SSブログ
Joint・統合参謀本部 ブログトップ
前の15件 | -

米海軍幹部:極超音速兵器は2025年水上艦艇配備 [Joint・統合参謀本部]

広告なし! スマホに優しい「東京の郊外より2」
https://holylandtokyo.com/
////////////////////////////////////////

Zumwalt級やバージニア級攻撃原潜に搭載へ
Constellation級フリゲートや海洋版トマホークなども
改良版Naval Strike Missileやローテーション変更など

Zumwalt4.jpg22日、米海軍のRoy Kitchener艦隊司令官が記者団に水上艦艇の能力向上計画について語り、なかなか戦力化できないZumwalt級ステルス駆逐艦の当面の計画や、新型兵器の水上艦艇への導入状況などについて言及しました

現在の米海軍は、米海軍トップのGilday大将が「何をやってもダメな米海軍」と各方面から揶揄されていることを自虐的に認めるほどの状態にあり、例えば装備品開発では、フォード級空母、沿岸戦闘艦LCS、Zumwalt級駆逐艦(たった3隻で終了)などが「死屍累々」状態にあるほか、虎の子のF-35搭載改修強襲揚陸艦を火災で損失(おそらく放火)、複数の艦艇衝突事故、港湾役務業者との癒着ワイロ事案などなど、明るい話題がありません

tomahawk3.jpgまた、艦艇修理施設の能力低下や関連予算不足から、空母や艦艇修理の75%が遅延状態にあるなど、一朝一夕に回復が難しい重い課題も抱えており、米軍の中で最も懸念される軍種と言っても過言ではありません

最近重要性が強調される無人システム開発関連でも、無人機雷探知対処システムRMMV(Remote Multi-Mission Vehicle)が、800億円規模の投資を行いながら「爆発物を探知できない」との理由で2016年に計画中止となり、2021年3月発表の「無人システム活用構想:Unmanned Campaign Plan」が「内容がない、空虚だ」等と酷評されるなど、「何をやってもダメな米海軍」との表現が定着しつつある残念な状況にあります

そんな中ですが、2022年度予算案を説明するため、様々な将来構想や計画のアピールが各軍種幹部から行われており、その一環としての記者会見から、米海軍水上艦艇の方向性概要を垣間見たいと思います

22日付Defense-News記事によれば同司令官は
Kitchener2.JPG2016年に就航したZumwalt級駆逐艦の1番艦Zumwalt級は、訓練や装備品装着等を経て、来年にはRIMPACやValiant Shield等の大規模演習参加を計画しており、その訓練内容について海軍首脳と協議している
Zumwalt級の大きな目玉兵器となる極超音速兵器については、共同開発中の米陸軍が2023年の地上配備を目指しているが、海軍艦艇への発射機の搭載や種々の確認訓練には更なる時間が必要で、バージニア級攻撃原潜への搭載も含め2025年頃になろう

なおCPS(conventional prompt strike)ミサイルとも呼ばれる極超音速兵器搭載のための艦艇改修は、2025年前後に開始される
従来のイージス艦等は空母と同じく36か月間を一つのサイクルとし、訓練、実任務、待機、艦艇修理を実施してきたが、Zumwalt級については24か月間ローテーションで回すことを考えている

Constellation.jpgZumwalt級以外の水上艦艇を含めた取り組みとしては、本格紛争に備えた訓練の高度化を図っており、南シナ海や北大西洋を想定した、より複雑な艦隊連携や敵脅威を想定した内容になってきている
また、これら長射程兵器を有効活用するため、より遠方でより正確な攻撃目標に関するターゲティング情報を提供する検討も行っており、特に強い要望がある第7艦隊と共に、無人機の活用やネットワークの充実を図ろうとしている

Kitchener.jpg(新たなセンサーや兵器や電子戦装備について細部には言及しなかったが、)米海軍トップのMike Gilday大将も同週に別の場で、極超音速兵器が導入される2025年以前にも、沿岸戦闘艦に導入済のNaval Strike Missileや、導入を進めている対潜装備や電子戦装備による作戦能力向上を進めていると説明している
また、Constellation級フリゲート艦導入や海洋版トマホーク巡航ミサイルも、極超音速兵器導入の2025年以前に戦力向上につながるとGilday大将は説明している
///////////////////////////////////////////////

極超音速兵器は時間がかかりますねぇ・・・。

米海軍の説明内容は、従来型戦力強化の延長で、中国の飽和ミサイル攻撃に対処可能とはとても思えません。本当であれば無人艦艇や無人機や無人水中艦艇を多数使用した作戦構想が欲しいところですが・・・

米軍の極超音速兵器開発
「豪州とも協力」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-01
「今頃学会と情報収集枠組み」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-28
「3月の極超音速兵器テストは誤差20㎝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-14
「3軍協力で極超音速兵器開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1
「ボディー試験に成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-22
「空軍開発本格化」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-16
「攻防両面で超超音速兵器話題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-09-08-1
「防御手段無し」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-03-21-1
「宇宙センサー整備が急務」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31

米海軍の関連記事
「レールガン開発断念」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-06
「無人艦艇4400nm航行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-11
「3大近代化事業を一つに絞れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-09
「無人システム構想が酷評される」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-22
「第1艦隊創設を検討中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-20
「MQ-25初の空中給油に成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-08
「第2回MQ-9活用演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-01-1
「空母艦載機は2/3無人機に」→https://holylandtokyo.com/2021/04/06/10
「米海軍の戦術ネットワークProject Overmatch」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-15
「米国防長官が米海軍体制検討のさわりを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-18-1
「21年初に本格無人システム演習を太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10-1 
「米空母と潜水艦修理の75%が遅延」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-22
「潜水艦も無人化を強力推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-03
「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米陸軍UH-60後継の長距離攻撃ヘリの選定開始 [Joint・統合参謀本部]

RFPを2つの企業に提示し、2022年秋に機種決定
2025~29年に試験や審査を実施し、2030年部隊配備
ほぼ同時に「FARA:将来攻撃偵察ヘリ」選定も2社で実施

FLRAA2.jpg12日付Defense-Newsは、7月6日に米陸軍がUH-60後継機イメージの「将来長距離攻撃ヘリ:FLRAA:future long-range assault aircraft」提案要求書RFPを2企業群(Bell 社とSikorsky-Boeing 連合)に発出し、2022年第3四半期に選定結果を発表する予定だと報じています

争う2つの企業は全く異なるタイプの航空機を提案する方向で、Bell 社はオスプレイのようなティルローター型の試験機「V-280 Valor」を基礎としたタイプを、一方のSikorsky-Boeing連合は従来型ヘリのステルス形状型「SB-1 Defiant」をベースにした「Defiant X coaxial」提案になると言われています

機体と搭載兵器システムの設計や開発を、同時進行するかで複数の情報が飛び交っているようですが、時期をずらしても3か月程度のずれで2つをほぼ同時に進める構想になっているようです

今後の選定予定は
FLRAA.jpg2022年第3四半期に選定結果発表。初期設計レビューを経て、2023年第3四半期からプロトタイプ製造開始
2025第3四半期にプロトタイプ機を入手し、飛行試験を2029年末まで予定
2030年部隊配備

両社の候補機種のベース「V-280 Valor」と「SB-1 Defiant」(2機種比較の写真掲載)は、共に米陸軍の「CDRR取り組み:competitive demonstration and risk reduction effort」に参画している試験機体で、長く米陸軍が構想や関連技術を温めてきたものです

具体的な要求性能や特徴については記事に言及がなく、調べる気力もないのですが、米陸軍が西太平洋での活動を意識し、航続距離や残存性を追求した機体であることが、写真をご紹介している2種類の原型機の形状等から伺えます

機種決定後の流れのイメージは
FLRAA3.jpgまず、バーチャル環境でプロトタイプ機を多様な観点から分析して設計の細部を詰め、初期設計レビューを実施
次に、重要設計レビューを行い、更に具体的な製造要領を煮詰めるため6機のプロトタイプ機を作成
これらの成果を踏まえ、ユーザー評価用の完成版に近い2機を作成し、部隊の意見を聴取

製造企業へのインセンティブが与えられる条件
設定スケジュールよりも前倒しで各段階を達成した場合
機体重量増の要望に応えた場合や、外部搭載量を増やせた場合

将来攻撃偵察機:FARAもほぼ同時進行

FARA.jpg米陸軍は同時期に「将来攻撃偵察機:FARA:future attack reconnaissance aircraft」も進めています。 FARAは、予算不足で後継機開発を待つことなく2014年に退役した「OH-58」偵察ヘリの後継機イメージの機体で、過去には3機種(ボーイング・シコルスキーRAH-66コマンチ、ベルARH-70アラパホ、Armed Aerial Scout)が候補として検討された経緯があるようです

FARA2.jpgこちらは、Bell 社とLockheed Martin社の2社と競争的機種選定契約をすべに結んでおり
2022年末までに両社が試作機を完成させ、2023年1年間を使って、米陸軍が2機種を飛行試験等で比較する
2024年3月までに選定結果を発表する・・・ことになっているようです

候補機種の写真からすると、より前線での活動を意識した機体のようです

以上、米陸軍航空部隊の将来を担う、「将来長距離攻撃ヘリ:FLRAA:future long-range assault aircraft」と「将来攻撃偵察機:FARA:future attack reconnaissance aircraft」について、細部の特徴や要求性能に全く触れずに、概要の概要をご紹介しました

ご興味のある方はググってください

FLRAA関連:V-280とSB-1について
「UH-60後継を意識した候補機開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-06-16

米陸軍関連の最近の記事
「空軍大将が米陸軍を厳しく批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-03
「米陸軍トップが長射程攻撃やSEADに意欲満々」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-12
「米陸軍は2023年から遠方攻撃兵器で変わる」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-09
「3月の極超音速兵器テストは誤差20㎝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-14
「3軍協力で極超音速兵器開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1
「ボディー試験に成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-22
「空軍開発本格化」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-16
「射程1000nmの砲開発に慎重姿勢見せる」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-10
「射程1000nm砲の第一関門」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-15

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米海軍がレールガン開発を事実上断念 [Joint・統合参謀本部]

スマホにやさしい「東京の郊外より2」もご活用ください
https://holylandtokyo.com/
///////////////////////////////////////////////
 
「2021年末で研究開発をPauseする」
2005年から15年開発を続けるも技術課題克服困難
極超音速兵器や電子戦装備に投資配分へ

Railgun10.jpg2日付Military.comは、米海軍が2005年開始のレールガン研究開発予算を2022年度予算から落としたことを受け、米海軍がレールガン開発を事実上断念したと報じ、「Pause:一時中断・停止」との表現で説明する米海軍関係者の言葉を紹介しています。過去に「Pause:一時中断・停止」状態から復活した例がないようですので、「終わった」ということでしょう

レールガンは、強力な磁界を砲身内に形成して金属の飛翔体を打ち出す兵器で、炸薬を爆発させて弾頭を飛ばす従来の大砲に比べ、安価に大量の飛翔体(弾頭)を艦艇に搭載でき、敵による各種ミサイルによる飽和攻撃を撃退したり、敵に対応の暇を与えない飽和攻撃を可能にするものと期待されてきました

railgun5.jpg具体的には、速度マック7以上、射程100nmで、連続発射が可能なものを目指していたようで、2018年時点で、少なくとも550億円以上を研究開発に投入した模様です

2006年に初期型のプロトタイプで試験が始まったものの、多くの技術的課題をクリアできないまま今日に至っており、主要な課題には、砲身が高速で射出される飛翔体との摩擦に耐えられず、耐久性が確保できないことや、更に必要とされる大電力の確保が容易でないこと等が挙げられていました

事実行開発断念の米海軍声明では
予算上の制約やレールガン戦闘システム構築の課題、更に他の開発兵器の技術的成熟度合いを総合的に勘案し、米海軍はレールガン(EMRG:Electromagnetic Railgun)の研究開発を2021年末をもってPauseすると決定した
このレールガン開発Pause判断は、国防省全体で進めている優先事業への資源集中や、エネルギー兵器・極超音速兵器・電子戦装備などの攻防能力強化改善に取り組む方針に沿ったものである

最後にご紹介した2017年7月末の時点では
Railgun-navy.jpg米海軍は、唯一レールガン用の大電力確保の可能性があるDDG-1000 Zumwalt級駆逐艦にレールガンを搭載する予定であったが、いつ実現できるかは定かでない
しかし米海軍研究室ONRは、夏から来年にかけ、飛翔体打ち出しパワーを「32 megajoules」にすることや、連続発射速度を1分間に10発発射可能にすることを目指している

開発責任者は、発射のパワーを「32 megajoules」にすることにより、発射された飛翔体の射程が「約110nm」にまで延びると説明している
発射機の砲身(barrel)に新たな複合材を準備し、射出パワーアップと時間当たりの発射弾数増加に備えており、「パワーと発射速度の目標達成は、来年には可能になるだろう」と語っている

Railgun7.jpg未解決の課題は、一つが飛翔体と砲身の摩耗に対するレールガンの耐久性が不十分なことである。開発責任者は、「システムのパーツをより長寿命なものに変えて取り組んでいる」と語り、「最初のころは数十発でダメになっていたが、最近では400発は射出可能で、将来的には1000発に耐えられるまでにできると考えている」と自信を見せた
もう一つの課題は、大量の電力確保である。レールガンが大量の電力を必要とするため、現時点ではZumwalt級駆逐艦にしか搭載できない

関係者は電力確保について、「レーザー兵器にも当てはまる課題」、「7月に着上陸用輸送艦Ponceにレーザー兵器を搭載して試験した際も、艦艇の電力でなく、特別な電源装置を持ち込んで発射を可能にしていた」と事例を紹介し、「発電と蓄電の課題は、我々の全ての研究開発計画の構成要素(課題)となっている」と語った

2018年にRichardson海軍作戦部長は米議会で
Railgun12.jpg(レールガンは)多くの関連技術開発を必要としているが、未だ完成をお約束できる技術レベルに成熟していない
飛翔体も制約事項を抱え、その製法や大電力や熱や圧力に耐える材料の面でも多くの課題を抱えている
//////////////////////////////////////////////////////

レーザー兵器と同様に、「いつまでたっても、あと5年で完成」と揶揄されてきたレールガン開発ですが、ついに決断の時を迎えました

Railgun11.jpgしかし2017年7月の記事での開発関係者の説明ぶりは、今の開発事業でも耳にするような表現で、変に「慣れ親しんだ言葉」に聞こえます

ちょっと気になるのが、2018年頃にSNS上で出回った「世界初のレールガン搭載試験艦」と名乗りを上げた中国海軍揚陸艦「黄山」の状況です。その後どうなっているのでしょうか?(最後の写真2枚)

レールガン関連の記事
「中国が世界初のレールガン搭載艦」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-02-03
「依然、摩擦と電力確保が課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-30
「期待の星レールガンの現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-27
「Work副長官の指摘」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04
「Zumwalt級駆逐艦を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-22

「米海軍は3大近代化事業から1つを選べ」
https://holylandtokyo.com/2021/06/11/1898/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

THOR:強力電磁波で大量の小型無人機を同時無効化 [Joint・統合参謀本部]

スマホにやさしい「東京の郊外より2」もご活用ください
https://holylandtokyo.com/
///////////////////////////////////////////////////////

空軍研究所がTHORイメージ映像公開
米陸軍との共同研究で既に実環境で試験に成功とか

THOR.JPG6月21日付Military.comが、米空軍研究所が最近公開した、強力なマイクロ波で同時に多数の小型無人機を無効化できる兵器THOR(Tactical High-power Operational Responder)のイメージ映像を紹介しています

このTHORは、マイクロ波による電磁パルス効果(EMP効果)で小型無人機の電子回路を破壊するもので、細部性能は不明ながら、映像のナレーションでは「long range」で小型無人機の電子回路を静かに破壊できると説明しています。

米空軍研究所は、既に数百の小型無人機を同時に無効化する実地試験に成功していると自信たっぷりに映像内で説明していますが、その技術成熟度合いからか、今年2月には米陸軍も空軍研究所と協力して開発に参加すると発表し、独自のシステム名称を「(同じTHORだが)Tactical High-power Microwave Operational Responder」と明らかにしたところです。

米空軍研究所公開のTHORイメージ映像


21日付Military.com記事による「THOR」の説明
長さ6メートルのコンテナの上に、パラボラアンテナを取り付けた形状の装置。C-130輸送機に搭載して空輸でき、2名が3時間で現場に設置可能。THORはニューメキシコ州のKirtland空軍基地で開発されている
THOR2.jpgレーザーや妨害電波による小型無人機対処兵器は、同時に1機の無人機にしか対処できないが、THORは同時に大量の無人機対処が可能。また、コスト負担が大きい防空ミサイルシステムによる対処とは対照的に、THORは安価に同時多数の小型無人機対処が可能である

米空軍では既に別に、兵士が肩に担いで、妨害電波で敵無人機を外部からの通信から遮断して無効化する「DroneDefender」を複数の海外派遣先基地に提供している
また細部は不明ながら、中東での航空作戦の拠点基地であるカタールのアル・ウデイド基地に、C-UASとのシステムを提供して運用中との米空軍の広報情報が最近公表されている
////////////////////////////////////////////

小型無人機対処は、「兵士の命を守る」観点で極めて喫緊な課題であり、下の過去記事でも細切れに多くの取り組みを紹介してきました

THOR3.JPGマイクロ波による「同時に多数目標対処」は期待される手法ですが、海外展開先の人里離れた基地なら問題ないでしょうが、米本土内の基地で使用するとなると、電源網や通信インフラ等々への副次的被害が心配で使用は困難かもしれません

コンテナ1個の大きさだそうですが、小型無人機の来襲を探知するセンサーや、運用に必要な電力量についても気になるところです

無人機対処にレーザーや電磁波
「カタール配備のC-UASと陸軍のIFPC」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-20
「オプション試験中」→https://holylandtokyo.com/2021/04/19/110/
「国防省が小型無人機対処戦略発表」→https://holylandtokyo.com/2021/01/12/295/
「小型ドローン対策に最新技術情報収集」→https://holylandtokyo.com/2020/10/30/445/
「米海兵隊の非公式マニュアル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-31
「ドローン対処を3-5種類に絞り込む」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-14
「米軍のエネルギー兵器が続々成熟中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-30-1
「米空軍が無人機撃退用の電磁波兵器を試験投入へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-27
「米陸軍が50KW防空レーザー兵器契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-05
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米海軍無人艦艇が中東から西海岸までの航海に成功 [Joint・統合参謀本部]

FacebookとTwitterもご活用ください!
Facebook→http://www.facebook.com/holylandsonettokyo
Twitter→https://twitter.com/Mongoose2011
東京の郊外より2→https://holylandtokyo.com/
////////////////////////////////////////////////////////////////////////

米海軍の無人艦艇計画「Ghost Fleet Overlord」で
2022年初旬終了の検討第2段階での試験航海

Nomad USV.jpg7日付米海軍協会研究所web記事によれば、米海軍と国防省戦略能力検討室SCOが協力して進める無人艦艇計画「Ghost Fleet Overlord」の第2段階として、無人艦艇「Nomad(Riley Claire)」が、中東湾岸地域からパナマ運河を通過してカルフォルニアPoint Loma港に5月24日に到着し、4421nmの航海に成功した模様です

記事は米海軍発表を基礎にしているようで、「almost entirely in autonomous mode」だったが、5月20日のパナマ運河通過時は有人航海だったと記事は伝えていますが、中東湾岸地域を出港した日時や細部のルートには各種報道も触れておらず、また無人艦艇「Nomad」の規模や性能についても全く触れていません

Nomad USV2.jpgただ、無人艦艇計画「Ghost Fleet Overlord」の第2段階は2019年9月にスタートし、「政府の指揮統制システムとの融合や、様々な搭載物、更により高度な海洋作戦を想定した試験を行う」こととなっており、2022年初頭まで継続するとされているようです

「Nomad(Riley Claire)」は写真から見ると1000トン以下程度の大きさで、沿岸地域用の警備艇を改修したものと言われていますが、第2段階試験用に姉妹艦「Ranger」と共に従事している以外はよくわからない艦艇です

Ghost Fleet Overlord計画を国防省SCOと共に担当する米海軍のPete Small大佐は、「国防省戦略能力検討室SCOと緊密な連携を図ることで、Overlord計画の技術デモを加速し、作戦コンセプト開発に寄与し、米海軍が期待するような無人水上艦艇の作戦指揮統制実現を推進している」と声明でコメントしています

normad.jpg今後の計画として米海軍は、2023年度予算案でスタートする「LUSV:大型無人艦艇:Large Unmanned Surface Vehicle」計画に向け、無人艦艇「Nomad(Riley Claire)」と同規模の艦艇2隻を追加で無人化し、更に基礎データを収集しつつ技術実証デモに取り組みたいと考えている模様です

無人艦艇の必要性は対中国の作戦運用面でも求められていますが、睡眠不足を招く艦艇勤務や「長く退屈な」タイプの航海任務から艦艇勤務者を少しでも開放したいとの思いも強いようで、その点に関し

9日付Military.com記事は・・・
米海軍の艦艇勤務士官への調査によると、4割が睡眠の質低下を頻繁に経験し、3割が睡眠不足からくる迅速的確な判断能力の低下を時に経験しており、海洋事故の原因の過半数が疲労や不十分な連携からくる人的エラーから生じているとの調査結果も報告されている

USS McCain.jpg米海軍では艦艇乗員の疲労が原因の事故多発が問題となっており、即応態勢を維持しつつも、兵士の疲労権限策を求められている。これがため多数の検討がなされているが、無人艦艇導入は中心的な役割を担うと期待されている
米海軍は、無人艦艇が長期間に及び退屈又は危険な任務から、乗員を解放できないかと考えている
//////////////////////////////////////////////////////

失礼かもしれませんが、海路の難所とか、運河とか、交通量の激しい港湾とかは別として、船の場合は無人化がそれほど難しいとは思わないのですが、どうなんでしょうか?

難しい対潜水艦作戦や空母運用は別として、ミサイル防衛や艦隊防空任務なども、遠隔操作や無人化が可能ではないかと思ったりするのですが・・・・。船の分野では、空のドローンと異なり、無人船舶やボートの話をあまり聞きませんねぇ・・・

米海軍の無人艦艇を巡る動向
「海軍の無人システム計画が議会から猛批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-22
「21年初に本格無人システム演習を太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10-1 
「潜水艦も無人化を強力推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-03
「空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBA:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

10日間連続在空可能な無人機に問い合わせ殺到中 [Joint・統合参謀本部]

FacebookとTwitterもご活用ください!
Facebook→http://www.facebook.com/holylandsonettokyo
Twitter→https://twitter.com/Mongoose2011
スマホに優しい東京の郊外より2→https://holylandtokyo.com/
////////////////////////////////////////////////////////

同クラス世界記録保有の無人機
太平洋艦隊演習で大注目、南米軍や特殊作戦軍も試験へ
NASA、国土安全保障省、エネルギー庁、内務省、民間企業からも

Vanilla2.jpg14日付Defense-Newsは、4月に太平洋海軍が実施した有人と無人システムの融合を検証する演習「Unmanned Integrated Battle Problem」で、Platform Aerospace社の最大で10日間連続在空可能な無人機「Vanilla」が大きな注目を浴び、他省庁や民間企業から問い合わせが殺到していると紹介しています

4月の太平洋海軍の演習では45時間の連続飛行だったようですが、燃料消費率等からの結果分析から性能が証明された様で、7月には南米コマンドの要望でフロリダ半島から海洋監視ミッションを赤外線カメラ等で行い、11月にはNASAの要請を受け、北極圏の厳しい環境での運用テストを簡易コンテナからの操作&指揮で実施する予定で、他にも多数の引き合いが来ているようです

vanilla4.jpgPlatform Aerospace社の無人機「Vanilla」は、重量700㎏以下で速度250ノット以下のGroup 3カテゴリーの無人機で、2017年に連続在空時間の世界記録を樹立し、約15㎏のペイロード搭載で連続10日の飛行、70㎏搭載なら7日間飛行可能な性能を持ち、1機システムが2億円以下の無人機です

米海軍が演習前に行った2月の事前性能確認では、加州のEdwards空軍基地から連続約74時間飛行し、衛星通信経由で映像を送信し続け、指揮統制にも何の問題もなかったことが確認されており、小さな新興企業の製品ですが、既に性能や安定性に疑問を持つ者はいないようです

Vanilla3.jpgこれだけ航続距離があると、無人機「Vanilla」が離発着して燃料補給や維持整備を行う地上運用拠点は前線に近い危険地帯ではなく、「安全で補給ルートが確保された場所」を選ぶことができ、通常の民間契約業者が危険手当無しで運用可能になる点も同社はアピールしています

Platform Aerospace社は、様々な世界の注目地域で無人機「Vanilla」を運用した場合を想定したシミュレーションを行っており、例えば・・・
グアム島を拠点として、台湾とフィリピン間のルソン海峡の監視任務を行う場合、5日間の連続哨戒飛行が可能であるが、より高価な無人機で同様の任務を行うと、13ソーティーで倍以上の飛行時間が必要で、人的サポートも運用リスクもより大きくなると同社はアピール
Vanilla.jpg同じくグアム島から北朝鮮国境付近の偵察を行う場合は、5.5日間の連続哨戒が可能

ワシントンDC周辺から北大西洋の対潜水艦任務で飛行する場合、4日間連続在空して任務継続が可能。インド洋のディアゴ・ガルシアからアフガンを偵察する場合で、4.5日の連続哨戒が可能
イタリアのSigonella基地を拠点とすれば、アフリカ、欧州、東地中海、中東地域を数日間カバーできる

米海軍や海兵隊は最近、米空軍での任務が減少傾向のMQ-9の海洋活用を模索していますが、Platform Aerospace社は「Vanilla」がMQ-9と競合するとは考えておらず、より大型で搭載量も多いMQ-9ではオーバースペックな「退屈な任務」に、「Vanilla」は適していると考えているようです
//////////////////////////////////////////////

無人機「Vanilla」の紹介WEBページ
https://vanillaunmanned.com/aircraft

Vanilla5.jpg14日付Defense-News記事は更に、Platform Aerospace社の他の取り組みや、同様な新興小企業が国防省や政府機関とのビジネスを進める上で資金繰りにまだまだ苦労している様子等を紹介していますが、国防省や政府機関も、このようなアイデア勝負のスタートアップを大事にする体制を整えつつあるとも紹介しています

無人機はどんどん進歩しています。センサー別でも1機システム2億円以下で、再利用可能ながら任務中に損耗してもそれほど痛くない装備・・・。日本が求めるべきはこの方向なんじゃないでしょうか?

日本は買わされたRQ-4導入で予算面人材面で苦境へ
「日本用RQ-4が米国で初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-20
「グローバルホーク日本導入の悲劇」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-05-22

最近のMQ-9関連記事
「太平洋でMQ-9応用へ2回目演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-01-1
「本格紛争用に約1/4を改修&延命へ」→https://holylandtokyo.com/2021/04/28/118/
「豪州にMQ-9輸出許可」→https://holylandtokyo.com/2021/04/29/119/
「JDAM完成弾運搬役も」→https://holylandtokyo.com/2021/03/09/156/
「無人機MQ-9の対中国海上作戦への応用演習」→https://holylandtokyo.com/2020/10/02/424/

世界の軍事関係者に衝撃
「攻撃無人機でアゼルバイジャン圧勝」→https://holylandtokyo.com/2020/12/22/348/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米海軍が空軍F-16を仮設敵機部隊用に導入へ [Joint・統合参謀本部]

FacebookとTwitterもご活用ください!
Facebook→http://www.facebook.com/holylandsonettokyo
Twitter→https://twitter.com/Mongoose2011
東京の郊外より2→https://holylandtokyo.com/
////////////////////////////////////////////////////////////////////////

老朽FA-18を早期退役させ、中古F-16を活用へ
過去にも計40機F-16を導入し、今も使用中とか

F-16N.jpg5月28日付Military.comは、同日発表された2022年度国防省予算案の中で、米海軍が米空軍の中古F-16導入予算を要望していると紹介しています。米空軍は州空軍所属F-16を海軍に提供する方向だそうです

具体的なF-16導入機数にまで予算案には言及がないようですが、「老朽化したFA-18(Super Hornetではない初期型)の長期的な維持コストを考慮し、同時に仮設敵機部隊の能力維持確保を目的としたもの」と説明されているようで、初期型FA-18を約55機退役させ、その穴埋めをF-16に期待しているようです

まんぐーすは全く知らかなったのですが、米海軍は過去2回に渡り米空軍F-16を計40機導入し、今でも一部を「トップガン」教育機関で仮設敵機として使用しているとのことです
--- 1回目は空軍F-16を少々改良してF-16Nとし、26機導入(4機は2人乗り型)し、1988年から98年の間に使用
--- 2回目は2000年代初めに14機(もともとパキスタン空軍行予定だった機体)導入。ネバダ州のFallon海軍航空基地で、「トップガン」養成用の仮設敵機として使用

この記事のニュースとしては以上ですが、ついでに米海軍と空軍の関連動向を改めてご紹介

米海軍は
F-16N2.jpg空母艦載機部隊を、FA-18E/FとF-35C型、それに加えて次世代F/A-XXの3本柱で構想しているが、F/A-XXについては構想が煮詰まらず、米議会から検討予算を大幅削減されている状況
F/A-XXは有人機でも無人機でもありえ、また有人機と無人ウイングマンの組み合わせでもあり得るとの検討状況の模様も、米海軍計画部長は「将来空母艦載機は、その2/3が無人機になる可能性もある」と発言するなど、よくわからない状

米空軍は
現在約930機保有のF-16を、2026年までに124機削減する計画だが、残る800機以上の機体については減勢しつつも2030年代までの使用を想定している模様

F-16N3.jpg現在実施中の「TacAir Study」の分析次第であるが、能力向上等を行いながら約600機を2030年代まで使用し、新規開発の4世代機+アルファの「Multirole Fighter-X(MR-X)」に引き継ぐ案も有力
F-16をさらにアップグレードして、NGAD、F-35、F-15EXと共に、米空軍の戦闘機4本柱として活用する案も存在
/////////////////////////////////////////////////////

今も米海軍の「トップガン」スクールでF-16が使用されているようですので、もしかしたら劇場公開が延び延びになっている映画「トップガン」の続編「Top Gun: Maverick」に登場するかもしれませんね。いや、海軍の人気向上のため(空軍に新兵募集で負けないため)、空軍のイメージは排除かもしれません・・

国防省の2022年度予算案では、老朽装備や伝統的な装備品を早期に退役させ、維持費を浮かせ、次世代の本格紛争に備えた新装備や新システム導入予算に進みたい米軍の希望が多数盛り込まれているようです

その中の一つとして、ご紹介しました

米海空軍の航空戦力を考える関連記事
「今後10年くらいの戦闘機構想」→https://holylandtokyo.com/2021/05/21/1709/
「戦闘機は7機種から4機種へ」→https://holylandtokyo.com/2021/05/18/1496/
「戦闘機混合比や5世代マイナス機検討」→https://holylandtokyo.com/2021/02/22/266/
「空母艦載機は2/3無人機に」→https://holylandtokyo.com/2021/04/06/10

F-16は全世界で2070年代まで使用か
「世界中で根強い人気のF-16」→https://holylandtokyo.com/2021/06/01/1784/

続編「Top Gun: Maverick」をご紹介
「予告編第2弾」→https://holylandtokyo.com/2020/04/12/722/
「予告編公開:映画トップガンの続編」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-20-1
「太平洋軍司令官はトップガン出身」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-06

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米海軍は3大近代化事業から1つを選べ [Joint・統合参謀本部]

FacebookとTwitterもご活用ください!
Facebook→http://www.facebook.com/holylandsonettokyo
Twitter→https://twitter.com/Mongoose2011
東京の郊外より2→https://holylandtokyo.com/
//////////////////////////////////////////////////////////

海軍長官による海軍メモ文書内容
次期イージス艦、次期攻撃原潜、FA-18後継に優先順位を
予算不足で同時進行は不可能と

Harker.jpg8日付Defense-Newsは、Thomas Harker臨時海軍長官が4日付のメモ文書で、国防長官室からの2023年度予算案準備に関する方針指示を踏まえ、2023年度予算案では、主要3大近代化事業(次期イージス艦DDGX、攻撃原潜SSNX、FA-18後継NGAD)の中で優先事業を一つに絞り込み、他を犠牲にして満額予算配分するよう指示していると報じました

4日付のメモ文書でHarker長官は、「米海軍には次世代の航空、水上、水中アセットを同時開発するだけの余裕はない。現有装備の維持整備と次世代装備の開発調達のコストバランスを勘案しながら、3つの事業の優先順位を明確にして1つに絞り込み、他の2つ関連の作戦上、財政上、技術上のリスクを再検討しなければならない」と厳しい認識を示しています

以下では、Defense-News記事が取り上げている3大近代化事業、Arleigh Burkeイージス艦後継DDGXと、ヴァージニア級攻撃原潜後継のSSNXと、FA-18空母艦載攻撃機の後継NGAD(Next Generation Air Dominance)の現在位置をご紹介しておきます

Arleigh Burkeイージス艦後継DDGX
DDG X2.jpg現在主力イージス艦であるArleigh Burke級は、Flight III近代化改修までを随時実施してきたことで、Baseline 10 システムやAN/SPY-6防空レーダーを艦艇に導入することができた
しかし、今後本格紛争に必要とされるレーザーなどビーム兵器や、極超音速兵器を運用するためには大電力が必要で、現在形態の修正程度では対応できないことから、DDGX開発が急務となっており、3大事業の中では1番の2029年投入を目指した計画が組まれている
米海軍は2022年度予算案に、DDGXの基礎設計や設計分析、地上試験や選考調達経費などを約140億円要求している

Virginia級攻撃原潜後継のSSNX
SSN X.jpg上述のDDGXが追加装備のための次世代艦艇を目指すのに対し、SSNXは米海軍攻撃原潜の方向性を大きく転換することを目指す開発プロジェクトである
Virginia級は冷戦終了後の本格紛争相手がいない状態で構想され、1998年から導入されているが、本格紛争での中露との対峙を前提としたとき、安価に沿岸作戦と地上攻撃を追求したVirginia級の延長線上のSSNXではためだと米海軍は考えている

最近ではロシア潜水艦隊の活発化を受け、兵装を強化し、水中ステルス性を備えて敵領土近海に侵入して敵艦艇や潜水艦を攻撃できるような、かつてのSeawolf級潜水艦計画の復活をイメージさせる潜水艦追及の声も上がっている
米海軍は2022年度予算案に、より高速で、水中ステルス性が高く、より多くの兵器を搭載でき、多様な装備を組み替えて搭載可能な潜水艦を求め、約110億円の初期検討予算を要求している

FA-18空母艦載攻撃機の後継NGAD
NGAD Navy.jpg3大近代化事業の中では、最も導入時期が遅い装備であり、3つの中で勝ち残るのが難しいと考えられる装備品である。米海軍はFA-18とF-35C型で2030年代の作戦運用を考えているが、FA-18の機体寿命に伴う退役に合わせNGAD導入を構想している
対テロ紛争で空母艦載機の酷使が続き、FA-18追加購入や延命改修措置を繰り返してきた米海軍だが、延命措置にも限界があり、2021年度予算でFA-18 の追加生産を終えており、2022年度予算要求案からはNGAD開発を本格化させると米海軍はしている(要求額は非公開)

仮に3大事業でNGADを犠牲にすることになれば、米海軍は早急にFA-18生産ラインの維持と追加購入を決定して作戦ニーズに対応する措置をとる必要があり、さもないと2030年代に艦載攻撃機不足に直面する

そのほかHarker臨時海軍長官はメモ文書で
次期戦略原潜コロンビア級には全面支援を要求
Harker2.jpg統合レベルのJADC2や米空軍のABMSと並び、データ共有や指揮統制の次世代化を図る「Project Overmatch」への全面支援要求

COVID-19関連で必要性が認識されたテレワーク環境整備や、Naval Community Collegeへの教育訓練投資強化を要求
海軍の膨大なインフラ施設維持費の問題を指摘し、10年計画で不要施設の見直し廃止を進めるよう要求
//////////////////////////////////////////////////

DDGXが優先されそうな記事内容でしたが、大型水上艦艇は、弾道ミサイルや巡航ミサイルなど精密誘導兵器の餌食となりやすく、本格紛争での価値がそれほど高いのでしょうか?

無人の中小艦艇を多数準備して、分散運用する方式を追求する方向ではないのでしょうか? 陸軍はもとより、米海軍と空軍の考え方の変化の遅さに「?」な印象です

米海軍最近の話題
「無人システム計画が議会等から猛批判浴びる」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-22
「第1艦隊創設を検討中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-20
「米海軍の「Project Overmatch」」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-15
「NGADの検討進まず」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-17
「空母艦載機の2/3を無人機に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-31
「空母2隻削減と無人艦艇推進案」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBA:大型艦艇中心では戦えない」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10

艦艇修理の大問題
「空母や艦艇修理の3/4が遅延」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-22
「空母故障で空母なしで出撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-16
「米艦艇建造や修理人材ピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-24
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
「空母確保困難でMQ-25給油機3年遅れか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-11

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

艦載無人給油機MQ-25が空中給油試験に成功 [Joint・統合参謀本部]

FacebookとTwitterもご活用ください!
Facebook→http://www.facebook.com/holylandsonettokyo
Twitter→https://twitter.com/Mongoose2011
東京の郊外より2→https://holylandtokyo.com/
//////////////////////////////////////////////////////////

2019年9月に初飛行のMQ-25がFA-18へ給油
今後様々な飛行パターンで試験を続け、2024年任務投入へ

MQ-25 refuel.jpg7日米海軍は、空母艦載無人空中給油機MQ-25の試験機がFA-18に対し、4日初めて空中給油を行ったと発表しました。試験はMQ-25の開発拠点があるイリノイ州のMidAmerica空港からセントルイス周辺で実施された様です

試験はMQ-25に装着された給油ポッドから伸びた「probe-and-drogue方式」の給油ホースを使用して実施された様です

MQ-25 refuel3.jpg米海軍とMQ-25開発担当のボーイング社は、試験を通じで得られた「給油機と相手機に生じる気流振動」などの分析に取り掛かっており、分析結果を踏まえて給油側・受け側双方に対する対策検討が進められ、飛行ソフト改良などに活用されますが、今後の飛行試験計画に大きな影響を与えるものではないと予期されているようです

今後数か月にわたってMQ-25による給油試験は続けられ、様々な飛行諸元で機体の最大性能を確認しつつ、様々な設定で給油試験を繰り返す予定でだそうです。
また空母甲板上での取り扱いや取り回し要領についても、今年後半にむけ煮詰められるようです
///////////////////////////////////////////

MQ-25.jpg今後、給油対象機となるF-35C型やEA-18Gにも試験を行い、MQ-25はまず空中給油機として機能確立を目指しますが、ISR任務にも活用したいと米海軍は考えており、今後の進路が迷走しないことを祈ります

また昨年の今頃には、艦艇修理予算や造船所の人的能力低下から空母の修理が遅れ、MQ-25試験運用用の空母が十分確保できない可能性があり、最大でMQ-25運用開始が3年遅れる可能性があるとのは報道があり、海軍幹部が「3年まではいかないだろうが、影響が出るかもしれない」と懸念を認めたところです

2022年度米海軍予算案の肝は、この艦艇修理・整備体制の回復再整備にあると言われていますが、短時間で解決できる問題ではなく、今後の各方面への影響が懸念されます

MQ-25関連の記事
「MQ-25操縦者は准尉で処遇」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-23
「試験用空母確保難で3年遅れか?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-11
「空母艦載機の2/3を無人機に」→https://holylandtokyo.com/2021/04/06/100/
「MQ-25地上で初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-20
「2019年6月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-04
「MQ-25もボーイングに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-01-1
「NG社が撤退の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-29-1
「提案要求書を発出」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13
「MQ-25でFA-18活動が倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 

「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1


タグ:FA-18 MQ-25
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

次の米軍人トップは空軍か宇宙軍から? [Joint・統合参謀本部]

統合参謀本部議長が空軍士官学校卒業式で示唆!?
2001-5年を最後に空軍人が統参議長になれない現実
空軍創設の1947年以降、4人だけが空軍から統参議長に
ちょっと品のない卒業式スピーチですが・・・

Milley AF academy.jpg5月26日、Mark Milley統合参謀本部議長が空軍士官学校卒業式で祝辞を述べ、卒業生に迅速な判断を要求される今後の厳しい戦いと抑止での勝利獲得に向け、統合マインドで臨むように激励しましたが、スピーチの冒頭では次の統合参謀本部議長の有力候補がBrown空軍参謀総長とRaymond宇宙軍参謀総長だと「異例で、余計な」発言をしています

Milley統合参謀本部議長はスピーチの中で列席のRoth臨時空軍長官に対し、「Brown大将か、Raymond大将を統合参謀本部議長に選んでほしい」と述べ、更に卒業式に列席の家族や空軍関係者に、Brown大将か、Raymond大将か、どちらが良いか拍手を求めるなどもしています

Milley 2.jpg確かに、4年任期の米軍人トップ「統合参謀本部議長CJCS:Chairman of the Joint Chiefs of Staff」に、1947年に米空軍が誕生して以来、空軍大将が僅か4名しかついておらず、最後に同職に就いた空軍人が2001-5年のRichard Myers空軍大将で「絶えて久しい」状況にあります

Milley議長自身も2019年11月から同職につき、まだ任期は2年ありますが、国防省・米軍は当時空軍参謀総長だったGoldfein大将を強く推していたにもかかわらず、トランプ政権の好みにより「ちゃぶ台返し」でMilley陸軍参謀総長が議長になった経緯があります

別に空軍の順番との理由だけでなく、宇宙軍の創設があり、今後の統合作戦が空軍が主に進める指揮統制改革(JADC2、ABMS)にかかっていることもあり、また識見や普段の発言ぶりからしてGoldfein空軍大将が米軍内で最適と考えられていた中での「ちゃぶ台返し」だったので、Milley陸軍大将も気を使って「余計な」発言をしたかもしれません

Milley AF academy2.JPG・・・気持ちはわからなくもないですし、政権や文民指導層への「意見具申」のニュアンスがあったのかもしれませんが、聴衆に2名のどちらが適任か拍手で選ばせるなど、日米の文化の違いを加味しても、士官学校の卒業式にふさわしい振る舞いとは考えられず、存在感の薄いMilley議長の影をさらに薄くした点では残念です

議長になれなかった当時のGoldfein空軍参謀総長が、空軍人を統合の主要ポストに就け、活躍の場を与えることに奔走していたことを米空軍人はよく承知しており、より一層、米空軍内でのMilley議長の評価が下がったかもしれません

下でご紹介する発言からも「パイロット」の勇敢さだけに言及する「底の浅さ」「高官としての配慮の無さ」を感じます

ところで本日は、米軍内では「次は必ず空軍か宇宙軍からCJCSを・・」との雰囲気があることをお知らせしておいて、以下ではMilley統合参謀本部議長が空軍士官学校卒業生に送った言葉の要旨をご紹介しておきます

Milley統合参謀本部議長は卒業式で
Milley AF academy3.jpg多くの陸軍や特殊部隊兵士が生き残れたのは、私のような地上兵士が航空支援を要求した際、勇気を振り絞って敵拠点上空に飛来し、目標を正確に攻撃してくれたパイロットがいたからだ
そこではユニフォームの色など関係ない。我々は統合の戦士として、「one team, one fight, every day, all day, day and night」任務に邁進し、敵はそのことを決して忘れないだろう

大国間の緊張が高まる中では抑止が重要であり、平和を維持確保するために真の能力が求められている。WW2終結後76年が経過するが、歴史を教訓とし、大国間の紛争を避けるため、繰り返し起こる緊急な事態にも、広い視野を持って賢明に対応し、緊張が紛争に発展しないよう努めなければならない
Milley AF academy4.jpgそんな中、君たち卒業生は、不十分な情報の中で厳しい選択を迫られるだろう。技術の発達は目まぐるしく、君たちの世代はその激流の中で活躍を期待され、極めて短時間のうちに決断し、ミスを修正することに迫られるだろう

君たちにはアグレッシブに将来の課題解決に取り組んでもらいたいし、そのことにより米国軍事力の優位を確実にし、紛争の抑止と紛争ぼっ発時の勝利獲得に寄与してほしい
///////////////////////////////////////////////////

Brown nomination.jpg同卒業式ではBrown空軍参謀総長も祝辞の中で、統合での情報共有システム整備に尽力するが、将来の戦いでは「不十分な情報の中で、時間的余裕のない中で、最善の判断を下せる能力が求められる」と卒業生に自己研鑽を求めたようで、「緊張を紛争にエスカレートさせない」との言葉と同じく、米軍全体での合言葉のようです

加えてマスメディアへの対応はSNSの発達でますます難しくなり、情報工作を見据えた世論との戦いも極めて重要な要素になりそうですし、卒業生の皆さんの肩の荷は一層重くなっていると思います。

コロナを巡る反日メディアや反日野党の動きから想像すると、日本なら更に輪をかけ、現場を預かる皆さんには厳しい環境が予想されます

Milley統合参謀本部議長の訴え
「現実を見よ、予算増加は見込めない!」→https://holylandtokyo.com/2020/12/04/336/

統合参謀本部の調整力欠如を示す「遠方攻撃」縄張り争い
「空軍大将:地上部隊の動きばかげている」→https://holylandtokyo.com/2021/04/08/102/
「米陸軍トップが長射程攻撃やSEADに意欲満々」→https://holylandtokyo.com/2021/03/24/168/
「米空軍トップが批判・誰の任務か?」→https://holylandtokyo.com/2020/04/06/717/
「海兵隊は2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holylandtokyo.com/2020/03/09/777/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米陸軍と米空軍で無人機対処の動きが [Joint・統合参謀本部]

理解不足ですが、この分野が喫緊の課題であることの証左として
陸軍は対ドローン提案対決、米空軍は謎のC-UASカタール配備

IFPC Army.jpg18日及び19日付発表や報道が、米空軍と米陸軍の無人機対処の話題を取り上げていますので、この課題の重要性を身にしみて感じるためにご紹介します。

最初は、中東航空作戦の司令塔であり航空アセットの一大基盤基地であるカタールのアルウデイド基地に、細部を紹介しない謎の最新装備C-UAS(counter-small unmanned aerial systems)を米空軍が配備し、任務を遂行しつつあることをアピールする発表です

米陸軍に関するものは、対ドローン、対巡航ミサイル、そして可能なら対ロケット弾、対砲弾、対迫撃砲能力も備えるシステム選定のため、2つに候補を絞って5月中に評価試験を行い、同時にプロトタイプ提案を受け付け、2023年度までにプロトタイプを作成させ、使用しながら評価を続けて2024年3月に単一候補に絞り込む模様とのお話です

カタールのアルウデイド基地でのC-UAS運用
C-UAS Al Udeid.JPG2019年に米戦略軍とGSコマンドが数か所への配備を開始した装備C-UASについて、中東地域では初めて最近導入したアルウデイド基地が、その有用性をアピールした
米空軍は配備開始当時、C-UASがドローンの探知、妨害、対処における指揮統制に使用されると説明しており、18日付のアルウデイド基地発表では、迫りくる敵脅威を特定し、(C-UASを構成する)ドローンと運用者の連携を支えるシステムだと説明している

またアルウデイド基地発表は、敵ドローン対処の最後の抵抗線を構成して、敵ドローンが被害を与える前に着地させる(effectively grounding the threat)・・・と説明し、C-UASは移動して使用でき、どのような環境でも使用可能だと発表している
C-UASを運用するには40時間の教育訓練を受ける必要があり、その中には実際の操作が12-15時間含まれており、システムを構成するドローン搭載カメラなどの操作には練度が必要とされる

米陸軍が2候補に絞り対ドローン&対巡航ミサイル兵器を
IFPC Army2.jpgここで対象となるシステムは、IFPC(Indirect Fires Protection Capability)のプロトタイプ作成を目指すもので、 IBCS(Integrated Air and Missile Defense Battle Command System)と連接して運用を目指している

公式には提案を募集して2つに絞り込み、5月中に評価試験をホワイトサンズ演習場で行うことになっているが、1つめの有力候補はイスラエルのアイアンドームを基礎とした、イスラエルのラファエル社とレイセオン社が提供する「SkyHunter」だと言われている
もう一つの有力候補はDynetics社の提案で、こちらはレイセオン社の空対空ミサイルAIM-9X Sidewinderを使用するシステムと言われているが、同社はコメントを求めても反応がない

米陸軍としては、2候補のプロトタイプを2022年度第4四半期に入手し、2023年第3四半期に航空ミサイル防御システムIBCSと連接した形態にしたいともくろんでいる

2つのシステムの評価においては、能力を一番重視し、次にスケジュールを重んじ、その次に価格だと提案告知は示している
また能力面では、要求された射程範囲内での破壊力を重視し、次に360度対処能力、そして同時対処能力、連続対処能力、兵器の再搭載能力や必要時間などで評価するとしている
//////////////////////////////////////////////////

C-UAS Al Udeid2.JPG米空軍のC-UASは操作用のタブレットと2種類のドローンの写真が発表に添付されているだけで、米陸軍の方もわかったようなわからないような・・・選定です

脅威は確実に変化しています、それを肌で感じている米軍は必死だということです。一方で「亡国のF-35」に多額の経費を投入する矛盾を抱えているわけですが・・・

世界の軍事関係者に衝撃
「攻撃無人機でアゼルバイジャン圧勝」→https://holylandtokyo.com/2020/12/22/348/

無人機対処にレーザーや電磁波
「オプション試験中」→https://holylandtokyo.com/2021/04/19/110/
「国防省が小型無人機対処戦略発表」→https://holylandtokyo.com/2021/01/12/295/
「小型ドローン対策に最新技術情報収集」→https://holylandtokyo.com/2020/10/30/445/
「米海兵隊の非公式マニュアル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-31
「ドローン対処を3-5種類に絞り込む」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-14
「米軍のエネルギー兵器が続々成熟中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-30-1
「米空軍が無人機撃退用の電磁波兵器を試験投入へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-27
「米陸軍が50KW防空レーザー兵器契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-05
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

海兵隊NMESISは海上移動目標に命中していた [Joint・統合参謀本部]

FacebookとTwitterもご活用ください!
Facebook→http://www.facebook.com/holylandsonettokyo
Twitter→https://twitter.com/Mongoose2011
東京の郊外より2→https://holylandtokyo.com/
///////////////////////////////////////////////////

4月29日発表の試験成功の細部に言及
2022年度予算案の最優先装備としてアピール

Berger3.jpg13日、David Berger海兵隊司令官が講演で、4月末に同司令官が発表したNMESIS(海軍海兵機動型艦艇阻止システム:Navy Marine Expeditionary Ship Interdiction System)発射試験の成功に関し、実は目標が90nm以上沖合の海上を移動する艦艇であったと明らかにし、NMESISの能力の高さをアピールしました

先日の「海上目標攻撃試験成功」時にご紹介したように、NMESISは、既に沿岸戦闘艦LCS等に搭載されている対艦対地ミサイル「naval strike missile」を、既に運用実績がある軽戦闘車両JLTVを無人運用可能にした車両に搭載したもので、海兵隊が開発リスクを最小限に抑えたと宣伝するシステムです

なお、JLTVを無人運用可能にするため、「ROGUE:remotely operated ground unit for expeditionary」とのシステムを搭載して無人運用可能としています。

Berger海兵隊司令官はMcAleese defense 会議で
NMESIS.jpg●12日、加州沖合の小島に展開したNMESISからの海上目標攻撃試験成功についてBerger海兵隊司令官は、同試験での攻撃目標は「海上移動中の艦艇:a ship on the move」であったと明らかにした
「大変成功した試験だった」、「この攻撃能力を前にした敵は、どう行動すべきかを慎重に考えざるを得なくなる」と試験成功を改めて振り返り、2022年度予算案での米海兵隊最重要案件であるとアピールした

同司令官は更に、海兵隊は敵水上艦艇を除去するだけでなく、敵潜水艦までも危機に陥れることで米海軍の作戦行動を支援したいと語り、そのため米海兵隊は海峡などの水路や海上交通路をコントロールし、米国や同盟国のためにオープンな状態を維持したいと語った

Noble Fury2.jpgそして、「沿岸地域からの戦闘が米海兵隊にとって強化すべきエリアであり、その方向に向かっている」と述べ、(過去20年余りの対テロ戦や従来の海兵隊が重視してきた)戦車や短射程火砲は海兵隊の将来脅威にフィットしておらず、長射程火砲と軽着上陸艦艇がふさわしい、と説明した
また「米海兵隊は、一つの場所に継続して拠点を張る地上部隊から、海洋機動モードへと方向転換を図りつつあるのだ」と語った
/////////////////////////////////////////////

4月29日に同司令官が議会証言した際は
我々はNMESISを米艦艇や沿岸地域に配備し、敵水上艦艇に脅威を与えることができ、海上交通路を開放することができる。このNMESISを有効に活用できる迅速な機動展開運用が我々の目指すべき方向である
Berger4.jpg米海兵隊にとって、2022年度予算で地上や艦艇配備の精密誘導火力を確保することが死活的に重要だ。海洋エリアをバリアに変え、敵の海上交通路を遮断し、我が交通路を確保することが目的だ
・・・と述べており、その主張は一貫しています

一方で米海軍や米空軍のように、中国の綿密に練られた戦力構成や作戦構想A2ADを前に従来の主役であった空母や戦闘機の扱いに困って、検討中とか、玉虫色の発言が多い組織とは異なり戦車を捨て、短射程火砲を犠牲にし、歩兵中心だった組織も大変革しようとしている米海兵隊はたくましいです

米海兵隊の変革関連
「海兵隊NMESISで海上目標攻撃成功」→https://holylandtokyo.com/2021/05/03/213/
「歩兵の多能兵士化を推進中」→https://holylandtokyo.com/2021/04/27/117/
「海兵隊で歩兵が砲兵を支援する新形態演習」→https://holylandtokyo.com/2021/04/15/107/
「対潜水艦作戦にも」→https://holylandtokyo.com/2020/11/09/382/
「在日海兵隊の飛び石演習」→https://holylandtokyo.com/2020/10/26/441/
「司令官が在日米海兵隊削減を示唆」→https://holylandtokyo.com/2020/09/28/488/
「米海兵隊は戦車部隊廃止へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
「2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

対中国想定でMQ-9活用演習2回目実施 [Joint・統合参謀本部]

2回目の「Agile Reaper」演習で海兵隊支援を
米海軍「Unmanned Integrated Battle Problem 21」と並行実施
海兵隊はMQ-9操縦者とセンサー操作員を自前養成中

MQ-9 Agile4.jpg4月28日付Military.comが、4月7日から加州の小島を利用して行われたMQ-9の本格紛争演習「Agile Reaper」2回目の様子を紹介し、昨年9月の1回目がMQ-9現場運用部隊の機動展開や通信環境設定、並びにMQ-9の基本運用の試行だったのに対し、2回目はより少ない展開人員での運用やより本格的な再発進準備訓練や地上攻撃やISR支援など、更に実戦的な演習となった様子を伝えています

またMQ-9の着上陸対地支援能力やISR能力を高く評価した米海兵隊は、米海兵隊兵士のMQ-9操縦者やセンサー操作員を養成することを昨年11月日発表し、今年4月に入ってDavid Berger海兵隊司令官がMQ-9運用部隊の倍増を発表するなど、急速に海兵隊とMQ-9の連携強化が進んでいるようです

MQ-9 Agile.jpg今回の「Agile Reaper」でMQ-9を運用したのはあくまで米空軍第49航空団で、空軍操縦者は無人機遠隔操縦のメッカ米空軍Holloman基地から操作したわけですが、多くの海兵隊操縦要員やセンサー操作員が同基地で演習間訓練を受けたようです。米海兵隊がMQ-9の操作や運用をどこまで担うのか? 前線基地での離着陸や機体整備や兵装などまで担当するつもりなのか不明ですが、そんな勢いがあるMQ-9の沿岸&海洋作戦投入です

同時に行われた米海軍「Unmanned Integrated Battle Problem 21」演習支援では、海洋監視版のMQ-9B Sea Guardianが米海軍ミサイル巡洋艦とタッグを組み、MQ-9Bが艦艇から見えない遠方目標情報を巡洋艦に伝えて大好評を得たようで、空軍MQ-9部隊指揮官には「もっと一緒にやろう」との声が海軍&海兵隊から届いているようです

4月28日付Military.com記事によれば
MQ-9 Agile5.jpg2回目の「Agile Reaper」演習は4月7日から、1回目と同じく加州の米海軍Point Mugu航空基地と加州沖合のSan Clemente島で行われ、3機のMQ-9が(西太平洋の前線展開島をイメージした)San Clemente島に展開し、空軍の現場整備員や離発着・再発進準備要員はC-17輸送機で展開した
今回の演習では、1回目の前回に比して少ない派遣要員で、どれだけ迅速に再発進準備が可能かを試験することが試され、同時に兵装要員もHellfire missilesを再搭載する本格的な訓練を行い、また着上陸時の脆弱な海兵部隊を支援する攻撃任務にも様々なパターンでMQ-9が取り組ん

米空軍第49航空団司令官Ryan Keeney大佐は、「中東とは異なる海洋作戦へのMQ-9の適合を図るため、様々な取り組みを試した」と演習を振り返った
一方の海兵隊は、昨年10月にMQ-9操作職域を新たに設け、MQ-9を使用する本格的な無人機ISRミッションンに挑戦することを宣言している。かつて海兵隊は契約業者に運用を委託してISRに活用したが、自前要員の養成は大きな方向転換である

MQ-9 Agile3.JPG今回の「Agile Reaper」演習で複数の要員がHolloman空軍基地に派遣され、空軍からMQ-9運用を学んでいる。海兵隊司令官は4月にMQ-9運用部隊の倍増計画を明らかにし、「前線に展開するMQ-9運用要員は、統合戦力の目となり耳になる」と語っている
別枠ながら同時に訓練したMQ-9B Sea Guardianと米海軍巡洋艦とのターゲティング連携も併せ、Keeney空軍大佐は「我々にとって新たな挑戦だが、海軍や海兵隊部隊からのフィードバックにはMQ-9の能力に感激したものが多く、更なる連携訓練を望む声が多く励みとなっている」と振り返った。
//////////////////////////////////////////////

MQ-9 Agile2.jpg日本もMQ-9で良かったんじゃないかとつくづく思います。無人機検討を避けに避け続けてきた結果として、希望もしない装備を米国から押し付けられたということです

本題の米空軍MQ-9の米海軍や海兵隊との連携強化ですが、中東という難しい環境で頑張ってきた目立たない空軍無人機部隊が、対中国という新たな分野で底力を発揮し、存在感を発揮することを心から祈ります

最近のMQ-9関連記事
「本格紛争用に約1/4を改修&延命へ」→https://holylandtokyo.com/2021/04/28/118/
「豪州にMQ-9輸出許可」→https://holylandtokyo.com/2021/04/29/119/
「JDAM完成弾運搬役も」→https://holylandtokyo.com/2021/03/09/156/
「無人機MQ-9の対中国海上作戦への応用演習」→https://holylandtokyo.com/2020/10/02/424/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米海兵隊が歩兵の多兵器習熟を試行中 [Joint・統合参謀本部]

狙撃銃も迫撃砲も機関銃も対戦車ミサイルも扱えるように
「Arms Room Concept」と呼んで3部隊で2年間試行中
対中国本格紛争を見据え、状況や脅威に応じ柔軟運用部隊へ

Austin marine2.jpg4月26日付Military.comは、米海兵隊が対中国など本格紛争対処に備え、従来は狙撃兵、迫撃砲兵、機関銃兵、対戦車ミサイル兵等に細分化されていた歩兵兵士のMOS(特技:military occupational specialty)を、最終的には一つにまとめる方向で試行実験を行っていると紹介しています

米海兵隊はDavid Berger司令官の下で、毎年改定される「Force Design 2030」構想に基づき、10年計画で対テロから本格紛争対処への体制変換を目指しており、機動的に島々を移動する長射程砲で海軍艦艇を支援する作戦中心への転換や、砲兵に歩兵部隊を従属させる組織運用への転換、それに伴う戦車部隊の廃止や長射程対艦火砲の導入などなどを強力に推進しています

marine infantry2.jpgそんな流れの中、現在の狙撃ライフル、迫撃砲、機関銃、対戦車ミサイル等に専門化した各中隊で構成されている歩兵大隊を、一人の兵士が扱える兵器種類を増やすことで中隊の壁をなくす方向で、2年計画の検証試験が進行中のようです

担当の准将は「まだ何も決まっていない。試行実験を通じて提言をまとめ、司令官に報告する」と慎重な言いぶりですが、米海兵隊の3つの歩兵大隊が試行実験に取り組み、海兵隊員養成の基礎課程でも既に教育期間を延長して多能化試行を始めているようで、動きの迅速さに感心させられます

4月26日付Military.com記事によれば
Austin marine.JPG「Arms Room Concept」の名の下に、米海兵隊歩兵兵士の多兵器習熟型への改革が試行実験されている。海兵隊の戦闘開発融合を担当するEric Austin准将は、多様な兵器を武器庫に備えた部隊構築に向けたドラスティックな改革に向かっていると語った
同准将は「米海兵隊歩兵兵士は、状況や任務に応じた兵器を手にして作戦遂行できるよう、全ての兵器に対応できる訓練を受けることになるだろう」、「これにより海兵隊は、より成熟した、マルチドメイン対応の歩兵兵士によって構成された部隊となる」と表現した

具体的には、3つの海兵師団全てから歩兵大隊を一つ選び、一つの大隊は標準モデルで、他の2つの大隊はそれぞれに少し異なる形態で試行実験を行っていると説明した
Berger2.jpgBerger海兵隊司令官は検討の背景として、2020年3月に改訂版「Force Design 2030」構想を発表時に、「将来の歩兵大隊の構成を考える上で、将来作戦環境を正しく分析して検討がなされたかについて自信が持てない」と述べており、これを受け3つの大隊が試行実験に臨むことになっ

Austin准将は同時に海兵隊兵士の基礎課程でも訓練体系を変える試行を行っていると語り、「基礎課程教育期間を従来の9週間から14週間に5割増しし、歩兵海兵隊員が多様な兵器システムに習熟できるよう取り組んでいる」、「脅威に応じて命ぜられた任務に対応し、どの兵器が適切かを選択して前線に向かうことができる方向に取り組んでいる」と述べた
海兵隊は最終的に、歩兵兵士の職域を一つに統合したいと構想しているが、「Arms Room Concept」に対して批判的な声もある。そんなことが可能なのか・・・との率直な意見である
///////////////////////////////////////////

marine infantry.jpg先日は、対テロも含め従来海兵隊の中心であった歩兵部隊が、砲兵に従属する形で作戦する次世代演習が沖縄伊江島で行われたとご紹介しましたが、対艦長射程兵器を中心に据える海兵隊の改革は勢いを増しています

米海軍や米空軍と比較すると、その柔軟性は際立っており、組織防衛意識は他軍種と同様ですが、方向性は正しいのでしょうし、海空軍には少しは改革意識を学んでいただきたいと思います

米海兵隊の変革関連
「海兵隊NMESISで海上目標攻撃成功」→https://holylandtokyo.com/2021/05/03/213/
「歩兵の多能兵士化を推進中」→https://holylandtokyo.com/2021/04/27/117/
「海兵隊で歩兵が砲兵を支援する新形態演習」→https://holylandtokyo.com/2021/04/15/107/
「対潜水艦作戦にも」→https://holylandtokyo.com/2020/11/09/382/
「在日海兵隊の飛び石演習」→https://holylandtokyo.com/2020/10/26/441/
「司令官が在日米海兵隊削減を示唆」→https://holylandtokyo.com/2020/09/28/488/
「米海兵隊は戦車部隊廃止へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
「2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

小型無人機対処装備を求めオプション試験中 [Joint・統合参謀本部]

統合検討室を陸軍リードで空軍が支援
まずは副次的被害が少ない対処装備3つを試験

Skylord Griffon2.jpg16日付Defense-Newsは、国防省の小型無人機対処検討の一環として行われている、統合小型無人機対処システム室(JCO:Joint Counter-Small Unmanned Aircraft Systems Office)による候補システム試験の様子を紹介し、まず「副次的被害が少ない:low-collateral effects」対処兵器(小型無人機)の募集と試験を4月上旬に行ったと伝えています

このJCOは陸軍が主導して運用し、試験は陸軍のYUMA試験場で行われていますが、今回の副次的被害の少ない対処兵器試験は依頼を受けた空軍が試験の企画運用を担当する統合らしい分業体制で行われています

MIDAS.jpg候補機種の募集は統合検討室の要求事項に基づいて行われ、約37個の提案があったようですが、国防省の資金支援を受けていない新たな提案からのみ受け付けること等を踏まえ10提案に絞り込み更にプレゼン評価を経て5企業が選ばれた様です。ただ4月の試験には2企業がコロナの影響等で参加できず、3企業のみが参加したようです

米空軍は16個の様々な試験シナリオを準備して3提案を評価し、敵脅威シナリオには様々な速度と高度と飛行パターンを持つ固定翼と回転翼無人機が準備され、提案を様々な側面から吟味したということです

このような試験評価は今後年2回のペースで様々なカテゴリーの小型無人機対処装備について予定され、新たなアイディアと新たな企業の提案を促進するよう計画されているようです

16日付Defense-News記事によれば
Drone Kill Drone.jpgボーイング隷下のAurora Flight Sciencesが提案した「副次的被害が少ない:low-collateral effects」な対処兵器(小型無人機)は、air gunを備えたMIDASとのquadcopterで、敵無人機に接近して約30㎝のひもを付けた弾丸を6連発で発射し、敵無人機のローターやプロペラに絡めて無効化する装置である。2回連射攻撃を行って敵に効果がない場合は、あきらめて次の目標に指向する
2つ目の提案は敵をネット(網)に絡めて無効化するElta North America(イスラエル企業の米国支社)提案無人機Drone Kill Droneで、敵無人機の下部から網を射出し、敵にからめとって自らも共に墜落するタイプである

3つ目も同じく網で固めとるイスラエル企業提案のSkylord Griffonであるが、こちらは敵上部から網をかけ、うまく敵を拘束したら網を切り離して次の敵無人機に向かう方式である
Skylord Griffon.jpg16個の脅威シナリオで評価された3機種は、今後評価レポート受け取り、今後の開発の資とする

JCOと陸軍迅速能力検討室は、同様のデモ試験の機会を9月にも設ける予定で、異なった特性を持った対処装備に焦点をあて、5月には要求性能を公表する予定である
//////////////////////////////////////////////////

「副次的被害が少ない:low-collateral effects」な対処兵器部門だけで、37個も提案があったすそ野の広さに感心しきりですが、それだけ脅威認識が高いということです

地道な取り組みの一つですが、陸軍と空軍が協力して取り組んでいる点はうれしいニュースです

世界の軍事関係者に衝撃
「攻撃無人機でアゼルバイジャン圧勝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-21

無人機対処にレーザーや電磁波
「国防省が小型無人機対処戦略発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-10
「小型ドローン対策に最新技術情報収集」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-20-1
「米海兵隊の非公式マニュアル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-31
「ドローン対処を3-5種類に絞り込む」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-14
「米軍のエネルギー兵器が続々成熟中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-30-1
「米空軍が無人機撃退用の電磁波兵器を試験投入へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-27
「米陸軍が50KW防空レーザー兵器契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-05
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース
前の15件 | - Joint・統合参謀本部 ブログトップ