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B-21爆撃機の初披露は12月第1週に [米空軍]

初飛行は2023年になると米空軍調達担当次官が
1988年11月のB-2初披露以来の新型爆撃機お披露目へ

B-21 5.jpg9月20日、米空軍省のAndrew Hunter調達担当次官が記者団に対し、細部は検討中だがB-21次期爆撃機の初披露を今年12月の第1週に行うと明らかにし、初飛行については2023年予定と語りました。

米空軍発表を受け、開発製造を担当するNorthrop Grumman社(B-2爆撃機も担当)は声明で初飛行時期について、現在実施中の地上テストの結果次第だと述べるにとどめていますが、B-2爆撃機のケースでは初披露が1988年11月で、初飛行は翌年1989年7月だったと記録されています。また同社声明で、現在6機のB-21爆撃機が加州Palmdaleの工場で製造中だとも説明しています

Hunter AF.jpg同社5月のプレスリリースでは、B-21の一番機は振動試験などの機体構造強度を確認する一連の第1段階試験を終了し、エンジン試験、サブシステム試験、ステルス塗装の確認を今後行うと明らかにしていたところです

更に加州Palmdale工場で各種速度で地上滑走テストを行った後、同工場から同じ加州内の各種新装備品テストのメッカEdwards空軍基地に「飛行移動」し、正式な初飛行試験はEdwards空軍基地離陸で行われる予定だと既に明らかにされています

B-21 B-2.jpgB-21の最初の配備基地は、現在B-1B爆撃機の母基地であるサウスダコタ州Ellsworth空軍基地で、その後ミズーリ州のWhiteman空軍基地(B-2配備中)とテキサス州のDyess空軍基地(B-1B配備中)に順次配備される予定だそうです

導入機数については、機種選定時には100機程度と見積もり前提が設定されていましたが、その後米空軍内からは、「最低でも100機」、「170機は必要だ」「最低でも170機だ」等々と年々要求機数が膨らんでいる状況です。
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B-21 8.jpgB-21爆撃機開発は、他の装備品開発と比較して順調に推移しており、2021年6月、当時の爆撃機部隊GSC司令官が「なぜ遅れないのか」と報道陣から問われ、「要求性能の変更を拒否しているからだ」、「必要なことに焦点を当て、ゴールすることに注力している」と答えていたことが思い出されます

2019年7月末に時の空軍副参謀総長が「開発順調なB-21爆撃機の初飛行は、今日から863日後の2021年12月3日予定だ」と豪語したこともありましたが、その後2021年前半には「機体を初披露後、2022年の中頃に初飛行予定」との話になり、更に今年5月20日に米空軍報道官が一切の理由説明なく「B-21爆撃機初飛行の予定は来年2023年となる」と明らかにし、様々な噂が飛び交ったところです

Warden2.jpgそれでも2022年4月末には開発製造企業Northrop Grumman社CEOが、「空軍から(優秀な開発ぶりが評価され)報奨金約80億円を授与されることになった」と自慢していたくらいに安定した道のりを歩んできたB-21ですので、「12月第1週」のお披露目に期待したいと思います

なお、価格については、1機550億円以下が機種選定時の設定でしたが、製造企業が「報奨金」を授与されるくらいですから、物価上昇分の範囲で収まっているのだと推定します

B-21爆撃機の関連記事
「初飛行は2023年にずれ込み」→https://holylandtokyo.com/2022/05/23/3269/
「製造企業CEOが80億円ゲットと」→https://holylandtokyo.com/2022/05/16/3202/
「無人随伴機も鋭意検討中」→https://holylandtokyo.com/2022/03/24/2938/
「6機製造中」→https://holylandtokyo.com/2022/03/01/2711/
「B-21を5機製造中」→https://holylandtokyo.com/2021/09/27/2270/
「下院軍事委員長も絶賛」→https://holylandtokyo.com/2021/06/23/1896/
「格納庫写真から大きさを推定する」→https://holylandtokyo.com/2021/04/07/101/
「初飛行は2022年半ばか」→https://holylandtokyo.com/2021/01/20/302/
「開発状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1
「2021年12月3日初飛行予告」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-29
「初期設計段階終了」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-30
「米空軍の爆撃機体制計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
「2017年3月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20
「B-21に名称決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-27
「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28

米空軍爆撃機の話題
「爆撃機管理は今後5-7年が多難」→https://holylandtokyo.com/2021/08/06/2024/
「B-52から重力投下核任務除外」→https://holylandtokyo.com/2020/01/29/877/
「B-1早期引退でB-21推進?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-19
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春時点の爆撃機構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2

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米空軍が「ゴールを動かして」KC-46の運用態勢確立を宣言 [米空軍]

RVSやブーム固着の1級不具合改善が未完のまま
運用制限を課したままでA-10除き給油可能と宣言
ネットワーク中継機としても初任務成功発表

KC-46A3.jpg9月16日米空軍がKC-46A空中給油機に関し、A-10攻撃機への空中給油を除き、RVS運用制限などが残るものの、B-2戦略爆撃機への給油任務など米戦略軍関連の任務を含む全ての任務に関し、全世界で任務遂行可能状態になったと宣言しました。

開催中の米空軍協会主催の航空宇宙サーバー会議で、19日に米空軍輸送コマンド司令官Mike Minihan大将が記者団に明らかにしたもので、RVS(Remote Vision System)とは別の第1級不具合である給油ブームの柔軟性欠如(stiffness)問題でA-10への給油承認が出せていないが、RVSなど他の不具合については運用制限をかけ現場の工夫で対処することとして「運用開始宣言」を行うことにしたと説明ています

KC-46 RVS.jpg運用開始宣言の前兆として、砂漠地域での運用態勢検証のためカタールに派遣されていた4機のKC-46が8月29日に、作戦任務に向かうF-15Eストライクイーグルに空中給油を行い、初の実戦任務機への給油を行ったと9月中旬に発表され、「前のめりだな・・・」と思っていたところでした

まんぐーすは、RVSの新バージョンRVS2.0が完成して改修完了する2024年以降に、戦闘任務への投入を含む「運用態勢確立宣言」を行うものだと関係幹部のこれまでの発言から認識していましたので、「ゴールを動かされた」「キツネにつままれた」ような気分で驚きましたが、米空軍が自ら「リスク」を背負って「運用開始宣言」を行ったのですから、これ以上グジグジいうのは止めておきましょう。

KC-46 RVS2.jpg加えて8月29日のF-15Eへの給油任務時には、KC-46に搭載されたネットワーク中継装置「Military Data Network communications system」が初めて作戦任務に投入され、地上の航空作戦センターと空中の作戦機との間のデータ通信を中継するノードの役割を果たして、戦場参加者の状況認識向上に大きく貢献したとも発表されています

Minihan司令官は記者団に対し
●私はKC-46が現在も抱える問題の解決に関し、ボーイング社と厳しく真正面から向き合っており、課題解決の質・時間管理・コストについて一切妥協していないし、最短で課題を解決するようプッシュし続ける。しかし、能力を備えた給油機が手元にあるなら、その活用をなぜためらう必要があるのか?
Minihan.jpg●仮に明日の戦いに敗北することがあれば、10年後のKC-46部隊はあり得ない。私には今KC-46が必要なのだ。私はKC-46の能力に100%確信を持っている。同機の飛行や修理や支援に当たる者は同機を愛しているし、給油を受けた側も同じであり、訓練のために展開した世界中の地域戦闘コマンド司令官も同機のファンになってくれている。

●(RVSやブーム以外にも、)貨物搭載管理ソフトの不具合で飛行中に貨物固定フックが外れる等の不具合があり制約があるが、運用制限状態でも任務遂行可能宣言を行うことが可能だと考えている。現場部隊は暫定対処手順を編み出しており、現場の手順書TTPに注意書きを加えること等で対応していく
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米空軍や航空自衛隊の対中国作戦環境を考えると、空中給油機が極めて重要であることから、KC-46については延々とフォローしてまいりました。

Minihan3.jpg米空軍は計179機を同機を購入予定で、既に60機以上を受領済とのこともあり、またKC-135やKC-10の老朽化や維持整備費高騰が著しいことから、「ゴールを動かしての運用態勢確立宣言」は正に「苦肉の策」と言えましょう。

それでも管轄する空軍輸送コマンド司令官が、リスクを覚悟の上で前線の兵士に対し、逃げも隠れもせず「私には今KC-46が必要なのだ」と正々堂々と述べることで、部隊運用に勢いも出ると期待しています

ちなみにMinihan司令官は、本来32個の勲章を授与されており胸につけることが可能なようですが、前職の太平洋軍副司令官時代に、個人功績に関するものは装着せず、大規模部隊指揮官として、部隊表彰を受けたことを表す3つのみを着用することにしたそうです。

KC-46などの関連記事
「空軍長官:KC-46の固定価格契約は誤り」→https://holylandtokyo.com/2022/06/06/3323/
「KC-XYZの再検討再整理表明」→https://holylandtokyo.com/2022/04/18/3151/
「RVS改修案に合意」→https://holylandtokyo.com/2022/04/27/3181/
「恒久対策は今も未定」→https://holylandtokyo.com/2022/01/13/2605/
「50機目受領も恒久対策未定」→https://holylandtokyo.com/2021/11/22/2424/
「KC-YもXと同じ対決へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-20
「KC-46に更に2件の最高度不具合発覚」→https://holylandtokyo.com/2021/06/24/1934/
「F-22とF-35のデータ中継装置を搭載へ」→https://holylandtokyo.com/2021/05/31/1727/
「KC-46空中給油機を一部の任務に投入開始」→https://holylandtokyo.com/2021/03/02/151/
「恒久対策は2023-24年から」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-30
「今度は燃料漏れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-31-1
「やっぱりだめで更に1年遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「重大不具合について3月に手打ち!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-21
「空軍トップが新CEOに改善要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

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Pitch Black演習中に6機のF-22も北部豪州基地に [米空軍]

同演習とは別で豪州F-35Aと連携訓練
8月中旬から同演習拠点の豪Tindal基地に約1か月間も
記者団の取材を避け「dynamic force employment」訓練

F-22 RAAF4.jpg9月9日付Defense-Newsは、豪州北部で実施された大規模多国間航空演習Pitch Black期間(8/19-9/8)と重なる約1か月間、ハワイ所属の米空軍F-22戦闘機6機が、同演習とは別枠で同演習拠点基地の一つである豪軍Tindall基地に展開し、豪空軍F-35Aとの連携訓練を行うなど、2018年国家防衛戦略NDSに示されたコンセプト「dynamic force employment」訓練を行ったと紹介しています。

対中国を強く意識したコンセプト「dynamic force employment」は、同盟国や米軍兵士の負担となる米軍戦力の常駐形式ではなく、必要時に緊要なタイミングで大規模戦力を特定地域に投入する戦力運用コンセプトで、敵を抑止することを意識して「戦略的には予測可能だが、作戦運用面では予測不可能な戦力運用:strategically predictable but operationally unpredictable」との「売り文句」で米軍が取り組んでいるものです

F-22 RAAF.JPG米国の対テロから対中国本格紛争対処に向けた体制変換「戦力配置見直し:Force Posture Initiatives又はForce Posture Review」の中で、米国と豪州は「空軍戦力協力強化計画:Enhanced Air Cooperation program」に合意しており、今回のF-22の展開はその大きな協力強化プログラムの一環として、コンセプト「dynamic force employment」を訓練したものと担当の豪州空軍少将が説明しています

8月中旬から9月中旬まで6機のF-22が展開したTindall豪空軍基地は豪F-35Aの配備基地の一つで、Pitch Black演習への参加機約100機の大半が展開したDarwin豪空軍基地から200nm南に位置していますが、同演習用の豪A330空中給油機や米KC-130J給油機もTindallを拠点としたことから、同演習とは別枠で訓練するには好都合だったのかもしれません

F-22 RAAF3.JPGDefense-NewsのPitch Black演習取材チームがF-22派遣部隊への取材を試みたものの実現しなかったようですが、Tindall基地にF-22と豪F-35Aが並んで駐機され、5機のF-22と数機の豪F-35数機が繰り返し離発着していたことから、2機種の相互運用性や連携要領確認を主目的にした訓練が行われたものと記事は推測しています
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2018年に国家防衛戦略NDSが公開された当時は、対中国作戦のキーワードとして、「dynamic force employment」とか「strategically predictable but operationally unpredictable」とのフレーズをよく耳にしましたが、最近はこの言葉をあまり聞きませんねぇ・・・

F-22 RAAF5.jpg最近では米軍OBや専門家が、米太平洋軍には対中国用の軍事費が増額投入されているが、肝心の米軍は4軍がそれぞれ「我が道」を進んで相互支援に消極的で、移動艦艇攻撃能力や弾薬備蓄の不足も20年間変化なく、統合作戦能力向上の証拠はどこにもないと酷評https://holylandtokyo.com/2022/07/06/3396/)するなど、米国防省や米軍あるあるの「コンセプト倒れ」様相を呈している感が漂う状況です。残念ながら・・・

話は戻りますが、ネット上の情報によれば、今回のF-22展開期間に豪空軍パイロットがF-22操縦までやったようです。

豪州主催Pitch Black空軍演習の関連
「7か国空中給油機による外交が花盛り」→https://holylandtokyo.com/2022/09/14//3650/
「シンガポールはA型にも興味」→https://holylandtokyo.com/2022/09//3638/
「ドイツ戦闘機が初参加で日本にも」→https://holylandtokyo.com/2022/08/18/3566/
「豪州KC-30A給油機と空自F-2の給油適合試験」→https://holylandtokyo.com/2022/05/10/3211/

対中国軍事作戦準備に大きな懸念
「酷評:対中国の統合強化はどこへ」→https://holylandtokyo.com/2022/07/06/3396/
「生みの親・太平洋空軍司令官がACE構想の現状を語る」→https://holylandtokyo.com/2022/06/24/3374/

2018国家防衛戦略関連
「CNASが2018NDSに対案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-14
「CSBAの海洋プレッシャー戦略に唖然」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13
「国家防衛戦略:対テロから中露対処へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-01-20

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米空軍が新たなStand-off兵器開発に情報収集 [米空軍]

企業に提案依頼し、9月27日の軍事産業デイに質疑&面談
要求射程距離は非公開で、2030年頃からの調達を目途に
専門家は中射程のJASSM-ERより安価なものと推定

SoAW3.jpg9月1日付米空軍協会web記事が、米空軍が2030年以降からの調達を想定した新たなスタンドオフ兵器導入を目指し、8月23日に企業に対し提案依頼文書を発刊し、9月27日にエグリン空軍基地で実施される軍需産業が集まるイベントで提案企業と議論する計画だと報じました

米空軍が求める射程距離が「非公開」となっている新スタンドオフ兵器は、SoAW(Stand-off Attack Weapon)との名称で、「一つのデザインで多様な作戦運用コンセプトに対応可能で、デジタル設計技術を活用して開発され、仕様が定まった後は複数企業がベンダーとして製造を担当する」との考え方で開発&製造が進められる構想になっています

SoAW.jpg提案依頼文書では、2025予算年度からプロトタイプ製造やデモ試験等を開始し、開発進捗状況を確認しながら2030年から33年ごろに初期調達が行われる予定と記されているようです

提案を希望する企業は、提案SoAWの大きさ、使用するセンサー、推進装置、弾頭、管制装置、飛行制御装置、データリンクとセンサー等の使用周波数帯、機動性、機体とのインターフェイス、更に実証済技術部分と今後要開発部分の区別を提案に含めることが求められ、デジタル設計とオープンアーキテクチャーであることが前提とされています

SiAW.jpg新スタンドオフ兵器開発の背景として、米空軍は対中国を念頭に、様々なWar-Gameやシミュレーションを通じて作戦運用や必要な兵器の分析を進めていますが、膨大な数の攻撃目標を強固な防空網を突破して攻撃する兵器の確保に苦慮していることがあります

スタンドオフ兵器としては、既に配備されている射程1000㎞超の対地攻撃用JASSM-ERや対艦攻撃型のLRASMがありますが、高価であるため大量の目標をスタンドオフ兵器だけで攻撃する数量確保は困難であり、米空軍はステルス機に搭載して「スタンドイン攻撃」する新たな兵器SiAW(Stand-in Attack Weapon)導入検討を5月から3社(L3 Harris, Lockheed Martin, and Northrop Grumman)と開始しているところです

Gunzinger2.jpgこのような状況下での新スタンドオフ兵器開発開始に専門家も「?」な状態で、陸海軍がスタンドオフ兵器導入や開発ばかりに注力していることや、空軍の輸送機からの長射程兵器の投下発射検討を非難して、スタンドオフとイン兵器数の適度なバランスを主張しているMark Gunzinger(ミッチェル研究所・元空軍大佐)氏も、「ミステリアスな計画だ」とコメントしています

それでもGunzinger氏は米空軍のこれまでの動きから、「SoAWは、ステルス機が多数搭載可能な、生存性の高い中射程兵器のニーズを満たすものではないか」、「米空軍は多数存在する目標を攻撃可能な手頃な価格の兵器を求めており、JASSM-ERより(射程は短くても)安価な兵器を追求しているのではないか」とSoAWについて推測しています

米空軍は9月27日の「industry day」において、SoAWに関して公開の場で質疑応答を参加企業と行って情報を産業界と共有し、更に各提案企業と個別面談も行って疑問点を可能な限り解消し、企業側が協力しやすい環境を提供したいと説明しています
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SoAW2.jpgスタンドイン兵器のSiAW検討を5月から8月25日まで実施していたと思ったら、8月23日から今度はスタンドオフ兵器SoAWの検討開始です。様々な検討を行う過程での検討でしょうが、搭乗員の救難救助態勢が不十分な中、安価と言えども「スタンドイン」兵器依存度を下げなければ作戦目的達成は困難との方向でしょうか

鳴り物入りで米海兵隊が出した「スタンドイン戦力で頑張る構想」も、よく読めば、遠方攻撃部隊に敵の位置を知らせる事が主任務になりそうな偵察部隊の色が濃く、対中国における西太平洋地域の現実を突きつけられた気分です

Brown2.jpgそういえばBrown空軍参謀総長が先日インタビューで、「同盟国が我々にとってのスタンドイン戦力であり、そのような状態で米軍がスタンドオフ戦略を追求するとは言えない。我々はスタンドwithだ」との趣旨の発言をしていますが、本音だと思います

スタンドインとスタンドオフ関連の記事
「米海兵隊スタンドイン部隊準備」→https://holylandtokyo.com/2022/08/19/3546/
「米海兵隊のstand-in force構想」→https://holylandtokyo.com/2022/05/25/3264/
「米陸軍は2023年から遠方攻撃兵器で変わる」→https://holylandtokyo.com/2020/09/11/478/
「スタンドオフ重視を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-19-1
「Stand-inとStand-offの適切バランスが不可欠」→https://holylandtokyo.com/2020/07/01/562/
「遠方攻撃をめぐり米空軍が陸海海兵隊を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-22
「米空軍トップも批判・誰の任務か?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-02
「海兵隊は2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06

Brown空軍参謀総長は言葉を選びつつ
「スタンドwithだ」→https://holylandtokyo.com/2022/09/08/3614/

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無人機ウイングマン機CCAは多様な任務に [米空軍]

NGAD随伴だけでなく、F-35、E-7、KC-46、地上から操縦も
Brown参謀総長が米空軍の話題を広範に語る
同盟国軍は「我のstand-in F」で「我はstand with」と表現
F-35の維持費削減見通しに慎重な表現
対中国での救難救助態勢を再検討中と

Brown4.jpg8月29日付米空軍協会web記事が、シンクタンクAEIによるBrown空軍参謀総長へのwebインタビュを紹介し、「無人ウイングマン機」「ACE構想」「救難体制の再検討」「F-35維持費見積もり」などなど広範囲の話題についてついて断片的ながら語っています

最近は米空軍全体の動きに関し、活発に発言するKendall空軍長官の発言をご紹介する機会が多いのですが、検討途中の段階でも発言してしまう同長官に対し、慎重にワシントンDC勤務者らしく言葉を選んで発言するBrown大将の方が全体像に近いとの見方もできますので、以下では項目ごとにご紹介します

無人ウイングマン(CCA:collaborative combat aircraft)関連
XQ-58A Valkyrie2.jpg●(NGADと共に2030年代の何時ごろ飛行可能になるか?との質問に、時期については語らず、)CCAに関しては、センサー、シューター、兵器運搬機など多様な役割を期待し、作戦機運用コスト削減も狙いの一つである
●NGADから操縦され共に飛行するだけではなく、CCAはF-35やE-7やKC-46や地上から操縦され飛行することも検討している。(注:KC-46は空中給油機として以外にも通信ノードとしての役割を期待され、また最近では戦闘管理に役割を期待する声も出てきている)

●(Kendall長官がCCA関連技術は十分成熟していると今年発言しているが、Brown大将は何時作戦投入されるかに関しては答えず、関連でCCA等を活用して米空軍は5年以内に「stand-in force」体制になるかとの質問に対し、)やるべき仕事がまだ残っている。米空軍は近未来の間はstand-inとstand-offのハイブリットであり、同盟国が我々のstand-in戦力で、我々がstand-offになるとの戦略は立てられない。米空軍は「stand-with」だ

作戦運用の大きな変化ACE構想
ACE3.jpg●部隊視察で兵士たちに会うと、過去30年の戦い方とは異なるACE構想(agile combat employment)の必要性について理解してくれており、分散した拠点からの作戦や、兵士が複数の能力を持つことの重要性をわかってくれていることがわかる。また多くの努力が投入されていることも明らかだ
●また分散運用を促進するACE構想推進のために、権限の下部組織や前線への委任を一層進めるドクトリン変更にも理解を示してくれている

救難救助態勢の見直し
HH-60W2.jpg●アジア太平洋地域の特性(距離の克服)や救難救助を担ってきた回転翼機の脆弱性増加に伴い、米空軍は2023年度のHH-60W救難ヘリ調達数を削減することとし、べトラム戦時から継続してきた救難救助作戦コンセプトの見直しを行っている
●今や脅威のレベルは変化しており、従来救難任務に従事してきた回転翼機やオスプレイが撃墜されることを恐れており、考え方を変える必要に迫られている。無人機の活用などに焦点を当て、様々な検討を行っている

F-35の維持整備費高止まり問題について
F-35 Gilmore.jpg●初期に見積もられている「F-35の飛行時間当たりのコスト」は「楽観的過ぎる:overly optimistic」見積もりとなっており、米空軍は従来の「飛行時間当たりのコスト」見積もりから、「1機あたりの年間維持コスト」見積もりモデルに変更し、米空軍全体の負担の「見える化」推進に資する方向で進めている
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その他にもBroun参謀総長は、インフレによる物価高騰の影響が勤務地によって異なり、諸手当の見直し等が追い付いていない問題について米軍兵士向けに説明していたり、パイロット不足に対して養成期間の短縮や民間航空会社との定期協議を行っていることを説明しています

Brown2.jpgまた、ウクライナの教訓から同盟国等との継続的な訓練が重要であることや、同盟国の能力向上に取り組むことの重要性についても強調しています

「飛行時間当たりのコスト」見積もりから、「1機あたりの年間維持コスト」見積もりへのシフトは、航空自衛隊にも影響を与えるのでしょうか???

無人機ウイングマン構想
「空軍長官:B-21用にも新規開発」→https://holylandtokyo.com/2022/03/24/2938/
「まず5世代機の仮設敵機役から!?」→https://holylandtokyo.com/2021/08/18/2084/
「頭脳ACSを2機種目で試験成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-02
「Skyborg構想の頭脳ACSで初飛行2時間」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-06

救難救助体制の再検討
「対中国作戦での救難救助任務が今ごろ大問題に」→https://holylandtokyo.com/2022/07/15/3463/

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米空軍バーチャル訓練センターの現在位置 [米空軍]

2020年8月に開設したVTTCの現状と方向性
改めてバーチャル訓練の必要性や重要性を確認

VTTC.jpg8月23日付米空軍協会web記事が、2020年8月に開所して2027年の運用態勢確立に向けた設備や各種連接機能の充実過程にあるた米空軍VTTC(バーチャル試験&訓練センター:Virtual Test and Training Center)の現状を紹介しています

ネバダ州ネリス空軍基地内に建設されたVTTCは、米空軍戦闘コマンドACCの配下にある「Air Force Warfare Center」(指揮官少将)の一部をなす施設で、フロリダ州エグリン基地に司令部を置く第53航空団(同Warfare Centerの配下部隊:各種兵器&戦法開発や電子戦やISR等の技術戦術開発を担い提案する専門部隊)が管理する施設です

VTTC2.jpg縦横80m四方の規模イメージのVTTCは、2020年8月開所時に「世界中で発生しうる如何なる紛争もこのセンターで再現や提示ができる体制を目指す」、「最終的に、米空軍のみならず、米軍他軍種や同盟国が世界中からバーチャル演習に参加可能な態勢に」、「今後F-15Eシム装置を建設するほか、既にネリス基地内所在のF-35、F-22、F-16戦闘機のシミュレーターを、同センターと連接してバーチャル環境に組み込む予定」等々と構想が紹介されていたところです

23日付の記事はVTTCの現状について、「2028年まで毎年25億円規模の予算を付け、ソフトやシム装置の充実に取り組んでいく」、「(米空軍の研究開発を担う)マテリアルコマンドや米海軍システムコマンドの協力も得て先行的にVTTC充実を図る」とのVTTC担当幹部のコメントを紹介しています

VTTC3.jpgまた2023年度予算で、米国政府保有のモデル検証やシミュレーション実験環境であるJSE(Joint Simulation Environment)への連接も計画されており、VTTC指揮官の中佐は「JSEとの連接機材搬入のため、古い機材を運び出す等の準備作業を行っている」と説明しているほか、

米空軍の主要な作戦用航空機全てをVTCCと連接できるよう、機種毎にバラバラなシム装置を連接できるような検討や、ネリス空軍基地近傍の演習場で実施される実機飛行をVTTCと合成できるような技術開発にも取り組んでいると語っています。

VTTCが重要性を増す3つの理由
(VTCC運用管理部隊指揮官の説明より)

●敵及び味方の進歩が早く実環境で十分な訓練が困難
VTTC4.jpg・中国やロシアは急速に新兵器の導入や陸海空宇宙ドメインを融合した運用法導入を進めており、実環境で米軍の仮設敵部隊が敵を模擬することが困難。例えば中国のJ-20ステルス戦闘爆撃機の模擬は、米軍の仮設敵機部隊では困難
・また、米軍の装備も格段に進歩しており、例えばF-35のような優れたセンサーとAI分析能力を装備する機体は、敵のSAMを模擬した地上装備を見破ることが可能で、そのような能力を含めた最大発揮を訓練させる環境の作為が実環境では不可能に

●演習場の広さや電磁環境の制限下では訓練が困難
・保有兵器の射程が延伸される方向にあり、演習場内では戦闘環境が設定できない
・また、宇宙も含めた複雑な電磁スペクトラムへの妨害が想定される中、実環境でそのような妨害を模擬することは困難

●機種毎に各企業が作成したシム装置を連接するのは大仕事
VTTC USAF2.jpg・5年ほど前からバーチャル環境訓練の重要性が認識され始めたが、バーチャル訓練や他機種シム装置との連接を念頭に開発された各機種シム装置は少なく、本格紛争を模擬するレベルの連接には高度なシム連接合成環境(synthetic environment)の創設が必要
・更に、同盟国やパートナ国等にも参加しやすい環境を提供するにも、米国製アセットだけではなく、広く対応可能なシム環境を準備する必要がある
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VTTCが2020年8月に開設された際にもコメントいたしましたが、日本は広大な国土を持つ米国よりも遥かに実機による実動訓練や演習が難しい環境にありますから、最新装備を導入すればするほど、このようなバーチャル訓練環境が必要になると思います

VTTC5.jpg例えば航空自衛隊であれば、F-35機体購入費だけで財布が空になり、訓練費も維持整備費も、バーチャル訓練環境も置き去りにされ、・・・ついでにネットワーク環境整備も不十分なので、ネリス基地との連接も困難・・・との状態でないことを祈ります

米空軍シム訓練センターVTTC関連記事
「ネリス基地で開所式」→https://holylandtokyo.com/2020/09/08/475/

5世代機とバーチャル訓練
「F-35用廉価版SIM装置」→https://holylandtokyo.com/2021/12/09/2496/
「米空軍がAIシム訓練アイディア募集」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-26
「5世代機用に訓練空域拡大要望」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-12-09-1
「5世代機訓練は実&シム併用で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-11-24-1
「シム訓練でF-22飛行時間削減へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1
「F-35SIM連接の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-05
「移動簡易F-35用シミュレーター」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-02
「5世代機はバーチャル訓練で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-1
「DMT構想について」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-06

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次世代制空機エンジン開発を機体メーカー含め契約 [米空軍]

AETPエンジン開発のGE社とP&W社に加え
おなじみの機体開発企業3社もエンジン開発に参画契約
NGADとAETPコンビは技術的飛躍なので・・・

NGAD9.jpg8月22日付米空軍協会web記事は、同19日に米空軍が発表した次世代制空機NGAD用エンジンであるAETP(Adaptive Engine Transition Program)開発に関する契約に、AETPをそれぞれ開発しているGE 社(XA100エンジン)とPratt & Whitney社(XA101エンジン)に加え、競い合っているはずの機体開発3企業ボーイング、ロッキード、N-グラマンも含まれたことが話題になっていると報じています

この新エンジン開発契約は2032年までを対象とし、NGAD用プロトタイプAETPエンジン開発を約1300億円上限で契約するもので、新エンジンの「設計・分析・基礎試験・プロトタイプ試験・機体等との融合試験を通じて、新エンジンの技術的成熟や開発リスク低減」、「デジタル設計開発への転換」を狙いとしています

AETP XA-100.jpgなお、最近AETP関連で空軍長官等が発言して騒ぎとなっているのは、“F-35のエンジンを現F135からAETPに換装するのか、F135を改修して継続使用するかどうか?”に関してであり、当初から次世代制空機NGAD用に開発されていたAETPとNGADとの関係に問題が発生しているわけではなく、今回の契約はNGAD開発の状況を知るための貴重な情報としてお知らせするものです

ちなみに米国の第5世代機用エンジンは、1980年代後半から検討が開始された先端戦闘機開発(ATF)計画のなかで開発が進められ、F119とF120が試作され、F-22にはPratt & Whitney社製のF119エンジンが採用されました。そしてその後開発されたF-35には、F119を改良したF135が採用されています

AETP XA-101.jpg今回のAETPエンジンは、一世代先を行く次世代制空機用に新たに開発される新世代エンジンで、「第三の空気の流れ:third stream」等との新たな発想を取り入れていることから、まだNGAD主契約企業も決まっていない段階でのエンジン開発契約に、可能性のある全ての主契約候補企業を含めた模様です。

このあたりの背景について記事は、軍需産業連盟・先端技術研究所の上級研究員(元米空軍チーム科学者)Mark J. Lewis氏の見方を紹介し、「AETPは例えば、推力重視か航続距離重視かの2者択一の問題に対し、両方のニーズを柔軟に反映することが可能なエンジン技術に立脚しており、機体設計全体と当初から連携することでより能力を発揮できる」、「第三の空気の流れ導入により、機体内での配置を従来とは少し変える必要がある」等の点から、エンジン開発にNGAD主契約企業候補も当初から組み込まれたと推測しています

Kendall air.jpgNGADに関しては、2022年6月にKendall空軍長官が、「NGADはEMDフェーズ(engineering and manufacturing development phase)に入った」と発言し、基礎的な技術要素確認段階を終え、本格開発に向けた一歩を踏み出したことが明らかになりましたが、依然として主契約企業は競争段階にあると後に補足説明しており、まだまだ「謎」に包まれたままです

NGAD関連記事
「EMDフェーズに入った」→https://holylandtokyo.com/2022/06/03/3315/
「次期制空機NGADは1機が数百億円」→https://holylandtokyo.com/2022/05/09/3193/
「NGADの無人随伴機開発は」→https://holylandtokyo.com/2022/03/24/2938/
「NGADに発言相次ぐ」→https://holylandtokyo.com/2021/11/11/2376/
「戦闘機族ボスが少し語る」→https://holylandtokyo.com/2021/09/16/2211/
「戦闘機族ボスがNGADへの危機感」→https://holylandtokyo.com/2021/03/05/154/
「次期制空機のデモ機を既に初飛行済」→https://holylandtokyo.com/2020/09/17/482/

F-35のエンジン問題
「空軍長官:AETP搭載を主張」→https://holylandtokyo.com/2022/08/09/3515/
「数か月で決着すべき」→https://holylandtokyo.com/2022/05/26/3260/
「上院でエンジンとODIN議論」→https://holylandtokyo.com/2022/05/18/3223/
「下院軍事委員長がAETPに関心」→https://holylandtokyo.com/2021/09/09/2184/
「民間監視団体が酷評」→https://holylandtokyo.com/2022/03/25/2933/
「エンジン問題で15%飛行不能」→https://holylandtokyo.com/2021/07/27/2022/
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holylandtokyo.com/2021/02/17/263/
「Lord次官が最後の会見でF-35問題を」→https://holylandtokyo.com/2021/02/03/254/

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米空軍がKC-YとKC-Zの検討予定に言及 [米空軍]

KC-Yの要求性能を今秋に固めて調達方針を来春に
KC-Zは予定を数年早めて2024年には要求性能検討開始

blended wing3.jpg8月11日、米空軍マテリアルコマンドの「Life Cycle Industry Days」で米空軍の空中給油機計画担当Paul Waugh氏が、KC-46と将来給油機KC-Zの間を支える「つなぎ給油機KC-Y:bridge tanker」の要求性能を今秋にも固め、2023年春にはどのような方針で調達するか明らかにすると述べ、更にこれまで2030年代に入ってから検討するとしていた「KC-Z」について2024年から要求性能検討を開始すると説明しました

blended wing5.jpg先ず、「つなぎ給油機KC-Y:bridge tanker」については、Kendall空軍長官が今年3月に「機種選定はやらない方向」「ボーイング製KC-46の改良型で」との方向を示唆しましたが、対抗馬に名乗りを上げていたロッキードとエアバス社合同チームのLMXT(modified A330 Multi-Role Tanker Transport)に配慮したのか、その後同長官が「米空軍による正式な要求性能検討を踏まえて決定する」「技術動向分析を行って」等と慎重な発言をしているところです

「KC-Z」に関しては、第5世代戦闘機に随伴可能なステルス性を持つ機体までを含めた検討が示唆され、例えば最近BWB(blended wing body)機の技術成熟度を見極める情報収集が関連企業を巻き込んで行われるなどの動きがみられますが、これも空軍長官が従来の予定からの大幅前倒し検討を指示して予備的検討が6-7年前倒しの2023年から開始されることになったとWaugh氏が説明した模様です

「KC-Y」に関してWaugh氏は・・・
LMXT.jpg●米空軍から「requirements:要求性能など」が示されるのを待っており、それが公表された後、KC-Y検討をリードする米空軍輸送コマンドが細部を空軍司令部と詰め、統合要求性能評議会(Joint Requirements Oversight Council)などと調整して決定される。具体的な日程は把握していないが、今秋には要求性能が明らかになるだろう。そして調達方針(acquisition decision)は2023年春に決定されるだろう

●同時に我がマテリアルコマンドでは、2つの企業グループであるボーイングとロッキードからの提供情報などを踏まえた「技術動向の背景調査」を進めており、必要な情報提供を空軍省や空軍司令部に行っている

※ なお7月のFarnborough航空ショーでロッキード社担当幹部は、(機種選定の無いKC-Y機種決定ではなく、)「公平な競争の機会が与えられると期待している」と発言して米空軍の動きをけん制している

「KC-Z」に関してWaugh氏は・・・
KC-Z 3.jpg●当初は2030年代にKC-Zの要求性能等について固める方針だったが、Kendall空軍長官からもっと早く進めよとの指示があり、優先して検討を進めている
●マテリアルコマンドの「Life Cycle Management Center」は、空軍輸送コマンドと連携して2023年には「pre-analysis of alternatives:要求性能の事前検討」を開始し、2024年には同検討を公式に開始する

●その「analysis of alternatives:要求性能」検討を受け、「a family of systems」の中でのKC-Zの位置づけや性格付けを行い、それに基づいて情報提供要求(RFI: request for information)を発出し、KC-Zが追求する残存性、相互運用性、自立運用性程度に応じた実現可能性に関する情報収集を行って具体化に見受けた検討を深化する予定だ
●このKC-Z検討過程で得られた知見は、KC-Zだけでなく、KC-YやKC-46やKC-135の今後の計画にも生かされる予定である
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KC-46A9.jpg8月10日~12日に開催された「Life Cycle Industry Days」会議から、「デジタル設計」「F-16の今後」そして「KC-YとZ検討の今後」についてご紹介してきました。

「東京の郊外より」でこの会議を取り上げるのは初めてだと思いますが、Kendall空軍長官やBrown空軍参謀総長が以前から述べてきた「2024年度予算案から本格的な革新」との言葉を予感させるものとなっています

単発の3つの話題だけでは全体像が見えませんが、今秋からの米空軍の動きを予感させるものとしてご紹介しておきます。空中給油機については、「KC-Y」でドロ沼機種選定を避けるためには、「KC-Z」のイメージも見据えつつ「KC-Y」はKC-46改良型でよいとの結論にしたいのでしょう

空中給油機検討の関連記事
「BWB機の技術動向調査」→https://holylandtokyo.com/2022/08/05/3508/
「将来給油機体制検討に企業へ情報提供依頼」→https://holylandtokyo.com/2022/07/11/3425/
「給油機のミニマム必要機数を削減」→https://holylandtokyo.com/2022/06/13/3319/
「KC-XYZの再検討再整理表明」→https://holylandtokyo.com/2022/04/18/3151/
「KC-Yにロッキードが名乗り」→https://holylandtokyo.com/2021/10/05/2260/
「つなぎ空中給油機KC-Yに着手へ」→https://holylandtokyo.com/2020/12/01/333/
「2016年当時の空中給油機後継プラン」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-09-22

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米空軍のF-16後継や将来検討に進展なし!? [米空軍]

昨年の2030年代も使用発言が、14日には2040年代までと
現有約900機で、2030年時点でも約700機以上保有

F-16 Viper2.jpg8月14日、米空軍マテリアルコマンド主催の「Life Cycle Industry Days」でF-16担当幹部が講演し、2021年5月頃にBrown空軍参謀総長らが表明した「将来戦闘機体系の検討開始」の中で示唆された、F-16後継想定のMR-X(malti-role Fighter)開発やT-7練習機の改修に関する指示は全くないと述べ、依然として米空軍司令部や戦闘コマンドACC検討チームの掌中にあると言及しました

そして、約20年間の延命を可能にする1機数億円相当のF-16への延命改修SLEP(service life extension program)改修はほぼ終了し、現時点で約900機保有で、2026年までに124機削減しても2030年時点で700機以上保有しているF-16は、2040年代まで現役として活躍しているであろうと表現しました。

F-16 Viper5.jpgこの「2040年代にも」との表現は、昨年5月頃に将来戦闘機体系検討の話が出た当時の「2030年代にも」との表現を一歩拡大したもので、2030年代半ばに登場が示唆されていた「MR-F」検討に新たな指示なしとの話と合わせ、予算難の米空軍にあって、今後も多様な任務に対応可能なF-16が重宝されそうな方向に益々傾いていることを示しています

具体的に同イベントで担当空軍幹部は・・・

●F-16計画担当リーダーTim Bailey大佐
「我々は2040年代に入っても、数百機のF-16が現役として活躍していることを予期している。」

●戦闘機担当計画執行責任者Dale White准将
White F-16.JPG「F-16後継機検討開始に関する指示は一切受けていない。MR-FやMR-Xと呼ばれるものや、T-7練習機の改修案などに関しても、米空軍マテリアルコマンドには一切要望は届いていない」

※ なお、MR-Fに関してBrown参謀総長は2021年5月当時、「5世代機マイナス」「ステルス機は意図していない」「必ずしも高い生存性は求めていない」「費用対効果」と表現し、当時のACC司令官Homes大将はT-7練習機を武装することも一つのオプションで、資金や維持整備能力に限界のある諸外国への輸出用にも可能性があると発言していました
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ちなみに、2021年5月当時の将来戦闘機検討の方向性は

現在の7機種から「4機種+1」へ
・「4機種」とは、F-22後継イメージのNGAD、F-35、F-15EX、そしてF-16かその後継機
・「+1」はA-10攻撃機

2021年から今後10年の方向性
(2021年5月14日付米空軍協会web記事報道)

・米空軍が旧式アセット早期引退を急ぐ背景
— 航空アセットの44%が当初の運用寿命オーバーで使用中
— 米空軍航空機の平均年齢は28.6歳 老朽化
— ちなみに米陸軍は15.3歳、海軍は14.4歳
— 豪空軍は8.9歳、英空軍は16.6歳
・以下の早期引退進め、近代化加速でも、年間7-8千億円資金不足

・米空軍が2026年までに退役させたい戦闘機421機
(以下の退役規模は2010年初頭の250機以来の規模)
— F-15C/Dを234機、F-16を124機(残り812機に)
— A-10を63機 (ただし2023年までに:現281機)
・一方で2026年までに新規導入希望304機
— F-35Aを220機、F-15EXを84機

・F-22は2030年から退役開始
— NGADが後継となる方向
— 今も近代化改修中も、20年後はハイエンドで戦えない
・F-15EXの方向性
— 2022年に11機、23年に14機、その後年19機導入
— 遠方からハイエンド紛争に参画、それ以外では制空任務も
— 極超音速兵器や、空対地ミサイルAGM-183A・ARRW搭載へ
— また中国の長射程空対空ミサイルPL-15に対抗
長射程空対空ミサイルAIM-260搭載か

・維持費高止まりのF-35調達ペースは
— 2022年度は48機要求も、以後2023-26年は年43機ペースに落とす
— これにより2023-26年調達機数を240機から220機に削減
— 当初の年間1機維持費見積4.5億円だったが、現時点では2036年でも8.5億円
— F-16とA-10全ての後継機のはずが、維持費下がらず方向転換へ
— 一応空軍は「Block4」が完成したら調達ペース上げると言い訳

・2035年頃から導入MR-X(malti-role Fighter)
— 約600機のF-16後継をイメージ。6-8年後から検討開始
— デジタル設計技術導入で、開発期間短く、短期間使用で維持費抑制
— 早いサイクルで次世代機導入で陳腐化避ける
— ハイエンド紛争には限定的役割も、多用途で任務あり
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LCID.jpgF-35のエンジン問題(AETPへ換装か、現F135改修か)や、NGADが1機数百億円するとのKendall空軍長官発言もあり、とても戦闘機の将来体制を議論する余裕がないのが現実でしょう

対中国作戦での戦闘機操縦者の救難救助体制再構築も全く見通しが立たない中、今年の夏も盛りを過ぎようとしています・・・・

F-16関連の記事
「世界中で根強い人気のF-16」→https://holylandtokyo.com/2021/06/01/1784/
「米海軍が中古空軍F-16購入へ」→https://holylandtokyo.com/2021/06/17/1873/
「F-16人気にロッキードニンマリ」→https://holylandtokyo.com/2020/04/29/739/
「F-16生産移設であと200機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-3
「米軍F-16延命へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「稼働率8割はF-16だけが達成見込み」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-06
「インド選定に特別仕様F-16で挑む」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-22
「台湾F-16V型ようやく納入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-2

米空軍の戦闘機構成議論
「戦闘機の近未来体制は」→https://holylandtokyo.com/2021/05/21/1709/
「戦闘機は7機種から4機種へ」→https://holylandtokyo.com/2021/05/18/1496/
「戦闘機混合比や5世代マイナス機検討」→https://holylandtokyo.com/2021/02/22/266/

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デジタル設計技術で審査短縮や新規参入促進も [米空軍]

Digital Designの利点を空軍幹部が産業界に訴え
新規開発だけでなく、既存装備の一部にも導入と

digital design.jpg8月10日、米空軍の研究開発を担うマテリアルコマンドのDuke Richardson司令官がイベントで、「デジタル設計:digital design」技術について、例えばT-7練習機の開発設計工数が8割削減できたほか、皆が参集して会議形式で実施していた非効率で退屈な重要設計審査(critical design reviews)を日常業務可できる可能性や、軍需品への中小事業者の新規参入を促進する効果も大いに期待できると導入を促しました

digital design T-7.jpg発言は同コマンドが主催する「Life Cycle Industry Days」に参加した産業界関係者や米空軍の研究開発関係者に対して行われ、デジタル設計を「システム設計開発を根本的に変革するものだ」と表現して、単に開発設計の現場だけでなく、開発計画の過程に付き物の様々な審議や検討会の効率化や、書類業務の迅速化にも大いに貢献するとその効用を訴えるものとなっています

まんぐーすは「デジタル設計」について、パソコン画面上でCAD使用し、様々な試験をバーチャル環境で実施可能にして、設計上の問題点や要求性能の妥当性について効率的に判断してシステム開発を迅速化するものだとイメージしていましたが、

digital design2.jpg様々な開発過程のデータや書類を「日常的に共有all the time; every single day」し、「印刷された関連書類を卓上に積み上げての検討会プロセス」の効率化や、「契約に必要な書類の稟議チェック」を同時進行にすることにつなげるなどの効用があることを初めて知りました。これら非効率な仕事の仕方は「官僚制あるある」で、「デジタル設計」導入を契機にメスを入れとは、なるほどなぁ・・・と思います。

もちろん、まんぐーすがイメージしていた実地試験のバーチャルへの置き換え効果等々も非常に大きく、同司令官はマテリアルコマンド幹部にも「この技術が使えるようトレーニングを受けることを強く推奨してきたが、まだ道半ばだ」と軍内への普及も同時進行する必要性も認めています

Richardson M.jpgただRichardson司令官は、閉鎖的な軍需産業界に新たな企業、特に中小新興企業を招き入れる契機にしたいと考えており、「軍需産業界の皆さんには、このデジタル設計技術が如何に業務要領を変える可能性があるか検討してほしい」と述べつつ、「小さなビジネスを営んでおられる事業主の方には、この手法が厄介な仕事を排除して、大きな道を切り開く可能性があることを認識してほしい」と訴えています

また同司令官は、「デジタル設計技術」が次期ICBMのSentinelやNGADやT-7練習機と言った大型新規事業だけでなく、B-52エンジン換装やF-15EX開発と言った従来装備品の改修などにも導入され始めている点を強調し、全てに適応されるわけではないが、中規模の改修や能力向上事業には重要となるので、「バスに乗り遅れないでほしい」と表現しています
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digital design3.jpg「デジタル設計:digital design」を実際に行った経験もなく、同設計を使用したプロジェクトに関与したこともないまんぐーすは、Richardson司令官のアピールをそのままご紹介するしかできないのですが、この技術は民生技術を軍事にも応用したようなイメージですが、どうなんでしょうか?

日本でも普及が進むことを期待いたします

デジタル設計技術の活用
「F-22の能力向上」→https://holylandtokyo.com/2021/11/16/2410/
「F-15EX」→https://holylandtokyo.com/2021/03/22/166/
「戦闘機構成の検討開始」→https://holylandtokyo.com/2021/02/22/266/
「NGADのデモ機初飛行済」→https://holylandtokyo.com/2020/09/17/482/
「女性用にコックピット機銃変更へ」→https://holylandtokyo.com/2020/08/26/533/

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秋にも米空軍MQ-9が日本拠点に東シナ海監視スタートか!? [米空軍]

6月のValiant Shield演習で少人数&省装備での展開能力示す
従来55人から10名で展開可に。C-17でなくオスプレイで展開OK

MQ-9 Reaper.jpg8月3日付米空軍協会web記事が、アジア太平洋戦域で活躍の場を模索するMQ-9無人偵察攻撃機の第55試験評価飛行隊長にインタビューし、6月のValiant Shield演習でパラオに展開して自動離着陸能力ATLCを活用した「より少人数」「より少ない展開装備」での前線展開能力を実証し、更に2022年秋には日本に恒久拠点(permanent home)を立ち上げ東シナ海でのISR活動に乗り出すとの内容を紹介しています

MQ-9 Reaperは中東での対テロ作戦で大活躍した無人偵察攻撃機で、現在米空軍は約320機保有していますが、テロとの戦いから中国との本格紛争に体制を切り替えつつある米空軍にとって、ステルス性のないMQ-9をアジア太平洋でいかに活用するかが以前から検討議論されてきました

MQ-9 Reaper2.jpg6月のValiant Shield演習では、ATLC(automatic takeoff and landing capability)活用により、離着陸の操縦を現地に展開した地上要員が実施せず米本土から遠隔操作できるようになり、その他再発進準備も、エンジン始動と給油を除いて全て衛星通信遠隔操作で可能となったことから、展開させる装備品も減り、前線展開要員も従来の55名から僅か10名で可能となったということです。

具体的には、従来MQ-9部隊が前線展開するには、3-4日かけてMQ-9や操縦用コックピットや通信アンテナ等々を分解してC-17に積み込み、展開先到着後には再度すべてを組み立てて現地体制を確立する必要があったようですが、ATLC活用により、約180㎝四方のコンテナパック展開装備と10名が輸送可能なCV-22オスプレイやC-130輸送機で軽易に前線展開が可能になったとのことです

MQ-9 Reaper3.jpgこのような革新的な展開能力向上は米空軍ACE構想に中で「RACE:Reaper ACE」と呼ばれ、Valiant Shield演習では、ハワイからグアム経由で展開経験のないパラオに初展開し、軽装備少人数による低コストで計画した訓練を遂行したようです。

また、単に軽快迅速に展開しただけでなく、MQ-9に海上目標補足用のESMポッドを搭載し、広範囲を長時間連続で偵察飛行してリアルタイムで海上移動目標の状況をレポートしたり、敵側の攻撃準備を早期にキャッチして味方に知らせる事にも成功して、20時間連続飛行可能なMQ-9の有効性を演習参加部隊指揮官たちに示せたと飛行隊長は述べています

MQ-9 Reaper4.jpgそれでも、MQ-9が低速でステルス性のないアセットであることや、高価な衛星通信に依存していること、またATCL依存の展開にはリスクが伴うとの指摘もあり、米空軍内にはMQ-9のアジア太平洋戦域での活用に消極的な意見もあるようで、今回のValiant Shield演習の成果検証をまとめ、更なる改善のための提言を同飛行隊が中心になってまとめているようです

ただし、少なくとも平時からグレーゾーン時のISR活動へのMQ-9活用強化は着々と進んでいるようで、同飛行隊長Chmielewski中佐は、「基地整備の遅れから恒久配備(permanent employment)が遅れていたが、2022年秋までには、日本の航空基地に恒久展開拠点permanent homeが立ち上がるだろう」、「第一列島線上に配備し、南シナ海まではカバーしないだろうが、東シナ海にアクセスすることになろう」とインタビューで語っています
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MQ-9 Reaper5.JPG「2022年秋までには日本の空軍基地に恒久拠点」は初耳でした。

同飛行隊長は、「1週間程度の(今回実証できた)軽装備展開を地域の各地に行い、求められる常続的監視網の提供を行いたい」と抱負を語っており、三沢か嘉手納か配備先がわかりませんが、日本も高価なRQ-4から早くトンずらして、中古のMQ-9に移行することを考えてはどうでしょうか?

MQ-9関連の記事
「一般公道で離発着訓練」→https://holylandtokyo.com/2022/07/12/3426/
「4大シンクタンクがMQ-9の継続活用要望」→https://holylandtokyo.com/2021/11/29/2464/
「2回目の対中国応用演習」→https://holylandtokyo.com/2021/05/01/211/
「豪州へ12機輸出承認」→https://holylandtokyo.com/2021/04/29/119/
「本格紛争用に約1/4を改修&延命へ」→https://holylandtokyo.com/2021/04/28/118/
「JDAM完成弾運搬役も」→https://holylandtokyo.com/2021/03/09/156/
「無人機MQ-9の対中国海上作戦への応用演習」→https://holylandtokyo.com/2020/10/02/424/

日本が買わされた黄昏のRQ-4
「Block 40でも今後8年程度の賞味期限」→https://holylandtokyo.com/2021/07/28/2036/
「日本用RQ-4が米国で試験初飛行」→https://holylandtokyo.com/2021/04/21/112/
「自衛隊が希望していないRQ-4を買わされる件」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-05-22

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米国防省が胴体と翼一体型BWBの輸送機等の技術情報収集 [米空軍]

BWB(blended wing body)機の技術成熟度を見極めるため
空軍の輸送機と給油機、更に民航機への応用可能性を問う
少なくとも30%の空力特性効率化の提案を要望

blended wing.jpg7月21日付米空軍協会web記事は、米国防省の革新推進チームDIU(Defense Innovation Unit)と米空軍が企業に対し、BWB(blended wing body)型航空機技術の輸送機や空中給油機への応用可能性についての提案を8月2日までに求めており、同技術の民間航空機への応用によるコスト削減可能性にも関心を持っていると紹介しています

BWB(blended wing body)型航空機とは、翼と胴体が一体となった形状の航空機で、一般に内部搭載スペースが大きく、その形状から空力特性が良く燃料消費率が低く抑えられ、また形状から電波反射率が低くステルス性に優れていると考えられている機体です

X-48 boeing.jpg例えば、ボーイング社は2007年にX-48とのプロジェクト名でBWB形状の小型モデル機の飛行試験を行い、ロッキード社も何年にもわたりBWB形状期の輸送機や空中給油機への応用について研究を行っていると知られています

今回の企業側への情報要求に関し、米空軍は(KC-46A空中給油機の次のつなぎ給油機)KC-Yとの関連は否定していますが、KC-Yの次のステルス機の可能性も含め検討されているKC-Zとの関係については言及を避けています

blended wing5.jpgまた米空軍は現在、現在の主力輸送機であるC-17の将来について、C-17の延命策を追求するか、全く新しい輸送機を開発すべきかについて検討を開始しており、将来輸送機検討にも影響を与えるBWB情報収集だと見られているようです

情報要求書で国防省DIUは、政府機関が消費する全燃料の77%を国防省が消費しており、その大部分が航空機燃料であるが、数十年に及ぶBWB研究で燃料消費率の大幅な向上可能性が高まり、同形状機体の大幅航続距離延伸や燃料消費量削減が期待できるようになったと背景を述べ、「projected 2030」エンジン開発と融合すれば、少なくとも6割以上の燃費改善が期待できるとまで述べているようです

blended wing4.jpg具体的な情報要求事項としてDIUと米空軍は、機体形状、機体とサブシステムの想定パフォーマンスデータ、同機体の開発リスクと関連技術の成熟程度、機体実現までの開発設計等の計画、ライフサイクルコスト、ソフト設計計画などなどを要請しているようです

また同時にDIUは、民航機へのBWB技術の応用可能性についても情報提供を依頼しており、民間市場への応用可能性、市場戦略、狙いとする機体顧客、市場拡大の潜在性などを問いかけることで、BWB形状機体開発の国防省負担を軽減できる可能性を確認しようとしている模様です
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BWB(blended wing body)の利&不利点をググってみると

●利点は・・・
空気力学的効率の向上(効力の低減と揚力の増加)
騒音低減(突起物や表面積を減らし騒音低下)
積載物配置の自由度向上(従来型より内部空間が大きく、多様な形状の荷物受入れ可)
構造重量低減(機体全体が翼で、機体全体に揚力発生で強度確保用の重量削減可)

●欠点としては・・・
超音速飛行が難しい
積載物への負担増(機体横転時の左右翼端の貨物への負担台)
胴体構造の耐圧性減少(円形胴体に比し、耐圧性が低い)
旅客機にした場合は窓側席減少

様々な最新機体素材の開発等により、色々なアイディアが実現されれば面白いと思います。今後に期待です

BWB形状機体の研究
「米空軍が飛行の効率性改善研究」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2013-08-07-1
「BWBは超音速飛行に不向き」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2012-07-17-1

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米空軍が世界中の作戦天候予報にAI導入推進 [米空軍]

全世界対象を念頭に作戦遂行に不可欠な重要情報の精度向上へ
有事には地上観測データ入手不能を前提に衛星画像等で
未だ軍事作戦は天候に大きく左右されるのが現実

AI weather4.jpg6月14日付Defense-Newsが、同日講演を行った米空軍省のWinston Beauchamp副CIO(Deputy Chief Information Officer)の発言等から、米空軍が世界各地での軍事活動を念頭に、未だ軍事作戦が大きな影響を受ける気象予報精度を上げるため「AI」を導入しようと取り組む様子を紹介しています

普段、我々民間人が目にする天気予報でも、人工知能は当然活用し始めているのでしょうが、それら民間の一般気象予報は、地上に多数設置された日本のみならず世界各地の観測点情報や、船舶や航空機からの情報、観測気球などによって収集された多様な情報・データを集約しておこなわれます。

AI weather5.jpg一方で有事の軍事作戦の場合、作戦場所がどこになるか予想は困難であり、地域の特性を人がすべて把握しておくことは容易ではなく、また普段は問題なく入手可能な地上観測点のデータ等が敵対国から提供されない、又は捏造される可能性も大と考えられるため、軍事作戦用の天候予想は重要かつ難しい課題です

また、いくら精密誘導兵器や各種ミサイルが発達した現代においても、まだまだ気象が軍事作戦に与える影響は大きく、異常気象や激しい気象現象が頻発する近年においては特に、気象予報の重要性は変わらないとBeauchamp副CIOや空軍は訴えています

Beauchamp副CIOは空軍の取り組みについて
AI weather.jpg●AIを活用することで、地上観測点のデータなしで気象予想モデルの精度を上げ、収集可能なデータの範囲で将来予想・推測能力を上げて、世界中の予想精度向上に取り組んできた
●我々が作戦遂行する際は、民間の気象予報士が利用できる全てのデータを利用できる環境に無いにもかかわらず、気象条件の重要性が(軍事技術の発展により)意識されにくくなっている。忘れてはならない。軍事作戦立案において、気象条件は甚大な影響を現代においても与えるのだ

●米空軍は2021年にボストンの「Tomorrow.io社」と約24億円の契約を結び、レーダー搭載の気象観測衛星開発や気象インテリジェンス強化に取り組んでいる。また同年、Oak Ridge国立研究所と連携してスーパーコンピュータ活用の気象予報システムを立ち上げている。なお同システムをエネルギー省は、「世界最先端の気象予報モデルだ」と評価している
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AI weather3.jpgロシアによるウクライナ侵略は、極めて「20世紀的な戦いだ」とも評価されていますが、古今東西の戦史がその重要性を指摘してきた「兵站」「通信」などの戦いの基礎となる要素が改めてクローズアップされた戦いだ・・・ともみることができるでしょう

気象情報や気象予報も「戦いの基礎」となる重要要素であり、ハイテク化した戦いにおいても決して無視できないファクターであることを再確認するため、ぼんやりした記事ですがご紹介いたしました

少しは関連のある過去記事
「米国防省が気候変動対処プランCAPを発表」→https://holylandtokyo.com/2021/10/11/2318/

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対中国作戦での救難救助任務が今ごろ大問題に [米空軍]

米空軍が2023年度予算での救難救助ヘリの調達削減
今の装備では本格紛争での救難救助は困難との認識広がる
しかし現状の無人機では任務遂行には不十分で
脱出した操縦者用無線機や生存キット見直しも最近開始

CSAR2.jpg7月11日付Defense-Newsは、米空軍が2023年度予算案で2020年導入開始直後の最新救難ヘリHH-60Wの購入予算を1/3削減し、対中を意識した本格紛争における救難救助任務の在り方検討を始め、米議会も米空軍に関連の様々な将来計画提出を求めているが、現時点では無人機の活用等のアイディアが出ているものの、任務を単純ではなく課題は極めて大きいと報じています

母国から遠く離れた異国で戦う米軍兵士にとって、敵の勢力下で航空機が撃墜されたり、艦艇が撃沈された場合、または敵領域での地上活動を命ぜられた場合、いざというときに味方が救出してくれるとの「安心感」「信頼感」は士気に直結しますし、米国世論を踏まえれば、救助作戦が遂行不可能なエリアでの活動は、米大統領や米軍指揮官にとって極めて判断の難しいものとなります

HH-60W3.JPGそんな軍事作戦遂行の基盤中の基盤である「救難救助任務:レスキュー」遂行の作戦構想が、今頃になって根本的見直しを迫られているとは驚くべきことですが、どうしようもなく、手を付けられないから今まで放置せざるを得なかった感もあり、静かに対中国作戦の基礎が崩壊しつつあるとも見ることができます

仮に東シナ海で米軍機や米艦艇が撃墜や撃沈された場合、近傍の同盟国である日本が米軍兵士を見捨てることは、米国民感情からも、米軍兵士の目から見ても許容できるものではなく、日本の突き付けられた課題でもあることを念頭に置きつつ、同記事の概要をご紹介します

7月11日付Defense-News記事によれば

どのようにして救助するか
CSAR3.jpg●20年以上続いた中東での戦いでも、イスラム過激派の勢力下に取り残された有軍兵士を救助することは課題であったが、強固な防空システムを備えた中国のような国の防空エリアでF-35が撃墜され、米軍パイロットが脱出した場合、その救助をどのように行うかは大きな課題である
●敵の防空レーダーや地対空ミサイル網が整備された空域に、最新型と言えどもHH-60W戦闘救難へリを投入することは難しいと言わざるを得ない。米空軍が2023年度予算案で1年半前に部隊配備を開始したばかりの最新救助ヘリの調達予算を削減したのはそのためである

CSAR.jpg●そのような危険エリアには、エンジン音が小さく小型で、敵に撃墜されても低コストで済む無人電動ヘリを投入すればよいとのアイディアもあるが、HH-60Wと比較して速度が半分で航続距離も短い無人電動ヘリを投入して任務が遂行できるか疑問が残る
●HH-60Wの無人機型を導入するアイディアもあるが、負傷して動けない救助対象者の場合どうするか・・・との問題が大きくのしかかる。また無人にしてもHH-60Wの機体コストは高く、敵からの剛撃による損耗にコスト面で耐えられない

●無人ヘリの性能アップに投資する案もあるが、人工知能開発には相応の投資が必要で、任務に応じて多様な無人機を準備する必要も生じ、それ相当の初期投資は避けられない。
●いずれの場合も、全てを解決する1種類の新装備を導入すれば解決する問題ではなく、多方面からのアプローチが必要で、今すぐ方針を決めて装備開発等々を開始しても10年は体制整備に時間がかかる問題である

要救助者の延命装備開発
●撃墜され敵勢力下に脱出したパイロットを救助するには、パイロットとの意思疎通を可能にする高性能無線機が不可欠だが、1990年代に導入された現在のパイロット携行無線機を、より小型でバッテリー持続時間が長く、衛星通信可能で、敵に傍受されにくく、よりシンプル操作が可能な新型無線機の検討は始まったばかりで、最短で6年後の調達を目指している状況である

CSAR4.jpg●操縦者が敵領域に脱出した際に利用するサバイバルキットの見直しも急務である。最低限の食料や水や医薬品、自己防御用兵器などが含まれるキットであるが、作戦エリアに応じて中身の優先度が異なるべきとの意見があり、各地域指揮官が選択できるオプションの検討&準備も始まったばかりである
●米空軍はSERE訓練(survival, evasion, resistance and escape)の見直し&強化にも迫られている。専門家を養成して各航空団レベルに派遣し、これまで繰り返されてきた通り一遍の訓練の刷新が必要との意見も聞かれる
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「米空軍はレスキュー任務を再考し始めたが、どこへ向かうのか?」とのタイトルの長い記事ですが、その概要の概要を少しご紹介しました。

HH-60W2.jpg冒頭で「どうしようもなく、手を付けられないから今まで放置せざるを得なかった感」とご紹介しましたが、雰囲気を感じて頂けたかと思います

繰り返しになりますが、果てしなく広がる太平洋を、飛行したり航海してはせ参じる米軍兵士にとって、いざというときに助けに来てくれるかは極めて大きな問題であり、米太平洋軍が抱えるアキレス腱とも言えましょう

無人電動ヘリと救難ヘリHH-60Wの話題
「電動ヘリeVTOL導入に本格始動」→https://holylandtokyo.com/2022/06/29/3370/
「電動ヘリeVTOLでACE構想推進へ」→https://holylandtokyo.com/2021/04/13/105/
「米空軍の新救難ヘリはHH-60Wに」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2014-11-25-1

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高出力マイクロ波兵器HiJENKSとTHORに進展 [米空軍]

HiJENKSは高市議員も言及したCHAMPの発展型
THORは無人機の群れ撃退用で1年の前線テスト終了
エネルギー兵器とご紹介してきた高出力マイクロ波兵器

CHAMP5.jpg7月1日付Defense-Newsは、2種類の重要エネルギー兵器(高出力マイクロ波兵器HPM:high-power microwave)の開発発展状況を6月24日の説明会模様から紹介し、敵電子システム無効化を狙うCHAMPの発展小型化を狙うHiJENKSと、無人機の群れ対処兵器THORの装備名「Mjölnir」を取り上げています

どちらも、高出力マイクロ波を制御して敵基地や兵器、更には無人機の群れに照射し、高出力マイクロ波が敵システム内部の電子回路内部に強い電流を発生させて破壊する原理の兵器ですが、人や建物に対する被害を抑えながら、兵器システムの中心部分を破壊するいかにも近代的な兵器です

高市早苗.jpg日本では、2021年9月の自民党総裁選挙で候補者の高市早苗議員が、「敵基地を一刻も早く無力化した方が勝ちだ。使えるツールは電磁波や衛星ということになる」、「強い電磁波などいろいろな方法でまず相手の基地を無力化する」と、CHAMPをイメージさせる兵器の導入を主張して話題となりました

いずれにしても謎の多い兵器ですが、CHAMPは2009年から検討が始まり、2019年5月に米空軍が射程約1000㎞の空対地ミサイルJASSM-ERに搭載してを20発保有していると発表し、飛翔中に50目標に対し電磁パルス攻撃が可能と明らかにしているようです。THORは、昨年から試作機が「場所非公開」の海外前線に持ち込まれ、実地にテスト&改良が進められていました

CHAMPの発展型HiJENKS開発
HiJENKS.jpg●6月24日、米空軍研究所AFRLの開発チーム長Jeffry Heggemeier氏が記者団に対し、CHAMP(Counter-electronics High-powered Microwave Advanced Missile Project)の成果を基礎とした、米空軍と米海軍が5年計画の共同開発の最終段階として、2か月間の「capstone tests」に加州の海軍China Lake基地で取り組んでいると説明した
●開発しているのは、CHAMPを発展させ、最新技術でより小型化や強靭性を高めたHiJENKS(High-Powered Joint Electromagnetic Non-Kinetic Strike Weapon)で、主にニューメキシコ州Kirtlandのエネルギー兵器研究部で研究を進めてきたものだと説明した

CHAMP6.jpg●Heggemeier氏は、今回の「capstone tests」結果等を踏まえ、具体的にどの航空機にHiJENKSを搭載するかなど細部について、海空軍それぞれで検討していく事になるが、HiJENKSが(CHAMPより)小型化できたことで搭載機種が拡大できるだろうと記者団に語った。 (なお、CHAMP装置を搭載した空対地ミサイルJASSM-ERは、B-2、B-1、B-52H、F-15E、F-16に搭載可能で、F-35への搭載準備も行われている模様)

無人機の群れ対処THORを「Mjölnir」と呼称して
THOR3.JPG●無人機の群れ攻撃から基地を防御する兵器として開発されてきたTHOR(Tactical High Power Operational Responder)について、米空軍研究所は2月にLeidos社と約32億円の契約を結び、2024年初めに「Mjölnir」との装備名のプロトタイプ作成することになっている
●THORは約1年間の前線テスト(場所非公開)を経て5月に帰国したが、その間、開発チームは現地でテストしながら主にTHORの射程範囲拡大に取り組み出力を5割アップさせ、また現場で実運用する空軍Security Forcesからの意見も踏まえ操作性の改善に取り組んできた

●空軍研究所の開発責任者Adrian Lucero氏らは、「無人機対処兵器には、ガンやレーザー方式、捕獲網方式などがあるが、高出力マイクロ波はより広範囲の無人機により短時間で対処可能な点で優れている」と6月24日に説明した
●またLucero氏とHeggemeier氏は、前線派遣先での実績から「THORは94%の信頼性を証明した」と説明し、今後は海外派遣先から持ち帰ったTHORを分解して部品の損耗程度等を確認し、「Mjölnir」としての開発時の改良に反映すると述べた

Leidos社のTHOR解説映像(約30秒)

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HiJENKSもTHORも、具体的な効果のイメージ把握が難しい兵器ですが、特にTHOR(Mjölnir)は友軍への副次的被害の恐れや射程距離が気になりますし、HiJENKSについては開発者が強調する「小型化」の効果がどの程度で、MQ-9など無人機への搭載が可能になるのか気になります

THOR4.jpg秘匿度の高い装備品だと思いますが、高市議員が政策オプションとして公の場で言及したぐらいのCHAMPですから、空対地ミサイルJASSM-ER 搭載型やHiJENKSの米国からの導入可能性もゼロではないと思いますので、チマチマとフォローしておきましょう

CHAMPとTHOR関連の記事
「高市議員が語った電磁波で敵基地無効化兵器CHAMP」→https://holylandtokyo.com/2021/09/13/2225/
「THOR:強力電磁波で大量の小型無人機を同時無効化」→https://holylandtokyo.com/2021/07/06/1942/

無人機対処にレーザーや電磁波
「JCOが小型無人機対処3機種吟味」→https://holylandtokyo.com/2022/05/17/3233/
「2回目:安価で携帯可能な兵器試験」→https://holylandtokyo.com/2021/10/08/2280/
「カタール配備のC-UASと陸軍のIFPC」→https://holylandtokyo.com/2021/06/02/1708/
「1回目:副次的被害小な兵器試験」→https://holylandtokyo.com/2021/04/19/110/
「国防省が小型無人機対処戦略発表」→https://holylandtokyo.com/2021/01/12/295/
「小型ドローン対策に最新技術情報収集」→https://holylandtokyo.com/2020/10/30/445/
「米海兵隊の非公式マニュアル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-31
「ドローン対処を3-5種類に絞り込む」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-14

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

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https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

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