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臨時国防長官Christopher Miller氏はどんな人? [エスパー国防長官]

年初には次官補代理だった人物が臨時国防長官に
本来なら副長官が臨時長官職に就くべきと異論噴出中ですが

Trump Esper.jpg9日、トランプ大統領がツイートで、エスパー国防長官を更迭し、2020年初には次官補代理だったChristopher Miller国家対テロセンター長(上院で全会一位で承認、8月に就任したばかり)を臨時国防長官に任命すると発表しました。

Miller2.jpgChristopher Miller氏は2014年に米陸軍を退役(おそらく中佐)した人物で、軍退役後7年以上経過が国防長官就任の条件であることから正式な国防長官には就任できませんし、法的には上院で承認されているDavid Norquist国防副長官が臨時長官に就任するべきだとの異論も各所から出ていることから、ゴタゴタしそうな雰囲気です

ですが、今年年初には国防長官から4階層下の次官補代理だった「対テロ特殊作戦」の専門家が、1月までの短期間とは言え国防長官職に任命されたので、少ない情報からご紹介しておきます


米国防省サイトに残る次官補時代の経歴表等からすると
Miller.jpg1965年10月15日生まれ(55歳)でアイオワ州アイオワ市育ち。地元の高校卒業後、1983年に下士官として米陸軍予備役及びワシントンDC軍警察に入隊する
ジョージワシントン大学をROCTコースで卒業(首席で卒業、歴史学の学士)後、1987年陸軍歩兵部隊士官に任官、その後特殊作戦部隊に移り、第5特殊作戦群で多様な指揮官や幕僚職を経験する

2001年にアフガンで初実戦、2003年にはイラクにも展開、その後も中東地域に何度も派遣され、他機関や他軍種と連携しつつ特殊作戦の経験を積む
2014年に第5特殊作戦群第2大隊長か同群主要幕僚で退役(大佐:50歳)し、その後2年間は秘密の特殊作戦に関わる民間軍事会社に所属し、国防省の政策次官等をその専門知識で支えた

2018年から2019年の間、国家安全保障評議会NSCの対テロ担当上級部長と大統領特別補佐官を務めた

2020年1月から特殊作戦及び対テロ担当の国防次官補代理、その後時間を置かず、特殊作戦担当次官補に昇進
Miller4.jpg2020年8月から、国家対テロセンター長(Director of the National Counterterrorism Center)を務めていた

米海軍大学指揮幕僚大学卒で国家安全保障の修士号を得、米陸軍大学の上級指揮官コースも卒業している
奥さんと成人した娘が2人、大学生の息子一人
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急遽充実されたMiller氏のウィキペディアページ
https://en.wikipedia.org/wiki/Christopher_C._Miller 

国防長官を政権移行期間に入るこのタイミングで「更迭」することにも批判噴出中ですが、対テロから中国ロシア対処に転換を図る過程にある米国防省のトップに、「対テロ」専門家の退役中佐が実質4階級特進で就任することに興味津々です

50歳で大佐で退役していたのなら、Miller氏は、軍人として「出世街道」とは別のその道の専門家的な道を歩んだ人物です。

エスパー長官、お疲れさまでした。 国防省職員や米軍兵士に宛てた最後のメッセージ紹介報道
https://www.military.com/daily-news/2020/11/09/heres-secdef-mark-espers-final-memo-pentagon-staff.html 

「死に体:エスパー国防長官と後任候補」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-31

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「死に体」エスパー国防長官の後任候補は [エスパー国防長官]

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トランプ再選時とバイデン政権時の2パターン
エスパー長官の寂しき現状を踏まえ

Esper RAND2.jpg10月29日付Military.comが、人種問題暴動への米軍派遣に反対してトランプ大統領の反感を買ったエスパー国防長官は「死に体」状態にあり、大統領選挙の結果にかかわらず交代必至だとワシントンDCの「一般常識」になっていると紹介しつつ、次の国防長官は政権政党にかかわらず史上初の女性になるだろうと予想しています

白人警察官が黒人男性の首を膝で押さえつけて死亡させた事件を発端に、「BLM」運動で破壊活動を伴うデモや騒乱が全米に広がった6月、トランプ大統領が米軍正規兵部隊の暴動鎮圧への投入を示唆した際、軍人出身者として部隊現場の雰囲気を察してか、いち早く反対の姿勢を示したことでエスパー長官とトランプ大統領との亀裂は修復不可能になったと言われています

Esper5.jpegポンペイオ国務長官と陸軍士官学校同期生で、湾岸戦争に現場指揮官として参戦し、陸軍中佐で退役した現場を知る国防長官として、前職の陸軍長官時代から軍改革の先頭に立ち、国防長官としても対中国に備えた各種改革検討に着手していた優秀な実務家であるエスパー長官が好きなまんぐーすとしては残念な限りですが、これも政治任用者の悲しい現実です

ワシントンDCに居場所が無いかのように海外訪問を続け、その発言が取り上げられることも少なくなりつつあるエスパー長官ですが、その後任が女性になりそうとのこの記事は、トランプ続投の場合、男性の中に国防長官を引き受けそうな人が見当たらないし、民主党は有力候補が女性で、それ以外でも史上初の女性国防長官との話題を民主党は好むだろうとのラインで書かれています

記事が名前を挙げている人物にどれほど根拠があるのか不明で、数人の識者に予想を聞いてみた・・・程度のお話ですが、DCの雰囲気を感じていただくべくご紹介します

10月29日付Military.com記事は後任国防長官について
Esper.jpg6月の暴動鎮圧への対応を巡り大統領と国防長官の関係が冷え込んでいるとの風評に関し、8月トランプ大統領はエスパー長官との関係について、「問題なくやっている。いい奴だ、問題ない」と記者団に応えていたが、その後のアフガンやドイツからの米軍削減発表に関し、国防省が蚊帳の外に置かれていたことから、最近NYT紙などはエスパー長官を「死に体の長官がペンタゴンを歩いている」と辛らつに表現している

エスパー長官は陸軍長官としてマティス国防長官が更迭される生々しさを間近で見て教訓としており、大統領との関係に細心の注意を払い、国防省のコロナ対策や米軍のコロナ対応への派遣にもうまく対応していると評価されていたが、BLM鎮圧の件での大統領との関係は修復不可能になったと言われている

トランプ大統領が再選された場合の後任候補
●CPAのLawrence Korb氏予想(レーガン政権次官補、元軍人)
---Martha McSally上院議員(元A-10飛行隊長、現役時上官にレイプされたと議会で証言)
---Joni Ernst上院議員(元州軍中佐) この2名は、11月3日の上院議員選挙で落選した場合に国防長官候補の可能性あり
●NYT紙
--- Barbara Barrett空軍長官(宇宙飛行士資格保有者で元フィンランド大使)

●CSISのMark Cancian氏予想
---トランプ大統領に仕える難しさを嫌い、政権外部に候補者を見つけるのは難しいが、政権内ではポンペイオ国務長官(エスパー長官と陸軍士官学校同期)ぐらいしか思いつかない
●Times誌
--- Ryan McCarthy陸軍長官(元陸軍レンジャー部隊幹部)、Tom Cotton上院議員(イラク従軍経験ある元陸軍士官)、Jack Keane元陸軍大将(トランプ大統領から大統領自由勲章を受ける)

バイデン政権が誕生した場合の後任候補
下馬評No1は、Michele Flournoy女史(元政策担当国防次官、CNAS共同創設者)
●CPAのLawrence Korb氏予想
---バイデン氏は女性初の国防長官で話題を狙い、かつ実戦経験のある女性を好むだろう。Tammy Duckworth上院議員(元陸軍ヘリ操縦者でイラク従軍で両足を失う)
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Barrett.jpg国務長官には過去3名(Condoleeza Rice、Madeleine Albright、Hillary Clinton)が登用されていますが、歴代27名が務めた国防長官は全て男性だそうです
なんだかんだ言って、バイデンよりはトランプの方が良いだろうと思う今日この頃ですが、どちらの国防長官も大変だろうと思います

また、NHKをはじめ日本メディアの報道の偏り具合が異常で、こんな日常に慣れてしまってよいのかと恐ろしくなる毎日です

「エスパーとマティスのデモ鎮圧関連発言に思う」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-04-1

エスパー長官関連記事18本
https://holyland.blog.ss-blog.jp/archive/c2306196525-1

フロノイ女史関連
「必要な国防政策を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-12
「米議会で中国抑止を議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-17
「強制削減下の国防」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2015-06-18-1
「ヘーゲル長官の後任を打診されたが」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2014-11-25
「国防次官候補者の発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-25
「フロノイ次官の退任」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-13
「フロノイのアジア政策授業」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-30

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米国防長官が米海軍体制検討のさわりを語る [エスパー国防長官]

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約半年、国防省が行った海軍体制検討
4月に資料がリークされ、空母2隻削減案だったが

Esper5.jpeg16日、エスパー国防長官がサンタモニカのRAND研究所で登壇し、春から半年かけて国防省独自に行った米海軍の将来体制検討「Future Naval Force Study」の結果について「さわり」部分に触れました。

この検討は、全国防省を巻き込んだ「new joint war plan」作成の一貫として、エスパー長官が米海軍の体制再検討を強く推進して行われたとされており、コスト評価計画室、統合参謀本部、米海軍とハドソン研究所らがそれぞれ独自に、ウォーゲームや分析を実施し、2045年までの約30年間の計画検討を行い、それぞれの結果を基にNorquist国防副長官に取りまとめを命じた力の入ったスタディーでした。

4月に検討文書の一部がリークされた際は
「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
●現在11隻体制の空母を9隻体制にすることを提言
●有事無人で平時は少数の兵士で運用可能な小型艦艇65隻の導入計画
●イージス艦等大型艦艇は現90隻に近い80隻以上で、小型艦艇を現在よりも多い55-70隻要求

LCSIndep2.JPG大きな変化は、平時は少ない人員で運用し、有事厳しい環境下では無人で運用する小型艦艇導入。同長官は「普段は状況の推移に応じ柔軟に搭載装備を変えて人運用をしているが、情勢の変化や作戦環境の変化により、無人運用にして犠牲が大きな負担とならない使用法に転換する」
●「これがあるべき方向に向かう道だ。より積極的にこれを進める。迅速に、2030年までに355隻体制に到達する道だと信じている」と表現

●3月にエスパー長官は、最終的な決断は、夏に終了する全国防省で行う「new joint war plan」検討の結果も踏まえて行うと述べ、現時点では何も決まっていないと説明

9月17日に長官が語ったのはほんの「さわり」で、4月のリーク文書からの変化がよくわからず、空母の扱いや有事無人の小型艦艇の方向性も語っていませんが、結果を副長官が中心になってまとめて検討はとりあえず終了したようなので記事をご紹介しておきます

17日付Military.com記事によれば
Ford2.jfifエスパー長官は、14日の週の週初めに副長官と検討チームから「Future Naval Force Study」の報告を受け、「結果は事実とデータに基づいた「game-changer」と言える真摯でしっかりしたものであった」、「検討結果は将来の海軍計画を考える際の指針となり、更に行う検討の材料ともなる」と語った
また、「手短に申し上げると、有人と無人艦艇をバランスを考えて合わせて350隻以上で、それら戦力が必要な期間内に予算枠内で完成させる計画である」、「これだけ大きな艦隊を構築する一つの道は、迅速に少人数で運用可能で、必要時には無人でも作戦可能な艦艇導入に向かうことだ」とも表現している

結果の概要について細部は語らなかったが、最終的には355隻体制を超える規模を目指し、より無人艦艇や無人水中艇に焦点を当てることや、造船所や修理施設への投資で「スケジュール通り予算内で収まる体制」整備の重要性を訴え、「検討結果を実現するには、艦艇建造や大規模戦力を維持する体制整備への予算増が欠かせない」と、すべては資金確保次第だとも表現している
そして「米海軍内や他所からその資金を見つけ、検討内容の実現を図るのが私と米海軍首脳のやるべきことだ」と付け加えた

FFGX.jpgまた、検討の中心にあったのはアジア太平洋で、より分散した戦力(によるネットワーク運用)と中国陸上配備の長射程空母キラーミサイルに対抗する「新型フリゲート」が一つの焦点だと語り、「米海軍は、計10隻で約6000億円となる新型ミサイルフリゲート艦の一番艦を、今年初めに約880億円契約している」と具体に紹介した
更に検討にあたり重視した中国の脅威について長官は、「開発中の最新兵器システムに加え、中国は、米海軍戦力に費用対効果良く対処するため、航続距離が長く、自立型な無人潜水艦にも投資をしている」と具体的な脅威を挙げた
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全国防省を巻き込んだ「new joint war plan」作成の一貫との事でしたが、最近ガードが堅い国防省が何を考えているのか、よくわかりません

母削減はどうなったのか・・・。無人でも運用可能で普段は少人数で多様な任務に対応する小型艦艇の迅速な導入はどうなったのか・・・。米海軍が独自に進めていた「空母の在り方検討」との折り合いはどうなのか・・・・今後表に出る様々な情報から邪推していきたいと思います

FFGX2.jpg新型フリゲート艦FFG(X)については知識不足で多くを語れませんが、イタリアの造船会社が落札で大きな話題となった7400トンの全長約150mで、32発の垂直発射管を備え、2029年度まで毎年2隻建造して20隻揃えたい思惑とかです

2017年当時の記事では
「新型フリゲート艦設計要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-06-01-1
我々の運用法は変化しつつある。ネットワークの視点で言えば、このフリゲート艦は大きな艦隊の一部となり、分散型海上作戦の遂行に寄与する」、「特に水上戦闘、局地的な航空戦、更に対潜水艦戦における破壊力と生存性の最大化を優先する」
「安保環境や予算環境が変化し、軍需産業基盤も変わった」、「これら変化を受け、フリゲート艦の多機能性を目指す要求性能を精査」「我々は設計段階に立ち返り、将来必要な艦艇を獲得する機会を確実にしなければならない」
沿岸戦闘艦をベースに、既存技術を活用して価格上昇リスクを抑え、能力向上が容易な中規模の艦を目指す・・・でした

米海軍への無人システム導入
「21年初に本格無人システム演習を太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10-1 
「潜水艦も無人化を強力推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-03
「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10
「新型フリゲート艦設計要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-06-01-1

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米国防長官:日本など同盟国に国防費GDP2%以上を要求 [エスパー国防長官]

期限は設けず。駐留経費負担増より筋が良い要求かも
NATOは2014年に2%設定も、達成率1/3以下

Esper RAND.jpg16日、エスパー国防長官が加州サンタモニカのRAND研究所で講演し、日本を含む同盟諸国に対し「防衛費を国内総生産(GDP)比で少なくとも2%に増額するよう要請する」と表明しました。

太平洋に面した西海岸での演説であり、中国を念頭にアジア太平洋諸国への呼びかけであったと考えられます

2014年のロシアのウクライナ侵攻を受け、NATOは当時のオバマ政権の強い働き掛けにより、GDP比2%以上の目標を2014年に設け、10年後の2024年を達成期限に設定しましたが、NATO以外の国に類似の数値目標を示したのは初めてです

RAND講演での関連発言要旨(各種報道より)
Esper RAND2.jpg私たちは今日の安全保障上の懸案に対処しつつ、将来の課題に備える集団的な責任がある。(中国の軍事的脅威の増大などを念頭に、)無関心は許されない。状況の変化を認識しなければ、私たちの価値観や安全が大幅に侵害され、さらなる挑戦を受ける危険が高まる
米国が急速な軍備拡大を進める中国に対抗し、今後も軍事的優位性を維持していくためには産学官一体となった取り組みが必要だ
世界中の同盟・パートナー国に対しては、共通の利益や価値を守り、安全を維持するという目標を達成するため、国防費を少なくともGDP比2%に増やし、軍事力向上に必要な投資を行うよう求める

NATO諸国への2%要求の状況
Obama NATO.jpgオバマ政権時代の2014年、NATOはロシアによるウクライナ南部・クリミア半島の併合を受けて対ロ防衛の増強を決定。2024年までに各国の国防費をGDP比2%以上に引き上げる目標も設け、欧州での平均は14年の1.44%から18年は1.51%へ上昇
トランプ政権は米国の一段の負担軽減に向けて早期の実現を求めているが、2020年時点で達成したのは加盟30カ国のうち米を含む9カ国だけ。今年6月には、ドイツが未だこの目標を達成せず、2030年頃達成との計画でいることに不満を示し、トランプ大統領は在独米軍約3.6万人から1.2万人を削減すると発表

Obama NATO2.jpgNATOの資料によると、2018年にGDP比2%目標を達成したのは7カ国。17年も達成していた米国(3.39%)、ギリシャ(2.22%)、英国(2.15%)、エストニア(2.07%)の4カ国に加え、ロシアの危機に直面するポーランド(2.05%)、ラトビア(2.03%)、リトアニア(2.0%)が伸びた
目標を大幅に下回ったドイツは、2018年で1.23%。2020年には同1.37%に上がるが、23年には1.25%程度に再び下がる見通しで、独政府は「2031年までに2%を達成したい」との態度を示している
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日本の防衛費はGDP比で約0.9%だそうですが、岩屋毅防衛相(当時)はNATOの基準に基づけば最大約1.3%になるとの試算を示したことがあるようです

Esper RAND3.JPGエスパー国防長官の発言が、2021年3月で現協定が期限を迎える在日米軍駐留経費の日本側負担「思いやり予算」交渉に、どのように関連してくるのかよくわかりませんが、「思いやり予算」増より、日本が使用できる国防費が増えた方が日本にとって意味があると思います

アジア周辺国のGDP比は、韓国2.6%、インド2.4%らしいです。台湾や東南アジア諸国と比較しても日本は低い可能性がありますから目立つでしょうね・・・。増やすならば、無理やり米国製兵器を交わされるのではなく、実質的な国防力・抑止力向上につなげてほしいと思います

ドイツ駐留米軍削減の関連
「国防長官が1.2万名削減計画を発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-30
「独駐留米軍を1万人削減へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-16
「移動先ポーランド大統領と会談」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-25
「米独2000名に安保アンケート」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-10
「9月末までに米軍再編検討を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-14 

在韓米軍関連の記事
「基地勤務の韓国人5千名レイオフ開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-01
「在韓米軍司令部が70㎞南へ移動」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-07-08
「韓国の米軍再編は順調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-27
「在韓米軍は兵士に不人気?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

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国防長官:実機で人間とAI操縦者対決を2024年に [エスパー国防長官]

8月20日のバーチャル環境でのAI操縦者圧勝を受け
9日エスパー長官が大々的に発表

Esper on line.jpg9日、エスパー国防長官が国防省主催の「Artificial Intelligence Symposium」で講演し、2024年に実際の作戦機に人工知能を搭載し、人間パイロットが操縦する航空機と対戦させると発表しました

人工知能AIと人間操縦者の対決は、国防省最高の研究機関DARPAが8月20日に開催したバーチャル環境下での「AlphaDogfight Trials」で実現し、5回戦ってAI側が5勝との「完勝」で終わりましたが、この結果を受け更に発展させようとエスパー長官は語っています

ただ「AlphaDogfight Trials」の結果があまりにも衝撃的であったこともあり、主催者側から、AI側の問題点や対戦条件がAIに有利だったかもしれない等の発言も出はじめており、更に「実機」へのAI搭載には安全面等で様々なハードルが予想されることから、今後の対戦準備や場の設定は単純ではないと想像いたします

9日付C4isrnet記事によれば
AlphaDogfight2.jpegエスパー長官は講演で、「(8月20日の)AI側の圧倒的勝利は、バーチャル環境下での模擬空中戦において、AIの最新アルゴリズムが人間を上回る能力であることを示した。このシミュレーション対決を、2024年には現実世界におけるフルスケールの作戦機勝負へと発展させることにする」と宣言した

「AlphaDogfight Trials」で参加8企業チームの戦いを勝ち抜け、Weapon Schoolを卒業したばかりの人間操縦者に挑戦した「Heron Systems」のAIは、その攻撃的な戦いぶりと射撃の正確さで会場に名を轟かせた(gained notorietyとの表現です。悪評か?)
●(まんぐーす注→敗れた人間操縦者が大会後、飛行の安全を考えて米空軍が普段遵守している、敵との最低限の高度差を確保するとか、真正面に近い方向からの接敵を避ける配慮は、AIにはなかったと初対戦時に気づいて戦い方を修正したと語っており、この点も今後の要考慮点で悪評の原因か)

AlphaDogfight4.jpegただし、Heron Systems社のソフトも完全ではなく、基本的な戦闘行動パターンの途中で、敵の在空また飛行する方向の認識を誤り、逆方向に旋回する誤ちをしばしば起こしており、大会中改善されなかった
DARPAの担当責任者Dan Javorsek空軍大佐も大会後に、「付け加えるべき多くの警告事項や前提条件が明らかになった」と述べ、またAI側に実際の戦闘場面では入手不可能な多くの事前データを与えていたかもしれないと、対決の場の設定に再考の余地があるような発言をしてい
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原点に立ち返ると、このプロジェクトは、人間の「AIへの信頼性を高め、「AIは使い方によっては使える」と有人操縦者に信じてもらえるようにすることを目的に始まっています

ですから、AIがかった、人間が勝った・・・との話ではなく、無人機ウイングマンにAIを搭載した場合、どのような判断をAIに任せ、人間操縦者はどの部分を担当すれば全体の戦闘力アップにつながるかを見極めるための研究です。また無人機を地上から操作する場合には、どこまでAIゆだね、どの部分を地上からサポートすべきか、を見極める研究でもあります

Esper5.jpegまんぐーすも、「速報、AI側の圧勝」とツイートしてあおった側の人間ですが、AIの発展には大いに期待しつつ、今後の展開を見守りたいと思います

補足、下記の過去記事で、米空軍研究所が2021年7月に無人戦闘機と有人戦闘機のが空中戦対決を準備しているとご紹介していますが、この取り組みとエスパー長官発言の関係は不明です

無人機空中戦の検討プロジェクト
「AI操縦者が5-0で圧勝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-11
「無人機含む空中戦を支えるAI開発本格化」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-19
「米空軍研究所AFRLは2021年に実機で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-05

米空軍の計画
「米空軍の無人ウイングマン構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-27
「XQ-58AのRFI発出」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3

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国防長官:ドイツから米軍1万2千名を削減する [エスパー国防長官]

大統領の指示以前から検討していたことを強調
時程は不明も約半数は米本土に戻る計画
アジアへの移動は「現時点で計画なし」

Esper5.jpeg29日、エスパー国防長官が欧州米軍司令官(兼ねてNATO司令官)らを伴って会見を行い、トランプ大統領が6月に発表した「ドイツが国防費を増加させないことへの制裁」としての駐留米軍削減について、大統領の指示以前から検討していた世界的な米軍再編の一環だと強調しつつ、当初言われていた0.95万人規模より多い約1.2万人規模の削減を計画していると説明しました

正確には削減する11900名の約半数にあたる6400名は米本土へ帰還し、他はポーランドやイタリア、バルト三国や黒海周辺地域に移動してNATO戦力配置をより東に移動させる方向で、ドイツには依然として欧州最大の24000名が残ると国防長官らは説明しました

Wolters2.jpeg国防長官は「ドイツは欧州で最も豊かな国であり、国防支出を増やすべきだ」と述べる一方で、ドイツ駐留米軍削減や移転について数か月前から検討を開始しており、大統領の指示は検討作業を加速させたに過ぎない」と、削減が既定路線であることを強調、「私が考える戦略的な他の目的達成のための一つのピースだ」と表現し、「全世界の地域戦闘コマンド体制の長期的見直し」の一部だと語りました

一方で国防長官は、部隊の大規模な移転には兵士家族への影響や、地域社会など多数の利害関係者との調整が不可欠であり、慎重に調整や検討を進める必要があるとも説明し、具体的な駐留米軍削減の時程については一切触れませんでした。また移転に伴う経費を「数千億円:single digit billions」と推計していると述べました

Germany US.jfifまた記者団からの、アジア太平洋地域への移動計画はあるかとの質問に対し国防長官は、「可能性はあるが、現時点では計画はない」と答えています

以下では、「9月末までにまとめる」と1月25日にエスパー長官が発言していた米軍の世界的な再編検討として、トランプ大統領が6月15日に独駐留米軍削減を発表する以前から練られていた、かなり具体的な移動対象部隊について会見からご紹介します

「9月末までに米軍再編検討を」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-14

7月29日付Military.com記事によれば
会見は、エスパー長官がJohn Hyten統合参謀本部副議長とTod Wolters欧州米軍司令官(兼ねてNATO司令官)を伴って行われた
●司令部機能の移転について
--- 欧州米軍司令部と同特殊作戦軍司令部をシュツットガルトから、ベルギーMonsへ
--- 米アフリカ軍司令部2500名をシュツットガルトから、場所未定ながらベルギーへ

●米陸軍の移転について
--- 第2騎兵連隊4500名は、米本土へ
--- 新設の第5軍の司令部をポーランドへ、関連部隊をポーランドやバルト3国へ
--- 陸軍第52施設大隊を含む2個大隊を、イタリアへ

米空軍の移転について
--- 独駐留の第52戦闘航空団F-16飛行部隊と航空団スタッフが、イタリアへ
--- ドイツへ移転予定だった英Mildenhall空軍基地駐留の空中給油航空団と特殊作戦航空団の米空軍2500名は、移転中止で英駐留継続
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Germany US3.jfif在韓米軍削減話の際もご説明しましたが、トランプ大統領による「同盟国の軍事費負担増」要求が検討加速の材料となったことは確かですが、米軍と米国防省が世界的な米軍再編を検討しており、「9月末までにまとめる」と1月25日にエスパー長官が発言していますので、トランプ大統領をうまく利用して米国防省が「やりたいことをやっている」とも言えます

米空軍爆撃機が今年春から始めた「dynamic force employments」方式へと切り替えとの名目で、専門家からは、ドイツや韓国だけでなく、中東や日本に駐留する米軍兵士も再編(削減)検討の対象になっているとの指摘もあり、ドイツや韓国の状況は日本にとって対岸の火事ではありません

PACOM.jpg先日の記事の繰り返しになりますが、中国(北朝鮮も含む)の弾道ミサイルや巡航ミサイル、サイバー戦や電子戦能力の充実度を考えれば、有事に在日米軍をそのまま在日米軍基地を根拠として活動させることには限界があり

有事間際になって日本から在日米軍が「転進」したのでは見た目も悪いので、日本の国防費支出や駐留経費負担程度を理由に、在日米軍を平時のうちに削減することは、トランプ政治的にも純軍事的視点からも「あり得る選択肢」だとも思います

ドイツ駐留米軍削減の関連
「独駐留米軍を1万人削減へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-16
「移動先ポーランド大統領と会談」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-25
「米独2000名に安保アンケート」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-10
「9月末までに米軍再編検討を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-14 

在韓米軍の関連記事
「在韓米軍削減案報道に長官は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-22
「米軍基地勤務の韓国人5千名レイオフ開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-01
「在韓米軍司令部が70㎞南へ移動」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-07-08
「韓国の米軍再編は順調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-27
「在韓米軍は兵士に不人気?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

在日米軍基地は有事には
「西太平洋の基地防御は困難」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-23
「欺まんで中国軍を騙せ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-21

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WSJ誌報道の在韓米軍削減案提示に国防長官が [エスパー国防長官]

国防省報道官や太平洋軍司令官も関連発言
大統領だけの思い付きではなく、国防省も支持の印象です

Esper3.jpg21日、エスパー国防長官やDavidson太平洋軍司令官などが別々の場で17日付WSJ誌電子版による「米統合参謀本部がホワイトハウスに対し、在韓米軍削減オプションを複数案提示した」との報道に関し発言し、情勢や新たな装備導入などに応じ、国家防衛戦略NDS遂行のため最適な態勢を追求するとして報道を否定しませんでした

WSJ誌報道の背景には、在韓米軍駐留経費の韓国負担増問題があり米韓の実務者間では2019年の韓国負担経費額(約1200億円)から13%増で合意したものの、米国防省と国務省が「トランプ大統領が納得しない」として拒否し、経費負担割合を定める特別措置協定(SMA)が3月末で失効して、在韓米軍で勤務する韓国人のうち約4千名が無給休職に追い込まれる等の問題に発展しているところです

Korea3.jpg幸い、在韓米軍で働く韓国人職員の人件費については、2020年末まで韓国政府が全額を負担することで合意(協定では韓米8:2)しましたが、あくまで暫定措置であり、国防費が伸びないドイツに対しトランプ大統領が、制裁として「ドイツ駐留米軍3.45万人のうち約9500人を削減」して一部をポーランドに移すと指示した件もあり、単なる恫喝で終わらない可能性もあります

元々韓国は米軍兵士にとって人気のない勤務地で韓国側が費用の大半を負担し、米軍司令部等をソウルから南へ70㎞の場所に移すと同時に、最新設備の米軍兵士住宅をたっぷり準備するなどの措置を行ってきましたが、米軍内にも中東への長期派遣などで負担感が増しており、海外駐留部隊の削減に強い反対姿勢はない雰囲気です

21日付米空軍協会web記事によれば
Esper.jpgエスパー国防長官は21日、「全ての地域戦闘コマンドの状況を見ているところであり、国家防衛戦略NDS遂行のため、最適化した配置を検討している」、「(検討は)米国により柔軟性を提供することを狙いとするもの」等と表現し
最近米空軍爆撃機部隊が始めた、グアム島に駐留派遣する形式ではなく、米本土の基地から必要時に長距離直接派遣を情勢に応じ柔軟に行う「dynamic force employments」方式を、海軍艦艇や地上部隊にも適用するオプションも含まれると示唆した

21日、米太平洋軍司令官のPhilip S. Davidson海軍大将は別の場で記者団に、「朝鮮半島に駐留する米軍に関する変更命令は受けていない」と述べる一方で、「米軍がF-35など新たな高性能装備を導入する過程で、北朝鮮と今夜から対峙することになっても勝利を収めることが可能な態勢が変化することはあり得る」と表現した
Davidson.jpgそして地域戦闘コマンド司令官として、「どのような態勢が任務達成のために必要なのかを見極めることは、司令官としての責務である」とも述べ、「どの部隊を新たに導入し、どの部隊を米本国に戻すかをのガイダンスを、情勢に応じて示す必要がある」と語った

米国防省のRath Hoffman報道官は21日の会見で、「いくつかの地域戦闘コマンドは、より効率的な米軍全体の態勢を考える上で、変更の必要性や可能性がある伝統的な任務や行動を背負っている」と語っている
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米議会からは、ドイツ駐留兵士の削減にも在韓米軍削減についても反対の声が上がっていますが、日米の専門家からは、ドイツや韓国だけでなく、中東や日本に駐留する米軍兵士も削減検討の対象になっているとの指摘もあり、韓国の状況は対岸の火事ではありません

Korea-runway2.jpg中国(北朝鮮も含む)の弾道ミサイルや巡航ミサイルの充実度や、サイバー戦や電子戦能力を考えれば、有事に在日米軍をそのまま在日米軍基地を根拠として活動させることには限界があり、米空軍は戦力の分散運用ACE(Agile Combat Employment)構想に向けた検討や訓練しているのですが

有事間際になって日本から在日米軍が「転進」したのでは見た目も悪いので、日本の国防費支出や駐留経費負担程度を理由に、在日米軍を平時のうちに削減することは、トランプ政治的にも純軍事的視点からも「あり得る選択肢」だとも思います。21日の国防長官らの発言ぶりを聞いて、残念ながらそう思いました

ドイツ駐留米軍削減の関連
「独駐留米軍を1万人削減へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-16
「移動先ポーランド大統領と会談」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-25
「米独2000名に安保アンケート」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-10

在韓米軍の関連記事
「米軍基地勤務の韓国人5千名レイオフ開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-01
「在韓米軍司令部が70㎞南へ移動」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-07-08
「韓国の米軍再編は順調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-27
「在韓米軍は兵士に不人気?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

在日米軍基地は有事には
「西太平洋の基地防御は困難」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-23
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エスパー長官&マティス元長官のデモ鎮圧関連の発言に思う [エスパー国防長官]

まんぐーすは思います。

Esper3.jpgエスパー国防長官が正規軍のデモ隊鎮圧への投入に、スタッフ的な立場から反対意見を述べたのは、米軍兵士の心を知る、陸軍士官学校出身の元陸軍中佐として、米軍部隊内の黒人兵士の動きに不穏な雰囲気を感じたからだと思います。

また、マティス元国防長官の寄稿にも、その思いが約35%は含まれていると思います。

Mattis4.jpg主要なポストに就く黒人下士官が、本件に政治的メッセージを発信し始めていることや、恐らく前線部隊の中でも、兵士の間で議論が白熱して言い争い等が生まれていることを聞き及び、前線部隊経験者として、米軍を代表する立場にある者(あった者)として、部隊の安定のため、姿勢を示す必要性を強く感じたのだと思います。

対外的な発信を主に意図したものではなく、米軍内部に向けた、「トップは部隊の思いをわかっているぞ」との意思表示であり、言い換えれば、言葉は悪いですが部隊内の「ガス抜き」的な意味合いもあると思います

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米国防省内の今後のコロナ対処方針 [エスパー国防長官]

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米軍兵士を優先度で4階層に分けて検査
経済活動再開地域には2段階対処方針で

Esper corona2.jpg5日、エスパー国防長官とMilley統合参謀本部議長が記者会見して国防省と米軍内におけるコロナ対策の方向性について説明し、米軍兵士(職員含む?)を緊急度や優先度を基準に4つのグループ(4階層:four-tier)に分け、第1階層からウイルス検査を行い、合わせて抗体保持の状況を確認して今後の活動方針検討の資とすると明らかにしました。ちなみに、最優先の第1階層については全員の検査が既に終了しているようです

また、州毎に順次経済活動の再開が始まっていることから、通常体制に向かいつつある州に所在する米軍基地や国防省機関向けの対応指針を示すということです。更に、ウイルスの「人工説」や「意図的拡散説」については考えにくいと否定しています

米軍は、3月13日のトランプ大統領による「国家非常事態宣言」を受け、3月25日に全ての米軍人と文民職員の不要不急の移動を2-3ヶ月間停止すると発表、更に4月14日には指示を延長すると発言し、時期については複数の国防省関係者が夏ごろまでと発言していたところです

corona US Force2.jpgこの意味するところは、中東やアフリカなど厳しい環境の地域に派遣されている部隊の交代ができず、前線部隊の負担が蓄積しているということで、何とか改善の糸口を見つけたい状況にあります

米国防省や米軍のコロナ対策・影響(随時更新・追記中)
5月5日時点で、米軍兵士の感染者は述べ4967名、文民職員や家族、基地内勤務契約業者の感染者延べ合計は7526名で、州兵の派遣数も5万名に近づいて増え続けています
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-19

また、大規模な演習や訓練は中止や縮小に追い込まれF-35の開発試験や国防省が注力している統合の指揮統制システムABMSの開発や全ドメイン連接実験演習ADC2も延期や遅れが伝えられていますが、そんな中で、出口戦略の一端を明らかにした会見と考えられます

5日付米空軍協会web記事によれば
Esper corona.jpg5日、エスパー国防長官とともに記者会見を行ったMilley統合参謀本部議長は、米軍兵士を4つの階層に分けコロナ検査(a four-tier testing plan)を実施し、「無症状感染者:asymptomatic personnel」を含む米軍内の感染状況を把握すると説明した
4つの階層は、カギとなる戦略任務や国土防衛にあたる兵士(核抑止3本柱関連兵士と領海領空保全などにあたる兵士を指すものと推測)、戦闘地域で活動する兵士、戦闘地域から帰還した兵士、そしてその他の兵士の4つに分類され、第1階層の戦略任務や国土防衛にあたる兵士に対する検査は全員終了しており、第2階層への検査に現在取り組んでいると同大将は説明した

エスパー長官は上記の方向で進めるためには、今後の感染の推移により変更があり得るが、国防省の現在の検査能力2万人/週を、5.6万人/週に拡大する必要があると説明した。一方で、全兵士に対する検査は必要ないと述べ、
●また4階層の優先度の高い3階層の検査を終えた後は、余裕があれば「その他の兵士」に対して「状況監視のための抽出検査:Sentinel testing」を行い、どのくらいの割合で無症状感染者が存在するのかを把握し、後の対処方針の参考にするとの構想を示した

corona US Force.jpgまたエスパー長官は、経済活動を再開し始めたジョージア、フロリダ、テキサス州などの地域の米軍基地や国防省機関を念頭に、国防省として2段階の対応の基本指針を示す予定だと説明し、その一つは全ての国防省関係者に共通する指針で、もう一つは前述の共通指針を基にした、各基地司令官が定める地域の状況に応じた細部指針であると説明した

更に長官は、様々な情報が交錯している「コロナウイルスの起源」に関し、国防省情報機関が引き続き情報収集と分析に取り組んでいると述べ、これまで集まった情報からすると、ウイルスが人工的なものでないことと、意図的に中国内で拡散されたものでない可能性が高い、と述べた
一方で、ウイルスの拡散が武漢の市場から始まったものなのか、同市内の研究所などからなのかについては結論には至っていない、とMilley議長は述べ、「多くの機関が様々視点から分析を行っているが、中国が門戸を開き、国際的な調査を受け入れれば大きな助けとなろう」と語った
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ウイルスの起源等について、なぜ長官でなくMilley議長が説明しているのでしょうか? 国防省の情報機関は長官が束ねているイメージなのですが・・・。長官が触れると刺激的すぎるからでしょうか?

未だに、米国や英国や欧州で爆発的に感染者や死者が拡大している理由がよくわかりませんが、様々な海外の事例を学びながら、この危機を乗り越えていきたいと考える次第です

それにしても、中国は如何なる理由で国際的な調査受け入れを拒否するのでしょうか? それでも国際社会は中国にすがって生きていくことになるのでしょうか? 

コロナ関連の記事
「RIMPAC、陸軍士官学校、英空母の事例」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-01
「ワクチン完成までの1年間程度は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-24
「米空軍士官学校卒業式2020」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-20
「中国やロシアの情報工作」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-15

「海空アクロチームが激励飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-29-1
「米国防省や米軍のコロナ対処・措置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-19

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米統参議長「危機の米国に手を出すな。痛い目にあうぞ」 [エスパー国防長官]

国防長官と統合参謀本部議長が会見
米軍の即応態勢には全く影響ない
色々ちょっかいがあるんでしょうねぇ・・・

Corvid19.jpg9日、エスパー国防長官とMark Milley統合参謀本部議長がインターネット放送を行い、Milley統合参謀本部議長が、米軍の即応態勢には影響がなく、「米国が困難に直面している時に、敵対者がこの機を悪用しようと考えたりすれば、それは恐ろしい間違いで痛い目にあう」と警告しました

米軍には州兵や予備役を含めて230万人の戦力があり、9日現在で2000名弱の感染者が米軍兵士に出ているが、米軍全体の0.1%にも満たない状況であり、米軍の作戦遂行能力には全く問題がないとの主張です

また、州軍兵士29000名、正規米軍兵士17000名がコロナ対処に従事し、全米の医療機関の支援や病院外受け入れ施設での対応に当っていると説明しています

Crozier.jpgまぁ・・・感染者多発の空母ルーズベルト艦長更迭→同空母乗員の不満爆発→海軍長官が自ら乗り出すも不満更に爆発しSNS上に流出→海軍長官更迭との、最前線部隊の見苦しい状態をさらけ出した米軍トップとしては、その健全性を訴えざるを得ないところでしょう

「アジア派遣中の空母ルーズベルト騒動」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-08

また先日ご紹介したように、米海兵隊がこのタイミングでサイバー対処部隊を始めてアジア展開中の艦艇に派遣し始めたように、米国や西側同盟国を試そうとする「ちょっかい」がサイバーや宇宙や陸海空ドメインで始まっていると感じさせる事象もありますので、Milley統合参謀本部議長は「イエローカード」を敵対国等に出したものと解釈できます

「アジア活動中の艦艇にサイバーチーム初派遣」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-08

いずれにしても、このような厳しい状況の際には、リーダーが先頭に立って「旗を振る」ことが大切ですので、ご紹介しておきます

9日付Military.com記事によれば
COVID-19.jpg9日、エスパー国防長官とMark Milley統合参謀本部議長がインターネット放送でメッセージ発信を行い、「トンネルの向こうに明かりが見えてきた」とコロナとの戦いに関する見通しを述べ、米軍の状況について、感染者はごく一部で、あらゆる事態への即応態勢には揺るぎがないと語った

特にMilley統合参謀本部議長は敵対国を意識し、「米国が困難に直面している時に、敵対者がこの機会を悪用しようとすれば、それは恐ろしい間違いで痛い目にあう」、「米軍は米国民を守るための如何なる作戦にも精通し、遂行する能力を十二分に備えている」と訴えた
9日時点で、1898名がコロナ感染(389 soldiers, 367 airmen, 164 Marines, 597 sailors and 381 National Guard)しているが、約230万人の米軍全体からすれば僅かな割合であり、同議長は「今日も明日も即応状態にある」と述べ、

エスパー国防長官は付け加え「私には如何なる任務をもこなしていく絶対的な自信がある」、「なぜなら、米軍の各級指揮官や下士官たちが、我がメンバーを守る手立てを打ってくれているからだ」と語った
●更に国防長官は、米軍内の感染率が0.09%と、一般社会の0.13%より遥かに低いのは、早い段階の2月3日からコロナ対応の指示を国防省内に出し、感染防止に先行的に取り組んできたからだと説明した

また約5万名の米軍や州軍兵士がコロナ対策の前線支援に当っていることに関しHyten統合参謀本部副議長は、多くの医療関係兵士が、一般病院のスタッフに感染者が出た穴を埋めたり、医師や看護師が休息を取る間のバックアップ要員として献身的な働きを見せていると説明した
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COVID-192.jpg発言の内容を見ていると、やはり「空母ルーズベルト」問題が米軍内外に波紋を起こし、兵士の心に動揺を与えていることが伺えますし、軍内にこれ以上の影響を及ぼさないようにするためのネットTV出演だったような気がします

更に「万全の即応態勢」については、中国正面から空母1隻が消えた今となっては苦しい言い訳ですが、爆撃機や潜水艦やミサイルが態勢を執っているのは間違いのない事実ですので、中国やロシアや北朝鮮は、自国内のことをまず心配してほしいものです

20世紀初頭に流行したスペイン風邪では、2度、3度と感染のピークが現れる長期戦となったようで、今回のコロナとの戦いでも長期戦を覚悟すると共に、「大恐慌以来で最悪」と見積もられる近未来の経済危機と安全保障の危機に、覚悟を決める必要がありましょう

米国防省とコロナ
「アジア活動中の艦艇にサイバーチーム初派遣」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-08
「アジア派遣中の空母ルーズベルト騒動」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-27
「米国防省コロナの影響と対応」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-27

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米国防省が5ヵ年投資計画の非公開化要求 [エスパー国防長官]

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4月3日、米国防省報道官が反論。完全非公開を求めているのではなく、どこまで公開し、どこを非公開にするかを議論したいと語る。今の議会の要求の緩和を求めていると
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敵対国に手の内を知られる恐れを主張
軍需産業との交渉も不利になると

FYDP.jpg3月30日付Defense-Newsは、国防省が米議会に対し、1989年から公開されてきているFYDP(国防5カ年計画:Future Year Defense Program)における支出計画を「非公開:classify」にするよう求めていると報じています

米国科学者連盟(FAS)のSteven Aftergood氏が、このような要求がなされていることを30日明らかにしたもので、Aftergood氏のほかメディアや研究者から、複雑な国防費の支出把握が難しくなるとか、国防計画の変更が一般国民から見えなくなるとかの反対論が早速上がっています

情報公開を善とするのが世の流れで、税金の不透明な流れや使途を明らかにして不正を正すことや、政治家を巡る不透明な金の流れを抑止するために役割を果たしてきたことは間違いないところですが、軍事に関しては微妙なところもあり、これだけ中国やロシアに追い上げ追い越されている状況では、少し公開レベルを考えたいのかもしれません

実際、B-21爆撃機を初めとして、様々な最近の装備品開発について、非公開の度合いが急上昇していますので・・・

3月30日付Defense-News記事によれば
FYDP2.jpgFYDP(国防5カ年計画:Future Year Defense Program)における支出計画数値データは、米国民にとっては、国防省が将来どの分野に投資するのかを知る重要な数値データであり、その数値が変更された際には適切性を見極める指標となるものである

Steven Aftergood氏が明らかにした国防省から米議会への要求によれば、国防省は「世に出回る様々なデータ分析技術や手法が高度化する中、既に国防省の活動や作戦に関する様々なデータや情報が公開され入手可能な状態にあり、これらに加えてFYDPデータが一般公開されれば、敵対勢力が公開情報を繋ぎ合わせ、戦略計画、兵器開発や戦力構成などについて抽出することを許容することになる」と懸念を示している
また国防省は軍需産業との関係に関する視点から、「FYDPデータを各予算年度ごとに予算額を公開する以前に明らかにすることで、将来にわたる資源配分計画を明らかにすることになり、これによって、各年度に企業側が入札する際や企業が開発計画を検討する際、国防省側にとって望ましくない結果を生む」と非公開を要求する理由を説明している

FYDP3.jpgFASのAftergood氏は国防省の動きを、「米議会や米国民が、国防予算や戦力構成について吟味することを困難にするものだ」と批判し、CSISのSeamus Daniels予算分析担当研究員は、「国民が、国防戦略に沿って予算配分が適切に行われているかや、どのように国防計画が変遷していくかを把握する機会を制限するものだ。米国防省の透明性を確保する点で大きな後退だ」と批判している
●また、軍人の中にも国防省の秘密主義を批判する者もおり、年初に統合参謀本部副議長が、国防省が「必要以上に秘密主義な傾向にある:tendency toward overclassification」と評したこともある
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関連記事でご紹介していますが、昨年秋に国防省情報機関の高官が、「ロシアや中国による情報戦やハイブリッド戦に対抗するため、同盟国を含めた西側情報コミュニティーは、情報分析手法や分析結果についてよりオープンに公開する方向に向かうべきではないか」と訴えていましたが、これは敵の動きや兵器開発に関する分析情報公開を推奨したもので、我の資源配分に関するものではありませ

また本文最後の統合参謀本部副議長による年初の発言も、どうも一部が切り取られたもののような気がします。

とは言え、F-35、フォード級空母、コロンビア級次期SSBN、KC-46空中給油機、ズムウォルト級ステルス駆逐艦などなど・・・突込みどころいっぱいの装備品だらけの米国防省ですから、「信じてくれ!」と言われても・・・な所はねぇ・・・

情報管理と情報戦
「ハイブリッド情報戦に備えて」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-05
「中国を欺瞞でだまそう」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-21
「対ロシア情報戦に国家として」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-03-24

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米国防省がコロナ関連の誤情報への対処webサイト [エスパー国防長官]

3月25日に開設:Q&A形式で
「戦争」時に執るべき有事広報の事例として

Crona.jpg3月25日、米国防省報道官が会見し、コロナウイルス(COVID-19)に関する国防省や米軍の活動に対する間違った「うわさ」や「誤情報」を打ち消す(dispel)ため、国防省webサイト内に特別のページを立ち上げたと発表しました

Rumor Control.jpgこの特設ページは「Coronavirus: Rumor Control」と名づけられ、「国家的な危機に直面して、誤った情報が容易に流布する下地があることから、事実とうわさを正しく識別することが重要」との観点から、「信頼できる機関から情報を入手することにより、うわさや誤情報の拡散をストップする」ために開設したとその主旨を記しています

同ページでは、「米国政府」や「CDC:疾病対策センター」の関連webサイトを紹介すると共に、米国防省関連を中心に、「デマ」や「誤情報」の拡大が見られる代表的な約20項目について、Q&A方式で正しい情報を紹介しています

代表的な「Q」をあげると・・・
●米国は(軍がコントロールする)戒厳令下にある
これは間違い。米国政府が軍を指揮下に対応している

●動員された州軍は連邦政府の指揮下にある
これも間違い。各州知事が各州軍を必要に応じ動員して対応している

●NYとLAに向かう米海軍の病院船は一般患者診療を受け付ける
間違い。医療機関が選別した特別な処置が必要な患者を受け入れる

●このウイルスは、米軍が中国に持ち込んだものである
米国政府は、中国が感染開始初期段階で中国が適切に対応せず、また感染拡大状況についての正確な情報を提供しないことを厳しく非難している。

27日付Military.com記事によれば
Rumor Control2.jpg25日、米国防省のAlyssa Farah報道官は、「国家的危機状態に際し、透明性を高くし、誤った情報の拡散防止を図る必要がある」、「国防長官や統合参謀本部議長らが、24日に国民向けの情報提供会見(town hall)を行ったりしているが、信頼できるソースへのアクセスが重要である」と述べ、
「先週米国防省は、中国政府高官による、米軍兵士が中国にコロナウイルスを持ち込んだとの濡れ衣に反論したが、この混乱に乗じ、これ以外にも様々な誤情報や作為的誤情報が流布し始めている。我々は、同盟国であろうと敵対国であろうと、世界と共に透明性高くありたいと考える一方で、誤った情報に対しては断固として対抗していく」と特設webサイト解説の背景を説明した

また同報道官は、国民の間に広まりつつある代表的な誤情報に対応し、「我々は(軍が社会を統制する)戒厳令に向かってはいない。また州軍は、各州内の様々な施設や場所で、ドライブするーウイルス検査や弱者への食料配送、州知事の計画に基づいた各種対策に従事しているが、あくまで本来の指揮系統である州知事の命を受け活動している」と強調した
●更に報道官は、「国家封鎖や国家規模での隔離(national lockdownやnational quarantine)が指示されたわけではない」ことを強調した
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米国防省が開設した誤情報・噂対処webページ
「Coronavirus: Rumor Control」
https://www.defense.gov/Explore/Spotlight/Coronavirus/Rumor-Control/

Rumor Control3.jpg米国内の様子はよく判りませんが、1週間で感染者が50倍以上になった社会の混乱は押して知るべきでしょう。比較的まだ被害の少ない日本でも、左翼がSNSやメディアを通じて注目集めのために撒き散らす情報や主張には、凶器(狂気)のようなものまで感じます

日本で有事の際の真の敵は、内なる左翼ではないかとしみじみ思う今日この頃ですので、米国防省の有事における一般広報の動きとして参考に致しましょう
もう少し、映像やわかりやすいイラストなど使用すると良いと思いますが・・・。今後改善されていくのでしょう・・・

中国資本のハイテク企業への浸潤を警戒
「米国防次官が緊急会見で懸念を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-26

米国防省や米軍のコロナ対策・影響まとめ
(随時更新・追記しています)
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-19

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5月21日時点:米国防省のコロナウイルス対応状況 [エスパー国防長官]

可能な範囲で、追記や補足をしていきます
5月21日付までの報道より

coronavirus.jpg3月13日にトランプ大統領が「国家非常事態宣言」を出して以降、めまぐるしく変化していく米国内のコロナウイルス対処の動きですが、米国防省に関して体系的にはまとめられませんが、ご紹介していきたいと思います。可能な範囲で追記等して行きたいと思います

各国首脳から「WW2以来、国家の団結が試される」とか、「100年に一度の難局だ」との発言が聞かれるようになった今日この頃ですが、日本の野党やリベラル(左翼)の見苦しさには、憤りを通り越した情けなさを感じます

早く収まって、サイレンとマジョリティーによる鉄槌を喰らわせたいと考える次第です

国防省勤務者の感染状況(表は5月21日現在)
米軍兵士と文民職員合計で7285名の感染が確認され、内254名が入院中、死者計17名。そのほかに、家族1026名と契約企業社員548名の計8859名(回復済み含む)に感染が確認されています。16日時点で計37名、18日時点で89名、19日で81名、20日に128名、23日に249名、24日に340名、25日に435名、26日で600名、27日に652名、30日に1087名、31日で1259名、4月1日で1405名、2日で1638名、3日は1752名、6日で2528名、7日で2657名、9日で3132名、10日で3360名、13日で4528名、14日で4769名、17日で4849名、20日で5335名、23日で5901名、28日で6648名、30日で6962名、5月4日で7434名、8日で7826名、11日で8046名、15日で8374名、21日で8859名(回復済み含む)と継続右肩上がり増加している
3月21日、Defense Security Cooperation Agencyで勤務する契約企業従業員1が死亡。DSCA本部はペンタゴン内に所在も、志望者の勤務場所等は非公開。同僚はテレワーク中途か。
ペンタゴンに出入りのある空軍兵士と空軍契約企業従業員各1名の感染が判明。「Defense Health Agency」所属の空軍兵士は3月16日に約1時間ペンタゴンに立ち入り、契約企業社員は3月2日以降はペンタゴンに出入りしていないと発表
0521.jpg








州軍の動員状況(5月21日現在)
4月9日現在での州軍兵士の動員数は27000名が召集。前日より約5000名増加。24日現在で動員された州兵の24名に感染確認。内1名は州軍司令部勤務。3月18日には、近く1万人以上となると州軍司令官(空軍大将)が発言
州軍の動員数推移→19日で2020名、20日に3330名、22日で7300名、23日で8000名、24日で9000名,25日で10700名、26日で11400名、27日で12300名、30日で14830名、31日で16130名、4月1日で17250名、2日で18500名、6日で22000名、7日で27000名、9日で29400名、10日で28000名と4月10日に始めて減少、13日は28000名で変化なしも、14日に3万名、17日に33000名、20日に36750名、23日に43300名、28日と30日で45000名、5月4日で46500名、8日で46500名、11日は46700名、15日で47000名だったが、21日は45850名と初めて減少傾向に
州兵の感染者数は4月17日で115名(0.4%)

しかし一方で、総数45万人の州軍の全ての招集には莫大な費用が必要で、現時点ではそんな計画はなく、やらせるべき仕事もないと同大将は発言
また、州軍を政府直轄(Federalizing the Guard)で使用する権限が大統領にはあるが、「現状では、州軍は州の管轄化で活動することが最も効率的であり、政府直轄は意味がない」と明言

3月30日、エスパー国防長官がニュージャージー州軍の兵士1名がコロナ感染で死亡と発表。州軍初の犠牲者

国防省と米軍の動き(5月21日付までの報道)
coronavirus3.jpg4月9日に国防長官と統合参謀本部議長がネット放送で、州軍等を含め米軍計5万名がコロナ対策に従事と説明
●統参議長は同ネット放送で「危機の米国に手を出すな。痛い目にあうぞ」と敵対国を想定し発言し、「兵士の感染は0.1%以下で米軍の即応態勢には全く影響なし」と強調

3月26日国防省は「給与と休暇」に関する指針を発表し、パンデミックの状況に鑑み、各自が最善の道を選択するよう指示

3月25日国防省は、全ての米軍人と文民職員の不要不急の移動を、2-3ヶ月間停止すると発表。今後60日間で移動を予定していた約9万人が影響を受ける模様
4月14日、エスパー国防長官が、米軍と文民職員への「不要不急」の移動を避ける指示を、5月1日から延長すると発言し、時期については複数の国防省関係者が夏ごろまでと発言

5月5日、エスパー長官が米軍兵士を4階層に分け、段階的に抗体保有を調べる検査を行うと発表。第1階層の核任務や領土保全兵士の検査は終了。次の階層の海外派兵兵士の検査を開始
5月11日、米海軍トップの家族の感染判明でGilady大将が隔離状態に。また州軍司令官自身が陽性判定で隔離(のちに陰性判定も不安定な検査結果)。ホワイトハウス内でも陽性者複数発覚

3月26日、アジア太平洋に展開中の空母ルーズベルトにグアムに寄航命令。乗員20名に感染確認、2週間前にベトナムのダナンに寄航
本件に関し、空母艦長が指揮系統以外を含む軍内各方面に救援要請レターを送り、それが外部に漏れたこともあり、艦長が更迭される。2日で感染者70名とも

Roosevelt2.jpg感染者90名以上を出し、窮状を訴えるレターを各所に送って即刻解任された空母ルーズベルト艦長を英雄視して見送る艦内集会の様子が4月3日SNS上で拡散。米国が好きな「自身を犠牲に部下を守た英雄」扱いですが、この密集集会を見せられると・・

Roosevelt.jpg続報、空母艦長を更迭した海軍長官が空母を訪問し、艦内放送でメディアへの艦内状況のリークはするなと乗員に指示したが、その様子がSNSで直ちに拡散し、米議会や大統領が問題視。海軍長官は謝罪させられ、4月7日夜に辞任。米海軍の闇深し

少なくとも同空母の乗員450名がコロナ感染判明。日本駐留の米海兵隊から約230名が対処のためグアムに到着
4月10日、エスパー国防長官が前艦長の復帰について、全ての選択肢が検討されている、と語る

4月22日現在、米海軍艦艇26隻(すべて入港中)でコロナ感染者、任務従事中の90隻に患者なし。米軍内で最も感染者が多い米海軍で累計1298名感染、空母ルーズベルトが777名占める
4月24日、米海軍トップのGilady大将とエスパー国防長官が会談し、更迭された艦長の復帰を米海軍側が要望。国防長官は時間をかけて考える必要があると対応したとか・・・新聞報道です

●4月6日、在日米軍司令部は『公衆衛生上の緊急事態宣言』を発令(5月5日まで)
この宣言により・・・
---駐留する米軍隊員、軍属らの健康を守るための対策を取る権限を司令官に与える
---司令官は米民間職員、嘱託社員、日本人職員、米軍属に対し、(軍人には既に命じていた)ウイルス拡散を阻むための規則遵守を命じることができる

嘉手納基地は3月30日から2日間、完全活動停止を決定。欧州から帰国の2兵士の感染が確認されたことを受け

米議会は、この夏に退役を予定している米軍主要幹部に関して、大統領の判断で退役を伸ばして継続勤務させることを可能とする法案を準備中。主な対象者はGoldfein空軍参謀総長、Raymond宇宙軍初代参謀総長、Lengyel州軍局長官(空軍大将)らである

エスパー国防長官は23日、陸軍の野戦病院5セットを準備しているが、まずニューヨークとシアトルに開設する方向だと発言
●同時に、膨れ上がる全ての州の要請には対応できないと発言。またペンタゴンと周辺への立ち入り制限を設け、入り口の限定、体温チェック等を行うと説明

4月5日、米北米コマンドはニューヨーク市へ海空軍衛生関係者を1000名派遣すると発表。同市では既に2256名がコロナ関連で死亡
25日、国防長官と統合参謀本部議長が同席でメッセージを発し、コロナ対策は数ヶ月を要し、部隊の即応態勢を低下させると発言

3月25日、米国防省が開設した誤情報対処webページ
「Coronavirus: Rumor Control」
https://www.defense.gov/Explore/Spotlight/Coronavirus/Rumor-Control/


統合参謀本部の医療担当トップは、「国防省のコロナウイルス対処の焦点が、米国内対処にシフトしつつあり、ウイルス検査を大規模に処理できるように施設容量の拡大を検討している」と発言。17日時点までに米軍の17箇所で計936ケースの検査を実施
米軍医科大学の4年生170名(正式な資格未取得)と看護学生60名を、4月から医療現場に派遣し、資格ある医師等の下で関連業務に従事させることを決定。同大学48年の歴史で初の決断

米陸軍が、特定の医療分野の退役済みの元医療関係者80万人に臨時現場復帰の希望者募集を行ったところ、3月27日までに1.4万人の反応があり細部を調整中。麻酔科、緊急治療室、呼吸器科などの分野で募集
4月10日、米陸軍は退役済みの元陸軍医療関係者25000名が現場復帰し活動中と発表

ペンタゴン勤務者に対し、可能な者はテレワークに移行してよいとの指示発出。一方で、米国防省全体でテレワーク使用者が急増し、国防省ネットワークの容量限界に迫りつつある

米中央軍は、中東展開中の全ての部隊の移動を14日間禁止し、コロナ感染拡大を防止
米欧州軍は、即応体制を維持しつつ、2600名の兵士を分散離隔(in self-isolation)し、訓練を中止
米太平洋軍は25日、「Health Protection Condition Level to Charlie」にし、ハワイでの感染者急増を受け、部隊団結強化を訴え。米CDCが日本と豪州への渡航制限アップ
26日、在日米軍が横須賀勤務の海軍兵士1名の感染確認を発表。初の在日米軍兵士の感染。15日に米国から入国し、観察期間で隔離されていた兵士

イラクでの多国籍軍によるイラク軍訓練は60日間停止。これに伴い、多国籍軍の訓練担当部隊2500名の一部(英軍兵など)が帰国開始
アフガン駐留米軍の交代要員の派遣が延期となり、現在駐留している要員の現地勤務が延長。23日現地の米兵士4名の感染判明

米戦略コマンドは、核抑止の3本柱は、業務に従事する兵士の管理を厳格にし、問題なく運用を継続中と発表
米海軍の病院船2隻をニューヨーク(USNS Comfort:30日到着)と西海岸(USNS Mercy スタッフ800名、1000ベッド、12手術室:27日ロスに到着。シアトル周辺が感染者多いが、将来予測で加州へ)で活用へ移動。
●4月10日、2隻の病院船の中の1隻の派遣先変更を検討中と海軍関係者が語る

4月30日、ニューヨークに派遣されていた病院船Comfortが帰還開始。3月30日から1か月間の支援で約150名の患者受け入れ。同市内の一般病院に余裕ができ始め、任務終了

●Goldfein空軍参謀総長は、米空軍の輸送機が、健康保健省を支援するため、ウイルス検査キットを輸送すると発表。また、重要輸送任務を担う搭乗員を隔離して稼動可能な要員を確保
空軍輸送コマンドは、爆撃機の運用維持と戦闘機の領土保全任務を優先して輸送任務を担い、それ以外については優先度を下げるとの方針決定

4月10日、米空軍C-17輸送機が、初めて輸送機用の特別患者空輸コンテナを使用し、3名の感染者をアフガンなら独の病院へ空輸

米空軍士官学校は、ほとんどの生徒を帰省させる措置を開始。また4年生を例年5月の卒業より早く卒業させる方向を決定。24日から士官学校の業務をほぼ停止米空軍の教育訓練コマンドは、現時点で同コマンドの実施する教育課程は、ウイルス対策に配慮しつつ行っているが、操縦教育課程も含め大きな影響は受けていないと発表。一方で新入隊者の受け入れ要領を、早急に見直し、各地域の関係部署と調整する必要があると発言
米空軍は3月31日、各級指揮官の判断により、兵士の安全や健康確保のため、「頭髪基準」からの逸脱を許容してよいと通達。理髪店での感染拡大を懸念して

4月22日、空軍参謀総長は、6月1日からワクチンが開発されるまでの約1年間、何回もの感染の波が繰り返される状況を予期し、「新しいアブノーマル」態勢で任務を行うと表現。「ワクチン開発成功まで」との具体的表現で長期戦覚悟と語る

coronavirus4.jpg●国防省は、戦略備蓄している500万個の医療用マスク(N95 respirator masks)、2000台の移送可能な呼吸補助機を、ウイルス対処に使用すると発表
陸軍参謀総長は、兵士募集所を全て閉鎖と発表。応募者に6名感染者発見を受けSNSやネットを使用した対象者とのコンタクトに移行を進めている

●米空軍は新兵採用者に感染者発覚が続いていることから、受け入れ基地をミシシッピ州の1箇所にまとめることを決定。4月7日までに実施
米軍基地数箇所で、ドライブスルー式のウイルス検査所を開設

4月28日、米海軍と米空軍の飛行アクロバットチームが、コロナと戦う関係者への敬意と感謝を示すため、全米の都市上空を飛行するイベント「America Strong」をニューヨークなどで開始。皆が久しぶりに見上げる大空と華麗な編隊飛行に歓声を。今後全米の都市を巡回飛行へhttps://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-29-1

●コロナ対策一色の地域コマンドのwebサイト
在日米軍のwebサイト
https://www.usfj.mil/
陸海空海兵隊により多少の違いはあるが、日常生活に必要な買い物や医療機関利用を除き、レストランや娯楽施設やジム等の混雑する場所への立ち入り禁止。基地の職場と自宅の往復程度に行動を限定
直接指揮権のない基地に勤務する文民職員に対しても、軍人と同様の行動を期待する

米太平洋軍のwebサイト
https://www.pacom.mil/
太平洋軍としては、感染拡大防止の基本ラインを指示し、細部は各地域の状況や特性に応じて隷下部隊長が指示するスタイル

●全世界で計画の米軍の主要演習が続々中止や延期
--- 規模期間縮小 RIMPAC2020 ハワイ州から中止の要請を受けた米海軍は、陸上でのイベントミニマム化、開始時期の6月末から8月上旬延期、期間の短縮5週間から2週間
--- 大幅に規模縮小 Defender 2020(米本土から欧州への地上部隊の大規模機動展開を計画)
--- 大幅規模縮小 米韓合同演習(3月から予定) 
---  中止 African Lion(3月23日から予定 5000名規模 北アフリカ諸国との多国間演習)
--- 途中中止 Cold Response(ノルウェーで始まっていた8カ国演習を中断中止 約15000名参加中)
--- 中止 Red Flag-Alaska 20-1(4月30日から予定) 
--- 延期 2回目のJADC2(4月8日から予定 ABMSなど連接を実験検証する演習)

coronavirus2.jpg国防省の調達担当次官室等は、軍需産業幹部に対して毎日連絡を取り、コロナウイルスが軍需産業基盤にどのような影響を与えているかフォローを継続中。ちなみに、ボーイングとロッキードは、主要な国防省発注システムの製造を継続中
F-35組み立て工場(FACO)は、3月16-17日閉鎖していたイタリアが18日に消毒の後再開、名古屋は3月9-13日閉鎖も再開済み、テキサスは継続操業中

4月19日付で関連軍需企業に対しLord調達担当次官は、「critical infrastructure industry」だと国土安全保障省から指定されている軍需企業は、この状況下でも業務を通常通り計画された様に継続することが期待されていると通知。「国家的非常時において関係企業の協力が不可欠であり、従業員の安全に最大限の配慮がなされるよう、企業と緊密に連携をとりつつ、国家安全保障関連任務を遂行していく」と
「critical infrastructure industry」に含まれるのは、「aerospace sector; mechanical and software engineers; manufacturing/production workers; IT support; security staff; security personnel; intelligence support; aircraft and weapon systems mechanics and maintainers; suppliers of medical suppliers and pharmaceuticals; and critical transportation」
https://www.defensenews.com/pentagon/2020/03/20/pentagon-declares-defense-contractors-critical-infrastructure-must-continue-work/

投資会社が、軍需企業の株価回復には1年以上の長期間が必要だろうと発信
米空軍省のRoper調達担当次官が、調達関連職員は懸命に努力しているが、新たな職務遂行方法を生み出す必要があると3月25日発言

4月20日、調達担当Lord次官は会見で、米軍の主要装備調達は航空分野を中心として操業停止などに追い込まれており、おおむね全ての計画が3ヶ月程度遅れている、と説明。企業へのキャッシュ提供のため、契約行為の迅速化を進めていると説明

その他
米議会が、2021年度予算案関連の審議要領について「わいがや検討会」
ロンドン郊外で7月20-24日の間に予定されていた、世界最大の航空見本市「Farnborough Airshow」(隔年開催)の中止が決定

3月26日、米国防次官が緊急会見し、コロナ関連で資金繰りに不安がある小規模なハイテク企業に、中国資本が接近して技術流出の恐れがあると警戒し、監視を強化し、安全保障関連企業との連絡を密にして相談に乗る等に取り組むと発言。専門家は防ぐのは困難と諦め気味
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-26
4月30日、再びLord調達担当次官が外国資本の国防産業への接近を警戒し、小規模だが重要な海軍や空軍関連部品を製造する企業が危ないと

5月13日、衛星通信企業Intelsatが破産宣言。国防関連分野は対象外となるが、国防関係者は中国資本の浸潤を強く懸念
5月13日、Will Roper米空軍調達次官補も、航空・宇宙・マイクロエレクロニクス関連の企業で、民生部門に比重がある企業が切迫しており、国防省ですべてに対応できわけではないと苦しい状況を吐露

Defense-Newsが調べた各軍需産業の状況(3月18日時点)
https://www.defensenews.com/coronavirus/2020/03/18/we-asked-defense-companies-how-theyre-impacted-by-the-coronavirus-heres-what-they-said/

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エスパー長官:Huawei使用は対米関係を損ねる [エスパー国防長官]

ポンペイオ国務長官の発言とは微妙にズレが

Esper munich.jpg15日、エスパー国防長官が第56回ミュンヘン安全保障会議で講演し、中国を米国の主な敵対国(main adversary)だと表現しつつ中国のファーウェイ製5G機器を導入することは、米国との情報共有や安全保障協力体制を危機にさらすことだと表現し、同盟国等にファーウェイ製5G機器導入を避けるよう警告を発しました

一方で、10日の週にポンペイオ国務長官は、英国のジョンソン首相が部分的にファーウェイ製5G機器を導入すると発表したことに対し、米英同盟には影響ないとの発言を行っており、米政権内の本件に関する温度差も話題になっています。

同様にエスパー長官講演前日の14日には、ホワイトハウスのRobert Blair国際通信政策担当官も記者団に、「米国はファーウェイ製導入が招く結果を注視して行くが、(英国がファーウェイ製品を導入しても、)米英間の情報共有全体が侵食されることはない(no erosion)」と述べていたところです

このように、今後ドイツなど西側同盟国のファーウェイ製機器導入への姿勢やその影響が明らかになるにつれ、米国内でも立場立場で様々な意見があることから、米国の姿勢も揺れ動くものと考えられますが、本日は中国に対し強い姿勢を今後も示すであろうエスパー長官の現時点での考え方をご紹介しておきます

15日付Defense-News記事によれば
Esper munich2.jpg●エスパー長官は、「5Gを中国企業に依存することは、例えば、我が同盟国等の重要なシステムを脆弱にし、妨害や攪乱やスパイ活動にさらすことにつながる」、「(ファーウェイ製導入は、)また、我々の意思疎通や情報共有能力を悪化させることにつながり、同盟関係を損ねることにもなりかねない」と強い懸念を表明した
●更に長官は、「(ファーウェイ5G導入は)、我々の国防協力に重大なレベルのリスクをもたらす」と強い表現でファーウェイ5G製品導入に危機感を表明した

●米政権内部にも本件に関する発言のトーンに差はあるが、本会議におけるエスパー長官、ポンペイオ長官、米国両政党の議員(ペロシ下院議長を含む)の発言は、中国はファーウェイ製5G機器を使用してサイバースパイ活動や監視活動を実施可能で、大きな安全保障上の脅威であるという点では一致していた
ポンペイオ長官は同会議で、「ファーウェイや中国が背後にいるハイテク企業は、中国情報機関にとってのトロイの木馬である」と述べつつも、「西側は専制国家に対して勝利を収めつつある」との認識を示していた

昨年12月、NATO加盟国首脳たちは初めて、中国の台頭が経済や軍事面で与える影響について、NATOとして考える必要がある点で合意しているが、2月12日から13日に掛けてエスパー長官はNATO本部で、加盟各国代表に中国への懸念を公に改めて説明した
同長官は15日の講演で、NATOの対中戦略は引き続き検討中であると述べたが、北京政府が人工知能や最新技術を、少数派であるイスラム部族、ジャーナリストや民主化推進活動家の監視や圧迫に使用している点も交え、中国への深い懸念を説明した

Pompeo.jpg●一方で同長官は、「NATOは、ロシアの悪行を抑止し、欧州大陸の安全保障確保に焦点を当てたものであるべき」との大原則にも言及している
●エストニアの前大統領からの質問「ファーウェイの代わりになる5G機器を、米国は準備検討しているのか? その進捗具合は?」に対し、ホワイトハウス主導でサムスン、ノキア、エリクソンとパートナー関係を構築し、米国防省はそれら企業に5G機器の試験用に施設や演習場提供を申し出ていると対応した

●5Gの側面からだけでなく、エスパー長官は同会議出席者に、「多くの国が数十年に渡り享受してきた国際ルールに基づく秩序を、中国が勝手に変更しようとしている問題に目を覚ますべきだ」、「習近平は中国を悪い方向に加速度をつけて引っ張っている。国内抑圧、前時代的な経済習慣、そしてより私を懸念させるアグレッシブな軍事体制などが目立っている」と警鐘を鳴らした
●これらの話のほかにエスパー長官は、米国が中国との紛争を望んでいないこと、各種ミサイル防衛システムに投資している事、宇宙軍を立ち上げたこと、2021年度予算案で旧式の装備を早期退役させ、超超音速兵器やAIや無人システムに資源を再配分していることなどを説明した
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Esper munich3.jpgNATOは本来ロシアに対処すべき組織である点を再確認しつつも、エスパー長官は対中国への協力を欧州諸国に要請し、5Gが極めて重要な課題だと訴えています

ここで本来なら「5G」に関するうんちくを語り、なぜ西側諸国がファーウェイ製品になびくのかをご説明できればよいのですが、そこまでの知見がありません

残念ながら、中国が人材と資金に物を言わせ、5G技術で一歩も二歩も先んじているということなのでしょう・・・・

5G関連の記事
「5Gと軍事レーダーの干渉確認「」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-05
「5G企業とGPS関係者がLバンド電波巡り激突中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-22-2
「戦略コマンドが5Gとの電波争奪に懸念」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-27
「5G試験のため民間に演習場提供案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-14

「CSBA対中国戦略レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13
「2019年アジア安全保障会議」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-31-1
「2019年中国の軍事力レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-06
「グーグルからAI技術流出」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-31-1

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国防長官:良くて横ばいの国防予算でNDS遂行するには [エスパー国防長官]

10日公表予定の2021年度国防予算案の方向性
全ドメイン、連接、指揮統制、関連機関見直し

Esper SAIS4.jpg6日、エスパー国防長官がジョンズホプキンズ大学SAISで講演し、10日にも公表予定の2021年度国防予算案の方向性について語り「良くて実質現状維持」程度しか期待できない国防予算の範囲で、国家防衛戦略NDSの目的を達成するため、50あまりの国防省関連機関の業務や組織見直しを行ったと明らかにしました

また、NDSが示した中国やロシア対処のため、「multi-domain作戦」に焦点を置き、米空軍の「全ドメイン指揮統制」取り組みを推進し、かつ米軍戦力運用を「迅速機敏に」、「予想を困難に」、「破壊力を増し、柔軟で、状況適応力に富んだ」ものに変革する方向に投資すると語りました

前職の陸軍長官時代に200もの諸計画や装備開発を「夜間検討会:night court」を行って見直し、より重要な分野に約2兆8000億円を振り向けた手腕を米国防省全体に対し行う決意を示し、昨年8月末には「私は今、毎週90~120分間を本件の公式な会議に当てており、これを繰り返し続けて道を切り開きたい」と意欲を語っていましたが、約8500億円程度の予算再配分を行うようです

7日付米空軍協会web記事によれば
Esper SAIS.jpg●エスパー長官は「米国は国家として財政上の大きな課題を抱えており、国防費が今後も横ばいであることを肝に銘じ、国防省自らの活動や予算配分を精緻に見直し、与えられた予算で国家防衛を遂行しなければならない」と現状認識を語り、
予算は横ばいか、良くて物価上昇分3-5%程度の増加しか期待できない。従って、特定分野の削減や古い兵器システムの早期退役など厳しい選択を行って経費を確保し、必要な分野に再配分しなければならない」、「米議会はこの現状を理解して、国防省の改革を支援してほしい」と訴えました

●削減分野として、過去4ヶ月に渡り「fourth estate」と呼ばれる約50の国防省関係機関経費約10兆円を精査し、医療機関の縮小や「reducing the Cooperative Threat Reduction Program, and reprioritizing missile defense research」などにより約6500億円を捻出し、核抑止や技術開発に再配分すると説明した。
●また、この「fourth estate」から約2000億円相当の業務を米軍組織に移管し、「fourth estate」の規模縮小を行うと述べた

Esper SAIS2.jpg予算の再配分先の焦点としてエスパー長官は、「部隊の即応態勢や破壊力向上には、技術や組織変更だけでなく、戦い方の近代化によって米軍能力を効果的に束ねることが欠かせない」、「そのため予算編成では、全ドメイン作戦を含む、統合の作戦コンセプト開発と実行をサポートする資源配分を行っている」と述べた
●そして、米軍部隊のより迅速で機敏な展開を可能にし、米軍戦力運用を「迅速機敏に」、「予想を困難に」、「破壊力を増し、柔軟で、状況適応力に富んだ」ものに変革する方向に投資すると説明した

具体的な例として国防長官は、米空軍が進める「ABMS:空中戦闘管理システム」や「JADC2:統合全ドメイン指揮統制取り組み」への投資増額を計画していると説明した
更に、地域戦闘コマンドを含む米軍部隊の再編についても言及し、対テロや麻薬密輸対処などの低列度紛争対処から、中国やロシア対処に切り替えるため、国家防衛戦略NDSに沿った人と組織の再構築を検討していると述べた。米アフリカ軍や南米軍の再検討が始まっていると伝えられている
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2021年度予算(2020年10月1日から使用)案の公表は、日本時間の10日夜あたりで、日本のメディアでも11日の新聞には概要が掲載されると思いますが、特定の予算項目が話題に挙がったり、極東関連の予算のみに焦点が当って全体の狙いが見えにくくなる傾向が毎年あるので、ぼんやりとした内容ですが、エスパー長官の思いを前もってご紹介してみました

Esper SAIS3.jpg予算がないんです・・・。中国が西太平洋でA2ADを完成間近でも、ロシアが大西洋や北極圏や東欧正面で活動を活発化していても、無い袖は振れない厳しさが感じられます

そんな中で、フロノイ元政策担当国防次官が提言した、核戦力近代化はほどほどで、中国を72時間脅威下におく体制造り、などは一つの勇気ある提言だと思います。

大統領選挙で政争の具にされそうな米国防政策ですが、エスパー長官の「夜間検討会:night court」までやって改革を進めようとする熱意と、多士多彩な専門家の知恵が、上手くかみ合ってNDSの目標達成に向かうことを祈ります

エスパー国防長官の思い
「資源配分の再検討を不退転の決意で」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-31
「Esper長官の略歴」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-20

ABMSとJADC2関連
「予算で将来連接性を重視しアセット予算削減」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28
「米空軍の夢をCSBAが応援!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-24
「初の統合「連接」実験演習は大成功」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「空軍資源再配分の焦点は連接性」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-08
「マルチドメイン指揮統制MDC2に必要なのは?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-24

米海空軍の戦力大増強への反対意見
「中国抑止をフロノイ女史らが語る」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-17

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