5G企業とGPS関係者がLバンド電波巡り激突中 [エスパー国防長官]
国防長官が米通信会社の電波申請を阻止へ
5G通信衛星用にLバンド電波申請もGPSに干渉の恐れ
21日付C4INetは、米国の大手民間通信企業Ligado Networksが2018年10月に打ち出した衛星を利用した5Gネットワーク構築構想に関し、同社がFCC(連邦通信評議会:Federal Communications Commission)に申請しているLバンド「40MHz」使用について、エスパー国防長官やGPS関連団体がGPS信号との干渉を懸念し、FCCに申請を認めないよう要請していると報じています
次世代通信を担う「5G」は、中国ファーウェイを先頭に各国各社がその導入利用にしのぎを削っているところで、8月には国防省の技術担当次官が「5G関連の試験場所に困っている米企業に、国防省の演習場や試験場を貸し出す用意がある」と全面支援姿勢を示すなど、「国を挙げて」の雰囲気があります
一方で10月には、戦略コマンド司令官の「5Gの普及に伴い、限られた電波を巡る官民の争奪戦に懸念」と発言し、「5G」が利便性と安全保障の隙間で難しい問題を提示していることをご紹介したところでした。
これについて突っ込む知見がありませんが、とりあえず本日は、エスパー長官を巻き込んだ米企業の5Gネットワーク構想を巡るゴタゴタをご紹介します
21日付C4INet記事によれば
●2018年10月にLigado Networksが、5G技術を搭載した通信衛星を打ち上げて、地球規模の5Gネットワークを構築する構想を発表したが、この計画はFCCに申請された後に停滞している。
●同社の構想では、Lバンド「40MHz」帯の電波を使用することになっているが、GPSの使用する電波帯と近いことから懸念が広がっているのだ
●GPSは軍事用に開発されたものだが、今ではスマホやクレジットカード決済までその電波を利用しており、経済社会生活の基盤を形成しているといっても過言ではない
●同社の申請を受け、2018年12月には、GPSの利用を国家レベルで調整する「National Executive Committee」が、同社の申請許可に反対する答申を出している
●この答申を受け、今年4月に当時のShanahan臨時国防長官もFCCに書簡を送り、同社の申請を認めないよう要請している
●そして今回、18日付でエスパー国防長官もFCCにレターを送り、「Ligado Networksに申請された電波使用を認めることは、国家としての電波利用に対し、多くの未知の課題を突き付け、リスクを負わせることになる。独立機関による科学的な試験やデータは、Ligado社システムが、GPS機能を低下させ大規模な混乱を招く可能性を示している」と指摘している
●そして「私はFCCが同社の電波使用申請を拒否し、当該システムが展開されないことを要求する」とレターを結んでいる
●この状況にLigado NetworksのCEOであるDoug Smith氏は不満を示し、6月に「過去3年半にわたって、我が社は産業界や政府機関と協力してプランを協議してきた。我々は試験、分析、検討会、ミーティングに何度も参加し、当初計画を見直す等して懸念の払しょくに努力してきた。我々は忍耐強く、更なる投資が許されることを待ちわびており、それは米国が死活的に待ち望んでいるものでもある」との声明を出している
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気になるのは、仮に米企業「Ligado Networks」の申請がFCCに却下されたとしても、中国やロシア企業が好き放題電波を使用して5G利用を進め、GPS機能を邪魔するようなことが発生しないかということです。
又は民間企業が利便性優先の宣伝攻勢で民意を動かし、安全保障用の電波利用が制約を受ける事態となり、中国やロシアを利する方向に西側社会が傾かないかと懸念しています。
デジタル革命も、IT革命も、これ以上進むと生物としての人間の仕組みにまで影響を与え、生態系にまで悪影響を与えるのでは・・・・と年寄りの頭で心配になります
5GとGPSに関する記事
「戦略コマンドが5Gとの電波争奪に懸念」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-27
「5G試験のため民間に演習場提供案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-14
「GPSが30日間停止したら」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-18
5G通信衛星用にLバンド電波申請もGPSに干渉の恐れ
21日付C4INetは、米国の大手民間通信企業Ligado Networksが2018年10月に打ち出した衛星を利用した5Gネットワーク構築構想に関し、同社がFCC(連邦通信評議会:Federal Communications Commission)に申請しているLバンド「40MHz」使用について、エスパー国防長官やGPS関連団体がGPS信号との干渉を懸念し、FCCに申請を認めないよう要請していると報じています
次世代通信を担う「5G」は、中国ファーウェイを先頭に各国各社がその導入利用にしのぎを削っているところで、8月には国防省の技術担当次官が「5G関連の試験場所に困っている米企業に、国防省の演習場や試験場を貸し出す用意がある」と全面支援姿勢を示すなど、「国を挙げて」の雰囲気があります
一方で10月には、戦略コマンド司令官の「5Gの普及に伴い、限られた電波を巡る官民の争奪戦に懸念」と発言し、「5G」が利便性と安全保障の隙間で難しい問題を提示していることをご紹介したところでした。
これについて突っ込む知見がありませんが、とりあえず本日は、エスパー長官を巻き込んだ米企業の5Gネットワーク構想を巡るゴタゴタをご紹介します
21日付C4INet記事によれば
●2018年10月にLigado Networksが、5G技術を搭載した通信衛星を打ち上げて、地球規模の5Gネットワークを構築する構想を発表したが、この計画はFCCに申請された後に停滞している。
●同社の構想では、Lバンド「40MHz」帯の電波を使用することになっているが、GPSの使用する電波帯と近いことから懸念が広がっているのだ
●GPSは軍事用に開発されたものだが、今ではスマホやクレジットカード決済までその電波を利用しており、経済社会生活の基盤を形成しているといっても過言ではない
●同社の申請を受け、2018年12月には、GPSの利用を国家レベルで調整する「National Executive Committee」が、同社の申請許可に反対する答申を出している
●この答申を受け、今年4月に当時のShanahan臨時国防長官もFCCに書簡を送り、同社の申請を認めないよう要請している
●そして今回、18日付でエスパー国防長官もFCCにレターを送り、「Ligado Networksに申請された電波使用を認めることは、国家としての電波利用に対し、多くの未知の課題を突き付け、リスクを負わせることになる。独立機関による科学的な試験やデータは、Ligado社システムが、GPS機能を低下させ大規模な混乱を招く可能性を示している」と指摘している
●そして「私はFCCが同社の電波使用申請を拒否し、当該システムが展開されないことを要求する」とレターを結んでいる
●この状況にLigado NetworksのCEOであるDoug Smith氏は不満を示し、6月に「過去3年半にわたって、我が社は産業界や政府機関と協力してプランを協議してきた。我々は試験、分析、検討会、ミーティングに何度も参加し、当初計画を見直す等して懸念の払しょくに努力してきた。我々は忍耐強く、更なる投資が許されることを待ちわびており、それは米国が死活的に待ち望んでいるものでもある」との声明を出している
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気になるのは、仮に米企業「Ligado Networks」の申請がFCCに却下されたとしても、中国やロシア企業が好き放題電波を使用して5G利用を進め、GPS機能を邪魔するようなことが発生しないかということです。
又は民間企業が利便性優先の宣伝攻勢で民意を動かし、安全保障用の電波利用が制約を受ける事態となり、中国やロシアを利する方向に西側社会が傾かないかと懸念しています。
デジタル革命も、IT革命も、これ以上進むと生物としての人間の仕組みにまで影響を与え、生態系にまで悪影響を与えるのでは・・・・と年寄りの頭で心配になります
5GとGPSに関する記事
「戦略コマンドが5Gとの電波争奪に懸念」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-27
「5G試験のため民間に演習場提供案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-14
「GPSが30日間停止したら」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-18
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