次世代制空機NGAD再考でF-22継続使用へ近代化か!? [米空軍]
NGAD 用に開発のセンサー・兵器・連接性をF-22に
F-22に最近まで 2030年代退役方針だったのに
8月19日付米空軍協会 web 記事は、2030年代退役予定とされてきたF-22や、莫大な開発&導入コストでプログラムの再検討を米空軍指導層が表明しているF-22後継機の次世代制空機NGADに関し、NGAD 計画の再考により、NGAD用に準備されてきた各種技術を利用した F-22 改修&延命の可能性が高まっていると示唆しています
米空軍の先端航空機開発関係者は、F-22をテスト機体としてNGAD 用に開発してきた多数の機密センサー、接続性向上装備、空対空ミサイルなど兵器は、F-22を活用した搭載試験で成功を収めており、この新技術がF-22の耐用年数を伸ばす可能性があると語った模様です
2021年に米空軍は「4+1」戦闘機計画を発表し、F-22を2030年代にNGADに置き換え、F-35、F-15EとEX、F-16を維持(これで4)し、「+1」としてA-10を考慮した体系を想定していましたが、2024年の現時点では、「+1」のA-10は米議会の理解を得て退役が進み、2030年までには全機が退役する見通しとなっています
また、元々F-22の機体自体は2040年代まで使用可能なものの、1980年代設計思想のセンサーやステルス性から、中国等の最新兵器に対応できないと判断され早期退役判断されましたが、F-22用にOpen Architecture のコンピューティング環境「GRACE」が提案され、新たなソフト導入目途が立ったと、空軍開発関係者は説明しています
米空軍の開発関係者だけでなく、7月に戦闘機族のボスとも呼ばれる空軍戦闘コマンド ACC 司令官に就任したばかりの Kenneth Wilsbach 大将(前太平洋空軍司令官)も、かつて米空軍が2度にわたり米議会に早期退役を要請した32機のブロック 20の初期型F-22について、「非常に有能で緊急事態には必要だ」とまで最近発言し始めているようです
米空軍開発関係者は、F-22維持&近代化改修の取り組みは「F-22が世界最高の制空戦闘機として優位性を維持することを保証するもの」と表現し、一方でF-22に利用される新技術は、NGADなど「将来の全ての航空機開発をサポートする」、「今後のあらゆるプラットフォームで全ての新技術を活用していく」とも語り始めています
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1機ざっくり450億円(F-35の3倍以上)とのNGAD 価格見積もりにKendall空軍長官が言及し、NGAD の要求性能や役割分担の再精査のために「NGAD 計画を数か月保留する」と7月末に発言したと思ったら、間髪を入れず、以前から計画を温めていたかの様に、「F-22 近代化改修にNGAD 用に開発してきた新技術を活用し、それら技術は全ての将来アセットや既存機種にも生かされる」との良くできたストーリーを、「戦闘機族」が展開し始めました
一方で Allvin空軍参謀総長や Slife 副参謀総長らは、ウクライナや中東での最近の戦訓を踏まえ、無人機による「低高度域の航空優勢」が制空の概念を変えつつあるとの危機感から、NGAD への投資を「選択肢の一つに過ぎない」と冷めた目で見ています。米空軍内で今後、戦闘機への投資がどのように精査されていくのか見ものです
米空軍にNGAD あきらめムード
「数か月間保留」→https://holylandtokyo.com/2024/08/06/6185/
「価格低減が必須」→https://holylandtokyo.com/2024/07/19/6083/
「NGADの将来は不透明」 →https://holylandtokyo.com/2024/06/18/6040/
航空優勢概念の再考必須
「2トップが航空優勢再考に言及」→https://holylandtokyo.com/2024/06/07/5938/
2021年当時の戦闘機体系構想
「近未来の戦闘機構想」→https://holylandtokyo.com/2021/05/21/1709/
「戦闘機は7機種から 4機種へ」→https://holylandtokyo.com/2021/05/18/1496/
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F-22に最近まで 2030年代退役方針だったのに
8月19日付米空軍協会 web 記事は、2030年代退役予定とされてきたF-22や、莫大な開発&導入コストでプログラムの再検討を米空軍指導層が表明しているF-22後継機の次世代制空機NGADに関し、NGAD 計画の再考により、NGAD用に準備されてきた各種技術を利用した F-22 改修&延命の可能性が高まっていると示唆しています
米空軍の先端航空機開発関係者は、F-22をテスト機体としてNGAD 用に開発してきた多数の機密センサー、接続性向上装備、空対空ミサイルなど兵器は、F-22を活用した搭載試験で成功を収めており、この新技術がF-22の耐用年数を伸ばす可能性があると語った模様です
2021年に米空軍は「4+1」戦闘機計画を発表し、F-22を2030年代にNGADに置き換え、F-35、F-15EとEX、F-16を維持(これで4)し、「+1」としてA-10を考慮した体系を想定していましたが、2024年の現時点では、「+1」のA-10は米議会の理解を得て退役が進み、2030年までには全機が退役する見通しとなっています
また、元々F-22の機体自体は2040年代まで使用可能なものの、1980年代設計思想のセンサーやステルス性から、中国等の最新兵器に対応できないと判断され早期退役判断されましたが、F-22用にOpen Architecture のコンピューティング環境「GRACE」が提案され、新たなソフト導入目途が立ったと、空軍開発関係者は説明しています
米空軍の開発関係者だけでなく、7月に戦闘機族のボスとも呼ばれる空軍戦闘コマンド ACC 司令官に就任したばかりの Kenneth Wilsbach 大将(前太平洋空軍司令官)も、かつて米空軍が2度にわたり米議会に早期退役を要請した32機のブロック 20の初期型F-22について、「非常に有能で緊急事態には必要だ」とまで最近発言し始めているようです
米空軍開発関係者は、F-22維持&近代化改修の取り組みは「F-22が世界最高の制空戦闘機として優位性を維持することを保証するもの」と表現し、一方でF-22に利用される新技術は、NGADなど「将来の全ての航空機開発をサポートする」、「今後のあらゆるプラットフォームで全ての新技術を活用していく」とも語り始めています
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1機ざっくり450億円(F-35の3倍以上)とのNGAD 価格見積もりにKendall空軍長官が言及し、NGAD の要求性能や役割分担の再精査のために「NGAD 計画を数か月保留する」と7月末に発言したと思ったら、間髪を入れず、以前から計画を温めていたかの様に、「F-22 近代化改修にNGAD 用に開発してきた新技術を活用し、それら技術は全ての将来アセットや既存機種にも生かされる」との良くできたストーリーを、「戦闘機族」が展開し始めました
一方で Allvin空軍参謀総長や Slife 副参謀総長らは、ウクライナや中東での最近の戦訓を踏まえ、無人機による「低高度域の航空優勢」が制空の概念を変えつつあるとの危機感から、NGAD への投資を「選択肢の一つに過ぎない」と冷めた目で見ています。米空軍内で今後、戦闘機への投資がどのように精査されていくのか見ものです
米空軍にNGAD あきらめムード
「数か月間保留」→https://holylandtokyo.com/2024/08/06/6185/
「価格低減が必須」→https://holylandtokyo.com/2024/07/19/6083/
「NGADの将来は不透明」 →https://holylandtokyo.com/2024/06/18/6040/
航空優勢概念の再考必須
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2021年当時の戦闘機体系構想
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フーシ派攻撃でタンカーから原油15万トン流出危機 [安全保障全般]
8月21日フーシ派の無人艇・飛び道具攻撃で炎上
乗員25名は救出も、9月3日にEU 連合が曳航断念
9月3日付 Mitary.com 記事は、紅海を原油 15万トン(100万バレル)を積んで航行中だったギリシャ船籍のタンカー「スニオン号 Sunion」が、8月21日にイランが支援するイエメンの反政府組織フーシ派による攻撃で火災を起こし、エンジンも停止して自力航行困難となっていたが、同タンカーの曳航を請け負った民間サルベージ企業も、フーシ派による更なる攻撃示唆で作業の安全確保が困難だと曳航作業断念した、とEU 連合が発表しました
EU 連合は米国や西側諸国と協力し、紅海を航行する西側船舶の安全確保作戦「Operation Aspides」を遂行しており、攻撃を受けた同タンカーから乗員 25名を何とか無事救出し、近傍のジブチに避難させたのも仏海軍の駆逐艦でしたが、タンカーの状況とフーシ派の攻撃により、作業継続は難しいと判断した模様です
タンカー「スニオン号」は大量の原油を積載しており、フーシ派による無人艇や追撃弾(projecties)攻撃により発生した火災も収まらず、既に積載原油流出が始まっているとの報道もあり、米国務省は、同タンカーからの流出は「1989年にアラスカで起きたエクソン・バルディーズ号惨事の4倍の規模」になる可能性があると警告しています
フーシ派は、2023年 10月にガザ地区で戦争が始まって以来、イスラエルによるハマスへの軍事行動を阻止するためとの名目で、ミサイルやドローンで 80隻以上の西側船舶を攻撃し、船1隻を拿捕し、2隻を沈没させ、船員4人を殺害していますが、攻撃を受けた船の多くは紛争とは全く関係がなく、イラン行きの商船も含まれているのが実態とのことです
EU 連合は「民間サルベージ企業による行作業」断念時、「民間企業により代替策が検討されている」とも発表していますが、容易でないことは想像でき、米国務省が懸念を表明している米国勢力も、イスラエルに対するイランの報復に備え急遽中東に展開している米空母ルーズベルトとリンカーンはオマーン湾所在で、紅海に米海軍艦艇は確認されておらず、本件に関するAP通信の取材に米中央軍はノーコメント対応とのことです
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フーシ派は、9月2日に別の西側船舶への攻撃を実施し、タンカー「スニオン号」の曳行作業を容認する姿勢を示唆しているとの見方もあるようですが、フーシ派は以前にもイエメン沖で、別の石油タンカーを攻撃して「環境へのリスク」だとして悪用したことがあり、懸念が高まっています
紅海は美しいサンゴ礁でダイバー憧れの地となっており、フーシ派による事実上の無差別攻撃と自然を人質にとるような行動は、神が許さないだろうと言じたいです
フーシ派関連の記事
「米海軍がフーシ派とWW2以来の激戦」→https://holylandtokyo.com/2024/07/24/6044/
「イスラエルVS イランを防研が速攻解説」→https://hotylandtokyo.com/2024/04/25/5847/
「フーチ派対処で防御迅速改善」→https://holylandtokyo.com/2024/04/15/5741/
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乗員25名は救出も、9月3日にEU 連合が曳航断念
9月3日付 Mitary.com 記事は、紅海を原油 15万トン(100万バレル)を積んで航行中だったギリシャ船籍のタンカー「スニオン号 Sunion」が、8月21日にイランが支援するイエメンの反政府組織フーシ派による攻撃で火災を起こし、エンジンも停止して自力航行困難となっていたが、同タンカーの曳航を請け負った民間サルベージ企業も、フーシ派による更なる攻撃示唆で作業の安全確保が困難だと曳航作業断念した、とEU 連合が発表しました
EU 連合は米国や西側諸国と協力し、紅海を航行する西側船舶の安全確保作戦「Operation Aspides」を遂行しており、攻撃を受けた同タンカーから乗員 25名を何とか無事救出し、近傍のジブチに避難させたのも仏海軍の駆逐艦でしたが、タンカーの状況とフーシ派の攻撃により、作業継続は難しいと判断した模様です
タンカー「スニオン号」は大量の原油を積載しており、フーシ派による無人艇や追撃弾(projecties)攻撃により発生した火災も収まらず、既に積載原油流出が始まっているとの報道もあり、米国務省は、同タンカーからの流出は「1989年にアラスカで起きたエクソン・バルディーズ号惨事の4倍の規模」になる可能性があると警告しています
フーシ派は、2023年 10月にガザ地区で戦争が始まって以来、イスラエルによるハマスへの軍事行動を阻止するためとの名目で、ミサイルやドローンで 80隻以上の西側船舶を攻撃し、船1隻を拿捕し、2隻を沈没させ、船員4人を殺害していますが、攻撃を受けた船の多くは紛争とは全く関係がなく、イラン行きの商船も含まれているのが実態とのことです
EU 連合は「民間サルベージ企業による行作業」断念時、「民間企業により代替策が検討されている」とも発表していますが、容易でないことは想像でき、米国務省が懸念を表明している米国勢力も、イスラエルに対するイランの報復に備え急遽中東に展開している米空母ルーズベルトとリンカーンはオマーン湾所在で、紅海に米海軍艦艇は確認されておらず、本件に関するAP通信の取材に米中央軍はノーコメント対応とのことです
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フーシ派は、9月2日に別の西側船舶への攻撃を実施し、タンカー「スニオン号」の曳行作業を容認する姿勢を示唆しているとの見方もあるようですが、フーシ派は以前にもイエメン沖で、別の石油タンカーを攻撃して「環境へのリスク」だとして悪用したことがあり、懸念が高まっています
紅海は美しいサンゴ礁でダイバー憧れの地となっており、フーシ派による事実上の無差別攻撃と自然を人質にとるような行動は、神が許さないだろうと言じたいです
フーシ派関連の記事
「米海軍がフーシ派とWW2以来の激戦」→https://holylandtokyo.com/2024/07/24/6044/
「イスラエルVS イランを防研が速攻解説」→https://hotylandtokyo.com/2024/04/25/5847/
「フーチ派対処で防御迅速改善」→https://holylandtokyo.com/2024/04/15/5741/
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ACE構想推進に米議会も国務省も他軍種も協力せよ [米空軍]
研究者 2名が米空軍を代弁するように寄稿
Red Flag 演習と一体化したBamboo Eagle演習押し
議会は予算を、国務省は同盟国へ働きかけ、他軍種は防空を
8月16日付 Defense-News が、米空軍の要望を代弁するかのようなシンクタンク研究者2名の寄稿を掲載し、米空軍が対中露を想定して分散&機動運用追求のACE構想を推進するため、航空戦術演習 Red Fag と一体化した統合&多国籍訓練である Bamboo Eagle 演習を今年に入り3回も実施していることに触れつつ、
米議会には、同演習から得られた教訓や課題を米空軍から聞き取り、改善に必要な予算や法的措置を迅速に行うよう要求し、米国務省に対しては、同盟国内での分散運用先となる飛行場や諸施設へのアクセスの確保、また必要なインフラの整備を相手国に求める働きかけを強化せよと要請していますので、ACE 構想への空軍の取り組みを確認する意味で概要をご紹介しておきます
Red Flag 演習と一体化した ACE構想演習「Bamboo Eagle」
●8月10日から10日間、航空戦術演習Red Flag と一体化した今年3回目となるACE構想演習「Bamboo Eagle」が、米本土西部と東太平洋で実施され、人員 3000名と航空機150機が参加した
(注:8月実施の3回目の細部は不明も、1回目はラスベガス近郊のネリス空軍基地で行われたRed Flag 24-1」参加機の大部分が、引き続き行われた「Bamboo Eagle」演習にも参加し、ネリスからカリフォルニア州の5つの(想定)分散運用基地(米海軍と海兵隊と米空軍基地 5 つ)への機動展開を含む ACE 構想訓練に取り組んだ。参加人員や機数も3回目と同じ規模で)
●ACEでは「戦闘力を生み出しつつ生存率を高めるため、主要な作戦基盤基地から小規模または設備不十分な基地へと柔軟に移動」を求められ、指揮統制、戦力保全、兵站、展開先の防空・ミサイル防衛など、航空戦力発揮におけるあらゆる必要事項の要領を見直すことが求められる
●米空軍はアジア太平洋だけでなく、全ての米空軍部隊にACE構想に基づく作戦準備を要求し、2月発表の米空軍改革の柱として、教育訓練体系の変革までも追及しており、最近のACE 演習では、施設不十分な展開先への装備の展開や航空機へのホットピット給油、機動的な空輸、動的な指揮統制インフラ構築、展開先拠点防衛用の移動式長距離火力の展開なども含まれている
●米空軍の取り組みに賛同して追随する同盟国等も増え、例えばNATO の新加盟国であるスウェーデンとフィンランドでさえ、空軍基地の被害を想定し、高速道路に最新戦闘機を着陸させて給油や弾薬補給訓練を行ったりしている
米議会や国務省や他軍種への要求事項
●米議会と国務省は、まず米空軍が半年間に同盟国空軍も交え3回も実施したBamboo Eagle演習の教訓や、実作戦の改善に必要な措置や対策をまず空軍と共有し、必要な取り組みに協力すべきだ
●米議会はまた第1段階として、より実践的な演習にBamboo Eagle を発展させるため、複数のメジャーコマンドにまたがって訓練が可能なように、演習実施に必要な資金を提供すべきである
●さらに米議会は、米陸軍と米海兵隊に対し、ACE の効果的な運用に必要な、敵の無人機対策を含む防空対策に必要な装備確保のための投資を倍増させるように圧力をかけるべき
●米国務省は、米軍部隊がより多くの同盟国等の飛行場や作戦拠点にアクセス可能となるよう、同盟国等への働きかけを強化すべきである。更に、同盟国等と協力して、作戦用に迅速に転換できる民間インフラを増やせるよう模索すべき。
●例えば、直線道路や高速道路の整備、自立たない装備保管施設の確保、着陸や物資投下を念頭に置いた土地の整地などが含まれる。 低コストであっても、有事に大きな効果を生む投資先は多く存在するので、相手国と調整して働きかけることが必要だ
///////////////////////////////////////
寄稿者の人物像まで把握していませんが、Center on Miltary の Bradley Bowman 氏と、Political Power at the Foundation for Defense of DemocraciesのLydia LaFavor博士の2名です。
以下の過去記事の最後に、4年前に米空軍の少佐2名がまとめた「ACE 構想実現の課題」レポートを紹介していますが、当時抽出された課題が、全て依然として重く未解決のまま残されていることが良く分かります。ご一読を
第1回Bamboo Eagle演習の紹介記事
「初のACE統合&国間演習」→ https://holylandtokyo.com/2024/02/13/5529/
米空軍の ACE 構想関連記事
「PACAF は ACE運用勢未確立」→https://holylandtokyo.com/2023/09/19/5048/
「生みの親が現状語る」→https://holylandtokyo.com/2022/06/24/3374/
「米空軍がACE ドクトリン発表」→https://holylandtokyo.com/2021/12/17/2532/
「欧州米空軍が ACE 確認演習」→https://holylandtokyo.com/2021/10/27/2317/
「グアムでF-35等が不整地離着陸訓練」→https://holylandtokyo.com/2021/01/29/310/
「米空軍若手が ACE の課題を語る」→https://holylandtokyo.com/2020/11/27/397/
応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
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→https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/
Red Flag 演習と一体化したBamboo Eagle演習押し
議会は予算を、国務省は同盟国へ働きかけ、他軍種は防空を
8月16日付 Defense-News が、米空軍の要望を代弁するかのようなシンクタンク研究者2名の寄稿を掲載し、米空軍が対中露を想定して分散&機動運用追求のACE構想を推進するため、航空戦術演習 Red Fag と一体化した統合&多国籍訓練である Bamboo Eagle 演習を今年に入り3回も実施していることに触れつつ、
米議会には、同演習から得られた教訓や課題を米空軍から聞き取り、改善に必要な予算や法的措置を迅速に行うよう要求し、米国務省に対しては、同盟国内での分散運用先となる飛行場や諸施設へのアクセスの確保、また必要なインフラの整備を相手国に求める働きかけを強化せよと要請していますので、ACE 構想への空軍の取り組みを確認する意味で概要をご紹介しておきます
Red Flag 演習と一体化した ACE構想演習「Bamboo Eagle」
●8月10日から10日間、航空戦術演習Red Flag と一体化した今年3回目となるACE構想演習「Bamboo Eagle」が、米本土西部と東太平洋で実施され、人員 3000名と航空機150機が参加した
(注:8月実施の3回目の細部は不明も、1回目はラスベガス近郊のネリス空軍基地で行われたRed Flag 24-1」参加機の大部分が、引き続き行われた「Bamboo Eagle」演習にも参加し、ネリスからカリフォルニア州の5つの(想定)分散運用基地(米海軍と海兵隊と米空軍基地 5 つ)への機動展開を含む ACE 構想訓練に取り組んだ。参加人員や機数も3回目と同じ規模で)
●ACEでは「戦闘力を生み出しつつ生存率を高めるため、主要な作戦基盤基地から小規模または設備不十分な基地へと柔軟に移動」を求められ、指揮統制、戦力保全、兵站、展開先の防空・ミサイル防衛など、航空戦力発揮におけるあらゆる必要事項の要領を見直すことが求められる
●米空軍はアジア太平洋だけでなく、全ての米空軍部隊にACE構想に基づく作戦準備を要求し、2月発表の米空軍改革の柱として、教育訓練体系の変革までも追及しており、最近のACE 演習では、施設不十分な展開先への装備の展開や航空機へのホットピット給油、機動的な空輸、動的な指揮統制インフラ構築、展開先拠点防衛用の移動式長距離火力の展開なども含まれている
●米空軍の取り組みに賛同して追随する同盟国等も増え、例えばNATO の新加盟国であるスウェーデンとフィンランドでさえ、空軍基地の被害を想定し、高速道路に最新戦闘機を着陸させて給油や弾薬補給訓練を行ったりしている
米議会や国務省や他軍種への要求事項
●米議会と国務省は、まず米空軍が半年間に同盟国空軍も交え3回も実施したBamboo Eagle演習の教訓や、実作戦の改善に必要な措置や対策をまず空軍と共有し、必要な取り組みに協力すべきだ
●米議会はまた第1段階として、より実践的な演習にBamboo Eagle を発展させるため、複数のメジャーコマンドにまたがって訓練が可能なように、演習実施に必要な資金を提供すべきである
●さらに米議会は、米陸軍と米海兵隊に対し、ACE の効果的な運用に必要な、敵の無人機対策を含む防空対策に必要な装備確保のための投資を倍増させるように圧力をかけるべき
●米国務省は、米軍部隊がより多くの同盟国等の飛行場や作戦拠点にアクセス可能となるよう、同盟国等への働きかけを強化すべきである。更に、同盟国等と協力して、作戦用に迅速に転換できる民間インフラを増やせるよう模索すべき。
●例えば、直線道路や高速道路の整備、自立たない装備保管施設の確保、着陸や物資投下を念頭に置いた土地の整地などが含まれる。 低コストであっても、有事に大きな効果を生む投資先は多く存在するので、相手国と調整して働きかけることが必要だ
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寄稿者の人物像まで把握していませんが、Center on Miltary の Bradley Bowman 氏と、Political Power at the Foundation for Defense of DemocraciesのLydia LaFavor博士の2名です。
以下の過去記事の最後に、4年前に米空軍の少佐2名がまとめた「ACE 構想実現の課題」レポートを紹介していますが、当時抽出された課題が、全て依然として重く未解決のまま残されていることが良く分かります。ご一読を
第1回Bamboo Eagle演習の紹介記事
「初のACE統合&国間演習」→ https://holylandtokyo.com/2024/02/13/5529/
米空軍の ACE 構想関連記事
「PACAF は ACE運用勢未確立」→https://holylandtokyo.com/2023/09/19/5048/
「生みの親が現状語る」→https://holylandtokyo.com/2022/06/24/3374/
「米空軍がACE ドクトリン発表」→https://holylandtokyo.com/2021/12/17/2532/
「欧州米空軍が ACE 確認演習」→https://holylandtokyo.com/2021/10/27/2317/
「グアムでF-35等が不整地離着陸訓練」→https://holylandtokyo.com/2021/01/29/310/
「米空軍若手が ACE の課題を語る」→https://holylandtokyo.com/2020/11/27/397/
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米空軍大改革の最難関はICC創設とその運営 [米空軍]
新規装備の構想から開発計画を担うICC立ち上げに苦悩か
戦闘機族・爆撃機族・輸送機族のしがらみ克服が課題か
8月14日、Allvin米空軍参謀総長が米空軍協会機関紙とのインタビューに対し、今年2月に打ち出された米空軍大改革の状況について触れ、改革の柱とも考えられる、新規装備品の構想から開発計画管理までを一元的に担うICC(Integrated Capabilities Command)を創設し、従来この役割を担ってきた戦闘コマンドACCや輸送コマンドAMCや世界攻撃コマンドGSCから同役割を分離する改革が最も困難だと述べています
2月12日の空軍協会Warfare Symposiumで、Kendall空軍長官とAllvin参謀総長によってコンセプトが打ち出された米空軍大改革の方向性は、まんぐーすの整理では以下の3点に集約されます
1.将来装備品の構想や開発計画を新コマンドICCに集約
●新規装備品の導入構想や要求性能や開発計画専従の「将来体制を検討する専門コマンド:ICC:Integrated Capabilities Command」を中将トップで創設し、従来この役割を担ってきた戦闘・輸送・CSコマンドは日々の作戦運用とそのための即応態勢維持に集中させ、戦闘機や輸送機や爆撃機の将来構想検討から距離を置かせる
2.戦闘・空輸・CSコマンドは戦いと態勢維持に集中
●戦闘・輸送・CSコマンドの戦闘能力強化のため、冷戦期の手引きを復活させ、コマンドの枠を超えた大規模演習や事前通告なしの戦闘能力点検を復活させるなどに取り組む。この際、基礎単位の航空団Wingを前方展開即応部隊や基地機能維持部隊等に区分し、各Wingへの要求を明確に区分してメリハリのある戦力造成を行う。また、各部隊の前線派遣と母基地での訓練や休養のサイクルを新AFFORGENとして再整理&再構築する。
3.ACE構想を全ての基準として一貫した教育体系を
●教育訓練では、ACE(Agile Combat Employment)構想の実現を教育訓練体系の共通重点目標とし、同構想を遂行可能な多能力を備えた兵士育成に空軍全体として取り組み、新兵教育から上級教育までを含めた一貫した体系で実現する
以上の3つの内、「2.と3.」項目については既に具体的な計画に沿って部隊改編や演習訓練&検閲が開始され、新AFFORGENに沿った戦力の管理ローテーションも順次段階的に始まっているとAllvin大将はインタビューで語っていますが、「1.」のICC創設については、米議会への説明も含め、逆風に直面するかもしれない今後実施すべきことが多く残されていると示唆し、明確な言及を避けつつも以下のように語っています
Allvin大将はICC創設に関し・・・
●ICC創設と司令部創設には米議会から承認が必要で、注目を浴びることになる。現在我々は議会に説明する準備作業を進めている
●(5月時点で同大将は、ICC司令部で当初は5~800名が勤務する予定で、早期に業務に取り掛からせたいが、物理的な引っ越しには時間が必要なため、当面は現所属(ACCやAMCやGSC等)の所在地からリモート勤務で業務を行うと語っていたが・・・)今のところ、今後3~6か月以内にICC暫定司令部を設置し、従来その役割をACCやAMCやGSC等の各機能コマンドで担っていた幕僚要員から、ICC司令部に所属変更になる幕僚に担わせる。議会説明を含む総合的な要件に取り組む機能を開始しなければならない。
●ICC司令部要員が、現所属のACCやAMCやGSC等の各機能コマンド勤務地からリモート勤務することで、現所属組織とICCとの間の「摩擦」が生まれやすくなるとの意見もあるが、実際に任務に従事しているACC等の司令部と近接することで意思疎通や情報の入手が容易になり「近さには価値がある:there is value in proximity」との見方もできる。最終的に幕僚要員が一か所に集まれば解決するだろう
●ICCは、期待している役割のほんの一部から始めるだろう。成熟するにつれ、時間と共に拡大することを目指す。拡大実行するペースは現実的に考えている。米空軍は依然として新規装備品開発のプロセス(Program Objective Memorandum budget process)に沿い、効果的な空軍近代化を進める必要があり確実にする必要があり、その方法について非常に慎重に検討している。
/////////////////////////////////////////////
Allvin参謀総長は5月1日の記者会見で、ICCを2024年末までに立ち上げると語っていましたが、8月14日のインタビューでは「今後3~6か月以内にICC暫定司令部を設置」と年末までの創設が危うくなっているほか、「ICCは、期待している役割のほんの一部から始めるだろう」とも述べ、米空軍内からの反発や各方面との「摩擦」が相当あることを伺わせています
11月の大統領選挙の結果にもよりますが、この改革、特にICC創設をライフワークの集大成として打ち出した剛腕Kendall空軍長官(政治任用)の2024年末での退任も予期され、早く形を固めてしまわないと、ICCの未完や骨抜き創設も懸念されるところです
米空軍が大改革アクションを発表
「大改革の概要発表」→https://holylandtokyo.com/2024/02/16/5579/
「改革の目玉ICCコマンド」→https://holylandtokyo.com/2024/05/23/5873/
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戦闘機族・爆撃機族・輸送機族のしがらみ克服が課題か
8月14日、Allvin米空軍参謀総長が米空軍協会機関紙とのインタビューに対し、今年2月に打ち出された米空軍大改革の状況について触れ、改革の柱とも考えられる、新規装備品の構想から開発計画管理までを一元的に担うICC(Integrated Capabilities Command)を創設し、従来この役割を担ってきた戦闘コマンドACCや輸送コマンドAMCや世界攻撃コマンドGSCから同役割を分離する改革が最も困難だと述べています
2月12日の空軍協会Warfare Symposiumで、Kendall空軍長官とAllvin参謀総長によってコンセプトが打ち出された米空軍大改革の方向性は、まんぐーすの整理では以下の3点に集約されます
1.将来装備品の構想や開発計画を新コマンドICCに集約
●新規装備品の導入構想や要求性能や開発計画専従の「将来体制を検討する専門コマンド:ICC:Integrated Capabilities Command」を中将トップで創設し、従来この役割を担ってきた戦闘・輸送・CSコマンドは日々の作戦運用とそのための即応態勢維持に集中させ、戦闘機や輸送機や爆撃機の将来構想検討から距離を置かせる
2.戦闘・空輸・CSコマンドは戦いと態勢維持に集中
●戦闘・輸送・CSコマンドの戦闘能力強化のため、冷戦期の手引きを復活させ、コマンドの枠を超えた大規模演習や事前通告なしの戦闘能力点検を復活させるなどに取り組む。この際、基礎単位の航空団Wingを前方展開即応部隊や基地機能維持部隊等に区分し、各Wingへの要求を明確に区分してメリハリのある戦力造成を行う。また、各部隊の前線派遣と母基地での訓練や休養のサイクルを新AFFORGENとして再整理&再構築する。
3.ACE構想を全ての基準として一貫した教育体系を
●教育訓練では、ACE(Agile Combat Employment)構想の実現を教育訓練体系の共通重点目標とし、同構想を遂行可能な多能力を備えた兵士育成に空軍全体として取り組み、新兵教育から上級教育までを含めた一貫した体系で実現する
以上の3つの内、「2.と3.」項目については既に具体的な計画に沿って部隊改編や演習訓練&検閲が開始され、新AFFORGENに沿った戦力の管理ローテーションも順次段階的に始まっているとAllvin大将はインタビューで語っていますが、「1.」のICC創設については、米議会への説明も含め、逆風に直面するかもしれない今後実施すべきことが多く残されていると示唆し、明確な言及を避けつつも以下のように語っています
Allvin大将はICC創設に関し・・・
●ICC創設と司令部創設には米議会から承認が必要で、注目を浴びることになる。現在我々は議会に説明する準備作業を進めている
●(5月時点で同大将は、ICC司令部で当初は5~800名が勤務する予定で、早期に業務に取り掛からせたいが、物理的な引っ越しには時間が必要なため、当面は現所属(ACCやAMCやGSC等)の所在地からリモート勤務で業務を行うと語っていたが・・・)今のところ、今後3~6か月以内にICC暫定司令部を設置し、従来その役割をACCやAMCやGSC等の各機能コマンドで担っていた幕僚要員から、ICC司令部に所属変更になる幕僚に担わせる。議会説明を含む総合的な要件に取り組む機能を開始しなければならない。
●ICC司令部要員が、現所属のACCやAMCやGSC等の各機能コマンド勤務地からリモート勤務することで、現所属組織とICCとの間の「摩擦」が生まれやすくなるとの意見もあるが、実際に任務に従事しているACC等の司令部と近接することで意思疎通や情報の入手が容易になり「近さには価値がある:there is value in proximity」との見方もできる。最終的に幕僚要員が一か所に集まれば解決するだろう
●ICCは、期待している役割のほんの一部から始めるだろう。成熟するにつれ、時間と共に拡大することを目指す。拡大実行するペースは現実的に考えている。米空軍は依然として新規装備品開発のプロセス(Program Objective Memorandum budget process)に沿い、効果的な空軍近代化を進める必要があり確実にする必要があり、その方法について非常に慎重に検討している。
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Allvin参謀総長は5月1日の記者会見で、ICCを2024年末までに立ち上げると語っていましたが、8月14日のインタビューでは「今後3~6か月以内にICC暫定司令部を設置」と年末までの創設が危うくなっているほか、「ICCは、期待している役割のほんの一部から始めるだろう」とも述べ、米空軍内からの反発や各方面との「摩擦」が相当あることを伺わせています
11月の大統領選挙の結果にもよりますが、この改革、特にICC創設をライフワークの集大成として打ち出した剛腕Kendall空軍長官(政治任用)の2024年末での退任も予期され、早く形を固めてしまわないと、ICCの未完や骨抜き創設も懸念されるところです
米空軍が大改革アクションを発表
「大改革の概要発表」→https://holylandtokyo.com/2024/02/16/5579/
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米空軍新兵教育で訓練用M4小銃の常時携行が復活 [米空軍]
2012年に中止以来、12年ぶりに小銃携行を習慣化
「戦闘員の心構え」を養うための復活
訓練用M4で実弾発射はできない小銃で
今年7月下旬から米空軍の新兵基礎教育課程(7週間半)で、新兵教育部隊に入隊した新人兵士は、「戦闘員の心構え」を養うため、実弾発射が不可能な訓練用ながら、最新式の小銃M4ライフルを基本的に常時携行して教育期間を過ごさせることに変更した模様です
新兵の初期導入教育期間に、室内教育で座学を行う際にも小銃を携行させ、就寝する際にもベット脇の各自のロッカー内に自身の装備品として小銃を管理させる「小銃ライフルを常時携行」方式は、2012年に一度廃止された様ですが、米空軍全体で戦闘部隊を中心に「即応態勢維持」を重視する方針を米空軍改革の柱にAllvin空軍参謀総長が掲げたことを受け、12年ぶりに復活させたとラックランド空軍基地第737教育訓練群司令官のBilly Wilson Jr大佐は説明しています
「小銃ライフルの常時携行」を中止していた過去12年間においても、7週間半の新兵教育課程(BMT:Basic Military Training)では、入隊後の最初の週に兵士としての心構えを躾ける一環として、小銃の基礎教育を行い、第2週目には小銃射撃を実施させていたようですが、常に身近に武器を置くことで「武人の魂」を養おうとの発想です
ラックランド基地の教育部隊で「常時携行」を復活させて約3週間が経過したところですが、前述のWilson教育訓練群司令官大佐は、訓練を受ける新入隊者と教官の両方から本方式に対して肯定的なフィードバックを得ていると語っています
ちなみに、この新兵教育課程BMTにも、2019年からM16ライフルに代り、同じ5.56㎜弾を使用しながらも、より全長が短く軽量で、照準スコープや暗視装置が装着しやすいM4ライフルが導入されています。なお、M4 の操作訓練を受けると、自動的に M16ライフルも使用可能な許可される(逆は不可)とのことで、海兵隊も2016 年から基礎教育プログラムでM16 から M4 に使用小銃を切り替えたとのことです。
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米空軍全体で戦闘部隊を中心に「即応態勢維持」を重視する方針が示され、その波に沿って基礎教育期間でも変化が見られるということです。効果のほどは何とも言えませんが、軍隊あるあるの精神重視改革です
M4ライフル導入が進む様子をお伝えしましたが、米陸軍の近接戦闘職種である「歩兵」「特殊部隊」「combat engineers」「空挺」部隊や一部海兵隊部隊では、より威力を強化した新開発の6.8㎜弾薬を使用するM7ライフルとM250機関銃の導入が始まっています。(近接戦闘職種以外は引き続きM4を使用)
M4からM7への変更背景は、最近の戦訓から、最新の防弾チョッキを貫通可能で、5.56㎜弾薬では対処できない簡易陣地を構築するレンガブロックを破壊可能な威力、更に遠距離での威力や照準性能向上が必要と判断されたと言われています
米陸軍一部はM4からM7ライフルへ移行開始
→https://holylandtokyo.com/2023/12/27/5379/
米空軍が大改革アクション発表
「大改革の概要発表」→https://holylandtokyo.com/2024/02/16/5579/
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「戦闘員の心構え」を養うための復活
訓練用M4で実弾発射はできない小銃で
今年7月下旬から米空軍の新兵基礎教育課程(7週間半)で、新兵教育部隊に入隊した新人兵士は、「戦闘員の心構え」を養うため、実弾発射が不可能な訓練用ながら、最新式の小銃M4ライフルを基本的に常時携行して教育期間を過ごさせることに変更した模様です
新兵の初期導入教育期間に、室内教育で座学を行う際にも小銃を携行させ、就寝する際にもベット脇の各自のロッカー内に自身の装備品として小銃を管理させる「小銃ライフルを常時携行」方式は、2012年に一度廃止された様ですが、米空軍全体で戦闘部隊を中心に「即応態勢維持」を重視する方針を米空軍改革の柱にAllvin空軍参謀総長が掲げたことを受け、12年ぶりに復活させたとラックランド空軍基地第737教育訓練群司令官のBilly Wilson Jr大佐は説明しています
「小銃ライフルの常時携行」を中止していた過去12年間においても、7週間半の新兵教育課程(BMT:Basic Military Training)では、入隊後の最初の週に兵士としての心構えを躾ける一環として、小銃の基礎教育を行い、第2週目には小銃射撃を実施させていたようですが、常に身近に武器を置くことで「武人の魂」を養おうとの発想です
ラックランド基地の教育部隊で「常時携行」を復活させて約3週間が経過したところですが、前述のWilson教育訓練群司令官大佐は、訓練を受ける新入隊者と教官の両方から本方式に対して肯定的なフィードバックを得ていると語っています
ちなみに、この新兵教育課程BMTにも、2019年からM16ライフルに代り、同じ5.56㎜弾を使用しながらも、より全長が短く軽量で、照準スコープや暗視装置が装着しやすいM4ライフルが導入されています。なお、M4 の操作訓練を受けると、自動的に M16ライフルも使用可能な許可される(逆は不可)とのことで、海兵隊も2016 年から基礎教育プログラムでM16 から M4 に使用小銃を切り替えたとのことです。
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米空軍全体で戦闘部隊を中心に「即応態勢維持」を重視する方針が示され、その波に沿って基礎教育期間でも変化が見られるということです。効果のほどは何とも言えませんが、軍隊あるあるの精神重視改革です
M4ライフル導入が進む様子をお伝えしましたが、米陸軍の近接戦闘職種である「歩兵」「特殊部隊」「combat engineers」「空挺」部隊や一部海兵隊部隊では、より威力を強化した新開発の6.8㎜弾薬を使用するM7ライフルとM250機関銃の導入が始まっています。(近接戦闘職種以外は引き続きM4を使用)
M4からM7への変更背景は、最近の戦訓から、最新の防弾チョッキを貫通可能で、5.56㎜弾薬では対処できない簡易陣地を構築するレンガブロックを破壊可能な威力、更に遠距離での威力や照準性能向上が必要と判断されたと言われています
米陸軍一部はM4からM7ライフルへ移行開始
→https://holylandtokyo.com/2023/12/27/5379/
米空軍が大改革アクション発表
「大改革の概要発表」→https://holylandtokyo.com/2024/02/16/5579/
「改革の目玉ICCコマンド」→https://holylandtokyo.com/2024/05/23/5873/
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→https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/