米海軍が2021年初に本格無人システム演習を太平洋で [Joint・統合参謀本部]
無人の艦艇、水中艇、航空機全てを組み合わせ
従来空母戦闘群中心だった同種演習を方向転換
8日、米太平洋海軍の海上作戦部長Robert Gaucher海軍少将が講演で、従来は空母戦闘群を対象に行ってきた本格紛争対処の実験演習を、方向転換して2021年初に多様な無人システムを組み合わせた作戦行動を対象に行うと発表しました
また同発表の紹介に合わせて9日付Military.comは、9月4日に米海軍が大型無人艦艇の検討案作成契約を6つの企業と結んだと件と、米海軍が様々な無人システム試験運用の実績を積み上げている様子を紹介すると同時に、一方で米議会から無人艦艇の運用コンセプトが不明確だと反対されている様子も取り上げています
米議会からの反対はあれ、久しぶりにご紹介する米海軍の前向きなお話ですので、取り上げた次第です。ちなみに、大火災を起こしたF-35受け入れ改修中の強襲揚陸艦「Bonhomme Richard」は、引き続き修復可能か、どれくらいかかるか等を調査中ということです
9日付Military.com記事によれば
●8日、Gaucher海軍少将は「Unmanned Vehicle Systems International's annual defense show」での講演で、「我々は2021年年初に、無人システムに焦点を当てた試験演習の計画を進めている」、「海上で、水中で、上空で、太平洋軍から示された運用構想を、どのように具現化して戦力発揮するかをデモ検証したいと考えている」と述べた
●この試験演習は「fleet battle problem」と呼ばれ、定期的に米海軍が太平洋や大西洋で行ってきたが、従来の空母戦闘群中心から今回は大きく方針転換し、「無人システム」を中心に据えることになった
●この演習計画発表とタイミングを合わせるかのように、先週4日には、米海軍は約45億円で6つの企業と、大型無人艦艇の開発検討案作成契約を結んだと発表した。同契約では2022年5月までに開発計画案を提出することを求めている
●米海軍は今後五年間で、約2200億円の予算を獲得して10隻の大型無人艦艇を建造したいと考えているが、米議会には米海軍の無人艦艇構想が十分に煮詰まっていないと懐疑的な勢力があり、下院の海洋戦力小委員会は米海軍による来年の無人艦艇購入を阻止しようとしている
●一方で米海軍主要幹部は、8日に無人システムの試験運用実績が良好であることを強調し、担当のEric Austin海兵隊少将は記者団に、「統合戦力全体で、進捗具合に多少差はあるが、技術に裏付けられた無人システム成熟発展は著しいものがある」と述べた
●この発言の裏には、全長40mの無人潜水艇「Sea Hunter」が、昨年サンディエゴとハワイ間の往復に成功したことや、航続距離が長い無人水上艦艇がノーフォークからノースカロライナまで航行し、途中の海上射撃場で目標攻撃試験にも成功したのち、さらに南方のCamp Lejeuneまで移動したことなどの実績がある
●また無人機では、無人ヘリFire Scout導入が始まり、無人大型偵察機MQ-4C Tritonのグアム配備も行われ、更に対潜水艦作戦のためのハイテク無人水中艇の開発も進んでいる。
●Gaucher少将は、実験演習「fleet battle problem」を計画中であるが、指揮統制やセンサーの活用もポイントになっていると述べ、無人システムは陸上や艦艇からも投入され、敵の優位に立たなければならないと語っている
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変化は着々と進んでいます。陸軍でも空軍でも
米議会の理解が得られないのは、米海軍のフォード級空母や次期SSBNコロンビア級の価格高騰と開発遅延、LCSのズッコケなどなどが背景にありますが、無人システムでズッコケると後がありません
期待いたしましょう。ところで・・・かつては米空母機動部隊と海上自衛隊との鉄壁の連携が自慢でしたが、今後はどうなるのでしょうか???
米海軍への無人システム導入
「潜水艦も無人化を強力推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-03
「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10
「米海軍が半年で空母再検討」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-12
「2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06
「中国対処に海兵隊が戦車部隊廃止へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
「5年計画で新型大型艦艇設計」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-14
「海洋プレッシャー戦略に唖然」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-13
応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
ブログサポーターご紹介ページ
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1
従来空母戦闘群中心だった同種演習を方向転換
8日、米太平洋海軍の海上作戦部長Robert Gaucher海軍少将が講演で、従来は空母戦闘群を対象に行ってきた本格紛争対処の実験演習を、方向転換して2021年初に多様な無人システムを組み合わせた作戦行動を対象に行うと発表しました
また同発表の紹介に合わせて9日付Military.comは、9月4日に米海軍が大型無人艦艇の検討案作成契約を6つの企業と結んだと件と、米海軍が様々な無人システム試験運用の実績を積み上げている様子を紹介すると同時に、一方で米議会から無人艦艇の運用コンセプトが不明確だと反対されている様子も取り上げています
米議会からの反対はあれ、久しぶりにご紹介する米海軍の前向きなお話ですので、取り上げた次第です。ちなみに、大火災を起こしたF-35受け入れ改修中の強襲揚陸艦「Bonhomme Richard」は、引き続き修復可能か、どれくらいかかるか等を調査中ということです
9日付Military.com記事によれば
●8日、Gaucher海軍少将は「Unmanned Vehicle Systems International's annual defense show」での講演で、「我々は2021年年初に、無人システムに焦点を当てた試験演習の計画を進めている」、「海上で、水中で、上空で、太平洋軍から示された運用構想を、どのように具現化して戦力発揮するかをデモ検証したいと考えている」と述べた
●この試験演習は「fleet battle problem」と呼ばれ、定期的に米海軍が太平洋や大西洋で行ってきたが、従来の空母戦闘群中心から今回は大きく方針転換し、「無人システム」を中心に据えることになった
●この演習計画発表とタイミングを合わせるかのように、先週4日には、米海軍は約45億円で6つの企業と、大型無人艦艇の開発検討案作成契約を結んだと発表した。同契約では2022年5月までに開発計画案を提出することを求めている
●米海軍は今後五年間で、約2200億円の予算を獲得して10隻の大型無人艦艇を建造したいと考えているが、米議会には米海軍の無人艦艇構想が十分に煮詰まっていないと懐疑的な勢力があり、下院の海洋戦力小委員会は米海軍による来年の無人艦艇購入を阻止しようとしている
●一方で米海軍主要幹部は、8日に無人システムの試験運用実績が良好であることを強調し、担当のEric Austin海兵隊少将は記者団に、「統合戦力全体で、進捗具合に多少差はあるが、技術に裏付けられた無人システム成熟発展は著しいものがある」と述べた
●この発言の裏には、全長40mの無人潜水艇「Sea Hunter」が、昨年サンディエゴとハワイ間の往復に成功したことや、航続距離が長い無人水上艦艇がノーフォークからノースカロライナまで航行し、途中の海上射撃場で目標攻撃試験にも成功したのち、さらに南方のCamp Lejeuneまで移動したことなどの実績がある
●また無人機では、無人ヘリFire Scout導入が始まり、無人大型偵察機MQ-4C Tritonのグアム配備も行われ、更に対潜水艦作戦のためのハイテク無人水中艇の開発も進んでいる。
●Gaucher少将は、実験演習「fleet battle problem」を計画中であるが、指揮統制やセンサーの活用もポイントになっていると述べ、無人システムは陸上や艦艇からも投入され、敵の優位に立たなければならないと語っている
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変化は着々と進んでいます。陸軍でも空軍でも
米議会の理解が得られないのは、米海軍のフォード級空母や次期SSBNコロンビア級の価格高騰と開発遅延、LCSのズッコケなどなどが背景にありますが、無人システムでズッコケると後がありません
期待いたしましょう。ところで・・・かつては米空母機動部隊と海上自衛隊との鉄壁の連携が自慢でしたが、今後はどうなるのでしょうか???
米海軍への無人システム導入
「潜水艦も無人化を強力推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-03
「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10
「米海軍が半年で空母再検討」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-12
「2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06
「中国対処に海兵隊が戦車部隊廃止へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
「5年計画で新型大型艦艇設計」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-14
「海洋プレッシャー戦略に唖然」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-13
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→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
ブログサポーターご紹介ページ
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