米空軍がパイロット採用の身長基準を柔軟に運用 [米空軍]
162.5㎝~195.6㎝の基準外の人も柔軟に採用
最低で150㎝、最高で205.7㎝の受け入れ実績あり
15日付military.comは、米空軍が操縦者不足に対応するため、また意欲あるパイロット希望者を最大限戦力として活用するため、2015年に時のJames空軍長官が認めたパイロット採用の身長基準の例外規定に、より多くの希望者に挑戦してほしいとの米空軍幹部発言を紹介しています。
冒頭でご紹介したように、米空軍は現在「shorter than 5'4" or taller than 6'5"は基準外で、64-77 inchesの間(162.5㎝~195.6㎝)を受け入れ基準.」としていますが、2015年に例外を認めるようになってから、223名の応募があり、その87%を詳細な検査を経てパイロットコースに受け入れたとのことです
もちろん「例外規定」を利用してパイロット訓練が認められた場合でも、全ての機種への挑戦が認められるわけではなく、操縦席のサイズや操縦ペダルの位置や外部視界の確保具合などを希望者の身体特性と機種ごとに精査し、対象機種を限定するようです
2015年以降の記録では、最低で150㎝、最高で205.7㎝の受け入れ実績があるとのことで、米空軍の懐の深さを感じますが、具体的な機種までは公開されていないようです
米国の国家統計によれば、20~29歳の米国女性の場合、パイロット基準の「162.5㎝~195.6㎝」未満の身長の人が43.5%を占めるそうで、特に女性の応募を期待しての2015年の例外規定設置だったようですが、米空軍は正式に身長基準を現在「5’4”=162,5㎝」から「5’3”=160㎝」に引き下げることも検討しているようです
もちろんむやみに身長基準を緩和するのではなく、先にも触れたように、詳細に応募者の身体特性を様々に測定し、機体のサイズも詳細に把握して適合性をチェックしているようで、その努力には頭が下がると同時に、操縦者不足(民間への流出)問題が深刻なことを伺わせます
15日付military.com記事によれば
●米空軍教育訓練コマンドの操縦者養成を担う第19空軍司令官Craig Wills少将は、操縦者不足への対策を夏に再検討する中で「明らかになったことは、我々が考えていたよりも、身長基準がパイロット希望者が応募を断念する要因として、他に比して極めて大きな原因だったという点である」、「単に身長の問題で応募しなかった者が多数いたということだ」と新たな気付きについて語った
●そして「例外規定の存在を、パイロット募集のプロセスで周知する事を怠ってきた。この例外規定を広く知ってもらう必要性を感じている」と語った
●同少将は例外規定の具体的適用に関し、全ての航空機のコックピットをレーザー測距機であらゆる側面から測定し、例外規定での応募者が対応可能かの見極めに使用していると説明し、
●同時にパイロット応募者の身体測定データ(おしりから膝までの長さ、膝からくるぶしまでの長さなどなど詳細な人体測定数値、unctional reach, wingspan, body mass, weight-to-height ratio, waist-to-hip, hip-to-knee and more・・)を機体データと照合するソフトに投入して、単に身長だけでない各個人の適合性判断に活用すると説明した
●米空軍士官学校やROTCコースでパイロット志望の学生は、通常のパイロット基準で不合格になった場合、自動的に「例外規定」での審査プロセスに入るように仕組みを見直し、新プロセスは米空軍医務官が監督する流れとなっている
●また、「例外規定」でパイロットコースに進む場合は、対象機種を限定することになり、例えばF-15に乗るためには、その訓練過程で操縦する必要があるT-1ジェット練習機なども操縦可能な身体特性を満たす必要があるし、新たな初等練習機T-7Aが導入されれば、より基準が緩和できる可能性がある
●同少将は改めて、「パイロット採用数を確保するために基準を緩和しているのではなく、能力と意志がある者がその力を生かせる体制を目指している」と強調し、「例外規定」の審査は厳しく、仮に同じ身長でも、手足の長さや同と足の長さのバランスにより合格するものと不合格が生じると説明した
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最も低くい採用者で150㎝、最高で205.7㎝の受け入れ実績があると言うことですが、基準「162.5㎝~195.6㎝」から上下10cm以上の幅を受け入れている懐の深さに感心します
操縦服やヘルメットの準備など、様々な派生的に対応が必要な事項があると思いますし、出産と産休という空白期間の可能性がある女性の活用をここまで踏み込んで取り組んでいる姿勢も驚きです
米空軍のパイロットと交流の機会がある方は、話題の一つとして取り上げて頂き、現場の実態を尋ねてみてはいかがでしょうか。
米空軍パイロット不足関連
「操縦者不足緩和?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-12
「操縦者養成3割増に向けて」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-21-1
「下士官パイロットは考えず→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3
「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20
「トップガン続編の予告編」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-20-1
「ロボット操縦の旧式セスナが初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-20
最低で150㎝、最高で205.7㎝の受け入れ実績あり
15日付military.comは、米空軍が操縦者不足に対応するため、また意欲あるパイロット希望者を最大限戦力として活用するため、2015年に時のJames空軍長官が認めたパイロット採用の身長基準の例外規定に、より多くの希望者に挑戦してほしいとの米空軍幹部発言を紹介しています。
冒頭でご紹介したように、米空軍は現在「shorter than 5'4" or taller than 6'5"は基準外で、64-77 inchesの間(162.5㎝~195.6㎝)を受け入れ基準.」としていますが、2015年に例外を認めるようになってから、223名の応募があり、その87%を詳細な検査を経てパイロットコースに受け入れたとのことです
もちろん「例外規定」を利用してパイロット訓練が認められた場合でも、全ての機種への挑戦が認められるわけではなく、操縦席のサイズや操縦ペダルの位置や外部視界の確保具合などを希望者の身体特性と機種ごとに精査し、対象機種を限定するようです
2015年以降の記録では、最低で150㎝、最高で205.7㎝の受け入れ実績があるとのことで、米空軍の懐の深さを感じますが、具体的な機種までは公開されていないようです
米国の国家統計によれば、20~29歳の米国女性の場合、パイロット基準の「162.5㎝~195.6㎝」未満の身長の人が43.5%を占めるそうで、特に女性の応募を期待しての2015年の例外規定設置だったようですが、米空軍は正式に身長基準を現在「5’4”=162,5㎝」から「5’3”=160㎝」に引き下げることも検討しているようです
もちろんむやみに身長基準を緩和するのではなく、先にも触れたように、詳細に応募者の身体特性を様々に測定し、機体のサイズも詳細に把握して適合性をチェックしているようで、その努力には頭が下がると同時に、操縦者不足(民間への流出)問題が深刻なことを伺わせます
15日付military.com記事によれば
●米空軍教育訓練コマンドの操縦者養成を担う第19空軍司令官Craig Wills少将は、操縦者不足への対策を夏に再検討する中で「明らかになったことは、我々が考えていたよりも、身長基準がパイロット希望者が応募を断念する要因として、他に比して極めて大きな原因だったという点である」、「単に身長の問題で応募しなかった者が多数いたということだ」と新たな気付きについて語った
●そして「例外規定の存在を、パイロット募集のプロセスで周知する事を怠ってきた。この例外規定を広く知ってもらう必要性を感じている」と語った
●同少将は例外規定の具体的適用に関し、全ての航空機のコックピットをレーザー測距機であらゆる側面から測定し、例外規定での応募者が対応可能かの見極めに使用していると説明し、
●同時にパイロット応募者の身体測定データ(おしりから膝までの長さ、膝からくるぶしまでの長さなどなど詳細な人体測定数値、unctional reach, wingspan, body mass, weight-to-height ratio, waist-to-hip, hip-to-knee and more・・)を機体データと照合するソフトに投入して、単に身長だけでない各個人の適合性判断に活用すると説明した
●米空軍士官学校やROTCコースでパイロット志望の学生は、通常のパイロット基準で不合格になった場合、自動的に「例外規定」での審査プロセスに入るように仕組みを見直し、新プロセスは米空軍医務官が監督する流れとなっている
●また、「例外規定」でパイロットコースに進む場合は、対象機種を限定することになり、例えばF-15に乗るためには、その訓練過程で操縦する必要があるT-1ジェット練習機なども操縦可能な身体特性を満たす必要があるし、新たな初等練習機T-7Aが導入されれば、より基準が緩和できる可能性がある
●同少将は改めて、「パイロット採用数を確保するために基準を緩和しているのではなく、能力と意志がある者がその力を生かせる体制を目指している」と強調し、「例外規定」の審査は厳しく、仮に同じ身長でも、手足の長さや同と足の長さのバランスにより合格するものと不合格が生じると説明した
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最も低くい採用者で150㎝、最高で205.7㎝の受け入れ実績があると言うことですが、基準「162.5㎝~195.6㎝」から上下10cm以上の幅を受け入れている懐の深さに感心します
操縦服やヘルメットの準備など、様々な派生的に対応が必要な事項があると思いますし、出産と産休という空白期間の可能性がある女性の活用をここまで踏み込んで取り組んでいる姿勢も驚きです
米空軍のパイロットと交流の機会がある方は、話題の一つとして取り上げて頂き、現場の実態を尋ねてみてはいかがでしょうか。
米空軍パイロット不足関連
「操縦者不足緩和?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-12
「操縦者養成3割増に向けて」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-21-1
「下士官パイロットは考えず→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3
「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20
「トップガン続編の予告編」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-20-1
「ロボット操縦の旧式セスナが初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-20
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