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米陸軍射程1000nmの砲開発の第一関門間近 [Joint・統合参謀本部]

砲弾1発が5000万円程度以下ならOK
2023年にプロトタイプ完成目指して

strategic canon.jpg16日付Defense-Newsが、中国等のA2AD網突破を企図した米陸軍の「射程1000nmの戦略cannon」開発について米陸軍の担当幹部や米陸軍参謀総長の発言を取り上げ、2023年にプロトタイプによるデモで装備化を最終判断するという計画の一環として、近々第一関門の試験を行うと紹介しています

担当の米陸軍幹部によれば、日進月歩で進化して脅威が大きくなる中国などのA2AD能力を突破する能力として、米陸軍は「超超音速兵器:Hypersonic Weapon」と「射程1000nmの戦略cannon」の研究開発に取り組んでいるが、「超超音速兵器」は成功しても高価になることが予想され、一発の価格がそれほどでもない「戦略cannon」に期待することろ大ということらしいです

近々試験を実施する第一関門(first gate)の試験(early ballistic tests)の他にも、いくつも関門があり、米陸軍が破産しない程度のコストに収まり、かつ期待する効果が得られるかは現時点で見えないようですが、対中国やロシアにおける米陸軍の存在を示す意味でも、マルチドメイン作戦での米陸軍の地位を確保するためにも、極めて重要な位置づけを担う米陸軍の「top priority」事業となっているようです

今年1月にご紹介した本件の記事第一弾に続く続報です
「射程1000nmの砲開発」https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1

16日付Defense-News記事によれば
strategic canon2.jpg●米陸軍の長射程精密攻撃近代化の責任者John Rafferty大佐は、中国やロシアが防御技術に多くの投資を行い、長射程防空システムや沿岸防御システムなど多重多層な防御兵器と、隙間の無い見通し線外を含む遠方監視レーダーシステムを整備する中、その対処はますます困難になりつつあると現状認識を述べ、
「米軍の最も高性能の航空機や艦艇でさえも、アクセスの困難に直面しつつある」、「このような多層な敵の長射程防御能力は根本的な問題を突き付けているが、対処法の一つに、敵のA2AD網を突破して敵のネットワークを破砕し、我が統合戦力に対処の機会を提供するする地対地火力が考えられる」、「射程距離が最も重要になる」と説明した

●そして同大佐は、米陸軍が最優先事業の一つとして取り組む射程1000nmの「戦略的長射程Cannon」の第一関門の試験である「early ballistic tests」を、間もなくバージニア州にある米海軍Dahlgren試験場で行うと語った
●また、「戦略的長射程Cannon」は2023年にプロトタイプによるデモンストレーションを予定し、その結果をもって正式な事業化を決定する計画だと同大佐は説明した

米陸軍は長射程能力獲得のため、「超超音速兵器:Hypersonic Weapon」にも取り組んでいるが、極めて高い技術を要することから、恐らく十分な数量を確保できないと考えられており、そこで短納期でも20発調達可能であろう「戦略的長射程Cannon」が重要になるとも同大佐は述べ、
●更に米陸軍にとっては、今後の開発の幾つかの関門において、その破壊力とコスト面において目標を達成出来るかを吟味することになるとし、「量と価格と破壊力が最も重要な評価側面となる」とコメントしている

McConville.jpg●10月1日に就任したばかりのJames McConville米陸軍参謀総長は就任後のインタビューで、「戦略的長射程Cannonが開発できれば、1発何億もせず、1発4-5000万円程度に収まると考えられる。コストがポイントで、そこが気になっている。性能とトレードオフの関係にあるコストが課題だ」、「米陸軍は革新に挑むが、段階ごとに成果を確認し、目標が達成できなければ進めない」と語っている
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ちなみに射程1000nm(1852㎞)と言うと、おおよそ東京から上海までの距離になります。
第一列島戦から中国大陸が約900㎞の500nmですから、第一列島戦の倍の距離、南シナ海でいうと・・・フィリピンのマニラとベトナムの最短距離が1200㎞、バンコクからシンガポールが1500㎞くらいの感覚です

strategic canon3.jpg何段階も関門があるようですが、技術的にどの様な物かよくわかっていないので、これ以上のコメントはできません。悪しからず
統合参謀本部での期待がどの程度なのか聞きたいところです

1発の価格に関して陸軍参謀総長が語った原文は、「If we are able to develop the strategic, long-range cannon system, the rounds may be only $400,000 or $500,000 compared to multimillion-dollar rounds. Cost does matter, and we are concerned about cost. There are some, definitely, physics challenges in doing these types of things, and that is the trade-off」です。

本件の記事第一弾
「射程1000nmの砲開発」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1

米陸軍関連の記事
「米陸軍が欧州で2020年大規模機動演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-08-1
「米陸軍は南シナ海でも大規模機動展開演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-30
「米国防省2トップが陸軍出身に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-20
「3軍長官が士官学校問題議論」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-10
「RIMPACで日米陸軍が訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

地上部隊にA2AD網を期待
「RIMPACで日米陸軍が訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

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米本土から欧州に2万人展開の「Defender 2020」演習 [Joint・統合参謀本部]

来年2月から機動展開開始
4-5月に欧州でメイン戦闘演習6月撤収

Defender 20201.jpg7日付Defense-Newsは、来年2月から6月にかけ実施される冷戦後最大規模の米陸軍機動展開演習「Defender 2020 in Europe」について欧州米陸軍司令官Chris Cavoli中将が語る様子を報じています

米陸軍が米本土から大規模に機動展開することを演練する演習「Defender 2020」は、太平洋軍エリアでも来年計画されており、1個師団司令部と数個旅団が南シナ海対処シナリオに基づき、フィリピンやタイを中心とした復う数の地域諸国に展開して演習する計画となっており、この欧州版が「Defender 2020 in Europe」です。

しかし欧州版は太平洋版に比して規模が大きく、1個師団以上の2万人を米本土から移送し、ドイツやポーランド、バルト3国や東欧諸国、グルジアや北欧諸国にも展開させるもので、冷戦時に大規模に行われていた「Reforger 演習」がドイツだけに戦力を集中展開し、恐らく「フルだギャップ」防衛に備えた演習だったのに対し、広く対露正面を意識した点で極めて挑戦的な演習と言えましょう

Defender 20202.jpg欧州米陸軍司令官が、「従来のSaber Guardian演習などが戦術的な演習だとすれば、Defender 2020は戦略的なレベルの演習だ」と語っているように、特に輸送面などの兵たん面で、欧州関係国との連携が大いに試される演習となりそうです

3月末に太平洋地域の「Defender 2020」をご紹介した際は、太平洋陸軍司令官から時期についての話がありませんでしたが、欧州が2020年前半だとすると、太平洋では2020年の後半かもしれませんね

7日付Defense-News記事によれば
●Chris Cavoli欧州米陸軍司令官は、師団規模の米陸軍部隊を、米本土の基地から米国の港に移動させ、欧州の港に運び、そこから陸路を東欧州全域に、つまりドイツ、ポーランド、東欧、北欧諸国に移動させる演習だと独占インタビューで語った
●米陸軍はこれまで、太平洋軍エリアでの「Defender 2020 in the Pacific」については語ってきたが、欧州での同演習についてはほとんど明らかにしてこなかった

Defender 20204.jpg2014年にロシアがウクライナに浸潤して以降、それまで削減傾向にあった他国での米陸軍プレゼンスを見直し、米本土所在部隊を増やす傾向は変わらないが、欧州地域での戦力維持にも配慮し、また関連装備の前方備蓄を積み上げてきた
●また、「brigade combat team」や陸軍航空旅団を9ヶ月ローテーションで戦力を展開させる手法を講じてきた。しかし今回の2万人規模を米本土から機動展開させる演習は、全くこれまでとは異なる大きな挑戦であると、同司令官は語った。

●これまでも緊急展開の重要性に鑑み、「Saber Guardian」などの演習で部隊展開を訓練してきたが、これらはあくまでも戦術的な訓練であり、「Defender 2020」は戦略的対応力を試すものとなると同司令官は表現した
●また、何千もの単位の部隊が移動するとなれば、輸送インフラのほか、効果的な連携や受入国からの支援が欠かせなく、地域の同盟国・パートナー国の取り組みを訓練してもらうことにもなるとも語った

●例えば、戦術レベルの演習では、ハンガリーに国内の部隊移動全体を調整する部署を設けてもらったし、ドイツには欧州全体を機動展開する部隊の統合調整所を設置してもらったこともある
Defender 20203.jpgこのような取り組みが「Defender 2020」では各所で期待され、緊急事態の際に必要な円滑な部隊移動を支援する訓練となる事を期待している

前方事前集積装備の活用もこれまでの演習から一歩踏み込み、事前集積装備や弾薬を活用し、実弾演習まで行う計画だと説明した

●司令官はまた、「Defender 2020」では、米陸軍の「JWA:Joint Warfighting Assessment 2020」など約10個の欧州での通常演習を組み込んで行うことにしていると説明した。
●更に司令官は、「Multi-Domain Operations」コンセプトを検証するため、いくつかの取り組みを組み込む予定だと述べ、試行部隊は完全には編成されていないが、現状で不足する部分は米本土から派遣される部隊で模擬するなどして、検討中のコンセプトのテストに供したいとも語った
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極めて概要の紹介になりましたが、恐らく下士官から将軍クラスまで、全く経験したことの無い大規模機動展開演習になると思われます

安全な聖域を移動する中東への派遣イメージを払拭し、敵の脅威が迫る地域への機動展開と言う「古くて新しい」演習に期待いたしましょう・・・・

「米陸軍は2020年に南シナ海大規模機動展開演習」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-30

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細部不明も米海軍FA-18は稼働率8割達成 [Joint・統合参謀本部]

中東で酷使のFA-18:にわかに信じがたいが
昨年10月には5割だったのに・・・
外部アドバイザー招き民間機の手法導入とか

FA-18.jpg24日、米海軍が当時のマティス国防長官が昨年指示した「主要な戦闘機稼働率を2019年度末までに8割にせよ」に関し期限の9月30日を前にしてFA-18E/FとEA-18Gが達成したと発表しました

米海軍が公式声明で「稼働率8割」と発表するのですから嘘はないのでしょうが、2018年10月時点で「稼働率5割」だったものが、そんなに簡単に本当に8割を達成できるのか???との疑念たっぷりにmilitary.com記事を読んだのですが、その理由が良くわかりません

米海軍幹部は「Naval Sustainment System(NSS)-Aviation program」を導入し、「軍需産業外から専門家:expertise of the outside industry」を招聘し、米海軍が一丸となって取り組んだと説明していますが、疑い深いまんぐーすは「老朽化機体を早期破棄して計算の母数を減らしたのでは疑惑」を払しょくできていません

とりあえず24日付military.com記事によれば
Miller.jpg米海軍航空戦力チーフのDeWolfe H. Miller中将米海軍発表で、「FA-18E/FとEA-18Gはそれぞれ稼働率8割以上の基準を満たし、本声明発表時点で、それぞれ343機と95機が即時実戦展開可能なPMAI(primary mission aircraft inventory)としてカウントできる状態にある」と述べている
●そして「この状態は、一年にわたる米海軍航空関係者の取り組みの結果であり、Naval Sustainment System-Aviation programに関係者が真摯に取り組んだ成果である」と説明し、「米海軍兵士と文民職員、そして軍需産業関係者の信じがたいほどの努力を誇りに思う」と述べている

●また「過去約10年間に渡り、FA-18稼働機数は250-260機だったが、今ではFA-18を320機を稼働態勢で維持できるまでに改善し、目標であったFA-18を341機とEA-18Gを93機を達成できるまでになった」と述べ、FA-18を電子戦機に改良したEA-18Gも本プログラムの対象で改善されたと説明した
●「Naval Sustainment Systemの開発と遂行で、過去10年間見ることが出来なかったような稼働機数の数字を目にすることが出来るようになった」、「この数字は信じがたいもので、関係者の改善への情熱が湧きあがった結果である」とまで表現している

●「Naval Sustainment System-Aviation program」が従来と異なる点について同中将は、「国防省高官レベルのサポートの基、軍需産業以外から専門家を招いてNSSプログラムに投入したこと」を挙げ、「これにより国防省の政策や規則の変更要求も可能だとの信じることが出来た」、「民間航空業界で証明済みのbest practicesシステムを、国防省の完全な支援を得て導入推進できた」と説明した

Miller2.jpg●Miller中将は、投入された専門家はFA-18関連の「fleet readiness centers」をまず訪れ、米海軍関係者と共に維持整備システムの非効率を洗い出していった
大西洋地域米海軍航空司令官であるRoy Kelley少将は、最近は機体の稼働率が低いことから訓練演習を含めた飛行が十分でなかったが、2019年度はここ数年で初めて予算で割り当てられた飛行時間を完全に使用することが出来たと、現場部隊の即応体制向上に稼働率アップが大きく寄与していると説明した

2015年時点で米海軍は545機のFA-18E/F型機を保有していたが、その当時の稼働機数(PMAI)は記録がない
2018年10月のCSISでの討議でMiller中将は、FA-18の稼働率は約5割で約260機が稼働機数だと述べ、稼働率達成には少なくとも341機の稼働機数が必要だと説明していた

米海軍関係者は、この維持整備施策NSSを今後も推進し、高い即応態勢維持に努めると語ったが、マティス前長官が求めていたF-35の稼働率8割については触れなかった
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EA-18G.jpg2018年10月にFA-18の稼働率5割で稼働機数約260機だとすると、保有機数約520機で、2015年の保有機545機から老朽減耗で減少したと理解できますが、「稼働率8割達成には少なくとも341機の稼働機数が必要」と言われると、保有機が約463機となり、母数が良くわかりません

それにしても、「国防省高官レベルのサポートの基、軍需産業以外から専門家を招いてNSSプログラムに投入したこと」で稼働率が劇的に改善したなら、米空軍でも考えるべきでしょう。

米空軍はF-22はステルス塗装維持のために維持整備に時間が必要F-35は任務所用が多くて維持整備に時間が掛けられない・・・などの理由で稼働率8割が達成できないと言い訳していましたが、米海軍方式は導入できないのでしょうか? 

また、民間航空会社の手法とはどのような手法でしょうか? とっても気になります

主要戦闘機の稼働率を8割にせよ関連記事
「米空軍はF-16のみ達成可能」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-09-06
「戦闘機稼働率8割への課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-09
「マティス国防長官が指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-11

「B-1爆撃機の稼働機一桁の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「2/3が飛行不能FA-18の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
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太平洋空軍基地の防御困難性を語る [Joint・統合参謀本部]

専門家「中国軍が太平洋空軍戦力を殲滅するのは簡単」
米軍既存の防空能力では対応不可能

Brown.jpg20日、米太平洋空軍司令官Charles Brown大将がAFA航空宇宙サイバー会議で講演し中国軍の攻撃から航空戦力を守るため西太平洋の各地に戦力を分散させても、現状では中国の多様な攻撃兵器から航空基地や所在戦力を守る能力はなく、また米軍内部の任務分担(roles and missions)も再検討する必要があると語りました

米軍は太平洋軍作戦エリアで、「作戦面で打たれ強く、地理的に分散し、政治的に持続可能な」体制をスローガンに、少なくとも5年以上取り組んでおり、「地理的分散」のためグアム周辺のサイパンやテニアンなどの活用訓練を進め、最近ではエスパー国防長官が新たな基地基盤の設置にまで言及しています

Andersen AFB.jpg一方で政治的な持続可能性」は中国への経済依存が進む西太平洋地域で難しい状況にあり、「作戦面での打たれ強さ」は、グアム島米軍事施設の抗たん性強化等が行われていますが、中国の弾道・巡航ミサイルや長距離爆撃機、超超音速兵器開発などの急速な発達により、「弱さ」が増している状況にあります

更に言えば、サウジの石油施設がドローンやミサイルで「あっさり」大被害を受けた事例を見るまでもなく、大規模で複雑な地上システムに依存する航空戦力や航空基地は、残念ながら広大な中国大陸に配備され増強されている兵器を前に無力感が増しているのが現実です

20日付米空軍協会web記事によれば
●20日、AFA航空宇宙サイバー会議に参加中のBroun太平洋空軍司令官は記者団に、今後アジア太平洋地域で戦力を分散させて運用する方向にあるが、分散先の設備不十分な簡易基地の防衛について米軍全体で任務分担を再調整する必要があると語った
●そして、小型無人機から弾道・巡航ミサイル、更には超超音速兵器にまで至る様々な脅威から基地を守る部隊を保有する必要があると訴え、このための議論を全米軍を巻き込んで始まっており、特に同様の兵力分散モデルを考えている海兵隊が防空能力に関する問題意識が高いと説明した

Key West agreement.jpg●また、現在の米軍内の任務分担は1947年の「Key West agreement」に基づくもので、陸軍が地上部隊の防御を、空軍が経空脅威を担うことになっているが、当時は巡航ミサイルも無人機も脅威の想定に含まれてはいないと現状にも触れた
●同会議の別のパネル討議では、太平洋陸軍幹部と米空軍司令部幹部にミッチェル研究所のMark Gunzinger氏が登壇し、長距離精密誘導兵器に対しては聖域はなく、防御は米本土においても必要で、防御手段を保有する必要を指摘した

Gunzinger.jpg●陸軍と空軍幹部は、「Key West agreement」を過去のものとして再構築し、現在はまだ存在しない統合の指揮統制要領をもっと積極的に議論する必要があると述べた
Gunzinger氏は中国軍がアジア太平洋の米空軍基地を攻撃して戦力の大部分を殲滅するのは容易なことだと断言し、少数の基地に戦力を集中している点や、戦力を分散する準備も出来ていない点を厳しく指摘した

●また同氏は、米陸軍には米空軍基地を防御する能力はないことから、米空軍がその役割を担って備えるべきだと主張し、Brown司令官も米陸軍現有の防空システムはTHAADにしてもペトリにしても大きく重いことから分散先への空輸が容易ではなく、展開しても設置に時間を要すると問題点を指摘した
high-powered microwave.jpg●これらを踏まえBrown太平洋軍司令官は、輸送に負担のない「高出力microwave」や他のシステム導入を検討し、我々の考え方を変える必要があると述べた

一方で同司令官は新防空システムの導入検討の予定について言及を避け、「全ては予算の問題だ」と空軍首脳部で予算は配分に関する議論が行われていると説明した
●そして太平洋空軍は米空軍研究所AFRLと協力し、空軍「Warfighting Integration Center」の如何に基地防衛を改革していくかとの検討の今後について検討していると述べた
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DF-21.jpgBrown太平洋軍司令官から、「maybe high-powered microwave or other systems that don’t need a lot of lift」との新兵器への言及がありましたが、そんなものが近未来に実現できるとは考えにくく米空軍が戦闘機や戦闘爆撃機や爆撃機に拘り続ける限り解決法はないような気がしてなりません

空母を中心に据える米海軍にも言えることかもしれませんが、このままでは、「ゆで蛙」になってしまいますよ・・・・

自衛隊の皆様に置かれましては、上記の米空軍幹部や専門家の話を契機として、真摯な気持ちで戦闘機中心の防衛力整備について改めて再考いただきたいと思います

「アジア太平洋地域で基地増設を検討中」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-28

マルチドメインの関連
「対中国で米軍配置再検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-16-1
「射程1000㎞の砲を真剣検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1
「RIMPACで日米陸軍が訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

A2AD中国軍事力関連の記事
「空母キラーDF-26の発射映像」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31
「射程1800㎞の砲を米陸軍に」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1
「DIAが中国軍事力レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-17

「H-20初飛行間近?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-13
「イメージ映像:中国軍島嶼占領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「驚異の対艦ミサイルYJ-18」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30

米空軍の西太平洋対策
「担当空軍司令官がACEを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10-1
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「岩田元陸幕長の発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09 

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

グアム島の抗たん化対策
「被害復旧部隊を沖縄から避難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1
「テニアンをグアムの代替に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16-1
「グアム施設強化等の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1

「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12

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明暗:空中給油機MQ-25初飛行KC-46実戦投入3年無理 [Joint・統合参謀本部]

初の空母艦載無人機MQ-25は地上で初飛行
一方KC-46重大不具合の解決策未だ見えず

共にボーイング社が担当する2つの明暗分かれる米海軍と米空軍の空中給油機事業についてご紹介いたします。

MQ-25 first2.jpg明るい方は、米海軍が当初運用開始予定だった2024年を前倒しするよう現場にはっぱをかけている、初の空母艦載無人機で空中給油機となるMQ-25で、19日にセントルイスの空港から初のテスト飛行を行い、約2時間の遠隔操縦フライトに成功したとのニュースです

暗い方は、2年以上運用開始が遅れている米空軍の最重要事業の一つKC-46空中給油機に関してで、運用を担当する米空軍輸送コマンド司令官が辛辣にボーイングを批判し「8か月経過しても課題解決につながる対策を提示してこない」、「ボーイングへの圧力を強める」と表現し、少なくとも3年は実戦に投入できないと怒りを爆発させたにゅーすです

KC-46A.jpgKC-46の4つの重要不具合の中で特に司令官が問題視したのは、給油装置操作員が使用する相手機と給油ブームを確認する映像システムRVSで、太陽光などの光の確度によっては相手機が良く確認できないとか、相手機との距離感がうまくつかめずに相手機に給油ブームをぶつける等の不具合が出ている件です

気になったのはボーイング社の幹部の発言「システムの完成レベルの認識において、両サイドに誤りがある(Maybe we had some fault on both sides defining what the system should look like)」で、ボーイング側が開き直る恐れを感じさせる点です

明るいMQ-25初飛行の話題から
(19日付Defense-News記事)
●19日付のボーイング社発表によれば、同日同社が米空軍とプロトタイプ開発契約を結んでいる4機のMQ-25の内の1機が、セントルイスのMidAmerica St. Louis空港から約2時間の初飛行に予定通り成功した
MQ-25 first.jpg●ボーイング社は発表で、「当該機は自律的に飛行場内をタクシーして離陸し、事前にプログラムされたルートを予定通り飛行して、航空機の基本飛行性能と地上管制システムの能力が問題ないことを証明した」、「米海軍との協力により、初の空母艦載無人機としてのプロセスを」と述べている

●同機は機種選定の上、2018年8月にボーイング社提案が採用され、5年後の2024年に初期運用態勢を達成する前提で、約900億円で設計&開発&最初のプロトタイプ4機製造を行う契約が結ばれています。また現時点で総経費約1.5兆円で72機を導入する想定となってる
●具体的な要求事項は明らかなっていませんが、同機は空母から500nm離れた場所で、14000ポンドの給油が可能な性能が求められ、同機導入によりFA-18の戦闘行動半径は現在の約450nmから追加で300~400nm延伸し、700nmを超えると言われる

暗い話題KC-46の実戦投入はす少なくとも3年後?
(18日付米空軍協会web記事)
Miller Maryanne.jpg●18日、米空軍輸送コマンド司令官のMaryanne Miller大将(女性)は、AFA航空宇宙サイバー会議の会場で記者団に対し、「米空軍が機体受領を始めてから8か月が経過するが、ボーイング社から全ての要求事項を満たすような解決法の提示を一度も受けていない。今後2か月程度の間に解決策が提示されると期待している」、「米空軍としてボーイングへのプレッシャーを強めていく」と述べ、
●一方で今後少なくとも3年程度はKC-46の実戦投入が難しいと判断されることから、「現有のKC-135空中給油機の退役時期を延期してもらうよう米空軍と協議している」と同司令官は述べ、米輸送コマンド司令官も「KC-46の遅れにより、28機程度のKC-135の退役時期を遅らせる必要がある」とコメントしている​

●Miller司令官は、ボーイングが満たせていない9項目の要求事項があり、米空軍との協力で内7項目については進展があったが、残り2項目、RVSの操作員用モニターの鮮明さ(視力)と距離感把握の2点で解決策が見えず、給油ブームと相手機の距離感把握を困難にしていると現状を訴えた
Miller Maryanne2.jpg●そして同司令官は「ボーイング側は9項目すべてを満たす必要性を認識している」と述べ、全てを満たすまで解決をボーイングに求めていくとして「プレッシャーを強める」と記者団に明言した

ボーイングのKC-46営業上級責任者のMike Hefer氏は、「どの様にRVSを改修して要求事項を満たすかに関し、米空軍から青信号を得た。前進する方向は明確になった」と語る一方で、「システムの完成レベルの定義において、両サイドに誤りがある(Maybe we had some fault on both sides defining what the system should look like)」とも表現しており
●最近発覚した貨物拘束装置のアンロック問題についてHefer氏は、実際に貨物が機内で移動するような事態にはなっていないと強調し、暫定措置として貨物をストラップで固定して貨物搭載試験が可能な状態にKC-46を戻し、その間に根本原因を突き止めて恒久対策を明らかにすることを米空軍に提案していると説明した

●ボーイングから納入されたKC-46機体内に部品や工具やごみが残置されていた問題についてMiller司令官は、「最近納入を受けた19機目の機体で問題がないことが確認できた。対策が講じられたと確信している」と述べる一方で、「国防省と米空軍で引き続き監視していく」と述べた
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KC-46 RVS.jpgKC-46も、3度も機種選定をやり直したゴタゴタの後は、開発フェーズで途中まで順調でした。それが開発後半になってトラブル続きです

余計な心配であることを祈りますが、MQ-25には順調な道を歩んでいただきたいものです

ともにボーイングが担っているというだけで不安要素いっぱいの2つの空中給油機ですが、対中国を想定した場合、極めて重要な役割を担うアセットですので、秋の青空に向かって祈りを深めてまいりましょう・・・

MQ-25関連の記事
「2019年6月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-04
「MQ-25もボーイングに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-01-1
「NG社が撤退の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-29-1
「提案要求書を発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13
「MQ-25でFA-18活動が倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 

「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

KC-46関連の記事
「貨物ロックの新たな重大不具合」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-09-12
「海外売り込みに必死なボーイング」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-22-1
「米空軍2度目の受領拒否」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-1
「機体受領再開も不信感・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「米空軍がKC-46受け入れ中断」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-3
「不具合付きの初号機受領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-2
「7機種目の対象機を認定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08-3

「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1
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故障で空母なしの空母戦闘群が任務出撃 [Joint・統合参謀本部]

空母トルーマンが電気系統故障で帯同できず
代替空母派遣の余裕なく、巡洋艦らのみで(中東へ)出撃

Truman.jpg13日付Military.comは、空母トルーマン空母戦闘群が「空母なし」4隻のミサイル搭載艦のみを中心とした戦力で任務に出発したと報じています

空母トルーマンについては、今年3月には寿命を約25年残して早期退役させ、高額な中間解体修理(原子炉への燃料補給を含む)経費を次期空母Ford級建造に転用するとの案を米海軍と国防省でまとめて予算案として提出しましたが、議会やホワイトハウスの大反対を受けて引き続き任務継続となった空母です

また、7月にイラン人の血が流れるKavon Hakimzadeh大佐が艦長に就任したことでも話題を集めた空母で、(中東!?)派遣への準備が完了したと艦長自らが語るインタビュー記事をご紹介したところでしたが、8月に電気系統のトラブルが発覚し、米海軍が全力で修理に当っているようですが、このたびの出撃には間に合わなかったようです

これまでであれば、少し遅れて予備の空母戦闘群を派遣するとか、任務遂行中の空母群の任務期間を延長するとかで対応していたのですが、予算不足から部品調達の遅れや艦艇の老朽化、海外派遣の長期化などが重なり、艦艇修理・整備の滞留・遅延が慢性化かつ悪化しており、「全く余裕などない」状況が今回の空母なし派遣の背景にあります

13日付Military.com記事によれば
空母トルーマン空母戦闘群が東海岸の各地から任務地に向け出航を開始したが、通常とは異なり、一つ欠けているものがある・・・空母トルーマン自体である
Industrial Base2.jpg空母戦闘群(CSG)から空母が抜けたことで、SAG(surface action group)として出撃した戦闘群を構成するのは、ミサイル巡洋艦Normandyと、ミサイル駆逐艦Lassen, Forrest ShermanとFarragutの計4隻である

●同空母群が所属する第2艦隊司令官のAndrew Lewis中将は、この任務派遣は米海軍の柔軟な戦力運用能力を示すものだとの声明を出しているが、米海軍協会とのインタビューでは、当初「ユニーク」な展開と報じられた今回の編成を「不運なこと」と語っている
●しかし同時に同中将は「誰もこのような編成での派遣を望んでいない」、「しかし現実の世界の中で対応を望まれている。我々は大きな戦力を保有しており、保有戦力は時間通りに派遣される。そして空母トルーマンが復帰した時には更に強化される」と苦しい説明をしている

●同中将はまた、ちなみにSAGが東海岸から派遣されるのは13年ぶりだとも付け加えた

米軍のリーダーたちは、地域戦闘コマンド司令官からの要求に応えるだけの空母を準備できていないと認識しており、春にはJoseph Votel中央軍司令官が議会で証言し、米海軍が埋められないギャップは同盟国で埋め合わせてほしいと関係国に要請していると述べている
Industrial Base.jpg●過去に同様の空母の故障等が発生した場合、予備空母を代替として派遣していたが、東海岸にある米海軍用の艦艇修理・補修施設はこなし切れていない仕事が山済みとなっており、予備を準備できるような状態にはない

●この艦艇維持整備の問題は、新型の空母Fordの任務展開までも遅らせる事態となっている
空母トルーマンなしで派遣されたSAG指揮官であるJennifer Couture大佐は、「我々のSAGを構成する艦艇群は任務遂行の準備が出来ており、多様な任務要請に同盟国などと協力して対応可能で、世界中の安全保障と海洋安定に貢献できる」と語った
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ソ連崩壊とその後に起こった平和の配当議論と「戦力調達の空白」が生んだ現有装備品の高齢化、また近年の強制削減に起因する国防予算の実質減少、更に装備品の価格高騰による維持整備費へのしわ寄せ等々により、米軍装備の稼働率低下は目を覆うばかりです

米空軍も同様で、50機以上保有するB-1爆撃機の稼動機数が「一桁」台だとか、時の国防長官が指示した主要戦闘機4機種の稼働率8割確保を、1年後の今年9月に達成できるのが僅か1機種(恐らくF-22とF-35とFA-18は5割以下だと思います)だとか・・・深刻な状況です

加えて20年近く延々と続く実戦の継続で疲弊する装備品、トランプの独断でこちらも老朽化が激しい米軍施設の米軍施設更新費を削ってメキシコとの壁に充当など、現場の士気をそぐ政治判断も追い討ちをかけ、米軍の土台は揺らいでいます・・・対中国どころではない気がします・・・

空母トルーマン関連
「空母トルーマン艦長に元亡命イラン人」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-15
「空母トルーマンの25年早期退役案で紛糾」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-29
「空母関連の映像4つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-20

艦艇修理の大問題
「米艦艇建造や修理人材ピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-24
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
「軍需産業レポート2019」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-28
「2018年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-1

空軍装備品の稼働率急降下
「稼働率8割達成はF-16のみ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-09-06
「戦闘機稼働率8割への課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-09
「マティス国防長官が指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-11
「B-1爆撃機の稼働機一桁の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「2/3が飛行不能FA-18の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07

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初のASEANと米国の海洋演習AUMX開始 [Joint・統合参謀本部]

米+10か国参加の初の試みで中国に対抗姿勢
参加艦艇8隻で寂しい感じもしますが・・・

AUMX3.jpg2日、米国とASEAN10か国の海軍が初めて行う「Asean-US Maritime Exercise (AUMX) 」演習の開始式がタイで行われ、南シナ海を含む参加国周辺海域で5日間の演習が開始されました

「艦艇8隻と航空機4機、1000名以上の参加」とプレスリリースされていますが、参加国数より参加艦艇数が少ない点に突っ込むのは、ASEAN諸国の海軍の実態からすると野暮な話かもしれません・・・・。

南シナ海で中国が埋め立て工事を完了させ、滑走路、格納庫、弾薬庫、情報収集レーダーやアンテナ、防空ミサイルなどを整備&配備し、最近では移動式の電子妨害用車両の配備まで確認される事態となっています

AUMX2.jpgかつてエアシーバトルを打ち出して対中国軍事戦略をリードしていたシンクタンクCSBAは、この中国の迅速な動きを振り返り、「あっという間に既成事実を確立されてしまった」と反省し、第一列島戦上の中国との将来戦では「中国による迅速な既成事実化を防止する」ことを主眼とした海洋プレッシャー戦略」なるものを打ち出したところです

「海洋プレッシャー戦略に唖然」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13

最近は安価なチューハイに侵されつつあるまんぐーすの頭には、「海洋プレッシャー戦略」の実行可能性があるとは思えないのですが、米国の国家安全保障戦略NSSでも、国家防衛戦略NDSでも重視され、エスパー国防長官やポンペイオ国務長官も最重要課題という中国対処の演習ですので、中身があるようには見えませんが、初のAUMXをご紹介しておきます

1日付military.com記事によれば
AUMX.jpg●1日、タイ海軍のSattahip海軍基地で、米海軍とタイ海軍が共同でリードする初めてのAUMXが開始され、参加国である米国とASEAN10か国(タイ、ベトナム、シンガポール、ミャンマー、マレーシア、フィリピン、ブルネイ、カンボジア、ラオス、インドネシア)の代表が顔をそろえた
●バンコクにある米国大使館発表によれば、同演習は「東南アジアのnternational waters」で行われ、タイランド湾や南シナ海を経て、最後はシンガポールで終了する計画となっている

●同地域との海軍協力を担当するJoey Tynch米海軍少将は、「AUMXは、ASEANの海洋安全保障能力や海軍間の関係を強化し、自由で開かれたインドアジア太平洋との共通の信念を強固にするものだ」と表現した
●一方で、前週から、演習が開始された時点でも、中国の調査船がベトナム領海で活動しており、米国防省が「インドアジア太平洋地域の国際規範を犯すものだ」と中国を先週非難したところでもある

AUMX.jpg●演習には、(何者かに乗っ取られたと想定する)船舶に乗り込んで、船舶を奪い返して救出する訓練も含まれているが、これにはASEAN参加国全てが加わることになっている
●また同演習に関しては、ロヒンギャ問題で国際的に非難を浴び、米国が制裁を課しているミャンマー海軍まで参加させていることで非難する声もある。
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この記事は、フランスの通信社であるAFPの配信記事を購入したMIlitary.comが転載したものです

2日がレイバーデイの休日だったとはいえ、他の主要な米軍事メディアは、日本時間3日昼現在、この演習を報じていません。

ちょっと厳しい見方かもしれませんが、これが米軍事メディアの「AUMX演習」への評価のような気がします・・・

めっきり減った南シナ海の話題
「次期米軍トップが中国脅威を強調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-14-1
「海洋プレッシャー戦略に唖然」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13
「アジア安全保障会議2019」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-31-1

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新海兵隊司令官が大きな人事制度改革の方向を語る [Joint・統合参謀本部]

柔軟な昇任制度や直属指揮官の判定権限強化
能力の把握要領見直しや20年ルールの廃止なども

Berger5.jpg7月24日付Military.comが新しい海兵隊司令官David Berger大将へのインタビュー記事を掲載し7月15日の週に米海兵隊が示した人事制度改革「planning guidance」について、同司令官の強い思いを紹介しています

新司令官がこだわりを持つ人事制度改革が、今後どのように進められるのか良くわかりませんし、「planning guidance」の位置づけも良くわかりませんが、議会の承認や法律改正が必要なものも含まれているようですので、今後部隊の意見を聞きながら、議会等の反応を見ながら、出来ることから取り組みたいとの意欲の表明だと推測します。

このように「所信表明」的な位置づけのインタビューとは思いますが、米軍全体が抱えている人事制度の課題を凝縮したような問題認識だと思いましたので、ご紹介します

24日付Military.com記事によれば
Berger4.jpg7月11日に就任したばかりのBerger司令官はインタビューで、優秀な兵士にはもっと報いたい、昇任判断を前線部隊指揮官レベルに権限委任したい、専門職域の移動を柔軟にしたい、(昇任可能性がない)20年勤務者を首にする現行規定を見直したいなど、人事制度のドラスティックな改革への思いを語った
●「現在のリーダー層が指揮官や上級軍曹として大部分を過ごしてきた時代とは、異なった人材が必要tになってきている」との認識を同司令官は語り、必要な能力を持った兵士を引き留められるよう、海兵隊の現状をよく知る現場指揮官がもっと人事制度改革に関与していかなければならないと述べた

●現場指揮官たちは現在、部下たちの評価に極めて重要な職務評価レポートや職種適応性レポートを書く責務を負っているが、最終的な昇任審査は海軍司令部等が行っており、誰が昇任しするかの判断に現場指揮官が更に何らかの形で関与できないか考えていると同司令官は述べ、評価対象者を身近で見て把握している人間を評価に関与させる方法が必要だとも表現した
●15日の週に米海兵隊が示した人事制度改革「planning guidance」の中では極めて率直に、「業績評価の仕組みに、正すべき大きな問題がある。その問題には大きな課題となりつつある海兵隊自身が兵士のスキルや業績や潜在能力を評価する能力に対する不信感がふくまれる」と述べられている

Berger3.jpg●更に同司令官は、「人事管理システムの根幹は、必要な人材を励まして組織に引き留め、求める基準を満たさない者を分離していく仕組みである」と明言し、「現在の仕組みには、このシンプルな要求事項を達成する権限や手段が欠けている」と厳しく指摘した
●そして、あまりに多くの海兵隊兵士が、経過時間や経験で評価されているが、本来は才能や業績や潜在能力で判断され昇任させられるべきで、また多くの兵士が若い時代に押し付けられた職種に閉じ込められ、それが嫌なら退役するしかない状況に置かれていると述べ、有能で仕事ができる士官でさえ、時間の経過とともに仕事の興味分野も変わると語った

現階級以上への昇任見込みがない人材は、勤務20年を迎えた段階で退役を迫られるのが現行制度であるが、この規定により有能な部隊の中核的人材を排除しているとも指摘し、20年積み上げた技量保持者を、最も働き盛りの時期に放り出すような制度で部隊の士気を下げていると訴えた
●また報奨制度の問題点も指摘し、学び・考え・革新を生む兵士に報いるインセンティブが更に必要なだけでなく、特定の職域や集合全体ではなく、より対象を絞った個人を讃える方向に向かわなければならず、その逆も必要だと述べ、「精密誘導兵器のように、真に讃えるべき個人に的を定めて資源を投入すべきである」と語った

Berger2.jpg●同司令官はまた、各個人のユニークな特技や特性を生かせる職への移動の機会を与えることの重要性も強調し、米海兵隊全体で訓練方式や装備の改革更新を強く求められている中、教官や特殊技能職、指揮官や幕僚に適切な人材を配置する必要性を訴えた
●これらの課題対処には、議会の承認を得る必要のものもあることから、同司令官はまず、現場指揮官や上級軍曹に部下の将来潜在能力評価に関与させる機会の付与、適性のある人材の教育訓練や必要な幕僚業務への配置、報奨制度の見直しなどから取り組みたいと語った
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陸海空ドメインに加え、サイバーや宇宙、更に忘れられていた電子戦、これらドメインを融合して戦うにあたって必要な人工知能やITやクラウドや指揮統制システムなどに明るい人材確保が喫緊の課題となっている西側諸国軍ですが、基本的に全ての人材を自給自足してきた従来の人事管理制度では対応が不可能になりつつあります

以前から伝統的に海兵隊司令官は率直に危機感を表明していますが、他の軍種も全く同じで、当然日本でも大きな問題となっているのでしょう。

そんな中でも、まず戦闘機パイロットは議論の対象から外して・・・と始めるから、世界の空軍では誰も真剣に考えなくなるんです。戦闘機とパイロット所要の見直しが、空軍改革の原点だと思います。話がそれましたが・・・

人事制度改革に関する記事
「空軍長官最後のインタビュー」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-18
「上級軍曹選抜から体力テスト除外」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-09-2
「米空軍が昇任管理を大幅変更」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-04
「再雇用枠を大幅拡大」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
「海兵隊司令官:生活を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08
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空母トルーマン艦長に元亡命イラン人!? [Joint・統合参謀本部]

父親がイラン人でイラン革命時にイランから脱出
母親は米国人で生まれはテキサス州

Hakimzadeh3.jpg14日付Military.comが、間もなく中東に派遣されるであろう空母トルーマンの艦長に7月から就任しているKavon Hakimzadeh大佐を取り上げイラン人の血が流れる彼と彼の家族のこれまでを紹介しています

タイトルでは「亡命イラン人」と表現しましたが、同大佐がテキサス生まれであれば米国籍を持っていると思われますので不正確かもしれませんが、誕生後赤ん坊時代にイランへ移住し、イスラム革命吹きすさぶイランから11歳時に脱出しなかったら、恐らく今もイラン人としてイランで生活していた人物だと思います

高校卒業後に米海軍に入隊し、経緯は不明ですが士官となってE-2早期警戒機に搭乗し、7つの異なる米海軍艦艇で勤務し、中東での作戦も既に複数回経験した歴戦の海軍士官で、空母トルーマンの艦長ともなれば相当期待される人物です

任務に関することに記事は触れていませんが、多様な人材を取り込む米軍の一端をご紹介すべくHakimzadeh大佐の人生を取り上げま

14日付Military.com記事によれば
Hakimzadeh2.jpg●Hakimzadeh大佐は、テキサス州でアメリカ人の母親とイラン人の父親に生まれたが、まだ赤ん坊だったときにイランに引っ越した。彼は1970年代の子供時代を懐かしく思い出す。
●同大佐はペルシア語と英語を話す国際学校に通い、南部バプテストの母親の信仰を守り、近くに住んでいた叔父といとこと交流していた。当時、イランは親米であり、西洋文化の多くの側面を受け入れていた。それでも彼は「牧歌的な」子供時代だったと回想する。

●しかし、それは1979年のイスラム革命で大きく変わった。彼と彼の家族は、彼が11歳のときに米国への避難を余儀なくされた。彼の妹は9歳で、母親は妊娠7ヶ月だった。
イランの空港が閉まりそうになる中、飛行機になだれ込み、父親の仕事上の知人を頼ってミシシッピ州ハッティズバーグ近くの小さな町に向かうことになった。

●同大佐は海軍に入隊し、軍が提供した機会を利用して、彼と彼の家族が彼らのために行ったすべてのことを愛する国に返した。30年前にノーフォークに停泊する空母を目にし、自身で空母の艦長になると設定した目標を今年7月に達成した。当時、彼は若い船乗りであり、高校を卒業してすぐに海軍に入隊し、約10年間しか住んでいなかった国に仕えることを決心した。
Hakimzadeh4.jpgコールサインが「ハク」である同大佐は、ノーフォークに拠点を置くE-2早期警戒機の飛行士としてのキャリアの大半を過ごし、イラクとアフガニスタンの戦闘地帯で飛行し、7つの異なる船で8つの作戦遂行に関わった

●現在同大佐は、中東に戻る可能性に備えている。彼の空母戦闘群は展開前の演習を既に完了した。米海軍はその空母がどこに行くのか、いつ行くのかを明らかにしていないが、空母は世界中で緊張が高まった際の視認性の高い抑止力として頻繁に使用される。
空母リンカーンは現在、イランがアメリカの無人機を撃墜し、外国の石油タンカーを押収した後、中東で任務についている。空母トルーマンがこの地域でリンカーンの地位に就くように呼ばれた場合、空母トルーマン乗組員は準備ができていると同大佐は語った

「特定の個人的な不安は関係していない」、「過去に何度も展開した」と彼は言った。
●同大佐の名前は米国では珍しく、また彼が米国の同盟国である中東の国に展開するときに橋渡し役として働けると感じている。同大佐は今でも少しペルシア語を話し、彼の家族の話をもっと知りたいと思っている人たちには喜んで伝えている
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Truman.jpg空母トルーマンは米空軍が2020年度予算案で25年早期退役案を打ち出し、米議会から猛反発を受けて頓挫した曰くつきの空母で、空母乗員はこの春から夏にかけての予算審議を複雑な思いで見てきたと思います

そんな単純ではない状況で7月から艦長を任されたのがHakimzadeh大佐です。このタイミングでいい加減な人間を艦長に命ずることはありません。武運長久を祈ります!

空母と多様な人材の記事
「空母トルーマンの25年早期退役案で紛糾」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-29
「空母関連の映像4つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-20
「ベトナム難民が艦長として故郷に錦」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-18-1

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次の米海軍トップに空母の脆弱性問題を詰問 [Joint・統合参謀本部]

急遽推薦の候補者は議会で承認されましたが
承認質疑で空母の価格高騰と脆弱性を厳しく指摘

Gilday4.jpg次の米海軍人トップ予定者が突然退任に追い込まれ、後釜候補を中将から選ぶという50年ぶりの異常事態に直面した米海軍ですが後釜候補のMichael Gilday海軍中将(統合参謀本部幕僚長)が8月頭に上院でスムーズに承認を得たようです

しかしGilday海軍中将への上院軍事委員会の面々の指摘は厳しく新しい空母やSSBNやフリゲート艦や無人艦など、新型装備導入に際しての計画の遅延や価格高騰の「悪しき伝統」の再発防止を強く求めています

特にFord級空母への風当たりは強く、空母11隻体制の維持を支持している上院軍事委員長でさえ、同空母の価格高騰を「海軍の傲慢さを示しており、犯罪者と呼ぶべきレベル」と厳しく非難し、これ以上は許容しないと申しつけています

6日付Defense-News記事によれば
Gilday.jpgMichael Gilday海軍中将の米海軍トップの作戦部長(CNO)への就任に関する議会審議で、上院軍事委員会は同中将が同ポストのついて取り組むことが期待される重要事項として、大きく膨らんでいるFord級空母のコストと計画の遅延、空母自体の脆弱性への対応を上げた
●議員らは、飛翔速度を増し迎撃兵器を回避するミサイル技術進歩の中で、米海軍空母が中国やロシアのミサイルにとっての「サンドバック状態」になることを危惧し、各種対艦ミサイルや超超音速兵器の進歩への懸念を示し

海軍支援派として知られるAngus King議員は、特に超超音速兵器を空母を無効にする兵器として取り上げ、「悪夢の兵器」として米海軍の考えをただし、米海軍の中で最も高価で重要視されてきた空母の確固とした将来像をと防御法を、官民の知恵を結集して描くべきだと訴えた
●上院軍事委員長のJim Inhofe議員も空母11隻体制を支持し、米海軍が今年1隻削減案を持ち出した際は強く反対して案を葬った議員だが、Ford級空母の価格高騰を「海軍の傲慢さを示しており、犯罪者と呼ぶべきレベル」と非難し、新装備の初号機が価格高騰と計画遅延の常習犯であることに懸念を示した

Gilday2.jpg●同委員長は、同空母が技術的に未熟だった2周波数帯レーダーや電磁カタパルトや着艦フックや兵器用エレベータを無理やり設計に組み込んでリスクを冒し、1隻価格が1.5兆円にまで膨らんだ「悪夢」を厳しく批判し、今後海軍が取り組む新しいSSBNやフリゲート艦や無人艦など、新型装備導入に際しての計画の遅延や価格高騰の「悪しき伝統」再発防止を強く求めた

King議員は超超音速兵器について、「敵があと1年もすれば部隊配備する勢いなのに、我が国は何年も遅れを取っており、極めて危険な能力ギャップを抱えている」と語り、この兵器により米海軍艦艇の優位が失われることに懸念を訴えた

CSBAのBryan Clark研究員はKing議員の懸念に触れつつ、「空母の脆弱性は悪化を続けており、空中発射の超超音速巡航ミサイルがより大きな課題だろう」、「超超音速の空母攻撃兵器は安価で大量投入が可能であり、従来のミサイル防衛が必ずしも対象に想定してこなかった脅威であり、新たな課題として取り組む必要がある」と説明した
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Gilday3.jpg空母の脆弱性は誰もが普通に意識しているはずですが、投資の方向を大転換させるには、数発のミサイルで無効化される空母の姿を目にするまで待つ必要があるのかもしれません。人間のサガでしょうか・・・

米海軍では韓国プサンの港湾業務業者が絡んだ、新たな汚職疑惑が持ち上がっており、これから数年は高級幹部も含めたゴタゴタが予期されるようですし、艦艇建造・修理工場の疲弊も進んでいるようですし・・・

Michael Gilday海軍中将も、大変な時にCNOを引き受けることになったものです。

ところで・・・日本の空母形状護衛艦「いづも」にF-35Bを搭載する計画について、香田元海将と織田元空将が「大反対」論陣を張っていますが、全くごもっともです・・・

「代打の次期米海軍トップ候補」 →https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-19

米空母の話題
「空母1隻削減案に揺れる」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-29
「スミソニアン空母映像4つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-20
「空母群が温故知新訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-25
「空母艦載給油機のRFP発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13

「映像で学ぶ:米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「艦載機燃料タンクの振動問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-29
「空母フォード:3年遅れで米海軍へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-03
「フォード級空母を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20
「解説:電磁カタパルトEMALS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10

超超音速兵器関連の記事
「米空軍も取り組み本格化」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-16
「ミサイル防衛見直し発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-19
「ロシアが超超音速兵器試験に成功」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-27
「日本に探知追尾レーダー配備?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-24
「LRDRレーダー開発が順調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-10
「グリフィン局長の発言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-08-1
「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米空軍が1千億円で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-1
「同兵器は防御不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21-1
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

コロンビア級SSBN計画の関連
「NKのおかげSSBNに勢い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-2
「コロンビア級の予定概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-27
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

艦艇の修理や兵たんの課題
「米艦艇建造や修理人材ピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-24
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
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米陸軍が50KW防空レーザー兵器搭載装甲車両契約 [Joint・統合参謀本部]

Stryker戦闘装甲車両に2022年度搭載
2社と契約し別々に2つのプロトタイプを作成
契約企業以外にも自費開発でのチャンスを残す

striker combat.jpg1日、米陸軍のRCCTO(迅速能力・緊要技術室: Rapid Capabilities and Critical Technologies Office)は、Stryker戦闘装甲車両に2022年度までに50kw防空用レーザー兵器搭載を担当する企業に、Northrop Grumman と Raytheonを選定したと発表しました

これは戦闘装甲車両にM-SHORAD(移動式短射程防空:Manuever-Short-Range Air Defense)能力付与を狙ったもので、同車両にスティンガー携帯型防空ミサイルを2020年度中にプロトタイプ搭載する Leonardo DRSとの契約に並ぶもので、米陸軍は欧州での緊急ニーズに答えるものだと説明しています

脅威の変化を見据え、既に100kw、更に250-300kwへと2024年度を目途に出力をアップする開発計画も始まっているようですが、まずはミニマムの50kwでも早期に完成させ、ロシアの小型無人偵察機などに対応し、運用ノウハウを蓄積しようとの狙いと邪推しております

1日付Defense-News記事は
striker 50kw2.jpg●RCCTOは既にKord Technologiesを主契約企業としてレーザーによるM-SHORAD搭載契約を約220億円で結んでいるが、今回選定されたNorthrop Grumman と Raytheonは、Kord Technologiesのサブ契約者として本事業に参画し、合計で4台のStryker戦闘装甲車両プロトタイプ製造は約520億円の事業になる予定である
Stryker戦闘装甲車両4台で構成されるプロトタイプ小隊には、2020年に2社が別々に開発したいずれかの50kwレーザーが搭載される方向だが、米陸軍は他社が自費で開発した同兵器にも門戸は開かれているとし、可能な限り競争環境を維持しようとしている

●同様にM-SHORAD(移動式短射程防空)機能として、2018年に米陸軍は同車両にスティンガー携帯型防空ミサイルをプロトタイプ搭載する Leonardo DRSとの契約を結んでおり、2020年を目途にプロジェクトを進めている
米陸軍はレーザーなどエネルギー兵器に、無人機、ヘリ、ロケット弾、迫撃砲、野戦砲に対する防空対処を期待しており、米陸軍の運用単位であるBCT(brigade combat teams)の防空能力アップを狙っている

striker 50kw.jpg●米陸軍で本事業をつかさどるNeil Thurgood中将は、「エネルギー兵器を戦場に送る時が来た。米陸軍の近代化計画においてエネルギー兵器は極めて重要な位置を占めている。もはや研究開発デモ段階ではなく、戦略的な戦闘能力であり、前線兵士の手に渡る道を歩んでいるのだ」と説明している
M-SHORADは技術成熟努力の一部であり、「Multi-Mission High Energy Laser」への道の一つである

●米陸軍は既に100kw級レーザーで「High Energy Laser Tactical Vehicle」に取り組んでおり、ロッキード等を交え、「Family of Medium Tactical Vehicles platform」を目指してるが、更に250-300kwの開発を目指している
最も強力な出力のエネルギー兵器は、ロケット弾、迫撃砲、野戦砲やそれ以上の脅威対応に開発されており、「High Energy Laser Indirect Fire Protection Capability」として2024年度の部隊配備を現時点で想定されている
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50kwの防空用レーザー兵器のプロトタイプを、戦闘装甲車両に2022年までに搭載するため、有力2社を競わせることにしたが、自費でもっと良いものを作った企業が現れれば、躊躇なく良い方を採用する・・・との方針です

striker combat2.jpg更に2024年には、300kwクラスも実現して、より大型で高速の目標への対処を目指す・・・ということの様です。

何回かこのような話をご紹介したような気もしますが、2022年だそうです。50kwですが・・・。ちなみに米艦艇には不退転の決意で60kwを2021年に搭載との話がありました

500kw以上ないと、ロケット弾とか野戦砲の玉相手には難しいと思いますが、なかなか出力アップは難しそうです。「何時までたっても、5年後に実現」の法則が今も有効なのでしょうか・・・

エネルギー兵器関連
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24
「F-15用自己防御レーザー試験」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-04
「エネルギー兵器での国際協力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-27
「エネルギー兵器とMD」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「レーザーは米海軍が先行」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24

「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06

国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24

夢見ていた頃
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1
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米軍が医療関係者を約14%削減へ [Joint・統合参謀本部]

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軍医を削減すると、治療機会が増えて技量が向上するとか
看護師、医療技術者、メディック等を含めての削減です

medical soldier.jpg今年1月と7月10日付Military.com記事によれば、この夏の2020年度予算案審議で米議会が認めれば、米軍は2021年度から数年かけ現在米軍に約13万人いる医療関係者(以下では軍医等という(歯医者、看護師、医療技術者、メディック等を含む)の約14%に相当する18000名を削減し、一部は民間医師に置き換えられるものの、多くの人員枠は前線の戦闘職やその支援職域に再配分されそうです

大胆です! 医師免許を持った軍医さん等ですから、民間での職探しはハードルが高くないとは思いますが特定の職域を狙い撃ちにし、14%もの削減を断行するとは軍医たち等がよく了解して案をまとめたものです

medical soldier3.jpg今、例えば米空軍では、一部の軍牧師や音楽隊員等の特殊な職種を除き、一律にどの職種でも昇任の速度や比率が同じ程度ですが、必要で負担の多い、又は有能な人材確保が困難な職域の昇任速度を速めたり、昇任比率を高めたりする大きな改革を検討しているということですが、国防省全体の大きな人材確保の変革の一つなのかもしれません

でもこれだけの削減をすれば、「医療の質の低下」問題が大きく取り上げられそうですが、「軍医等数を削減すれば、一人当たりの診療や手術機会が増加し、医療の質が向上する」との理論が堂々と展開されており、基礎データを踏まえての論理展開なんでしょうが、日本のお役所からは決して出てこない説明ぶりにびっくりです

議会の審議も、やるかやらないかの議論ではなく、どの様にどの程度削減するかに論点があるようですから、この夏の決着に注目しつつ、今年1月10日の記事と7月10日の記事からご紹介します

今年1月10日付記事によれば・・・
●(今年1月当時の)検討状況に詳しいある高官によれば、17000名と言われている軍医等削減の軍種別数は、陸軍が7300名、海軍(海兵隊含む)が5300、空軍が5300名である。
もちろん反対意見もあり、匿名の軍医は「もし軍の医療の質を下げ、医療体制を荒廃させる目的なら、この軍医等削減は正しい方法だと思う」と述べ、米軍士官協会の医療担当の退役大佐は、特に若い軍人家族がお世話になる産婦人科や小児科への影響が懸念されており、議会での決着に注目していると訴えている

medical soldier4.jpg●一方で本削減計画を担当する高官は、各軍種とやり取りして実態を確認すると、現在の医療ニーズに必要な軍医等数より多いポストが配分されており、戦場で必要のない技量がスタッフが保有されていると分析している
●また別の視点として、「軍医等数を調整することで軍医一人当たりの診療負荷を適切レベルにし、医師の技量を向上させることで医療の質を向上させる」とも同高官は表現している

●別の国防省の高官は、軍医削減の背景理由に同意したが、具体的な削減人数等については言及を避けた。ただ過去1年間の削減検討について、統合参謀本部やDHA(Defense Health Agency)、国防省のコスト分析室等が協力して実施したと説明し、米軍医療改革の一つに過ぎないとも表現した
そもそもこの削減を含む改革は議会が2017年に検討を命じたもので、軍医を民間医師に置き換える方策検討も議会からの検討提案に入っている。ただし、大規模に軍医を民間医師に置き換える予算の裏付けはなく、効率的で効果的な改革が求められている

●軍医等削減に関係する担当スタッフは、「特定のサービスを提供する人の数が減少したとしても、ケアの低下を招くものではない」、「医療の世界では、手順を踏んた回数が多いほど、その手順に関する腕は高くなる、が真である」と明確に述べた
●しかし、イラクやアフガンでの戦いが下火になりつつある今は可能でも、新たな戦いや現戦いの再燃により、軍医等の需要は容易に爆発するとも考えられ、そんな場合は国内医療機関と前線の両方を支える余裕はなくなると危惧する高官もいる

7月9日にDHAの担当少将は
medical soldier2.jpg●(米軍軍医等の約14%弱に当たる18000名ともいわれる)削減の細部については、申し上げる段階にはない。米議会で審議頂いている2020年度予算案が決定されたとき、はじめてその結果により決まるものだ
どの医療機関のどのポストが削減されるかは、それぞれの施設の置かれた状況により異なり、「軍病院ネットワークからの支援が受けられるか? 軍医を削減したポストに文民医師を採用する必要があるか? などなど、何がベストな対応かを評価している

●ただ、削減対象となっている軍医等ポストの1/4は現在空席となっているポストである。また医療機関を利用する軍人や家族には、何が問題で、どの様にしてほしいかを積極的に訴えてほしいとお話ししている。DHA担当者がおり、軍医療機関を如何に効率化するかを考えていく
2017年に米議会から指示されている、この人員削減を含む軍医療機関の統合や統合化に関する進捗状況レポートを、今年の夏に提出することになっている。
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何ともコメントが難しいのですが、特定の職域に対し、これだけの改革を断行できる組織の力には感心します。

若手の軍医に中には、早く軍医勤務からトンずらして、一般社会の医師としてのんびりやりたい、又は技量を磨きたいと考えている人が多いかもしれません。

是非、米軍内の一般職域の兵士のコメントを聞いてみたいものです

人事施策に関する記事
「嘉手納整備員は若手ばかり」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03
「整備員3400名が不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-11-1
「米空軍機の稼働率が異常低下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-02

「再雇用枠を大幅拡大」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
「下士官パイロットの役割拡大は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3

「死因一番は自殺」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-12-1
「海兵隊司令官:生活を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08
「空軍士官学校の性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04 

「人事改革第2弾」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-10
「追加策:体外受精支援まで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-29
「全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「企業等との連携や魅力化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19
「施策への思いを長官が語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

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代打の次期米海軍トップ候補が決定 [Joint・統合参謀本部]

大将に適任者がおらず、中将から選出する異例の事態
3月に統合参謀本部の参謀長になったばかりの人材を抜擢

Gilday.jpg17日、米議会上院が次の米海軍トップ候補としてトランプ大統領から現在統合参謀本部の幕僚長(The Director of the Joint Staff)を務めるMichael Gilday海軍中将の推薦があったと発表しました

次の米海軍トップには、 米海軍人No2の米海軍副作戦部長であったWilliam Moran海軍大将が8月1日から就任することに決定していましたが、セクハラ行為でクビになった広報渉外担当の元部下から、引き続き職務上のアドバイスを受けていた事が発覚し、7月7日に急遽退役することを発表したところでした

大きな期待を集めていたMoran海軍大将の突然の辞任・退役により米海軍人事は大混乱陥り、本来なら別の大将の中から米海軍トップを選出するはずが適当な候補者が見当たらず、又はひいき目に見て他の要職にある大将クラスを簡単に移動させられず、中将の中から選ぶことになりました

Gilday2.jpg新候補Michael Gilday海軍中将も大将になるルートと目されている統合参謀本部の幕僚長ポストについていることから、決して悪い人物ではないはずですが、防衛大学29期相当で大将への昇任は早くても2020年予定だった人材ですから、大将ポスト1つで退役レベルの処遇が予定されていたレベルの人物であることも事実です

米海軍は高官の辞任や(強制)退役が続いています2016年にはシンガポールの港湾作業会社元締めから「ワイロ」や便宜供与を受け取った疑惑で、第5艦隊司令官など複数の幹部が退役に追い込まれ、2017年には駆逐艦マッケインやフィッツジェラルドの衝突事故太平洋海軍司令官や第7艦隊司令官ら多数の幹部が退役に追い込まれ、太平洋軍司令官候補を失った記憶も生々しく、悪い流れを断ちこりたいところです。

18日付Defense-News記事や公式経歴によれば
米海軍人トップの米海軍作戦部長(CNO)候補に代打で指名されたMichael Gilday海軍中将は、米上院に承認されれば、大将に昇任してCNOポストに就くことになるが、3月に現在勤務している統合参謀本部の幕僚長(The Director of the Joint Staff)に着任したばかりであり、人事の混乱ぶりがうかがえる
Gilday4.jpg●同中将は、米海軍水兵の息子として誕生し、1985年に米海軍士官学校を卒業した人物である(現役合格なら年齢56-57歳)。ハーバードのケネディースクールと米国防大学から修士号を取得している

水上艦艇士官としてのキャリアを歩み、複数の駆逐艦勤務の後、2隻の駆逐艦艦長や駆逐艦隊司令官として空母レーガン戦闘群の海上戦闘指揮官も経験
准将以上での現場勤務としては、空母アイゼンハワー戦闘軍司令官、米海軍サイバーコマンド司令官、第10艦隊司令官を務めている。また統合職では将官として、NATO海軍幕僚長、米サイバーコマンド作戦部長、統合参謀本部作戦部長を努めている

米海軍内部やその他の職歴には、米海軍司令部人事局スタッフ、米海軍副作戦部長スタッフ、統合参謀本部議長の上級補佐官、大統領米海軍担当補佐官の経験がある
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太平洋艦隊や第7艦隊など、アジア太平洋と直接かかわりがある艦艇や部隊名が聞こえてきませんので、日本やハワイ勤務経験がありそうな気がしませんが、大統領や統合参謀本部議長の補佐官勤務を通じ、広い視野を養っておられそうなので、期待いたしましょう

Gilday3.jpgまぁしかし、先輩の大将が多数勤務している中で、突然CNOに指名されるとは、さぞかし重圧を感じておられることでしょう。355隻体制に向け、明るい材料は皆無ですが、頑張っていただきましょう

何せ、他の海軍大将を複数飛び越し、中将からいきなりCNOに就任するのは1970年以来の約50年ぶりらしいですから・・・

米海軍のGilday中将公式バイオ
https://www.navy.mil/navydata/bios/navybio.asp?bioID=605

米海軍CNO関連記事
「Moran大将突然の辞任」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-09
「文書:将来の米海軍発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18

「曖昧なA2ADも使用禁止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-04
「呼称CBARSは好きでない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「同大将の初海外は日本」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-25
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次の米軍トップが中国脅威を議会で強調 [Joint・統合参謀本部]

今後50-100年は中国が一番の問題だ

Milley5.jpg11日、次の統合参謀本部議長候補であるMark Milley陸軍参謀総長が、上院軍事委員会の承認を得るためのヒアリングに臨み、中国脅威への対応を一番の課題として取り組むことが今後100年の米軍に課せられた課題だと強調しました

自身の韓国やハワイでの勤務経験も踏まえ同盟国等との協力関係が重要だとも主張し、国家防衛戦略NDSに沿った対応を語っています。それにしても、先日ご紹介した南米コマンド司令官の証言でもそうでしたが、中国脅威が米国安全保障の「真ん中」であることを改めて感じさせます

核兵器の3本柱維持と近代化の必要性を訴え、宇宙軍創設が無駄で重複のある官僚機構創設だとの非難にも公式見解で対応する落ち着いた対応で、プリンストン大学1980年卒業(政治学)とコロンビア大学大学院(国際関係修士)の知性を感じさせる受け答えだったようです

11日付米空軍協会web記事によれば
Milley.jpg4月上旬にトランプ大統領から指名されているMilley大将は、「今後50-100年間を見据えても、中国が米国安全保障が一番の課題になるだろう」と語り、中国が太平洋に向けて急速に影響力を強めていることに警鐘を鳴らした
●また同大将は、「100年後の2119年に歴史家が過去を振り返って21世紀の歴史をまとめようとしたら、そのメインテーマは米中関係になるだろう。私は中心が米中の軍事拡張競争でないことを願うが・・・」とも表現した

●上記の発言が示すように、Milley大将を迎えた軍事委員会は中国問題で埋め尽くされた。中国は米国を圧倒する資金投入で、全ての軍事ドメインで爆発的な拡張を続けており、同大将が事前提出した書面でも、中国の電子戦、サイバー戦、宇宙、核兵器分野での懸念が、米国を対応策に駆り立てていると説明されている
●同大将は米軍の対応について、米太平洋軍の戦力が航空機2000機や艦艇200隻、更にそれらを支える37万人の兵士で構成され非常に協力で能力が高いと表現し、抑止と有事の際の対応に万全を期してると述べた

Milley4.jpg●また自身の韓国とハワイでの勤務経験も踏まえ、極めて強固な同盟国等のネットワークに言及し、これらの国々が中国に対する懸念を共有し、南シナ海周辺国をはじめ、訪問先では皆が攻撃的な中国の動きを恐怖だと訴えていると語った
中国は世界中に、軍事訓練や教育、軍事技術提供や施設建設で言い寄り、更には5Gネットワークインフラの提供までも持ち出して関係を迫っている。南米コマンド司令官もお話ししたように、「世界の国々は、米国の各地域での継続的なプレゼンスとパートナー関係を望み、安全保障の保証人としての存在を希望している」とも表現した

●同大将はまた、核兵器3本柱の重要性にも触れ、「米国の防衛には、信頼でき、安全で、戦略的対処が可能な核兵器体系が不可欠だ」と述べ、ミニットマンⅢ後継ICBMや低出力核弾頭の開発などへの理解を求めた
●更に宇宙軍の新設について、宇宙での作戦に専念する人々の集団が必要だと述べ、宇宙軍の存在は宇宙での活動を補完し、決して無駄や重複を生むものではないと説明した

同大将をご紹介
●ボストン近郊の出身で1980年プリンストン大学出身。熱烈なMLBレッドソックスのファン。歩兵部隊士官としてキャリアをスタートするも特殊部隊指揮官を務めた経験もあり、パナマ侵攻、ボスニア紛争、イラク戦争で現場指揮をとっている
Milley2.jpg●最近では米陸軍戦闘コマンド司令官、アフガン駐留米軍の副司令官、第82空挺師団長、第5特殊作戦群司令官などを経験し、2015年8月に一般には「サプライズ」と言われながら陸軍参謀総長に就任した

誰にでも率直な意見を述べることで知られ、2017年に下院軍事委員会で予算決定が議会で遅れている状況を正面から非難し、議会を「professional malpractice:悪習慣のプロ集団」と揶揄して驚かせた
統合参謀本部では作戦幕僚として勤務経験があり、また国防省では国防長官の軍事補佐官のポストも経験している

太平洋軍隷下では、韓国駐留の第2歩兵師団部隊の指揮官(恐らく大隊長)やハワイの第25歩兵師団勤務を経験している。プリンストン大学1980年(政治学)とコロンビア大学大学院(国際関係修士)を卒業し、米海軍大学指揮幕僚コースでも学んでいる
●統合職では、アフガン展開のISAF副司令官、統合参謀本部J3作戦幕僚、国防長官軍事補佐官などを経験し、海外勤務はエジプトのMFO、パナマ、ハイチ、ボスニア、イラク、アフガン3度、ソマリア、コロンビアなど、陸軍のほぼすべての海外作戦に参加している
/////////////////////////////////////////////////////

Hyten.jpg国防長官が代理続きだったり、米海軍人トップ人事が直前で流れたり、統合本部副議長候補Hyten空軍大将のセクハラ疑惑が持ち上がったり・・・と、米軍を巡る人事がフラフラな中ですので、10月から登板が予期されるMilley大将には頑張っていただきたいと思います

また国防長官と国務長官が陸軍士官学校出身で、安全保障にかかわる上層部で一般大学出身が貴重な存在になりますので、プリンストン大学出身のMilley大将には、この点でも存在感を示していただきたいと思います

Mark Milley陸軍大将の公式経歴
https://dod.defense.gov/About/Biographies/Biography-View/article/614392/general-mark-a-milley/

Milley大将関連の記事
「米国防省と米軍2トップが陸軍出身へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-20
「陸軍トップが米軍トップに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08
「次の米軍人トップは空軍から?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-21
「ダンフォード噂の記事」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-02
「デンプシー大将の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-13

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米艦艇の建造修理施設の人員不足に危機感 [Joint・統合参謀本部]

米艦艇修理施設の勤務者平均年齢55歳
変動激しい仕事量に若者が寄り付かず
355隻体制どころか現状維持も困難に

shipyard2.jpg20日、米海軍艦艇建造技術関連のイベントで造船修理施設関係者が艦艇建造&修理施設での勤務者の高齢化が急速に進み、熟練層の退職が進む中、米海軍からの業務発注量に上下動が大きく、また若者層をこれら業務に引き付けることが難しく米海軍を支える基盤が危機に瀕していると訴えています

現在米海軍は、現在の290隻レベルから、355隻体制への拡大を多方面で訴えていますが、造船修理施設関係者からは現状態勢の維持さえも困難になるとの悲観的な見通しが示され、国や地方政府の支援を含めた対策の必要性を訴えています

業界団体では、同一地域にある関連企業が協力して労働者を融通し合い、需要の上下動に対応したり、協力して基礎的技能のトレーニングを新人労働者に行うなどに取り組んでいるようですが、相当厳しい状況にあるようです

21日付米海軍協会web記事によれば
shipyard4.jpg●20日、American Society of Naval Engineersの年次総会で演壇に立ったフロリダ州ジャクソンビルBAE Systems修理工場のTodd Hooks事業所長は同事業所の労働者の平均年齢が55歳で、熟練した現場作業員の定年退職が相次いでいると危機感を訴えた
●また、米海軍からの委託仕事量の上下動が激しく、例えば2200名を雇用していた数か月後には、仕事量の減少で1500名しか雇用を維持できなくなる現状の問題を同事業所長は訴えた

●Hooks事業所長は「このような状態では、我々が必要としているある程度の技量を有する労働者を安定的に維持することが難しい」、「今後さらに高度な構造や装備品を搭載した艦艇が増え、従来とは異なる高度な技術者がその維持に必要となる中で、人材確保問題は厳しさを増すばかりだ」と語った

高卒の新卒採用の難しさにも同事業所長は触れ、高校側はなるべく卒業生を大学に進学させたいと考えており、地元の有力産業で給与面でも優れ、重要な国家に貢献できる仕事であるにもかかわらず、我が事業所の採用担当者の高校生へのアプローチが阻害されていると指摘した
●一方で同事業所側の問題として、業務閑散期に自宅待機を命じた若者は、再雇用を持ちかけてもほとんど戻ってこない現状を明らかにした

shipyard.jpgノーフォーク周辺の艦艇修理業界団体のトップを務めるWilliam Crow氏は、団体を構成する286企業間の協力とバージニア州からの財政援助を得て、熟練作業員不足問題に対応していると述べ、地域で約4万3000名が関連産業で働く同産業の地域への貢献と、地域政府の理解の必要性を主張した
一方で米海軍からの仕事量の上下動の激しさを問題として指摘し、「米海軍にだけ問題を投げかけるつもりはないが、不均一で激しく上下動する業務量は、我が業界の大きな問題で、ひいては米海軍が望んでいる艦艇数拡大方針の阻害要因になる」、「海軍が望む355隻体制への拡大はおろか、現有艦艇の維持問題が大きくのしかかることになる」と表現した

●Crow氏は業界団体としての問題への取り組みとして、代表的企業からの資金援助を受け、現場作業員の能力向上教室を開催し、オンラインでの教室を含めて1075名を2017年に育成したり、新入社レベルの労働者を対象とした教室を開設したりしていると説明した
海軍産業基盤研究所長のDavid Architzel退役中将は、同研究所として、新規採用に関する問題の実態調査や、将来どのような人材が必要になるかの分析を行うと明らかにした

●同イベントで登壇した関係者は一同に、ヴァージニア州が行っているのと同様の同産業への支援を他地域や国レベルに拡大する必要性を訴え、また同産業界は仕事の重要性とやりがい、また給与水準の高さをアピールしていく必要がある点で一致した
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関係者は、「good-paying jobs」や「well-paying career」と艦艇建造や修理の仕事を表現していますし、ネット上の求人案内にも当然給与水準は明記しているはずですから、それでも人が集まらないのは「不安定さ」が大きな理由かもしれません

shipyard3.jpgただ推測ですが、恐らく事故災害も他の業種に比べれば多いでしょうし、長い歴史を持つ地元産業だけに、勤務者のイメージが地域の根付いており、親が子供である若者を入れたがらないのかもしれません。

勝手なイメージで申し訳ないですが、現場中心の男社会ですから、酒・賭け事・喧嘩・ドラッグなんかのイメージが共有されているのかもしれません。しかし米海軍の基盤を支える仕事ですから、イメージアップしてほしいですねぇ・・・

艦艇の修理や兵たんの課題
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「米軍需産業の課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-1
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
「米海軍トップが文書「将来の海軍」を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18
「国防長官を無視:米海軍が艦艇増強プラン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17

グダグダの米海軍装備
「ズムウォルト級ミサイル駆逐艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-22
「沿岸戦闘艦LCSがF-35化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09
「空母建造費の削減検討に30億円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-07

「次期SSBN基礎技術要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-27
「攻撃潜水艦SSNの将来」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-28
「あと25年SLBMを延命!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13
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