilson6.jpg●同長官はつまりはこれが理由です。米空軍内で初期型のF-35をBlock 4ソフトに対応可能なレベルに改修することを検討しましたが、そのためには1機当たり17億円程度必要になります。なので我々は、初期型機体をアグレッサー部隊で使用することにしたのです」と表現した

●「我々は高烈度の脅威を模擬する必要があり、この選択はコストパフォーマンス面で良いアイディアである」、「F-35を仮設敵機部隊に導入することにより、米空軍操縦者が敵の戦術を学ぶことが出来る」と付け加えた
●米空軍によれば、11機のうち、2機は加州エドワード空軍基地から差し出され、残りの機体はフロリダのエグリン基地から提供される

Military.comは2017年に米空軍関係者から、「F-22パイロットは、中国のJ-20のような5世代機の敵を求めているが、5世代機を模擬できるような機体が仮設敵機部隊にない」との話を聞いていた
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F-35 sunset.jpgもちろん、最新鋭機の最大性能を発揮させ、操縦者の技能を高める事が必要でしょうが、「古いF-35の処置に困ったからアグレッサー部隊で」、「費用対効果面で良い」などとまで説明せざるを得ないF-35を取り巻く事情の厳しさを感じます

もちろんF-35アグレッサー部隊は、戦闘機同士の空中戦訓練だけでなく、米軍の空中レーダーAWACS、各種防空装備や指揮統制システムを交えた訓練でも新たな脅威を模擬できるので、ないよりあった方がベターではありますが・・・

アグレッサー部隊については、操縦者に退職者が急増して数が不足していることから、半分程度を民間に委託する動きがあるとご紹介してきましたが、ここは別の事情で現役操縦者が必要なようです

アグレッサー部隊の民間委託
「着々と民間委託進む」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
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米海兵隊F-35Bが英空母に展開運用へ [亡国のF-35]

実態は英海軍のF-35B調達遅れを穴埋め
35機搭載可能なのに最大24機しかない悲しい現実

Queen Elizabeth4.jpg7日付Military.comは、米海兵隊幹部による発言として、2020年末に運用態勢を確立予定の英空母クイーン・エリザベスに米海兵隊のF-35Bが2021年に同空母に展開して行動すると報じています。

同空母は2017年春に進水し、2018年夏から秋にF-35B搭載試験を米東海岸沖で3機の英軍F-35Bで開始し、2020年12月~2021年春には初期運用態勢を宣言予定で、その後2021年には初の作戦展開を予期しているよううで、その任務実施時又は事前訓練時から米海兵隊F-35Bが艦載されるようです

記事は米軍と英軍の新たな協力強化のシンボルとして米軍F-35Bの艦載計画を「美談」として取り上げていますが、実はこの背景には英軍の厳しい予算状況があり、空母エリザベスに搭載を予期していた35機のF-35B調達の見通しが立たず、米軍F-35Bに助けてもらわなければ、空母の最大能力発揮(訓練も含め)ができないっていない悲しい現実があります

F-35B-2.jpg2015年制定の英国防省「Strategic Defence and Security Review」では、2023年までに24機を調達を目論んでいるが、2020年12月の初期運用態勢確立時点で何機調達済みで、何機使用可能かも未定で、2016年の米英国防相会談で米軍F-35B派遣の協議が開始されていました

ついでに、英軍が長期計画で明らかにしている138機(全タイプ合計で)のF-35調達を、多くの英軍関係者が実現不能だと考えている状態であることも付記させていただきます。
更にEU離脱騒ぎで、英国経済の減速感は増し、英国防費の見通しに明るい材料はありません

そんなことを念頭に置きながら米英の相互運用性向上という明るい部分にのみ日を当てた、米海兵隊中将の発言をご紹介させていただきます

7日付Military.com記事によれば
F-35B-test.jpg米海兵隊の航空部隊トップのSteven Rudder中将はワシントン郊外で開催されたイベントで講演し、英海軍の新型空母が作戦任務に就く2021年に、米海兵隊のF-35Bが同空母に展開すると明らかにした
●このF-35派遣は長く協議されてきたもので、米英間の新たな協力関係のモデルになると同中将は説明した

同中将はまた「これは素晴らしい新たな道で、海洋作戦パートナー間の共同作戦実施における新たな基準になる潜在性を秘めている」と表現し、同空母には「英海軍F-35Bとヘリ、英海兵隊、米海兵隊のF-35Bなどが搭載されることになろう」と語った
米海兵隊報道官は、この米海兵隊F-35B展開は、米英の相互運用性進展上、極めて大きなマイルストーンとなると述べ、同空母が2020年秋と2021年春に、作戦任務に就く前の事前訓練を英国周辺で行うと明らかにし、この訓練が重要なものになると言及した

Queen Elizabeth.jpg米海兵隊F-35Bは昨年秋、米海兵隊のF-35Bテストパイロットを既に同空母に数週間派遣して確認を行っており、米側内部では既にどの飛行隊から派遣されるかも選定されているようだが、派遣機数も含め Rudder中将は言及を避けた
英国以外にもF-35Bを艦艇に搭載しようとの動きがある。イタリア海軍は保有空母の1隻に同機を搭載する予定で、日本も駆逐艦に搭載を計画している
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2021年に米海兵隊機が空母エリザベスに展開したとき、米海軍のF-35Bが何機そろっているか気になります

まぁ・・・英国海軍の悲しい内情は置いておくとして、もしかしたら、海上自衛隊の「いずも」から、米海軍海兵隊のF-35Bが運用される話がすでに出ているのかもしれません

2016年の関連記事
「英空母が航空機不足で米軍にお願い」https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-03

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米空軍F-35の維持費削減は極めて困難 [亡国のF-35]

現在時間当たり44000を36000にの見通しも
しかし目標の25000には程遠く、以後増加予想も

F-35 luke AFB2.jpg2日、下院軍事委員会の航空地上部隊小委員会に出席した国防省F-35計画室長と国防省コスト評価局長はF-35導入上の大きな問題となっている維持整備費(F-16の3倍に近い)の削減見込みについて証言し、目標となっている2025年に飛行1時間当たり維持整備費を$25000にまで削減するのは極めて難しいと述べました

米空軍が導入しているF-35Aの機体価格は徐々に低下していますが、F-16戦闘機では$15-16000と言われている時間当たりの維持整備費が現時点で$44000と3倍近い額となっており、計画している年間調達機数に踏み込めない大きな障害となっており、一方で第4世代機F-15改良型を再び調達する決定を後押しした背景となっています

証言した両者の将来見積もり数値は微妙に異なっていますが、目標設定前年の2024年時点で$34-36000で、目標の$25000とは大きな開きがあり、更にその後は初期導入機体の補給処整備が始まるため、横ばいか増加傾向になるとの見通しで、全く光明が見えない状況にある模様です

念のためこれは最も最適な環境にある米空軍F-35Aの話であって、FMSで日本が購入するF-35Aの維持整備費がどれだけ膨らむかは、恐ろしくて考えたくもない話です。ましてや、ライセンス国産しているF-15Jとの比較など・・・

2日付米空軍協会web記事によれば
Winter2.jpg国防省F-35計画室のMat Winter中将は、現状で$44000の時間当たり維持整備経費が2024年時点で$34000にまで低下すると証言し、国防省Robert Daigleコスト分析評価局長は$36000だとの見積もりを示した
●両者とも今後細かなデータ収集と分析を行う事でこの数値は変化すると説明したが、いずれにしては2025年の目標である$25000まで維持整備費を抑えることは極めて難しいと証言した

F-35計画室長は、今後5年間で44000から34000に23%削減する見積もりであるが、その後の1年間で34000から25000に削減することに今後も取り組んでいくと苦しい説明を行った
●一方でDaigleコスト分析評価局長は淡々と、「2025年に$25000に到達する見込みはない」と述べ、 更に2025年以降は機体の整備所要と補給処整備が増加し、飛行時間当たりの維持整備費は良くて横ばい・普通なら増加すると証言した

F-35 luke AFB.jpg国防省自身は、その維持整備費削減に必要なことを把握している。機体維持に必要な部品を迅速に調達すること、補給処レベルの部品修理を迅速にすること、前線部隊での整備時間を削減して実動時間を確保すること等である
F-35計画室長は「この機体は2077年まで運用する見込みだが、長期的視点でaffordableにすることに焦点を当てている。今後20204年までに、どれだけ維持整備費を削減できるかをその時まで明らかにすることは出来ない」と微妙な表現で語った
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頑張ったとしても、第4世代機の2倍の維持整備費を覚悟する必要があるのでしょう時間当たり$30000前後になるのでしょうか・・・

今年2月28日、米空軍参謀総長はF-35維持費が第4世代機並みに低下すると想定するのは非現実的だ」と述べ、F-15EX購入に踏み出すことへの説明をしています

F-35 3-type.jpgステルス性を持つ機体に、高度で複雑なセンサーを搭載し、かつ外部の情報融合能力を持つ高度な機体F-35を、第4世代機と同レベルの維持整備費で保有するのは非現実的だとの本音ですが、2018年4月には「F-35の維持費をF-16並みにしたい。そうしなければ米軍だけでなく世界の空軍が困難に直面する」と言っておきながら・・・・です

組織の人とは言え、様々なしがらみがあるとはいえ、将来の歴史家はF-35計画を推進した人達を厳しく評価せざるを得ないでしょう・・・

関連の記事
「F-15EXは空軍の選択ではない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-02
「ALISは依然大きな障害」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-02
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「2/3が飛行不能FA-18の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「再びGAOが警告」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-10

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米空軍F-35が初実戦でIS拠点攻撃 [亡国のF-35]

中東展開から約2週間後に初実戦
イスラエル空軍と米海兵隊に続くF-35実戦投入

F-35 Gilmore.jpg4月30日、中東UAEのAl Dhafra空軍基地に展開中の米空軍F-35A(展開機数も非公開)が、初の実戦任務としてISISの地中トンネルと兵器庫を同日攻撃したと米中央軍が発表しました。

F-35が実戦投入されたのは、2018年5月のイスラエル空軍機、2018年9月の米海兵隊機に続くもので、2016年8月に米空軍がF-35の初期任務態勢確立を宣言してから2年8か月を経て初めての実戦投入となりました。

米中央軍は、攻撃の成否については明らかにしていませんが、2機のF-35AがJDAMで、「ISIS戦闘員たちが戦力再興のために人員兵器装備を移動させようとするのを阻止し、イラク治安部隊による反撃を支援するために」任務を遂行したと発表しました。

F-35 3-type.jpg今回の初実戦任務は、米空軍F-35が初めて戦闘地域である中東に展開した4月15日から約2週間後に行われたもので、航空自衛隊F-35Aによる同型機として初めての墜落事故が4月9日に発生してからも僅か3週間後に行われています

長期間にわたり慎重に検討された末の中東展開と初実戦投入でしょうが、同型機の墜落事案が発生した直後に作戦地域である中東に機動展開し、現地での作戦運用に習熟した後、直ちに作戦投入されたことからすると、あくまでも推測ですが、三沢沖の墜落事案は機体の問題以外が原因で発生したものと当初から明らかなのかもしれません

調査中の事案について安易な推測は慎むべきですが、同墜落事案と米空軍F-35実戦投入のタイミングが同じであることから、そんなことが頭をよぎりました・・・

F-35実戦投入関連の記事
「米空軍F-35Aが中東初展開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-16-1
「大型爆撃機の中東展開終了?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-30-1
「海兵隊F-35が初実戦投入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-28-1
「イスラエルが世界初実戦投入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「米空軍F-35部隊がIOC宣言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-28 

タグ:F-35A Al Dhafra ISIS
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米空軍F-35Aが中東に初展開 [亡国のF-35]

昨年海兵隊のF-35Bが強襲揚陸艦で展開に続く
F-22が展開していた同じUAEの基地に

F-35 UAE.jpg15日、米中央軍が中東UAEのAl Dhafra空軍基地(アブダビの南約30㎞)に初めて米空軍のF-35が展開したと発表し同地域に展開する多国籍部隊の能力を大きく強化すると表現しました

展開した機数は公開されていませんが、米本土ユタ州のHill空軍基地の第388戦闘航空団と第419戦闘航空団(予備役)から機体が派遣されたと明らかにしています

中東へのF-35派遣は海兵隊のF-35Bが強襲揚陸艦Essexに艦載されて昨年初めて行い、昨年9月にはアフガニスタン内の目標に対する攻撃任務で初実戦投入されたところです

中東への航空戦力派遣については、米空軍が約18年継続してきた大型爆撃機派遣が今年3月中旬にB-1が帰国して途絶え、同じAl Dhafra空軍基地に展開していたF-22も2月末には帰国して「引き潮」傾向が指摘されていたところでした

米中央軍のスタンスはあくまで、「必要な時に必要な戦力を投入する」であり、B-1やF-22の帰国、また今回のF-35Aの展開についても「ルーティーン」なものだと淡々としていますが、2016年8月にIOC宣言をした米空軍F-35にとっては、実質的な初実戦であり、大きな決断でありましょう

15日付Military.com記事によれば
Guastella.jpg中央軍空軍司令官のJoseph T. Guastella中将は声明で、「我々の最先端兵器を手にすることで、多国籍部隊の能力は著しく強化される」、「F-35が持つセンサー融合や残存性能力は、地域の安定と侵略勢力の抑止力を大いに強化する」と述べている
●またGoldfein空軍参謀総長は、「F-35Aは、如何なる相手と対峙しようとも、我が国に制空を提供してくれる」、「多国籍統合部隊のクォーターバックを考える時、相互運用性があるF-35Aこそが、明らかにそのリーダーの役割にふさわしい」と声明の中で表現した

●F-35Aが担うであろうと推測される任務は、これまで同基地に展開していたF-22が行ってきた、地上部隊へのエアカバーのほか、極めて重要な係争中の情報収集が想定される
●また、F-22はステルス性と強力なセンサー能力で、大きな衝突事案があった後、最初に当該地域に投入されるアセットであった。例えば、2017年の米軍機によるシリア軍機撃墜後や、米海軍トマホークによるシリア空軍基地攻撃後、最初に投入されたのがF-22だった

●米軍の声明はF-22が中東に戻ってくるかについて触れていないが、F-35は似た能力を提供可能であり、「F-35Aは全ての戦闘エリアを念頭に設計され、最も強力で包括的なセンサー融合パッケージを搭載している。その能力は新たな敵に対して航空優勢を維持するための致死性、残存性、適応性を改善してくれる」と述べている

F-35 Sun-Set.jpg●また中央軍空軍は、今回のF-35Aの展開が特定の事象や作戦と関連するものではなく、以前から計画されていた「ルーティーン」なものであることを強調した
●一方で、イラン勢力がシリア国内に展開中の米軍部隊近傍で活動しているとの状況下、トランプ政権がイランへの圧力を強めている中でF-35A展開のニュースが飛び込んできた
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イランとの関連は少し深読みしすぎのような気がしますが、2016年8月のIOCから3年近く経過し、満を持しての実戦投入ですから、徐々に明らかになるであろう展開規模や期間に注目いたしましょう

F-22は、マティス前国防長官の指示で9月末までに稼働率8割を目指していましたが、ステルス機体の維持工数等から早くも「白旗」が上がっている機体で、「クウォーターバック」の役割がF-35に回ってくる機会も徐々に増えるでしょう

三沢沖でのF-35A墜落の原因が気になるところではありますが・・・

関連の記事
「大型爆撃機の中東展開終了?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-30-1
「海兵隊F-35が初実戦投入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-28-1
「イスラエルが世界初実戦投入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「米空軍F-35部隊がIOC宣言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-28 
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米海軍F-35のIOCと豪空軍戦闘司令官のF-35体験 [亡国のF-35]

豪空軍将軍の体験談は、F-35と同じ攻撃パッケージで「Red Flag 19-1」に参加した感想です

F-35 Navy.jpg2月28日付Defense-Newsが、米海軍F-35のIOC宣言と、豪空軍戦闘司令官の短いF-35体験談を紹介しています。

2つの異なる記事ですが共にF-35ファンや戦闘機ファンの皆さんには「おめでたい」「期待が膨らむ」内容ですので、一つにまとめでご紹介します

米海軍F-35Cの飛行隊初IOCは、わずか10機の飛行部隊で、実際に空母に搭載されるのは2021年(@空母カールビンソン)とのレベルですから、「なんちゃってIOC」のような気もしますが、緊急投入の可能性が無いわけではないのでしょう

豪州将軍のF-35と共に演習した感想はともかく、米海軍と米空軍と豪州空軍と英国空軍だけが参加したハイレベルの演習をやっている事にも注目して頂きましょう

2月28日に米海軍F-35C飛行隊が初のIOC
f35c.jpg●2月28日、カリフォルニア州の Lemoore米海軍航空基地所属でF-35C型機を10機保有するVFA-147(第147攻撃戦闘飛行隊)が、空母カールビンソンでの運用体制確認審査を終了し、初期運用体制確立IOCしたと米海軍から発表があった。当初は2018年夏だったが、約半年遅れての宣言である
●このIOCは、完全な運用体制FOCには及ばず、最大限の能力発揮には至らないが、限定的な能力で実戦投入可能なレベルと認定されたことを示す

●このIOC獲得には、適切な訓練を受けた人員と必要な機体や装備がそろい、かつ、機体10機と修理用部品や関連装備や工具、取り扱い説明文書、訓練計画、機能する自動兵站情報システムALISを備えていることが必要である
●米海軍航空戦力軍司令官DeWolfe Miller中将は、「同飛行隊のF-35Cは作戦運用の準備ができ、戦闘行動で勝利を収める体制を確立した」、「我が米海軍は、信頼できる新たな兵器システムを空母戦闘群に加えることができ、統合戦闘能力の強化に貢献できる体制が整った」との声明を発表した

豪空軍航空戦闘軍司令官の演習参加体験談
FA-18 RAAF.jpg豪空軍Air Combat Group司令官は同国で開催されたアバロン航空ショーで、今年2月に豪空軍FA-18に搭乗して参加したネバダ州での「Red Flag 19-1」で、米空軍F-35と攻撃パッケージを組んで 参加した際の感想を語った

●なお豪空軍は、FA-18の後継として72機のF-35Aを購入する計画で、現在10機を受領(2機は豪国内、他8機は米国で豪軍要員養成に使用中)済。今後、4月に追加で2機を豪州で受領し、年末までには更に8機が豪州に到着予定
在豪州の2機は、現在週に5-6ソーティー飛行して主に要員養成訓練を行っている

●同司令官は豪FA-18に搭乗して参加した重要な訓練について振り返って様子を語り、まず、8機編成の米空軍F-35編隊が攻撃の突破口を開き(kick open a door)、こじ開けられた突破口を後続のF-22が維持した(hold the door open)と表現した
FA-18 RAAF2.jpgそしてその後、F-35が引き返して来て(went back and picked up a strike train)、後に続く攻撃航空機の列(豪FA-18、米海軍FA-18、英空軍タイフーン、米空軍F-16)を、EA-18Gや米空軍F-16の支援を得ながら率いた、と語った

●そして同司令官は、「このような強力な敵SAMやサイバー脅威を想定したハイエンド演習に参加したのは初めてだった」、「F-35が新旧FA-18やタイフーン等と協力して強固な敵防空に対応する様子を目にした」、「今後2-3年で、豪軍においてもわが軍のF-35、FA-18そしてEA-18Gが協力することになると確信を持っている」と締めくくった
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米海軍F-35CのIOCに関し、IOC承認条件に「機能するALIS: functional ALIS」とありますが、どの程度機能しているのでしょうか?

海兵隊用B型が2015年7月、次いで空軍用のA型は2016年8月に最初の飛行隊がIOCを宣言していますが、恐らくALISに電源が入ればOKぐらいの緩い審査だったのではないかと思います

F-35C Landing3.jpg豪空軍将軍が経験した8機のF-35が参加する演習はとても大規模ですが、アジア太平洋や西太平洋地域で、そのようなパッケージが組めるような地上基盤が維持できるかは疑問です

特に中国は、1992年の湾岸戦争時のような航空攻撃パッケージ侵攻を西側にさせないため、弾道&巡航ミサイルや極超音速兵器、サイバーや宇宙兵器に力を入れているのですから

F-35C関連の記事
「米海軍F-35CがIOCに向け最終段階」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-18
「米海軍F-35のIOCは最低半年遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-01-2
「道遠しNIFC-CAの状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
「F-35CとFA-18性能比較指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-29
「F-35Cの着陸精度が素晴らしい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-22
「FA-18とEA-18Gにも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-09

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国防省評価局:ALISは未だF-35の大きな障害 [亡国のF-35]

問題多数で使えないからデータベース不十分
使わないから使用者の習熟度も上がらず
開発段階での試験が現場の使用実態と乖離・・・

F-35 3-type.jpg1月31日、米国防省の試験評価局(DOT&E:director of operational test and evaluation)が、F-35の稼働率が上がらない元凶の一つである自動兵站情報システムALISの現状についてレポートを発表し、  
設計上の機能を発揮できず、現場を混乱させている様子を厳しく指摘しています

現場の使用状況に即した性能確認試験が不十分なため現場に余計な負担をかけ、トラブルが多いため整備員がALISを使用しない抜け道で活動するため正確なデータ蓄積ができず、不十分な情報やソフトのバグが生む誤った故障アラームで稼働率低下の悪循環など、現場整備員の苦悩が伺えるデタラメな状況がレポートされています

まだ現場配分の機体数が少ないため人海戦術で対応しているのでしょうが、機数が増えるにしたがって整備の現場が破綻する様子が目に浮かぶようです・・・・。皆さん、F-35運用が安定し、F-35を採用する国が増えてきたと考えるのは大きな間違いです。米国がF-35輸出を促進するため、一生懸命表面をお化粧しているだけです・・・

1日付Defense-News記事によれば
F-35C.jpg●ALIS(Autonomic Logistics Information System)は、F-35運用と整備に効率性をもたらすものと大宣伝されているが、必要なデータの欠落とソフトのバグにより、現場整備員の仕事をますます困難なものにしてる様子をDOT&Eレポートは暴露している
●結果として、ALISが誤って機体故障アラームを表示し、例えば展開先で飛行開始までに余計な時間を要し、現場整備員に大きな負担を強いている

DOT&Eレポートは、ALIS関連不具合を大きく3つのカテゴリーに分類できるとしている
一つ目は、自動化されているはずの使用手順の多くが、未だ手動入力によらねばならず操作に多大な時間を必要とする点

二つ目は、ALISが提供するデータが不完全や誤りであることが多い点。理由は様々だが、例えば契約業者が問題の多いALISを使いたがらず必要な情報が入力されいのも背景の一つ。F-35を製造するロッキード社の現場でも、ALISを使い始めたのは2018年3月からという驚くべき実態
F-35 luke AFB.jpg三つ目は、上記2つの結果、現場整備員がALIS使用経験不足である点。このため複雑な搭載装備品のデータ修正には多くの時間を要し、結果として求められる時刻までに機体を飛行可能にすることができない事態に至っている。ALIS操作問題での非稼働が、主要な5つの非稼働率原因に入っている

●このような問題が顕在化するのはF-35が母基地から機動展開した場合で、不自由な環境では第4世代機より飛行準備に時間必要になっている。このため整備員は、本来ALISで実施すべきデータ管理を、自己流の別手段で行っている
●最もF-35稼働率が低い海兵隊の航空基地では、修理のために必要な部品をALISに入力すると、入手までに数年かかると表示されることがあり、電話で確認して急送を依頼している実態などが明らかになっている

●同レポートによれば、これら問題の一部はソフト管理部門で対策が行われているが、タイムリーに措置されていない問題が多数あり、対処されている問題の解決にも異常に長い時間がかかっている
●ALIS内の複数のアプリが異なった指示を出し、現場を混乱させている問題も2012年から指摘されているが、複数のソフト改修を経た後も依然問題として残っている

●ロッキード社は、今後のALISソフト改修はより小規模で頻度を上げる方向で行うとし、DOT&Eもその方向を指示しているが、改修ソフトの試験手法が現場のALIS使用実態に即しておらず、ソフト開発部署ごとに試験手法が異なっていると批判している

DOT&EレポートがALIS以外で指摘した課題の一部
F-35B-2.jpg●海兵隊に納入されたF-35Bの初期型は、2000時間分の耐久試験しか行われておらず、8000時間と設定されている耐用年数前に問題が出る可能性がある
●国防省F-35計画室は、今後6か月ごとにソフトを更新する方向で計画しているが、あまりにも頻繁でソフトの信頼性確認が不十分なリスクが高い

●F-35に脅威データを提供する「mission data files」を作成する装置が不十分であり、特に展開先など作戦時のストレスが高い環境下で新たなデータファイルを迅速に作成できない
●F-35A型の機関砲の装着が適切に行われておらず、射撃の正確性に問題がある
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F-35の維持整備はそのコストと作業員負担の多さで大きな問題となっており、最大の懸案の一つですが、「日暮れて途遠し」状態に変化無しです

航空自衛隊の現場の声(三沢基地の整備員)を是非聞いてみたいものです・・・

関連の記事
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「2/3が飛行不能FA-18の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「再びGAOが警告」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-10

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ゆったり慎重検討して星国もF-35購入か [亡国のF-35]

まず少数機を購入して本格購入可否を分析とか

Sinogapre DM.jpg18日、シンガポールの国防長官が声明を発表し、同空軍が保有する約60機のF-16の後継として、技術的評価の結果F-35が最も適しているとの結論に至ったと明らかにしました。

ただし同国防相は、「だからF-35の何型を何機購入する方向に決定した」とは言わず、今後F-35を少数機購入して能力を確認してから本格購入の判断をすると表現し、更にその前に時間をかけて米国側と色々協議するとしています

F-16 Sinogapre2.jpg同国が保有するF-16は「F-16C/D/D+」で、最も古い機体でも1998年製造だということもあり、シンガポールはF-16の退役開始を2030年と想定しており、それまでに後継機がある程度戦力化されていれば良いとのスケジュール感です

なんともうらやましい、余裕の機種選定スケジュールですが、これもこまめに戦闘機のアップグレードを進めてきた同国の努力の成果とも考えられましょう。 なんと言って現在でも、2023年完成を目指し、主要な同国F-16は「F-16V standard」への近代化改修が進行中とのことですから・・・

18日付Defense-News記事によれば
同国は2003年からF-35計画の「security cooperative partner」となっているが、具体的に同機購入検討を明らかにしたのは2013年になってからである。
そしてその後は公式な発表はほとんどなく、垂直離着陸型のF-35Bに同国が関心を持っており、購入機数は40-60機、または2-3個飛行隊分だとの報道があったくらいである

F-16 Sinogapre.jpg18日もNg Eng Hen国防相は、少数機購入するF-35の型式や具体的な機数には一切言及せず、技術的評価の結果、F-35がF-16の「the most suitable replacement」 だとのみ述べ、
今後米国側の関係機関と、9-12か月間かけて、少数機購入の細部について協議すると述べるにとどめた。なお米国からの調達形式はFMSになろうと考えられている

●同国が保有するF-16は「F-16C/D/D+」で、40機のBlock 52 C/D型とより最新の20機のF-16D+ Advanced Block 52sで構成されている。
Block 52 C/D型の中の最も古い12機は、一部が操縦者養成用の機体として米国アリゾナ州のLuke空軍基地に配備され、同基地の米星混合部隊においてシンガポール操縦者の養成訓練に使用されている。
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Sinogapre D.jpgマラッカ海峡を臨む要衝の都市国家のような小国で、「明るく豊かな北朝鮮」とも表現される強力な国家統制下にある極めて特殊な国ですが、まだまだ落ち着かないF-35開発をゆったり見守りつつ、時間をかけて購入を検討するうらやましい対応です

カナダのように、いろいろ理由をつけて購入決定を延期し、ペナルティーを逃れる戦術もありますが、こまめに持ち駒の手入れをして慎重に機種更新を検討するシンガポールの方式は、一つの理想かもしれません

米朝首脳会談を自腹を切って引き受ける外交にも機敏な国ですから、米国とも水面下でいろいろあるのでしょうが、極めて興味深い国です

シンガポールの話題
「2015年シャングリラ会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-28
「飛行船レーダー配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-04
「F-35交渉が難航?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-26
「ドイツ製潜水艦2隻を契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-03
「米との戦略枠組みが難航?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

F-35購入国は様々
カナダ首相がF-35と戦う
「やり直し機種選定開始」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

イタリア関連の記事
「調達ペースダウン」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-10
「イタリアに反F-35政権誕生」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「イタリア工業会は米に騙された」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-11
「北極海での通信とMUOS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-25-1

デンマークとF-35
「27機調達か?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-16
「未だ未定:デンマークの苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-07
「事例デンマークの悩み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-07

ベルギー(13番目の購入国)
「34機購入を公式決定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03

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