SSブログ
亡国のF-35 ブログトップ
前の15件 | -

F-35はエンジン不足で15%が飛行できず [亡国のF-35]

広告なし!スマホに優しい「東京の郊外より2」
https://holylandtokyo.com/
///////////////////////////////////////////////////
 
米空軍保有機約290機の41機がエンジンなし
トルコ除外による部品不足や整備時間長期化もあるが
エンジンブレード耐熱不足問題がどっしりと[exclamation]

F-35 F135.jpg13日、下院軍事小委員会で国防省F-35計画室長などが証言し、エンジン関連が原因で運用態勢にない米空軍F-35が41機あり、他軍種や同盟国機も含めると計46機が搭載可能なエンジンが無い状態にあると説明しました。

米空軍のエンジン無し比率「約15%」がどれほど問題なのか、比較可能なデータがないので不明ですが、2021年初から関係高官が、F-35稼働率が上がらない原因として「F135エンジン問題」に言及しており、コロナ感染拡大やトルコが部品サプライチェーンから除外されたことに起因する部品不足だけでなく、「エンジンブレード耐熱不足問題」がじわじわと表面化しそうな雰囲気です

繰り返しご紹介しているように、F-35の製造コストは低下傾向(最新Block 4は?)も、維持整備コストが第4世代機の2倍程度に高止まりし、更に一つの完成型である「Block 4」以前の機体は「Block 4」にアップグレード改修を行う必要があることから、総コストは上昇の見通ししかありません。そんな中でのエンジン問題に、「泣きっ面にハチ」状態のF-35購入国です

「エンジン問題について」各種報道から
Fick2.JPG国防省F-35計画室長Eric Fick空軍中将は下院で、「エンジンの維持コストは課題である。だた、新造機の納入には影響はない。まもなくエンジン使用2000時間の定期整備を迎えるエンジンが現れコスト増に注意が必要だが、最近はコストがフラットになる傾向を見せつつある」と述べつつも
エンジン整備遅延問題に対処するため「3つのアプローチに取り掛かっており、一つはTinker基地エンジン整備所の整備時間短縮取り組みであり、もう一つは他にもエンジン整備拠点を設ける検討、そしてエンジンの整備間隔を延長する検討である」と説明した

F-35 F135 2.jpgJay Stefany米海軍開発担当次官補代理は下院で、「関連企業及びF-35エンジン修理施設と緊密に連携し、エンジン整備の遅れを取り戻すべく尽力している」、「整備人員の増強など」と説明したが、エンジンブレード表面処理の問題は人の増強では解決できない
現場でのエンジン不足問題を受け、F-35が所属する米空軍戦闘コマンドは、2021年に各所で開催予定だった航空ショーへのF-35派遣を縮小することを決定している

F-35 F135 5.jpgF-35用のF135エンジンを製造するPratt & Whitney社のMatthew Bromberg社長は、4月にエンジン不足問題についてメディアに、「2つの理由がある。コロナ感染対策による部品製造の遅れと、トルコが部品供給チェーンから抜けたこで、予定していた効率アップが進まなかった」と説明している
ちなみにトルコは約1000個の部品供給に関わっていたが、その中には188個のエンジン関連部品が含まれていた。同社長はタービンブレードの耐熱コーティングに関しては言及しなかった
////////////////////////////////////////////////

大きくF-35の稼働率が上がらない理由を考えると、兵站情報管理システム(ALISに代わりODIN)トラブルや部品確保サプライチェーンの混乱、想定以上の部品故障率や整備員の技量未熟等々・・・複数の大きな原因が背景に上がりますが、性能発揮の制約になりそうなのがエンジン問題です。

以下では関連の高官発言を時系列でご紹介します特に今年2月のBrown空軍参謀総長発言に注目です。「フェラーリ(F-35)で毎日通勤することはない。日曜日に乗ればよい」と発言したことで、この問題の深刻さが広く知られるようになったからです

Lord調達担当国防次官
Lord2.jpg2019年11月下院委員会で→戦闘任務にあたる飛行部隊での稼働率は、2018年10月の55%から、2019年9月の73%に上昇
2020年7月下院委員会で→F-35稼働率は、2020年1月には60%であったが、同年6月には70%に上昇。また全ての任務が可能な機体比率は、同期間で40%から50%に上昇
退任前日の2021年1月19日会見で→F-35稼働率は、「複数ある任務の一つでも可能な機体は69%で、全ての任務が可能な機体は39%、稼働率低迷の主な理由は、キャノピーの表面剥離やF135エンジン関連問題にある

国防省F-35計画室幹部(2021年2月12日) 
エンジンブレードの問題は、耐熱コーティングが想定より早く劣化する問題である。F-35関連各級指揮官がF-35関連の種々の課題を議論する会議を開催し、F135エンジン問題に関する議論も行われた
Pratt & Whitney社は声明で
2020年からエンジンブレード改良処理過程を導入開始し、製造ラインに投入している

Brown空軍参謀総長(2021年2月17日)
Brown.jpg(F-35エンジン問題に関する質問に問題の存在を認めつつ、)最新鋭機へのニーズが高いことから使用頻度が高くなり、F-35のエンジンの故障率が上昇している
この問題対処に維持整備方式や整備施設の体制検討を中将大将レベルで行っている。シンプルにはF-35の使用頻度を下げることが対処法だ(simply be to use the F-35 less)
「フェラーリで毎日通勤することはないだろう。フェラーリは日曜日に運転すればいいんだ。F-35はハイエンド環境の装備であり、ローエンド環境で常に使用する必要はない」と述べつつも、「この考え方にも異論があるだろう。反論も予期している」
/////////////////////////////////////////////////////

よくわかりませんが、「Pratt & Whitney社声明」をそのまま信じれば、2020年以降のエンジンブレードは耐久性が改善され、米空軍でいえばそれまでに受領していた200機強だけが問題を抱えているとも解釈できます。

でもそうであれば、Brown空軍参謀総長のような発言にはならない気がします。突き放したようなその表現に、F-35が既に米軍内で「お荷物」になりつつある気配さえ感じます

エンジンブレードの耐熱性不足
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13
「Lord次官が最後の会見でF-35問題を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21

最近のF-35
「海兵隊C型が完全運用態勢」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-08
「スイスが14番目の購入国に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-01
「英国防相がF-35企業に不満をぶちまける」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-24-1
「英国は調達機数半減か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-24
「伊軽空母に海兵隊F-35B展開」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-14-1
「F-35投資はどぶに金を捨てるようなもの」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13
「F-35稼働率の状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21
「新型戦術核搭載飛行試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-28
「5月の事故対策改修は秘密」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米軍F-35で初の完全運用態勢確立:海兵隊F-35C型 [亡国のF-35]

FacebookとTwitterもご活用ください!
Facebook→http://www.facebook.com/holylandsonettokyo
Twitter→https://twitter.com/Mongoose2011
///////////////////////////////////////////////

海兵隊F-35Bや空軍F-35Aは未だ「完全態勢」ではないのに
C型は空母用の形態で、実戦投入の話は聞いていないが
各軍種で完全運用態勢の定義が異なるようで

F-35C Marine3.jpg7月1日、米海兵隊はF-35C型保有の飛行隊(Marine Fighter Attack Squadron (VMFA) 314)が、完全な運用態勢を確立したと発表し、空母での運用と作戦投入が完全な状態で可能になったと明らかにしました

なお米海兵隊はF-35を420機導入する計画で、その形態別内訳は、垂直離着陸用B型を約350機、空母運用用C型を70機と言われています(ちなみに米海軍はC型を273機導入予定 現時点では)

ちなみに、「完全態勢」を宣言したMarine Fighter Attack Squadron (VMFA) 314飛行隊は、映画「トップガン」の部隊となった加州ミラマー海軍航空基地所属です

F-35C Marine2.jpg同飛行隊を零下に置く第3海兵航空団のChristopher Mahoney,少将は、「来年、同飛行隊は空母戦闘群の一員として作戦任務のため展開する予定だ」と今後について述べ、同飛行隊作戦士官の少佐は「今は(派遣予定の)艦艇に適合できるように、空母乗員との意思疎通訓練や事故対処訓練などを飛行訓練と共に継続して行っている」と説明しています

米軍では、海兵隊のF-35B型が2018年9月にアフガンで初実戦投入、空軍のF-35A型が2019年4月にイラクで初実戦投入されていますが、海兵隊B型も空軍A型も、いずれも初期運用態勢(initial operational capability)宣言のみで、完全運用態勢確立(full operational capability)は宣言しておらず、実戦投入の話を聞かない海兵隊のF-35C型がなぜ先に「完全態勢」を宣言できたのかは不明です

F-35C Marine.jpg初期運用態勢や完全運用体制の基準は、軍種や当該機種の運用要領により異なり、公表もされていませんが、地上の支援機材の体制、運用可能な飛行隊保有機数、任務可能レベルの操縦者や整備要員の数、安全面での管理運用体制、各種技量レベルなど、様々な要素が関連すると考えられます

空母艦載飛行隊の場合、15機以下程度で構成されるため、空軍の飛行隊(25機程度)より態勢確立が容易なのかもしれませんが、既に英空母エリザベスに展開し、実戦任務に従事している海兵隊F-35B飛行隊や、中東各地で任務に従事している空軍A型が「完全態勢」を宣言しない中、実戦投入の話も聞かない海兵隊C型が最初に「完全態勢」宣言とは驚きました

以下では、各形態のこれまでの歩みを、ざっくり振り返っておきます

イスラエル空軍A型
2016年12月に初号機受領、2017年に初期運用態勢確立
2018年5月22日、世界初のF-35作戦投入と発表。2つの作戦で攻撃任務を担った空軍司令官が発表

米海兵隊B型
2015年、安全運用態勢確立を発表
2018年3月、強襲揚陸艦Waspへの艦載運用開始
2018年9月、同艦艇から離陸し、初の作戦・アフガン地上攻撃遂行
2021年5月、英空母に派遣され一体運用開始、地中海、アラビア海、インド洋、南&東シナ海へ長期派遣

米空軍A型
2016年8月初期運用態勢確立
2019年4月、UAEの基地からイラク内の実戦に初投入
2021年5月、保有機数が283機を超え、機種別機数第2位に

米海兵隊C型
2020年1月、初号機受領
2020年3月、安全飛行態勢確立
2020年12月、初期運用態勢確立

米海軍C型
2019年2月、初期運用態勢確立
新型フォード級空母完成遅れ・・・
///////////////////////////////////////////////////

F-35C Marine4.jpg既に各種形態を合わせ、米軍内で300数十機が納入されているF-35ですので、有効活用されるのが一番です。
でも、空母上で撮影された海兵隊C型の写真が全く見当たりません。不思議です。。。
 
ですが、「高止まり」している維持整備費に対しては各方面から警告が発せられており、英国防相が「白紙の小切手を切るつもりは無い」「計画通り購入してほしければ、維持コストを下げろ」と英議会から訴え、7日付の米会計検査院レポートでGAOが「維持整備費高止まりの各種要因への対策とその成果が確認できるまで、本格量産に入るべきではない」と勧告し、上下院でも「現在の予算要求以上は絶対認めない」と一般ニュースになるレベルに問題化しています

これだけ問題になっていながら、日本が米軍に続いて世界第2位の購入量となる戦闘機ですので、今後もフォローしたいと思います

F-35初任務関連の記事
「イスラエルA型が初任務」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-05-26
「海兵隊B型が初実戦」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-09-28-1
「米空軍A型が初任務」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-01
「英海空軍共有F-35Bが初任務」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-27
「米空軍で保有機数第2位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-09

英国防相の恫喝
「英議会でF-35企業に激怒」→https://holylandtokyo.com/2021/06/25/1949/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

スイスが14番目のF-35購入決定国に [亡国のF-35]

36機購入決定をスイス政府が発表
機種選定でFA-18とTyhoonとRafaleを撃破
他提案より30年コストが2000億円以上安かったと!?

F-35 Swiss.JPG6月30日、スイス政府が現有F-18(F-5も)の後継機となる次期戦闘機(air policing mission機)に、機種選定で競ったFA-18とTyhoonとRafaleを退け、F-35A型36機を選んだと発表しました。

選定結果を発表したスイス連邦評議会(Swiss Federal Council)は、「F-35はスイス空域の防御と監視に、完全に新しく著しく優れたネットワークシステム能力を備えている」とその性能を讃え、スイス政府が設定していた購入価格上限約7000億円を相当下回る、約6000億円のロッキード提案に軍配を上げました。

F-35 Swiss3.jpg更に同評議会は、「運用コスト面でも最も低い提案だった」、と信じられないコメントを出していますが、30年間のトータルコスト見積りで、F-35は他の候補機に2300億円以上のの差をつけて勝利を勝ち取ったらしいです!?

ただ、スイス政府が重要評価要素としていた「スイス軍需産業の参画」面で、F-35は最善の提案ではなかったと同評議会はコメントしているようですが、報道では、タイフーンは最終組み立て工場をスイスに建設する提案を行い、ラファールも700ページに及ぶ提案を行ったと伝えられていま

F-35 Swiss4.jpgこの面でF-35のロッキード社は、F-35用キャノピー400機分製造と同維持整備拠点のスイス設置や、「Swiss cyber center」誘致を持ち出していたようです

なおスイス政府は同時に、地対空ミサイルの機種選定結果も発表し、フランスEurosam製のSAMP/T systemを破り、米レイセオン社のパトリオット5セットを購入すると発表しています

ちなみに、FA-18 Super Hornetを提案したボーイング社
●「比類なき性能を有するFA-18 Block III Super Hornetは、スイスが保有するF-18からの機種更新が容易で、かつ維持整備インフラの6割以上そのまま活用できるライフサイクルコスト面で最も優れた提案だと信じている
スイス側からのデブリーフィングを楽しみにしている」と不気味な声明を出しています

F-35導入を決定した国(カッコ内は購入予定機数)
●共同開発国(7か国とその他2国)
 豪州(100機), Denmark(27), Italy(90), Netherlands(37), Norway(52), 英国(138)、米国(2443)(空軍1763、海兵隊420、海軍260)
 カナダは共同開発国ながら選定を延々と実施中で、今年結果発表予定
 トルコも共同開発国ながら、ロシア製SAM購入で排除された

●FMS購入国(7か国)
Belgium(34機), Israel(19), 日本(42+100) , 韓国(40)、シンガポール(当面12機 最終的に約50機) ポーランド(32機 2020年1月)、スイス(32)

Lauderdale 2.jpgフィンランドも機種選定実施中で、カナダと並び来年春中に結果が明らかになるようです。ドイツもトーネード後継でF-35の臭いが・・

ロッキードは2月1日、新しいF-35担当責任者に女性のBridget Lauderdale副社長を任命してF-35体制を刷新したようですが、引き続き「亡国のF-35」との呼び名にふさわしい様相を呈する同戦闘機を、生暖かく見つめていきたいと思います

最近のF-35
「英国防相がF-35企業に不満をぶちまける」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-24-1
「英国は調達機数半減か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-24
「伊軽空母に海兵隊F-35B展開」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-14-1
「F-35投資はどぶに金を捨てるようなもの」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13
「F-35稼働率の状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21
「新型戦術核搭載飛行試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-28
「5月の事故対策改修は秘密」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

ALISの後継システムODIN
「ODINの開発中断」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-24
「ODIN提供開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ALISを断念しODINへ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-22
「ALIS問題を議会で証言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-15
「ALISは依然大きな障害」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-02

F-35維持費削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

ドイツと次期戦闘選定
「独3機種混合案検討を認める」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-23-1
「独トーネード後継を3機種混合で?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-29
「トーネード後継でFA-18優位?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-08
「独の戦闘機選定:核任務の扱いが鍵」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-01
「独トーネード90機の後継争い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28

カナダのダラダラ戦闘機選定
「仕切り直し戦闘機機種選定RFP発出」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-24
「カナダ仕切り直し戦闘機選定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

英国防相がF-35企業に不満をぶちまける [亡国のF-35]

FacebookとTwitterもご活用ください!
Facebook→http://www.facebook.com/holylandsonettokyo
Twitter→https://twitter.com/Mongoose2011
スマホにやさしい東京の郊外より2→https://holylandtokyo.com/
////////////////////////////////////////////////////////
 
「ロッキードに言わせてもらう」と英議会で警告
維持整備費高止まりと英製ミサイル搭載遅延に不満爆発

Wallace5.jpg23日、英国のBen Wallace国防相が英国議会国防委員会で、英国が2015年時点ではF-35購入機数を138機と明確にしてにもかかわらず、今年3月発表の国防予算計画「Defence in a competitive age」では曖昧な表現に終始している件について、F-35の高止まりしている維持整備費と、英国が要求している欧州製ミサイル搭載事業が遅々として進まないことへの不満が原因だと明言しました

英国議会という公式な場で、しかも国防相としての立場で、これ以上は無い・・・と言えるほど明確に、相手を指さして恫喝するがごとく、「維持費を下げなければ、支払い不可能な請求書に縛られるつもりは無い」、「F-35を計画通り買ってほしければ、コストを抑えろ」、「白紙の小切手を渡すつもりは毛頭ない」と訴えています

Queen Elizabeth2.jpg加えて、F-35に欧州MBDA製の中距離空対空ミサイル「Meteor」(米製AMRAAMと同等)と空対地ミサイル「Spear」を2024年ころまでに搭載する計画について、ロッキードとBAEが真剣に取り組んでいるようには見えない点にも強い不満を表明しています

一方で、英国と米国は作戦運用面では緊密な連携を保っており、最近では英国の新型空母エリザベスに米海兵隊F-35を派遣する形で常駐させ、更に米イージス艦を同空母に同行させ「空母攻撃群」として一体運用を開始しており、既に中東地域で作戦行動を行い、アジアにも進出予定となっているところです

以下では、Ben Wallace英国防相の怒り爆発の国防委員会発言をご紹介いたします

23日付Defense-News記事によれば同国防相は
Wallace4.jpgBAE SystemsやLockheed Martin社、更にF-35製造にかかわるすべての関係企業の皆さんに、私から重要なことをお伝えしたい。F-35の維持コストを下げることは皆さんにとって極めて重要なことである。なぜなら、私は我が国が支払不可能な請求書に縛られたくないと考えているからだ
更に重要で、関連企業の皆さんに承知しておいてほしいのは、我々が引き続き「Meteor空対空ミサイル」を英国F-35Bに搭載したいと考えており、そのための検討や設計作業などを後回しされることに我慢ならないと考えていることである

F-35B.jpgもし関連企業の皆さんが、英国によるF-35継続購入を期待されるのであれば、維持整備経費を抑制し、欧州製のミサイル搭載改修要請に対し、公平に公正に対応してほしい
英国は(現在発注済の)48機以上のF-35が必要だし、そのために投資したいと希望しているが、関連企業の皆さんがコスト管理や維持整備分野で役割を果たさず、英国製兵器の搭載を確かなものとしないなら、私は白紙の小切手を切るつもりは無い

上記の国防相発言に対しロッキード報道官は、「多くの投資により、過去5年間でF-35の飛行時間当たり経費を44%削減してきたし、今後5年間で英米を含む関係国と協力して40%削減するよう取り組んでいる」と述べている
///////////////////////////////////////////

英国防省関係者は、Wallace国防相の発言は、英国から米国に対する警告で、「Meteor空対空ミサイル」をF-35内部兵器庫に搭載する計画を邪魔するなら覚悟があることを伝えたものだとコメントしているようです

Wallace3.jpgまた国防相の発言は「Spear空対地精密誘導ミサイル」に触れていなませんが、「Meteor空対空ミサイル」のような扱いを受ければ、同様の問題として英米間に浮上するだろうと考えられているようです

なお、F-35の時間当たり維持整備費は、現状35000ドル/時間で第4世代機の約2倍で、これを25000ドル以下に2025年までに引き下げる目標を掲げていますが、様々なタイプのF-35が混在して維持整備が複雑で、整備支援システムALIS崩壊と後継ODIN開発中断で混乱に拍車がかかっており、加えて最新型Block4の導入も予定されていることから、削減目標達成は困難と考えられています

英国よりも遥かに多数のF-35を購入予定の日本も、これぐらい強気に出たいですがねぇ・・

英国のF-35への態度が冷徹に
「英国の138機F-35購入計画は多くて60-72機へ!?」→https://holylandtokyo.com/2021/03/31/174/
「英空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-11

空母エリザベスでは海兵隊F-35が
「英空母エリザベス米英のF-35B搭載で初出撃」→https://holylandtokyo.com/2021/05/11/1492/
「英新型空母と米駆逐艦が空母攻撃群を編成へ」→https://holylandtokyo.com/2021/01/27/308/

ALISの後継システムODIN
「ODINの開発中断」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-24
「ODIN提供開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ALISを断念しODINへ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-22
「ALIS問題を議会で証言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-15
「ALISは依然大きな障害」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-02

F-35維持費削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

資金不足でF-35兵站システムODIN開発停止 [亡国のF-35]

ALIS後継システムODINのソフト開発一時停止
要求より42%カットされた2021年度予算で資金尽きる
国防省F-35計画室長が衝撃の発表:再開時期説明できず

ODIN6.jpg22日、米国防省F-35計画室長のEric Fick空軍中将が下院軍事委員会で、機能不全で部隊や関係機関に大混乱を引き起こしているF-35兵站情報システムALISの後継システムとして、2020年1月に開発が決定(2022年12月運用開始を計画)したODINのソフト開発が、見積りの甘さと資金不足で「戦略的停止strategic pause」状態に至ったと証言しました

また再開見込みについて同室長は説明できず、ALISからODINへの移行状況、ODINハードの開発状況、同機保有部隊の状況、及び使用可能資金状況を踏まえて検討し、最新の状況を米議会にも今後報告していくと述べるにとどまりました

ODIN5.jpg兵站情報システムALIS(Autonomic Logistics Information System)の問題は語るに切ない惨状で、ソフト不具合からデータの誤処理が頻発して非稼働F-35を量産し、整備現場や部品管理施設を大混乱させ、おまけに旧発想設計で使いにくく、データ処理が遅く、機動展開用の機材が大きく重くかつネット接続できないなどなど、問題大爆発状態でした

いくら言ってもロッキードがALISを修正できないことから、2020年1月に国防省は開発費2兆円のALISをあきらめ新たなODIN(Operational Data Integrated Network)導入を決定し、ハードはロッキードだが、システム全体管理とソフトは国防省が主導して開発すると宣言しました

その後、昨年9月には新ハードの一部導入が海兵隊部隊で始まり、「装備の重量が1/10に」、「データ処理速度が2-3倍に」、「使いやすさも改善で部隊でも好評」とかの大本営発表(米国防省F-35計画室)がなされていたところでした

22日付Defense-News記事によれば
Fick2.JPGF-35計画室長は、2021年度のODIN関連予算が(おそらく予算要求額から)42%カットされたこともあり、ODINソフト開発の資金が底をついたことから、同開発を「戦略的停止strategic pause」したと証言した
そして「ODIN開発は全ての面において前進していたが、ALISシステムの複雑性やODINへの移行業務量を過小評価していたことについて、幾つかの教訓を得ることとなった」と反省の弁を述べた

また「我々はODINが想定されている地点に到達するため、ハード面でも、データ処理環境面でも、ソフト面でも必要するレベルに確実に到達し、ALISが期待されていた機能獲得追求を続ける」と語った
ODIN2.jpgただし同室長はODINソフト開発再開時期については説明できず、ALISからODINへの移行状況、ODINハードの開発状況、同機保有部隊の状況、及び使用可能資金状況を踏まえて検討し、最新の状況を米議会にも今後報告していくと証言するにとどまった

下院での発言とは別に提出された説明文書は、「ODINの装置はALISと比較して75%小型化され、重量も90%削減されており、価格も30%削減できる見込みである。またデータ処理速度も2-3倍速くなっていることが現場から報告されている」と説明している
また同文書は、「今年夏には、単一機材で複数の飛行部隊を支えることが可能な、経費も節減できる新機材を提供開始する予定」で、「ALISからODINへの移行経費として、今後5年間で約500億円を投資する予定だ」と説明している
///////////////////////////////////////////////////

ODIN4.jpg米国と「血の同盟」で結ばれたF-35共同開発国である英国がF-35調達予定機数を半減することを匂わせはじめ、1700機以上調達予定だった米空軍も1000機まで削減する検討中と報じられる中、共同開発国でもないFMS調達国待遇に甘んじつつも、世界第2位の調達機数を予定している日本は、「亡国のF-35」とともに没することになるのでしょうか・・

あまりに悲しく、戦闘機のために汗を流している現場の隊員の皆様があまりにもかわいそうです。航空自衛隊のOBを含む戦闘機命派には、しっかり説明責任を果たしていただきたいと思います

でもねぇ・・・航空自衛隊の主要ポストを務めた戦闘機パイロットは、退役後に外に向けて語ることがありませんねぇ・・・。パイロット以外の人しか研究会とか学会的なところには出てきませんし・・・。

ALISの後継システムODIN
「ODIN提供開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ALISを断念しODINへ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-22
「ALIS問題を議会で証言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-15
「ALISは依然大きな障害」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-02

F-35維持費削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

最近のF-35
「英国は調達機数半減か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-24
「伊軽空母に海兵隊F-35B展開」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-14-1
「F-35投資はどぶに金を捨てるようなもの」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13
「F-35稼働率の状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21
「新型戦術核搭載飛行試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-28
「5月の事故対策改修は秘密」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

英国の138機F-35購入計画は多くて60-72機へ!? [亡国のF-35]

23日発表の国防費計画で138機に言及無く疑念拡大
次期戦闘機「Tempest」開発優先で国内産業対策へ

2021 UK.jpg23日付Defensae-News記事は、英国防省が同日発表した国防予算計画「Defence in a competitive age」で、F-35購入について言及がなく、一方で英国がスウェーデン等と共同開発する次世代戦闘機「Tempest」に多額の投資を行うと明らかにしたことで、英国が2015年時点で表明していた138機F-35Bを購入する計画は極めて怪しくなったと伝えています

英国は2015年の「SDSR:Strategic Defence and Security Review」で、英国空軍と海軍が共同運用する形で138機F-35Bを購入するとしていましたが、現時点では2025年までに48機を導入する契約を結び、20機程度を受領した段階で、138機への動きは全く聞こえてきておらず、英国防省や英軍内でも138機体制が実現するとはだれも考えていない状態だと伝えられていたところでした

F-35B.jpgその結果として、当初、英海軍は空母エリザベス級空母を2隻建造し、各艦に最大32機のF-35B搭載する構想を持っていましたが、予算不足などから就航した1番艦空母エリザベスに20機以下のF-35Bしか搭載できず、米海兵隊F-35B部隊に最大能力試験の支援を依頼し、更に米海兵隊機との「戦力互換性:interchangeability」運用を目指すとの美しい形を演出して戦力不足を補っている状態

更に今年1月には、英海軍の新型空母エリザベスと米海軍の駆逐艦Sullivansが空母攻撃群を編成し、空母エリザベスの指揮のもと、2021年後半から作戦行動を行う旨の合意文書に米英国防大臣が署名して「強固な協力関係」をアピールしていますが、F-35B搭載可能な強襲揚陸艦を大火災で失った米海兵隊との「悲しきWIN-WIN関係」だとまんぐーすは邪推しております

Heappey UK.jpgただ、F-35の調達機数削減は米空軍も検討しているところ、関連企業が全米に分散されている米産業界への影響も大きく、政治的影響も大きいことから、英国としても慎重に検討を進めている姿勢を示し、米国新政権の出方を伺っているところでしょう

16日に英国政府は、安全保障や外交の中長期計画を定めた「安保・国防・外交政策統合レビュー(見直し)」を発表し、保有する核弾頭の上限目標を現在の180発から260発に引き上げる方針を表明し、世界を驚かせて安保への取り組み姿勢をアピールしましたが、すそ野の更に広い戦闘機に関しては「バチバチ」状態が続くのでしょう

3月23日付Defensae-News記事によれば
英国防省が23日発表した国防予算計画「Defence in a competitive age」では、「英国は、既に発注した48機を超えてF-35戦力拡大に取り組んでいく」と記されているが、2015年のSDSRに明示されていた138機体制への言及は全くなかった
Heappey UK2.jpgワシントンDC記者団への23日の会見で、この138機調達計画に関する直接的な記者からの質問に対しJames Heappey英国防副大臣は、明確な表現を避け、「48機購入にコミットしている」、「我々は他国とも共同でFuture Combat Air System(Tempestのこと)に取り組んでおり、将来の英軍航空戦力が如何にあるべきかの議論を行っている。ただ48機のF-35Bにはサイン済である」と回答した

昨年12月、本件に関し英国防省の計画担当であるRichard Knighton空軍中将は、「F-35Bを増強して英海軍空母の能力強化を進める必要性を感じているが、2025年ころまでに空母体制も含めて検討して結論を得たい」と述べるにとどまっていた

英シンクタンクのJustin Bronk研究員は、48機のF-35Bでは、英国軍が求める戦力レベルに達しないが、23日の文書がF-35調達の将来に言及しなかったことからすると、英国政府が国内産業維持を優先して「Tempest」投資を重視し、近未来の軍事的なニーズに目をつぶったのだろう、とコメントしている
F-35B2.jpg23日の文書国防予算計画「Defence in a competitive age」では、英国とスウェーデンが中心に共同開発の「Tempest」に対し、今後4年間で3000億円の開発費を投じる計画となっており、対抗する仏独伊スペインチームをおののかせている

「Tempest」計画は英国にとって、単に将来戦力としてだけでなく、軍需産業基盤にとって極めて重要な役割を期待されており、既に英国中の300以上の企業で1800以上の新規雇用を生み、18000名の既存高度熟練技能者を支えており、サプライチェーン全体では数万人規模に影響を与えると言われている
特に政治的経済的にかじ取りが難しい、Scotland, Wales and Northern Ireland地域の雇用への影響が大きい点でも、政治的な視点で見られがちな案件である

前出のJustin Bronk研究員は、「Tempestに対しこれだけ入れ込むシグナルが出ていることからすれば、F-35の調達機数は多く見積もっても合計で60-72機程度になるのでは」と見積もった
Heappey英副大臣は「F-35運用は、米、伊、豪などの海軍との共同運用を考える上で重要」で、このコミュニティーは無視できないともコメントしている
//////////////////////////////////////////////

英国防予算計画「Defence in a competitive age」
https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/971859/_CP_411__-_Defence_in_a_competitive_age.pdf

Queen Elizabeth.jpgF-35AとB型を、それぞれ105機と42機購入する予定で、米国に次ぐ世界第2位の購入予定数国でありながら、共同開発国の扱いも受けられない日本はどうするのでしょうか?

そもそも、対中国の環境からすれば、最新の戦闘機を導入するニーズ自体に疑問の余地が多い日本ですから、よく考えていただきたいものです

英空母エリザベスの悲しき現実
「英新型空母と米駆逐艦が空母攻撃群を編成へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-22
「コロナ下で800名乗艦で最終確認試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-01
「英空母エリザベスは米軍F-35B部隊と一体運用へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-26-1
「英海軍と英空軍共有のF-35Bが初任務」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-27
「米海兵隊F-35が英空母へ展開へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-09
「米軍F-35Bを英空母に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16
「英空母が航空機不足で米軍にお願い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-03

F-35搭載改修終了直前の惨事(放火)
「強襲揚陸艦Bonhomme Richard火災の衝撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-15

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米海兵隊F-35Bが伊空母に展開し受け入れ準備支援 [亡国のF-35]

伊軍も30機F-35B購入予定で同空母搭載準備中
英空母とは共同運用構想にまで発展しているが

F-35B Cavour3.jpg13日付Military.comは、米海兵隊F-35部隊約180名が約4週間に渡りイタリア海軍軽空母Cavourに展開し、同空母のF-35B受け入れ試験航海を支援したと報じています。

イタリアの軽空母Cavourは、海上自衛隊の「いづも」とほぼ同じ大きさで、「ひゅうが」よりは一回り大きく、2009年から就航している艦艇ですが、現在主戦力として搭載している12機のAV-8Bの後継として、F-35B受け入れ準備を行っており、米海兵隊が空母戦力化を支援した形です

F-35B.jpgイタリアは空軍が通常型のF-35A型を約90機購入予定で、更に短距離離陸垂直着陸のF-35Bを海空軍で計30機購入する計画を持っています。伊海軍は軽空母でのF-35B運用を想定し、空軍はF-35Bを短い滑走路しかない機動飛行場で運用することを想定しているようです

現時点でイタリアは、2機のF-35Bを受領し、米国内のBeaufort米海兵隊航空基地(SC州)で要員の訓練&養成を行っています

欧州の中では、英国に続いてF-35に積極的だったイタリアは、最終組み立て工場FACOや部品製造分担も担っているのですが、どうもお国柄(失礼・・・)からかうまく稼働していないようで、加えてコロナが追い打ちをかけた厳しい財政情勢からF-35調達が危うい雰囲気となっており、米軍がイタリアのF-35熱が冷めないように懸命に支援している・・・とも解釈できます

13日付Military.com記事によれば
F-35B Cavour.jpg米海兵隊のPatuxent River海軍航空基地所属の約180名が、約4週間に渡りイタリア空母Cavourを拠点に活動し、米海兵隊F-35Bの操縦を試験評価第23飛行隊のパイロットが務め、伊空母のF-35B受け入れ態勢準備を支援した
米第2艦隊のAndrew Lewis司令官は、「イタリア海軍の空母体制準備支援は、我々の共同運用体制における安全と戦闘能力向上につながるものだ」、「この支援を通じ両軍はさらに能力を向上させる」と語っている

空母Cavour艦長のGiancarlo Ciappina大佐は、「第5世代戦闘機が実際に我が空母に展開して活動するという、我々すべてにとって特筆すべき成果である」、「既に大きな成果であるが、同時にイタリア海軍にとって新たな挑戦の始まりでもある」と訓練の意義を語っている
///////////////////////////////////////////////////

米海兵隊F-35Bが伊空母Cavourで活動(3分半)


米海兵隊は、F-35Bを十分に調達できない英海軍のため、新型の英空母Queen ElizabethにもF-35Bを派遣して空母受け入れ態勢準備を支援し、2021年1月には、両国からF-35Bと空母を差し出し、同空母と米駆逐艦で空母攻撃群を構成する合意文書にも署名しています

F-35B Cavour2.jpgそして今年中旬以降、米駆逐艦Sullivansと空母エリザベスが空母攻撃群を構成して作戦行動に出ることも決まっています。イタリア空母の場合、そこまで米軍と深い関係とはならないようですが、F-35Bを活用した両国軍の関係強化には貢献したということでしょう

英空母エリザベスの悲しき現実
「英新型空母と米駆逐艦が空母攻撃群を編成へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-22
「コロナ下で800名乗艦で最終確認試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-01
「英空母エリザベスは米軍F-35B部隊と一体運用へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-26-1
「英海軍と英空軍共有のF-35Bが初任務」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-27
「米海兵隊F-35が英空母へ展開へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-09
「米軍F-35Bを英空母に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16
「英空母が航空機不足で米軍にお願い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-03

F-35搭載改修終了直前の惨事(放火)
「強襲揚陸艦Bonhomme Richard火災の衝撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-15

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

下院軍事委員長がF-35を痛烈批判「どぶに金を捨てるのか」 [亡国のF-35]

米空軍による戦闘機構成検討「TacAir」の背景にある問題児
高止まり維持費、利益地元誘導政治家が絡み身動きできぬ苦悩

Smith2.jpg5日、Adam Smith下院軍事委員長(民主党)がブルッキングスで講演し、「どぶに金を捨てるようなF-35への投資を止めさせたい」などとF-35を厳しく批判し、「金食い虫のF-35に今後35年も頼らなくてよいような道を探るべき」と訴えました

この問題には米軍も苦悩しており、同機を1763機も調達予定の米空軍でも、2月17日にBrown米空軍参謀総長が「5世代機と次世代制空機NGADと新たな5世代機マイナスとの混合編成」を考える必要があるとして、新たに「5世代機マイナス」性能のF-16後継機開発を含めた、「TacAir study」検討を数か月間で行うと表明したところです

F-35 3-type.jpg飛行時間当たりの維持費が第4世代機の2倍で下がる見通しが立たず、まだ開発と製造が同時進行状態で稼働率も上がらないF-35にこれ以上依存では破産するとの現実的な問題ですが、F-35製造関連企業や工場を政治家対策のため全米に分散させた結果、地元利益誘導の米議員集団が「亡国のF-35」計画の推進を要求しており、「民主主義の悪夢」の様相を呈しています

Brown空軍参謀総長は初の黒人軍種トップとして話題の大将ですが、予算の現実を直視しない前線部隊や政治屋からの大反対を受けつつ、「今決断せねば勝利はない」との強い決意で戦闘機問題に臨もうとしていますが、黒人ゆえの悲哀を感じつつ、孤独な戦いが続いています。重鎮である下院軍事委員長の発言を「追い風」として、改革が進められるのかに注目しているところです

Adam Smith下院軍事委員長はブルッキングスで
Smith.jpgF-35は我々に何を与えてくれるか? 我々の損失を断ち切る道はあるのか? このような問題の多いアセットへの多額投資を止める方法はないのか? 皆さんも知っているだろう。この機体の維持費は暴力的だ!
私は最も費用対効果の高い戦闘機の構成(a mix of fighter- aircraft)を検討したいと考えている。今後35年間、問題山積のF-35に依存しないために、何かを見つけたいと考えているのだ 

我々はこれまで、期待通りに機能しない兵器システムに驚くほど巨額の資金を浪費してきた。我々が受け入れてきてしまった過ちは、唖然とするほど巨大なものである。F-35は・・
しかし、(地元利益誘導の)米議員からのF-35支援の声が強く、米国がF-35に縛られる状況に陥りつつあることを情けなく思う。米国議会はコストが高騰し続ける兵器システムをチェックする役割を担っているはずなのに・・

2月25日Brown空軍参謀総長は戦闘機問題について
Brown3.jpg(2月17日に「TacAir study」を発表したのは、)今後調達していくF-35だけでなく、今後10-15年のスパンでF-35を補完していく他の方法も含め、総合的な検討を行いたいと考えたからだ
必要な能力を確保するため、F-35を計画通り1763機導入するオプションから、予算で対応可能な4世代機プラス(5世代機マイナス)を利用するオプションについても、幅広く検討したいと考えている
//////////////////////////////////////////////////////

米空軍は1763機調達予定を、1070機まで減らす検討をしていると昨年末に報道され、「火の無いところに煙は立たず」で、そうならざるを得ないと思います・・・

まんぐーすも、いつまでもグダグダとF-35の負の話題をお伝えしたくはないのですが、日本は世界第2位のF-35購入国になる計画を持ち、共同開発国でもないことから米国以上の調達&維持コストを強いられることが明らかだから触れずにはおれません

F-35 Luke.jpgおまけに、主に海外に展開して戦う米軍とは異なり、日本を拠点として戦う自衛隊の性格からすれば、有事に飛行場等の機能喪失が容易に予想できる中で、F-35に多額の投資を行うことが如何に「亡国の政策」かも、くりかえして口にせざるを得ません

前線で真摯に国防に取り組みたいと汗を流す隊員の皆さんが、これ以上「亡国のF-35」で苦しむ姿は見るに堪えません・・・。時すでに遅し‥でしょうか? 日本も「TacAir study」を、いやより大きな戦力構成再検討を行ったらどうでしょうか?

2月17日Brown参謀総長発表の「TacAir study」関連
「戦闘機世代混合比や5世代マイナス機の検討」→→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-19
「戦闘機族ボスがNGADへの危機感を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-27-1

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

F-35のエンジンブレードと整備性問題発覚 [亡国のF-35]

稼働率低調の2大原因の一つ
キャノピー問題は第2メーカー参入の5月まで辛抱か

F-35 F135.jpg12日付Defense-Newsが国防省筋の話として、F-35の稼働率低空飛行の当面の原因とされているF135エンジン問題について、エンジンブレード耐熱塗装の問題と、オーバーホール整備に想定以上の時間が必要となっている問題を取り上げ、国防省F-35計画室の対処方針を紹介しています

また、退任直前のLord前次官が明らかにしていたエンジン以外のもう一つのF-35稼働率低迷要因である「キャノピー」については、5月から新たなメーカーが製造や補修に参入して前線部隊を支える方向だと、同記事は紹介しています

F-35 F135engine.jpg退任前日の1月19日にLord前次官が明らかにしたF-35稼働率は、「複数ある任務の一つでも可能な機体は69%で、全ての任務が可能な機体は39%」との衝撃的なものでしたが、上記のエンジン整備やキャノピー問題だけに原因を集約するのは無理があり、兵站情報管理システム(ALISに代わりODIN)トラブルや部品確保サプライチェーンの混乱や想定以上の部品故障率や整備員の技量未熟等々・・・複数の大きな原因が背景にあります

ただ、当面の大きな課題であるF135エンジン問題とキャノピー問題の2つの状況をご紹介しておきます

12日付Defense-News記事によれば
12日、国防省F-35計画室幹部が、F-35用のF135エンジンの問題は2つあり、一つはオクラホマ州Tinker空軍基地の「F135 Heavy Maintenance Center」で計画通りの時間でエンジン整備が終了しない問題で、もう一つはエンジンブレードのコーティングが想定より早く損傷する問題だと説明した
F-35 F135 5.jpg同高官は「深刻な態勢維持上の問題だ」と述べ、上記問題により2022年まではF-35の5-6%の機体はエンジンが無い状態となり、2割のF-35が何らかの影響を受けることになる可能性があると述べた

この状況を受け、米空軍はF-35の展示飛行チームに対し、2021年の展示飛行計画から8つの計画を削減し、エンジンへの負担を減らしてエンジン整備所要を抑制するよう指示した

このエンジン問題に国防省F-35計画室が気づいたのは2020年初めで、同年夏には、上記エンジン整備センターで予定されていた年間60台のエンジン整備が遂行できないことが明らかになった
F-35 F135 4.jpg整備センターでの遅れは多様な要因で発生しており、技術データ不足、整備工程管理の不具合、整備支援機材の不足、整備担当者の技量不足などなどが組み合わさって発生している、と同幹部は語った

エンジン整備センターでの問題対処には、整備作業ラインをもう一つ6月までに立ち上げる方向で、また国防省とPratt & Whitneyが整備支援強化で契約を結び、作業員の技量向上訓練にも着手する予定である
これら対策により、「現状200日以上必要としているエンジン整備を、122日程度で終了させたい」と同幹部は語った

もう一つのエンジンブレードの問題は、耐熱コーティングが想定より早く劣化する問題である
本件に関しPratt & Whitney(Raytheon Technologiesの傘下:オースチン国防長官は関与できるのか?)は、2020年からエンジンブレード改良処理過程を導入開始し、製造ラインに投入していると声明を出している

F-35 F135 2.jpg2月17日にTinker空軍基地が「F-35関連各級指揮官がF-35関連の種々の課題を議論する会議サミット」を開催し、F135エンジン問題に関する議論も行われた模様だが、国防省関係者は細部への言及を避けた

唯一の良いニュースは、もう一つの稼働率関連の課題であるキャノピー問題で、現在唯一の「canopy transparencies」サプライヤーであるGKN Aerospaceがキャノピーのコーティングの表面剥離問題で製造・修理に苦しみ必要量の提供が滞っている中、第2のサプライヤーが参画する予定であることである
PPG Aerospaceという第2のキャノピーサプライヤーは、5月から「canopy transparencies」を提供開始する予定である
//////////////////////////////////////////////////

F135エンジンについては、F-35製造が始まる段階で「あの火災事故の原因対策は終了したのか?」、「本当に大丈夫か?」、「いろんな不具合データが出ており別のエンジンが良いのではないか」等々の意見が多く出されていたと記憶していますが、今になって・・・ではないことを祈ります

でも、最初に述べたように、エンジンとキャノピー問題はあくまで目の前の課題であり、その後ろや足元には、より大きな構造的な維持整備の問題が山積していることを忘れてはなりません

米空軍でまもなく第2位の保有機数となるF-35ですが、維持整備問題で既に大きな「お荷物」となっています。量産前に・・・

2016年9月23日の火災事故記事
「日本用1番機の式典日に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
「本当?:背風を受けF-35エンジン始動時に火災」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-07-13

2014年6月の火災事案
「火災メカニズム」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-04
「当面の対処と設計変更」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-29
「深刻:問題は軽易ではない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-08
「F-35:2週間後も飛行停止」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-26
「P&W社がエンジン亀裂を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-24

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

Lord次官:最後はF-35稼働率の状況説明 [亡国のF-35]

複数ある任務の一つでも可能な機体は69%
全ての任務が可能な機体は39%
ご紹介が遅くなってしまいましたが・・・ 

Lord2.jpg1月19日、20日正午に退任したEllen Lord調達担当国防次官が最後の記者会見を行い、F-35の稼働率改善状況について説明しました。

F-35の稼働率については以前から何回かご紹介してきましたが、この会見の模様を報じるDefense-News記事もコメントしているように、その発表事項の統計の範囲や数値の定義が「安全保障上の非公開事項」にあたるとして明確でないため、あまり突っ込んで議論もできないのですが、大まかな傾向としてご紹介しておきます

Mattis.jpgちなみに米軍は、当時のMattis国防長官から主要な戦闘機(F-22、F-35、F-16、FA-18)の稼働率80%を達成せよと指示されましたが、結局クリアーすることができず、Mattis長官退任後に、「単純な稼働率80%目標は、部隊任務達成度合いに比例しない」と理由をつけ、従来からの部隊ごと機種ごとの目標設定に回帰しています

そんな中で、Lord次官がF-35の稼働率について最後の会見で説明したのかよくわかりませんが、米軍が抱える調達や維持整備の問題の典型として、また史上最大の装備品調達であるF-35の状況に触れる責任を感じたのかもしれません

20日付Defense-News記事によれば
F-35 3-type.jpg19日、記者団に対しLord次官は、F-35は引き続き稼働率目標達成のために努力を続けているが、目標としている80%には到達していないと説明した
具体的に同次官は、「多数ある任務の一つでも可能:can meet at least one of its assigned missions」な機体の割合は現状で69%で、目標の80%に達していないと述べ、「全ての任務が遂行可能な機体:fully mission capable aircraft」の割合は36%で、目標50%に向け努力していると説明した

これら稼働率が改善されない主な理由として同次官は、キャノピーの表面剥離やF135エンジン関連問題があると語った
同次官は細部には言及しなかったが、キャノピーについては以前から表面のコーティング剥離が課題となっており、2019年に国防省F-35準備室報道官が製造メーカー「GKN Aerospace」と改善協議を行っていると説明していたところである

ただ、国防省としては、種々の問題を抱えつつも、F-35の稼働率は改善していると説明を続けており、例えば

●2020年7月の下院委員会でLord次官は
F-35稼働率は、2020年1月には60%であったが、同年6月には70%に上昇した。また全ての任務が可能な機体比率は、同期間で40%から50%に上昇したと説明し

●2019年11月の下院委員会でLord次官は
戦闘任務にあたる飛行部隊での稼働率は、2018年10月の55%から、2019年9月の73%に上昇した・・・等と説明してきている

F-35B.jpg一方で、この「稼働率」がどのような統計数値を基に算出されているのかは、「作戦運用上の非公開事項」であるとして不明確な部分も多く、公表数値がF-35の中でも初期に納入されて教育部隊で主に使用されている稼働率の低い機体を含めた数値である場合や、「作戦用部隊:combat-coded squadrons」の数値である場合がまちまちで、単純な比較が難しいケースもある
会計検査院GAOレポートでも、2018年度はF-35の3タイプ全てで稼働率が向上したと記載されているものの、細部データが記載されていないケースがある

また、2020年11月の会計検査院GAOレポートでは以下のような説明があるが、年度ごとの稼働率の細部は公開されず、毎月継続的に上昇しているのか、凸凹がかなりあるが上昇しているのか等の傾向は読み取れない
--- 2012年から2019年の間で、F-35Aが国防省が定めた目標稼働率を達成したのは2年のみ
--- 2013年から2019年の間で、F-35Bが同様の目標達成は1年のみ、F-35Cは2年のみ
--- 目標稼働率を達成できなかった主要な原因は、修理に必要な部品不足である。サプライチェーンが前線部隊が必要とする部品をタイムリーに提供できないのだが、加えて、部品が想定していたよりも頻繁に壊れ、また米軍内の補修能力が故障に十分対応できない点も低い稼働率の要因である
//////////////////////////////////////////////////

F-35 Gilmore.jpg軍隊とすれば、重要装備品の稼働率は隠したい数値ですので致し方ないのですが、開発と部隊導入を同時に進めた結果、様々なバージョンが部隊で混在し、維持整備に困難を抱えているF-35の状態を垣間見るためにご紹介いたしました

最近F-35関連報道は減少傾向ですが、米空軍F-35の保有機数は昨年夏時点で機種別第3位(1位F-16が938機、2位A-10が281機、3位F-35Aは241機)で、今年春にはA-10を抜いて第2位になる見込みです。開発途中のF-35ですが、早くも維持整備問題が大きな課題の「亡国のF-35」です

航空自衛隊のF-35部隊の状況は不明ですが、苦労されていないことを願います

主要戦闘機の稼働率問題など
「8割目標を放棄」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-08
「海軍FA-18は何とか達成?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-25
「米空軍はF-16のみ達成可能」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-09-06
「戦闘機稼働率8割への課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-09
「マティス国防長官が指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-11

「B-1爆撃機の稼働機一桁の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「2/3が飛行不能FA-18の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3

最近のF-35関連記事
「新型戦術核搭載飛行試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-28
「5月の事故対策改修は秘密」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-24
「ODIN提供開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

F-35A型への新型戦術核B61-12搭載飛行試験終了 [亡国のF-35]

部品の信頼性問題でB61-12製造が2022年以降と大幅遅延中も
F-15Eとは3月、B-2とは6月に搭載適合試験終了とか

B61-12 F-35.jpg11月23日付TheDriveが、ネバダ州の秘密試験場で行われた新型戦術核爆弾B61-12のF-35A型内部兵器搭載庫への搭載・投下試験が一応終了したと映像付きで紹介し、3月のF-15Eと6月のB-2爆撃機に続いての成果だとしています

ただF-15EやB-2は、核爆発から機体を守る改修対応済で既存の3つの戦術核(B61-1,2,10型)も使用可能ですので、新型B61-12へ適合搭載試験だけで、恐らく実戦可能となっているのでしょうが、コロナとの関係や作戦上の秘密として、以前は2020年末としていた適合承認時期について、米空軍は今は明確にしていません

B61-12 F-35 3.jpgまたもう一つの大きな問題として、航空機搭載の新型戦術核兵器B61-12も、潜水艦搭載のSLBM「Trident D5」の弾頭「W88 ALT 370」も、民間企業製造の重要部品の信頼性が不足していることが2019年に判明し、1個当たり5ドル程度の当該部品の代替品を確保するために約900億円もの投資が必要だと判明した等の理由で、B61-12の配備開始は早くとも2022年以降になる状況も絡んでいます

更に言えば、上記のような核兵器に関する信頼性確保や関連製造維持インフラへの投資額も含めると、B61-12の価格は同重量の「黄金」と同程度にもなるとも言われており、核兵器の在り方や抑止概念の整理などの議論を生起させる要因となっているところです

11月23日付TheDrive記事によれば
B61-12 2.jpgSandia国立研究所は、米空軍やロスアラモス研究所と協力し、新型戦術核爆弾B61-12重力投下爆弾をF-35Aに適合させる一連の飛行試験を終了したと明らかにし、F-35の内部兵器格納庫(internal bomb bay)から同戦術核爆弾を投下する映像を初めて公開した
公開された映像は、8月25日に非公開のネバダ州Tonopah Test Rangeで行われた試験模様で、B61-12型の模擬爆弾を高度約3300mから投下し、42秒後に指定されていた目標地点に着弾した様子を納めている

同戦術核システムチーム長は「F-35による歴史的な投下試験を成功裏に実施できた。この試験で同戦術核とF-3A5型との連接に関する機械、電気回路、データ通信など全ての側面を確認できた」、「これら最近の試験はF-35AとB61-12爆弾に関わる最も緊要な部分であった」と成功した試験を振り返った
B61-12 3.jpg8月の試験映像では、F-35から投下されたB61-12が、落下途中で同爆弾中央部に装備されたロケットを噴射して自らを安定させるための回転運動を始める様子が確認できる。また同爆弾にはJDAMキットに含まれているようなフィンが装着されており、GPS信号による誘導と空力作用で誘導爆弾的な運用が可能となっている

F-35へのB61-12適合試験は遅くとも2019年から開始されており、2020年6月には国防省F-35計画室が搭載試験飛行の写真を公開していたが、今回の搭載投下飛行試験の終了を受けても、最終的にいつ承認されるのか米空軍は「作戦運用上の秘密」として言及を避けている。2017年時点では、2020年末には搭載承認が下りると予定されていたが

2020年8月の投下試験(約50秒)


ただ、特にF-35Aでの試験は、超音速飛行可能な機種の空気抵抗の少ない内部兵器格納庫(internal bomb bay)から投下する手段を確保した点で重要であり、超音速飛行可能なF-15Eでも外部搭載した状態からの投下や、内部兵器庫から投下可能ながら亜音速飛行した出来ないB-2(B-21次期爆撃機を含む)からの投下とはその重要性が異なる
ちなみに、強固な防空網圏内での作戦が困難とされているB-52爆撃への搭載適合試験が行われるかは不透明だが、現時点ではB-52の脆弱性から戦術核兵器搭載任務は付与されていない

B61-12 F-35 2.jpgSandia国立研究所は、3月にF-15E戦闘爆撃機とB61-12新型戦術核の敵動画確認できたと発表し、6月にはB-2戦略爆撃機との適合性も確認したと明らかにしている
欧州NATO加盟国との「NATO nuclear sharing commitments」の関係から、欧州諸国が広く使用しているF-16C/DとB61-12との適合試験も計画されているが、ドイツやイタリアがトーネードの後継機として検討しているFA-18との適合試験実施は今検討中である
///////////////////////////////////////////////

B61戦術核兵器の話題は、欧州NATO諸国との「NATO nuclear sharing commitments」との関係から興味深い話なのですが、4年ぶりに取り上げました。ドイツのトーネード後継選定のゴタゴタと合わせ、欧州と米国の関係を考える上での「リトマス試験紙」の一つですので・・

しかし核兵器は「お高い兵器」なんですねぇ・・・・。日本も核武装を・・・との勇ましい話が時々飛び出しますが、このあたりも踏まえた落ち着いた議論が望まれます・・・

F-15Eストライクイーグルでの投下試験(2分半)


戦術核兵器とF-35等
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ドイツと戦闘機関連記事
「独3機種混合案検討を認める」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-23-1
「独トーネード後継を3機種混合で?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-29
「トーネード後継でFA-18優位?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-08
「独の戦闘機選定:核任務の扱いが鍵」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-01
「独トーネード90機の後継争い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28

核兵器の経費関連記事
「核戦力維持に10兆円?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

5月のF-35着陸事故の対策機体改修は「秘密」 [亡国のF-35]

作戦運用上のセキュリティー漏洩につながるからとか
機体全損・パイロット大けがレベルの事故では異例の非公開

F-35 accident.jpg11月23日米国防省F-35計画室は、5月19日のエグリン基地夜間着陸時に発生した機体全損・パイロット重症の重大事故に関し、作戦運用上の必要性からハード対策の内容については非公開とすると発表しましたが、機体のソフトやハードが関係する大事故にもかかわらず、対策が非公開との異例の対応に驚きの声が上がっているようです

事故調査報告書が10月上旬に発表され、主因と副因が明らかとなっていますが、全世界で585機が運用中で合計33万時間以上の飛行時間を記録しているF-35でも未だに未解明だったソフトバグや機材不具合があったと報告されていますが、その上で対策が非公開との対応に、敵が悪用可能な弱点がありそうな雰囲気です

またこの事故関連の対策費を、米国防省とロッキードのどちらが負担するのかについても「非公開」となっており、なにやら「闇」を感じさせる事故事例となりそうです

当該事故の概要
F-35 accident2.jpg2020年5月19日、学生訓練を指導した教官パイロット操縦のF-35Aが夜間着陸を行う際、規定速度より50ノットも早い202ノット、着陸時の機首上げ角度も既定の13度より少ない5.2度で着陸た。
この規定外の着陸姿勢速度にも警告音は出なかったが、パイロットは着地直後に異常を感じ、アフターバーナーで再離陸のため機首上げを試みたが、機首下げモードに機体が反応したことから、操縦者はベイルアウトを選択した

操縦者が脱出後、機体は1回転して大破し修理不能となり、パイロットも脱出時にキャノピー等の破片で目や体に傷を負い、背骨も負傷し、命に別状はないが重傷を負った
事故の主因は、着陸時の速度設定を誤ったことと事故報告書は指摘しているが、複数の副因が主因に関連して事故を誘発したと報告書は指摘している

当該事故の副因
F-35 accident3.jpg浅い角度の着陸で全輪が同時に着地する特殊な状況下で、パイロットが回復操作や再離陸動作を行ったことで機体コンピュータの処理が飽和し、機首下げをコンピュータが操縦者指示にオーバーライドして命じたが、着地後3-5秒間のこの機体反応は、操縦マニュアルやシミュレータにも反映されておらず、未知の機体反応だった

また、操縦者はHMDが今までに経験がない「誤表示:misalignment」を示し、更に「green glow」して周辺を目視で十分確認できず、修正が間に合わずに低高度で着陸侵入したと証言し、HMDの改修指示が出された
もともとF-35での計器飛行着陸は難しいと言われているが、F-35の酸素供給装置は呼吸に体力を要し(to work too hard at breathing)、他機種と比較し格段に疲労による認知能力の低下(ognitive degradation)を招いた
///////////////////////////////////////////////////

F-35 2.jpg10月に報告書が出た際、記者団は国防省F-35計画室に質問を出しましたが、同計画室は調査チームが所属した米空軍教育訓練コマンドに聞いてくれと対応し、逆に質問を振られた米空軍教育訓練コマンドは、報告を受け対策を決定するのは同計画室だからそちらに聞いてくれと「たらいまわし」状態を生み出し、自ら傷口に塩を刷り込んだ黒歴史を誇っています

教官パイロットが事故を起こしたこともあり、非常にインパクトが大きかった事故ですが、最後まで話題を提供してくれています

当該操縦者のご回復と今後のF-35無事故を祈念し、紹介とさせていただきます

最近のF-35
「ODIN提供開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

鬼門の戦闘機酸素供給装置
「F-35で謎の低酸素症多発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-06-11

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

ギリシャが公式に中古F-35購入を要請 [亡国のF-35]

2021年から受領開始したいと希望
融資期限が迫るEUローンを利用で急ぐのか?
トルコや在シリアロシア軍を警戒か?

F-35 Greece.jpg11月6日付でギリシャ国防省が米国に対し、18-24機の中古F-35を早急に導入したい旨の公式文書を発出し、来年2021年から初号機を受領開始したいと要望している模様です

ギリシャ空軍は154機の旧式F-16を保有(84機がBlock 52、70機がBlock 30 and 40)し、2018年に近代化改修を約1000億円で発注しているようですが、最近のトルコの軍事脅威やシリア進出ロシア軍の圧力を感じてか、中古12機を含むRafale戦闘機18機の購入契約(2021年から受領開始予定)を仏と結び、経済的には破綻に近い大混乱状態の中でも軍事力強化を考えているようです

Greece.jpg2019年初旬からギリシャは25-30機のF-35購入を米国に希望していたようですが、ギリシャの経済状況等を勘案し、米側はF-16最新輸出型で製造・維持整備体制が確立している「F-16V Block 70」導入を推奨していたようで、そこまでしてF-35を追求する理由を米専門家は、少数のF-35導入で、主力F-16戦闘機の「戦力増強:force multiplier」剤としての役割を期待しているのでは・・・と推測しています

また「2021年から初号機受領」とのスピードを急ぐ背景には、脅威論以外に、融資期限が迫るEUローン活用の皮算用があるのだろうとの米軍需産業関係者の話をメディアは紹介しています

いずれにしても、「中古のF-35」とか「2021年から初号機受領」とか、何でもありの世界の戦闘機市場の中でも驚きを隠せないお話ですので、推測を多分に含んだ米軍事メディアの記事をとりあえずご紹介しておきます

19日付米空軍協会web記事によれば
F-35 Greece2.jpgギリシャが発出した公式文書(LOR:Letter of Request)は、機体提供のスピード、F-35機体の形態、支払い計画について条件を設けているようで、初号機の受領が2021年との条件にも「極めて重要:crucial」との言葉が使用されている
取材に対し匿名の国防省関係者は、F-35に余分な機体など存在しないと語り、ギリシャの要求を満たせるF-35機体は存在しないと語っているが、最近初期に生産されたF-35が、量産を目指す最新型と形態が大きく異なり、実戦用に改修するには大きな投資が必要で米空軍が苦慮しており、仮設敵機部隊(アグレッサー)としての使用も検討していると報道されている状況でもあ

F-16 Greece2.jpgまた、昨年トルコがロシア製防空システムS-400を導入開始したことでF-35計画から除外され、トルコが購入予定だった約100機の行き先が宙に浮いているとの見方があるが、その場合は「中古」と言えないと国防省関係者はコメントしている
仮にギリシャがF-35新造機を希望する場合でも、既に2024年分までの製造計画と提供先はセットされており、それ以降でないと製造ラインに乗らないと軍需産業関係者は語っている
////////////////////////////////////////////////////

トランプ大統領の最後の腕力で、この契約もまとめるのでしょうか? 

UAEへの売却については、米議会の中で「売却阻止法案」を提案する議員の動きがあるようですが、こちらの方もあと2か月でまとめ上げるのでしょうか。最近ノルウェーもF-35を機種選定対象にしたとか、風のうわさで聞きましたが・・・。

F-35 Greece4.jpgF-35は、開発中に生産をなし崩し的に始めたことから、それでなくても部品製造と供給網と兵站管理システム機能不全なのに、多様な異なる形態のF-35が混在して、現場整備員に大きな負担を強いています。米国内のコロナ蔓延でサプライチェーンは混乱が増幅しており、明るい話題がないのですが・・・

最近のF-35記事
「UAEへの輸出に事実上合意」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-26
「ODIN導入開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
「維持費削減:F-35計画室長語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「同上:米空軍参謀総長が」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02

ALIS関連の記事
「ODIN導入開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ALISを断念しODINへ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-22
「ALIS問題を議会で証言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-15
「ALISは依然大きな障害」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-02

F-35維持費削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

F-35維持整備の大問題ALISの後継ODIN導入開始 [亡国のF-35]

2022年12月のODIN運用開始に向け
ロッキード依存やめ国防省主導の後継ODIN導入
まずは海兵隊F-35B部隊から

F-35B.jpg21日、米国防省F-35計画室が、F-35維持整備の最大の課題の一つである兵站自動情報システムALISの後継機種であるODIN(Operational Data Integrated Network)を、米海兵隊Yuma航空基地所属のF-35B部隊に提供開始したと発表しました

F-35兵站自動情報システムのALIS(Autonomic Logistics Information System)は本来、個々のF-35の状態をリアルタイムで把握して故障個所を整備員に知らせ、整備計画を自動立案して提案し、必要な自動部品を発注し、任務計画や訓練記録まで助けてくれるシステムのはずでした。

しかし2000年代前半の思想や技術で設計された同システムは、不格好で(物理的に)重く処理速度も遅く、スマホ操作に慣れた現場整備員には扱いにくく、おまけにソフト不具合が山ほどあり、正常な機体を異常と判断する誤警報が頻発し、部品自動発注も大混乱、必要な基礎データ入力にも長時間必要でスタックも頻発し、会計検査院GAOが訪問した部隊では週に400件も不具合が発生してALISの世話に余計な人員を割く必要があるなど、F-35稼働率が上がらない元凶のひとつとなってきました

ODIN2.jpg更に設計思想が古いALISは設備が大型で重く、機動展開に適さないことからトラブルにつながることも多く、F-35部隊指揮官が演習に参加する際は「ALIS不具合対処」を想定して時間的余裕を確保する必要がある情けない状態だと3月に会計検査院が指摘しているほどです

会計検査院は国防省に対し、ALISの不具合原因と要求性能未達成部分、F-35部隊の稼働率低下程度、それによる損失を明確に示し、1兆9000億円以上投入して開発してきたALISを捨ててODINを導入する説明を求めていますが、明確な回答がないままODINが進んでいる状況です

そんなALISとODINですが、21日の米国防省F-35計画室発表によれば、導入開始のODINは少しはマシなようですので、予定通り2022年12月にODINが運用開始となることを祈りつつ、また日本が余計な追加経費負担を迫られないことを願いつつ、アリゾナ州米海兵隊Yuma航空基地の様子をご紹介しておきます

23日付Defense-News記事によれば
F-35B2.jpg10月21日の米国防省F-35計画室発表によれば、米海兵隊Yuma航空基地に提供が開始されたODIN装備の一部は既に試験的に使用開始されており、9月29日と30日に計5回のODIN装備を活用した試験飛行が無事行われた模様である
搬入されたODINの装備は、ALISの最新ソフト(3.5.2.2 software)を使用して試験飛行を支援しており、今後2022年12月のODIN運用開始までの間で予定されているALISとODINの併用運用にも問題がないことを確認しながら導入が進められている

ALISのサーバーは人間の背丈ほどある大型のラックで提供されており、重量も400㎏程度あることから部隊の機動展開時に支障をきたしていたが、ODINの同装備は重量30㎏程度の旅行用キャリーケース2個ほどの大きさであり、持ち運びが格段に容易になっ
データ処理速度もODINでは改善が見られ、新たなODINハードはALISの約2倍の処理速度で、整備員や部品管理機関からの関連データ入力もALISの約2倍の速度で可能になっていることが確認されている

ODIN3.jpgまた、ALISと異なりODINはクラウド使用を前提として設計されており、システム使用中に見つかったソフトの不具合を修正したなら、オンライン環境で即座に提供して改善することが可能である
国防省幹部はALISとODINの最大の違いについて、「ALISをロッキード社が開発したのに対し、ODINは国防省内の専門チームが主導し、ロッキードや米空軍ソフト開発部署など各所の知見を集約して開発がすすめられている点である」と説明している

Yuma基地での今後の進め方について担当幹部は、「ALISからALISとODINの併用使用体制に移行するため、約1年後の2021年秋に当該F-35B部隊を一時運用休止状態にする。細部の時程については、F-35B部隊の運用スケジュールを優先して柔軟に今後検討する」と説明している
///////////////////////////////////////////////////////

ODIN4.jpg揚げ足を取るつもりはありませんが、これはあくまでも「米国防省F-35計画室」の発表であり、いわば大本営発表です

機体の状態判定に関する「誤警報」や部品誤発注の問題、現場整備員の使いやすさ等々について改善されたのかアピールがなく、「処理速度が2倍」とのコンピュータシステムとしては微妙な改善と、「今頃ですか」の機材サイズと軽量化の話だけです

今後に期待いたしましょう

ALIS関連の記事
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ALISを断念しODINへ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-22
「ALIS問題を議会で証言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-15
「ALISは依然大きな障害」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-02

最近のF-35
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

F-35維持費削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

飛行隊長が語るF-35中東展開でかく戦えり [亡国のF-35]

F-35の中東派遣第2弾で昨年10月から9か月間
新米パイロットや整備員を引き連れた中佐が振り返る

F-35 Al Dhafra.jpg8月18日付米空軍協会web記事が、F-35飛行隊の第2弾として中東UAEのAl Dhafra基地に派遣された第34戦闘飛行隊長Aaron Cavazos中佐への取材記事を掲載し、命令から2週間で現地に展開し、米本土ではほとんど想定していないような任務から、不便な分散基地からの運用ACE(agile combat employment)も長期にわたり遂行した様子を紹介しています

米空軍応援団の米空軍協会のF-35紹介記事ですので、様々に評判の良くないF-35をアピールするための「よいしょ記事」の部類ですが、現場の作戦運用について最近はガードが堅い米空軍が、F-35の活躍を紹介するため、少しは現場の様子を紹介していますので取り上げます

戦闘機部隊の飛行隊長と言えば、おそらく30代半ばから40代半ばぐらいまでの中佐です。初の実戦派遣を経験する新人パイロットや整備員をも引き連れての奮闘ぶりをご紹介し、現場の頑張りに敬意を表します

18日付米空軍協会web記事によれば
Al Dhafra.jpg米空軍のF-35は、過去16か月間に渡り継続して中東に派遣されているが、そこではISISの残党を攻撃したり、米海軍部隊の護衛にあたったり、地上部隊を支援したり、また新たな戦法のテストを行ったり、様々な任務に従事し、米軍のプレゼンスを示している
ご紹介する第34戦闘飛行隊は、昨年10月から今年6月までUAEに派遣され、いくつもの「F-35初」に挑戦して成し遂げてきた部隊であるが、同飛行隊長が米空軍協会へのメッセージを寄せてくれたので紹介したい

「次に派遣される飛行隊だとは知らされていたが、それがいつになるかは知らされていなかった。ある日飛行訓練から戻る飛行中に、航空団司令官がお呼びだとの連絡を受け、誰かが負傷した場合や任務指示以外ないことなので、着陸後、心して司令官室に出向いた。そして約2週間後に、我が飛行隊は戦闘任務に従事していた
F-35 Al Dhafra2.jpg「派遣期間を通じ、我が飛行隊はF-35で何が出来るかをあらゆる側面から証明できたと思う。米中央軍からの要求は、CAS近接航空支援から防空、攻撃的任務から海上作戦支援へと、1日の中でも目まぐるしく変化した」、「だが、我々は命に応じて全てに対応し、第5世代機の能力からすると普通は期待されないCAS用の機銃掃射から、米空母戦闘群の護衛までを1日の中で遂行した

派遣期間の任務の大部分はISISへの攻撃だったが、イランとの緊張が高まる中での展開はイラン抑止を強く意識したものとなり、従来の中東への展開時とは異なり、より強い脅威を意識し、日々ATO(air tasking order)をこなす伝統的な展開任務とは一線を画す体制だった
例えばイランがイラク内の米軍基地を弾道ミサイルで攻撃した際、米国は公式に認めなかったが同飛行隊が中東に展開していた。当時、イランとロシアが6機のF-35が国境付近を飛行していると主張していたが、同F-35はかつて民間機を撃墜した防空ミサイルクルーが地上に展開していることを探知していた

また第34飛行隊は、展開兵士の1/3を非公開の設備不十分な基地に展開し、3か月間継続して後方支援の不十分な基地からの運用を遂行し、ACE(agile combat employment)を実戦環境で実施した実例となった
F-35 Gilmore.jpgF-35の維持整備は依然として大きな課題で、2019年の稼働率は62%以下となっているが、第34飛行隊は非公開の展開先での運用を含め、維持整備問題で命ぜられた飛行を断念したことは一度もなく、この面でも特筆すべき成果を上げている

同飛行隊長は「F-35操縦教育を終えたばかりの操縦者も実戦に触れ、どのように統合作戦が遂行されているかや、予測不可能なことが生起する現実を体感した。これらの経験は彼らを確実に成長させている。当然自信につながるし、帰国後の日々の訓練で何を鍛えるべきかを身にしみて感じている」、「寄せ集めのF-35部隊から、F-35ファミリーになれた」と振り返った
/////////////////////////////////////////////////

「機銃掃射」に「ACE(agile combat employment)」ですか・・・・

「six U.S. F-35s were tracked flying near its borders, spooking air defense crews to the point that one crew shot down a civilian airliner by accident」の意味がよくわかりませんが、F-35の偵察能力の高さをアピールした表現だと思います

コロナの影響で派遣期間が延びた第34飛行隊ですが、部隊は大きく成長したでしょう

「作戦サイクル・ATOサイクルなど役に立つのか?」
https://crusade.blog.ss-blog.jp/2014-05-05

最近のF-35記事
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
「維持費削減:F-35計画室長語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「同上:米空軍参謀総長が」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02

ブログ「東京の郊外より」支援の会を立ちあげました!
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース
前の15件 | - 亡国のF-35 ブログトップ