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米空軍研究:ロボット操縦の旧式セスナが初飛行 [米空軍]

安価に既存機を無人機にする手段の研究
米空軍研究所が真面目に取り組み
ニーズや今後の展開が気になります

Cessna 206.jpg15日付米空軍リリースによれば、米空軍研究所AFRLと民間企業が協力し、8月9日に旧式のセスナ機(1968 Cessna 206 )の操縦席にロボット操縦者「ROBOpilot」を乗せて初飛行に成功した模様です

このニュースを見た時、「今や無人機なんて山のように世界に出回っているのに、何で米空軍研究所がこんなことやってるの?」、「お遊びですか?」と疑問に思ったのですが、どうやら、山のように世にある有人機を安価に簡単に無人機運用したいとのニーズが背景にあるようです

明確に研究の背景や今後の応用について空軍リリースや関連報道は触れていませんが、新たな無人機を設計製造すれば相当な資金が必要だし、有人機の操縦システムを無人運用用に1機1機改修するのも資金が必要なので、ロボット操縦士を有人機の操縦席に座らせ、軽易に有人機を無人運用したい(また逆に簡単に有人機に戻したい)との思いがあるのでは・・・と邪推しております

また、米軍操縦者の民間流出が止まらず、操縦者不足が深刻化して対策に苦慮していることから、既存有人機を無人運用する検討しているのかもしれません。

原始的ながら、米空軍研究所の緊急イノベーションセンターが真剣に取り組む「ROBOpilot」をご紹介いたします

15日付米空軍報道リリースによれば
Cessna 206 2.jpg●米空軍研究所AFRLのWilliam Cooley司令官(少将)は、「この初飛行成功は、短時間低コストで、コンセプトを実用化に結び付けるAFRLの革新能力を証明するものだ」と成果を語り、
●AFRLの迅速イノべーションセンター(Center for Rapid Innovation)の上席研究員は、「考えてみてほしい。セスナ機や軽飛行機などの普通の航空機が、迅速にかつ安価に無人機に転換でき、また有人形態にもどすことが容易に可能なのだ」、「恒久的な形状変更をせずに有人と無人形態を変更できるのだ」と利点を強調した

●AFRLは、加州に所在する民間企業DZYNE Technologiesと協力して本計画を進め、「ROBOpilot」を人間が操縦するように航空機を扱うよう作り上げた
●例えば、操縦桿を操り、スロットルを操作し、尾翼や車輪を動かすペダルを踏み、スイッチ類を扱うように「ROBOpilot」は設計されている。またセンサーにより計器パネルを読み、機体姿勢や状況を把握して操縦する仕組みを備えている

Cessna 206 3.jpg●「ROBOpilot」の備え付けは簡単で、操縦座席を取り外して必要な操縦機能を備えた装置が詰まったROBOpilotのフレームを当該スペースに取り付け、必要な個所と接続するだけである
●AFRL関係者は、「ROBOpilot」が既存の民生技術や部品を活用して組み立てられ、その中にAFRLやDZYNE Technologyがこれまで培ってきた航空機設計技術を盛り込んだと説明し、「新たに無人機を設計する手間やコストを省いて、無人機の便利さや有効性を活用できる取り組みだ」とアピールしている

●AFRLの迅速イノべーションセンター(Center for Rapid Innovation)は2006年に設立され、既存技術を生かして迅速に必要なものを前線に届けるとの狙いをもって活動を開始し、作戦運用上のニーズに対応してきた組織である。
●具体的にはこれまで、例えば、移動目標攻撃のためのリックサック式の精密誘導兵器誘導装置、仕掛け爆弾IED対処装置、ドローン対処装置、移動式の秘匿通信システムなどなどで成果を上げてきた
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セスナや軽飛行機より複雑な、軍用輸送機(C-17やC-130のような)への応用を考えているのでしょうか? そうであれば、パイロット世界に結構な衝撃がありそうです

このような発想は、戦闘機には絶対応用されないでしょうが、米空軍内のパイロット族がどの様に生かしていくかに、興味津々です

米空軍パイロット不足関連
「操縦者不足緩和?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-12
「操縦者養成3割増に向けて」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-21-1
「下士官パイロットは考えず→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3
「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップガン続編の予告編」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-20-1
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