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F-35のエンジンブレードと整備性問題発覚 [亡国のF-35]

稼働率低調の2大原因の一つ
キャノピー問題は第2メーカー参入の5月まで辛抱か

F-35 F135.jpg12日付Defense-Newsが国防省筋の話として、F-35の稼働率低空飛行の当面の原因とされているF135エンジン問題について、エンジンブレード耐熱塗装の問題と、オーバーホール整備に想定以上の時間が必要となっている問題を取り上げ、国防省F-35計画室の対処方針を紹介しています

また、退任直前のLord前次官が明らかにしていたエンジン以外のもう一つのF-35稼働率低迷要因である「キャノピー」については、5月から新たなメーカーが製造や補修に参入して前線部隊を支える方向だと、同記事は紹介しています

F-35 F135engine.jpg退任前日の1月19日にLord前次官が明らかにしたF-35稼働率は、「複数ある任務の一つでも可能な機体は69%で、全ての任務が可能な機体は39%」との衝撃的なものでしたが、上記のエンジン整備やキャノピー問題だけに原因を集約するのは無理があり、兵站情報管理システム(ALISに代わりODIN)トラブルや部品確保サプライチェーンの混乱や想定以上の部品故障率や整備員の技量未熟等々・・・複数の大きな原因が背景にあります

ただ、当面の大きな課題であるF135エンジン問題とキャノピー問題の2つの状況をご紹介しておきます

12日付Defense-News記事によれば
12日、国防省F-35計画室幹部が、F-35用のF135エンジンの問題は2つあり、一つはオクラホマ州Tinker空軍基地の「F135 Heavy Maintenance Center」で計画通りの時間でエンジン整備が終了しない問題で、もう一つはエンジンブレードのコーティングが想定より早く損傷する問題だと説明した
F-35 F135 5.jpg同高官は「深刻な態勢維持上の問題だ」と述べ、上記問題により2022年まではF-35の5-6%の機体はエンジンが無い状態となり、2割のF-35が何らかの影響を受けることになる可能性があると述べた

この状況を受け、米空軍はF-35の展示飛行チームに対し、2021年の展示飛行計画から8つの計画を削減し、エンジンへの負担を減らしてエンジン整備所要を抑制するよう指示した

このエンジン問題に国防省F-35計画室が気づいたのは2020年初めで、同年夏には、上記エンジン整備センターで予定されていた年間60台のエンジン整備が遂行できないことが明らかになった
F-35 F135 4.jpg整備センターでの遅れは多様な要因で発生しており、技術データ不足、整備工程管理の不具合、整備支援機材の不足、整備担当者の技量不足などなどが組み合わさって発生している、と同幹部は語った

エンジン整備センターでの問題対処には、整備作業ラインをもう一つ6月までに立ち上げる方向で、また国防省とPratt & Whitneyが整備支援強化で契約を結び、作業員の技量向上訓練にも着手する予定である
これら対策により、「現状200日以上必要としているエンジン整備を、122日程度で終了させたい」と同幹部は語った

もう一つのエンジンブレードの問題は、耐熱コーティングが想定より早く劣化する問題である
本件に関しPratt & Whitney(Raytheon Technologiesの傘下:オースチン国防長官は関与できるのか?)は、2020年からエンジンブレード改良処理過程を導入開始し、製造ラインに投入していると声明を出している

F-35 F135 2.jpg2月17日にTinker空軍基地が「F-35関連各級指揮官がF-35関連の種々の課題を議論する会議サミット」を開催し、F135エンジン問題に関する議論も行われた模様だが、国防省関係者は細部への言及を避けた

唯一の良いニュースは、もう一つの稼働率関連の課題であるキャノピー問題で、現在唯一の「canopy transparencies」サプライヤーであるGKN Aerospaceがキャノピーのコーティングの表面剥離問題で製造・修理に苦しみ必要量の提供が滞っている中、第2のサプライヤーが参画する予定であることである
PPG Aerospaceという第2のキャノピーサプライヤーは、5月から「canopy transparencies」を提供開始する予定である
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F135エンジンについては、F-35製造が始まる段階で「あの火災事故の原因対策は終了したのか?」、「本当に大丈夫か?」、「いろんな不具合データが出ており別のエンジンが良いのではないか」等々の意見が多く出されていたと記憶していますが、今になって・・・ではないことを祈ります

でも、最初に述べたように、エンジンとキャノピー問題はあくまで目の前の課題であり、その後ろや足元には、より大きな構造的な維持整備の問題が山積していることを忘れてはなりません

米空軍でまもなく第2位の保有機数となるF-35ですが、維持整備問題で既に大きな「お荷物」となっています。量産前に・・・

2016年9月23日の火災事故記事
「日本用1番機の式典日に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
「本当?:背風を受けF-35エンジン始動時に火災」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-07-13

2014年6月の火災事案
「火災メカニズム」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-04
「当面の対処と設計変更」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-29
「深刻:問題は軽易ではない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-08
「F-35:2週間後も飛行停止」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-26
「P&W社がエンジン亀裂を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-24

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Lord次官:最後はF-35稼働率の状況説明 [亡国のF-35]

複数ある任務の一つでも可能な機体は69%
全ての任務が可能な機体は39%
ご紹介が遅くなってしまいましたが・・・ 

Lord2.jpg1月19日、20日正午に退任したEllen Lord調達担当国防次官が最後の記者会見を行い、F-35の稼働率改善状況について説明しました。

F-35の稼働率については以前から何回かご紹介してきましたが、この会見の模様を報じるDefense-News記事もコメントしているように、その発表事項の統計の範囲や数値の定義が「安全保障上の非公開事項」にあたるとして明確でないため、あまり突っ込んで議論もできないのですが、大まかな傾向としてご紹介しておきます

Mattis.jpgちなみに米軍は、当時のMattis国防長官から主要な戦闘機(F-22、F-35、F-16、FA-18)の稼働率80%を達成せよと指示されましたが、結局クリアーすることができず、Mattis長官退任後に、「単純な稼働率80%目標は、部隊任務達成度合いに比例しない」と理由をつけ、従来からの部隊ごと機種ごとの目標設定に回帰しています

そんな中で、Lord次官がF-35の稼働率について最後の会見で説明したのかよくわかりませんが、米軍が抱える調達や維持整備の問題の典型として、また史上最大の装備品調達であるF-35の状況に触れる責任を感じたのかもしれません

20日付Defense-News記事によれば
F-35 3-type.jpg19日、記者団に対しLord次官は、F-35は引き続き稼働率目標達成のために努力を続けているが、目標としている80%には到達していないと説明した
具体的に同次官は、「多数ある任務の一つでも可能:can meet at least one of its assigned missions」な機体の割合は現状で69%で、目標の80%に達していないと述べ、「全ての任務が遂行可能な機体:fully mission capable aircraft」の割合は36%で、目標50%に向け努力していると説明した

これら稼働率が改善されない主な理由として同次官は、キャノピーの表面剥離やF135エンジン関連問題があると語った
同次官は細部には言及しなかったが、キャノピーについては以前から表面のコーティング剥離が課題となっており、2019年に国防省F-35準備室報道官が製造メーカー「GKN Aerospace」と改善協議を行っていると説明していたところである

ただ、国防省としては、種々の問題を抱えつつも、F-35の稼働率は改善していると説明を続けており、例えば

●2020年7月の下院委員会でLord次官は
F-35稼働率は、2020年1月には60%であったが、同年6月には70%に上昇した。また全ての任務が可能な機体比率は、同期間で40%から50%に上昇したと説明し

●2019年11月の下院委員会でLord次官は
戦闘任務にあたる飛行部隊での稼働率は、2018年10月の55%から、2019年9月の73%に上昇した・・・等と説明してきている

F-35B.jpg一方で、この「稼働率」がどのような統計数値を基に算出されているのかは、「作戦運用上の非公開事項」であるとして不明確な部分も多く、公表数値がF-35の中でも初期に納入されて教育部隊で主に使用されている稼働率の低い機体を含めた数値である場合や、「作戦用部隊:combat-coded squadrons」の数値である場合がまちまちで、単純な比較が難しいケースもある
会計検査院GAOレポートでも、2018年度はF-35の3タイプ全てで稼働率が向上したと記載されているものの、細部データが記載されていないケースがある

また、2020年11月の会計検査院GAOレポートでは以下のような説明があるが、年度ごとの稼働率の細部は公開されず、毎月継続的に上昇しているのか、凸凹がかなりあるが上昇しているのか等の傾向は読み取れない
--- 2012年から2019年の間で、F-35Aが国防省が定めた目標稼働率を達成したのは2年のみ
--- 2013年から2019年の間で、F-35Bが同様の目標達成は1年のみ、F-35Cは2年のみ
--- 目標稼働率を達成できなかった主要な原因は、修理に必要な部品不足である。サプライチェーンが前線部隊が必要とする部品をタイムリーに提供できないのだが、加えて、部品が想定していたよりも頻繁に壊れ、また米軍内の補修能力が故障に十分対応できない点も低い稼働率の要因である
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F-35 Gilmore.jpg軍隊とすれば、重要装備品の稼働率は隠したい数値ですので致し方ないのですが、開発と部隊導入を同時に進めた結果、様々なバージョンが部隊で混在し、維持整備に困難を抱えているF-35の状態を垣間見るためにご紹介いたしました

最近F-35関連報道は減少傾向ですが、米空軍F-35の保有機数は昨年夏時点で機種別第3位(1位F-16が938機、2位A-10が281機、3位F-35Aは241機)で、今年春にはA-10を抜いて第2位になる見込みです。開発途中のF-35ですが、早くも維持整備問題が大きな課題の「亡国のF-35」です

航空自衛隊のF-35部隊の状況は不明ですが、苦労されていないことを願います

主要戦闘機の稼働率問題など
「8割目標を放棄」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-08
「海軍FA-18は何とか達成?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-25
「米空軍はF-16のみ達成可能」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-09-06
「戦闘機稼働率8割への課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-09
「マティス国防長官が指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-11

「B-1爆撃機の稼働機一桁の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「2/3が飛行不能FA-18の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3

最近のF-35関連記事
「新型戦術核搭載飛行試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-28
「5月の事故対策改修は秘密」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-24
「ODIN提供開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

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F-35A型への新型戦術核B61-12搭載飛行試験終了 [亡国のF-35]

部品の信頼性問題でB61-12製造が2022年以降と大幅遅延中も
F-15Eとは3月、B-2とは6月に搭載適合試験終了とか

B61-12 F-35.jpg11月23日付TheDriveが、ネバダ州の秘密試験場で行われた新型戦術核爆弾B61-12のF-35A型内部兵器搭載庫への搭載・投下試験が一応終了したと映像付きで紹介し、3月のF-15Eと6月のB-2爆撃機に続いての成果だとしています

ただF-15EやB-2は、核爆発から機体を守る改修対応済で既存の3つの戦術核(B61-1,2,10型)も使用可能ですので、新型B61-12へ適合搭載試験だけで、恐らく実戦可能となっているのでしょうが、コロナとの関係や作戦上の秘密として、以前は2020年末としていた適合承認時期について、米空軍は今は明確にしていません

B61-12 F-35 3.jpgまたもう一つの大きな問題として、航空機搭載の新型戦術核兵器B61-12も、潜水艦搭載のSLBM「Trident D5」の弾頭「W88 ALT 370」も、民間企業製造の重要部品の信頼性が不足していることが2019年に判明し、1個当たり5ドル程度の当該部品の代替品を確保するために約900億円もの投資が必要だと判明した等の理由で、B61-12の配備開始は早くとも2022年以降になる状況も絡んでいます

更に言えば、上記のような核兵器に関する信頼性確保や関連製造維持インフラへの投資額も含めると、B61-12の価格は同重量の「黄金」と同程度にもなるとも言われており、核兵器の在り方や抑止概念の整理などの議論を生起させる要因となっているところです

11月23日付TheDrive記事によれば
B61-12 2.jpgSandia国立研究所は、米空軍やロスアラモス研究所と協力し、新型戦術核爆弾B61-12重力投下爆弾をF-35Aに適合させる一連の飛行試験を終了したと明らかにし、F-35の内部兵器格納庫(internal bomb bay)から同戦術核爆弾を投下する映像を初めて公開した
公開された映像は、8月25日に非公開のネバダ州Tonopah Test Rangeで行われた試験模様で、B61-12型の模擬爆弾を高度約3300mから投下し、42秒後に指定されていた目標地点に着弾した様子を納めている

同戦術核システムチーム長は「F-35による歴史的な投下試験を成功裏に実施できた。この試験で同戦術核とF-3A5型との連接に関する機械、電気回路、データ通信など全ての側面を確認できた」、「これら最近の試験はF-35AとB61-12爆弾に関わる最も緊要な部分であった」と成功した試験を振り返った
B61-12 3.jpg8月の試験映像では、F-35から投下されたB61-12が、落下途中で同爆弾中央部に装備されたロケットを噴射して自らを安定させるための回転運動を始める様子が確認できる。また同爆弾にはJDAMキットに含まれているようなフィンが装着されており、GPS信号による誘導と空力作用で誘導爆弾的な運用が可能となっている

F-35へのB61-12適合試験は遅くとも2019年から開始されており、2020年6月には国防省F-35計画室が搭載試験飛行の写真を公開していたが、今回の搭載投下飛行試験の終了を受けても、最終的にいつ承認されるのか米空軍は「作戦運用上の秘密」として言及を避けている。2017年時点では、2020年末には搭載承認が下りると予定されていたが

2020年8月の投下試験(約50秒)


ただ、特にF-35Aでの試験は、超音速飛行可能な機種の空気抵抗の少ない内部兵器格納庫(internal bomb bay)から投下する手段を確保した点で重要であり、超音速飛行可能なF-15Eでも外部搭載した状態からの投下や、内部兵器庫から投下可能ながら亜音速飛行した出来ないB-2(B-21次期爆撃機を含む)からの投下とはその重要性が異なる
ちなみに、強固な防空網圏内での作戦が困難とされているB-52爆撃への搭載適合試験が行われるかは不透明だが、現時点ではB-52の脆弱性から戦術核兵器搭載任務は付与されていない

B61-12 F-35 2.jpgSandia国立研究所は、3月にF-15E戦闘爆撃機とB61-12新型戦術核の敵動画確認できたと発表し、6月にはB-2戦略爆撃機との適合性も確認したと明らかにしている
欧州NATO加盟国との「NATO nuclear sharing commitments」の関係から、欧州諸国が広く使用しているF-16C/DとB61-12との適合試験も計画されているが、ドイツやイタリアがトーネードの後継機として検討しているFA-18との適合試験実施は今検討中である
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B61戦術核兵器の話題は、欧州NATO諸国との「NATO nuclear sharing commitments」との関係から興味深い話なのですが、4年ぶりに取り上げました。ドイツのトーネード後継選定のゴタゴタと合わせ、欧州と米国の関係を考える上での「リトマス試験紙」の一つですので・・

しかし核兵器は「お高い兵器」なんですねぇ・・・・。日本も核武装を・・・との勇ましい話が時々飛び出しますが、このあたりも踏まえた落ち着いた議論が望まれます・・・

F-15Eストライクイーグルでの投下試験(2分半)


戦術核兵器とF-35等
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ドイツと戦闘機関連記事
「独3機種混合案検討を認める」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-23-1
「独トーネード後継を3機種混合で?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-29
「トーネード後継でFA-18優位?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-08
「独の戦闘機選定:核任務の扱いが鍵」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-01
「独トーネード90機の後継争い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28

核兵器の経費関連記事
「核戦力維持に10兆円?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1

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5月のF-35着陸事故の対策機体改修は「秘密」 [亡国のF-35]

作戦運用上のセキュリティー漏洩につながるからとか
機体全損・パイロット大けがレベルの事故では異例の非公開

F-35 accident.jpg11月23日米国防省F-35計画室は、5月19日のエグリン基地夜間着陸時に発生した機体全損・パイロット重症の重大事故に関し、作戦運用上の必要性からハード対策の内容については非公開とすると発表しましたが、機体のソフトやハードが関係する大事故にもかかわらず、対策が非公開との異例の対応に驚きの声が上がっているようです

事故調査報告書が10月上旬に発表され、主因と副因が明らかとなっていますが、全世界で585機が運用中で合計33万時間以上の飛行時間を記録しているF-35でも未だに未解明だったソフトバグや機材不具合があったと報告されていますが、その上で対策が非公開との対応に、敵が悪用可能な弱点がありそうな雰囲気です

またこの事故関連の対策費を、米国防省とロッキードのどちらが負担するのかについても「非公開」となっており、なにやら「闇」を感じさせる事故事例となりそうです

当該事故の概要
F-35 accident2.jpg2020年5月19日、学生訓練を指導した教官パイロット操縦のF-35Aが夜間着陸を行う際、規定速度より50ノットも早い202ノット、着陸時の機首上げ角度も既定の13度より少ない5.2度で着陸た。
この規定外の着陸姿勢速度にも警告音は出なかったが、パイロットは着地直後に異常を感じ、アフターバーナーで再離陸のため機首上げを試みたが、機首下げモードに機体が反応したことから、操縦者はベイルアウトを選択した

操縦者が脱出後、機体は1回転して大破し修理不能となり、パイロットも脱出時にキャノピー等の破片で目や体に傷を負い、背骨も負傷し、命に別状はないが重傷を負った
事故の主因は、着陸時の速度設定を誤ったことと事故報告書は指摘しているが、複数の副因が主因に関連して事故を誘発したと報告書は指摘している

当該事故の副因
F-35 accident3.jpg浅い角度の着陸で全輪が同時に着地する特殊な状況下で、パイロットが回復操作や再離陸動作を行ったことで機体コンピュータの処理が飽和し、機首下げをコンピュータが操縦者指示にオーバーライドして命じたが、着地後3-5秒間のこの機体反応は、操縦マニュアルやシミュレータにも反映されておらず、未知の機体反応だった

また、操縦者はHMDが今までに経験がない「誤表示:misalignment」を示し、更に「green glow」して周辺を目視で十分確認できず、修正が間に合わずに低高度で着陸侵入したと証言し、HMDの改修指示が出された
もともとF-35での計器飛行着陸は難しいと言われているが、F-35の酸素供給装置は呼吸に体力を要し(to work too hard at breathing)、他機種と比較し格段に疲労による認知能力の低下(ognitive degradation)を招いた
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F-35 2.jpg10月に報告書が出た際、記者団は国防省F-35計画室に質問を出しましたが、同計画室は調査チームが所属した米空軍教育訓練コマンドに聞いてくれと対応し、逆に質問を振られた米空軍教育訓練コマンドは、報告を受け対策を決定するのは同計画室だからそちらに聞いてくれと「たらいまわし」状態を生み出し、自ら傷口に塩を刷り込んだ黒歴史を誇っています

教官パイロットが事故を起こしたこともあり、非常にインパクトが大きかった事故ですが、最後まで話題を提供してくれています

当該操縦者のご回復と今後のF-35無事故を祈念し、紹介とさせていただきます

最近のF-35
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鬼門の戦闘機酸素供給装置
「F-35で謎の低酸素症多発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-06-11

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ギリシャが公式に中古F-35購入を要請 [亡国のF-35]

2021年から受領開始したいと希望
融資期限が迫るEUローンを利用で急ぐのか?
トルコや在シリアロシア軍を警戒か?

F-35 Greece.jpg11月6日付でギリシャ国防省が米国に対し、18-24機の中古F-35を早急に導入したい旨の公式文書を発出し、来年2021年から初号機を受領開始したいと要望している模様です

ギリシャ空軍は154機の旧式F-16を保有(84機がBlock 52、70機がBlock 30 and 40)し、2018年に近代化改修を約1000億円で発注しているようですが、最近のトルコの軍事脅威やシリア進出ロシア軍の圧力を感じてか、中古12機を含むRafale戦闘機18機の購入契約(2021年から受領開始予定)を仏と結び、経済的には破綻に近い大混乱状態の中でも軍事力強化を考えているようです

Greece.jpg2019年初旬からギリシャは25-30機のF-35購入を米国に希望していたようですが、ギリシャの経済状況等を勘案し、米側はF-16最新輸出型で製造・維持整備体制が確立している「F-16V Block 70」導入を推奨していたようで、そこまでしてF-35を追求する理由を米専門家は、少数のF-35導入で、主力F-16戦闘機の「戦力増強:force multiplier」剤としての役割を期待しているのでは・・・と推測しています

また「2021年から初号機受領」とのスピードを急ぐ背景には、脅威論以外に、融資期限が迫るEUローン活用の皮算用があるのだろうとの米軍需産業関係者の話をメディアは紹介しています

いずれにしても、「中古のF-35」とか「2021年から初号機受領」とか、何でもありの世界の戦闘機市場の中でも驚きを隠せないお話ですので、推測を多分に含んだ米軍事メディアの記事をとりあえずご紹介しておきます

19日付米空軍協会web記事によれば
F-35 Greece2.jpgギリシャが発出した公式文書(LOR:Letter of Request)は、機体提供のスピード、F-35機体の形態、支払い計画について条件を設けているようで、初号機の受領が2021年との条件にも「極めて重要:crucial」との言葉が使用されている
取材に対し匿名の国防省関係者は、F-35に余分な機体など存在しないと語り、ギリシャの要求を満たせるF-35機体は存在しないと語っているが、最近初期に生産されたF-35が、量産を目指す最新型と形態が大きく異なり、実戦用に改修するには大きな投資が必要で米空軍が苦慮しており、仮設敵機部隊(アグレッサー)としての使用も検討していると報道されている状況でもあ

F-16 Greece2.jpgまた、昨年トルコがロシア製防空システムS-400を導入開始したことでF-35計画から除外され、トルコが購入予定だった約100機の行き先が宙に浮いているとの見方があるが、その場合は「中古」と言えないと国防省関係者はコメントしている
仮にギリシャがF-35新造機を希望する場合でも、既に2024年分までの製造計画と提供先はセットされており、それ以降でないと製造ラインに乗らないと軍需産業関係者は語っている
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トランプ大統領の最後の腕力で、この契約もまとめるのでしょうか? 

UAEへの売却については、米議会の中で「売却阻止法案」を提案する議員の動きがあるようですが、こちらの方もあと2か月でまとめ上げるのでしょうか。最近ノルウェーもF-35を機種選定対象にしたとか、風のうわさで聞きましたが・・・。

F-35 Greece4.jpgF-35は、開発中に生産をなし崩し的に始めたことから、それでなくても部品製造と供給網と兵站管理システム機能不全なのに、多様な異なる形態のF-35が混在して、現場整備員に大きな負担を強いています。米国内のコロナ蔓延でサプライチェーンは混乱が増幅しており、明るい話題がないのですが・・・

最近のF-35記事
「UAEへの輸出に事実上合意」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-26
「ODIN導入開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
「維持費削減:F-35計画室長語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「同上:米空軍参謀総長が」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02

ALIS関連の記事
「ODIN導入開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
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「ALISを断念しODINへ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-22
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F-35維持費削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
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F-35維持整備の大問題ALISの後継ODIN導入開始 [亡国のF-35]

2022年12月のODIN運用開始に向け
ロッキード依存やめ国防省主導の後継ODIN導入
まずは海兵隊F-35B部隊から

F-35B.jpg21日、米国防省F-35計画室が、F-35維持整備の最大の課題の一つである兵站自動情報システムALISの後継機種であるODIN(Operational Data Integrated Network)を、米海兵隊Yuma航空基地所属のF-35B部隊に提供開始したと発表しました

F-35兵站自動情報システムのALIS(Autonomic Logistics Information System)は本来、個々のF-35の状態をリアルタイムで把握して故障個所を整備員に知らせ、整備計画を自動立案して提案し、必要な自動部品を発注し、任務計画や訓練記録まで助けてくれるシステムのはずでした。

しかし2000年代前半の思想や技術で設計された同システムは、不格好で(物理的に)重く処理速度も遅く、スマホ操作に慣れた現場整備員には扱いにくく、おまけにソフト不具合が山ほどあり、正常な機体を異常と判断する誤警報が頻発し、部品自動発注も大混乱、必要な基礎データ入力にも長時間必要でスタックも頻発し、会計検査院GAOが訪問した部隊では週に400件も不具合が発生してALISの世話に余計な人員を割く必要があるなど、F-35稼働率が上がらない元凶のひとつとなってきました

ODIN2.jpg更に設計思想が古いALISは設備が大型で重く、機動展開に適さないことからトラブルにつながることも多く、F-35部隊指揮官が演習に参加する際は「ALIS不具合対処」を想定して時間的余裕を確保する必要がある情けない状態だと3月に会計検査院が指摘しているほどです

会計検査院は国防省に対し、ALISの不具合原因と要求性能未達成部分、F-35部隊の稼働率低下程度、それによる損失を明確に示し、1兆9000億円以上投入して開発してきたALISを捨ててODINを導入する説明を求めていますが、明確な回答がないままODINが進んでいる状況です

そんなALISとODINですが、21日の米国防省F-35計画室発表によれば、導入開始のODINは少しはマシなようですので、予定通り2022年12月にODINが運用開始となることを祈りつつ、また日本が余計な追加経費負担を迫られないことを願いつつ、アリゾナ州米海兵隊Yuma航空基地の様子をご紹介しておきます

23日付Defense-News記事によれば
F-35B2.jpg10月21日の米国防省F-35計画室発表によれば、米海兵隊Yuma航空基地に提供が開始されたODIN装備の一部は既に試験的に使用開始されており、9月29日と30日に計5回のODIN装備を活用した試験飛行が無事行われた模様である
搬入されたODINの装備は、ALISの最新ソフト(3.5.2.2 software)を使用して試験飛行を支援しており、今後2022年12月のODIN運用開始までの間で予定されているALISとODINの併用運用にも問題がないことを確認しながら導入が進められている

ALISのサーバーは人間の背丈ほどある大型のラックで提供されており、重量も400㎏程度あることから部隊の機動展開時に支障をきたしていたが、ODINの同装備は重量30㎏程度の旅行用キャリーケース2個ほどの大きさであり、持ち運びが格段に容易になっ
データ処理速度もODINでは改善が見られ、新たなODINハードはALISの約2倍の処理速度で、整備員や部品管理機関からの関連データ入力もALISの約2倍の速度で可能になっていることが確認されている

ODIN3.jpgまた、ALISと異なりODINはクラウド使用を前提として設計されており、システム使用中に見つかったソフトの不具合を修正したなら、オンライン環境で即座に提供して改善することが可能である
国防省幹部はALISとODINの最大の違いについて、「ALISをロッキード社が開発したのに対し、ODINは国防省内の専門チームが主導し、ロッキードや米空軍ソフト開発部署など各所の知見を集約して開発がすすめられている点である」と説明している

Yuma基地での今後の進め方について担当幹部は、「ALISからALISとODINの併用使用体制に移行するため、約1年後の2021年秋に当該F-35B部隊を一時運用休止状態にする。細部の時程については、F-35B部隊の運用スケジュールを優先して柔軟に今後検討する」と説明している
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ODIN4.jpg揚げ足を取るつもりはありませんが、これはあくまでも「米国防省F-35計画室」の発表であり、いわば大本営発表です

機体の状態判定に関する「誤警報」や部品誤発注の問題、現場整備員の使いやすさ等々について改善されたのかアピールがなく、「処理速度が2倍」とのコンピュータシステムとしては微妙な改善と、「今頃ですか」の機材サイズと軽量化の話だけです

今後に期待いたしましょう

ALIS関連の記事
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飛行隊長が語るF-35中東展開でかく戦えり [亡国のF-35]

F-35の中東派遣第2弾で昨年10月から9か月間
新米パイロットや整備員を引き連れた中佐が振り返る

F-35 Al Dhafra.jpg8月18日付米空軍協会web記事が、F-35飛行隊の第2弾として中東UAEのAl Dhafra基地に派遣された第34戦闘飛行隊長Aaron Cavazos中佐への取材記事を掲載し、命令から2週間で現地に展開し、米本土ではほとんど想定していないような任務から、不便な分散基地からの運用ACE(agile combat employment)も長期にわたり遂行した様子を紹介しています

米空軍応援団の米空軍協会のF-35紹介記事ですので、様々に評判の良くないF-35をアピールするための「よいしょ記事」の部類ですが、現場の作戦運用について最近はガードが堅い米空軍が、F-35の活躍を紹介するため、少しは現場の様子を紹介していますので取り上げます

戦闘機部隊の飛行隊長と言えば、おそらく30代半ばから40代半ばぐらいまでの中佐です。初の実戦派遣を経験する新人パイロットや整備員をも引き連れての奮闘ぶりをご紹介し、現場の頑張りに敬意を表します

18日付米空軍協会web記事によれば
Al Dhafra.jpg米空軍のF-35は、過去16か月間に渡り継続して中東に派遣されているが、そこではISISの残党を攻撃したり、米海軍部隊の護衛にあたったり、地上部隊を支援したり、また新たな戦法のテストを行ったり、様々な任務に従事し、米軍のプレゼンスを示している
ご紹介する第34戦闘飛行隊は、昨年10月から今年6月までUAEに派遣され、いくつもの「F-35初」に挑戦して成し遂げてきた部隊であるが、同飛行隊長が米空軍協会へのメッセージを寄せてくれたので紹介したい

「次に派遣される飛行隊だとは知らされていたが、それがいつになるかは知らされていなかった。ある日飛行訓練から戻る飛行中に、航空団司令官がお呼びだとの連絡を受け、誰かが負傷した場合や任務指示以外ないことなので、着陸後、心して司令官室に出向いた。そして約2週間後に、我が飛行隊は戦闘任務に従事していた
F-35 Al Dhafra2.jpg「派遣期間を通じ、我が飛行隊はF-35で何が出来るかをあらゆる側面から証明できたと思う。米中央軍からの要求は、CAS近接航空支援から防空、攻撃的任務から海上作戦支援へと、1日の中でも目まぐるしく変化した」、「だが、我々は命に応じて全てに対応し、第5世代機の能力からすると普通は期待されないCAS用の機銃掃射から、米空母戦闘群の護衛までを1日の中で遂行した

派遣期間の任務の大部分はISISへの攻撃だったが、イランとの緊張が高まる中での展開はイラン抑止を強く意識したものとなり、従来の中東への展開時とは異なり、より強い脅威を意識し、日々ATO(air tasking order)をこなす伝統的な展開任務とは一線を画す体制だった
例えばイランがイラク内の米軍基地を弾道ミサイルで攻撃した際、米国は公式に認めなかったが同飛行隊が中東に展開していた。当時、イランとロシアが6機のF-35が国境付近を飛行していると主張していたが、同F-35はかつて民間機を撃墜した防空ミサイルクルーが地上に展開していることを探知していた

また第34飛行隊は、展開兵士の1/3を非公開の設備不十分な基地に展開し、3か月間継続して後方支援の不十分な基地からの運用を遂行し、ACE(agile combat employment)を実戦環境で実施した実例となった
F-35 Gilmore.jpgF-35の維持整備は依然として大きな課題で、2019年の稼働率は62%以下となっているが、第34飛行隊は非公開の展開先での運用を含め、維持整備問題で命ぜられた飛行を断念したことは一度もなく、この面でも特筆すべき成果を上げている

同飛行隊長は「F-35操縦教育を終えたばかりの操縦者も実戦に触れ、どのように統合作戦が遂行されているかや、予測不可能なことが生起する現実を体感した。これらの経験は彼らを確実に成長させている。当然自信につながるし、帰国後の日々の訓練で何を鍛えるべきかを身にしみて感じている」、「寄せ集めのF-35部隊から、F-35ファミリーになれた」と振り返った
/////////////////////////////////////////////////

「機銃掃射」に「ACE(agile combat employment)」ですか・・・・

「six U.S. F-35s were tracked flying near its borders, spooking air defense crews to the point that one crew shot down a civilian airliner by accident」の意味がよくわかりませんが、F-35の偵察能力の高さをアピールした表現だと思います

コロナの影響で派遣期間が延びた第34飛行隊ですが、部隊は大きく成長したでしょう

「作戦サイクル・ATOサイクルなど役に立つのか?」
https://crusade.blog.ss-blog.jp/2014-05-05

最近のF-35記事
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米空軍が間もなく250機目のF-35A受領で機種別3位へ [亡国のF-35]

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共同開発国別の受領数もお知らせ
FMS国については発注数や購入予定数をご紹介

misawa Elephant.jpg7月6日付米空軍協会web記事が、米空軍のF-35A受領数が9月前には250機となり、機種別機数で第3位の規模になると報じ、来春には第2位になる見込みだと「順調な」導入状況をアピールしています

また併せて、共同開発国の受領機数と、FMS国の発注機数や購入予定数を紹介しています

相変わらず維持経費の高止まり(第4世代機の2-3倍)と兵站情報システムALIS後継システム等の問題はそのままで、最近はコロナの関連で部品調達に支障があり、加えて酸素生成装置関連の問題発覚で「雷雲から25マイル以上離れて飛行」との制限が課せられている状況ですが、機数に関する現状の全体像をご紹介しておきます

6日付米空軍協会web記事によれば
●米空軍の状況
--- 合計で1763機を購入予定で、6月11日時点でで241機目受領
--- 毎月5機受領で、9月前には250機に到達し、機種別機数で第3位に
(米軍全体では、現在375機受領)
--- 米空軍の機種別保有機数
  1位F-16 938機、2位A-10 281機、3位F-35A 241機、4位F-15E 218機

●米海軍と海兵隊
--- 米海軍と海兵隊合計で693機を調達予定
--- 米海兵隊は現時点で、B型93機、C型13機
--- 米海軍は現在、C型28機

共同開発国の受領済機数
--- 豪州 A型26機、ノルウェー A型25機、英国 B型18機
--- オランダ A型10機、イタリア A型12機 B型3機

--- トルコ 米国内に6機所在も機体の扱い未定
     露製のS-400導入でF-35計画から排除されたが
     2022年までは133個の部品を引き続き製造担当
--- カナダ 88機購入予定だったが、策士の首相が決定引き延ばし中

●FMS国の発注機数や購入予定数 
 (国別機数は非公開も、現時点で59機を各国に提供済み
--- 日本 A型105機 B型35機
--- イスラエル 50機
--- 韓国 40機+α
--- ベルギー 34機
--- ポーランド 32機
////////////////////////////////////////////////////////

なお、トルコ用に製造し既にトルコ人操縦者や整備員要請に使用されていた、または製造中だった8機のF-35Aについては、米空軍が購入することが7月20日に明らかになりました。厳密にいうと約20機が何らかの製造段階に含まれていたようですが、8機については米空軍仕様にする改修費も確保されるとのことです

misawa Elephant 3.jpgご紹介している写真は、6月22日に三沢基地で実施された日米両空軍の戦闘機による大規模地上行進「Elephant Walk」の様子です

例年は、同基地に所属の米空軍だけで実施していたものですが、今年は12機の米空軍F-16やMC-130、海軍のEA-18GやP-8などに加え、航空自衛隊から12機のF-35Aが加わって大規模に行われました

中国に押されっぱなしですから、何とか「Show of Force」したかったのかもしれませんね

コロナの影響を受け、世界経済が縮小する中、各国のF-35購入数は、いつまで計画通りに進むのでしょうか? とりあえず2020年7月6日時点での統計でした

最近のF-35記事
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
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「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
「維持費削減:F-35計画室長語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「同上:米空軍参謀総長が」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
      
2015年にすでに明確に認識されていた部品不足問題
「ト大統領が部品製造国内回帰主張」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-13
「国防省F-35室長が問題視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-10-1
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

米トルコ関係
「トルコの代わりに米で部品製造」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-27
「トルコをF-35計画から除外」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-17
「S-400がトルコに到着」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-14
「米がトルコに最後通牒」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-09

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タグ:F-35
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F-35新型シム装置で他基地他機種ともシム訓練可能に [亡国のF-35]

現時点でF-35、F-22、F-15、F-16、E-3が参加可能
米海軍、海兵隊、英空軍も導入方向もNetwork相違がネック

DMT.jpg1日、ロッキード社のF-35訓練担当副社長Chauncey McIntosh氏が会見し、F-35用の新たなシム訓練装置DMT(Distributed Mission Training system)をネリス空軍基地に正式納入し、これまでの同一基地内4つのシム装置しか連接できなかった状態から、他基地のF-35のほか、F-22、F-15、F-16、E-3シム装置も連接して、本格的な厳しい環境を想定した大規模訓練がバーチャル環境で可能になったと発表しました

本来なら4月に納入予定がコロナの影響で準備が遅れ、6月18日にネリス基地のF-35シム装置と複数の他基地のF-22、F-16及びE-3シム装置を連接した試験に成功し、6月22日に米空軍戦闘コマンドACCに正式納入できたとの事です

DMT3.jpg過去記事の話も総合すると、DMT導入により、他の各基地から最大4機分のシム装置が連接可能で、連接可能基地はネットワークがつながる限り制限はないようです。ただし、連接できる機種は現時点でF-35、F-22、F-15、F-16、E-3のみで、今後対応可能機種の拡大に取り組むようです

McIntosh副社長によれば、次のステップとして、共に加州にある米海軍のNaval Air Station LemooreにDMTを今年秋、海兵隊のMiramar基地には来年春に納入する計画で、英国も導入の方向です

一方、昨年12月の時点で同副社長は、「米空軍以外は各軍種や国ごとにネットワークの仕組みが異なることから、米空軍のシュミレータと他軍種のシュミレータを現時点で連接はできないが、国防省F-35計画室とロッキード社は、更なる連接範囲拡大に向けたスケジュール検討を行っている」と述べており、この点に関する対応も並行的に進んでいると推測します
/////////////////////////////////////////////////////////////

DMT2.jpg米空軍のネリス以外の基地にもDMT関連装備を今後整備する必要があるのか、今の状態で米空軍既存ネットワークを介して他基地他機種のシム装置と連接可能か等々、疑問もたくさんあるのですが、調べる気力がなく、このあたりで・・

F-35の飛行時間当り維持費が、第4世代機の2-3倍ということですので、実飛行訓練のシュミレータ訓練への置き換えが加速すると予想しますが、日本はどうなんでしょうか?

また、あまりにF-35の能力が高いため、実環境で訓練環境を準備できない問題も長く議論されており、その点でもDMTへの期待は大きいものがあります

5世代機とバーチャル訓練
「DMT構想について」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-06
「米空軍が人工知能シム訓練アイディア募集」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-26
「5世代機のため訓練エリア拡大要望」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-12-09-1
「5世代機の訓練はシムと実機併用で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-11-24-1
「シム訓練でF-22飛行時間削減へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1
「F-35SIM連接の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-05
「移動簡易F-35用シミュレーター」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-02
「5世代機はバーチャル訓練で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-1

F-35維持費の削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

ブログ「東京の郊外より」支援の会を立ちあげました!
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

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コロナ前でもF-35部品供給が増産に追い付かず [亡国のF-35]

更に追記
5月19日ロッキード社は、コロナによる部品調達困難や工場活動制限により、2020年のF-35製造予定機数141機のうち、18~24機は納期に間に合わない可能性があると発表 一応「18-24 jets is a worst-case scenario」で、今後回復するように頑張る、とのことです
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

追記:トランプ大統領がF-35部品製造の国内回帰訴え

14日のTVインタビューで大統領が曰く
Q(製薬メーカーを例に、中国から米国内に回帰させる経済振興策について質問され、)
Trump.jpgA「ばかげた話をいやほど聞かされてきた。例えばF-35だ。素晴らしい戦闘機だが、その部品を世界中で作らせているんだ。オバマが大統領の時に決めたんだが、トルコとの関係が難しくなると部品の調達が滞り、戦闘機を作れなくなるんだ。オバマは良かれと思ってやったんだろうが、世界中から調達しているからそうなる。ばかげた話だ。すべての部品を米国で作るべきなんだ!

Q「可能なのか?」
A「変えようとしている。関連のすべての政策を変更しようとしている。F-35は重要だ。しかし機体をトルコで作って米国に移送している。でも米国との関係が悪化し、トルコがそれを拒否している」

以上のやり取りに関し国防省報道官は、大統領の発言についてはホワイトハウスに確認してくれと対応し、「国防省は引き続きF-35計画にコミットし、最新の谷はない戦闘機を提供し、合わせてコストや維持整備費の削減に取り組んでいく」と述べるにとどめ、ロッキード社もコメントを避け

14日付Defense-News記事は大統領の発言した「F-35製造の米国回帰」計画があるのか不明としたのち、F-35計画の基礎として、共同開発国が部品製造等を分担して行うことが大前提となっていると説明し、トランプ大統領にありがちな思い付き発言だろうと結んでいる
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

米会計検査院が指摘、トルコ離脱でさらに悪化へ
加えてコロナの影響で悪化は避けられず

F-35B2.jpg12日付で米会計検査院GAOがF-35問題に関するレポートを出し、2015年段階から懸念されていた急激な増産計画に部品供給が追い付かない状況が2019年に顕在化し、トルコの共同開発国からの離脱で更に悪化する恐れがあると指摘し、米国防省が2021年初旬に予定している「フル生産」決定までに米議会にデータを添えて説明すべきとしています

GAOレポートは問題ばかりを指摘しているわけではなく、2016年当時と比較すれば、2019年は製造134機の中で117機が計画通りに納入されたと改善具合を評価していますが、現在コロナで遅れている最終試験が終了するタイミングで製造ペースアップの「フル生産」を開始したい国防省にとっては厳しいデータが示されていま

もともと2015年当時の国防省F-35計画室長も、急激な増産前提の計画には不安を隠さず、「過去の経験から、新造機の増産は最高で年5割増が限界だと言われているが、このペースを大幅に上回る3倍増産を計画している」と正直に不安を吐露していましたが、いよいよ顕在化し、トルコ離脱でますます悪化の方向ということなのでしょう

12日付Defense-News記事によれば
F-35C2.jpg12日発表の米会計検査院レポートによれば、部品の納期遅延事象は2017年8月当時で2000件以下だったのに対し、2019年7月段階では1万件以上に急増している
また、納期遅延から生じる製造現場での部品不足件数は、2018年7月での875件が、2019年7月には8000件以上に急増しており、不足部品の6割に当たる製造元は20社のサプライヤーに集中していると同レポートは指摘している

GAOはこの部品納入の遅延と現場での部品不足により、「機体の組み立てが長引いて効率が低下し、人件費が積みあがって最終コストが増加する結果となっている」と指摘し、対策の必要性と「フル生産」移行に疑問を呈している
GAOレポートは2019年のデータのみを対象としているが、ロシアから高性能地対空ミサイルシステムS-400を導入したトルコが共同開発国から昨年末に除外されたことから、トルコ企業が製造を担当していた1005種類の部品の代替製造企業を早急に見つけてラインを立ち上げる必要が生じており、2020年中は契約が残っているトルコ企業があるものの、今後の部品安定供給への更なる難題となってくるはずだとGAOは懸念している

F-35C.jpg国防省はトルコ企業の代替サプライヤーを主に米国内で見つけているが、急な要請にこたえて要求に適合した部品製造が可能なのか、トルコ企業と同等の価格でできるのかについては未だ未確定な部分が多く、昨年12月時点ですでに、代替生産を開始した15部品でトルコ企業当時の納期より遅延している。国防省F-35計画室も「新規参加の企業の10%がF-35製造初参加であり、いくつかの部品については2021年まで納期遅延が予期される」と認めている
GAOは新規参入企業関係者からの聞き取り情報として、「一つの部品製造でも、複数の材料を調達するサプライヤーを確保し、調達リードタイムを加味した生産計画を立てて実行するには1年以上は必要」、「更に国防省の事業に参加するには、製造工程や製品に関する認証や試験を通過する必要があり容易ではない」との声を紹介し、前途多難な見通しを示してい

●製造企業に変更等はないが、重要パーツの中で歩留まりが低下して懸念されているのがPratt & Whitney製の「F135エンジン」である期間は明らかになっていないが、2019年中の一時期、不具合が多数発生したことからエンジン納入を停止した時期があった模様で、9割以上のエンジンが納期遅延してた模様である
F-35B.jpgGAOは「機体組み立て後の試験で発覚したエンジン不具合が、2018年には8件だったのが、2019年には18件に急増し、そのたびに機体を分解してエンジンを取り出し確認修理する工程が増え、納期遅延につながった」と指摘し、重要な主要パーツであるだけに原因究明が急務だとしている

GAOは以前から、フル生産が可能な根拠データや計画のリスクを米議会に説明するよう国防省に要求しているが、国防省は十分に対応していないともGAOは指摘している
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コロナ対策や経済振興策のため、2021年度予算案の再検討とか、米国防予算の約3兆円削減などの文字を米メディアで目にするようになって来ましたが、部品供給が「ボトルネック」になりそうなF-35は、最重要事業との国防省内での位置づけにもかかわらず「切りしろ」要員になるのかもしれません

Congress.jpgF-35計画をしつこくフォローしてきた経験からすると、GAOが指摘すると、国防省F-35室長が「既にご指摘の点は把握済・対処済みである」とコメントしますが、最終的にはGAOが指摘したように問題が顕在化して計画全体が遅延修正される・・・とのパターンが当たり前のように繰り返されています。

ただこの部品不足問題は、2015年当時から内部で認識されていた課題であり、そのまま顕在化しているという点でお役所的な匂いがプンプンです。

2015年にすでに明確に認識されていた部品不足問題
「国防省F-35室長が問題視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-10-1
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

米トルコ関係
「トルコの代わりに米で部品製造」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-27
「トルコをF-35計画から除外」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-17
「S-400がトルコに到着」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-14
「米がトルコに最後通牒」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-09

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F-35のB型とC型は超音速飛行制限を許容 [亡国のF-35]

カテゴリー1不具合を妥協して許容
不具合解消の費用対効果を考え
外国購入国にはこれから相談???

F-35B2.jpg24日、米国防省F-35計画室が、昨年明らかになったF-35のB型とC型のcategory 1問題:「高高度:extremely high altitudes」で超音速飛行を継続すると機体尾部の構造とステルス塗装に影響を及ぼすリスクが高く、尾部に装着された各種アンテナにも被害が出るとの指摘に対し、「何も対策をせず、運用制限でリスクを回避する」方法で「米軍内の合意」を得たと明らかにしました。

最大級の問題とは、KC-46A空中給油機で続発している「category 1」不具合のことで、「高高度:extremely high altitudes」の程度が不明ですが、1分以上超音速飛行をしないとの制約をB型とC型使用者は甘受する結論に至ったということです

「category 1」不具合にもかかわらず「何も対策をとらない」のは、莫大な費用と膨大な確認試験を注ぎ込んでまで解決しなくても、F-35のB型とC型の運用には大きな支障がないとの判断をしたということらしいですが、数か月前にご紹介した「強度の弱いボルトが、どこに、どれだけ誤使用されているか不明だが、安全上問題なさそうなので放置する」との決定とよく似たいい加減さ満載の結果

F-35の運用法からすれば、超音速飛行は「不可欠ではなく、できればよい」程度のものだとの解釈らしいですが、敵ミサイルや戦闘機に追い詰められて必死で回避するのはレアなケースで、アフターバーナーを使用した連続超音速飛行ができなくても「OK」・・・ということです。B型は日本も購入する機体ですので、ご紹介しておきます

24日付Defense-News記事によれ
F-35B.jpg24日付の国防省F-35計画室の声明文書は、「このcategory 1案件に関しては、対策をとらないことで米軍内の合意が取れた」、「不具合対処のno plan to correctとの項目に該当する」と述べており、対策の費用対効果から何もしないと判断された模様である
不具合事項は、超音速飛行を継続することで、尾部の機体構造材やステルス塗装が被害を受けるだけでなく、尾部に取り付けられた無数のアンテナにも被害が及ぶ可能性があるというもので、これに対して超音速飛行の時間に制約を設けることで対処するという決断である

この問題が発覚時、F-35計画室はF-35要求事項の主要な項目である超音速飛行に関する不具合であるため「category 1」に分類したが、F-35にはそれほど超音速飛行が必要ないことや、この不具合を機体改修する場合、機体重量バランスやステルス塗装等々の要求事項を満たすため、長期にわたる設計開発と飛行試験が必要となることから、高速飛行に運用制限を課すことで対処することにした

元米海軍操縦者でハドソン研究所のBryan Clark研究員は、F-22戦闘機は超音速飛行が機体の戦術上重要な役割を占めているが、F-35の場合、緊急時に必要であれば使用する程度の重要性だと述べ、F-35操縦者と話しても、限定的な時と場合にしか使用しないというだろうあればよいが高速の敵から逃げるような場面はF-35の戦術からしてまれなケースだと話すだろう、と説明した
F-35C2.jpgまた同研究員は、超音速飛行すると、その巨大な排気熱や機体表面の温度上昇でステルス性が犠牲になり、また単発エンジン機の特長である燃費の良さが大きく損なわれて作戦上の制約になるだけだ、とコメントしている

一方で懸念の声もある。同研究員も昨年この問題が表面化した際は、超音速飛行時間に制約が課せられることで、空対空戦闘で不利になることを気にしていたし、ベトナム戦時にミサイル戦を重視しすぎて機関砲を搭載しなかったことで、非撃墜数が増大した戦訓に言及して懸念を示し、
「戦い方全般の変化を受けたF-35の役割変化やミサイルの発達を受け、可能性が少なくなったとはいえ、超音速飛行が可能なことはF-35の重要な特長であり、敵ミサイルからの回避行動や空中戦時に、大きな制約となる」と述べていた

一応解決した他の「category 1」
F-35 HMD.jpg操縦者のヘルメットに装着するHMDに内蔵のLED緑ランプがまぶしく、特に夜間着陸の際に誘導信号ライトを見にくくする等の不具合が指摘されていたが、LEDライトを交換することで問題が緩和され、回収されたHMDが部隊に提供され始めている
A型とB型のタイヤが破裂して油圧系統に被害を与える可能性があるとの指摘に関しては、タイヤを交換して以降、同様の問題は確認されず、新しいタイヤがすべての要求事項を満たしていることから、「no plan to correct」措置になった

気温が低い環境で、前方車輪格納扉を開いた際に、バッテリーの温度を保つヒーターが十分に作動せず操縦席に警告を発する不具合が指摘されたが、関連ソフトを改修することで解決された
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F-35C.jpg超音速飛行の時間が制限される件ですが、「米軍内の同意が得られた:concurrence from the U.S. services」ということは、B型とC型を購入する外国からの合意はこれからなんでしょうか?

または、購入国が超音速飛行をたっぷりやりたければ、勝手にお金払って機体改修したら・・・ということなんでしょうか? B型を購入するのは、英国、日本、シンガポールぐらいでしょうから、英国には根回ししつつ、日本とシンガポールは強姦するつもりかもしれません

ボルト問題の際もそうでしたが、「それなら最初から、高価なボルトの使用や、超音速飛行をたっぷり可能などと要求するな」という話です。こんなところで腹を立てても、空しいだけですが・・・

その他、コッソリ処理が進む「category 1」不具合の様子
https://www.defensenews.com/smr/hidden-troubles-f35/2020/04/24/five-f-35-issues-have-been-downgraded-but-they-remain-unsolved/
https://www.defensenews.com/smr/hidden-troubles-f35/2020/04/24/the-pentagon-has-cut-the-number-of-serious-f-35-technical-flaws-in-half/

最近のF-35記事
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
「維持費削減:F-35計画室長語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「同上:米空軍参謀総長が」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02

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F-35問題の元凶:ALISとその後継ODINの現在位置 [亡国のF-35]

コロナ関連で各試験が中断しているようですが、それ以前に

年末からALISの後継ODIN投入開始予定も
2022年末のODIN完全運用開始まではALISで
問題だらけの現在位置を米国会計検査院GAOが

ALIS8.jpg3月16日付米空軍協会web記事は、米会計検査院(GAO)が16日付で発表したF-35自動兵站情報システム(ALIS)の現状レポートと、今年末からALISの後継として投入が開始され、2022年末に完全運用態勢確立を目指すODIN(Operational Data Integrated Network)の現状について取り上げています

少なくとも2022年末まで使用するALISの現状は、新ソフトの投入で若干の改善が見られるも、ほとんど大勢に影響なく問題多発状態が続き、問題ない航空機まで「飛行停止」指示を発する状態が続き、航空機の維持整備よりALISの世話に人手が必要な悲惨な現状を、会計検査院が指摘しています

ALISの後継となるODINについては、部隊の機動展開時に持ち運びが容易で、操作しやすくわかりやすく、リアルタイムでF-35の状態把握が可能なシステムとするための戦略計画を、米国防省がLord調達担当国防次官を通じてGAO等に示すことになっていますが、期限が迫る中、本当に夢のような装置への道筋が示せるのか、関係者に疑心暗鬼が広がっているようです

GAOレポートによればALISの現状は?
ALIS7.jpg●GAO検査官はF-35を使用する5つの基地を訪問し、本来、個々のF-35の状態をリアルタイムで把握でき、整備計画を自動立案して提案し、必要な部品を発注し、任務計画や訓練記録まで助けてくれるシステムのはずだったALISが、2015年に投入し始めた新ソフトでも、一部の改善が確認できる程度で、依然として以下の主要問題が放置されていることを確認している

---ALISは、機体のどこに問題があるのかを示すことなく、当該機の飛行停止を指示することがある。整備員が確認し、全く問題がないことを確認しても、飛行停止指示を解除しない。この原因は、ALISが入力したデータを完全に管理保存できず、データの抜けや欠損を生み出していることにある模様

---F-35部隊の機動展開に不適。ALISは装置が「かさばり」、ネット接続が限定され、契約企業技術者の支援がないと運用を継続できないため、母機地を離れての運用に大きな支障がある
---F-35飛行部隊編成時に想定されていたよりも、ALISの運用に多くの人員が必要で、また整備員などへのALISに関する教育内容が不適切である

ALIS2.jpg●GAOが訪問した部隊では、1週間で最大400件のALIS不具合が発生しており、部隊指揮官が演習シナリオの中に「ALIS不具合対処」を訓練項目に入れなければならない情けない状態である
●またGAOは、5年前から国防省に対し、ALISの不具合が原因で、どれだけF-35の稼働率が低下しているか、要求性能に対して、どこがどれだけ未達成なのかをまとめよう要求しているが、国防省はこれを行っていない

●GAOは、ALISの問題点とその影響を明確にしないと、新しいODINを設計開発するにしても、どこにどれだけコストと時間を投入すべきか判断できないはずだと指摘し、米議会に対し、まずALISの現状とその影響を国防省に把握・報告させるような法的措置を執るよう要求している
●この背景には、ALISの開発経費が当初想定で1兆9000億円だったのに対し、様々なトラブル対処に継続対処中の現時点で、どれだけの経費が投入されているかについて、国防省から情報が出てこないことへの不満と、ODINへの警戒感がある

ODINの現在位置:Lord調達担当国防次官は
Lord2.jpg2月23日付のGAO宛レターでLord次官は、「国防省は、ODIN開発を導く戦略を構築しつつあり、その中に主要課題、スケジュール、リスクと機会、開発管理体制、コスト見積もりを含んでいる。国防省F-35計画室がこれを取りまとめ、担当国防次官の承認を3月末までに得ることとなっている」と状況を説明し、
●更に「上記のODIN開発戦略とは別に、ODINの要求性能書とユーザー同意文書を、ODIN開発の基礎として、国防省の責任で準備する」、「これらの文書には、明確な要求性能と将来にわたっての能力拡張柔軟性の規定が必要だと考えている。また、前線のF-35から収集したデータの管理が十分に信頼され保障された環境で行われるようなシステム構築にもコミットしている」と述べている

●GAOは、現時点で世界に400機あまりが存在し、今後4年程度で1000機に達するF-35が、各所で「問題児」化することを懸念しており、これを防止するための基礎として、ALISの現状を国防省が明確な基準で包括的に把握することが大前提だと考えている
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ALISに代わる、「快刀乱麻」のような解決をロッキードが担当するODINに期待していたわけではありませんが、まだまだ泥沼感が続きそうですねぇ・・・

しかし、世界各地への機動展開が不可欠なF-35飛行部隊なのに、ALISの実態が「bulky:かさばる」、「Internet connectivityが限定的」、「契約企業の技術者支援が必要」で機動展開に不便だなんて、どんな要求性能と妥協の産物で生まれた「お荷物」なんでしょうか・・・

こんなものに振り回される、世界13カ国の空軍兵士がかわいそうですし、資源の浪費です。だから「亡国のF-35」なんです

最近のF-35
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

ALIS関連の記事
「ALISを断念しODINへ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-22
「ALIS問題を議会で証言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-15
「ALISは依然大きな障害」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-02

F-35維持費の削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

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デタラメ結論:F-35のボルト誤用事案はそのまま放置 [亡国のF-35]

100%誤ったボルトでも問題なしと
どの機体にどれだけ誤用があるかも不明なまま
現状不明な機体をどう維持整備していくつもり?

Ulmer.jpg2月27日、ロッキード社のF-35担当Greg Ulmer副社長が記者会見し、F-35の製造現場で強度の異なる2種類のボルトが混同され、設計上使用されるべき箇所で指定された強度の強いボルトが使用されず、安価で強度が低いボルトが使用されていた恐れがあることが昨年11月に発覚した件について、調査分析の結果、全てのボルトが強度が低いボルトでも十分な強度が確保できるとして、製造済みの機体の調査やチェックを行う必要はないと語り、国防省機関の同意も得たと説明しました

F-35には約5万本のボルトが使用されており、大部分がより安価なチタン製(5ドル)ですが、800-1500本(ABC型毎に異なる)は強度の強い高価なインコネル製ボルト(20ドル)を用いる箇所が設計上決められています

Inconel bolt2.jpgしかし外見上2つボルトは見分けが困難で、現場労働者が余ったチタン製ボルトを誤ってインコネル製ボルト箱に戻したりしたことが繰り返され、混同誤用が製造現場で時期不明な過去から行われる事になっていたようです

この混同誤用は、米国テキサスの工場だけでなく、イタリアでも発生していたようですが、現場の管理がしっかりしていた名古屋の三菱重工が運用する工場(FACO)ではなかったことが確認されています。

「唖然:F-35でボルトの混同誤使用発覚」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-31

昨年11月に本件が発覚した以降に製造の機体約20機には誤用がないことが確認されていますが、発覚以前に製造済みの数百機については、今に至るも、どの機体に、どれだけ誤用があるのか把握も出来ていない(把握しようともしていない)状況なのに・・・この結論だそうです。誰が納得するのでしょうか???

27日付米空軍協会web記事によれば
Inconel bolt.jpg●27日、フロリダ州オーランドで開催中の米空軍協会航空戦シンポジウム会場で会見したUlmer副社長は、分析の結果、製造済みの全F-35を対象とする検査が必要となるような飛行安全リスクはなかったと語り、再発防止対策を含めた関連報告レポートを国防省の国防契約管理庁(Defense Contract Management Agency)に提出して了解を得たと説明した
●同副社長は分析について、問題が発覚した時点で関連工場内に存在した製造中も含めた全ての機体をチェックし、ボルト誤使用が多数見つかった機体がほとんどなかったことが明らかになった(Inspectors didn’t find very many aircraft “that had a high percentage of mis-installation)と説明し、

●この調査の結果を基にロッキード社が分析した結果、「仮に100%の誤使用があった場合」でも、設計上必要な機体強度の136%確保できることが明らかになり、100%以上を確保している点で、最悪の場合にも機体の強固さに何も問題がないとの結論に至ったと説明した
●この結果から、ロッキード社は国防省国防契約管理庁に対し、製造初期にまで立ち返って全機体を検査する必要がないと報告し同意を得た、と同副社長は語った

F-35 fuselage2.jpg再発防止策について同副社長は、インコネル製ボルトを特別なナイロン製の袋に入れて管理し、製造現場には必要数のみを配分して必要部位のみに使用され余分なボルトが生じないようすると説明し、併せて現場に2名の監督官を新たに配置して監督を強化すると述べた。また、2種類のボルトの色分けも検討すると説明した
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1機に5万本も使用されているボルトで、しかも外見上見分けが出来ない2種類のボルトを全機体で全数チェックすることは途方もない労力と時間を必要とすることから、また現状のF-35を取り巻く状況から、「問題なし。そのまま使用してOK」との結論しかなかったと邪推します。結果有りきの「出来レース」の匂いがプンプンです

100%の誤使用があった場合、136%の安全性は飛行時間を積み重ねて機体疲労が蓄積しても変わらないのか? 高価なインコネル製ボルトを引き続き使用する理由をどう説明するのか?・・・などなど、報道だけでフォローしているまんぐーすでさえ疑問に思います

機体整備や定期点検の方法にも変更が必要でしょう。不明なボルトが使用されている状態では、人工知能やデータベースを使用しても機体の状態は正確に把握できませんから・・・。

飛行前にパイロットは、機体に問題ないことを確認してサインすると思うのですが、このサインを拒否するパイロットが出てきても不思議ではありません

絶対後に尾を引くF-35の安全問題
「唖然:F-35でボルトの混同誤使用発覚」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-31

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F-35とKC-46Aの小ネタ2つ [亡国のF-35]

ポーランドがF-35を32機購入契約締結
ボーイングが更にKC-46開発で160億円追加負担

全く異なるF-35とKC-46Aに関する「小ネタ」報道ですが、小さなことからコツコツと・・・が信条の「東京の郊外より・・・」ですので、ご紹介しておきます。

ポーランドがF-35を32機購入契約締結

F-35 fuselage2.jpg1月31日、ポーランドの国防相が32機のF-35と同機の予備エンジン33セット(F135)を購入する$4.6 billion(約5100億円)の契約書に署名し、同国のAndrzej Duda大統領がポーランドと周辺地域の安全保障を強化する上で、極めて大きなステップだと表現しています

同契約は昨年9月に米国防省から許可が出ていたものですが、これで先日ご紹介したシンガポールに続き、ポーランドは13カ国目のF-35運用国になる方向です

ちなみに他の12カ国は・・・
(カッコ内の数字は購入予定機数、ちょっと古い数字も含まれます)

共同開発国では、豪州(100機), Denmark(27), Italy(90), Netherlands(37), Norway(52), 英国(138)、米国(2443)(A1763、M420、N260)
FMS購入国では、Belgium(34), Israel(19),、日本(42+100) , 韓国(40)、シンガポール(当面12機 最終的に約50機)

共同開発国の中でも、F-35に不信感を持つカナダのトルドー首相は、正式購入決定を先延ばし続けて現在も機種選定中(65機購入予定だった)で、100機購入予定だったトルコは、S-400をロシアから導入したことで、共同開発国から排除されました

31日付米空軍協会web記事によれば
F-35hardpoints2.jpg●31日に結ばれた契約には、機体と予備エンジンのほか、8台の訓練用シミュレータ、維持整備支援、ALIS(?)が含まれ、パイロット24名と整備員約100名の養成訓練も含まれている
機体の受け取りは2024年から始まり、毎年4-6機づつ2030年まで受領する予定。機体は「Block 4」型で、1機当たりの価格は$87.3 million(約96億円)である

●契約セレモニーでMariusz Blaszczak国防相は、F-35は同国が保有するパトリオットやF-16と相互連携運用が可能だと導入メリットをアピールした
●ポーランドは昨年5月にF-35購入希望を米国に伝えていたが、同6月にポーランド大統領がホワイトハウスを訪問した際、トランプ大統領がF-35に上空を飛行させ、メディアで大きく取り上げられたところである


ボーイングが更にKC-46開発で160億円追加負担

KC-46 2.jpg1月31日、ボーイング社が米国の証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出した定期資料で、トラブルが続発して運用態勢確立が遅れている米空軍のKC-46A空中給油機に関し、追加で約160億円の追加出費を強いられたことが明らかになりました

ボーイングは米空軍と、同機の開発と最初の18機納入までを「経費固定契約」で結んでおり、契約金額をオーバーした追加経費部分についてはボーイング社が負担することになっています。

このような契約形態は、既に空中給油装置技術は確立してKC-135やKC-10で実績があり、母体となる旅客機B-767も飛行実績が十分あることを受け、装備品開発における経費高騰と開発遅延の「黒歴史」イメージ払しょくを狙い、米空軍がボーイングと合意して始めたもので、契約当時の記者会見では、当時のドンリー空軍長官が新たな取り組みとして大いにアピールしていました

KC-464.jpgしかし機体開発後半になってトラブルが続発し、初号機の納期が2年近く後れ、納入開始後も米空軍による機体性能試験の過程で様々なトラブルが明らかになり、米空軍が要員養成のため細部には目をつぶって機体を順次受け入れたものの、未だに最重大レベルの不具合3種類が未解決で要求性能を満たせず、「機体開発費」が膨らみ続けてボーイングの自腹持ち出し分が拡大し続けている現状です

ボーイングの持ち出し分は、2018年が約510億円、2019年が約800億円と明らかになっていましたが、今回の新たな報告資料で約170億円が追加され、合計で3300億円を超えるに至っています

技術的な問題以外にも、納入された胴体や翼の中に、工場で使用された工具やゴミが残されたまま見つかるなど、ボーイング社現場の荒廃ぶりが明らかになり、米空軍が2度にわたって機体受け取りを拒否する事態が昨年発生しています

31日付米空軍協会web記事によれば
●米空軍は、特に解決の見通しが立っていないRVS(remote viewing system:給油操作員が空中給油ブームの操作をモニター画面を使用して行う装置。以前の給油機では、機体後方の窓から直接相手機を確認しつつ操作を行っていた)の問題解決には3-4年が必要と見積もっており、それまでKC-46Aを実戦投入出来ないとしている
KC-46 RVS2.jpg国防省の試験評価局も米空軍に対し、空中給油を実施する如何なる環境でも任務遂行可能なレベルにまで改善されることを、確実に確認するよう求めている

●Bloomberg報道によれば、B-737MAXの事故を受けて交代した新たなボーイングCEO、David Calhounに対し米空軍参謀総長が書簡を送り、米空軍が機能不完全なKC-46Aを受領させられ続けている現状から、ボーイングがKC-46A問題により真摯に取り組むよう求めたところである
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ポーランドのF-35購入契約の件では、ポーランド国防省の公式声明に、契約に含まれるものとして「自動兵站情報システムALIS」の名前が含まれているようですが、1月21日に国防省F-35計画室が、「ALISを断念する」、「ODIN(Operational Data Integrated Network)を導入する」と発表したところでもあり、些細なことですが気になります

ボーイングはどうするんでしょうかねぇ・・・。米空軍は空中給油機が不足することから、空中給油業務を民間企業へ一部委託することまで検討を始めており、「世も末」感が更に加速しています

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「強度弱いボルトをF-35で多数使用」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-31
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大半のF-35で設計要求と異なるボルト多数使用判明 [亡国のF-35]

追記します・・・

31日、Lord調達担当次官は「at this point」大丈夫だろうと

Lord8.jpg31日、別件の記者会見を行ったLord調達担当国防次官がF-35ボルト誤用問題についての質問に答え、「問題があるかどうか精査中」、「F-35の健全性について、現時点では問題ないと信じている」と述べました。

「we have confidence・・・ at this point」と表現したのは誠実だと思いますが現時点では、「いつからインコネル製とチタン製が区別なく使用される問題が発生していたのか」、「製造済の機体の何機が影響を受けているのか」、「1機に800-1800個程度インコネル製を使用すべき箇所があるが、何か所ぐらいでチタン製をご使用しているのか」について、誰も答えられない現状ですので、「at this point」と前置きを置いて、自信を示すしかないのでしょう

しかし・・・ロッキードと国防省F-35計画室は、同落とし前をつけるのでしょうか? 誤使用の実態も把握できない状況で、当面大丈夫だと言い張るのでしょうか? 米軍のパイロットとF-35を導入し始めた各国反応に注目いたしましょう・・・
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指定の高価な合金ボルトでなく強度弱いチタンボルト使用
ロッキードは交換の必要無しと主張も・
日本のFACOでは誤用なし。米と伊で誤使用

F-35-eglin.jpg30日付米空軍協会webが「臨時ニュース」扱いで、米国防省国防契約管理庁が「数百機のF-35機体の重要箇所に、指定されていたものとは異なる固定ボルトが使用されている可能性がある」と明らかにしたが、ロッキード社はF-35の運用制限や修理・交換の必要はないと主張し、国防省F-35計画室等で事実関係の確認が行われていると報じました

国防省F-35計画室も、1月9日時点までの調査状況から「現時点で運用制限や精密検査が必要な機体はない」との姿勢のようですが、ロッキードがどの様な調査や確認を行って「運用制限や修理・交換の必要はない」と主張しているのかを現在もチェック中の様で、2月に使用者向けの調査報告を出すようです

設計上、本来使用されるべきボルトは、インコネル(Inconel)との製品名のニッケル系の耐熱・耐蝕合金で出来たボルト(価格20ドル)でしたが、そのインコネルより強度の劣るチタン製のボルト(価格5ドル)が部品ケースに混入されて製造現場に出回り、誤った箇所に使用された模様です

Inconel bolt.jpgチタン製ボルトの誤用が完全にないと言い切れる機体は、本事案が発覚した2019年11月以降に製造された20機程度と、日本の名古屋のFACOで製造された機体だけで、他の数百機は誤用の可能性がある模様です

F-35には、チタン製とインコネル製の2種類の固定ボルトが合計約5万個使用されていますが、F-35A型とB型では全体の1.7%程度だけ強度の強いインコネル製が使用され、空母着艦用により頑丈に作られた大型のF-35C型には、強度を高めるため3.5%インコネル製の強いボルトが使用されているそうです

チタン製とインコネル性の2種類の固定ボルトは共に「eddie bolts」と呼ばれ、見た目では判別できないほどソックリで、誤って使用されたボルトを確認するのは容易ではなく、各機体に800-1500本あるインコネル製ボルト使用箇所を全て確認するのは大変な労力と時間が必要でしょうから、ロッキードは(国防省F-35計画室もたぶん・・・)「運用停止や特別点検やボルト交換の必要なし」で押し切りたいのでしょう・・・。

しかし、国防省内の匿名の専門家からも、ボルトで固定する対象の部材によっては、チタン製とインコネル製の使用を誤ると、腐食に弱いチタン製の問題が発生する可能性があると懸念の声が上がっているようです

30日付米空軍協会web記事によれば
F-35 fuselage2.jpg●米国防省の国防契約管理庁からの発表を受け、米空軍協会から国防省F-35計画室に問い合わせたところ、「本件が明らかになる前に製造された全てのF-35で、インコネル製を使用すべき箇所にチタン製ボルトが使用された可能性があると想定して対応する」と電子メールで回答があった
チタン製はある程度の強度を軽量ボルトで確保したい箇所で使用され、インコネル製ボルトは、強い強度と腐食への耐性が求められる限定的な場所に使用される

ロッキード社の報道官や技術者は初期分析段階の結果として、「一般に全てのボルトは強度に2倍以上の余裕をもって使用されている」、「チタン製ボルトはインコネル製が必要な場所でも十分な強度がある」と説明している
●また国防省F-35計画室は、1月9日時点までの調査状況から「現時点で運用制限や精密検査が必要な機体はない」、「ロッキード社が現在行っている根本原因探求と対策分析の終了報告を待って、F-35計画室からF-35所有部隊宛のレポートを発行する予定だ」と現時点で説明している

●ボルトの誤用が発生したのは、テキサス州のFt. Worthの機体組み立て施設FACO(Final Assembly and Check-Out)だけでなく、イタリアのFACOも含まれることが明らかになっているが、日本のFACOでは発生していないと米国防省の国防契約管理庁は発表している
Inconel bolt2.jpgロッキード報道官は、2月に米国防省の国防契約管理庁とF-35計画室に「RCCA:根本原因探求と対策分析報告」を提出し、了解が得られると考え、その場合「新たな作業をF-35使用部隊にお願いすることはない」と説明したが、再発防止のためどの様な対策を行っているかについては言及しなかった

●また、ボルト誤用の発生原因については、「2種類のボルトが混在した部品収納箱が、FACOと部品サプライヤーで見つかっている」と述べるにとどまった。ただ、同社とサプライヤーは、「正しい場所に正しい部品が使用されるよう、対策を徹底た」と報道官は主張した
現在までにロッキードが行った調査に関し、何機を対象に誰が行った等の質問には回答が無かったが、「高い割合でボルトが正しく使用されていることが明らかになった」と同社報道官は説明し、「当社の調査は終了し、顧客側と結果を精査している」と語った

国防省F-35計画室等は本件に関し
一方、米国防省の国防契約管理庁は、ロッキードが昨年11月から再発防止策を開始しはじめ、同12月には大半の対処策を実行に移していると発表したが、具体的な内容については言及しなかった。また、対策完了後に完成した機体番号まで具体的にしなかったが、昨年最後に納入された14機程度と今年1月納入分は、誤用の疑念がない機体と考えられる
F-35 fuselage.jpg疑いのある全ての機体を確認する労力と時間、そのコストとに関し、同管理庁は試算していないと述べ、現時点で、だれがその経費を負担するかに関しても明らかでないが、F-35計画室が判断する性質のものだと同管理庁は説明した。

F-35計画室は、ロッキードと共に、「インコネル製であるべき部位にチタン製ボルトを使用した場合の構造上の影響について吟味している」と述べ、「機体点検やボルト交換」の可能性も残されていると示唆した
ロッキード社が実施している「RCCA:根本原因探求と対策分析」では、同ボルトを扱うすべての過程、つまり製造者、輸送経路、部品受け取り部署、製造ラインでの部品分配、製造ラインでの指示状況など全てを確認精査することになっている
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全てチタン製でも大丈夫というなら、価格4倍のインコネル製なんか使用する必要ないじゃん・・・と言いたくなります。ロッキードや国防省F-35計画室の説明は意味不明です

これまでの様々な事案事例から考えると、「亡国のF-35」に関して、ロッキードはもとより、国防省F-35計画室や国防契約管理庁の説明は全くあてになりません
米議会の指示で国防省内のお目付け役として設置されている「試験評価局:OT&E」の、Robert Behler試験評価局長あたりに、その真相をズバリ切っていただきたいものです

ALIS断念の話とか、維持経費削減は期待薄な話とか、本当にロッキードはひどいです。それでもがっぽり儲けているから腹が立ちます
航空自衛隊保有の機体でも、名古屋のFACO製でなく、米国製を持ち込んだ機体があると思いますから、十分に注意して頂きたいと思います

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F-35維持費の削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
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