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空軍長官が空軍戦力造成のビジョン語る [米空軍]

386飛行隊は目指さず、質を追求
中国のようにリスクをとっても迅速な開発を
B-21導入機数は必ずしも増やす必要なし
インフレや燃料費高騰は2500億円不足を予想

Kendall air 2.JPG4月2日と3日、Kendall空軍長官とBrown空軍参謀総長が講演(2日@ Brookings)や上院軍事委員会(3日)で証言し、冒頭でご紹介したような2023年度予算案の背景にある今後の米空軍戦力構築のビジョンのようなものを語っています。

もちろん語られた内容はあくまでも空軍幹部の考え方であり、「ウクライナ侵略」によってもたらされたインフレや燃料価格高騰の影響への対処もあり、予算案議会審議の中で国防省や米議会との調整から修正を迫られる可能性があるような気がしますが、「リスクをとっても迅速な開発目指す。中国のように」のように興味深い内容が含まれていますのでご紹介しておきます

現312から386飛行隊への増強は目指さない
Wilson2.jpg●2018年当時のWilson空軍長官とGoldfein参謀総長が表明していた386飛行隊への空軍戦力増強構想は、我々の焦点ではない。私が望むのは、敵を抑止可能な戦力であり、侵略事態発生時に敵を撃破できる戦力である。ウクライナで見られるような、大規模戦力で長引く戦いを遂行するイメージはない
●より戦力の質にこだわっていきたい。より能力が高く、強靭で、厳しい敵の脅威下でも生き延びて戦いに参加し、そして帰還する戦力が必要であり、私の優先リストにはそのような戦力がある

Mattis.jpg●マティス国防長官は優れた人物であったが、現有戦力の能力向上で対処しようとする考え方には賛同できない。将来の戦いの環境に適した戦力導入を優先し、機体の平均年齢が30歳を超える米空軍では、高齢機の早期退役と投資の再配分が重要である
●2023年度予算案では将来のための研究開発費を確保し、B-21爆撃機、次期制空機NGAD、次期空対空ミサイルJATMなどに資源投入し、高齢装備の早期退役を計画している。そして2024年度予算案では、早期退役の方針はさらに大胆に加速する方向にあることを予期していただきたい

E-7はE-3と同規模に必要ではない
E-7 Wedgetail.jpg●老朽機の早期退役と将来装備導入の例として、E-3早期退役とE-7導入があるが、E-7はE-3に比して優れた能力を提供してくれる。この質の向上は量では補えない。E-7に関しては、規模はそれほど重要ではない。迅速に優れた質を前線に届けることが重要。
●更に、E-7導入により維持整備費がE-3より劇的に抑えられる。

B-21は100機以上を必ずしも追求しない
●ロシアや中国からの脅威が顕在化しているが、これにより自動的にB-21次期ステルス爆撃機の要求機数が100機を超えることはない。
B-21 bomber.jpg●現在米空軍では、B-21を何機導入すべきか分析を行っているが、(100機以上)より多くB-21を導入するオプションの他に、B-21に随伴するエスコート無人機の活用も併せて検討しており、単純にB-21機数増を考えているわけではない

●B-21開発は順調で、維持整備や乗員の訓練必要時間を短縮可能な機体に仕上がりつつあり、高い稼働率が期待できる点からも必要機数を検討している。またB-21を無人随伴機と共に「family of systems」と捉え、作戦運用構想を検討している

必要装備の迅速導入に「デモ試験」省略を
Kendall SASC.jpg●必要な装備を迅速に前線部隊に届けるため、関連技術が十分に成熟しているなら、デモ装備による確認フェーズを省略し、リスクを冒しても直接設計製造フェーズに進む方式を追求したい
●理想としては、予算獲得から3年で作戦運用に投入できるようでありたいと考えている。このような攻めの開発は失敗のリスクを伴うが、中国が失敗を重ねつつもアグレッシブに開発する現状に対応するには、リスクをとる姿勢が必要だ

●旧ソ連は米国が装備化するまでは導入しようとしなかったが、中国は異なる。中国の新装備開発管理は米国ほど上手ではないが、中国は米国よりも早く取り掛かり、アグレッシブに失敗を恐れず大規模に開発を進め、旧ソ連時代とは異なる困難な課題を米国に突き付けている

インフレによる燃料価格上昇の影響
KC-46 Flight.JPG●ウクライナ侵略等の影響を受けた物価上昇の影響が懸念されるが、「最も大きく、喫緊の課題は」航空機の維持整備運用経費を直撃する航空燃料価格の高騰である。
●現在の見積もりでは、燃料価格上昇により、必要な作戦任務を遂行するために必要な燃料費が、今年1年間で約2500億円不足する。インフレの行方は予想が難しいこともあり、米議会とは緊密に協議させていただきたい
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米国防省としての優先開発事項なのに、米空軍の熱意が今一つの極超音速兵器開発に関しては、「AGM-183(ARRW)は今度数か月で2回ほど試験を予定しているが、成功しなければ前へ進めない」と淡々と語るのみで、引き続き国防省との温度差はそのままです。

Brown2.jpg上院軍事委員会では、初期型33機の早期退役を提案しているF-22について「導入時は2060年まで使用する」と説明したではないか、維持整備費が高どまりのF-35については「開発と製造を同時進行したからだ。導入試験を疎かにするな」等々と厳しい批判を浴びていますが、Kendall空軍長官ら空軍幹部は「前進あるのみ」の姿勢です

米空軍を巡る将来構想の激動振り
「次期制空機NGADは1機が数百億円」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-034-28
「B-21とNGAD用の無人随伴機開発」→https://holylandtokyo.com/2022/03/24/2938/
「アムラーム後継JATM開発」→https://holylandtokyo.com/2022/04/04/3088/
「E-7導入正式発表」→https://holylandtokyo.com/2022/04/28/3186/
「空中給油機整備方針を大転換」→https://holylandtokyo.com/2022/04/18/3151/
「ウクライナ侵略も米空軍幹部は対中国優先」→https://holylandtokyo.com/2022/03/17/2929/
「2023年度国防省予算案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-29-1
「E-3・AWACSが2023年から退役へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-30
「極超音速兵器の重要性は中国と米国では異なる」→https://holylandtokyo.com/2022/01/25/2639/
「空軍長官:高価な極超音速兵器は少数保有で」→https://holylandtokyo.com/2022/02/22/2742/

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製造企業幹部がB-21ステルス爆撃機を語り始める [米空軍]

超極秘プロジェクトを語ることを米空軍が少し許可か?
四半期決算発表会なので価格やインフレ影響が話題の中心
インフレを加味すると現在1機880億円です・・・

Warden.jpg4月28日、今年初飛行が予期されている超極秘プロジェクトB-21次期ステルス爆撃機開発について、四半期決算発表の場でNorthrop Grumman社女性CEOのKathy Warden氏が語り、順調な開発状況を米空軍から評価され、報奨金約80億円を臨時収入として計上する予定だと述べ、一方で最近の物価上昇の影響を数年後に始まる本格製造段階の懸念事項としました

製造企業幹部がB-21について語るのは初ではないかと思いますが、性能や製造ペースについては一切触れず、開発段階(EMD:engineering and manufacturing development)の緊要システム融合を含むテスト段階に入っているが、2023年には開発段階EMDと並行して、21機製造する低レート生産段階LRIP(low-rate initial production)に入ると説明しました

Warden3.jpgまた、本格製造段階(production phase)には2024-25年に移行する見通しだと言及しましたが、本格生産時の機体価格については交渉に入っていないと言及を避け、最近の急速なインフレで懸念されているだろうが、効率的製造法を検討しながら開発を進めており、インフレも沈静化するだろうから同社としての利益は安定して伸びるだろうと自信を示しています

まぁ・・・決算発表会なので「お金」の話中心ですが、今後5年間で2兆5000億円が投入される米軍の巨大かつ数少ない順調プロジェクトですので、剛腕女性CEOのお話をご紹介しておきます

28日付米空軍協会web記事によれば
B-21 B-2.jpg●米空軍が認めているように、B-21(の初号機)は初飛行に向けた緊要なシステム融合を含む地上テスト段階に入っており、更に他に5機が様々な用途のための組み立て段階にある
●この開発プロジェクトは、最新のデジタル設計と先端製造技術の活用により、初飛行前に様々な角度からリスク分析を行ってリスク低減措置をとっており、同時に製造の効率性分析を徹底し、固定価格契約となっている21機の低レート製造単価を満たすよう取り組んでいる

●結果として現在見通せる範囲では、開発段階EMDと低レート製造段階LRIPを同時並行で進める2023年の収入は横ばいで、2024年には上昇に転じて10年間は上昇傾向を維持する見込みとなっている
B-21 bomber.jpg●なお、機種選定時の価格要求は2010年物価基準で1機「$550 million」、米空軍による2019年の物価勘案再計算では「$600 million」、そして今日時点での弊社試算では「$741.69 million」となる。本格生産価格を決定する数年後には、現在のインフレ状態が緩和されると予期しているが。

●低レート製造段階21機の価格は固定契約だが、2025-26年からと予期される本格製造段階(production phase)に入るまでには2-3年の検討時間が残されており、物価インフレも落ち着くと予期されるところ、更に経験を踏まえて製造効率性を高めて政府の期待に応えつつ収益性を高めていく所存である
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Warden2.jpg2015年に米空軍が機種選定を行った際の前提では、B-21の総調達機数は80-100機とされましたが、その後米空軍はじわじわと様々な理由をつけて導入機数増を主張してきており、「80-100機」が「100機」となり、いつの間にか「少なくとも100機」が普通になり、今では米空軍GSコマンドは「145機」必要だと言い始めています

今後の初飛行披露や性能をアピールしていく過程で、この機数も米空軍はふくらましていくのでしょう。

B-21爆撃機の関連記事
「無人随伴機も鋭意検討中」→https://holylandtokyo.com/2022/03/24/2938/
「6機製造中」→https://holylandtokyo.com/2022/03/01/2711/
「B-21を5機製造中」→https://holylandtokyo.com/2021/09/27/2270/
「下院軍事委員長も絶賛」→https://holylandtokyo.com/2021/06/23/1896/
「格納庫写真から大きさを推定する」→https://holylandtokyo.com/2021/04/07/101/
「初飛行は2022年半ばか」→https://holylandtokyo.com/2021/01/20/302/
「開発状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1 
「2021年12月3日初飛行予告」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-29
「初期設計段階終了」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-30
「米空軍の爆撃機体制計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2 
「2017年3月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20
「B-21に名称決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-27
「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28

米空軍爆撃機の話題
「爆撃機管理は今後5-7年が多難」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-19-1
「B-52から重力投下核任務除外」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-20
「B-1早期引退でB-21推進?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-19
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春時点の爆撃機構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2

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艦艇攻撃用に改良のGPS誘導JDAMが実弾試験 [米空軍]

昨年8月のGPS誘導模擬弾に続き実弾で
「QUICKSINK」との名称も細部は不明
GPS誘導で艦艇剛撃ポイントを細部指定可能なのか?

JDAM QUICKSINK3.jpg5月4日付Defense-Newsは、米空軍研究所が4月28日に実施した、艦艇攻撃用GPS誘導JDAM(2000ポンド)の実艦艇を目標とした試験が成功したと報じています。なおこの改良型GPS誘導型(GBU-31)JDAMは、「QUICKSINK Joint Capability Technology Demonstration」と呼ばれているようです

対中国作戦を想定するとき、中国軍の多数の艦艇を攻撃目標とする必要がある中、高価な魚雷や対艦ミサイルだけでは対処が難しいことから、より安価な攻撃兵器としてJDAMの艦艇攻撃用バージョンの検討が進められてきました。

JDAM QUICKSINK2.jpgただ、想定する敵艦艇の防空能力が飛躍的に向上する中、JDAMの中でも、目標命中まで発射母機が目標周辺に在空して目標にレーザー照射を継続する必要があるレーザー誘導型JDAM(GBU-24)ではリスクが大きいことから、母機からリリース後は自ら目標に向かうGPS誘導型(GBU-31)の改良を追求することになったようです

GPS誘導型は、レーザー誘導型のように雲や雨に影響されない全天候対応能力を備えていることも特長ですが、更に「QUICKSINK」設計に際し米空軍研究所は、柔軟に多様な企業が部品供給に参加できるよう「open systems architecture」を追求し、企業間競争によるコスト低減と性能向上を狙っているとアピールしています

JDAM QUICKSINK.jpgしかし、レーザー誘導型が艦艇のどの部分に命中させるか選択しやすいのに対し、GPS誘導で目標艦艇の「艦橋」「推進機関」「弾薬庫」「燃料タンク」などの具体的部分を狙って攻撃できるのかは、今回の実弾試験発表でも言及されていません

2021年8月に第1弾試験として模擬JDAM試験を行った際、米空軍研究所AFRLの担当大佐は、『「目標ポイント:aim points」に爆弾を投下可能かを確認するために試験を計画した』と説明していましたが、どの程度の精度で目標ポイントを選択できるかへの言及は避けていました

JDAM QUICKSINK4.jpg一方で同担当大佐は当時、『爆弾の先端部分を再設計し、水面で爆弾がはじかれずに水面下の目標地点に到達できるよう検討している。我々は水面にはじかれないように物理学や運動力学を学ぶ必要がある』と語っており、水面下の艦艇部分も攻撃対象箇所として設計思想に反映されている模様です

なお「QUICKSINK」は、従来のJDAMを搭載可能な航空機全ての搭載可能で、特別な機体改修は必要なく、試験を担当した第85試験評価飛行隊幹部は、地域戦闘コマンド司令官により多くの兵器オプションを提供できると説明しています
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JDAM QUICKSINK5.jpg艦艇剛撃用GPS誘導JDAM「QUICKSINK」の細部性能は今後少しずつ明らかになるでしょうが、対中国で米空軍航空アセットが活躍できるよう、米空軍自らの発案で始まった者でしょう。

いずれにしても、中国の艦艇対処は同盟国にとっても重要な任務ですので、米空軍から航空自衛隊への提供も前向きにご検討いただき、空自も早めにしっかりと首を突っ込んで、F-15やF-35の働き場所を見つけた方が良いかもしれません

米空軍の弾薬調達を考える記事
「2023年度米空軍の弾薬調達予算案を考察」→https://holylandtokyo.com/2022/04/15/3098/
「米空軍が艦艇攻撃用にJDAM改良中」→https://holylandtokyo.com/2021/09/29/2234/
「F-15Eで完成弾JDAMを運搬」→https://holylandtokyo.com/2021/03/09/156/

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空軍長官:次期制空機NGADは1機が数百億円 [米空軍]

「multiple hundreds of millions of dollars」と表現
ちなみに米国価格でF-35は約98億円
次期制空関連システム全体で無人機も維持可能なコストに収めると

Kendall SASC.jpg4月27日、Kendall空軍長官が下院軍事委員会で証言し、極秘裏に開発中でデモ機が2020年夏には初飛行を行っている次世代制空機NGADについて、価格は数百億円(multiple hundreds of millions of dollars)になると数字に初めて言及しました

F-22が退役開始する2030年頃を目途に導入されるイメージの次期制空機NGADですが、「(対中国を意識して)航続距離や搭載量確保が重要」「高価格になるが必要」とのボンヤリ発言が米空軍幹部から最近聞かれるようになった一方で、具体的な性能や機数等については具体的な話は出ていません

Brown3.jpg2021年初からBrown参謀総長の指示で始まった「TacAir Study:戦闘機構成の検討」も「8年ぐらい時間をかけて」かつ結果は非公表予定で、Kendall長官も27日には「Brown参謀総長の「4+1構想」に引き続きコミットしている。F-35, F-15EX, F-16, F-22 (NGAD導入まで)。+1はA-10だ」と述べるのみで情報管理が引き続き厳格ですが、価格への米議会や世論の驚きや反発を予期して段階的な「ガス抜き」が始まったと理解してよいでしょう

また同日には、今後5年間の米空軍の航空機数削減計画を含む予算案補足説明文書「J-Books」が米議員に提供された様で、4月7日に共和党Fischer上院議員が軍事委員会で言及した「1468機退役、467機新規導入で、差し引き1001機の機数削減」ではなく、「646機退役、246機新規導入で、差し引き400機の機数削減」が計画であることが判明しています

F-15EX 4.jpg今後5年間で「差し引き1001機削減」だと暴露された時も、最終的に「差し引き400機削減」が明らかになった当日も、議会で米空軍幹部は「J-Booksに示される(示された)通り。将来のために必要な資源配分を検討した結果」と述べるだけで、この数字の変化については何も説明していません。

ただ「J-Books」にはF-15EXの総調達機数削減計画が記載されているようで、従来144機調達予定だったものを計80機にまで削減するようです。

F-15EX Eglin2.JPG一方で、2023年予算案では22年の2倍の24機同機を調達する計画になっており、米空軍幹部は「核抑止力近代化等への資源配分もあり、予算制限から総調達機数を削減せざるを得ないが、搭載可能兵器量も多く5世代機レベル装備も多数搭載した優秀な機体なので、可能な範囲で早期導入する」と説明しています

以下では、Kendall長官の27日の下院軍事委員会におけるNGAD価格発言関連部分をご紹介します

27日付米空軍協会web記事によれば
NGAD6.jpg●この数字は米議会の皆さんや世間の関心を集めると思うが、次世代制空システムを構成する次世代制空機NGAD(Next Generation Air Dominance)は、1機あたり数百億円(multiple hundreds of millions of dollars)になる見通しだ
●調達中のF-35や戦闘機クラスで最も高価だったF-22を超える価格になるが、NGADは将来制空の鍵となるアセットである。私が以前かかわったF-22も高価で話題となったが、その後数十年空の支配に大きく貢献した。NGADも同じである

●NGADは高価な機体となる見込みだが、F-35の教訓を生かし、NGADを効率的な能力向上が可能で、維持費を抑える仕組みを組み込んだものとすることに私は楽観的である。

NGAD8.jpg●次期制空システム全体を構成するアセット群には、高価でない無人システムも組み込んでセンサーや兵器等として活用する方向であり、リスクの高い任務に空軍兵士の命を懸けるリスクを減らすことができ、損耗が打撃とならない安価な手法で任務達成を目指すことができる
●NGADのような高価なアセットに並行して、損耗が受け入れ可能な安価なアセットをシステム群に組み込むことで、「よりaffordableな」空軍戦力構成を目指す必要があると認識している
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NGAD7.jpg1機数百億円するNGADは、「秘密の塊」なのでF-22のように海外には売り出さないのか、同盟国にごり押し売り込みをするのか不明ですが、F-35の調達予定機数(1763機)をどこまで削減するのかと合わせ、注目していきたいと思います

それにしても、2020年9月以前に初飛行をデモ機で行っていると米空軍が公表しているNGADに関し、写真1枚出回らないのは立派です。・・・というか、この時代に不思議です。

NGAD関連記事
「NGADの無人随伴機開発は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-20
「NGADに発言相次ぐ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-27
「戦闘機族ボスが少し語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-07
「戦闘機族ボスがNGADへの危機感」→https://holylandtokyo.com/2021/03/05/154/
「SCIF使用困難で戦闘機開発危機」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-12
「次期制空機のデモ機を既に初飛行済」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-16

戦闘機構成検討TacAir study関連
「近未来の戦闘機構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-16
「戦闘機は7機種から4機種へ」→https://holylandtokyo.com/2021/05/18/1496/
「戦闘機混合比や5世代マイナス機検討」→https://holylandtokyo.com/2021/02/22/266/

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その3:米空軍改善提案コンテスト最終候補 [米空軍]

軍曹2名の提案が国防省全体を巻き込むインパクト
空軍士官候補生1名による提案にもご注目

Project FoX3.JPG3月4日に開催された毎年恒例「米空軍改善提案コンテスト:Spark Tank competition」でプレゼンされた最終候補6件をご紹介するシリーズの第3弾で最終回。

米空軍の前線部隊で勤務する中堅クラスをリーダとして提案される改善提案から、米軍部隊が直面する課題やそれに立ち向かう動きや考え方を知ることで、米軍の今を考えます

本日ご紹介するのは、前線部隊の軍曹2名がチームリーダーの「不便な展開地での燃料と水輸送負担の軽減アイディア」と、士官候補生1名による提案「無人機を輸送機で空中けん引して航続距離拡大」です。

軍曹2名のチームのアイディアはシンプルですが、その基本コンセプトがDARPAや各所を巻き込み大きなプロジェクトになろうとしているとの興味深い事例です

辺鄙な前線部隊での燃料と水輸送負担を軽減する提案

Project Arcwater.jpg●Brent Kenney上級軍曹とMatthew Connelly2等軍曹(ドイツ第52戦闘航空団)がチーム長の「Project Arcwater」
●米空軍では本格紛争に備え、戦力を分散運用するACE構想を推進しているが、分散展開先への装備品、燃料、水、食料等の輸送備蓄が大きな問題。どれも削減不能な要素であるが、特に燃料と水の輸送所用が大きく課題となっている

●「Project Arcwater」のアイディアは極めてシンプルな改革案。まず高性能の太陽光発電パネルの導入(月の光でも発電が継続可能なレベル)、次に高性能な除湿器による前線での水確保(展開先の自然水と合わせて必要量確保)、そして前線部隊の規模に応じた小型発電機の導入による燃料消費量の削
●軍曹2名は市販品レベルで改善効果を試算し、高性能の除湿器で1日に100リットル以上が確保でき、自然水を合わせれば1日に1000リットル確保もそれほど困難でないと試算した。また部隊規模に応じた小型発電機導入で燃料消費量を1/15に削減可能と提案した

Project Arcwater2.jpg●この「コロンブスの卵」的提案は大きな反響を呼び、DARPAをはじめ多くの組織が協力を申し出たり独自検討を深化を進めている。軍曹2名は「Spark Tank」でのプレゼンで資金確保を求めているのではなく、この取り組みを米空軍や米軍のしかるべき組織のしかるべき士官の下で発展させる体制づくりを希望している


無人機を輸送機で空中けん引して行動範囲拡大
 
空軍士官候補生1名による提案
WW2当時のけん引輸送グライダーにヒントを得て
価値特許も申請中

Aerial Tow Rehookup.jpg●空軍士官学校のGrant Schlichting候補生単独での提案「Aerial Tow Rehookup—Novel Range Extension」
●無人機の用途拡大が様々に検討される中、その行動範囲の拡大は重要な課題だが、現在の空中給油は複雑な作戦運用や計画が必要であり、1回の給油量も2000ポンド程度に限定される

●そこで、飛行中の輸送機から伸ばしたけん引ロープの先に取り付け、無人機がロープと結合できるフック「Aerial Tow Rehookup」の制作を思いついた。空軍士官学校の風洞や研究施設を利用して2年間をかけて開発し、仮特許も申請している
Aerial Tow Rehookup2.jpg●同候補生は更なる半年間の研究と試験実施のため、約1.4億円の資金提供を求めている。ただ申請が認められなくても、彼は米空軍の開発拠点の一つであるエドワーズ空軍基地で同フックの開発と試験を続け、その後に卒業後はパイロットコースに進みたいと考えている

●なお、「Spark Tank」の最終候補に士官候補生が残るのは2019年以来で、その際は気象予報を支援するソフト開発を提案していた
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これまで2022年「米空軍改善提案コンテスト:Spark Tank competition」でプレゼンされた最終候補6件をご紹介してきましたが、無人機や3DプリンターやGameやスマホアプリ開発技術など、民生技術を軍事の世界に取り込んで有効に活用する提案が評価されています

Spark Tank.jpgカーター国防長官時代から、国防省主導で民間スタートアップ企業の技術を軍事利用する試みが始まっていますが、民間組織の管理や対象の見極めが難しく、なかなかうまくいっていない中、草の根の提案が組織を活性化させることを期待したいと思います

でも個人的には、本日ご紹介した軍曹2名の「Project Arcwater」に魅力を感じます。兵站支援分野の細かな効率性は、前線で汗を流す兵士しか肌間隔でつかんでおらず、そんな中から生まれた提案が「コロンブスの卵」とは痛快です

なお3月4日の発表会では、外部有識者による審査チームが「Project Arcwater」を最優秀提案に選出したようです。

どの提案の紹介も十分ではなく、読者の皆様も消化不良気味かもしれませんが、細部については「https://www.afwerx.af.mil/spark-tank.html.」をご覧ください

米空軍改善コンテスト最終候補6件をご紹介
「無人機で血液輸送&操縦者酸素マスク改善を3Dで」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-25
「Gameでリーダー教育&戦闘機ソフトをスマホ手法で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-26

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その2:米空軍改善提案コンテスト最終候補 [米空軍]

米空軍の教育に「Game」を
Gameと呼ぶな、「Simulators」だ

Spark Tank 2.jpg3月4日に開催された毎年恒例の「米空軍改善提案コンテスト:Spark Tank competition」に進出した最終候補6件をご紹介するシリーズの第2弾。

米空軍の前線部隊で勤務する中堅クラスをリーダとして提案される改善提案から、米軍部隊が直面する課題やそれに立ち向かう動きを考え方を知ることで、米軍の今を考えます

本日ご紹介するのは、「Gameを使用して意思疎通、リーダーシップ、チームワーク、意思決定を学ぶ」提案と、「スマホアプリ開発の手法で戦闘機ソフト開発&改修を」です。

Gameでリーダーシップを学ぶGame「DAGGER」

DAGGER.jpg●米空軍大学のMatthew Correia氏をリーダーとするチームによる提案
●パイロット教育に「Simulators」教育は不可欠な要素となっているが、基本的には若者に人気の「Game」であり、他の米空軍の技能習得にも応用できるはずである

●最近米空軍が「新たなリーダーシップに求められる資質:new Airman Leadership Qualities」を導入したことを受け、この普及教育用の「Simulators」として、ロールプライングGameを使用することを思いついた
●米空軍大学では、課程を履修した者誰もが忘れられない「一連の障害物コースを仲間と共に協力し、リーダーシップを発揮して乗り越える科目」が組み込まれているが、これをGameで提供する手法に取り組んでいる

Spark Tank.jpg●この「DAGGER」と名付けたGameは、ネット環境があればどこからでも利用でき、世界各国の様々な赴任場所にいる同僚とチームを組んで学びの場に参加できる
●意思疎通、リーダーシップ、チームワーク、意思決定、人材管理、イノベーションを学ぶプログラムであるが、様々な応用分野が考えられる

戦闘機ソフト開発をスマホのアプリ感覚で迅速柔軟に

Project FoX.jpg●第412試験航空団Allen Black少佐がチーム長の「Project FoX」
●スマホのアプリ開発が世界中で同時並行的に複数の開発者によって行われている形を、戦闘機用ソフト開発でも実現したい

●ソフト開発がオープンアーキテクチャー化改修されたF-22を手始めに、戦闘機用コードを一般の商用コードに変換する情報保証されたタブレットを使用し、戦闘機用ソフトを改良&新規作成し、他機種とも共有する
●手始めに3月には、F-35が使用している地対空ミサイルを回避するソフトをタブレットでアレンジし、F-22でも使用できるようにする

Project FoX3.JPG●従来の時間のかかる複雑な試験サイクルを簡素化し、様々な開発者のアイディアを迅速に取り込める。我がチームは約1億3000万円の初期資金を得られれば、まず第5世代戦闘機にこの仕組みを導入したい
●このソフト開発&改修の迅速化手法は、無人ウイングマン構想のソフト開発にも一部企業が導入しており、サイバー戦やAI活用にもつながるものである
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ご紹介した2つの提案は、もう少し具体的な中身がわからないとコメントが難しいところですが、一般社会で存在感のある「Game」や「アプリ」の考え方を、米空軍で利用しようとの挑戦です

このレベルの提案が前線の部隊から出てくるところがうらやましいです

どの提案の紹介も十分ではなく、読者の皆様も消化不良気味かもしれませんが、細部については → https://www.afwerx.af.mil/spark-tank.html. をご覧ください

その1:米空軍改善コンテスト最終候補ご紹介
「無人機で血液輸送&操縦者酸素マスク改善を3Dで」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-25

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その1 米空軍改善提案コンテスト最終候補 [米空軍]

Spark Tank competitionの最終候補をご紹介

Spark Tank.jpg3月4日に米空軍協会戦闘シンポジウム(フロリダ州で開催)の会場で、米空軍の前線部隊から提出された各種改善提案の発表会が開催され、最終候補に残った6つの提案がプレゼンを行いました。

毎年開催の米空軍省主催「Spark Tank competition」との改善提案コンテストが、優秀提案に予算をつけたりするのかは不明ですが、米空軍協会web記事が最終候補を取り上げ紹介していますので、GW中に3回に分けてご紹介することとし、本日は2つの最終候補をご紹介いたします

なお、どの提案が最優秀に選ばれたかについては、「その3」の記事の中でご紹介いたします

Spark Tank 2.jpg1つは「輸血用血液の最前線への最終輸送手段に無人機を」との提案で、もう一つは「操縦者の低酸素症の原因と関係がある酸素マスクのフィット感を改善するシリコン詰め物を3Dプリンターで」との提案です。

いずれも少佐が提案チーム長を務める草の根の提案で、米空軍前線部隊のニーズや部隊のニーズを体現したもので、部隊の現実を知る機会なので取り上げます

輸血用血液の最前線への最終輸送手段に無人機を
 
Blood UAV.jpg●ネリス空軍基地第99医療支援隊の提案:提案チーム長はGiselle Rieschick少佐
●前線での負傷者等に輸血用の血液を緊急輸送する必要が生じた場合、地上に脅威がある場合、乗員6名のUH-60ヘリを輸送手段にすることになるが、搭乗員の命をリスク下に置き、種々の手続きが極めて複雑で煩雑になる。かつてヘリで20分の輸送を対空脅威から断念した経験が今回の提案の背景にある

Blood UAV3.jpg●この課題を解決するため、約50㎏の専用ボックスを搭載し、40マイル以上飛行可能な無人機2機の導入と、通信覆域拡大のためピックアップトラックに搭載可能な通信タワーを約5500万円で導入することを提案する
●「輸血用血液の緊急輸送ニーズ」は米空軍前線部隊だけでなく、陸軍部隊でも、海軍艦艇部隊が沿岸地域から地上部隊を支援する場合にも使用でき、統合レベルでも多様なニーズがあるはずであり、血液以外にも多様な応用が可能である


3Dプリンターで操縦者用酸素マスクのフィット改善シリコン挿入具を

MBU-20P.jpg●空軍士官学校で歯科医として勤務するGiselle Rieschick少佐を中心としたチーム提案
●操縦者の低酸素症が大きな問題となっているが、その要因の一つと考えられている問題に酸素マスクの不適合がある。多くの操縦者が酸素マスクと鼻の接点に不快感を感じ、中には酸素マスクを外して飛行しているパイロットも少なくないと言われている

●歯科医であるRieschick少佐は、歯の詰め物で歯の治療を行う際、10種類のタイプの詰め物の中から患者のあったタイプを選択し、微調整して治療に使用してきたが、操縦者の酸素マスクMBU-20/Pには5種類のタイプしかなく、パイロットは各顔の形状に合わせた微調整もせず使用している状況に驚いた
Oxygen Mask.jpg●例えばF-35操縦者用のHUDヘルメットは4500万円もするというのに、安全に直結する酸素マスクに顔形状にあった選択肢がない状況改善に、歯科医の世界では広く普及し始めていたスマホ撮影の顔写真と3Dプリンターの組み合わせを応用し、酸素マスクのフィッティングを改善する安価なシリコン製挿入具の開発を提案した

●周辺の操縦者にこのアイディアを話すると大きな支持が得られたが、実用化には膨大なデータの蓄積や試験が必要であり、支援を得るため提案コンテストに応募した
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今日ご紹介した「改善提案コンテスト」については、他の4件の最終候補も順次ご紹介します

どの提案の紹介も十分ではなく、読者の皆様も消化不良気味かもしれませんが、細部については → https://www.afwerx.af.mil/spark-tank.html. をご覧ください

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米空軍がE-7導入を正式発表:2027年に1番機 [米空軍]

機体年齢44歳のE-3 AWACSの後継として
2027年の1番機はあくまでプロトタイプとか
2023年度予算案には研究開発テスト評価費が約260億円

E-7 Wedgetail.jpg4月26日、米空軍はE-3早期警戒管制機AWACSの後継として、「E-7 Wedgetail」を導入すると正式発表しました。ただし、現在保有する31機のE-3の後継機として、E-7を何機導入するかについて米空軍は明らかにしておらず、プロトタイプ機を契約するとの発表らしく、奥歯に物が挟まったような感もいたします

3月25日にKendall空軍長官が、「(E-3後継機の)最有力候補はE-7だと思うが、最終決定までには細部にわたる慎重な検討や確認も必要だ。今後数か月で意思決定する」と語っていたところですが、あっさり発表になりました。

E-3 AWACS.jpgE-3の老朽化による稼働率低下は前線部隊と維持整備部隊にとって以前から大きな問題となっており、昨年2月末には太平洋空軍司令官が「E-3の最近の信頼性度合いから、早急に新たな代替機が必要だ。E-3は離陸するのがどんどん困難になっている」、「最新のE-7を早急に導入すべき」とフライング発言し、空軍参謀総長が翌日には発言の火消しに回るなど物議を醸していました

また2021年7月には、米本土の維持整備部隊のあるTinker基地兵士が士気が上がらない部隊状況をメディアに訴え、ゴタゴタの末に部隊指揮官が解任される事態も発生していたところです

26日付Defense-News記事によれば
E-7 2.jpg●米空軍の発表は、米空軍は市場調査によって、戦術戦闘管理、指揮統制、目標探知追尾能力などから判断して「E-7 Wedgetail」がE-3の後継となる唯一のプラットフォームだとの結論に至ったと説明している
●そして米空軍は、2023年度にE-7を製造するボーイングと契約を結ぶ予定になっている。なお米空軍の2023年度予算案には、後継機のための研究開発テスト評価費が約260億円計上されており、併せて31機保有のE-3の15機を退役させる計画も盛り込まれている

E-7 Wedgetail2.jpg●なお(2023年度契約を予定する)最初のプロトタイプ機(first rapid prototype)は2027年度に納入されることとなっており、2番目のプロトタイプ機(a second rapid prototype)予算は2024年度予算に含まれる予定となっている
●ただし、米空軍はE-7を何機導入する予定かについて今回の発表で言及していない

追加情報:26日付米空軍協会web記事によれば
●米空軍報道官は、「31機保有のE-3の一部の後継としてE-7A Wedgetailsを導入することを決定した。何機E-7を導入するかは評価した後に決定する」と明らかにした
●また「rapid prototypeの1番機は2027年以降に納入される。production decisionは(プロトタイプが納入される前の)2025年に行う」とも表明した

●豪州によりE-7は開発され、韓国、トルコ、英国が保有又は購入計画を持っている。ただし、米空軍が導入するE-7は、これら各国が導入する機体とは異なった装備やシステム構成をなる模
●ボーイング関係者は、「米空軍にはopen architectureバージョンを提供し、現在のE-7にはない、他企業のシステムを搭載可能な形にする」と語っている
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ABMS4.jpg4月1日の記事でもご紹介したように、元々米空軍はE-3後継機は導入せず、宇宙を含めた多様なセンサー情報を集約して迅速に指揮統制に使用可能にするABMS(Advanced Battle Management System)導入を急いでいましたが、技術的課題や予算制約もあり遅々として進まず、ABMS(最近報道等が全くない)導入までのギャップを埋めるE-3後継機導入が不可避となり、最近になって急に話題となった経緯があるようです

これもまんぐーすの完全な邪推ですが、3月25日に空軍長官が「慎重に検討する。今後数か月後で決定する」発言をした1か月後の4月26日に正式発表となっており、何かに「せかされて」いるような気がしてなりません。

KC-46 Flight.JPG「E-7 Wedgetail」はボーイング製ですが、先日は空中給油機関連でRVS改修設計合意やKC-46をKC-YやZに・・・とのボーイング寄りの発表が米空軍からあったところでもあり、ボーイングに何かあるのかなぁ・・・と邪推してしまいます

平均年齢44 歳のE-3関連話題
「予算案通過なら2023年から退役へ」→https://holylandtokyo.com/2022/04/01/3074/
「後継機検討のRFI」→https://holylandtokyo.com/2022/03/01/2711/
「急にE-3後継機が大きな話題に」→https://holylandtokyo.com/2022/01/31/2669/
「米空軍航空機は依然高齢です」→https://holylandtokyo.com/2021/12/08/2475/
「空軍長官が7つの優先事項を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-12
「PACAF司令官:E-7ほしい発言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-27

米空軍空中給油機の整備方針を大転換
「KC-XYZの再検討再整理表明」→https://holylandtokyo.com/2022/04/18/3151/

将来戦に向けた指揮統制改革:JADC2、AIDA、ABMS関連
「国防副長官がAIDA開始発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-23
「具現化第1弾でKC-46に中継ポッド」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
「3回目はアジア太平洋設定で」→https://holylandtokyo.com/2020/10/05/425/
「2回目のJADC2又はABMS試験演習」→https://holylandtokyo.com/2020/09/09/476/
「初の統合「連接」実験演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「今後の統合連接C2演習は」→https://holylandtokyo.com/2020/05/14/671/
「連接演習2回目と3回目は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-02
「国防長官も連接性を重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-09
「将来連接性を重視しアセット予算削減」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28

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米空軍とボーイングがKC-46のRVS改修にようやく合意 [米空軍]

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給油操作を行う映像装置RVSの根本的改修
2020年春に検討開始し、2021年5月に一度交渉決裂も
空中給油機関連課題が急に整理されていく流れに疑念も

KC-46 Flight.JPG4月19日米空軍報道官が、ボーイング社との間で2020年春から協議を続けてきたKC-46空中給油機のRVS更新改修設計案について4月11日に合意し、基本契約に沿って改修費用を全額ボーイング社が負担して2024年中旬までにRVS更新改修を終了することになったと発表しました

KC-46は従来の給油機とは異なり、操縦席内にあるカメラ映像を見ながら給油装置を操作するシステムを導入しましたが、その映像システムRVS(Remote Vision System)が太陽の位置や夜間に見辛く、捜査員が給油ブームで対象機の機体をひっかいて傷つけたり、安全に操作できないとの問題が生じて2017年夏に「category I deficiency:第1級不具合」に指定されました

KC-46 RVS.jpgこの不具合にボーイングは小手先の「ソフト改修」で対処しましたが空軍側は納得せず、根本的ハード対策が必要だと主張し、延々と押し問答が続いて2019年には膠着状態に至りました。最終的には2020年2月に時の空軍参謀総長が新任ボーイングCEOを訪問して直談判するに至り、その後少し動きがあって2020年4月に「RVS 2.0」を開発して更新することで合意したものです

KC-46 RVS 2.0.jpg冒頭でご紹介したように、その後も2021年5月に「RVS 2.0」設計交渉が決裂するなど、2021年秋には合意するはずの予定が今年4月まで遅れた超難産ですが、KC-46契約全体を貫く「固定価格契約」原則を維持し、「RVS 2.0」開発導入も全てボーイング経費持ちになります

これまでの様々な不具合対処経費を含めると、約6500億円ボーイングが自腹を切って対応しており、「RVS 2.0」開発導入経費がどの程度が現時点で公表されていませんが、更なるボーイング負担となります

4月19日付Defense-News記事によれば
KC-46 RVS2.jpg●米空軍報道官の声明によれば、「RVS 2.0」は、新しい4K解像度ディスプレー、改良した複数の可視光&赤外線カメラ、給油操作員操作パネルの完全再設計、画像処理プロセッサーの再設計により課題に対処する。特に3組のパノラマ視野カメラにより、昼夜を問わず、切れ目ない必要な視界を操作員に提供する
●また声明は、今後数か月で正式契約を交わすことになるが、「RVS 2.0」導入により、RVS関連の2つの「category I deficiency:第1級不具合」と6個の「第2級不具合」が解消されると説明している

KC-46 RVS 2.0 2.jpg●ボーイング社は「今回の合意は、米空軍とボーイングの緊密な連携でKC-46Aをニーズに応じて能力向上していく事例であり、最新技術を製造ラインに落とし込む流れを示すものである」、「この改修により世界最高の給油機は更に能力を向上させ、何世代にもわたり空軍運用者に恩恵をもたらすだろう」とコメントしている

●なおKC-46給油機は、導入予定の177機のうち既に57機が米空軍に納入済で、米空軍は作戦空域での使用を認めないなど使用制限を課しつつも、最近許可したF-22とF-35を含む対象機の85%への空中給油を認めている
●なお同機は米空軍以外では、日本が4機導入予定で2機を受領済、イスラエルも今年に入り2機導入を発表している。
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Brown4.jpg4月11日に「RVS 2.0」について空軍とボーイングが合意し、翌4月12日にBrown米空軍参謀総長が空中給油機の今後の体制整備について、従来の「KC-X(KC-46)→KC-Y(つなぎ給油機)→KC-Z(ステルス給油機)」との考え方を再検討中で、「Y」や「Z」で特別な能力を追求せず、KC-46を改良して使用していく方向も検討しつつあると明らかにしている辺り、色々な裏がありそうで想像してしまいます

KC-XYZの再整理については、「機種選定のドロ沼を避けたい」及び「予算もないのでステルス給油機は断念」と邪推しておりますが、KC-46に関する妥協も含めて考えれば、コロナで民航機需要が激減し、B-787の事故もあり瀕死のボーイングを米国政府として支えるための一連の判断とも邪推できます

米空軍空中給油機の整備方針を大転換
「KC-XYZの再検討再整理表明」→https://holylandtokyo.com/2022/04/18/3151/
「KC-Yにロッキードが名乗り」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-20
「つなぎ空中給油機KC-Yに着手へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-05
「2016年当時の空中給油機後継プラン」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-09-22

KC-46関連の記事
「恒久対策は今も未定」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-11
「50機目受領も恒久対策未定」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-11
「KC-YもXと同じ対決へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-20
「KC-46空中給油機に更に2件の最高度不具合発覚」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-18
「F-22とF-35のデータ中継装置を搭載へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
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「恒久対策は2023-24年から」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-30
「今度は燃料漏れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-31-1
「やっぱりだめで更に1年遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「重大不具合について3月に手打ち!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-21
「空軍トップが新CEOに改善要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

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大転換:KC-YとZはKC-46の改修型へ? [米空軍]

つなぎ給油機KC-Y機種選定の可能性は低下しKC-46活用へ
KC-Zでステルス機を追求する従来構想見直し
要求性能精査やKC-46の状況確認が理由らしいが・・・
機種選定のドロ沼回避と予算不足が原因では

Brown4.jpg4月12日、Brown米空軍参謀総長が記者団と懇談し、空中給油機の今後の体制整備について、従来の「KC-X(KC-46)→KC-Y(つなぎ給油機)→KC-Z(ステルス給油機)」との考え方を再検討しつつあり、特別な能力を追加で要求するのではなく、KC-46を適宜改良して使用していく方向も検討しつつあると語りました

この「方針大転換」の理由についてBrown大将は、KC-46が不具合を依然抱えながらも十分使えそうなこと、イラクやアフガン等での中東ニーズが減少したこと、従来ホワイトボードで行っていた給油機運行管理を効率よく実施する「new tools」を導入したからだと、「?」が花火のごとく飛散するほど意味不明な説明していますが、まんぐーすは「ドロ沼の機種選定回避」と「予算確保難」が真の理由だと強く邪推しております

Kendall air.jpg2023年度予算案公表時にKendall空軍長官が、「本件については透明性が極めて重要だと考えており、競争的機種選定の可能性も残ってはいるが、我々の要求事項を精査する中で、KC-Y やKC-Z計画における機種選定実施の可能性は低下しつつある」と語っており、この発言を補足する形でBrown参謀総長は語っています。

まず従来の給油機整備の考え方
KC-Xとして、(ドロ沼機種選定の末に決定した)KC-46を179機2027年までに導入し、老朽KC-135等の後継に

LMXT.jpgKC-Yには、老朽給油機の穴埋めとして、戦闘空域での使用を想定せず米国内訓練や海外への機動展開支援を担う「つなぎ給油機:bridge tanker」を選定導入。KC-46製造修了の2027年頃から、本格ステルス給油機KC-Zまでの間を「つなぐ」機体として導入
(なおKC-Y機種選定は、ボーイングのKC-46改良型と、ロッキードが提案するMRTT(KC-46とドロ沼機種選定を戦った機体)改良型であるLMXTの対決が予期されていた)

KC-Zは将来作戦環境に備え、次期制空機NGADとともに強固に防御された敵空域にエスコート侵攻可能なステルス性を備え、自立性(無人機)追求可能性がある従来給油機より大型の、全く新しいタイプの新型給油機を想定。これが過去3代の米空軍輸送コマンド司令官が継続して主張してきたKC-Z

ところが14日の記者懇談会でBrown参謀総長は
(15日付米空軍協会web記事によれば)
Brown nomination.jpg●先日のKendall長官発言にある程度同意で(do somewhat agree with him)、新たにKC-Yを開発するには時間と資金も必要になるが、そのようなやり方は不要だと考えている。なぜならKC-46は未だに不具合を抱えて改修中であるが、かなり良い仕事(is doing fairly well)をしているからだ
●KC-46はKC-135等より同じ機数で多くの任務を遂行可能なことを示しつつあり、KC-YやZには、KC-46を最新技術で改修近代化することで対応できるのではないかと考え始めている

●KC-Zはどうなるのかとの質問になろうが、次期制空機NGADに追随して敵空域まで侵入する従来語られてきた運用構想を今は持っていない。KC-Zをエスコート型給油機と呼ばないことにした。
KC-46 Flight2.jpg●米空軍はKC-Zについて再検討している。給油オペレーターを廃止して自動化する議論も再検討対象である。ただしKC-46とは異なり、KC-YとKC-Zは自己防御能力を保有し、通信中継ノードとしての役割を担う方向で追求する

●(まだ重大不具合を抱えつつ、要求対象機の7割への給油が可能になっている)KC-46はあまり目立たないが約1か月間欧州に派遣されており、4月22日頃まで現地の作戦を支援して経験を積んでいる
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この空中給油機整備構想の「どんでん返し」「ちゃぶ台返し」は大きな波紋を呼ぶのではないでしょうか? LMXTをエアバス社と組んでやる気満々準備してきたロッキードは、法的な手段に出る可能性も否定できません

KC-46 RVS2.jpgそれに、未だ第1級不具合を抱え、その改修の道筋さえも固まらず戦闘空域で使用できないKC-46を、つい最近まで酷評してきたはずなのに、突然「can likely do the job」とか「is doing fairly well」と表現し、「欧州で経験を積んでいる」とフォローする米空軍首脳陣の「豹変ふり」にただただ驚くばかりです

大きな改革を進めるためには、細事にこだわってられないとの決断の末の発言でしょうから受け止めるとして、真の変更理由は「ドロ沼の機種選定回避」と「予算確保難」だと再度まんぐーすの邪推をご披露しておきます

KC-X,Y,Zの従来の考え方
「つなぎ給油機KC-YにロッキードがLMXTで名乗り」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-20
「つなぎ空中給油機KC-Yに着手へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-05
「2016年当時の空中給油機後継プラン」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-09-22

KC-46関連の記事
「恒久対策は今も未定」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-11
「50機目受領も恒久対策未定」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-11
「KC-YもXと同じ対決へ」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-20
「KC-46空中給油機に更に2件の最高度不具合発覚」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-18
「F-22とF-35のデータ中継装置を搭載へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
「KC-46空中給油機を一部の任務に投入開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-25
「恒久対策は2023-24年から」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-30
「今度は燃料漏れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-31-1
「やっぱりだめで更に1年遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「重大不具合について3月に手打ち!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-21
「空軍トップが新CEOに改善要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

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米空軍2023年度の弾薬調達予算案を考察 [米空軍]

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米空軍の弾薬要求を3カテゴリーから概観

JASSM-ER10.jpg4月1日付米空軍協会web記事が、米空軍の2023年度予算案から、「射程の長い精密誘導兵器」「射程の短い精密誘導兵器」「空中戦用のミサイル」の3カテゴリーの弾薬要求数と、2年前からの推移を紹介していますのでご紹介します

中東での対テロ戦争支援縮小と、対中国を念頭に置いた本格紛争への備え強化の流れから、「射程の短い精密誘導兵器」の調達減少と「射程の長い精密誘導兵器」調達の大幅増が予期されるところですが、担当する軍需産業の能力限界と予算的制約もあり、調達増は緩やかな変化の範囲にとどまっています

JASSM-ER5.jpgちなみに先日、元太平洋軍作戦部長らによる提言「米軍が台湾対処準備で直ちに行うべき9項目」をご紹介し、「いの一番」に空対艦ミサイルLRASMの増産と海空軍による調達増(「米海軍と空軍は、それぞれLRASMを毎年50-75発調達せよ」)が上がっていましたが、米空軍は「28発」要求にとどまっています

「射程の長い精密誘導兵器」

●JASSM-ER(空対地ミサイル:投資額が弾薬で最大の750億円)
射程は900㎞以上で、第一列島線から中国本土攻撃可能
21年度400発→22年525発→23年550発
Mark Gunzingerミッチェル研究所航空宇宙研究部長→「JASSM-ER調達増は喜ばしいが、製造企業の能力限界を如実に示し、戦時増産能力の不足を露呈した形だ」

●LRASM(JASSMの空対艦ミサイル版)
21年度?発→22年0発→23年28発 

●JDAM
JDAM-New.jpg2022年に前年から大幅減となったのは、シリアやイラクでの作戦終了によるもの
21年度16800発→22年1919発→23年4200発
Gunzinger研究部長→「小型のロケット推進装置等を装着し、長距離爆撃機から発射すれば、アジア太平洋紛争シナリオで要対処の目標数千個に対する最も安価な攻撃手段

●通常弾頭での地上精密攻撃兵器(JAASM-ER、LRASM、JDAM)調達予算額は、LRASMとJDAMの調達量回復により
22年1300億円→23年1700億円

「射程の短い精密誘導兵器」

●SDB(Small Diameter Bomb)Ⅰ
副次的被害を抑える小型爆弾は、対テロ戦縮小で調達減
21年度2462発→22年988発→23年356発

●StormBreaker(旧姓SDBⅡ)
SDBの中でも新しいSDBⅡも減少傾向に
21年度?発→22年985発→23年761発

●AGM-114 Hellfireミサイル(多くはMQ-9に搭載)は調達数非公開
2023年度予算案で、100機が他省庁に移管される計画が明らかに

「空中戦用のミサイル」

●AIM-120D(AMRAAM)
次期空対空ミサイルJATM開発で、「120」は2026年で製造終了
21年度268発→22年168発→23年271発

●AIM-9X Sidewinder
空中戦の様相がより遠距離攻撃志向となり減少傾向
21年度331発→22年243発→23年255発
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GBU-53B StormBreaker.jpgもう少し記事に背景説明が含まれていればよかったのですが、舌足らずの中途半端な紹介になってしまいました。

ただ、米軍と言えども弾薬の緊急増産調達は容易ではないのが現実だということです

米軍が早急になすべき9項目を元太平洋軍作戦部長が語る
「米軍に必要な台湾事態対処準備」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-09

超極秘開発中のAMRAAM後継ミサイル:2022年中にIOC予定
「JATM AIM-260について」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-04-03

JASSM-ER関連記事
「高市議員のCHAMPはJASSM搭載」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-11
「JASSMまだまだ射程延伸」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-15
「更なる射程延伸開発契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-09
「ポーランドに70発輸出承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30
「B-52をJASSM搭載に改良」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「JASSM-ERを本格生産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17-1

LRASM関連の記事
「LRASM開発状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17-1
「米軍は対艦ミサイル開発に力点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-18
「ASB検討室の重視10項」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-04
「LRASMの試験開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-23
「新対艦ミサイルLRASM」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

JDAM関連
「艦艇攻撃用に改良中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-13
「F-15Eを完成弾JDAM運搬用に改良試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-04

空自F-35に長射程ミサイル搭載計画
「JASSMに加えJSMも契約」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-17

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米空軍は今後5年間で1000機削減を計画 [米空軍]

上院議員が未公開情報を持ち出し問いただす
国防長官も統合参謀本部も否定せず将来のためと原則論

Fischer.jpg4月7日、上院軍事委員会で共和党Deb Fischer議員が、未公開の2023年度予算案関連情報を持ち出し、国防長官と統合参謀本部議長に対し、今後5年間で空軍機を1000機削減する計画があるが本当に大丈夫なのかと問いただすとともに、国家安全保障戦略NSSやNDS、核体制見直しNPR、ミサイル防衛見直しMDRなど重要政策文書や、予算関連構想や資料提示が遅いことを厳しく問いただしていま

2023年度予算案公表時に米空軍幹部は、約150機の航空機を早期退役させ、MQ-9無人機100機を他省庁に譲渡し、新規に82機購入して約160機の総機数削減になると全体計画の一部を説明していた模様で、実際には369機を退役させ、87機を新規購入する282機削減案であることが同上院議員から明らかにされました

Fischer2.jpgまた同上院議員は、今後5年間の計画では、1468機を早期退役させ、467機を新規導入し、全体で1001機の削減となる計画を米空軍が持っていると指摘し、kendall空軍長官が予算案公表前後に語っていた「2024年度予算案では、より一層厳しい選択を行う」と表現していた厳しさの一端を暴露しました

通常は次年度予算案提出時に「J-books」と呼ばれる細部説明資料が同時に国防省から提供されるのですが、今年はひと月遅れになる模様で、このあたりも米議会で非常に不評な模様です

更に、バイデン政権の安全保障戦略を示す「国家安全保障戦略NSSやNDS」、「核体制見直しNPR」、「ミサイル防衛見直しMDR」など重要政策文書が、やっと先週議員に、しかも扱いにくい「秘密文書」として提供されたばかりで、安全保障関連予算の議会審議を困難にしているとFischer議員は厳しく指摘しています

Fischer3.jpgこの上院軍事委員会に出席していたオースチン国防長官とMilley統合参謀本部議長は、米空軍の大規模航空機削減計画を否定せず、米空軍も委員会後のメディアからの矢のような問い合わせにも「J-books」で説明するとの姿勢を貫いており、米国防省と米軍による、維持費のかかる旧装備を早期に退役させ、将来戦に必要な新装備導入に資源配分する姿勢は強固なようです

以下では、同委員会におけるFischer上院議員の厳しい質問に対する、国防長官と統合参謀本部議長の対応をご紹介しておきます。特に目新しい発言ではありませんが

7日付米空軍協会web記事によれば
Milley Senate.jpg●(作戦運用上の戦力ニーズは、国防省や米軍が計画している戦力削減に応じて低下すると予想しているのか?) 国防長官→米国防省は将来戦において決定的な勝利を収めるための投資を継続しており、将来戦で生き残れない戦力は早期退役させるべきと考えている。退役予定の装備は維持経費が高騰しているもので、その維持費を将来装備に振り向けたい。これが我々の戦略だ

●統合参謀本部議長→早期退役を考えている装備の大部分は米海軍と空軍の装備である。長期的なコスト分析結果では、早期退役がより効率的である。我々は2030年以降の将来環境に対応する戦力投資を行いたい

Milley Senate2.jpg●(バイデン政権のNSSなど政策文書策定が遅いとの指摘に関連し)国防長官→予算案や「J-books」に示される資源配分計画は、全て政府の戦略文書やレビュー文書と整合が執れており、米国民の民意に沿うものである
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ウクライナ東部や南部での緊張が高まっていますが、これまでの国防省や米軍幹部の発言等からすると、米国防省や米軍の将来投資計画は「対中国」中心で全くブレておらず、あくまで「ウクライナ事案関連のインフレ対策」をどうするか、「対中国」のどの部分を後回しにするかの検討しかないように感じています

Milley Senate3.jpg世界の安全保障認識や一般国民の軍事脅威への認識は変化しそうですが、少なくとも米国防省と米軍関係者の目は「対中国」で変化ないと思います。もちろん、F-35調達機数の削減も、維持費の将来見通し確定のタイミングで行う路線で変更ないと思います

米国防予算案の関連記事
「ウクライナ侵略も米空軍幹部は対中国優先」→https://holylandtokyo.com/2022/03/17/2929/
「2023年度国防省予算案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-29-1
「E-3・AWACSが2023年から退役へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-30
「民間監視団体がF-35酷評」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-17

「F-35調達機数は減少へ」→https://holylandtokyo.com/2022/03/25/2933/
「空軍の戦闘機構想」→https://holylandtokyo.com/2021/05/21/1709/

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B-52が中東空域を9か国戦闘機と編隊飛行 [米空軍]

2月14日に続き2回目の飛行、対イランの団結示す
参加公表はサウジ、カタール、オマーン戦闘機
他に英国、イスラエル戦闘機も
非公表編隊参加国はUAE、クウェート、バーレーン、ヨルダン?

B-52 Oman.jpg3月29日、英国に展開中の米空軍B-52爆撃機1機が中東地域に飛来し、アラビア半島を周回するように「プレゼンス飛行」を行い、「9か国の戦闘機」と編隊飛行を披露して各国軍のSNSなどが写真を披露しています。

「9か国の戦闘機」とB-52が同時に大編隊を組んだのではなく、場所と時間を分けて編隊を組んだようですが、米空軍F-22とオマーン空軍Tyhoon戦闘機とB-52は「3ショット写真」を公開しています

B-52 Israel F-15.jpgこのようなB-52と湾岸中東諸国やイスラエル戦闘機との編隊による中東地域周回飛行は、今年2月14日に続いて2回目ですが、トランプ政権の仲介で2020年9月に成立した「アブラハム合意」(イスラエルとUAE&バーレーンの国交樹立合意)の流れを受け、湾岸産油国などのアラブ諸国が西側と協力し、イランやイランが支援するイスラム過激派と対峙する姿勢をアピールするものと理解されています

ただ3月29日の編隊飛行実施は4月2日付で米中央軍が正式に発表し、それ以前にもイスラエル軍が3月29日に、サウジ軍が3月31日にそれぞれSNSで公表していますが、イスラエルとサウジと英国とオマーン以外の「9か国」がどの国なのかは公表されていない模様です。

B-52 RAF ME.jpg「アブラハム合意」の流れやイスラム過激派警戒感でアラブ諸国が米国と連携を深める流れは底流にあるものの、未だ各国国民にB-52との編隊飛行を知らせるほど大胆になれない国もあるのだろうと考えつつ、他にB-52と編隊飛行を行った可能性があるのは、UAE、クウェート、バーレーン、ヨルダンあたりではないかとまんぐーすは邪推しています

4月4日付米空軍協会web記事によれば
●B-52爆撃機は、定期的な「bomber task force mission」で米本土Minot空軍基地からFairford英空軍基地に展開している機体で、英国の基地を離陸後、地中海東部からアラビア半島、紅海を飛行して帰投した
●B-52と編隊飛行した米空軍F-22は、イエメン反政府組織Houthi から無人機やミサイル攻撃を受けたUAEに2月から展開している機体である。また米軍からは、KC-10空中給油機もサウジ上空でB-52に給油して参加している

Guillot2.jpg●Gregory Guillot中央軍米空軍司令官はB-52と編隊飛行したのは9か国の航空機だと声明で明らかにしているが、公式にSNS等で公表されている写真から判明しているのは、英空軍のタイフーン、イスラエル空軍のF-15、サウジ空軍のF-15、カタール空軍のF-15、オマーン空軍のF-16とタイフーンであ
●同司令官は声明で、「爆撃機による飛行とともに、米中央軍と協力国空軍が地域の空軍力を示すことができた」、「過去に例のない9か国もの航空機がB-52と飛行し、地域の安定と防衛に対する米軍のコミットメントと、連携した戦力を迅速に地域に投入して運用可能なことを明確に示した」と飛行の意義を述べている
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B-52 Saudi.jpgバイデン政権になって、「アブラハム合意」のモメンタムがどこまで維持されているのか判然としませんが、このような訓練が継続されているのは心強い限りです

ロシアとウクライナ事案の中で、中東がざわつかないよう中央軍による苦心の作戦でしょうが、対中国では何か計画されているのでしょうか?

日米オスプレイの連携訓練が富士の裾野で行われたり、RIMPACの調整会議が大規模に行われたとの話は耳にしましたが、南シナ海からも東シナ海からも動きが聞こえてきません。静かすぎます。

中東関連の記事
「中東域で60か国が無人艇活用演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-03
「THAADがUAEで世界初の実戦」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-22
「イスラエルで史上最大の空軍演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-04
「国防省武器輸出担当が怒りの辞任」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-15
「米中央軍で対イランの動き2つ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-09
「イスラエルが欧州軍から中央軍管轄に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-16
「イスラエルがUAEへのF-35に事実上合意」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-26

アブラハム合意の関連記事
「イスラエルが欧州軍から中央軍管轄に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-16
「政権交代前にUAEへのF-35契約署名へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-11
「イスラエルがUAEへのF-35に事実上合意」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-26

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超極秘開発の新型空対空ミサイルAIM-260 JATM [米空軍]

2026年生産停止のAMRAAM AIM-120後継
中国のPL-15に対抗して米軍&ロッキードが極秘開発中
2022年度中にIOC初度運用態勢確立めざす
F-22とFA-18、更にF-35にも搭載へ

F-22Hawaii.jpg2023年度国防省予算案で、186機保有のF-22戦闘機の中の初期型(Block20)を33機早期退役させる計画が明らかになり、更に残った153機に関しても、60機程度を高度な戦術教育訓練専用にして実戦部隊から外す構想が示されるなど、かつて航空自衛隊トップが「喉から手が出るほど欲しい」と表現したF-22が寂しい局面を迎えつつあります

ただ、教育専用以外の約90機のF-22には、2023年度予算案で約400億円の近代化改修予算が盛り込まれ、センサー能力向上やヘルメットHMDによる目標照準能力システム搭載等が計画されるほか、更に米軍とロッキードが「超極秘プロジェクト」として進めるAMRAAM・AIM-120後継の空対空ミサイル「JATM・AIM-260」搭載も計画されているようです

本日はこの機会をとらえ、2019年夏に初めて明らかになり、2022年度中にはIOC(初期運用態勢確立)が予定されている「JATM・AIM-260」について、断片情報をご紹介いたします

3月31日付米空軍協会web記事等によれば
AIM-260 JATM.jpg●JATM(Joint Advanced Tactical Missile)・AIM-260の開発計画は、2019年夏、米空軍プロジェクト担当幹部Genatempo空軍准将(当時)によって明らかになった
●同准将は当時、2021年度に発射試験を開始し、2022年度IOCを目指す計画を明らかにし、AIM-120より射程距離を延伸し、中国軍のステルス戦闘攻撃機J-20等に搭載されるPL-15空対空ミサイルとの空中戦でも対抗可能な能力獲得を目指すと語っている

AIM-260 JATM4.jpg●また同准将は、F-22の他、米海軍FA-18戦闘攻撃機や、将来的にはF-35への搭載を予定していると述べ、2026年にはAIM-120の生産を中止して本格的にAIM-260に移行する構想も明らかにしていた
●2019年に米空軍は、「超極秘プロジェクト」ミサイルの保管場所として、ユタ州のHill空軍基地に厳重なセキュリティーを確保できる「Special Access Program Facility」を設置すると明らかにしている

●現有AIM-120の射程は初期型(A/B型70㎞)、C型100㎞、D型150㎞などと言われているが、AIM-260は200㎞越えで、飛翔速度も「120」のマッハ4からマッハ5に向上すると噂されている
AIM-260 JATM5.jpg●情報管理が徹底されていることから細部が不明で、無人標的機のQF-16を使用した様々な試験が、フロリダ州Tyndall空軍基地を中心に実施されているとの関連情報が報じられたこともあったが、写真が一枚も出回らないなど謎が謎を呼ぶ開発案件である

●一説には、現有AIM-120と全く同じ大きさ形状でAIM-260が開発されており、マニアや報道陣の追跡を困難にしているとの話もあり、「2022年度中」のIOC発表が注目されている
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ちなみに中国軍のPL-15は
PL-15 China.jpg●PL-15はAMRAAMと同じアクティブホーミングで、射程150㎞&速度マック4と言われ、中国空軍J-20やJ-10B、海軍J-16、東シナ海によく登場するJ-11B(Su-27のコピー)に搭載可能で脅威認識が高まっている
●ネット上では「PL-15は、米国のAMRAAMと比較しても遜色ない性能、一部ではAMRAAMの性能を上回り、射程だけで言えば欧州のミーティアに匹敵」とされ、「遠距離から空中給油機や早期警戒機など優先度が高い標的への攻撃に使用される」と解説

戦闘機同士の空対空戦闘での撃墜事例は、ベトナム戦争以降ではほとんどないと思います。時々忘れた頃に、中東のシリアやイラクやペルシャ湾辺りで、ぼんやり飛行しているMigやSUを、F-15やF-16が余裕で撃墜した事例が報道されますが、本格的な空中戦など朝鮮戦争までくらいだと思います

AIM-260 JATM2.jpgまぁ・・・対中国の本格紛争ぼっ発時には空中戦の可能性があると言われればそうですし、可能性が低くても「抑止力」として必要だとのご意見もありましょうが、これに悪乗りして大騒ぎし、他の重要な案件を後回しし始める航空自衛隊の「戦闘機命派」(現役戦闘機パイロットや、折れた「つばさ会」・軍事痴呆症「JAAGA」あたりに生息)には、非戦闘機操縦者が思いっきり冷ややかな視線を浴びるのでしょう。既にもうそうなっているかも・・・

2016年頃の米空軍幹部は、「AMRAAM後継には、AMRAAMより小型で戦闘機がより多く搭載でき、より機敏性や機動性や対電子戦能力を求める」と発言していましたが、「長い射程」重視に変わったんですかねぇ・・

2019年の開発公表時の記事
「2017年からJATM・AIM-260開発に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-21

2016年に米空軍幹部は異なる要求性能を
「AMRAAM後継に望む事」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1

ロバート・ゲーツ語録100選より
https://holylandtokyo.com/2022/03/26/2046/
ロバート・ゲーツ語録11
→米空軍は、空対空戦闘と戦略爆撃に捕らわれすぎており、他の重要な任務や能力を無視しがちである。ある意味で空軍は、その成功の犠牲者とも言える→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07

ロバート・ゲーツ語録62
→ベトナム戦争以来、次にどこで軍事力を使用するかの予想において、我が国の指導者は完璧な記録を更新している。つまり完璧に外し続けている→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-07-1

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予算案通過ならE-3・AWACSが2023年から退役へ [米空軍]

31機のうち2023年に15機が退役し、残りも数年で引退
空軍長官:E-3後継機選定は「今後数か月で」

E-3 AWACS.jpg3月29日付Defense-Newsは、28日に発表された2023年度国防予算案で米空軍は約140機の老朽作戦機を退役させる計画であるが、その中には40年以上使用してきた保有31機の早期警戒管制機E-3が15機が含まれていると紹介し、併せてE-3後継機が「今後数か月で決定される」とのKendall空軍長官発言を紹介しています

予算案では、2023年に15機を退役させ「機体の防錆保管場所」に移動させ、残りの機体も「今後数年」で退役させる方向が示されているようです

E-3 AWACS2.jpg現在米空軍が保有するE-3は31機で、その内27機がオクラホマ州Tinker空軍基地で管理されていますが、アラスカのエレメンドルフ基地と沖縄の嘉手納基地に展開配備している残りの4機を何とか運用可能状態にするため、「部品の共食い」など苦しい機体管理を強いられ、2021年7月にTinker基地兵士がメディアに士気が上がらない部隊状況を訴え、ゴタゴタの末に部隊指揮官が解任される事態に至っています

なお今般のウクライナ侵略事案に際しても、派遣元や派遣先は不明ながら、E-3が欧州上空で情報収集飛行を行っていると記事は伝えています。そして、2023年に15機が抜ける穴は小さくないが、必要な任務継続は可能だとの空軍幹部の言葉を伝えています

E-7 2.jpg元々米空軍はE-3の後継機種は導入せず、宇宙を含めた多様なセンサー情報を集約して迅速に指揮統制するABMS(Advanced Battle Management System)導入を急いでいましたが、技術的な成熟や予算面での限界もあり遅々として進まず、ABMS導入までのギャップを埋めるE-3後継機導入が不可避となり、最近になってE-3退役や後継機が急に話題となっているところです

3月25日に記者団と懇談したKendall空軍長官は、「(E-3後継機の)最有力候補はE-7だと思うが、最終決定までには細部にわたる慎重な検討や確認も必要だ。今後数か月で意思決定する」と語っています
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E-7.jpg2023年度予算案にE-3後継機の購入予算が含まれているのか把握していませんが、A-10のような早期退役が困難を極めた機体とは異なり、老朽化が著しく稼働率が低下して維持費高騰のE-3退役は、普通ならそれほど問題にはならないでしょう

でも、ウクライナや欧州で緊張が高まる中、湾岸戦争でクウェートから退却するイラク軍戦闘車両の動向を把握して大活躍だったE-8・JSTARSの早期退役も含め、十分な代替能力が確保できるまで、米議会の反対があるかもしれませんねぇ・・・

あと、E-3の兄弟のような航空自衛隊のみ保有のE-767の維持は大丈夫なんでしょうか? こっちの方が気になります・・・ 

E-3は平均年齢43歳
「急にE-3後継機が大きな話題に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-28
「米空軍航空機は依然高齢です」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-27
「空軍長官が7つの優先事項を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-12
「PACAF司令官:E-7ほしい発言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-27

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