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RQ-4 Block 40でも今後8年程度の賞味期限 [米空軍]

日本はこれから旧式を4機も導入させられるのに
米空軍計画部長が米議会でISR機削減を語る

Nahom.JPG21日、米空軍司令部計画部長のDavid Nahom空軍中将が上院軍事小委員会で2022年度予算案について証言し、対中国など本格紛争への備えを加速する中で、厳しい脅威下での運用を想定していない旧式IRS機E-8 JSTARSやRQ-4の削減を進めたいと議会の理解を求めました

米空軍はかねてから、強固に防御された中国大陸正面などで生存が難しいE-8 JSTARSやRQ-4の削減を求め、資源の将来装備への再配分を希望してきましたが、税収減や雇用減といった極めてローカルな利害を背景に、これら機体所属基地のある州選出議員が「難癖」をつけて阻止や遅延を図ってきまし

RQ-4B Japan.jpg一方で300機程度保有するMQ-9については、対中国想定作戦おける「脅威度の低い」エリアで、海洋監視や通信中継等と言った役割を担う可能性が試験演習で試行され米海軍や海兵隊には評判が良く、特に海兵隊は自らMQ-9操縦者や整備要員を養成したり、運用支援部隊を倍増させるなど、対テロ作戦に活躍したベテランISR機の活用に動いています

2022年度予算案で米空軍は、16機保有のE-8 JSTARSを4機、33機保有のRQ-4から20機の旧式Block 30を退役させる提案をしていますが、MQ-9については約300機の機体と運用要員数を現状維持としながら、活動量削減を計画しているようです

21日付Defense-News記事によれば
Nahom2.jpgNahom計画部長は、「中東での作戦縮小を受け、前線でのISR所要が減少しているのは自然なことである。米空軍はMQ-9を従来とは異なった用法で、異なった役割で使用する機会を検討している。本格紛争の中でも、脅威度の低い場面での活動があり得るだろう」と語った。なお米空軍報道官はMQ-9について、2022年度予算案で、現在の作戦正面約60を、56まで削減すると説明している
背景について同部長は、「MQ-9やRQ-4 Block 30は今現在の戦いには関与できるが、中国のような大国との本格紛争に適した設計にはなっていない」、「将来戦に向けてISR機には3条件が求められ、脅威下で生存できること、脅威下で活動継続可能なこと、そしてネットワークに接続されていることの3つである」と説明した

MQ-9B2.jpg20機を削減した後に残る「Block 40」RQ-4について同部長は、「今後6年から8年間は非常に重要なアセットとなる。老朽化が進むE-8C JSTARSの信頼性が低下する中、そのギャップを埋める役割が「Block 40」RQ-4には期待されている」と表現した
MQ-9とRQ-4が配備されているGrand Forks空軍基地が選挙区にある議員が、RQ-4とMQ-9の後継機構想について委員会で質問したが、同部長は「MQ-9は2030年代半ばまで大丈夫」、「RQ-4の次(後継機)に向けて取り組んでいるが、直ぐには実現困難」「family of systems」全体での対応を構想していると述べるにとどまり、細部には言及しなかった
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同じく削減が進まないA-10攻撃機や旧式空中給油機でも同様の議論がありますが、ベテランアセットの将来戦における課題を指摘すると同時に、資源配分を増やしたい将来装備の有効性や必要性説明を米空軍は求められており、米議会からするとその点で「不満足」なわけです

RQ-4 Misawa2.jpgその筆頭がF-35で、このゴタゴタと高止まりする維持整備費が全ての足を引っ張っていると言っても過言ではありません。もちろん指揮統制改革を目指すABMSや、公開されていない「極秘開発プロジェクト」にも米議会は説明を求めていますが・・・

日本は買わされたRQ-4をどうするのでしょうか? 10年も建てば米空軍のRQ-4が退役するとなれば、日本は運用開始直後に部品枯渇に直面し、米側の言い値で高い部品を一括購入させられることになるのでしょうか?

MQ-9関連の記事
「2回目の対中国応用演習」→https://holylandtokyo.com/2021/05/01/211/
「豪州へ12機輸出承認」→https://holylandtokyo.com/2021/04/29/119/
「本格紛争用に約1/4を改修&延命へ」→https://holylandtokyo.com/2021/04/28/118/
「JDAM完成弾運搬役も」→https://holylandtokyo.com/2021/03/09/156/
「無人機MQ-9の対中国海上作戦への応用演習」→https://holylandtokyo.com/2020/10/02/424/

日本が買わされる黄昏のRQ-4
「日本用RQ-4が米国で試験初飛行」→https://holylandtokyo.com/2021/04/21/112/
「自衛隊が希望していないRQ-4を買わされる件」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-05-22

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米空軍はABMS事業を理解容易な2事業から開始 [米空軍]

KC-46搭載の5世代機通信中継ポッドと
米本土防衛用の意思決定支援システム構築を優先

ABMS6.JPG6月25日付米空軍協会web記事は、米空軍が将来統合作戦のカギを握る重要事業と位置づけ、各種検証演習を行ってきたABMS(Advanced Battle Management System)関連の予算について、全体像が分かりにくいと米議会に2021年度要求を5割カットされた教訓を踏まえ、2022年度要求は2021年度より少額で用途が明確な2つの事業に絞り込んだ要求になっていると、関係者の証言を含め紹介しています

具体的金額でみると、2021年度予算要求は約330億円でしたが、米議会から不明確で信頼できないと約160億円に減額され、この教訓を基に2022年度では、2つの関連事業に絞り込んで約220億円を要求する予算案を米空軍が提出しているところです

ABMS3.jpg2つの関連事業は、一つが互いにデータを迅速に共有できない第5世代機F-22とF-35間のデータ共有を可能にする通信中継ポッドを、4~10個開発調達してKC-46空中給油機に搭載する事業で、もう一つが米本土(北米)を巡航ミサイルや弾道ミサイルから防御するために必要な指揮統制AI支援システムの開発事業です

1つ目のKC-46搭載の通信中継ポッドは先日記事としてご紹介しましたが、2つ目の米本土防衛し指揮統制システムはクラウドシステムを活用し、光ファイバー網や人工知能AIや最新IT技術等を組み合わせ、対処余裕時間がない北米コマンドとNORADによる本土防衛指揮統制を支援しようとするものです

「KC-46にF-22とF-35のデータ中継装置を搭載へ」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22

2つの事業とも、細部の仕様や要求性能は検証や実験を通じて2021年度中に固める予定だそうですが、特に2つ目の指揮統制システムは、これまでの検証演習の状況から、次にバージョンアップしてアジア太平洋地域への展開も予期されるものですので期待したいと思います。もちろんKC-46ポッドもですが・・・

6月25日付米空軍協会web記事によれば
Allvin4.JPGDavid Allvin米空軍副参謀総長は、「指揮統制を支援するABMSは、伝統的な装備品開発&調達とは異なったものだと認識することが重要だ。だから我々は、何をやろとして、何を行っているのかに関し、高い透明性を確保しつつ進める必要がる」と姿勢を述べ
「我々は、米議会が本事業を不明確だと見ていることを理解している。またそれは、予算をお願いするに足る十分な計画や構想を示せなかったためだと認識している。我々は今、我々が実現したいと考えていることを、より明確に取りまとめて説明し、議会等の理解を頂く必要があると認識している」と語った

Allvin6.JPGまた副参謀総長は「この開発調達は最終的に戦闘機を手にするタイプのものではない。我々が行っている設計や要求性能を煮詰める検証演習や、現在の関連インフラとの適合確認を進めつつ、学びながら進めるべきものだ」と述べ、本件に関し米空軍迅速能力計画室RCOは、7月に北米コマンドが実施する検証演習「Global Information Dominance Experiment」などの結果を踏まえ、今年末までには2つの事業の見積もりを固める方向だと説明している
更にAllvin対象は、「地域コマンド司令官は、迫りつつある新たな脅威がどのようなものかを見極め、その対処をどのように迅速に行うかの課題に直面しており、今後検討が進めば、より予算要求事項が拡大する可能性があるが、可能な限りうまく構想や計画を描いて説明し、米議会の皆さんに自信をもって予算配分いただけるよう努めたい」と語った
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ABMS.jpg先日は、Hicks国防副長官が各地域コマンドの指揮統制改革(JADC2)推進のため、特別チームを各コマンドに派遣する「イニシアティブ:AIDA initiative:Artificial Intelligence and Data Acceleration」開始を発表したとご紹介しましたが、米空軍が国防省全体のJADC2とうまく連携を図って米議会の理解を得るよう期待しておきます

それにしても、空軍の「ABMS」、国防省の「JADC2やAIDAイニシアチブ」、陸軍の「Project Convergence」、海軍「Project Overmatch」の関係や、まとめた全体構想を語ってくれる人がいませんねぇ・・・。上院や下院の軍事委員長辺りに「どうなってんねん!」と不満を示してもらうほかないのでしょうか!?

全ドメイン指揮統制連接実験演習:ABMS関連
「国防副長官がAIDA開始発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-23
「具現化第1弾でKC-46に中継ポッド」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
「3回目はアジア太平洋設定で」→https://holylandtokyo.com/2020/10/05/425/
「2回目のJADC2又はABMS試験演習」→https://holylandtokyo.com/2020/09/09/476/
「初の統合「連接」実験演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「今後の統合連接C2演習は」→https://holylandtokyo.com/2020/05/14/671/
「連接演習2回目と3回目は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-02
「国防長官も連接性を重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-09
「将来連接性を重視しアセット予算削減」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28

米海軍と海兵隊は我が道なのか
「米海軍の戦術ネットワークProject Overmatch」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-15
「米空軍の課題:他軍種はABMSに懐疑的」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-12
「陸軍と海兵隊F-35が情報共有演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-13
「統合にデータフォーマットの壁」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-12

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米空軍が電子戦専門航空団創設 [米空軍]

Twitterでは、毎週日曜日に興味深い過去記事をピックアップしてご紹介中  まったり、のんびり、ぼんやり、ご覧ください
https://twitter.com/Mongoose2011 
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正確には「電磁スペクトラム戦」です
サイバーとISRを司る第16空軍隷下に創設
既存の電子戦部隊を集め第350電磁スペクトラム戦航空団として

350th SWW2.JPG6月25日、米空軍は戦闘コマンドACC隷下の第16空軍内に、新たな電子戦専門の第350航空団(電磁スペクトラム戦航空団:Spectrum Warfare Wing)を立ち上げ、電子戦以外の部隊も所属していた第53航空団から独立する形となりました

記事タイトルに使用した「電子戦」との表現は正しくなく、より広い「電磁スペクトラム戦」と呼ぶことに米国防省は変更したのですが、この用語の変更は、2020年10月29日に完成したことが発表された「国防省電磁スペクトラム戦略」で、従来の伝統的な電子戦分野である電子妨害や心理戦活動、商用・公用・軍用の電磁波運用管理だけでなく、米軍が電磁波の世界で容易に隠れる(Hide)ことが出来たり、商用周波数帯を作戦用により容易に使用出来たりする方向を目指すことになったことから変更されたと承知しています

350th SWW.JPGまた全体が非公開の同戦略では、「電磁スペクトラム運用を司るcombatant commandを創設する方向で検討する」ともされており、これらを含め同戦略の具体的ロードマップが今年3月末にはHyten統合参謀本部副議長の下でまとめられたはずですが、こちらも非公開となっています

国防省レベルの「電磁スペクトラム戦」検討の動きを受け、各軍種も動き始め、米空軍は非公開ながら今年春に「電磁スペクトラム戦戦略」をまとめたと報道され、米陸軍も前線の電子戦部隊を2027年までに再編成完了する計画を今年1月に打ち出しているところです

これら米国防省を上げての動きの背景と米空軍の同戦略作成に関し、Brown米空軍参謀総長が今年1月27日に端的に語っていますので振り返ってみると・・・
Brown4.jpg湾岸戦争以降の30年間、我々は電子戦に背を向け、居眠り運転状態を続けてきた
航空優勢は一部の地域で確保可能だろうが、電磁スペクトラム戦での優越はもはや可能ではない。多くの通過点があるゴールがない終わりなき戦い

単にステルスや自己防御ジャミングと言った防御的なものではない。過去25年使用した装備では将来は戦えない。米空軍は電子戦分野で機動し攻撃する攻撃的な態勢を目指す。従来の防御的な電子戦から攻撃的な姿勢への大転換を図る
2030年に到達すべき姿をわかりやすく提示し、空軍全体での取り組みを促進する。その想定は中国を相手にしたものになる

各種報道等によれば第350電磁スペクトラム戦航空団は
Young EMS.jpg6月25日時点ではフロリダ州エグリン空軍基地で編成されているが、新たな部隊建設場所の環境影響調査を現在実施中で、同調査終了後、各種調整を経て新根拠基地が発表される
編成時点で軍人と文民併せ約1200名で構成されているが、計画では、米本土3か所に分散して所在する8個部隊も配下に入れ、2131名となる予定

同航空団の任務は、全部で69個存在する米国や同盟&友好国の電子スペクトラムシステムに電子戦能力を提供し、そのための電磁スペクトラム専用のモデリング、プログラム作成、シミュレーション、アセスメントも担う
ミッションステートメントは「Deliver adaptive and cutting-edge electromagnetic spectrum capabilities that provide the warfighter a tactical and strategic competitive advantage and freedom to attack, maneuver, and defend.」

中核部隊の第53航空団所属だった「53rd Electronic Warfare Group」は、編成改編で既に第350航空団配下に移動している。(この部隊が主力のようで、部隊編成組織は示されているものの、具体的な保有装備等については公開情報が見当たりませんでした)

350th SWW4.jpg新航空団司令官となったWilliam Young大佐はプレスリリースで、「電磁スペクトラム戦で敗れるようなことがあれば、我々は全ドメインでの戦いで敗北することになる。そのようなことにならないために我が部隊は新編された。我が部隊の立ち上げは、米空軍の本分野へのコミットメントを示すものであり、統合戦力が望む場所とタイミングで自由に攻撃・機動・防御できるようなるため、関連部隊の一体化と近代化に取り組んでいく」と述べている
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この関連ニュースが、米軍の本分野での危機感を示すエピソードとして、2014年にウクライナ軍支援に米軍関係者が現地に赴いた際、既にロシアの支援を受けた反ウクライナ勢力が無人機の操縦妨害や誤誘導能力を駆使して前線をコントロールし、国境から20マイル圏内のウクライナ軍携帯電話を使用不能にするほどの妨害能力を有していたことに「驚愕」したことなどを紹介しています

350th SWW3.jpgまた中国軍が統合参謀本部に電子戦担当高官ポストを2015年に新設したことなど、米軍が今も検討中のことを、ロシアや中国が先んじて行っている点などを紹介しています

「30年間居眠り運転してきた:asleep at the wheel for the past 30 years」と空軍トップが表現した現実を謙虚に見つめ、サイバーやISR部門を絡めた第16空軍での融合運用も併せ、更なる前進を期待いたします。日本は今も実質「ゼロ」ですから、言うまでもありませんが・・

最近のEW関連記事
「Electronic Protection超重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-03
「2021年春完成の電子戦戦略を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-30
「米陸軍は2027年までに前線電子戦部隊整備」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-04
「電子戦専門の航空団創設へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-03
「さわり国防省電子戦戦略」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-03

原点:ロシアの電子戦に驚愕の米軍
「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

電子戦関連の人気記事
「米空軍電子戦を荒野から」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

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Skyborg構想の頭脳ACSが2機種目で試験飛行 [米空軍]

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米空軍最優先研究(Vanguard計画)中でも最優先の一つ
頭脳ACS(autonomy core system)搭載で2時間半の飛行
Kratos機体UTAP-22に続き、GA社のMQ-20で実証

MQ-20 Skyborg.jpg6月30日付Defense-Newsは、6月24日に米空軍研究所が行った、Skyborg構想の頭脳ACSをGeneral Atomics社 MQ-20 Avenger無人機に搭載する試験飛行が成功したと報じました。

無人機ウイングマン構想であるSkyborg構想で、有人作戦機と編隊を構成する無人機に搭載して自律的な作戦行動を可能にする頭脳部分がACS(autonomy core system)で、今年4月29日にKratos社製の機体UTAP-22で初飛行に成功していました

MQ-20 Skyborg4.jpg米空軍研究所は、Skyborg構想の頭脳部分ACSを成熟させるため、Kratos社、General Atomics社、並びにボーイング社とそれぞれ16~40億円の契約を結んでおり、今回は2社目のGA社の機体がACS試験を始めて行ったということです。ちなみに残るボーイング社がどの無人機にACSを搭載する予定かは明らかになっていません

なおSkyborg構想は、米空軍(米空軍研究所)が最優先研究開発事業として重点投資している「Vanguard計画」6項目の一つで、公開されている「無人機の群れ」や「新型航法衛星」と共に、注目が集まっている開発案件です

6月30日付Defense-News記事によれば
MQ-20 Skyborg2.jpg6月24日のMQ-20 Avenger無人機によるACS搭載試験飛行は、加州Edwards空軍基地周辺で実施された「Orange Flag演習」の中で実施され、2時間30分の飛行に成功した
MQ-20の離陸や一定高度に達するまでの飛行は、地上の操作員による遠隔操作で行われ、その後ACSによる自立操縦に切り替えられた。

MQ-20による初飛行だったため、基本的な飛行動作をACSが遂行可能かの確認が中心でだったが、MQ-20はACSの指示を受け、地形障害物を避け、MQ-20の飛行特性や飛行限界を踏まえた飛行機動を予定のルートを行った

MQ-20 Skyborg3.JPG当初は基本的な確認を行うが、将来的にはより先進の人工知能AIや機械学習能力を、Skyborg構想の頭脳部分ACSに組み込む方向で研究開発が進められる
Skyborg構想で米空軍は、将来的に有人機と複数の自立型無人機を一つの編隊として運用する構想を実現したいと考えている
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米空軍が契約している3社の中で残るボーイングも、7月中にはデモ機を準備して試験飛行を開始する約束だと思うので、どのような機体でどのような飛行を行うかに注目しておきましょう(大丈夫かな?)

XQ-58 Valkyrie.jpg具体的な将来計画については明示されていませんが、2019年末時点で某米空軍高官は、プロトタイプ方式で2023年までにSkyborg構想を実現したいと語っており、一つの目安と思われます。まぁ、とりあえずデモ機を形にするレベルだと思いますが・・・。

米空軍は、交戦で損耗しても苦にならない程度に安価ながら、繰り返し使用可能な無人ウイングマン機を想定していますが、有人機と似たレベルの地上支援組織と設備&機材は必要と考えられ、対中国で西太平洋地域にどのような形で適応させるつもりなのかお話を伺いたいものです

豪州や、最近では航空自衛隊でも同様の構想を打ち出していますが、とりあえず大本営アピール情報が良く披露される米空軍の様子をフォロー&ご紹介していきます

無人機ウイングマン構想
「Skyborg構想の頭脳ACSで初飛行2時間」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-06
「多用途ドローン投下試験成功」→https://holylandtokyo.com/2021/04/09/103/
「Skyborg構想デモ機製造3企業決定」→https://holylandtokyo.com/2020/12/16/344/
「無人ウイングマンのデモ機選定開始」→https://holylandtokyo.com/2020/05/24/679/
「米空軍の無人ウイングマン構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-27
「XQ-58AのRFI発出」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3

Vanguard計画関連の記事
「科学諮問会議がダメ出し」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-20
「優先項目の無人機の群れ苦戦」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-30
「決定米空軍研究所が重視する3分野」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-26
「5か月経過もVanguard対象未定」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-30

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米空軍が航空機維持費増で飛行時間削減へ [米空軍]

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航空機の高齢化で稼働率低下も
海外作戦減少気味も老齢機多数で維持整備費高騰

F-35 Greece4.jpg6月22日、米空軍作成部長や計画部長が上院軍事委員会で証言し、航空機の維持整備費増加などが要因となり、航空機の飛行時間予算を削減せざるを得ない状況にあると訴えました

昨年、交代直前のGoldfein空軍参謀総長は、過去数年の平均月間飛行時間は17.8時間であったが、19-21時間程度の回復しつつあるとも語っていましたが、機体平均年齢28歳と米空軍航空機の老朽化やF-35の維持費高止まり、更には新型機の当初維持整備が契約企業委託で高価なこともあって予算全般を圧迫し、飛行時間予算を削減せざるを得ない状況にあるようです

説明が複雑になりますが、航空機の老朽化により、単純に稼働率が低下して飛行できない航空機が多くなっていることも、飛行時間が伸びない原因の一つと考えられます

F-15EX 3.jpg2022年度予算案に付属する米空軍の資料によると、年度別の飛行時間は2020年以降減少傾向にあり、2020年1.33million時間が、2021年が1.24、2022年はこれが1.15まで減少するようです

この上院軍事委員会証言を紹介する23日付Military.com記事も、飛行時間減少の原因を整理して説明できていませんが、維持整備費の増加で飛行予算を削減せざるを得ず、その背景には航空機の老朽化や導入初期新造機の維持費高騰やF-35(保有機数米空軍で第2位)の高止まりがあるとのことで、中東での作戦減少でも埋め合わせできないということでしょう

突っ込んで空軍幹部の思いを代弁すると、老朽機が多くて維持整備費が膨張しているのは、老朽機(A-10やRQ-4やKC-10など)を早期退役させ、将来投資に振り向けたい米空軍の意向を米議会が聞き入れず、老朽機が所在する選挙区に落ちる税金や雇用を守る狭い了見の議員の責任だと言いたいのでしょう・・・

ただ、米空軍も高価なF-35運用費用に向き合う必要があり、同時にその能力を最大発揮させる訓練は実飛行訓練では難しい現実も踏まえて、費用が安価なシュミレータ訓練時間を増やすなどの検討を本格的に進める必要がありましょう

以下では23日付Military.com記事から、米空軍幹部の発言を細切れながらご紹介しておきます

23日付Military.com記事によれば
Nahom2.jpg米空軍計画部長のDavid Nahom中将は、2022年度予算では、前年より約87500時間飛行時間を削減しているが、これは年間1100億円にまで増え続けている維持整備費の増加を賄うためだと説明した

またこの維持整備費の増加は、平均年齢が28歳と高齢化する米空軍機から来ていると説明した(ちなみに、米陸軍は15.3歳、米海軍は14.4歳、豪空軍は8.9歳、英空軍は16.6歳
また新規導入機は、その運用開始当初に企業からの整備支援を受ける必要があり、維持整備費が高価となっている。ただ、新型機は導入初期を乗り切れば維持費は低下し、稼働率も上昇するので飛行時間を効率的に確保可能となる、とも補足した

米空軍作戦部長のJoseph Guastella中将は、共和党議員からの追加予算で状況は改善するかとの質問に対し、維持整備費や飛行時間費への追加予算は米空軍にとって非常に価値の高いものとなると答え、現在の飛行時間は操縦者の技量維持のための最低レベルにあると説明した。また維持整備費増額は航空機稼働率を上げて飛行時間増にも貢献すると述べた
Guastella.jpgまた作戦部長は、コロナで一般企業(航空会社)がダメージを受け、空軍パイロットの退職者数は減少したが、飛行時間が増加していない状況を、技量面でのリスク増の面と、職務への満足度の点で問題視していると説明した

更に作戦部長は、第5世代戦闘機の高価な飛行時間当たり整備費用の問題に触れ、実飛行時間とシュミレータによるバーチャル訓練バランスを図ることが重要だと表現し、F-35操縦者養成コースでシュミレータ訓練を増やして試行している点を説明した
なお、F-35の時間当たり維持整備費は、現状35000ドル/時間で第4世代機の2倍以上で、これを25000ドル以下に2025年までに引き下げる目標を掲げているが、様々なタイプのF-35が存在して維持整備が複雑になっており、加えて最新型Block4の導入も予定されていることから、削減目標達成は困難と考えられている
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F-35 luke AFB.jpg国防予算が良くて横ばいだと予想される中、確実に必要予算が膨張する構図で各軍種が突き進んでおり、各年度ぎりぎりになって、または予算枠が決まってから慌てて修正するとの「行き当たりばったり状態」が続いています

中国に「手の内を隠す」配慮もあるのでしょうが、陸海空海兵隊宇宙軍を束ねた交通整理が必要です。残念ながら、新政権になっても、その気配は全く感じられません。月並みなコメントですいません

米空軍の戦闘機構成議論
「戦闘機の近未来体制は」→https://holylandtokyo.com/2021/05/21/1709/
「戦闘機は7機種から4機種へ」→https://holylandtokyo.com/2021/05/18/1496/
「戦闘機混合比や5世代マイナス機検討」→https://holylandtokyo.com/2021/02/22/266/

最近のF-35
「ODINの開発中断」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-24
「英国は調達機数半減か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-24
「F-35投資はどぶに金を捨てるようなもの」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13
「F-35稼働率の状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07

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KC-46空中給油機に更に2件の最高度不具合発覚 [米空軍]

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年初に「category 1」不具合2件減少も、再び計6件に
ボーイング開発費は当初5000億円から1兆円越えへ
2018年完全運用開始予定が2023~24年にずれ込み中

KC-46 Flight Manage3.jpg17日付各種軍事メディアは、米空軍によるKC-46A空中給油機に追加で2件の重要度最大を示す「category 1」不具合が見つかったとの発表を報じています。年初に2件の同レベル不具合解消を発表し、「category 1」不具合を4件まで減らしていた米空軍ですが、これで再び6件の重大不具合を抱えることとなりました

2件の新不具合は、余分な水を機外に出す「refueling receptacle drain line」に低温時に亀裂が生じる件と、「Flight Management System」の不具合で航法計算に不具合が生じる件の2件です。いずれの不具合もKC-46の飛行停止や運用制限にはつながらないと米空軍は発表しているようですが、直ぐに解消可能なものでもないようです

KC-46 Flight2.jpgKC-46空中給油機は、当初18機までの開発&製造を約5500億円の固定経費契約でボーイングが担当していますが、ボーイングは頻発する不具合対応に追われ既に1兆円以上を開発&製造&不具合対処に支出しており、5500億円を超える部分は全て「ボーイングの自腹」となっています。「身から出た錆」とは言え、コロナで航空業界大不況の中、経営上非常に厳しい状態に置かれています

当初計画では2017年に初号機が納入され、2018年には部隊運用開始予定でしたが、初号機納入は2018年にずれ込み、その後の不具合や機内への異物放置などで、179機導入計画中の46機が納入済の現時点でも運用開始できていません。しかし現有給油機の老朽化による給油機不足でこれ以上は待てず、不具合がある状態のまま用途限定で今年夏から使用開始することになっています

計画当初やドロ沼機種選定の後は、固定価格契約の優等生だと空軍はアピールしていたのですが、給油捜査員が相手機を確認しながら給油装置を操作するRVS(Remote Vision System)の「category 1」不具合などは、設計やり直しで機体に導入されるのが2023~24年になると言われており、完全戦力化に8年もの遅れが生じる問題装備となっています

17日付Defense-News等によれば
KC-46 RVS2.jpg米空軍報道官は、2件の不具合は5月に新たに「category 1」認定されたが、KC-46に飛行制限等は新たに課せられず、安全上の影響もないとしている
そして「米空軍のKC-46室とボーイング社は影響を局限するための対応手順を周知し、搭乗員や航空機に追加リスクが生じないよう対応している」と述べ、「ボーイングは両方の問題に自腹で対応している」とも説明した

KC-46 Flight Manage2.jpg「aerial refueling receptacle tube」に低温状態で排水が凍って膨張して配管に亀裂が入る件については、過去に3件事象が確認されており、特別な追加点検手順が示されている。しかし恒久的な解決には排水ラインの再設計が必要である

「Flight Management System」の不具合は、3月3日のハワイへ向かう飛行中に航法システム異常として初確認され、当該機のクルーは他の航法機材を頼りにホノルルに問題なく着陸している
担当のGeneral Electric社は、同不具合発生時のシステム再立ち上げなど当面の対処法を指示したが、根本解決には時間のかかるソフト改修が必要となる

KC-46A3.jpg上記2件以外のKC-46「category 1」不具合4件は、RVS(Remote Vision System)の見辛さ関連2件と、給油ブームが固着して給油が困難になる件、更に燃料系統での燃料漏れ問題である
特にRVSやブーム問題は根本的な装置の再設計を必要とするもので、Roth臨時空軍長官は16日の下院軍事委員会で「2023~24年ころまでに解決することを希望している」と説明している
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日本の航空自衛隊も米空軍以外で唯一KC-46を購入することが決まっており、この多発する不具合の影響を受けているはずですが何も聞こえてきません。「ボーイングの自腹持ち出し」部分を一部巧妙に押し付けられているのではないかと心配になりますが、そのようなことがないことを祈っております

KC-46関連の記事
「F-22とF-35のデータ中継装置を搭載へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
「KC-46空中給油機を一部の任務に投入開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-25
「恒久対策は2023-24年から」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-30
「今度は燃料漏れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-31-1
「やっぱりだめで更に1年遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「重大不具合について3月に手打ち!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-21
「空軍トップが新CEOに改善要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
「ついに空中給油の民間委託検討」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-15
「貨物ロックに新たな重大不具合」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-12
「海外売り込みに必死なボーイング」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-22-1
「米空軍2度目の受領拒否」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-1
「機体受領再開も不信感・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「米空軍がKC-46受け入れ中断」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-3
「不具合付きの初号機受領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-2
「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1 

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下院軍事委員長も絶賛のB-21爆撃機開発 [米空軍]

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民主党の重鎮であるAdam Smith下院議員が高評価
要求性能を変更しない姿勢で時間と予算が計画通り

Ray3.jpg3日、米空軍協会ミッチェル研究所主催のwebイベントで、B-21次期爆撃機を運用するGlobal Strike CommandのTimothy Ray司令官が、「modular approach」「漸進的な技術的変更」「根本の要求性能に変更なし」の基本姿勢で進行中のB-21開発は、スケジュール面でも開発コスト面でも極めて順調で、下院軍事委員長からも称賛されていると自信たっぷりに語りました

B-21開発を末尾の過去記事でご紹介していますが・・・
●2020年代半ばに運用開始、強固な防空網を突破可能な性能(ステルス等)、80-100機製造で1機約600億円($550million)以下
無人機もあり得る(正式にはoptionaly manned)、既存成熟技術を活用し開発リスク局限の要求で、2015年から開発開始

B-21 3.jpg2018年12月に「重要設計審査:critical design review」終了、ただし、引き続き細部性能や状況は非公開
2019年7月には米空軍副参謀総長が、初飛行は「863日後だ」(2021年12月3日)とアピールし、2019年秋に格納庫らしき場所で撮影された写真1枚が公開

2020年8月に担当幹部が、コロナの影響はあるが、「全ての困難で重要な設計段階や、難しい製造問題は全て解決済み。現在は機体の製造や、飛行試験に進むことに集中」と説明
コロナの影響に関し同幹部は、例えば機体を担当する「Spirit AeroSystems社」はボーイングのB-737MAX製造中止で会社が危機直面も、旅客機部門の人材をB-21に配置転換して危機に対処等と説明

B-21 B-2.jpg2021年1月に関係幹部が、初飛行「2021年12月」はベストなシナリオで、2022年半ばと想定するのが「穏当な見通し:good bet」。初飛行を目指す初号機はまだ最終組み立て段階にはなく、「爆撃機らしい形になってきた」段階と説明
2018年にコストに関し米議会調査局は、空軍見積もりとして100機で8兆8千億円だとレポート(単純だと1機880億円)

4日付米空軍協会web記事によれば同司令官は
「open mission systems」と「modularity of design」により、要求を安定した状態に保つことができている。統合の要求性能見直し評議会の開催をお願いし、無線機や兵器やセンサーや防御システム要求性能の見直しをお願いする必要もない
これらは全て爆撃機に必要な一部として設定されており、これがために「開発を迅速に計画通り進めることができた」と語り、「要求性能を変更することはなかった」と過去の開発案件との違いを強調した

(6年前に固めた要求性能を維持したままで、急速な技術進歩をとげる敵に対応できるのかとの質問に対し、)B-21は必要な新技術を取り込んでおり、継続して空軍迅速能力開発導入室(Rapid Capabilities Office)やNorthrop Grummanにより管理されている
B-21 bomber.jpgこのような手法は次期ICBMであるGBSDにも採用されているが、この取り組みがAdam Smith下院軍事委員長から「スケジュール通りで予算範囲内で進んでおり、知的な道を歩んでいる」との高評価を頂いた理由であろう

B-21は、よほど大きな必要性が生じない限り、「block upgrades」は実施せず、漸進的なアップグレードを行い、それらは前線部隊で実施されるであろう。補給整備基地に持ち込んで長期間非稼働で大規模改修を行う形式ではない
Roth臨時空軍長官からは「なぜ遅れが生じないのか」と問われたが、「要求性能の変更を拒否しているからだ」と答え、「必要なことに焦点を当て、ゴールすることに注力している」と補足したと振り返り、下院軍事委員長にも同じような説明をして高評価を頂いた
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B-21 Shelter.jpgKC-46A空中給油機も開発途中までは超順調だったのですが、終盤になってトラブル続発で4年以上(?)遅れていますが、そうならないことを祈ります

情報管理も、これまでのところ大したものです。それから・・要求機数は当初100機程度だったのが、146機とか178機とかの数字が空軍幹部から飛び出すようになっています

B-21爆撃機の関連記事
「格納庫写真から大きさを推定する」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06-1
「初飛行は2022年半ばか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-17
「B-21の開発状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1
「2021年12月3日初飛行予告」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-29
「初期設計段階終了」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-30
「米空軍の爆撃機体制計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2 
「2017年3月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20
「B-21に名称決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-27

「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28

米空軍爆撃機の話題
「B-1の稼働機一桁の惨状」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春時点の爆撃機構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2

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米空軍がABMS具現化第1弾でKC-46に中継ポッド [米空軍]

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F-22とF-35のデータ共有を可能にする中継ポッド
約2年かけて練ったABMS構想を具体化するとの意思表明
全体像が見えないと懐疑的な議会説明がカギ

ABMS4.jpg21日、米空軍は約18か月かけて構想を練り、数回の実験演習を行ってきたABMS(Advanced Battle Management System)を具現化する時が来たと声明を発表し、第1弾として相互に通信できないF-22とF-35のデータリンクを繋ぐ中継ポッドをKC-46空中給油機に搭載するプロジェクトを行うと発表しました

このABMSは、多様な空軍アセットがセンサー等から入手した情報を迅速に共有し、前線から指揮官レベルまでがリアルタイムで共有できるシステム構築を目指すもので、これにより意思決定を迅速化して中国軍に対抗しようとするものです

ABMS.jpg迅速な情報共有配分の必要性は米国防省全体で危機感を持って認識されており、米国防省レベルではJADC2(Joint All-Domain Command and Control)とのプロジェクト名、米陸軍は「Project Convergence」、米海軍は「Project Overmatch」と呼んで、それぞれが保有するアセットを連接して迅速な作戦運用実現に着手し、米空軍のABMSはこれらを束ねる柱になろうと突っ走っています

具体的には、国防省やDARPAや陸海軍や多数の企業に声をかけ、ABMSの実験演習が2019年12月(米本土防衛対巡航ミサイルシナリオ)、2020年9月上旬(宇宙軍絡みの拡大シナリオ)と下旬(アジア太平洋シナリオ)に行われ、多様な連接・情報共有&指揮統制要領が試されました

このABMSを大々的に推進していたRoper空軍調達担当次官補が政権交代と共に空軍省を去り、その後は全くこの話が聞こえてきませんでしたが、2022年度予算案公表直前に米空軍が「本格的に取り組むぞ!」との声明を出し、その第1弾として第5世代機を繋ぐデータ中継ポッドを持ち出しました

21日付米空軍報道官発表や報道によれば
ABMS2.jpgBrown空軍参謀総長は声明で、「約2年間に渡る精力的な検討や実験演習を経て、ABMSが疑いないものであることを示すことができた。迅速でより良い意思決定のため、ABMSが陸海空宇宙サイバードメインの大量のデータを収集して共有することができると我々は示すことができた」と明言し
「ABMSは米軍を有利な立場に置くことが明らかであり、これを具現化してその力と能力を活用する時が来た」と訴えた

具体的には具現化の第一歩として、一部のKC-46空中給油機に、現状ではステルス性維持のため相互にデータ共有ができないF-22とF-35データリンクの中継装置を、KC-46空中給油機にポッドとして搭載するプロジェクトを開始する
ABMS3.jpg担当する空軍迅速能力開発室RCOのRandy Walden氏は、「ABMSのCapability Release #1として中継ポッドの設計開発調達を進める」と述べ、併せて「ABMSの基礎を構成するデジタルインフラへの投資を加速し、意思決定速度で優位性を確保するため、賢く・素早く・打たれ強いsystem of systemsをもとめる米軍のニーズに対応していく」と語った

ただ、KC-46に搭載する中継ポッドが、何時、どの程度の性能で、どれくらいの数量提供されるのか等、プロジェクトの細部は一切明らかにされなかった
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本筋ではない「重箱の隅」ですが、今でも疑問に思います。同じロッキード製でありながら、相互にデータ共有ができないF-22とF-35がなぜ出来上がったのか・・・

ABMS5.jpg約2年前にABMSとの言葉が出始めた頃は、E-8 Joint STARSの後継との位置づけで語られ始めましたが、今や膨大なシステム群で構成される「system of systems」の様相を呈し、何が何だかよくわかりません

このような疑問は米議会も同じで、米議会は空軍に昨年時点で「今後全体像が良くわからない構想に、五月雨式に様々な装備要求が出てきそうだから、2022年度予算提出の際は全体像をしっかり説明しろ」と命じており、5月27日の2022年度予算案提出発表後に、様々な情報が出てくるものと思います

全ドメイン指揮統制連接実験演習:ABMS関連
「3回目はアジア太平洋設定で」→https://holylandtokyo.com/2020/10/05/425/
「2回目のJADC2又はABMS試験演習」→https://holylandtokyo.com/2020/09/09/476/
「初の統合「連接」実験演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「今後の統合連接C2演習は」→https://holylandtokyo.com/2020/05/14/671/
「連接演習2回目と3回目は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-02
「国防長官も連接性を重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-09
「将来連接性を重視しアセット予算削減」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28

米海軍と海兵隊は我が道なのか
「米海軍の戦術ネットワークProject Overmatch」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-15
「米空軍の課題:他軍種はABMSに懐疑的」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-12
「統合にデータフォーマットの壁」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-12

実は米陸軍と空軍の2年計画は画期的だった
「米陸軍と空軍がJADC2コンセプト共同開発にゆるく合意」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-06

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Kendall空軍長官候補が上院での質疑に臨む [米空軍]

B-21やF-35調達数、A-10やMQ-9の今後
性的襲撃事案多発への対応についても所信を語る

Kendall SASC.jpg5月25日、米空軍長官候補に指名されたFrank Kendall元調達&技術開発担当国防次官が上院軍事委員会での質疑に臨み、「私が国防省に戻ろうと考えたのは、中国対処に取り組みたいと考えたからである」と思いを語り、「承認いただけたら、この課題に立ち向かう」と信念を語りました

また、B-21爆撃機やF-35戦闘機の調達数や、A-10やMQ-9の今後など航空アセットへの投資の考え方など、厳しい予算繰りの中での装備近代化について所信を述べ、あわせ部隊で大きな問題となっている性的襲撃(sexual assaults)について、部隊の「command climate:部隊の状況・業務要領・雰囲気」を精査して問題対処にあたると語りました

Kendall SASC2.jpgそれほどインパクトのある発言があったわけではありませんが、4年前まで務めた国防次官時代に剛腕で知られ、空軍装備品開発や調達問題にも詳しい陸軍士官学校卒業の空軍長官候補の基本的考え方を知る機会ですので、ご紹介しておきます。なおKendall氏のご経歴については、末尾の過去記事をご覧ください

25日付米空軍協会web記事によればKendall氏は
中国は湾岸戦争での米軍の戦い方を研究し、米国が中国に戦力を向けた場合を想定して、それを撃破するとの明確な目標を定めて急激な軍備近代化を進めてきており、中国の2021年代の近代化の大きな成功は米国の大きな懸念事項になっている
US China2.jfif私が国防省に戻ることを考えたのは、この中国の急速な軍事近代化への対処に関心があったからである。米軍も中露の脅威に対処するため進化を遂げてきたが、やるべきことが多く残されており、長官就任を承認いただけたなら、米空軍と宇宙軍の組織編制、訓練、装備品調達に尽力し、中露の抑止に努め、要すれば如何なる敵も撃破し勝利を収めたい

核抑止3本柱の2本を米空軍が担っているが、併せて米空軍は核戦力運用の指揮統制システムを担っており、この極めて重要(by far its most important)な4本柱の3本を担ってその維持に今後も全力を尽くす
開発中のB-21爆撃機は145機が必要だと考えており、現時点では妥当な機数だと思う。まだ本格調達開始には時間があり、状況の変化により要求値は変化する可能性がある(注:機種選定時には「少なくとも100機」、その後「少なくとも100-145機」と変化し、現在GSコマンドは220機必要だと主張し始めている)

A-10 4.jpgA-10攻撃機については、そのユニークな地上部隊支援能力から私は応援団であるが、何機を今後も維持していくかについては厳しい各種トレードオフも見極める必要がある。全てを無くすことには抵抗がある

F-35は米空軍作戦機の中核であり、現存するベストな戦術航空機で当面あり続ける。不幸にも複雑で高価な装備品だが、圧倒的な兵器だと認識している。4年前まで国防次官として勤務した際も、その困難な道のりと課題が続く長い経緯を見てきた
米空軍が開始した「TacAir Study」についてはまだ把握していないが、戦闘機の最適な構成比率を見極める検討であり、進めていく。ただF-35の維持費については、多く導入すれば単位当たりのコストは低下するので、まだまだ導入機数が少ない段階では、計画に沿って調達を進めて体制の安定を目指していく

Kendall22.jpgMQ-9はイラクやアフガンでの対テロ作戦に大きな貢献をした機体だが、このままでは強固に防御された作戦域での活躍は難しく、投資をして能力や生存性を高める必要がある
性的襲撃問題が依然大きな課題だが、米空軍部隊の大部分は健全な状態にあると見ている。ただすべてが良い状態とまでは言えず、長官に就任したら部隊の「command climate:部隊の状況・業務要領・雰囲気」を厳正に精査して問題がある部隊を把握し、問題対処にあたりたい
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B-21 bomber.jpgKendall氏が頑張っても動ける余地は少ないですし、空軍だけでなく宇宙軍という大問題も背負っての登板ですから、大きな期待は酷でしょうが、Brown空軍参謀総長と連携よろしくお願いしたいと思います

4年の国防次官前に2年間調達次官補も務め、その前にも国防長官室で別分野の次官補や室長など務めた剛腕の「実務の人」ですので期待いたします

オバマ政権で調達&開発担当国防次官を4年
陸軍士官学校卒で航空工学修士とMBAと法学博士
「空軍長官候補Kendall氏をご紹介」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-28
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F-15EXが配備2週間で大規模演習参加 [米空軍]

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Northern Edge演習で50対50の大規模航空戦訓練に
とりあえずF-15Cの代役できるか確認
新電子戦機器EPAWSS、搭載量増、FBW等で上々の成果
最近のハイエンド想定航空戦演習をのぞいてみます

F-15EX Northern Edge2.jpg20日付米空軍協会web記事が、2週間前に米空軍部隊に配備されたばかりのF-15EXが大規模ハイエンド航空演習「Northern Edge」に参加し、4月28日から5月14日の間に33ソーティーの演習行動をアラスカ上空でこなしたと紹介しています

ハイエンド想定の敵50機と友軍50機が、本格的な脅威想定で実施する大規模演習の機会が貴重であることから、F-15EXが部隊配備される1年以上前から「部隊配備直後」の本演習参加が計画準備されていたようで、決して思い付きの飛び入り参加ではないようです

F-15EX Eglin.jpgF-15EXは「完璧な対地攻撃能力を有する」と言われていますが、本演習では従来F-15C型が担っていた制空&防空任務を担い、F-15CやF-15EやF-22やF-35とチームを組んで行動を共にしたり、情報をリンク等で共有したりしながら、新電子戦機器EPAWSS、2つ増加された兵器搭載ポイント、グラスコックピットやFBWシステムの有効性を確認したようで

稼働率など維持整備面での評価も含めた細部の結果は今後分析されるとのことですが、今どきのハイエンド航空作戦演習を垣間見る機会でもありますので、ご紹介しておきま

20日付米空軍協会web記事によれば
F-15EX Northern Edge3.jpgF-15EXと共に「Northern Edge」に参加した第84試験評価飛行隊のJohn O’Rear中佐は、「2機のF-15Cや2機のF-15Eと編成を組み、他の第4世代機を支援しつつ、F-22やF-35との作戦融合に取り組み、敵機を撃墜することもあったが、被撃墜される場面もあった」と語った
「かつての演習では友軍の損害ゼロで終わるケースもあったが、最近はそんな結果だと敵脅威の設定は適切だったか厳しく問いただされる。教訓を得るためには必要なことだと感じている」と、他軍種も参加する大規模演習「Northern Edge」を振り返った

演習の細部には同中佐は言及しなかったが、「このような演習環境設定の場合、友軍機が撃墜されるのは多くの場合、目視外からのミサイル攻撃によるものだ」、「目視範囲内での空中戦場面は頻繁に発生しない」と語った

EPAWSS.jpg新型電子戦装備EPAWSS(Eagle Passive Active Warning Survivability System)が、2020年12月のネリス基地でのBlack Flag演習以来、2回目の投入となったが、「細部は分析中ながら、我々が期待していた成果が出た感触を得ている」と振り返った
更にEPAWSSに関し、「大規模戦力が存在し、多数の電磁波が飛び交う空間でも機能した」、「近傍のステルス機であるF-22やF-35を支援することもできた」、「追加的な妨害効果により、F-35をより敵に接近させることができた」と演習での感触を語った

また「演習では通信やGPSにも厳しい妨害をかけられたが、友軍はその制約下で作戦を遂行するため、他の米空軍機や他軍種の友軍機との連携にたよって行動した」との振り返りつつも、多くの場面で他軍種アセットの連携が良く機能したが、そうでない場面もあったと教訓にも触れた
機種間の情報共有については、代替手段としてLink-16や第5世代機との通信翻訳を務める航空アセットも活用し、妨害や被害状況でも多層で重複した仕組みを構築して全戦力の効果的な行動に供したとも同中佐は説明した

F-15EX Eglin3.JPG全般を総括して同中佐は、部隊配備される1年以上前から本演習参加を準備してきたのは、単に空軍戦闘コマンド部隊にF-15EXに慣れてもらうためではなく、ハイエンド紛争の厳しい環境下で、我々が練ってきたF-15EX運用法が有効かを検証するためだったと振り返った
F-15EXの特徴として、極超音速兵器や大型兵器を搭載可能な点が挙げられるが、今回はその面での確認は行われず、代わりにB-52がAGM-183極超音速兵器を発射していたとも語った
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F-22とかF-35になるとハイテク装備過ぎて人間の出番が限られ面白くないとの話を聞きますが、基本的に新型第4世代機であるF-15EXでの演習を振り返る中佐は何やら楽しそうに聞こえます

制空や防空と言った任務には、もしかしたら味方基地に迫りくる巡航ミサイル要撃任務や、敵の「無人機の群れ」対処だったのかもしれませんが、部隊配備2週間での大規模演習参加は大したものです

最近、F-15EXへの期待がとても大きいことを各種記事でご紹介していますが、興味深い新型第4世代機ですので、今後もフォローしたいと思います

戦闘機の将来構成を検討(F-15EXへの期待大)
「今後10年くらいの戦闘機構想」→https://holylandtokyo.com/2021/05/21/1709/
「戦闘機は7機種から4機種へ」→https://holylandtokyo.com/2021/05/18/1496/
「戦闘機混合比や5世代マイナス機検討」→https://holylandtokyo.com/2021/02/22/266/
「空母艦載機は2/3無人機に」→https://holylandtokyo.com/2021/04/06/10

F-15EX関連の記事
「初号機を米空軍受領」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-15
「F-15Eの後継候補?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-02
「イヤイヤF-15EXに進む米空軍」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-30
「国防省高官もF-15EX導入を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-23-1
「統参議長がF-15EX購入を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-2
「F-15EXは空軍の選択ではない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-02
「参謀総長F-15Xを強く示唆」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31-1
「今頃になってEXのエンジン機種選定」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-21-1

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米空軍の戦闘機構想:2022年度予算説明資料より [米空軍]

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2030年代までの構想を含め来年度予算を語る
2026年までに421機を退役、304機を新規導入

F-35 Gilmore.jpg米空軍協会機関紙が、5月27日にバイデン政権が発表予定の2022年度予算案に関する米空軍作成の「論点:talking points」ペーパーを入手し、その概要を14日付の長文の記事で紹介しています

内容は2022年度予算の説明ではなく、むしろ2022年度予算要求の背景にある2026年までの予算や作戦機購入計画を描いたもので、年初から始まった「TacAir Study」検討の背景にある各アセットの期待される役割なども説明されています

F-22Hawaii.jpg「論点:talking points」ペーパーは、最も厳しいシナリオと米空軍が想定する、2035年時点で台湾シナリオでの対中国紛争を念頭した各種の分析やシミュレーションを基にまとめられたものとされており、今後米空軍が打ち出す様々な計画の基礎にあると考えられますのでご紹介しておきます

ただ、以下の計画案が米議会で認められるかは予断を許さず、コロナで傷んだ地域経済を背負った利益誘導議員による妨害は十分に予想されます

14日付米空軍協会web記事によれば
●米空軍が旧式アセット早期引退を急ぐ背景
--- 航空アセットの44%が当初の運用寿命オーバーで使用中
--- 米空軍航空機の平均年齢は28.6歳 老朽化
--- ちなみに米陸軍は15.3歳、海軍は14.4歳
--- 豪空軍は8.9歳、英空軍は16.6歳
●以下の早期引退進め、近代化加速でも、年間7-8千億円資金不足

●米空軍が2026年までに退役させたい戦闘機421機
(以下の退役規模は2010年初頭の250機以来の規模)
--- F-15C/Dを234機、F-16を124機(残り812機に)
--- A-10を63機 (ただし2023年までに:現281機)
●一方で2026年までに新規導入希望304機
--- F-35Aを220機、F-15EXを84機

●F-22は2030年から退役開始
--- NGADが後継となる方向
--- 今も近代化改修中も、20年後はハイエンドで戦えない
●F-15EXの方向性
--- 2022年に11機、23年に14機、その後年19機導入
--- 遠方からハイエンド紛争に参画、それ以外では制空任務も
--- 極超音速兵器や、空対地ミサイルAGM-183A・ARRW搭載へ
--- また中国の長射程空対空ミサイルPL-15に対抗
     長射程空対空ミサイルAIM-260搭載か

●維持費高止まりのF-35調達ペースは
--- 2022年度は48機要求も、以後2023-26年は年43機ペースに落とす
--- これにより2023-26年調達機数を240機から220機に削減 
--- 当初の年間1機維持費見積4.5億円だったが、現時点では2036年でも8.5億円 
--- F-16とA-10全ての後継機のはずが、維持費下がらず方向転換へ
--- 一応空軍は「Block4」が完成したら調達ペース上げると言い訳

●2035年頃から導入MR-X(malti-role Fighter)
--- 約600機のF-16後継をイメージ。6-8年後から検討開始
--- デジタル設計技術導入で、開発期間短く、短期間使用で維持費抑制
--- 早いサイクルで次世代機導入で陳腐化避ける
--- ハイエンド紛争には限定的役割も、多用途で任務あり
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F-15EX 3.jpgこの計画の大前提は、次世代制空システムNGADが現在の構想通り有人機と無人ウイングマン機のチームとして運用可能となることと、航空戦力の柱となるF-35の維持整備費が下がることです

「TacAir Study」がF-35維持費の低減率をどのように見積もって行われているのか不明ですが、第4世代機レベルに低下させるのは不可能との前提に立ち、現在の1700機以上調達の見直しに舵を切るものと想定しています

今後、様々に報道される米空軍を巡る情勢を見る基礎として押さえておきましょう

TacAir study関連
「戦闘機は7機種から4機種へ」→https://holylandtokyo.com/2021/05/18/1496/
「戦闘機混合比や5世代マイナス機検討」→https://holylandtokyo.com/2021/02/22/266/
「空母艦載機は2/3無人機に」→https://holylandtokyo.com/2021/04/06/100/
「戦闘機族ボスがNGADへの危機感」→https://holylandtokyo.com/2021/03/05/154/
「F-15EXの初号機受領」→https://holylandtokyo.com/2021/03/22/166/
「F-35への投資はどぶに金を捨てる行為」→https://holylandtokyo.com/2021/03/10/157/

最近のF-35
「ODINの開発中断」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-24
「英国は調達機数半減か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-24
「F-35投資はどぶに金を捨てるようなもの」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13
「F-35稼働率の状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07

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米空軍トップ:将来は戦闘機を現7機種から4程度に絞る [米空軍]

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現在をA-10 F-15CD F-15E F-15EX F-16 F-22 F-35として
将来はNGAD F-35 F-15EX F-16か後継か35
TacAir Studyでは最適解1つではなく、複数オプションを

Brown4.jpg12日、Brown空軍参謀総長が講演で、年初に開始した将来の戦闘機構成を検討する「TacAir study」やその結果としての将来戦闘機の種類について現時点での考えを語り、「TacAir study」では最適解一つを導くのではなく複数のオプションを提示することや、戦闘機機数を現7機種から4機種程度に絞り込むと語りました

「TacAir study」開始時には、一つの最適解を提示するような勢いでしたし、「5世代機マイナス」の新機種検討まで明言していましたが、12日には複数状況に応じた複数案を検討するとの表現になり、「5世代機マイナス」との言葉も新機種検討をアピールすることもありませんでした。いろいろあったのでしょう・・・「急ぐ必要はない、今後8年ぐらいかけて(as long as eight years from now)」などとまで発言し、後退感は否めません

F-22Hawaii.jpg戦闘機機種の絞り込みについては、多機種だと維持整備が大変で、2030年代後半頃のイメージでNGADとF-35とF-15EXと「F-16かその後継かF-35など」と表現し、F-22やF-15Eは含まれませんでした

また「TacAir study」については基本的に内部検討だと述べ、公にする可能性には触れず、米議会にもすべてを説明するつもりは無い様で、議会の理解を得る努力の重要性は強調しつつも、複数年度の予算に渡る事業であるため、必要な部分を必要な時に、予算要求のため説明するとの姿勢を示しました

12日付米空軍協会web記事によれば
Brown2.jpg12日、McAleese FY2022 Defense Programs 会議でBrown空軍参謀総長は、年初から開始した「TacAir study」は戦闘機構成の最適解を一つ示すのではなく、脅威の変化や様々な可能性が考えられるので、複数のオプション(a window of options)を提示するものになる、と述べた
また、同検討は2022年度予算検討の基にもなるし、2023年以降の検討の基礎にもなると述べ、検討は統合参謀本部や国防長官室のCost Assessment and Program Evaluation室とも連携して行っていると説明した

将来戦闘機の機種数については、現7機種から4機種プラスoneとなると語り、NGADとF-35とF-15EXと「F-16かその後継かF-35など」と表現し、F-22やF-15Eの名は上がらなかった
これに関し空軍報道官は、Brown大将は長期的視点で述べたのだと説明し、A-10は2030年代まで運用する方向で検討していると述べ、「プラスone」はA-10だと語った。またF-22は当面引退することはないが「TacAir study」の結果次第だと述べた

F-16D ground.jpgF-16に関しBrown参謀総長は、「当面の間ともに活動する」と述べ、後継については「F-35の調達増加か、他の機種になるだろう」と語った
またF-15Eは2030年代には老朽化し、2030年代には退役だろうと述べた。F-15Eに関しては、F-15C/Dの後継として導入が始まっているF-15EXを、複座型に改良して機体強度をF-15E型レベルに強化する等で、F-15E後継にできるとの見方がある

David Nahom空軍計画部長は同会議で、多様な機種を維持するコストが大きな負担で、機種を減らすことが重要だと語っている

ただこれら機種構成の検討についてBrown大将は、「どの機種を何機将来保有するかについては、早急に答えが必要ではなく、8年ぐらいかけて検討することになる」と語り、「単年度予算で実現できないので、今プロセスを開始する必要があり、米議会との協力が重要になる」と述べた
F-15EX 3.jpgまた「事実と分析結果を踏まえて計画を議会に説明する必要があり、その分析に取り組んでいる」と説明し、更に軍需産業界との意思疎通も重要だと述べ

無人機の導入について参謀総長は、今後多くの部分を無人機が占めることになろうとのみ述べ、最近のウォーゲームでも有人機と無人機の混合運用の重要性が示されていると語<り/span>、この事実から将来の飛行部隊の在り方や訓練方法についても大きな課題であり、「TacAir study」の検討対象だと説明した
/////////////////////////////////////////////////////

「TacAir studyは最適解を一つ示すのではなく、複数のオプション(a window of options)を提示する」とか、「8年ぐらいかけて検討する」とか、言われると、最初の勢いはどこへやら・・・と思わず言いたくなりますが、様々な圧力やしがらみの中で、検討を継続するにはこれぐらいの説明ぶりの方がやりやすいのでしょう・・・。そう信じておきましょう・・・

Brown nomination.jpgもちょっと具体的機種名については「しゃべりすぎ」のような気がします。一つの最適解を出すつもりもないのに・・・とも思いますが、のろしを上げて各方面の反応を見ているのかもしれませんねぇ・・・

ワシントンDCは「魑魅魍魎」が住む世界だそうですから・・・。でも無人機機数に関する発言も慎重ですねぇ・・・。下手に発言すれば、黒人参謀総長の後ろには誰もサポートする人はいないのでしょう

TacAir study関連
「戦闘機混合比や5世代マイナス機検討」→https://holylandtokyo.com/2021/02/22/266/
「空母艦載機は2/3無人機に」→https://holylandtokyo.com/2021/04/06/100/
「戦闘機族ボスがNGADへの危機感」→https://holylandtokyo.com/2021/03/05/154/
「F-15EXの初号機受領」→https://holylandtokyo.com/2021/03/22/166/
「F-35への投資はどぶに金を捨てる行為」→https://holylandtokyo.com/2021/03/10/157/

Brown空軍参謀総長の関連記事
「春完成の電子戦戦略を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-30
「戦闘機新調達方式などを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-24
「行動指針を小冊子で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-01
「米空軍は海兵隊と同じ方向を目指す」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-25
「人種問題を経験から語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-06-1

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無人ウイングマン構想の頭脳ACSが初飛行 [米空軍]

初飛行でいきなり130分間のフライト
Kratos社の試験機「Mako」にACSを搭載して

Mako Kratos.jpg5日米空軍は、4月29日にフロリダ州Tyndall空軍基地を拠点とし、無人ウイングマン構想で当該無人機の頭脳となる自立飛行システム(ACS:autonomy core system)を搭載した無人機が、約130分の初飛行を実施したと発表しました

ACSを搭載しての初飛行を実現したのはKratos社の「UTAP-22 Mako」との試験用無人機で、同社が無人ウイングマン構想の試験機としてこれまで飛行させてきた「XQ-58A Valkyrie」より小型でシンプルそうな機体ですが、縦横6mx3m、高度5万FTまで飛行可能、機体内外に約800ポンドの搭載物が積め、更に両翼にそれぞれ100ポンド搭載可能との機体で、最高速度マック0.9、航続距離1400nmと立派な航空機です

Mako Kratos2.jpg米空軍は、F-35やF-15EXとチームを組んで、有人機にはリスクが高すぎる任務を遂行可能な「a family of Skyborg drones」の開発を計画しており、昨年12月にKratos社と共に、ボーイングとGeneral Atomicsの3社とそれぞれ別々に、同構想のデモ機開発契約を結んだところでした

米空軍は同様の飛行試験を今後数か月で行い、3企業と契約して並行作成させているデモ機が5月末には出来上がってくることから、デモ機も活用して更にACSを成熟させていくものと考えられま

5日付Defense-News記事によれば
米空軍は初飛行について、「ACSは基礎的な飛行能力を披露し、地上からの指示にも対応しつつ、機体の飛行性能を考慮した地形対応の飛行を実現した」と表現し、担当のDale White准将は「開発初期段階のACSによる初飛行に興奮するとともに、今後のSkyborg技術(無人ウイングマン技術)確立に向けたマラソンのような道のりの第一歩だと認識している」と語った
Mako Kratos3.jpgまた、「自立型システムがその能力を示した初飛行となったが、今後も有人機である戦闘機と編隊を組んで作戦行動可能なレベルを目指し、複数の機体で能力を実証していきたい」と声明を出している

今回ACS初飛行の受け皿となった試験機「UTAP-22 Mako」を製造したKratos社CEOのEric DeMarco氏は「Mako はXQ-58A Valkyrieと並ぶ試験用無人機で、多様な顧客の多様なニーズに応え、様々な開発中の装置を搭載して試験飛行が可能で、電子戦センサーや妨害装置、様々なセンサーなど、攻防両方のシステムの試験に活用いただいている」、「MakoやXQ-58A Valkyrieで事前確認しておくことで、他の無人システムにも円滑に搭載することが確認できる」とアピールしている
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この初飛行には、多くのジャーナリストやシンクタンク研究者が招待された模様で、米空軍はその取り組みを懸命にアピールしています

Mako Kratos4.jpgSkyborg構想(無人ウイングマン構想)については、4月上旬に多用途ドローンの投下試験に成功した際も、米空軍がメディア宣伝に力を入れていましたので、「秘密主義で米議や世論へのアピール・説明不足」との汚名挽回を期し、取り組んでいるのでしょう

また試験が行われたフロリダのTyndall空軍基地は、2018年10月に巨大ハリケーンの直撃で壊滅的被害を受けた基地でもあり、復興をアピールする狙いもあったと邪推いたしております

無人機ウイングマン構想
「多用途ドローン投下試験成功」→https://holylandtokyo.com/2021/04/09/103/
「Skyborg構想デモ機製造3企業決定」→https://holylandtokyo.com/2020/12/16/344/
「無人ウイングマンのデモ機選定開始」→https://holylandtokyo.com/2020/05/24/679/
「米空軍の無人ウイングマン構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-27
「XQ-58AのRFI発出」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3

Tyndall空軍基地ハリケーン被害の惨状
「米軍が施設への自然災害で予算枯渇」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-24

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F-35が機種別保有機数で米空軍第2位の283機に [米空軍]

281機のA-10、234機のF-15C/D、218機のF-15Eを抜く
4世代機の2倍以上の維持費に低下傾向がない中で

Airforce 3 top2.JPG7日、Brown米空軍参謀総長が下院予算小委員会で、F-35の保有機数が283機となり、約450機保有のF-16C/D戦闘機に続いて、保有機数で第2位になったと明らかにしました。ちなみに現時点での米空軍F-35調達予定数は1763機です

同時に同参謀総長は、戦闘機の世代混合比率検討を引き続き行っており、ハイエンド紛争を支えるF-35など第5世代機と、それほど脅威の高くない環境で活躍できる第4世代機や「5世代機マイナス機」の最適構成比率を将来の脅威環境を踏まえつつ導き出したいと説明しました

F-35.jpg民主党政権が誕生してから、F-35への風当たりは厳しさを増しており、Adam Smith下院軍事委員長は3月の講演で「F-35への投資は金をどぶ(rathole)に捨てるようなもの」と怒りをあらわにし、体制維持小委員会のJohn Garamendi委員長も「調達機数を削減して維持費予算の膨張を抑え、戦力全体の健全性を保つべき」と訴えています

折しも、維持費高騰や稼働率低迷の原因であるF-35兵站支援システムALISの代替として部隊配備が一部で始まっていたODINに関し、開発が想定以上の困難と予算不足に直面して中断を余儀なくされ、再開見通しが立たない泥沼に落ちており、同席した空軍長官代理等の表情もさえなかったようです

RQ-4 1.jpg7日の小委員会で米軍幹部は同時に、議会の反対で過去数年全く進展がないA-10やRQ-4やE-8C Joint STARSや老朽給油機の早期退役を強く訴え、浮いた資金を次世代装備導入に振り向けたいとのかねてからの要求を繰り返し述べています

ただ、老朽装備品の早期退役に反対する議員たちは、軍事的な必要性を表面上で訴えていますが、選挙区の基地から装備が削減されて雇用や税金収入が失われることを懸念して抵抗勢力となっているのが実態で、中国の言う「民主主義の限界」を体現したような構図となっています

7日付米空軍協会web記事によれば
Brown参謀総長は、「TacAir検討は戦闘機ポートフォリオを吟味するもので、7種類の異なる戦闘機をどのように組み合わせるのがベストか、将来脅威を踏まえ検討している」と説明し
一方で「単一の答えが出るものではなく、脅威に応じた幅を持ったオプションを提示するようなものとなり、米空軍及び関係者の参考に供することとなろう」と説明するにとどまった

老朽装備の早期退役を訴え
A-10 4.jpgJohn Roth臨時国防長官はBrown参謀総長と共に、「米国は米空軍装備の近代化を、1年はおろか、1か月も1週間も待つことはできない。現在の競争相手で将来の敵対者を抑止し撃破するには、資源配分の方向を今変えなければならない。変化を加速しなければ敗北するのだ。これが我々の要求だ」と訴えた
そして「我々は(老朽装備早期退役の)厳しい決断を今行い、資源投入先の(将来システムへの)変更という難しい決定をしなければならないタイミングにある」、「我々は議会の皆さんと2-3年に渡り本件を議論してきたが、近く政府が議会に提出する予算案は、国家防衛戦略NDS遂行を支えるバランスの取れた案であると申し上げておく」と述べて米空軍の考え方に賛同を求めた

KC-46A3.jpgただ、過去数年間空軍の早期退役要求が認められなかったA-10やRQ-4・Block 30やE-9Cや空中給油機やE-3 AWACS、更に州軍所属のC-130輸送機など具体的な装備名には、予算案提出前でもあり言及せず、各関係部隊と緊密に議論しているとのみ説明した。
同時に資源を振り向けるべき将来に向けての投資に関しても、一般に言われているKC-47給油機やステルス性のある無人ISR機やABMSなどの具体的装備名にも言及しなかった

しかし、核抑止の3本柱の一つであるICBM後継のGBSD開発の重要性については、現有のミニットマンⅢの延命が困難であることと共に、改めて臨時空軍長官と参謀総長は強く訴えた /
//////////////////////////////////////////////

Airforce 3 top.JPG老朽装備の早期退役と次世代装備への投資転換は米空軍としてまっとうな要求だと思いますし、選挙区への利益誘導・既得権絶対死守でこの流れを阻む議員たちの姿は「民主主義の限界」そのものの情けない状況ですが、F-35やKC-46の開発状況がこれだけ「グダグダ」だと、米空軍の訴えも相当に迫力を欠く面があります

次の空軍長官候補となったFrank Kendall氏が正式就任し、その剛腕で議会との折り合いをつけてくれることを祈念申し上げます・・・

F-35では以下のエンジンブレード問題も重いです
「エンジンブレードと整備性問題」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13

「空軍長官候補にKendall氏」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-28

最近のF-35
「ODINの開発中断」→https://holylandtokyo.com/2021/04/26/115/
「英国は調達機数半減か」→https://holylandtokyo.com/2021/03/31/174/
「伊軽空母に海兵隊F-35B展開」→https://holylandtokyo.com/2021/03/18/164/
「F-35投資はどぶに金を捨てるようなもの」→https://holylandtokyo.com/2021/03/10/157/
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holylandtokyo.com/2021/02/17/263/
「F-35稼働率の状況」→https://holylandtokyo.com/2021/02/03/254/
「機種別機数が第3位に」→https://holylandtokyo.com/2020/08/04/514/

要求性能を満たすのにあと数年のKC-46給油機
「恒久対策は2023-24年から」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-30
「今度は燃料漏れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-31-1
「やっぱりだめで更に1年遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
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https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

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米空軍調達を知る剛腕Kendall氏が空軍長官候補に [米空軍]

オバマ政権で調達&開発担当国防次官を4年
陸軍士官学校卒で航空工学修士とMBAと法学博士
F-35低度量産開始時に「米軍の悪しき習慣だ」と酷評
F-35調達数削減配置か? ICBM存続で現ICBM延命か?

Kendall4.jpg27日付各種報道が、バイデン政権が次期空軍長官にFrank Kendall元調達&開発担当国防次官(71歳:シンクタンクCPA上席研究員)を指名し、空軍副長官候補にフィリピン系女性で元空軍士官のGina Ortiz Jones氏(40歳)が初めて有色人種女性として推薦したと報じました

Frank Kendall氏は、オバマ政権時の2010年から12年にかけ調達担当国防次官補を務め、続く12年から16年まで調達兵站&開発担当国防次官として「Better Buying Power initiative」をWork副長官らと推進し、権限委任による国防省調達の迅速化や効率化を強力に進めた剛腕で名をはせた人物です

特に航空機や宇宙アセットの調達改革に取り組みましたが、F-35の開発との同時本格生産開始が決定された際は、「米軍の悪しき習慣だ」、「私が国防省の調達に関わるずっと以前のF-35計画当初に立ち戻れるなら、一つの主契約企業に集中するような事業構造を望まないだろう。より競争を促す構造が健全だと思う」と担当次官らしからぬ本音発言で物議をかもしまし

Gina Ortiz Jones.jpgまた、将来航空戦力検討の過程では「航続距離を求める声も、兵器搭載量増を求める声もアリ、永遠の課題だろう。しかし我々に突きつけられた弾道・巡航ミサイル脅威は、航空機ではなく拠点となる航空基地や空母に向けられており、航続距離への要望はより鋭さを増している」と述べ、足の短い戦闘機への投資にくぎを刺すような発言も遠慮なくしていた剛腕次官でした

一方のGina Ortiz Jones副長官候補は、空軍士官として3年、国防情報局DIAで情報分析官として勤務し、その後米通商代表部でオバマ政権とトランプ政権にまたがって勤務し、2018年にテキサス州上院議員選挙に出馬したが落選し、2019年にも再度挑戦するも2回目の落選を経験している方です。15歳で母親にレズビアンであることを告白するも、当時の米軍の「言わない、聞かない」方針に沿って、空軍勤務間は性的志向を公言しなかった方です

勝手な想像ですがFrank Kendall氏は豊富な経験から、F-35や次期ICBM調達など重要な調達問題目白押しの米空軍での仕切りを期待されてのノミネートで、F-35調達数削減への道を開くことが第一優先任務でしょう。Jones副長官候補は、初のアジア系女性副長官やレズビアン副長官としての「多様性」話題を狙ってのバイデン政権人事だと思われます

Frank Kendall氏のご経歴など
Kendall3.jpg1949年1月生まれの71歳で、陸軍士官学校をJack Reed上院軍事委員長と同期生として卒業。10年間陸軍士官として勤務し、陸軍士官学校で施設工学の教官も務めた経験がある
航空宇宙工学修士を加州工科大学で、MBAをロングアイランド大学で、法学博士号をジョージタウン大で取得

1990年代には軍需産業レイセオンで研究開発副社長として勤務し、国防省入省直前は国防関連コンサル会社Renaissance Strategic Advisorsで経営人の一角を占めていた
国防省では、国防長官室で戦術戦闘検討部長や戦略国防システム担当次官補代理などを務めた

Kendall22.jpgオバマ政権時の2010年から12年にかけ調達担当国防次官補を務め、続く12年から16年まで調達兵站&開発担当国防次官として「Better Buying Power initiative」をWork副長官らと推進し、調達兵站と研究開発の両方を同時に担当した最後の国防次官となった
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上記でご紹介したように、国防予算右肩下がりのオバマ政権時代の調達担当次官で、特にF-35をはじめとする米空軍航空宇宙アセット調達に深くかかわった人物です

Gina Ortiz Jones2.jpg陸軍士官学校卒業ながら航空宇宙工学修士号を持ち、空軍調達には一言もつ剛腕の空軍長官と、初の黒人空軍参謀総長として「変化しなければ敗北する」と背水の陣で改革に臨むBrown大将のコンビに、レズビアン女性アジア系副長官のトリオが、如何なる方向に米空軍を導くのか注目してまいりましょ

Kendall氏が国防次官当時の記事
「米国防省内部でF-35計画見積を巡り内紛」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-12-09
「将来航空機投資を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-10-25
「レーザー兵器は万能薬ではない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-09-12
「F-35をまとめ買いで安く」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2015-05-31
「Offset Strategy」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2014-09-06-1

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