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米空軍とボーイングがKC-46のRVS改修にようやく合意 [米空軍]

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給油操作を行う映像装置RVSの根本的改修
2020年春に検討開始し、2021年5月に一度交渉決裂も
空中給油機関連課題が急に整理されていく流れに疑念も

KC-46 Flight.JPG4月19日米空軍報道官が、ボーイング社との間で2020年春から協議を続けてきたKC-46空中給油機のRVS更新改修設計案について4月11日に合意し、基本契約に沿って改修費用を全額ボーイング社が負担して2024年中旬までにRVS更新改修を終了することになったと発表しました

KC-46は従来の給油機とは異なり、操縦席内にあるカメラ映像を見ながら給油装置を操作するシステムを導入しましたが、その映像システムRVS(Remote Vision System)が太陽の位置や夜間に見辛く、捜査員が給油ブームで対象機の機体をひっかいて傷つけたり、安全に操作できないとの問題が生じて2017年夏に「category I deficiency:第1級不具合」に指定されました

KC-46 RVS.jpgこの不具合にボーイングは小手先の「ソフト改修」で対処しましたが空軍側は納得せず、根本的ハード対策が必要だと主張し、延々と押し問答が続いて2019年には膠着状態に至りました。最終的には2020年2月に時の空軍参謀総長が新任ボーイングCEOを訪問して直談判するに至り、その後少し動きがあって2020年4月に「RVS 2.0」を開発して更新することで合意したものです

KC-46 RVS 2.0.jpg冒頭でご紹介したように、その後も2021年5月に「RVS 2.0」設計交渉が決裂するなど、2021年秋には合意するはずの予定が今年4月まで遅れた超難産ですが、KC-46契約全体を貫く「固定価格契約」原則を維持し、「RVS 2.0」開発導入も全てボーイング経費持ちになります

これまでの様々な不具合対処経費を含めると、約6500億円ボーイングが自腹を切って対応しており、「RVS 2.0」開発導入経費がどの程度が現時点で公表されていませんが、更なるボーイング負担となります

4月19日付Defense-News記事によれば
KC-46 RVS2.jpg●米空軍報道官の声明によれば、「RVS 2.0」は、新しい4K解像度ディスプレー、改良した複数の可視光&赤外線カメラ、給油操作員操作パネルの完全再設計、画像処理プロセッサーの再設計により課題に対処する。特に3組のパノラマ視野カメラにより、昼夜を問わず、切れ目ない必要な視界を操作員に提供する
●また声明は、今後数か月で正式契約を交わすことになるが、「RVS 2.0」導入により、RVS関連の2つの「category I deficiency:第1級不具合」と6個の「第2級不具合」が解消されると説明している

KC-46 RVS 2.0 2.jpg●ボーイング社は「今回の合意は、米空軍とボーイングの緊密な連携でKC-46Aをニーズに応じて能力向上していく事例であり、最新技術を製造ラインに落とし込む流れを示すものである」、「この改修により世界最高の給油機は更に能力を向上させ、何世代にもわたり空軍運用者に恩恵をもたらすだろう」とコメントしている

●なおKC-46給油機は、導入予定の177機のうち既に57機が米空軍に納入済で、米空軍は作戦空域での使用を認めないなど使用制限を課しつつも、最近許可したF-22とF-35を含む対象機の85%への空中給油を認めている
●なお同機は米空軍以外では、日本が4機導入予定で2機を受領済、イスラエルも今年に入り2機導入を発表している。
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Brown4.jpg4月11日に「RVS 2.0」について空軍とボーイングが合意し、翌4月12日にBrown米空軍参謀総長が空中給油機の今後の体制整備について、従来の「KC-X(KC-46)→KC-Y(つなぎ給油機)→KC-Z(ステルス給油機)」との考え方を再検討中で、「Y」や「Z」で特別な能力を追求せず、KC-46を改良して使用していく方向も検討しつつあると明らかにしている辺り、色々な裏がありそうで想像してしまいます

KC-XYZの再整理については、「機種選定のドロ沼を避けたい」及び「予算もないのでステルス給油機は断念」と邪推しておりますが、KC-46に関する妥協も含めて考えれば、コロナで民航機需要が激減し、B-787の事故もあり瀕死のボーイングを米国政府として支えるための一連の判断とも邪推できます

米空軍空中給油機の整備方針を大転換
「KC-XYZの再検討再整理表明」→https://holylandtokyo.com/2022/04/18/3151/
「KC-Yにロッキードが名乗り」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-20
「つなぎ空中給油機KC-Yに着手へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-05
「2016年当時の空中給油機後継プラン」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-09-22

KC-46関連の記事
「恒久対策は今も未定」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-11
「50機目受領も恒久対策未定」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-11
「KC-YもXと同じ対決へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-20
「KC-46空中給油機に更に2件の最高度不具合発覚」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-18
「F-22とF-35のデータ中継装置を搭載へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
「KC-46空中給油機を一部の任務に投入開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-25
「恒久対策は2023-24年から」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-30
「今度は燃料漏れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-31-1
「やっぱりだめで更に1年遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「重大不具合について3月に手打ち!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-21
「空軍トップが新CEOに改善要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

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大転換:KC-YとZはKC-46の改修型へ? [米空軍]

つなぎ給油機KC-Y機種選定の可能性は低下しKC-46活用へ
KC-Zでステルス機を追求する従来構想見直し
要求性能精査やKC-46の状況確認が理由らしいが・・・
機種選定のドロ沼回避と予算不足が原因では

Brown4.jpg4月12日、Brown米空軍参謀総長が記者団と懇談し、空中給油機の今後の体制整備について、従来の「KC-X(KC-46)→KC-Y(つなぎ給油機)→KC-Z(ステルス給油機)」との考え方を再検討しつつあり、特別な能力を追加で要求するのではなく、KC-46を適宜改良して使用していく方向も検討しつつあると語りました

この「方針大転換」の理由についてBrown大将は、KC-46が不具合を依然抱えながらも十分使えそうなこと、イラクやアフガン等での中東ニーズが減少したこと、従来ホワイトボードで行っていた給油機運行管理を効率よく実施する「new tools」を導入したからだと、「?」が花火のごとく飛散するほど意味不明な説明していますが、まんぐーすは「ドロ沼の機種選定回避」と「予算確保難」が真の理由だと強く邪推しております

Kendall air.jpg2023年度予算案公表時にKendall空軍長官が、「本件については透明性が極めて重要だと考えており、競争的機種選定の可能性も残ってはいるが、我々の要求事項を精査する中で、KC-Y やKC-Z計画における機種選定実施の可能性は低下しつつある」と語っており、この発言を補足する形でBrown参謀総長は語っています。

まず従来の給油機整備の考え方
KC-Xとして、(ドロ沼機種選定の末に決定した)KC-46を179機2027年までに導入し、老朽KC-135等の後継に

LMXT.jpgKC-Yには、老朽給油機の穴埋めとして、戦闘空域での使用を想定せず米国内訓練や海外への機動展開支援を担う「つなぎ給油機:bridge tanker」を選定導入。KC-46製造修了の2027年頃から、本格ステルス給油機KC-Zまでの間を「つなぐ」機体として導入
(なおKC-Y機種選定は、ボーイングのKC-46改良型と、ロッキードが提案するMRTT(KC-46とドロ沼機種選定を戦った機体)改良型であるLMXTの対決が予期されていた)

KC-Zは将来作戦環境に備え、次期制空機NGADとともに強固に防御された敵空域にエスコート侵攻可能なステルス性を備え、自立性(無人機)追求可能性がある従来給油機より大型の、全く新しいタイプの新型給油機を想定。これが過去3代の米空軍輸送コマンド司令官が継続して主張してきたKC-Z

ところが14日の記者懇談会でBrown参謀総長は
(15日付米空軍協会web記事によれば)
Brown nomination.jpg●先日のKendall長官発言にある程度同意で(do somewhat agree with him)、新たにKC-Yを開発するには時間と資金も必要になるが、そのようなやり方は不要だと考えている。なぜならKC-46は未だに不具合を抱えて改修中であるが、かなり良い仕事(is doing fairly well)をしているからだ
●KC-46はKC-135等より同じ機数で多くの任務を遂行可能なことを示しつつあり、KC-YやZには、KC-46を最新技術で改修近代化することで対応できるのではないかと考え始めている

●KC-Zはどうなるのかとの質問になろうが、次期制空機NGADに追随して敵空域まで侵入する従来語られてきた運用構想を今は持っていない。KC-Zをエスコート型給油機と呼ばないことにした。
KC-46 Flight2.jpg●米空軍はKC-Zについて再検討している。給油オペレーターを廃止して自動化する議論も再検討対象である。ただしKC-46とは異なり、KC-YとKC-Zは自己防御能力を保有し、通信中継ノードとしての役割を担う方向で追求する

●(まだ重大不具合を抱えつつ、要求対象機の7割への給油が可能になっている)KC-46はあまり目立たないが約1か月間欧州に派遣されており、4月22日頃まで現地の作戦を支援して経験を積んでいる
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この空中給油機整備構想の「どんでん返し」「ちゃぶ台返し」は大きな波紋を呼ぶのではないでしょうか? LMXTをエアバス社と組んでやる気満々準備してきたロッキードは、法的な手段に出る可能性も否定できません

KC-46 RVS2.jpgそれに、未だ第1級不具合を抱え、その改修の道筋さえも固まらず戦闘空域で使用できないKC-46を、つい最近まで酷評してきたはずなのに、突然「can likely do the job」とか「is doing fairly well」と表現し、「欧州で経験を積んでいる」とフォローする米空軍首脳陣の「豹変ふり」にただただ驚くばかりです

大きな改革を進めるためには、細事にこだわってられないとの決断の末の発言でしょうから受け止めるとして、真の変更理由は「ドロ沼の機種選定回避」と「予算確保難」だと再度まんぐーすの邪推をご披露しておきます

KC-X,Y,Zの従来の考え方
「つなぎ給油機KC-YにロッキードがLMXTで名乗り」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-20
「つなぎ空中給油機KC-Yに着手へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-05
「2016年当時の空中給油機後継プラン」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-09-22

KC-46関連の記事
「恒久対策は今も未定」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-11
「50機目受領も恒久対策未定」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-11
「KC-YもXと同じ対決へ」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-20
「KC-46空中給油機に更に2件の最高度不具合発覚」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-18
「F-22とF-35のデータ中継装置を搭載へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
「KC-46空中給油機を一部の任務に投入開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-25
「恒久対策は2023-24年から」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-30
「今度は燃料漏れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-31-1
「やっぱりだめで更に1年遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「重大不具合について3月に手打ち!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-21
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米空軍2023年度の弾薬調達予算案を考察 [米空軍]

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米空軍の弾薬要求を3カテゴリーから概観

JASSM-ER10.jpg4月1日付米空軍協会web記事が、米空軍の2023年度予算案から、「射程の長い精密誘導兵器」「射程の短い精密誘導兵器」「空中戦用のミサイル」の3カテゴリーの弾薬要求数と、2年前からの推移を紹介していますのでご紹介します

中東での対テロ戦争支援縮小と、対中国を念頭に置いた本格紛争への備え強化の流れから、「射程の短い精密誘導兵器」の調達減少と「射程の長い精密誘導兵器」調達の大幅増が予期されるところですが、担当する軍需産業の能力限界と予算的制約もあり、調達増は緩やかな変化の範囲にとどまっています

JASSM-ER5.jpgちなみに先日、元太平洋軍作戦部長らによる提言「米軍が台湾対処準備で直ちに行うべき9項目」をご紹介し、「いの一番」に空対艦ミサイルLRASMの増産と海空軍による調達増(「米海軍と空軍は、それぞれLRASMを毎年50-75発調達せよ」)が上がっていましたが、米空軍は「28発」要求にとどまっています

「射程の長い精密誘導兵器」

●JASSM-ER(空対地ミサイル:投資額が弾薬で最大の750億円)
射程は900㎞以上で、第一列島線から中国本土攻撃可能
21年度400発→22年525発→23年550発
Mark Gunzingerミッチェル研究所航空宇宙研究部長→「JASSM-ER調達増は喜ばしいが、製造企業の能力限界を如実に示し、戦時増産能力の不足を露呈した形だ」

●LRASM(JASSMの空対艦ミサイル版)
21年度?発→22年0発→23年28発 

●JDAM
JDAM-New.jpg2022年に前年から大幅減となったのは、シリアやイラクでの作戦終了によるもの
21年度16800発→22年1919発→23年4200発
Gunzinger研究部長→「小型のロケット推進装置等を装着し、長距離爆撃機から発射すれば、アジア太平洋紛争シナリオで要対処の目標数千個に対する最も安価な攻撃手段

●通常弾頭での地上精密攻撃兵器(JAASM-ER、LRASM、JDAM)調達予算額は、LRASMとJDAMの調達量回復により
22年1300億円→23年1700億円

「射程の短い精密誘導兵器」

●SDB(Small Diameter Bomb)Ⅰ
副次的被害を抑える小型爆弾は、対テロ戦縮小で調達減
21年度2462発→22年988発→23年356発

●StormBreaker(旧姓SDBⅡ)
SDBの中でも新しいSDBⅡも減少傾向に
21年度?発→22年985発→23年761発

●AGM-114 Hellfireミサイル(多くはMQ-9に搭載)は調達数非公開
2023年度予算案で、100機が他省庁に移管される計画が明らかに

「空中戦用のミサイル」

●AIM-120D(AMRAAM)
次期空対空ミサイルJATM開発で、「120」は2026年で製造終了
21年度268発→22年168発→23年271発

●AIM-9X Sidewinder
空中戦の様相がより遠距離攻撃志向となり減少傾向
21年度331発→22年243発→23年255発
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GBU-53B StormBreaker.jpgもう少し記事に背景説明が含まれていればよかったのですが、舌足らずの中途半端な紹介になってしまいました。

ただ、米軍と言えども弾薬の緊急増産調達は容易ではないのが現実だということです

米軍が早急になすべき9項目を元太平洋軍作戦部長が語る
「米軍に必要な台湾事態対処準備」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-09

超極秘開発中のAMRAAM後継ミサイル:2022年中にIOC予定
「JATM AIM-260について」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-04-03

JASSM-ER関連記事
「高市議員のCHAMPはJASSM搭載」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-11
「JASSMまだまだ射程延伸」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-15
「更なる射程延伸開発契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-09
「ポーランドに70発輸出承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30
「B-52をJASSM搭載に改良」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「JASSM-ERを本格生産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17-1

LRASM関連の記事
「LRASM開発状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17-1
「米軍は対艦ミサイル開発に力点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-18
「ASB検討室の重視10項」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-04
「LRASMの試験開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-23
「新対艦ミサイルLRASM」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

JDAM関連
「艦艇攻撃用に改良中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-13
「F-15Eを完成弾JDAM運搬用に改良試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-04

空自F-35に長射程ミサイル搭載計画
「JASSMに加えJSMも契約」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-17

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米空軍は今後5年間で1000機削減を計画 [米空軍]

上院議員が未公開情報を持ち出し問いただす
国防長官も統合参謀本部も否定せず将来のためと原則論

Fischer.jpg4月7日、上院軍事委員会で共和党Deb Fischer議員が、未公開の2023年度予算案関連情報を持ち出し、国防長官と統合参謀本部議長に対し、今後5年間で空軍機を1000機削減する計画があるが本当に大丈夫なのかと問いただすとともに、国家安全保障戦略NSSやNDS、核体制見直しNPR、ミサイル防衛見直しMDRなど重要政策文書や、予算関連構想や資料提示が遅いことを厳しく問いただしていま

2023年度予算案公表時に米空軍幹部は、約150機の航空機を早期退役させ、MQ-9無人機100機を他省庁に譲渡し、新規に82機購入して約160機の総機数削減になると全体計画の一部を説明していた模様で、実際には369機を退役させ、87機を新規購入する282機削減案であることが同上院議員から明らかにされました

Fischer2.jpgまた同上院議員は、今後5年間の計画では、1468機を早期退役させ、467機を新規導入し、全体で1001機の削減となる計画を米空軍が持っていると指摘し、kendall空軍長官が予算案公表前後に語っていた「2024年度予算案では、より一層厳しい選択を行う」と表現していた厳しさの一端を暴露しました

通常は次年度予算案提出時に「J-books」と呼ばれる細部説明資料が同時に国防省から提供されるのですが、今年はひと月遅れになる模様で、このあたりも米議会で非常に不評な模様です

更に、バイデン政権の安全保障戦略を示す「国家安全保障戦略NSSやNDS」、「核体制見直しNPR」、「ミサイル防衛見直しMDR」など重要政策文書が、やっと先週議員に、しかも扱いにくい「秘密文書」として提供されたばかりで、安全保障関連予算の議会審議を困難にしているとFischer議員は厳しく指摘しています

Fischer3.jpgこの上院軍事委員会に出席していたオースチン国防長官とMilley統合参謀本部議長は、米空軍の大規模航空機削減計画を否定せず、米空軍も委員会後のメディアからの矢のような問い合わせにも「J-books」で説明するとの姿勢を貫いており、米国防省と米軍による、維持費のかかる旧装備を早期に退役させ、将来戦に必要な新装備導入に資源配分する姿勢は強固なようです

以下では、同委員会におけるFischer上院議員の厳しい質問に対する、国防長官と統合参謀本部議長の対応をご紹介しておきます。特に目新しい発言ではありませんが

7日付米空軍協会web記事によれば
Milley Senate.jpg●(作戦運用上の戦力ニーズは、国防省や米軍が計画している戦力削減に応じて低下すると予想しているのか?) 国防長官→米国防省は将来戦において決定的な勝利を収めるための投資を継続しており、将来戦で生き残れない戦力は早期退役させるべきと考えている。退役予定の装備は維持経費が高騰しているもので、その維持費を将来装備に振り向けたい。これが我々の戦略だ

●統合参謀本部議長→早期退役を考えている装備の大部分は米海軍と空軍の装備である。長期的なコスト分析結果では、早期退役がより効率的である。我々は2030年以降の将来環境に対応する戦力投資を行いたい

Milley Senate2.jpg●(バイデン政権のNSSなど政策文書策定が遅いとの指摘に関連し)国防長官→予算案や「J-books」に示される資源配分計画は、全て政府の戦略文書やレビュー文書と整合が執れており、米国民の民意に沿うものである
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ウクライナ東部や南部での緊張が高まっていますが、これまでの国防省や米軍幹部の発言等からすると、米国防省や米軍の将来投資計画は「対中国」中心で全くブレておらず、あくまで「ウクライナ事案関連のインフレ対策」をどうするか、「対中国」のどの部分を後回しにするかの検討しかないように感じています

Milley Senate3.jpg世界の安全保障認識や一般国民の軍事脅威への認識は変化しそうですが、少なくとも米国防省と米軍関係者の目は「対中国」で変化ないと思います。もちろん、F-35調達機数の削減も、維持費の将来見通し確定のタイミングで行う路線で変更ないと思います

米国防予算案の関連記事
「ウクライナ侵略も米空軍幹部は対中国優先」→https://holylandtokyo.com/2022/03/17/2929/
「2023年度国防省予算案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-29-1
「E-3・AWACSが2023年から退役へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-30
「民間監視団体がF-35酷評」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-17

「F-35調達機数は減少へ」→https://holylandtokyo.com/2022/03/25/2933/
「空軍の戦闘機構想」→https://holylandtokyo.com/2021/05/21/1709/

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B-52が中東空域を9か国戦闘機と編隊飛行 [米空軍]

2月14日に続き2回目の飛行、対イランの団結示す
参加公表はサウジ、カタール、オマーン戦闘機
他に英国、イスラエル戦闘機も
非公表編隊参加国はUAE、クウェート、バーレーン、ヨルダン?

B-52 Oman.jpg3月29日、英国に展開中の米空軍B-52爆撃機1機が中東地域に飛来し、アラビア半島を周回するように「プレゼンス飛行」を行い、「9か国の戦闘機」と編隊飛行を披露して各国軍のSNSなどが写真を披露しています。

「9か国の戦闘機」とB-52が同時に大編隊を組んだのではなく、場所と時間を分けて編隊を組んだようですが、米空軍F-22とオマーン空軍Tyhoon戦闘機とB-52は「3ショット写真」を公開しています

B-52 Israel F-15.jpgこのようなB-52と湾岸中東諸国やイスラエル戦闘機との編隊による中東地域周回飛行は、今年2月14日に続いて2回目ですが、トランプ政権の仲介で2020年9月に成立した「アブラハム合意」(イスラエルとUAE&バーレーンの国交樹立合意)の流れを受け、湾岸産油国などのアラブ諸国が西側と協力し、イランやイランが支援するイスラム過激派と対峙する姿勢をアピールするものと理解されています

ただ3月29日の編隊飛行実施は4月2日付で米中央軍が正式に発表し、それ以前にもイスラエル軍が3月29日に、サウジ軍が3月31日にそれぞれSNSで公表していますが、イスラエルとサウジと英国とオマーン以外の「9か国」がどの国なのかは公表されていない模様です。

B-52 RAF ME.jpg「アブラハム合意」の流れやイスラム過激派警戒感でアラブ諸国が米国と連携を深める流れは底流にあるものの、未だ各国国民にB-52との編隊飛行を知らせるほど大胆になれない国もあるのだろうと考えつつ、他にB-52と編隊飛行を行った可能性があるのは、UAE、クウェート、バーレーン、ヨルダンあたりではないかとまんぐーすは邪推しています

4月4日付米空軍協会web記事によれば
●B-52爆撃機は、定期的な「bomber task force mission」で米本土Minot空軍基地からFairford英空軍基地に展開している機体で、英国の基地を離陸後、地中海東部からアラビア半島、紅海を飛行して帰投した
●B-52と編隊飛行した米空軍F-22は、イエメン反政府組織Houthi から無人機やミサイル攻撃を受けたUAEに2月から展開している機体である。また米軍からは、KC-10空中給油機もサウジ上空でB-52に給油して参加している

Guillot2.jpg●Gregory Guillot中央軍米空軍司令官はB-52と編隊飛行したのは9か国の航空機だと声明で明らかにしているが、公式にSNS等で公表されている写真から判明しているのは、英空軍のタイフーン、イスラエル空軍のF-15、サウジ空軍のF-15、カタール空軍のF-15、オマーン空軍のF-16とタイフーンであ
●同司令官は声明で、「爆撃機による飛行とともに、米中央軍と協力国空軍が地域の空軍力を示すことができた」、「過去に例のない9か国もの航空機がB-52と飛行し、地域の安定と防衛に対する米軍のコミットメントと、連携した戦力を迅速に地域に投入して運用可能なことを明確に示した」と飛行の意義を述べている
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B-52 Saudi.jpgバイデン政権になって、「アブラハム合意」のモメンタムがどこまで維持されているのか判然としませんが、このような訓練が継続されているのは心強い限りです

ロシアとウクライナ事案の中で、中東がざわつかないよう中央軍による苦心の作戦でしょうが、対中国では何か計画されているのでしょうか?

日米オスプレイの連携訓練が富士の裾野で行われたり、RIMPACの調整会議が大規模に行われたとの話は耳にしましたが、南シナ海からも東シナ海からも動きが聞こえてきません。静かすぎます。

中東関連の記事
「中東域で60か国が無人艇活用演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-03
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「国防省武器輸出担当が怒りの辞任」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-15
「米中央軍で対イランの動き2つ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-09
「イスラエルが欧州軍から中央軍管轄に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-16
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アブラハム合意の関連記事
「イスラエルが欧州軍から中央軍管轄に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-16
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超極秘開発の新型空対空ミサイルAIM-260 JATM [米空軍]

2026年生産停止のAMRAAM AIM-120後継
中国のPL-15に対抗して米軍&ロッキードが極秘開発中
2022年度中にIOC初度運用態勢確立めざす
F-22とFA-18、更にF-35にも搭載へ

F-22Hawaii.jpg2023年度国防省予算案で、186機保有のF-22戦闘機の中の初期型(Block20)を33機早期退役させる計画が明らかになり、更に残った153機に関しても、60機程度を高度な戦術教育訓練専用にして実戦部隊から外す構想が示されるなど、かつて航空自衛隊トップが「喉から手が出るほど欲しい」と表現したF-22が寂しい局面を迎えつつあります

ただ、教育専用以外の約90機のF-22には、2023年度予算案で約400億円の近代化改修予算が盛り込まれ、センサー能力向上やヘルメットHMDによる目標照準能力システム搭載等が計画されるほか、更に米軍とロッキードが「超極秘プロジェクト」として進めるAMRAAM・AIM-120後継の空対空ミサイル「JATM・AIM-260」搭載も計画されているようです

本日はこの機会をとらえ、2019年夏に初めて明らかになり、2022年度中にはIOC(初期運用態勢確立)が予定されている「JATM・AIM-260」について、断片情報をご紹介いたします

3月31日付米空軍協会web記事等によれば
AIM-260 JATM.jpg●JATM(Joint Advanced Tactical Missile)・AIM-260の開発計画は、2019年夏、米空軍プロジェクト担当幹部Genatempo空軍准将(当時)によって明らかになった
●同准将は当時、2021年度に発射試験を開始し、2022年度IOCを目指す計画を明らかにし、AIM-120より射程距離を延伸し、中国軍のステルス戦闘攻撃機J-20等に搭載されるPL-15空対空ミサイルとの空中戦でも対抗可能な能力獲得を目指すと語っている

AIM-260 JATM4.jpg●また同准将は、F-22の他、米海軍FA-18戦闘攻撃機や、将来的にはF-35への搭載を予定していると述べ、2026年にはAIM-120の生産を中止して本格的にAIM-260に移行する構想も明らかにしていた
●2019年に米空軍は、「超極秘プロジェクト」ミサイルの保管場所として、ユタ州のHill空軍基地に厳重なセキュリティーを確保できる「Special Access Program Facility」を設置すると明らかにしている

●現有AIM-120の射程は初期型(A/B型70㎞)、C型100㎞、D型150㎞などと言われているが、AIM-260は200㎞越えで、飛翔速度も「120」のマッハ4からマッハ5に向上すると噂されている
AIM-260 JATM5.jpg●情報管理が徹底されていることから細部が不明で、無人標的機のQF-16を使用した様々な試験が、フロリダ州Tyndall空軍基地を中心に実施されているとの関連情報が報じられたこともあったが、写真が一枚も出回らないなど謎が謎を呼ぶ開発案件である

●一説には、現有AIM-120と全く同じ大きさ形状でAIM-260が開発されており、マニアや報道陣の追跡を困難にしているとの話もあり、「2022年度中」のIOC発表が注目されている
//////////////////////////////////////////////////

ちなみに中国軍のPL-15は
PL-15 China.jpg●PL-15はAMRAAMと同じアクティブホーミングで、射程150㎞&速度マック4と言われ、中国空軍J-20やJ-10B、海軍J-16、東シナ海によく登場するJ-11B(Su-27のコピー)に搭載可能で脅威認識が高まっている
●ネット上では「PL-15は、米国のAMRAAMと比較しても遜色ない性能、一部ではAMRAAMの性能を上回り、射程だけで言えば欧州のミーティアに匹敵」とされ、「遠距離から空中給油機や早期警戒機など優先度が高い標的への攻撃に使用される」と解説

戦闘機同士の空対空戦闘での撃墜事例は、ベトナム戦争以降ではほとんどないと思います。時々忘れた頃に、中東のシリアやイラクやペルシャ湾辺りで、ぼんやり飛行しているMigやSUを、F-15やF-16が余裕で撃墜した事例が報道されますが、本格的な空中戦など朝鮮戦争までくらいだと思います

AIM-260 JATM2.jpgまぁ・・・対中国の本格紛争ぼっ発時には空中戦の可能性があると言われればそうですし、可能性が低くても「抑止力」として必要だとのご意見もありましょうが、これに悪乗りして大騒ぎし、他の重要な案件を後回しし始める航空自衛隊の「戦闘機命派」(現役戦闘機パイロットや、折れた「つばさ会」・軍事痴呆症「JAAGA」あたりに生息)には、非戦闘機操縦者が思いっきり冷ややかな視線を浴びるのでしょう。既にもうそうなっているかも・・・

2016年頃の米空軍幹部は、「AMRAAM後継には、AMRAAMより小型で戦闘機がより多く搭載でき、より機敏性や機動性や対電子戦能力を求める」と発言していましたが、「長い射程」重視に変わったんですかねぇ・・

2019年の開発公表時の記事
「2017年からJATM・AIM-260開発に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-21

2016年に米空軍幹部は異なる要求性能を
「AMRAAM後継に望む事」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1

ロバート・ゲーツ語録100選より
https://holylandtokyo.com/2022/03/26/2046/
ロバート・ゲーツ語録11
→米空軍は、空対空戦闘と戦略爆撃に捕らわれすぎており、他の重要な任務や能力を無視しがちである。ある意味で空軍は、その成功の犠牲者とも言える→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07

ロバート・ゲーツ語録62
→ベトナム戦争以来、次にどこで軍事力を使用するかの予想において、我が国の指導者は完璧な記録を更新している。つまり完璧に外し続けている→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-07-1

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予算案通過ならE-3・AWACSが2023年から退役へ [米空軍]

31機のうち2023年に15機が退役し、残りも数年で引退
空軍長官:E-3後継機選定は「今後数か月で」

E-3 AWACS.jpg3月29日付Defense-Newsは、28日に発表された2023年度国防予算案で米空軍は約140機の老朽作戦機を退役させる計画であるが、その中には40年以上使用してきた保有31機の早期警戒管制機E-3が15機が含まれていると紹介し、併せてE-3後継機が「今後数か月で決定される」とのKendall空軍長官発言を紹介しています

予算案では、2023年に15機を退役させ「機体の防錆保管場所」に移動させ、残りの機体も「今後数年」で退役させる方向が示されているようです

E-3 AWACS2.jpg現在米空軍が保有するE-3は31機で、その内27機がオクラホマ州Tinker空軍基地で管理されていますが、アラスカのエレメンドルフ基地と沖縄の嘉手納基地に展開配備している残りの4機を何とか運用可能状態にするため、「部品の共食い」など苦しい機体管理を強いられ、2021年7月にTinker基地兵士がメディアに士気が上がらない部隊状況を訴え、ゴタゴタの末に部隊指揮官が解任される事態に至っています

なお今般のウクライナ侵略事案に際しても、派遣元や派遣先は不明ながら、E-3が欧州上空で情報収集飛行を行っていると記事は伝えています。そして、2023年に15機が抜ける穴は小さくないが、必要な任務継続は可能だとの空軍幹部の言葉を伝えています

E-7 2.jpg元々米空軍はE-3の後継機種は導入せず、宇宙を含めた多様なセンサー情報を集約して迅速に指揮統制するABMS(Advanced Battle Management System)導入を急いでいましたが、技術的な成熟や予算面での限界もあり遅々として進まず、ABMS導入までのギャップを埋めるE-3後継機導入が不可避となり、最近になってE-3退役や後継機が急に話題となっているところです

3月25日に記者団と懇談したKendall空軍長官は、「(E-3後継機の)最有力候補はE-7だと思うが、最終決定までには細部にわたる慎重な検討や確認も必要だ。今後数か月で意思決定する」と語っています
/////////////////////////////////////////////////

E-7.jpg2023年度予算案にE-3後継機の購入予算が含まれているのか把握していませんが、A-10のような早期退役が困難を極めた機体とは異なり、老朽化が著しく稼働率が低下して維持費高騰のE-3退役は、普通ならそれほど問題にはならないでしょう

でも、ウクライナや欧州で緊張が高まる中、湾岸戦争でクウェートから退却するイラク軍戦闘車両の動向を把握して大活躍だったE-8・JSTARSの早期退役も含め、十分な代替能力が確保できるまで、米議会の反対があるかもしれませんねぇ・・・

あと、E-3の兄弟のような航空自衛隊のみ保有のE-767の維持は大丈夫なんでしょうか? こっちの方が気になります・・・ 

E-3は平均年齢43歳
「急にE-3後継機が大きな話題に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-28
「米空軍航空機は依然高齢です」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-27
「空軍長官が7つの優先事項を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-12
「PACAF司令官:E-7ほしい発言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-27

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次期制空機とB-21爆撃機用の無人機随伴機の検討&開発は? [米空軍]

Kendall空軍長官が改めて強い思いを語る
米空軍幹部の発言から同長官の重視姿勢を探る

Kendall air force.JPG3月18日付Defense-Newsが、剛腕Kendall空軍長官が昨年12月の講演で語った「7つの優先事項」の2つを占める「次期制空機NGAD」と「B-21ステルス爆撃機」への「自立型無人随伴」について、3月3日の米空軍協会総会と3月9日のMcAleese conferenceで語った内容を紹介しています

端的に言うと、同長官はこの2つの無人機ウイングマンを非常に重視しており、費用対効果や実現可能性を厳しく精査する姿勢を示しつつも、米空軍司令部幹部や米空軍研究開発部門も驚くほどの熱意で取り組んでおり、さすが2023年度予算への具体的盛り込みは時期尚早なようですが、NGADとB-21にそれぞれ別々の自立型無人ウイングマン機(autonomous combat drones)を開発する方向で突き進んでいる様子です

先ず2021年12月の発言の復習
Kendall air.jpg●今ある検討中のコンセプトでは、F-35と次期制空機NGADは、5機以下の無人ウイングマン機とチームとして運用し、有人機操縦者が無人随伴機を操るイメージである。このイメージは多くのチャンスや機会を我々に与えてくれるが、我々は費用対効果や実現可能性を精緻に見極め、今後の進め方を検討する必要がある
●B-21次期爆撃機は高価なアセットであり、その能力を航続距離や兵器搭載面で「増幅」して投入したい。そして無人随伴アセットに委ねたい。それら無人機はB-21操縦者に管制され、強固な敵と対峙するイメージだが、今研究されている戦闘機やNGAD用の「Skyborg」とは別の新アセットを考えている。2023年度予算に2つの新型機予算を組み込む予定だ

●我々はこの新規開発に当たり従来計画に縛られず大きな変更を行う。ただこの際、リスク低減策を学び、成熟技術利用やプロトタイプ利用や各種デジタル設計技術を最大限活用し、必要なものを見極め前進する。2つの新型機開発は秘密プロジェクトとなるため多くを公開できない

今年3月3日米空軍協会総会の発言
NGAD6.jpg●NGADは、NGAD操縦者が管制する5機までの自律的で損耗覚悟の無人機とチームを組む。F-35も無人機と編隊を組む方向である
●米空軍は以前から説明してきたように、単一システムではなく「family of systems」で任務を遂行する方向性を固める必要があり、開発中のB-21爆撃機にも、NGADと同様にチームを組む自律的無人機開発も含む

XQ-58 Valkyrie.jpg●ただ、昨年述べた2023年度予算に盛り込む件については、より多くの航続距離やセンサーや兵器等の搭載量を確保する必要があること、また価格が有人機の半分程度であって欲しいこと等もあり、まだまだ細部を詰める必要があるため、関連検討研究予算を要求することとしている
●(別の記者懇談の中で)B-21用の無人随伴機についてはNGADに比べ検討が初期段階でコスト検討も「推定レベル」にあるが、NGAD用はより成熟しており確信を深めつつある

3月9日のMcAleese conference発言
B-21 3.jpg●3日の米空軍協会総会の場で、小規模企業を含む複数の企業と意見交換を行い、自立型無人機に関する「極めて興味深い企業の取り組み」について情報を得ることができた。導入する(2機種の)無人機は、常に最新の新技術を取り入れて改善できるような形態である必要がある
●「明らかなのは、前進して大きな一歩を踏み出す準備が出来ていることである。どれだけの期間が必要かわからないが、成し遂げる覚悟である」

米空軍の関係幹部発言
●米空軍司令部計画部長Clint Hinote中将
Hinote2.jpg現時点に必要なアプローチとして、広範な様々なオプションを吟味している。「中には極めて特異な能力を追求した提案や低価格追求のもの、航続距離や速度や搭載能力などの各要素の一分野に優れたタイプなど様々だ」
kendall長官の問題認識として、近年の航空機開発が高額になり過ぎていることから、支えうる低価格で必要な能力を獲得提供する必要がある点を強調し、「やり方を変えなければ、予算的に米空軍を維持できなくなる」

●Darlene Costello空軍技術開発担当次官補代理
Costello.JPGkendall長官が重視する自立型無人機と有人機の編隊運用が、どれほど将来想定される戦闘状況で有効か、また費用対効果面で有効かについて分析を進めている。有効性が証明できれば具体化に進むが、それは2022年ではない
また、NGADより少し遅れているB-21随伴無人機については、NGADと少し異なる分析が必要であり、要求性能も異なるだろう。空軍研究所から広範な情報を得て自立化無人機の分析検討を進めている

●米空軍研究所長Heather Pringle少将
Pringle AFRL.jpg2021年のSkyborg計画(無人ウイングマン計画)関連試験は成功裏に進み、「無人機自立飛行のコア技術が複数の航空機で能力を発揮し、大変興奮した1年だった」
そしてこのコア技術を、GA社のMQ-20 Avenger やKratos社のXQ-58A Valkyrieにも展開し、F-16改良型無人機のX-62A VISTAにも持ち込むことを計画している

●先進航空機ライフサイクル管理担当Dale White准将
White air force.JPGKendall空軍長官の自立型無人機と有人機の編隊運用重視姿勢により、空軍「Life Cycle Management Center」は、米空軍研究所AFRLや空軍作戦運用部署との連携が一層密になっている
米軍が対テロから本格紛争への大きなシフトに挑む中で、自立型無人機と有人機の編隊運用はますます重要性が高まっており、「前線からの要求の焦点の一つで、開発一歩ごとに連携を図っている」
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Kendall空軍長官の部下である米空軍幹部の皆さんの発言ぶりから、空軍長官の剛腕と2種類の無人ウイングマン開発熱意に振り回されている様子を感じてしまうのですが、邪推が過ぎるでしょうか

Kendall air 2.JPG同空軍長官は、国防省開発調達担当次官としてF-35問題や米海軍空母やLCS開発問題を仕切ってきた苦労人ですから、コスト管理や実現可能性を冷徹に見極め、「引き際」の判断もできる方でしょうから期待いたしましょう

でも思うんですが、対中国の西太平洋で、F-35やNGADやB-21の無人随伴機をどこから発進して運用するのでしょうか? 日本も関係ないとは言えません。机上検討やWar-Game状況が気になります

2021年12月9日の同長官講演
「7つの優先事項を語る」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-12

無人機ウイングマン構想
「無人機自立化の定義を明確にせよ」→https://holylandtokyo.com/2022/03/10/2716/
「頭脳ACSを2機種目で試験成功」→https://holylandtokyo.com/2021/07/08/1983/
「Skyborg構想の頭脳ACSで初飛行2時間」→https://holylandtokyo.com/2021/05/17/1489/
「多用途ドローン投下試験成功」→https://holylandtokyo.com/2021/04/09/103/
「Skyborg構想デモ機製造3企業決定」→https://holylandtokyo.com/2020/12/16/344/
「無人ウイングマンのデモ機選定開始」→https://holylandtokyo.com/2020/05/24/679/
「米空軍の無人ウイングマン構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-27
「XQ-58AのRFI発出」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1

Kendall空軍長官の関連記事
「ロシア空軍の評価」→https://holylandtokyo.com/2022/03/17/2929/
「極超音速兵器は少数で良い」→https://holylandtokyo.com/2022/02/22/2742/
「極超音速兵器の重要性は?」→https://holylandtokyo.com/2022/01/25/2639/
「7つの優先事項を語る」→https://holylandtokyo.com/2021/12/13/2521/
「B-21を5機製造中」→https://holylandtokyo.com/2021/09/27/2270/
「中国が核兵器FOBS開発の可能性」→https://holylandtokyo.com/2021/09/22/2264/
「長官着任時の思い」→https://holylandtokyo.com/2021/09/03/2138/
「上院で所信を語る」→https://holylandtokyo.com/2021/05/28/1786/
「Kendall氏をご紹介」→https://holylandtokyo.com/2021/04/30/120/

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6機製造中B-21とE-3後継選定の動き [米空軍]

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Twitter→https://twitter.com/Mongoose2011
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B-21 B-2.jpg2月9日付米軍事メディアが、模範的な「モデル開発案件」として2022年中には初飛行を予定する「B-21ステルス爆撃機」の開発状況と、老朽化で稼働率が急落するE-3早期警戒管制機の後継選定の動きを報じていますのでご紹介いたします

F-35やKC-46のようなトラブル満載の航空アセット開発ばかりをご紹介する機会が多いのですが、寒さ厳しき折、少しは明るそうな話題を提供させていただきます。少なくとも現時点では、2件とも特に問題の無い調達案件です

B-21次期爆撃機を6機製造中で2022年に初飛行へ

B-21 artistic.jpg9日付米空軍協会web記事は、同日米空軍Global Strike コマンド計画部長の「核抑止サミット」での発言を取り上げ、現在6機のB-21次期ステルス爆撃機を順調に製造中で、模範的な「モデル開発案件」として2022年中には初飛行を行うと報じています

B-21開発については、2019年7月には当時の米空軍副参謀総長が「初飛行は863日後だ(2021年12月3日)」と語り開発の順調さをアピールしていましたが、その後関係者の発言はトーンダウンし、2021年1月には2機試験機製造中、2021年9月にはKendall空軍長官が「合計5機製造中」と明らかにし、時々シルエット写真が公開されたりして期待感をあおっているところです

B-21 bomber.jpg講演したJason R. ArmagostGSC計画部長(少将)は、「私には初飛行予定日に言及する権限はないが、今年の何時かに機体を披露し、その後速やかに初飛行を行うことになる」、「模範的なモデル開発案件となっているB-21開発は、デジタル技術を生かして迅速な開発を実現している」と説明しています

また同少将は、「デジタルモデルを基礎とした開発とソフトのオープンシステム化で、例えば燃料管理システムは、まだ初飛行前にもかかわらず燃料システムモデルを用いてソフト試験を重ね、複雑なソフト開発を完了している」と説明し、このような手法はB-52爆撃機エンジン換装における翼の強度確認等でも使用され実績を残していると自信たっぷりに説明しています。

さすがに2021年12月の初飛行予定は「大ぶろしき」だったようですが、開発全体は順調なようで、今年中の「機体お披露目」と「初飛行」は大きなニュースになりそうです


E-3 AWACS後継検討に企業に情報要求書を

ここ数か月で急速に後継導入機運が盛り上がり
ボーイングの「E-7 Wedgetail」で実質決まりでしょうが

E-7 2.jpg2月8日、米空軍がE-3早期警戒管制機の後継機選定に関する情報要求書(RFI:request for information)を関連企業に提示し、その内容から2023年にも米空軍が後継機導入契約を結ぶことを念頭に置いていることが明らかになりました

30日以内の回答を求めた「RFI」は、あくまでも検討資料収集目的で、次の段階となる提案要求書につながるものではない前提だそうですが、契約後5年で地上訓練機材等も含め少なくともプロトタイプ機2機の納入が可能かや、関連能力を有する機体かどうかを確認する内容になっているようです

E-7.jpg米空軍が保有する31機のE-3は、平均年齢43歳で機体稼働率が急激に低下しており、比較的若い「G型」でも稼働率が2020年70.7%から2021年60.7%に10%も低下し、古い「B型」は同期間で65.8から55.8%に低下している厳しい状況に直面しており、前線部隊から後継機早期導入を求める声が高まっていたところです

「RFI」は、先進的な「360度をカバーする空中移動目標捜索レーダー」、「敵味方識別能力」、「海洋監視レーダー能力」の他、「指揮統制」、「航空管制」、「近接航空支援」、「SEAD」、「空中給油」、「捜索救難」を支援可能な能力に関する情報提供を求めているようです

E-3 2.jpg既に米空軍は昨年10月、E-7製造元のボーイングに対し、現形態のE-7を米空軍規格に適合させるために、何をどのくらいの経費で実施する必要があるかの検討を依頼しており、結論は実質出ているような気がするのですが、一応ステップを踏んでいるのかもしれません

E-3後継機に関する動き
「米空軍がE-3後継機にE-7調達に傾く!」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-28
「米空軍航空機は依然高齢です」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-27
「空軍長官が7つの優先事項を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-12
「PACAF司令官:E-7ほしい発言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-27

B-21爆撃機の関連記事
「B-21を5機製造中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-22
「下院軍事委員長も絶賛」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-07
「格納庫写真から大きさを推定する」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06-1
「初飛行は2022年半ばか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-17
「開発状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1 
「2021年12月3日初飛行予告」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-29
「初期設計段階終了」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-30
「米空軍の爆撃機体制計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2 
「2017年3月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20
「B-21に名称決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-27
「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28

米空軍爆撃機の話題
「爆撃機管理は今後5-7年が多難」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-19-1
「B-52から重力投下核任務除外」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-20
「B-1早期引退でB-21推進?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-19
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春時点の爆撃機構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
「B-52がNATO欧州加盟国の上空飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-29-1

「弾薬庫航空機を継続検討中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-05
「弾薬庫航空機に向け改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「同構想とB-52」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-12
「B-52エンジン換装大論争」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-12-24

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空軍長官:高価な極超音速兵器は少数保有で [米空軍]

技術開発担当次官が全力開発を推進し
国防省が空軍に開発ノウハウを陸海軍に学べと言う中

AGM-183A2.jpg2月15日、米空軍協会ミッチェル研究所のイベントでKendall空軍長官が講演し、米空軍の極超音速兵器開発は開発物につきものの課題と格闘中だが、コストダウンには今後も注力するものの、完成してもその高価格や役割から保有兵器数は「small」になると発言しました

米国防省が最優先開発案件としている極超音速兵器開発に陸軍と海軍は協力して取り組んでいますが、空中発射型2タイプを追求している空軍は、空軍長官自身が「米国を遠ざけるために必要としている中国と、抑止力として考える米国とでは、同兵器の重要性が異なる」と以前から主張しており、米国防省から空軍の同兵器開発が不調な点に関し「陸海軍に学べ」と言われても、どこ吹く風の姿勢です

HAWC.jpgまた空軍長官は15日の講演で、米空軍の同兵器開発が不調でも「(比較的同兵器開発が順調な)陸軍をうらやましいとは思わない。空軍を助けて敵の防空網を攻撃してくれたり、敵の攻撃目標を増やして敵を混乱させてくれれば喜ばしい」と余裕を示しているほどです

また、同兵器のコストについては、15日に調達担当次官室が「同兵器開発は企業の寡占化が進み、競争原理が働かず、技術革新の停滞や価格高騰につながる恐れがある」とのレポートを出して、空軍長官の「高価格高止まり」主張を裏付ける結果となっているようです

Kendall空軍長官の発言映像(約44分)


2月15日米空軍協会web記事で空軍長官は
AGM-183A.jpg●極超音速兵器は近い将来価格が低下する見通しはなく、私は同兵器を保有するにしても「比較的小規模になろう」と考えている。もちろん価格低下に空軍としても取り組んでいくし、価格動向を注視することに変わりはない
●米空軍は2タイプの同兵器開発に取り組んでいるが、どちらが有望かについて言及する段階にはなく、成否について言及する段階にもない
---ARRW→B-52搭載をイメージ。ロケットで加速され自ら推進力を持たず射程が長くないたARRM(Air-launched Rapid-Response Weapon:AGM-183A)
---HACM→戦闘機クラス搭載をイメージ。推進装置を持ち射程の長いHACM(Hypersonic Attack Cruise Missile)2021年9月に3度目の試験で基礎試験成功

HAWC5.jpg●2タイプ両方を装備化する可能性もあるが、空軍の空中発射型は航空機に搭載して発射地点まで運搬する必要があり、その点で前方基地や前方配備艦艇から発射可能な他軍種の同兵器より不利な位置にある。(比較的同兵器開発が順調な)陸軍をうらやましいとは思わない。空軍を助けて敵の防空網を攻撃してくれたり、敵の攻撃目標を増やして敵を混乱させてくれれば喜ばしい
●しかしいずれにしても、高価な兵器であり、費用対効果や他の要素からも、慎重に評価して同兵器への投資を検討しなければならない

●米国を遠ざけたい中国と、中国抑止用に同兵器を考えている米国とでは、同兵器の位置づけは異なり、中国と同様に米国が追求する必要は必ずしもない。米国は多数の移動目標に対処する必要があり、少なくとも初期型の同兵器は固定目標に適している点も注意を要する
AGM-183A3.jpg●極超音速兵器は有効な手段だが、米空軍が攻撃する必要のある目標を攻撃する唯一の手段ではなく、低速度の巡航ミサイルは安価であり、ステルス性や敵防空網への妨害と組み合わせれば有効であり、総合的に将来の兵器体系を考える必要がある

●(空軍の同兵器開発試験がトラブルに直面している点への質問に対し、)どの開発案件もすべてが順調だとは限らず、トラブルや経験を積んで成熟していく。空軍は最近の失敗を調査中で、調査結果に応じ必要な判断を下して前進する
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まんぐーすは剛腕Kendall空軍長官「推し」ですが、深いデータに基づく判断ではなく、感覚的で直感的な見方です。

Kendall 7.jpg米陸軍や海兵隊が長射程攻撃に投資するのはある程度必要だとしても、攻撃対象全体を見積もり、必要な兵器ポートフォリオを費用対効果を見極めて検討することは極めて重要だと考えます

空軍長官は同講演で、今後の兵器開発投資は「前線で違いを生み出せること」、「実験室レベルの成功だけでなく、前線配備可能なレベルであること」が大前提となり、以前のように可能性だけで突っ走る余裕はないと明言して「取捨選択」を徹底するとも語っており、極超音速兵器もその視点で同列に吟味するのでしょう。国防省の最優先指定にもかかわらず

15日公表の調達担当次官「軍需産業基盤」レポート
https://media.defense.gov/2022/Feb/15/2002939087/-1/-1/1/STATE-OF-COMPETITION-WITHIN-THE-DEFENSE-INDUSTRIAL-BASE.PDF

米軍の極超音速兵器開発
「国防省が空軍に極超音速兵器開発の改善提言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-30
「技術担当次官:同兵器は最優先事項だ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-23
「空軍長官:重要性は中国と米国では異なる」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-21
「空軍開発本格化」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-16

「米海軍潜水艦への極超音速兵器は2028年」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-19
「米陸軍の極超音速兵器部隊が実ミサイル以外を受領」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-14
「米空軍が3度目の正直でHAWC成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-28
「最近の状況整理&米海軍が2段目ロケット試験成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-08-27
「米艦艇搭載は2025年頃か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-24
「豪州とも協力」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-01
「今頃学会と情報収集枠組み」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-28
「3月の極超音速兵器テストは誤差20㎝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-14
「3軍協力で極超音速兵器開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1
「ボディー試験に成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-22
「攻防両面で超超音速兵器話題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-09-08-1
「防御手段無し」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-03-21-1
「宇宙センサー整備が急務」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31

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米空軍が航空機の燃料消費削減を開始 [米空軍]

まずC-17輸送機で1月から12月の間
目標はわずか3%削減ですが、とりあえず
燃料空中投棄の戦闘機にまで広げられるか?

C-17 data link.jpg2月2日付米空軍協会web記事が、米空軍省次官補が中心となって2022年1月から開始した、航空機の燃料消費削減に関する取り組み「MEEP:Mission Execution Excellence Program」を紹介しています

まずは空軍最大の燃料消費アセットであるC-17輸送機を対象に、同機が所属するCharleston空軍基地とTravis空軍基地で1月から12月の間に実施し、3%の燃料消費量削減を目指すもので、その後、他基地や他機種への拡大を考えているようです

C-17 Fuel.JPG具体的な取り組みは、以下の示すような極めて地道なエンジン稼働時間の削減や効率的な飛行ルートの設定などですが、「鍵となる6つの効率化テクニック」と称して米空軍省担当部署は売り出そうとしています。

・ 飛行計画段階からの厳密なプランニングで、搭載燃料削減
・ 地上移動段階での稼働エンジン数の安全最低限への削減
・ 地上電源ユニット等を最大限活用し、航空機APUの使用極限
・ エンジン始動から離陸までの時間極限
・ 降下の際は、最小エンジン出力で低ドラッグで「continuous descent」
・ 最適な巡航高度での飛行

Guerrero.JPGまたMEEPプロジェクトでは、今後の更なる燃料消費量削減に向けた検討の資とするためのデータ収集や、パイロットや整備員、運航計画スタッフ等に対する「効率的燃料消費」に関する教育も計画しているということです

米空軍省のRoberto I. Guerrero担当次官補は、この「energy intensity」を高める取り組みを、「複数の民間航空輸送事業者」とのミーティングを重ねて決定したと説明し、C-17を対象とした2022年の取り組みで約90億円の削減が見込めると試算しているようです

とても米国らしいのが、本プロジェクト推進のインセンティブとして、燃料消費量削減量に応じ、「当該航空団Wingの優先プロジェクトに資金を提供する」との仕組みを構築すると同次官補が語っている点です
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C-17 data link4.jpg作戦目的達成最優先&安全最優先で育ってきた現場部隊からは、おそらく「総スカン」だったと思いますし、民間航空会社から学んだなどと説明すれば、「戦場は違う」と、Guerrero担当次官補は猛反発を食らったものと邪推いたします

それでもバイデン政権下で、国家機関最大の燃料消費機関の国防省ですから、妥協の策として細々と開始したものと思います。

基地に戻る際、平気で余った燃料を空中投棄する戦闘機部隊にも触手を伸ばせたら、大したものですが・・・

排出ゼロや気候変動への取組み関連
「米国防省は電気自動車&ハイブリット車導入推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-10
「米陸軍が電動戦闘車両導入の本格検討へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-23-1
「米国防省が気候変動対処構想CAP(Climate Adaptation Plan)発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-08

「英空軍トップが熱く語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-25
「英空軍が非化石合成燃料でギネス認定初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-18
「サイバー停電に備えミニ原発開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-07

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ウクライナで戦闘機による制空の時代は終わる [米空軍]

輸送コマンド米空軍大佐が戦闘機族に挑戦状寄稿文
「低高度域:air littoral」を制する露が有利に
無人機の多用や携帯SAMで露が西側を圧倒する
戦闘機による制空の概念とは異なる戦いとなる
NATOは近接航空支援CASが出来ずに苦労する
低高度制空に強気な露を抑止するのは困難
CAS不足を補う地上火砲数でNATOは露に劣る
NATOも無人機を大量調達し火砲を増強すべし
そして戦闘機による制空の概念を再検討せよ

Russian drones.jpg2月7日付Defense-Newsが、米輸送コマンドに所属する空軍大佐と元空軍大学教官の寄稿文を紹介し、ウクライナでの戦いでNATOが前提にしている制空と近接地上支援CASによる侵攻ロシア軍の制圧は非常に危うく、逆に大量の無人機や携帯SAMや電子戦で、通常の制空高度より低い「低高度域:air littoral」を制するロシアが圧倒的に有利だと主張し、NATO側も無人機の導入やCAS不足を補う火砲を早急に増強すべきだと訴えています

寄稿文は冒頭から、欧州米空軍司令官による「同盟国や地上攻撃統制官との連携強化により、NATOの近接航空支援CAS能力に自信を持っている」との発言を「誤った自信だ:such confidence is misplaced」とバッサリ切り捨て、ウクライナでのロシアとの紛争では、ロシア軍の融合された無人機、低高度防空ミサイル、電子戦、在空無人兵器による「低高度域:air littoral」支配が戦いの趨勢を左右し、従来の高高度域の戦闘機等による制空は地上戦闘に十分な影響を与えないと主張しています

Russian drones2.jpgまた寄稿文は、ロシアのゲラシモフ参謀総長が2018年に「近代戦は無人機なしで考えられない。無人機は歩兵、偵察兵、パイロットにも使用される」と語り、ロシアの大量の無人機がレーザー誘導対空火器や短射程SAMや携帯SAMとともに、「低高度域:air littoral」を危険な空間に仕立てるとの構想を示したことを取り上げ、

ロシアが「低高度域:air littoral」を支配すれば、NATOは航空戦力を敵地上部隊に接近させることが困難となり近接航空支援に苦労し、例えF-35を投入しても高高度からしか攻撃できず、ロシア地上部隊に対処余裕時間を与えることになる、と指摘しています

Russian drones3.jpg更に近接航空支援の不足を補うのは地上部隊の火砲だが、NATOは地上支援火力の8割を航空攻撃に依存しているが、ロシア軍は65%を地上火砲で遂行する戦力構成となっており、この点でもロシア軍に有利であると説明しています

もちろんNATO側も、2020年のアゼルバイジャンとアルメニアの「Nagorno-Karabakh紛争」から、無人機が大きな役割を果たす近代戦の変化を学んでいるが、無人機の群れや短射程ミサイルに対する対処能力は不十分であり、低価格で大きな効果を生み出す「低高度域:air littoral」の戦いに適合できていないと喝破しています

Russian drones4.jpg実際、ペンタゴンは無人機対処技術の発掘や開発に懸命に取り組み始めているが、最新の技術を組み合わせても、侵攻する無人機の6割を探知できないのが現状だそうです。

更に重要な点として寄稿文は、ロシアが「低高度域:air littoral」戦法による戦い全体の「a quick victory」に自信を持っているとしたら、NATOが描く従来戦力差での「抑止」が機能しない可能性が高く、極めて危険状態を生み出すとも主張しています

Russian drones5.jpgこの変化に対しNATOが取るべき対応は、CAS不足を補う重火砲と防空システムの緊急増強だがそれには時間が必要であり、現実的な対応は大量に安価な無人機を大量導入したり地上火砲の導入で局所的な航空優勢を確保することであろうと寄稿文は述べています。

ただ、それにもまして、NATO側は「低高度域:air littoral」の重要性を認識していないコンセプトを改め、「航空優勢」や「制空」の考え方を再構築すべきであると寄稿文は訴え、容易ではないがNATOは重要な「低高度域:air littoral」制圧に向かって態勢を整えるとともに、戦闘機や空中戦が輝いた栄光の時代が完全に過ぎ去らないにしても、もはや唯一の重要な要素でないことに気づくべきだ・・・と強烈に結んでいます
////////////////////////////////////////////

Russian drones6.jpgこの寄稿文が米輸送コマンド所属の大佐(つまり戦闘機パイロットでない幹部からの投稿)と元空軍大学教官によるものであることがポイントです

つまり、非戦闘機族から世界の空軍を支配する戦闘機族に対する「挑戦状」だと認識すべきです。うまく訳せていませんが、この寄稿文の最後の一文が全てを表現しています

「The glory days of fighter planes and swirling dog fights may or may not have passed, but they are no longer the only or most important fights in the sky.」

「ドローン使用作戦の一里塚:アゼルバイジャン大勝利」
https://holylandtokyo.com/2020/12/22/348/

小泉悠氏によるウクライナ情勢分析
2月2日https://holylandtokyo.com/2022/02/07/2698/
12月中旬https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-22

くたばれ戦闘機命派
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06 
「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02 

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米軍はこれから検証:5Gと電波高度計 [米空軍]

夏の後半までテストには必要とののんびりムード
敵に5Gで妨害を受けることを知られたくないのか???

Ligado7.jpg米国の民間通信企業による5Gサービス開始に伴い、民間航空機の電波高度計に干渉して精度に影響が出るとして、ボーイング777型機の運航が停止なったり、空港周辺での5Gサービス開始延期が決定がなされるなどドタバタが米国内で起こっていますが、米軍はゆっくり夏後半まで影響を検証するようです

米国の通信大手Verizon とAT&Tは、1月19日から全米で5Gサービスを開始し、4Gよりも早く大容量の通信を売り出していますが、17日に運輸長官・連邦航空局長・連邦通信委員長等が連名で通信会社に電波高度計への影響リスクを訴え、主要飛行場の2マイル以内では5Gを提供するなと書簡を出した結果、上記通信覆大手2社は空港周辺での5Gサービス開始を当面延期すると1月18日発表するに至りました

C-17 data link4.jpg一方で同じ電波高度計を使用する米軍基地周辺での5G運用制限については、米空軍も、上記通信大手2社もメディアに回答せず、状況が良くわからない状態にあります

2021年初のCバンド電波オークションの際も、米国防省として断固阻止する姿勢は示さず、影響を局限する方向を追求するとの態度を示しており、なんとなくもやもや感があります

本件に関し米空軍報道官は、「米国防省は連邦航空局と連携して5G問題に対応している」、「JI-FRAI(Joint Interagency FiveG Radar Altimeter Interference)チームを設置し、5G影響の迅速確認テストを開発する」と説明していますが、実際のテストは1月中に開始するが、結果が出るのは夏の後半になるだろうと同報道官は述べています

C-130J RAAF2.jpgまた米空軍の「安全センター」は、商用ベースの5Gサービス提供は始まったばかりであるが、5Gとの干渉から生ずる問題について現時点では全く報告を受けていないとしているようです

更に、電波高度計の主要メーカーの一つ「Honeywell」は、「我々の製品に対する新たな要求はどの政府機関からも受けていない。わが社の製品は連邦航空局や関係機関の定めたすべての要求事項を満たしている」、「ただし、仮に何か新たな措置が必要になったなら、直ちに対応するし、連邦航空局や国防省、航空機メーカと共に、以前から5G干渉に関する試験に取り組んでいる」と説明しているところです
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米軍や国防省の落ち着いた・ゆったりっモードの対応は、米軍飛行場が市街地に近くないからなのか、軍事仕様で元から干渉に強い設計になっているのか、下手に騒ぐと中露に弱みを見せるからなのか、よくわかりません

前回の関連記事の繰り返しになりますが、世界の公共財ともいえる「GPS信号」への5G通信の影響が気になります

5Gと干渉問題
「民航機の欠航相次ぐ:5Gと電波高度計干渉」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-19
「電波高度計への5G干渉問題:まず影響確認」→https://holylandtokyo.com/2021/02/02/253/
「5G企業へのCバンド売却で電波高度計に懸念」→https://holylandtokyo.com/2020/12/25/351/
「炎上中:5G企業へのGPS近傍電波使用許可」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-14
「5G企業に国防省大反対の周波数使用許可へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-11
「米議会でも国防省使用の周波数議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-05
「軍事レーダーの干渉確認」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-05
「5G企業とGPS関係者がLバンド電波巡り激突中」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-22-2
「戦略コマンドが5Gとの電波争奪に懸念」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-27

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米空軍がE-3後継機にE-7調達に傾く!? [米空軍]

最近数か月で急速に機運が高まっているようです
開催中のRed Flag演習で豪空軍E-7をじっくり吟味するとか

E-7 2.jpg1月27日付米空軍協会web記事が、最近数が月で米空軍内でE-3後継機としてE-7を早期に取得するべきとの機運が高まっていると報じ、1月27日から開始されている「Red Flag演習」で豪空軍E-7をじっくり吟味する等の米空軍幹部の発言を紹介していま

米空軍はE-3を約35機保有していますが、その平均年齢が43歳と老朽化が進んでおり、ペンタゴン勤務経験の無い太平洋空軍司令官は2021年2月に「すぐE-7が欲しい。空軍司令部に要望する」と発言し、Brown空軍参謀総長が「検討中であり。具体的に機種を議論する段階にはない」と即座に声明を出して火消しにかかるなど、投資優先順位が絡んだワシントンDCの世界で、立場が微妙な装備です

E-3.jpg一方、剛腕で知られるKendall空軍長官は昨年12月に「米空軍7つの優先事業」を語り、「E-7などは、宇宙アセットが利用可能になるまでのギャップを埋めるが、空中アセットはE-3やJ-8をはじめ敵攻撃に脆弱で、長期的には使用が難しくなる。敵は我のこれらアセットへの攻撃能力を重視している」と表現し、E-3後継機を当面の「ギャップを埋める」役割と位置付けています

米空軍内に最近数か月で何が起こったのか記事は語っていませんが、米空軍幹部の発言等をご紹介しておきます

1月27日付米空軍協会web記事
E-7.jpg●1月24日から2月11日までネバダ州で開催中の「Red Flag演習」に豪空軍E-7が参加していることに触れ、「Air Warfare Center」司令官Case A. Cunningham少将はオンラインイベントで26日、「我々がインド太平洋地域で対峙している脅威を考える時、同盟国の高い能力を持つアセット(E-7)と共に訓練できることは非常に素晴らしい」と述べ
●「本演習ではF-35やF-22も参加し、強固に防御された戦域での作戦を想定しているが、その環境下でE-7の能力を確認できることは、米空軍アセットへのE-7導入を検討するにあたり、貴重な機会となる」とも表現し、「E-7の米空軍への導入」との言葉を使った

Wilsbach3.jpg●昨年2月には太平洋空軍司令官が「E-7がすぐにでも欲しい」と述べ、その際空軍司令部は慎重姿勢だったが、昨年9月にBrown空軍参謀総長は「E-7は良い機体で、私は何回も搭乗している。一から開発するより迅速で確実だ」と語っています
●また米空軍は昨年10月、E-7製造元のボーイングに対し、現在の形態のE-7を米空軍の規格に適合させるために何をどのくらいの経費で実施する必要があるかの検討を依頼している

Kelly.jpg●空軍戦闘コマンドのMark D. Kelly司令官は同時期に、E-3後継機の導入は「2年前に完了しておくべきだった」と発言し、物議を醸していた
●なおE-7は、欧州のほか、英国、韓国、トルコが導入することになっている
/////////////////////////////////////////////

完全な邪推ですが、空軍長官や空軍参謀総長は長期的な投資優先順位を考えE-7導入に慎重だったが、前線を預かる戦闘機乗り司令官からの目先を見据えた強い要望を受け、「この部分では妥協した」のではないでしょうか・・・

あともう一つ、米空軍がE-7導入に進むことにより、航空自衛隊が保有するE-767の「部品枯渇」や「整備支援停止」につながるのではないかと懸念しています

E-3 AWACSは平均年齢43歳です
「米空軍航空機は依然高齢です」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-11-27
「空軍長官が7つの優先事項を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-12
「PACAF司令官:E-7ほしい発言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-27

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極超音速兵器の重要性は中国と米国では異なる [米空軍]

Kendall空軍長官:米国にとっては必ずしも最適では・・
中国と同じ視点では「mirror-imaging」の過ちを

Kendall 7.jpg1月19日、剛腕Kendall空軍長官がCNASのイベントで講演し、極超音速兵器は重要だが中国にとっての重要性と米国にとっての重要性は異なると表現し、何が費用対効果で優れているかを熟考して兵器体系を考える必要ありと強調し、これまで米国防省の一貫した方針だった3軍が共同して「何が何でも極超音速兵器実現」モードからの変更を匂わせる発言をしています

同長官は2021年12月9日のDefense Oneのイベントで講演した際にも、無人ウイングマン機の開発コンセプト見直しを示唆したり、B-21爆撃機の無人随伴機新規開発を「that’s a major change」と表現したり、「移動目標の発見・識別・追尾」に宇宙センサーの導入を明らかにしたりと、「剛腕」が発揮されそうな予感を感じさせていたところですが、その第2段かもしれません

ACE8.jpg19日は極超音速兵器以外に、空軍の運用構想ACEはぜひと実現する必要があり、基地強化のほか、中国を騙して目標攻撃を困難にする手段の追求など多様な施策実施の重要性を訴え、また次世代指揮統制ABMSは一朝一夕には実現せず、段階的にできるところから推進する必要があるとも説明しています

本日は最も注目される「極超音速兵器」に関する19日の発言をご紹介します

19日付米空軍協会web記事によれば同長官は
hypersonic6.jpg●中国が極超音速兵器で攻撃したいと思う、つまり中国が脅威に感じている米軍施設には、空軍基地や海軍拠点などがあるだろう。しかし米軍にとっても極超音速兵器で攻撃したいような目標が中国にあるかと言えばそう単純ではない。「mirror-imaging」で中国と同様に極超音速兵器が米軍にとって重要かは熟考の必要がある
●トランプ政権時代には全力で極超音速兵器開発に邁進したが、同兵器は極めて高価であり、必ずしも費用対効果が最適とは限らない。そのトレードオフを慎重に吟味し、弾薬庫にどのような兵器をどれだけ備えるかを考えなくてはならない

hypersonic subm7.jpg米国の目標は敵の侵攻を抑止することであり、それは例えばウクライナでも台湾でもそうだ。しかし中国のような国にとっては、その目標は米国を近づけないことであったり、米国に介入させないことであり、作戦運用目的が米国とは相当異なる点にも留意すべきだ
●どのような兵器体系を将来構成するかは未決の検討課題で、極超音速兵器がその一角を占めることは間違いないが、何のためにどの程度保有するかはよく考える必要がある

●(ただし同長官は、米軍にとって、どのような攻撃目標がより速度の遅い巡航ミサイルに適した攻撃対象で、何が極超音速兵器に適した攻撃対象か等については一切言及しなかったが、) 引き続き同兵器の開発と配備に取り組むべきと考えている
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Skyborg3.jpgそのほか同長官は無人ウイングマンについて、多くの検討がなされてきたが価格が適当でなければ推進できないと表現し、また全ての優先計画を遂行するには、必要性が低下した装備の早期退役が不可欠で、2022年度予算ではいくつかの提案が米議会の賛同を得られたと語っています

なかなか踏み込んで具体的な計画の内容まで明らかにしない同長官ですが、米空軍内も含めた多様な方面に牽制球を投げ込みながら、中国にもにらみを利かせながら、予算獲得策も練りながら・・・進んでいるのでしょう。多分

しかし、米国と中国の作戦目的は異なる・・・仰せの通りかもしれません。原点に立ち返り、「mirror-imaging」の過ちを犯さないようしなければ・・・

2021年12月9日の同長官講演
「7つの優先事項を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-12

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