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エスパー長官が無駄装備計画中断の決意を [エスパー国防長官]

全ての国防長官が挑んで多くが道半ばで頓挫も
大統領選を前にして2021年度予算で可能なのか?
全ての困難を知りつつ、あえて挑む長官に敬意を表し

Esper3.jpg27日、エスパー国防長官が軍需産業関連団体で講演し、将来の米軍に必要な装備を前線兵士に届けるため、古いコンセプトに基づき続いている事業や装備計画を見直すことに自らが先頭に立って取り組むと明言し、陸軍長官時代に200もの諸計画や装備開発を見直し、より重要な分野に約2兆8000億円を振り向けた手腕を米国防省全体に応用する意気込みを明らかにしました

歴代の国防長官が何らかの形でこのような「レビュー」に取り組み、多くが利害絡みの議員や軍需産業やホワイトハウスなどに阻まれてきた「死屍累々」の茨の道ですが、陸軍長官就任前にレイセオン社のチーフロビイストとして「魑魅魍魎:ちみもうりょう」の世界を知り尽くしたエスパー長官が、「言うは易し、行なうは難し」を知りながら取り組みを決意したその「意気込みと男気」に敬意を表し、ご紹介したいと思います

まぁしかし、エスパー長官の発言に対する軍事メディア記事には、多方面の専門から「極めて難しい」、「忘れたほうが良い」、「関係方面からの激怒や議論紛糾を念頭に」などの悲観的なコメントが並んでいますが、「長いプロセスが必要だろう。でも将来の戦場のために」と語るエスパー国防長官の思いを伝えずにはおれません・・

28日付Defense-News記事によれば
Esper.jpg●27日、エスパー国防長官はSENEDIA会議で講演し、国防省全体で2021年度予算に向けて取り組み始めた各種装備関連プログラム見直しについて、その対象は「fourth estate(約30個存在する国防省は以下の・・Agency)」だけでなく、対中路に備えた将来への投資を阻害している旧態然としたプログラムからの資金抽出も含むものとすると決意を語った
●同長官は「fourth estateを取り掛かりとして、将来技術へ投資する資金を見つけ出す使命を私は帯びている」、「私の使命は、既に将来的な価値を失ってしまっているプログラムを見つけ、ほかの緊要で戦闘能力向上に通じる能力強化へ資金を流れを変えることである」と語った

●米国防省は8月2日に、2021年度予算編成に向け、国家防衛戦略NDSの遂行に向けた業務精査を行うため、国防省全体で取り組む「開発計画プログラム見直し」を指示する文書を臨時副長官名で発出したが、この文書はエスパー長官の強い思いから出された文書だといわれている
●同文書は「どんな改革のアイディアも、細かすぎるとか、大胆すぎるとか、異論がありすぎると言って検討を避けることはない。既存事業の必要性を精査し、その資源配分を見直し、他の必要な分野に振り向け可能な資源を見つけ出すことに焦点を当てる」と目的等を示している

Esper4.jpg●また同長官は「国防省勤務のプロたちは、次の戦いで勝利を収め、わが国の兵士を無事帰還させることだけに動機付けられている」、「軍需産業界には現存システムの改良による前進を目指す傾向があるが、将来のニーズ対応して適応していく行くことが、軍需産業基盤の強靭さを築く一番の道である」と取り組みの意義を説明した

エスパー長官は、陸軍長官時代に200もの諸計画を見直し、約2.8兆円の予算を他の優先度の高い事業に振り向ける方向性を打ち出したが、その際、陸軍省内で夜遅くまで関係者を集めて「night court」と呼ばれた検討会を重ねたことで知られている。
●記者団から、今回の見直しは大規模な「night court」と呼んでよいかと問われた長官は、「皆さんがそう呼びたいのなら、私はかまわないよ」と答え、「見直しは長い道のりになる。私は今、毎週90~120分間を本件の公式な会議に当てており、これを繰り返し続けて道を切り開きたい」と決意を語った

米メディアはこの長官の意欲を斜に構えて報じ
複数の専門家の意見を紹介
Esper6.jpg●エスパー氏が陸軍長官時代に方向性を決めたはずの見直しも、既に議会の抵抗にあっている。例えばCH-47ヘリの能力向上計画の停止を陸軍は決断したが、2020年度予算の議会審議の過程で、フィラデルフィア工場の雇用削減が地元議員を反対工作に走らせ、下院は陸軍が不要と考える予算計上の方向に動いている
大統領選を控え、政権の誰もが軍事プログラムを中断して有権者の支持を失うようなことをしたくないし、有意義な「見直し」を遂行したなら、大統領選挙後まで待つ必要がある

●エスパー長官は、細かな削減・再配分による些細な効率化には成功するかもしれないが、仮に主要な兵器計画の中断や、基地の閉鎖や、利権の排除を長官が望んでいるなら、諦めたほうが良いと思う。企業側は自社関連のプロジェクト中止の動きが見えたら、すぐに議員を動かして阻止に動き出すからである
「fourth estate」関連の見直しは既にかなりの部分で手をつけられており、今から合理化や経費削減に結び付けられる範囲は限定的ではないか

Esper5.jpg大統領選挙の結果にもよるが、2021年はエスパー長官にとって大きな決断をする最後で最高のチャンスとなる可能性はある。当時のゲーツ国防長官はF-22生産を中止させることに成功したが、ロッキードに対してはF-35計画を守るためだと説明し、早い段階からその考えを共有することでその道を開いており、参考になるかもしれない
●(強引な手法だが、)当時のラムズフェルド国防長官がコスト削減のため基地の再編閉鎖に成功した際は、関連法案に賛成しなければ、何の基地閉鎖準備や対策を行なうことなしに、一方的に基地閉鎖を行なうと議員達を脅して強行した経緯がある
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マティス国防長官という大きな存在が去った後で、Shanahan氏のゴタゴタがあり、エスパー氏にとっては突然舞い込んできたような国防長官のポストです。

それでもそれが運命なんだと受け止め、最善を尽くそうとするその姿勢に頭が下がる思いです

ふと、2015年3月に当時のデンプシー統合参謀本部議長が母港の高校生に語った言葉を思い出しました
Dempsey-brook.jpg歴史や時代の流れが、人を見つけ使命を与えるのだと思います(history will find a person)
●もし君たちが、自身の人生設計を自分のものとして、何者にも影響を受けずに実行していけると考えていたなら、それは冗談にもならない間違いです

歴史や時代の流れが人を見つけ使命を与えるのだから、君たちや君たちの家族や国家の代わりにそれを与えるのだから、君たちは備えていなければなりません
「Keep the doors open. Don’t do anything stupid to close them」--常に扉を開けておきなさい。それを閉ざすような馬鹿なことをしないように

「夢」追求のメッセージだけでなく
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-21

「Esper長官の略歴」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-20

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米国防省はメディア対応を回復復活させるのか [エスパー国防長官]

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下記の19日付Foreign Policy誌の記事をアップする前にエスパー国防長官がダンフォード議長と共に国防省会見場でカメラ入りの記者会見を28日行いました。

Esper_dunford.jpg正式な国防長官がこの会見場に登場するのは、なんと1年ぶりだそうで、統合参謀本部議長(10月退役)とのペア会見は・・・・、誰も思い出せないぐらい久しぶりだった様です

エスパー長官は今後メディアとの接触を増やすことを示唆し、「米軍は誇り高い歴史と語るべき物語を持っている。私は、国家の安全を守るために日々任務を遂行する兵士や文民職員の様子を、息子や娘をそのために我々に託してくれた米国民に語る使命を帯びている」と会見の冒頭で決意を述べました。

そして、国家防衛戦略NDSの示す目的を達成することを誓い、空席が多い政治任用ポストの議会承認を迅速に進めることと、2020年度予算の審議を迅速に進めてほしい米議会に要望し、29日に編成される米軍宇宙コマンドを機能させるべく取り組むと抱負を述べました。
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マティス長官時代に低下したメディア対応が復活するか
4年ぶりにPress secretary任命もメディアは疑心暗鬼

Esper5.jpg19日付Foreign Policy誌web版が、「マティス長官の後任者は国防省の沈黙を終わらせたいと考えているのか?」との記事を掲載しメディアとの関係に慎重で定期的な記者団に対する報道官のブリーフィングや記者会見を抑えてきたマティス前国防長官とは異なり、後任者のエスパー長官は報道官等によるメディア接触の機会増加する機会を伺っているようにも見えるが、懐疑的な見方もあるとの観測記事を掲載しています

記事から拾ってみると、例えば2014-15年の間には、カメラが入る国防省報道官会見・ブリーフィングが週2回あり、その他にカメラ無しの報道官との対話の機会がほぼ毎日あったようですが、マティス長官が勤務した2年間とその後長官空席の7か月間はその機会が不定期なり、少なくとも最近14か月間は国防省Press secretaryが国防省の会見場に立ったことはないようです

gatesfhood.jpgそう言えば2010年代前半のゲーツ長官時代には定期的に国防長官と統合参謀本部議長が並んで記者会見を行い、ゲーツ長官最後の同会見時には、記者団から任期中の会見実施への努力に謝意が述べられ記者団からの拍手が送られていました

ゲーツ前長官とメディア
「最後の記者会見でプレスを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-17-2
「他国はなぜ米国と付き合うか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-02 

19日付Foreign Policy誌web版によれば
共和・民主の政権の違いに拘わらず、米国の歴史を方向付ける発表の場となってきた国防省ブリーフィングルームは、14か月間に渡りPress secretaryが登壇しない状態に置かれているがそんな状態も間もなく終わりを告げるかもしれない
Farah.jpgエスパー長官が就任して数日後の7月26日に、プレス担当国防次官補代理のJonathan Hoffman氏は「シンプルに述べれば、国防省が、一般国民や米議会指導者や国際社会やメディアと思慮深い関与を持つことが、我々の利益でもある」とのメモを出している

●また8月14日に国防省は、2015年までPress secretaryを務めたJohn Kirby海軍少将の後任者として約4年ぶりに、ペンス副大統領の報道官を務めていたAlyssa Farah女史を国防省のPress secretary任命した
●Hoffman次官補代理は、新任のPress secretaryは、レイバーデー(9月の第一月曜日:今年は9月2日)以降に、「ついに」国防省ブリーフィングルームから会見を行うだろうと明らかにしている

●このように、特に中央軍司令官として(メディア報道や国防省内部からメディアへのリーク)情報が前線兵士の安全を脅かし、敵に利するかを身にしみて感じていたマティス長官時代から2年7か月間冷え込んでいるメディアと国防省との関係に変化の兆しがみられるが、メディア関係者や専門家はそれほど楽観視していない
Trump.jpg●特にメディアを「フェイクニュース」と呼んで嫌うトンランプ大統領の下で、かねてから軍事作戦に関する数多くの情報漏洩を背景にメディアを警戒する国防省の態度が、新長官就任で突然大きく変わると予想するものは少ない

2014年から1年間、プレス担当次官補代理を務めたBrent Colburn氏は、「エスパー長官は、いつメディアへの姿勢を開放的にするかを検討し始めた(started to talk the talk)段階だろう」と述べ、「実際に動きが見えるまではわからない(proof will be if they start to walk the walk)」と表現した

国防省記者協会Robert Burns会長も、「結論付けるのは早い。エスパー長官や首席報道官には、記者団との接触増加や定期的なカメラ入りのブリーフィングの再開を期待しているが・・・」と慎重な言いぶりである
●そして同会長や関係者は、マティ長官がメディアとの接触機会を減らして沈黙した結果として、ワシントンDCに止まらず、世界中で国防省の動きを好き勝手に語る「識者」を増殖させることとなったのだと、その弊害を訴えた
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iiduka.jpgまぁ、最近の中国ロシアの軍事力強化で米国も安易に軍事情報を提供して「敵を利することはできない」との方向が定着しつつあり、何よりも親分であるトランプ大統領がメディアを「国民の敵」とまで呼び捨てにするご時世ですから、エスパー国防長官も難しいところでしょうが、敵対勢力や政敵の「誘導工作」に負けないようにメディアを「活用」していただきたいものです

ただ最近はトランプ大統領が勝手にしゃべりすぎ、米国の各省庁が後で訂正したり釈明に追われたりすることが頻発していますので、各省の長官レベルは怖くてはメディアとの質疑応答に臨めないのが本音かもしれません。

でも冒頭でご紹介した28日に行われた久々の国防長官の「on camera」会見で長官が最初に述べたように、「国の安全のために息子や娘を差し出してくれている米国民に、その様子や奮闘振りを伝えるのが使命」との言葉が、メディアとの対話再開の一番の理由ではないかと思います。国防長官は元軍人ですから・・・

ゲーツ前長官とメディア
「最後の記者会見でプレスを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-17-2
「他国はなぜ米国と付き合うか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-02 

John Kirby米国防省報道官(海軍少将)関連
「マケイン議員が報道官に激怒」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-24
「国防省がHumint強化へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-27

報道やSNS上に流布する情報を見る上で、参考にしたい新書
→読売の飯塚恵子さんによる新書「ドキュメント誘導工作」をご紹介
→米大統領選挙や英国EU離脱国民投票での報道やSNSでの有権者誘導工作など、豊富な事例と専門家説明で平易に解説
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-22-1
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米国防長官:アジア太平洋地域で基地増設を検討中 [エスパー国防長官]

エスパー長官「looking at how we expand our basing locations, investing more time and resources into certain regions we haven’t been to in the past」

Esper1.jpg27日、米海軍大学で学生である少佐から大佐クラスを前に講演したエスパー国防長官が、細部について言及せず冒頭でご紹介した表現で、アジア太平洋の過去進出していない地域での新たな基地設置を検討していると語り、講演を取材したメディアが様々に憶測する事態となっています

学生たちがそのキャリアの大半で従事してきた対テロ作戦から頭を切り替え、大国間の競争・紛争に備えなければならないとの話の流れで、中国の脅威が著しいアジアインド太平洋地域を「我々の優先地域」と表現した後の言及で、話の流れとしては自然です

andersenGM.jpgただし少なくともオバマ政権時代には、「作戦面では打たれ強く、地理的には分散し、政治的に維持可能な」米軍体制をアジア太平洋地域で追求するとし、政治的・財政的な負担を避けるため新たな軍事拠点を設けず、ローテーション派遣で対応するとの方針で、豪州北部に地上部隊をローテーション派遣したり、爆撃機のローテーション派遣を継続するにとどまっていましたので、大きな変化です。
ちなみに他にもローテーション派遣先をフィリピンやタイやベトナムインドネシアでも追求したようですが、順調には進まなかったと認識しています

この件に関しては今年2月12日に、Davidson太平洋軍司令官も上院軍事委員会で同様の方向を示唆していましたが、その状況は末尾に添付するとして、とりあえず本件を報じるDefense-News記事をご紹介しておきます

27日付Defense-News記事によれば
Papua New Guinea.jpg●エスパー長官は米海軍大学で、アジア太平洋地域を「our priority theater」と語り、また国防省として引き続き大国間の競争(great power competition)時代にシフトしていくと表現した
●また「君たちの多くは、その軍キャリアの大半を不正規戦と係わってきたが、時代は変化した」とも表現して学生たちの頭の切り替えを促した

●特に太平洋地域において長官は、「アジア太平洋の同盟国等は米国がリードすることを望んでいるが、そのためには当該地域でプレゼンスを示す必要がある」、「当該地域のすべてでは無理だが、鍵となる場所には所在する必要がある」と述べ
●更に「このために、我々の基地配備地の拡大を検討しており、過去に所在しなかった特定の地域に資源と時間を投入しようとしている」と表現し、それ以上は言及しなかった

●この国防長官発言に関し、ハドソン研究のPatrick Cronin氏は幾つかの可能性をあげ、「シンガポールとフィリピンは古くからの同盟国として対象である可能性があり、タイのウタパオ海軍航空基地の可能性にも言及した
CroninPatrick.jpg●またCronin氏は、来年ベトナムとの国交正常化25周年を祝うことから、米国として演習や艦艇訪問の拡大につなげたいところだとコメントしている。更にマレーシアやインドネシアでは、公にはなっていないアクセスに関する枠組みが設けられているとも表現した。
ミクロネシアや北マリアナに米国防省は従来あまり注目してこなかったが、これら島々から中国の影響力を排除を追求する可能性がある。パプアニューギニアでは現在、米豪が協力して海軍基地を構築しつつあるとCronin氏は述べた

元太平洋軍特別補佐官でCNASのEric Sayers氏は、米空軍機が排他的に利用できるよう簡単な合意が結ばれているヤップやパラオも、重要な地理的場所にあるとコメントした
●そして同氏は、米軍の拠点を増やすことで中国軍の作戦計画を複雑に困難にし、一つの大きな拠点に依存することを避けることが出来、更にフィリピンのように彼らが巻き込まれた事態でのみアクセスが可能と予期される政治的リスクのある国への過度な依存を防ぐことが出来ると利点を述べた
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この件については、今年2月12日にDavidson太平洋軍司令官も上院軍事委員会で同様の方向を示唆し、
Davidson6.jpg●「ここ最近数年のことでなく、数十年間にわたり、太平洋軍の基地や展開先は北東アジア地域に置かれてきた。しかし地域情勢の急激な変化に対応するためどこを拠点に作戦するか、どこに兵力をローテーション派遣するかの再検討を求められている」と述べ、
●対中国を見据え、新たな兵力前進配備場所や物資集積場所を検討しており、地域の同盟国や友好国と協議していると証言しています

Davidson太平洋軍司令官の上院証言の流れで、その際米軍事メディアは以下のような様々な専門家の意見を紹介していました
インドネシア、パプアニューギニア、ミクロネシアなどに間もなく戦力が展開されるだろう
中国が米国と対等な競争者として台頭する中、アジアインド太平洋地域には新たな考え方が生まれており、北東アジアだけでなく、南東アジアからインド洋も含めた展開地域拡大検討が迫られている

Micronesia.jpg●特にグアムとパプアニューギニアをつなぐミクロネシアの島々で、危機に際しての「staging ground」としての利用を視野に置いている
パプアニューギニアのManus Islandに中国が海軍基地を建設しようと試みたが、ペンス副大統領がパプアニューギニアの島々の主権と海洋権益を守るため、豪州と協力すると表明している
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米国第一主義で、アジア太平洋地域の安全保障に関心の低そうなトランプ大統領の下で米中摩擦が過熱する中、過去に実績のない場所で米軍拠点を引き受ける国があるのでしょうか?

中国の進出を脅威に感じるパプアニューギニアやミクロネシアなどの南方の島々のことをイメージしているのでしょうか? 今後の動きに注目したいと思います

太平洋軍司令官の上院証言(2月)
「太平洋軍が兵力分散検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-16-1

太平洋軍の動き
「太平洋軍司令官が議会にお願い事項」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-29
「太平洋空軍が飛行部隊の分散演習」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-27

A2AD中国軍事力関連の記事
「空母キラーDF-26の発射映像」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31
「射程1800㎞の砲を米陸軍に」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1
「DIAが中国軍事力レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-17

「H-20初飛行間近?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-13
「イメージ映像:中国軍島嶼占領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「驚異の対艦ミサイルYJ-18」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30

米空軍の西太平洋対策
「担当空軍司令官がACEを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10-1
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「岩田元陸幕長の発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09 

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

グアム島の抗たん化対策
「被害復旧部隊を沖縄から避難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1
「テニアンをグアムの代替に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16-1
「グアム施設強化等の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1

「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12
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豪州は米国の中距離ミサイル配備要請を否定 [エスパー国防長官]

米豪2+2の場でのやり取りは?
いよいよ在日米軍基地か自衛隊演習場か?
それともグアムに仮置きか?

Australia US.jpg5日、米国がINF条約を破棄してアジアに中距離ミサイルを配備すると表明した直後に、米国と「2+2協議」を行った豪州首脳たちは米国から中距離ミサイル配備に関する受け入れ要請はなく、米側から話題にすることもなかったと語りました

豪州国防相に至っては、TVインタビューで明確に、エスパー国防長官に要請する可能性があるのか直接尋ねたが、「No」との返事だったと明らかにしており、現時点では豪州には配備受け入れ要請はなかったようです

2日に米国がINF全廃条約から公式撤退し、エスパー国防長官が数か月以内にアジアに中距離ミサイルを配備したいと述べた直後から、豪州国内では米海兵隊がローテーション派遣を行っている北部のダーウィンに配備されるのでは・・・との憶測が飛び交っており、今回の米豪2+2の影のメインテーマとも囁かれていたようです

5日付Military.com記事によれば
Australia US2.jpg●5日に「2+2協議」を行って米側の国務長官と国防長官が豪州を離れた後、豪州のScott Morrison首相は「その件については要請されなかったし、協議もしていない。豪州に依頼はない。下線を引いて強調しても良い」と語った
●同じく「2+2協議」後にABCテレビに対し、Linda Reynolds豪州国防相は「私はエスパー国防長官に直接質問し、豪州に配備要請する事が予期されるのかと尋ねたが、エスパー長官は明確にNoと答えた」と明らかにしている

中国に大量の石炭や鉄鉱石を輸出して困難な世界経済の中を立ち回っている豪州に、仮に中国が対象目標となる米国の中距離ミサイル配備要請が米国からあれば、それは豪州を極めて難しい立場に追い込むことになる
●今回の豪州訪問で米側は、経済面で中国との関係を深める豪州に警鐘を発しており、ポンペイオ国務長官は「豪州は目をよく見開いて、中国の増々強硬な行いを見よ」と警鐘を鳴らしている

Australia US3.jpg●また同国務長官は豪州指導者たちに「中国との貿易を続けるために、中国の行いから目を背けてはいけない」と警告し、魂を売るか、豪州国民を守るかの選択だとも表現した
●更に国務長官は「中国と貿易することは可能だと考えるが、同時に中国には世界のルールに沿って行動すべき」と要求すべきだと語った

豪州国内では、米国が中距離ミサイルをアジアに配備すると明らかにして以来、米海兵隊がローテーション派遣を行っている北部のダーウィンに配備されるのでは・・・との憶測が飛び交っていた
●関係の専門家たちには、グアムにある米軍基地に中距離ミサイルが配備される可能性が高いと噂している
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エスパー長官による「数か月以内にアジアに中距離ミサイルを配備したい」発言を配信した米軍事メディア記事は、併せて米国防省高官の話として、
●「今月中にも射程約1100km(620nm)の低高度飛翔タイプ巡航ミサイルの試験が予定され、18ヶ月以内に配備準備が整う見込みである
●「一方で、より長射程で射程1,860-2,490nm(3400-4500km)の弾道ミサイル開発には、5年以上必要だと見積もられている

JASSM.jpg・・・との話を紹介していました。とりあえず1100㎞射程の巡航ミサイル(トマホークやJASSM(Joint Air-to-Surface Standoff Missile)の射程延伸版の地上発射型との見方有)を配備する場所ですので、豪州はないでしょう。

台湾はあり得ないし、フィリピンでは南シナ海対処の意味しかないので、日本かと思いましたが、グアムだとすると、有事に前方展開との考え方でしょうか?

6日夕方、日本に到着したエスパー国防長官は、日本政府や防衛省で何を語るのか・・・?

「エスパー長官がアジアに中距離ミサイル配備発言」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-04

JASSM関連の記事
「JASSMまだまだ射程延伸」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-15
「更なる射程延伸開発契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-09
「ポーランドに70発輸出承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30
「B-52をJASSM搭載に改良」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「JASSM-ERを本格生産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17-1
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Esper新長官アジアへ中距離弾導入とSTARTの運命 [エスパー国防長官]

INF全廃条約破棄を受けアジアに数ヶ月でほしい
START条約に変わる拡大枠組みが必要!?

Esper.jpg2日、初めての外国訪問となる豪州との2+2会合に向かうMark Esper新国防長官は記者団、「ロシアが履行していない条約を維持しない」との姿勢でINF全廃条約から米国が撤退したことを受け、アジアに早期に中距離ミサイルを配備する方向だが、より高性能のミサイルの配備には時間が必要との見方を示しました。ただ配備予定国には触れず、今後の関係国との調整が必要だと語りました。

また、唯一残された核兵器管理の枠組みで2021年2月に条約の有効期限が来る2011年締結の米露間の戦略核兵器制限条約であるNew START条約について、トランプ大統領が「オバマ時代の悪いディールだ」と発言していることを受け、また中国を含めた枠組みの必要性を主張している点を配慮し、枠組み対象国や制限対象の兵器について拡大する方向で検討することを示唆した模様です

3日付Military.com記事によれば
●Esper新長官は機内で記者団に、トランプ政権が2日にINF全廃条約から離脱したことを受け、数ヶ月以内にアジアに中距離ミサイルを配備したいとの意向を示し、「遅かれ早かれ、我々は必要な能力を展開させたいと考えるのが普通だ。私は数ヶ月以内を望むが、その準備が正確にどの段階にあるか把握していない」と語った
Esper3.jpg●また、7月23日に議会承認を得て初めての外国訪問に向かう長官は、中距離ミサイルの具体的な配備先については、今後の同盟国等との協議によると述べるに止まった

米軍による中距離ミサイル配備に対する中国からの反発を懸念する記者からの質問に対し長官は、「中国が保有するミサイルの80%以上が中距離射程のものであることを考えれば、米国が同様のものを配備したいと考えることに中国として驚きはないだろう」と応えた
●そして、インド太平洋地域の広大なエリアを考えれば、米国による有効な注射艇兵器の配備は重要だとの考えを示した

●国防省関係筋によれば、今月中にも射程約1100km(620nm)の低高度飛翔タイプ巡航ミサイルの試験が予定され、18ヶ月以内に配備準備が整う見込みである
一方で、より長射程で射程1,860-2,490nm(3400-4500km)の弾道ミサイル開発には、5年以上必要だと見積もられている。上記の巡航ミサイルも弾道ミサイルも核弾頭は搭載しないものである

米露関係悪化でNew START条約はどうなる?
Esper4.jpgNew START条約は2011年2月5日に発行したもので、双方の戦略核弾頭上限を1550発とし、その運搬手段である戦略ミサイルや爆撃機配備数上限を700に制限する条約で、有効期限は10年間で、最大5年の延長を可能とし、条約の履行検証は米ロ両国政府による相互査察により行うこととなっている。
●ただ、この条約を両国の議会が批准した際、米議会は米ミサイル防衛システム(MD)の開発配備が同条約に規制されないとしたが、ロシア議会は、MD配備によりロシアの核が不利になり戦力バランスが不均衡になる場合は条約から脱退できるとの付帯条項を含めた

トランプ大統領は本条約を「オバマ時代の悪いディールだ」と呼び、中国も含めた米中露の3カ国で核兵器管理の合意を追及すべきだと発言している
●これらを踏まえ新長官は、米国は他の核保有国も協議の枠組みに加え、また条約の対称となる兵器の種類も拡大すべきだと語った。そしてNew STARTから新たな枠組みへの議論に展開しても、軍拡競争にはならないし、米国は欧州と太平洋地域を守るミサイル能力の展開が必要だと語った
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INF破棄後に、とりあえず射程1100km程度の地上発射型の巡航ミサイルを配備するとして、日本と台湾とフィリピンぐらいしかないと思いますが、どうなるんでしょうか? 

Esper5.jpgイージス・アショアの配備だけで、オスプレイの配備だけで、防衛省はパンク状態のような気もしますが、明確な攻撃兵器である地上発射型の巡航ミサイル配備の調整など、現在の日本で可能でしょうか?

案外ここは、韓国が開発した射程800kmの「玄武-2C」ミサイルを持ち出し、それも脅威対象の一つとして日本国内に説明する方が、今の雰囲気には合うのかもしれません

豪州との2+2、陸軍士官学校の同級生コンビであるポンペイオ国務長官と頑張っていただきましょう!

「Esper長官の略歴
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-20

ロシアの違反が発端:INF全廃条約の失効関連経緯
「トランプが条約離脱発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-1
「露は違反ミサイルを排除せよ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-06
「露を条約に戻すためには・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-20
「ハリス司令官がINF条約破棄要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15

米国核兵器を巡る動向
「次期ICBMのRFP発出」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-18
「今後10年の核関連予算見積が23%増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26
「核兵器輸送がNo2任務」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-11
「ついにINF条約破棄へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-1
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「サイバー時代の核管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「リーク版:核態勢見直しNPR」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13
「議会見積:今後30年で140兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1

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