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米大統領が米議会にトルコへの最新F-16提供の許可要請 [安全保障全般]

フィンラドとスウェーデンのNATO加盟承認への見返り?
上院外交委員長はこれまでトルコへの強硬姿勢で知られるが

Biden NATO Madrid.jpg6月30日、マドリッドでのNATO首脳会議を終えたバイデン大統領は、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟にトルコが条件付合意した件とは全く関係ないとしつつ、トルコに対しNATO能力強化の一環として、最新型F-16とF-16能力向上キット売却を認めるよう米議会に要請しました

バイデン大統領や米国防省や国務省はFMS案件の細部に言及しませんでしたが、米メディアは40機の最新型F-16 Viper Block 70と80セットの既保有F-16能力向上キットのFMS購入(計約6700億円)にトルコが興味を示していると報じています

F-16 Viper4.jpgバイデン大統領は、トルコが北欧2国のNATO加盟を承認することへの「対価・見返り:quid pro quo」ではないと否定し、米国防省のCeleste Wallander国際安全保障担当次官補も6月29日に、「NATO加盟国の能力を高め、米国の安全保障能力を向上させることにつながる案件であり、米国はトルコ戦闘機の近代化を支援する。現在協議中で、トルコ側にも所定のプロセスを踏んでもらう必要がある」と述べているところです

F-16 Viper.jpgF-16を製造するロッキード社によれば、最新型F-16 Viper Block 70売却や能力向上改修キット提供により、トルコ空軍F-16には、最新アビオ装備のAESAレーダー、機体構造強化による機体寿命5割増、先進データリンク、最新型目標照準POD、最新ソフトと対応兵器等々が提供されることとなるようです

本件に関し、FMS契約を担当する米国務省FMS室はコメントを避けつつも、「正式に議会に通知するまではコメントしない」としていますが、一般論として「米トルコ関係は長期にわたる同盟関係であり、トルコのNATOとの相互運用性向上は引き続き優先度の高い事項である」としています

Menendez2.jpg米議会に可否が委ねられた場合の反応は見えないところですが、昨年2021年11月にBob Menendez上院外交委員長(民主党)はトルコへのF-16売却に反対姿勢を示し、「トルコのエルドワン大統領の人権問題への姿勢が問題だ。彼による法律家やジャーナリストの投獄や、米国のリビアやシリアへの関与に対する反対姿勢を変えてもらう必要がある」と主張していたところです
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トルコが「手のひら返し」でスウェーデンとフィンランドのNATO加盟を承認する姿勢を打ち出したのには驚きましたが、このタイミングでトルコへのF-16最新型や改修キット売却を持ち出されると、「対価・見返り:quid pro quo」ではないかと邪推するのが当然でしょう

F-16 Viper5.jpgご紹介したMenendez上院外交委員長(民主党)の発言はあくまで昨年11月のもので、ロシアのウクライナ侵略事態を受け態度が変化している可能性は十分にありますし、「民主党」の重鎮として、表面上は反対姿勢を見せる必要があるのかものかもしれません。

様々に激しく、世界情勢は動いているということです。

米トルコのF-35やS-400 巡る関係
「米国がトルコにF-35代替に最新F-16提案か!?」→https://holylandtokyo.com/2021/10/20/2357/
「トルコへのF-35部品依存は2023年まで」→https://holylandtokyo.com/2020/10/14/432/
「トルコの代わりに米で部品製造」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-27
「トルコをF-35計画から除外」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-17
「S-400がトルコに到着」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-14
「米がトルコに最後通牒」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-09

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米国がウクライナへ提供する兵器を仏軍も緊急購入へ [安全保障全般]

「Switchblade」との滞空型無人攻撃機
最新型であれば40分在空可能でカメラ探知の目標に突入

Switchblade3002.jpg6月22日付Defense-Newsは、3月に米国がウクライナに100セット提供すると表明したAeroVironment社製「Switchblade」との滞空型無人攻撃機を、フランス陸軍省がFMS契約で6か月以内に米国から調達すると報じています

同兵器は、約10年前から米軍地上部隊に提供され、アフガニスタンやイラクやシリアで使用されてきたようですが、今年4月に米国がウクライナ支援で提供すると発表するまで、その存在は公表されてきませんでした。

Switchblade600.jpg下で紹介する解説映像が示すように、人ひとりが担いで持ち運べる大きさ重量のタイプもあり、迫撃砲の様に射出すると翼を広げ電動モーターで推進力を得て飛行し、GPSで指定の位置に向かい、最終的には先端のカメラ映像で地上から人が操縦して目標に指向します。

速度は時速100~180㎞程度で、ウクライナに提供される2020年に完成した最新型の「Switchblade 600」は、射出用ランチャー含め約23㎏、飛び出す飛翔体重量は15㎏で、連続飛行時間約40分(約40㎞飛行可能)と紹介されています

最新型「600」は対戦車弾頭である「タンデム成形炸薬弾頭」を搭載し、戦車や装甲車両を破壊する映像がネット上では公開され、ソフトターゲット(レーダーアンテナ、通信装備等々)用だった初期型「300」から大幅に能力アップしている模様で

米からウクライナへの提供表明時の解説映像(8分)


フランス陸軍や関係者は調達数量や価格を公表していませんが、仏メディアの中には82セット導入予定と仏国防筋情報を伝えるものもあるようです。「Switchblade」シリーズを製造するAeroVironment社も個々の交渉については言及を避けていますが、4月に米からウクライナへの提供が公表されて以降、複数の国から問い合わせがあると明らかにしていま

フランス国防省関係者は、射程5㎞から50㎞の範囲の戦闘車両を破壊するオプションを検討しており、他に2つのプロジェクトを開始し、2024年にデモ試験を行う予定となっているようです
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Switchblade300.jpg「6か月以内に調達」とのスピード感に、欧州大陸の大国であるフランスの脅威感と言うか緊迫感を感じましたのでご紹介しました。ナポレオン時代からロシアと対峙してきた歴史を持つフランスは、ウクライナ侵攻の長期化と揺るがないロシアの姿勢に、底知れない恐怖を感じているのでしょう。

それと・・・中国企業もあっという間にコピー兵器を開発製造するということをお忘れなく。初期型「300」は、ランチャーと運搬袋含めて僅か2500gで全長50㎝、リュックサックに収まり、数個セットあれば飛行場を数時間無効化するには十分な兵器です。

仏軍宇宙コマンド司令官が語る
「ウクライナ侵略は衛星通信へのサイバー攻撃で始まっていた」→https://holylandtokyo.com/2022/06/23/3365/

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極超音速兵器の迎撃技術開発に2企業と契約 [米国防省高官]

米MDAが2020年夏に一端中断も、21年に再開
2027年夏に基本システム設計審査を目指すとか

GFI 3.jpg6月24日国防省ミサイル防衛庁MDAが、極超音速兵器を中間飛翔段階で迎撃する「GPI:Glide Phase Interceptor」開発に向け、Raytheon及びNorthrop Grummanとプロトタイプ設計に向けた契約を結ぶことに決定したと発表しました

2021年11月に上記2社にロッキードを加えた3社と、それぞれ約45億円の基本設計契約を結び、その結果を踏まえて「設計をさらに加速させる」契約を2社に絞り込み、追加で2社に約20億円を投資して「コンセプトデザインを加速させる」契約を結ぶとのことです

GFI 2.jpg24日付Defense-Newsによれば、MDAは「GFI」の検討を2020年夏に一端中止したようですが、2021年にはミサイル防衛庁長官Jon Hill海軍中将が企業から入手した最新技術動向を基に可能性を確信し、「恐れず開発を進めるべき」と述べ、極超音速兵器が最も脆弱な「glide phase」段階に狙いを絞り検討を再開したところでした

全体計画の詳細は未公表ですが、主導する米ミサイル防衛庁(MDA)は2028年夏に「GPI」の「weapon system and missile systems preliminary design reviews」を行う予定だと、2023年度予算案関連文書に記載されているようです

GFI 4.jpg「GFI」は米海軍イージス艦搭載を当面の目標とし、「Baseline 9 Aegis Weapon System」と融合させ垂直発射システム(VLS)から発射させるイメージで設計されており、イージス艦でうまくいけば、地上配備型が検討されるようです

「GFI」を使用した迎撃の流れは、まず極超音速兵器の発射段階で早期警戒衛星が探知し、地上の指揮統制センターに情報を伝達するところから開始します。その追尾情報を地上センターから通信衛星経由でイージス艦に伝送し、イージス艦は自艦のレーダーで探知していない段階でも迎撃体GFIを発射し対処します。

もちろん迎撃の最終段階でイージス艦レーダーが極超音速兵器を探知できれば迎撃に活用しますが、極超音速兵器が弾道ミサイルより遥かに低空を這うように進入することから、イージス艦自ら探知追尾できる範囲は限定的にならざるを得ません。詳しくは、下の解説映像をご覧ください
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「GFI」の解説動画by米ミサイル防衛庁MDA(約8分)


選ばれた2社から外れたロッキードですが、「GFI」の進展具合によってはロッキードの復帰もありうるとMDAはコメントしており、極超音速兵器開発において空中発射型の米空軍用「HAWC」と「ARRW」を担当し、米海軍用の「Conventional Prompt Strike」や陸軍用「Long Range Hypersonic Weapon」システムとりまとめも担当するロッキードへの期待も依然高いようです

GFI 5.jpg弾道ミサイルより遥かに高価な「極超音速兵器」ですが、それを迎撃するとなると、恐らく「極超音速兵器」自体の数倍~数十倍のコストが掛かると想像いたします。

相手が「脆弱」な「glide phase」段階で迎撃を目指すにしても、迎撃成功確率は対弾道ミサイルよりも低下すると思われ、ますますロシアや中国のような無法者国家に有利な軍事環境になるわけです

JSFさんによる分かり易いGFI解説記事
https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20220114-00277179

米国による極超音速兵器の開発(GFIではない)
「空軍:高価な同兵器は少数保有で」→https://holylandtokyo.com/2022/02/22/2742/
「国防省が空軍に極超音速兵器開発の改善提言」→https://holylandtokyo.com/2022/02/10/2670/
「技術担当次官:同兵器は最優先事項だ」→https://holylandtokyo.com/2022/01/26/2649/
「空軍長官:重要性は中国と米国では異なる」→https://holylandtokyo.com/2022/01/25/2639/
「米海軍潜水艦への極超音速兵器は2028年」→https://holylandtokyo.com/2021/11/26/2450/
「米陸軍の極超音速兵器部隊が実ミサイル以外を受領」→https://holylandtokyo.com/2021/10/18/2342/

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露がベラルーシに核ミサイルや航空機核搭載改修提供へ [安全保障全般]

昨年2月にベラルーシが憲法改正して着々準備
露の飛び地Kaliningrad地上輸送路閉鎖への報復的措置か
ベラルーシ利用のウクライナ空爆開始にあわせ

Belarus Russia3.JPG6月25日、ロシアのプーチン大統領はベラルーシ大統領とロシア第2の都市サンクトペテルブルクで会談後、ロシアがベラルーシに射程500㎞以下程度の短距離弾道&巡航ミサイル「Iskander-M」を提供し、更にベラルーシ軍保有のSu-25戦闘爆撃機を核兵器搭載可能に改修すると発表しました

ベラルーシは2021年2月、同国憲法の「nuclear-free zone:核保有しない国家」及び「中立的立場で」との表現を修正し、ロシア寄りの立場を鮮明にし、ロシアの核兵器受け入れ準備を進めていたと理解されていますが、ロシア飛び地領土「Kaliningrad」に続いて、NATOとの最前線にロシアの核を配備することになります

Kaliningrad.jpg先日ご紹介したように、ロシアは本土と「Kaliningrad」を結ぶ鉄道貨物輸送や石油パイプラインが隣国リトアニアによって制限されたことに反発を強めており、欧州NATO諸国に接するベラルーシへの各ミサイル配備等によって、欧米各国をけん制するねらいがあるとみられます

プーチン大統領は25日、「この決定はロシアによってなされたものだ。今後数か月以内に核弾頭と通常弾頭の両方が搭載可能なIskander-M戦術ミサイルをベラルーシに移送する」と明言し、

Belarus Russia.jpgベラルーシのLukashenko大統領は、同国Su-25に核兵器搭載可能となるような改修をロシアに要請し、露大統領から露国内で改修を請け負うとの回答を得たと述べ、「我々は米国やNATOによる核兵器訓練を見せつけられ懸念しており、ロシアに対し同様の対応が可能なよう検討を依頼した。過剰な対応をするつもりは無い(without overdoing it)」と会談後に語っています
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ベラルーシが67機保有するSU-25は、旧ソ連が米国製A-10の影響を受けて1970年代後半に開発した対地攻撃機で、戦車狩りなど最前線の敵軍を直接攻撃することを狙った低速ジェット攻撃機で、1300機以上が製造されたベストセラー機です。ですが、「フロッグフット」のNATO名のように航続距離が短く低速であることから、戦術核兵器搭載機として「適当」なのか「?」ではあります。

SU-25 Belarus.jpgSU-25は、攻撃精度が良く、搭載量が多く、強力な30mm機関砲を搭載し、安価で頑丈で整備性がよいことを特長とし、高価な戦闘爆撃機に手が出ない中小国や発展途上国にとって好都合で、ソ連崩壊後、ロシアから世界中に中古売却され、アジア、欧州、アフリカ、中東、南米等々、世界中の戦争(特に対テロ)で「常連」で「実戦で証明された機体」として評価をさらに高めた古い機体です。

ウクライナ軍によれば、6月26日にはロシア軍TU-22爆撃機がベラルーシから出撃してウクライナ首都などを攻撃しており、ロシア軍の態勢を立て直しをベラルーシが支援する形が強化され、西側に「ウクライナ疲れ」が見え始める中で、ロシアの陰鬱な粘りが世界全体に影を落としつつあります

ウクライナ関連
「露の飛び地Kaliningradへの陸路遮断」→https://holylandtokyo.com/2022/06/28/3410/
「ロシア侵略の第一撃は衛星通信に」→https://holylandtokyo.com/2022/06/23/3365/
「アジア太平洋への教訓は兵站能力」→https://holylandtokyo.com/2022/06/17/3358/

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米空軍が電動ヘリeVTOL導入に本格始動 [米空軍]

2023年度予算でまず5機導入から
低価格・低維持コスト・多様な機種が市場に登場
前線での空輸や救難救助など66の任務を検討中

Hexa Lift Airc.jpg6月16日付Defense-Newsが、米空軍が「Agility Prime」計画として推進する電動垂直離着陸ヘリ(eVTOL)の導入を本格化し、2023年年度予算で5機導入から最初の調達を開始すると報じ、最前線での物資人員輸送や救難救助などを含む多様な任務に、「低コスト・低維持費」「迅速な展開能力(空輸可能)」「燃料消費小」等の特徴を生かして挑戦すると紹介しています

この「Agility Prime」計画は2020年2月に始まった日進月歩の民生電動ヘリを活用しようとのプロジェクトで、従来の前線空輸を担っていたヘリが1機・数十億円なのに対し、まだまだ航続性能や搭載量に課題はあるものの、1機・数千万円から数億円の電動ヘリに注目したものです

ALIA Beta.jpgただし民間主導の競争に任せすぎると価格競争になり、結果として中国製部品や中国企業がサプライチェーンに大きく絡んで米国防省が採用できなくなる問題が「小型無人機」で生じた教訓を基に、米国防省による競争や柔軟な発想を妨げない「ほどほど」の関与で、米国内の電動ヘリ産業界を成長させつつ、米国内サプライチェーンも育成する姿勢で取り組んでいるようです。

更にこの分野は技術進歩が著しいことから、従来の国防省調達プロセスを辿っていると時間がかかりすぎ、装備導入時点で「陳腐化」している可能性が高く、調達プロセス改革の先駆者となることも狙っているようです

6月16日付Defense-News記事によれば
Agility Prime2.jpg●米空軍は企業アイディアを生かすため、厳格な要求性能を設けず、14企業から多様なタイプの「eVTOL」を評価用に入手する契約を既に結んでいる
●2023年度予算で約4.3億円を確保し、その中から1企業の機体選定して5機のeVTOLを導入予定。ただしその場合も他の13企業を排除するわけではなく、その後も、用途や優先順位を吟味し、他企業eVTOLの導入も続く予定

●用途としては、従来型ヘリでは危険な特殊部隊員の侵入・帰還輸送や敵領域での救難救助などが想定されるが、他にも66項目の将来想定任務がアイディアとして米空軍プロジェクトチーム内では検討されている
Hexa Lift Airc2.jpg●特に、米空軍が推進するACE(Agile Combat Employment concept)構想では、部隊を分散運用するため施設不十分な基地や被害を受けた施設に展開することが想定されるが、垂直離着陸能力を備えるeVTOLには初期の物資人員輸送や、その静粛性を活用した偵察任務も期待されている模様

●将来構想を語る一方で米空軍担当チームは、まず電動ヘリeVTOLに米空軍兵士が接してもらい、その現状と特徴を把握してもらうことが重要だと考えており、各地の航空ショーへの参加や演習へのデモ参加を積極的に計画している
●またeVTOL担当チームは、現有ヘリの後継機としてeVTOL導入を考えているわけではなく、基本的には現在装備の欠落機能を埋める役割を考えている
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ALIA Beta2.jpg2021年4月に「Agility Prime」計画をご紹介した時点では、タコのような形状の「Hexa」との機種では、C-130に1機を45分で搭載できたが、手順化すれば1機15分で3-5機搭載可能とか、現在は1名搭乗で15分程度の飛行可能時間とかの性能でしたが、特に飛行持続時間や搭載量はどうなったのでしょうか?

また米空軍は昨年時点で、「100nm先の場所に、3~8名を輸送でき、速度が100マイル/h程度の電動ヘリ(eVTOL)を、2023年までには実用可能なオプションにまで煮詰めたい」との目標を掲げていたようですが、その辺りもどうなっているのでしょうか? 引き続きフォローしていきたい「Agility Prime」計画でした

2021年の「Agility Prime」計画状況
「電動ヘリeVTOLでACE構想推進へ」→https://holylandtokyo.com/2021/04/13/105/

米空軍の将来作戦コンセプトACE関連記事
「米空軍がACEドクトリン発表」→https://holylandtokyo.com/2021/12/17/2532/
「欧州米空軍がACE構想の確認演習」→https://holylandtokyo.com/2021/10/27/2317/
「F-22が岩国展開訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-13
「電動ヘリeVTOLで構想推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-02
「F-15EにJDAM輸送任務を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-04
「GuamでF-35とF-16が不整地離着陸」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-28
「米空軍若手がACEの課題を語る」→https://holylandtokyo.com/2020/11/27/397/
「中東派遣F-35部隊も」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「三沢で訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-21
「太平洋空軍がACEに動く」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-12
「太平洋空軍司令官がACEを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-12-10-1
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「F-22でACEを訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-03-08

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ロシアの飛び地「Kaliningrad」への陸路遮断 [安全保障全般]

露の同盟国ベラルーシからリトアニア経由の陸路封鎖
NATO加盟国リトアニアがEU加盟国義務として淡々と
ロシアは猛反発でリトアニアに報復示唆も

Kaliningrad 4.jpg6月21日付Defense-Newは、EUが定めたロシアのウクライナ侵略に対する制裁措置に従う形で、リトアニアがリトアニア領土を通過するロシアの飛び地領土「Kaliningrad」へのロシア製品の移動を禁止する措置をとったと報じています

この措置に先立ち、EUは4月に空路によるロシア航空会社のEU通過を禁止して、「Kaliningrad」へのロシア製品の空路を絶ちましたが、今回は「Kaliningrad」への物資輸送の半分を担う陸路(露の同盟国ベラルーシと飛び地を結ぶ「Suwalki Gap」を通る鉄道が地上輸送の大部分を担う)を絶ち、更にロシアから石油を輸送する唯一のパイプライン(「Suwalki Gap」近傍を通過)も今回の措置で封鎖されます

Kaliningrad.jpgこの結果、ロシアから約680マイル(約1100㎞)、露の同盟国ベラルーシから約90㎞離れた「飛び地:Kaliningrad」へロシア製品を輸送する手段は、公海を使用する「海路」だけとなり、ロシアにとっては痛烈な一撃となります

リトアニアはNATOメンバーであり、ロシアがリトアニアに手を出せば、「NATO憲章5条」によりNATOとしてロシアに反撃するトリガーとなります。バイデン大統領も年頭教書で「一インチでもNATO領内に入ったら・・・」と明言しており、約1000名の米軍兵士を3月に同国へ派遣して覚悟を示しているところです

リトアニア外務省は、EUの一員として、EUの定めたロシアへの制裁措置を実行しただけ・・・との淡々したスタンスですが、地図でご覧いただく「Kaliningrad」の位置や、以下の紹介するその重要性からすると、NATOや西側の「かなり大きな一手」ですのでご紹介しておきます

ロシアと同飛地Kaliningradの歴史と重要性
Kaliningrad 2.jpg●WW2終結時にソ連が占領していた同地域を、ポスダム会談においてソ連領と承認。1991年のソ連崩壊時も、同地域の周辺国は独立して西側との関係を深めていくが、同地域は飛び地としてロシア領として引き継がれる。
●同飛び地の南部で国境を接するポーランド、及び東部と北部で国境を接する今回封鎖を宣言したリトアニアは、共にその後NATOに加盟した

●Kaliningradはバルト海に面するロシア唯一の港を有し、同港は不凍港である点でロシア艦隊の重要拠点。またNATO最前線に位置する海軍拠点としての意味を持つ
●ロシア本土から約680マイル(約1100㎞)NATOに食い込んだ位置にあることから、ロシアは核弾頭搭載可能な短&中距離弾道ミサイルを核弾頭と共にKaliningradに配備しているとリトアニアは主張しており、ウクライナ侵攻開始当初に核部隊の即応態勢を高めた際にも、西側はKaliningradを配備戦力を警戒している

リトアニアの地上ルート封鎖へのロシアの反応
Kaliningrad 3.jpg●リトアニアは今回の措置を、単にEUの一員として露のウクライナ侵略に対する制裁を実行したまでだと淡々と主張し、「リトアニアを経由する人や制裁対象外の物資の往来は問題なく継続されている」、「EU決定の制裁を実施しているだけで、リトアニア独自の措置は一切ない」とリトアニア外務省は主張している
●しかしロシアは強く反発し、国際法違反の「blockade」だと主張し、リトアニアが痛みを感じる装置を講ずると訴えている(効果ある具体策を提示することに失敗しているが・・・
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6月21日付Defense-News記事は、リトアニアの措置(EUの措置)にロシアが有効な「痛みを感じる報復措置」を執れないでいると紹介していますが、決して油断はできませんし、年月を経て報復を企てることも十分に考えられます。

Kaliningrad33.jpgウクライナ東部や北部で、ロシア軍がじわじわと態勢を立て直して反転攻勢に転じ、ウクライナ軍を過去数か月間支えたドローンや通信傍受を基にした攻撃も効果が低下し始めているところですが、今回の飛び地「Kaliningrad」を巡る西側の動きが、ロシアをどのように刺激してどのような影響を与えるのかが注目されるところです

ウクライナ関連の記事
「ロシア侵略の第一撃は衛星通信に」→https://holylandtokyo.com/2022/06/23/3365/
「アジア太平洋への教訓は兵站能力」→https://holylandtokyo.com/2022/06/17/3358/
「ロシアに迅速対処したSpaceXに学べ」→https://holylandtokyo.com/2022/04/22/3173/
「陸軍訓練センターに教訓反映」→https://holylandtokyo.com/2022/05/12/3156/

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米空軍5世代機を日付変更線より西に配備を [Joint・統合参謀本部]

太平洋軍司令官がグアムを示唆しつつ米空軍に要請中
そういえばアラスカF-35とハワイF-22だけ
岩国に海兵隊F-35があり、F-35艦載空母の出入りはあるが

F-22 F-35.jpg6月24日、Aquilino太平洋軍司令官が講演し、米空軍の第5世代機が日付変更線より西側に配備されていない現状に言及しつつ、配備を要請しているとグアム島を示唆しつつ語りました。

アジア太平洋軍担当エリアに配備されている第5世代機(F-22及びF-35)は、ハワイとアラスカ(Elmendorf–Richardson)に配備されている米空軍F-22と、アラスカ(Eielson)配備の米空軍F-35、更に岩国基地配備の米海兵隊F-35がありますが、米空軍の第5世代機は日付変更線(ハワイとグアムの中間)より西側に配備されていません

Aquilino FDD5.jpgまんぐーすは、中国やロシア近傍に米軍第5世代機を配備することで、電波情報収集などの「餌食」になることを米軍として避けているのか・・・とも考えていましたが、米海兵隊があっさりF-35Bを岩国に配備したことから、米空軍はどうするのかなぁ・・・とぼんやり考えておりました

米空軍に配備要請している第5世代機についてAquilino司令官は、具体的機種や場所について言葉を選んで言及しなかったようですが、司会者との対談形式講演の別の部分でグアム島の戦略的重要性を強調し、同島を360度の脅威から防御するミサイル防衛体制整備の重要性を訴えていたことから、24日付米空軍協会web記事は、配備先はグアム島だろうとの推測をしています

FDDでのAquilino司令官発言の状況


24日付米空軍協会web記事によれば同司令官は
●(5世代機の日付変更線より西側への配備の必要性についての質問に対し、)そのような能力強化については・・・・確かに望ましいことである。強固に防御された空域での作戦において必要な能力である。それがF-22であってもF-35であっても、抑止力強化のために極めて重要なことである
Aquilino FDD2.jpg●より前線に、恒久的な、突破力のある戦力の配備を要請しているところである。そしてその戦力が、地域派遣戦力として活動でき、情勢に応じて必要な場所に展開することをお願いしている。(Wilsbach太平洋空軍司令官は)素晴らしい対応をしてくれている

以上の発言では、具体的な5世代機の配備先について言及を避けていますが、講演全体ではグアム島の重要性と能力強化について強調し、記事はグアムへの配備が念頭にあると推察しています。同司令官は講演の別箇所で・・・

Western Pacific.jpg●グアムは戦力的に見て絶対に重要な要衝である。我々はグアムを拠点に作戦を遂行する必要があり、同時にグアムを防御する必要もある。グアムは多様な戦力の供給拠点であり、有事の作戦支援拠点としても重要な役割を担っている
●中国のロケット軍は継続的にその能力や射程を向上させており、グアムは360度から脅威を受けている。これらのドメインで攻撃を受けることを予期すべきである。

●我々がそれら脅威に対処しつつ作戦遂行する能力を確保することは極めて重要で、グアムの防御とグアムからの戦力投射能力を緊急に強化することは、私にとって極めて重要な任務である
●2023年度予算でペンタゴンは、一連の防御システム整備を提案しており、脅威が弾道や巡航ミサイルであっても、最終段階で回避機動するものであっても、それら脅威に対応できるものである必要がある
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F-22 F-35 2.jpg米空軍が初期型F-22の早期退役を2023年度予算で要望し、米議会調整が難航しているところですから、維持整備が大変で稼働率が低いF-22のグアム島などへの配備は今更考えにくいとすると、F-35をどこに配備するかです。

部隊編成をして配備を宣言しつつ、実質はローテーションを繰り返す「なんちゃって配備」の可能性もありますが、対中国有事の緒戦で作戦機能を喪失する可能性が高いグアムや日本の米軍基地に、5世代機を配備したくないと考えるのはべ軍事的合理性の観点から米空軍として当然のことであり、政治的レベルの判断としてやむなく従うことになるのでしょう。

Aquilino FDD3.jpg今現在、嘉手納や三沢に配備されている米空軍F-15やF-16が、対中国情勢緊迫時にそのまま「座して死を待つ」覚悟で留まるとはまんぐーすは思いません。しかしAquilino司令官の発言は重く、今後の展開に注目いたしましょう

在日米軍は有事にどうするのか?
「嘉手納で統合の航空機避難訓練」→https://holylandtokyo.com/2020/01/24/873/
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「岩田元陸幕長:在日米軍はグアムまで後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09 

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

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生みの親・太平洋空軍司令官がACE構想の現状を語る [米空軍]

自身がアラスカ基地司令官だった5年前に発想
マリアナ諸島、ハワイ周辺、日本と韓国でも
専門家は地域国全体への拡大が不可欠と

ACE3.JPG6月17日付米空軍協会webは、太平洋空軍司令官Kenneth Wilsbach空軍大将へのインタビュー記事を掲載し、同司令官がアラスカ基地司令官時代の2017年頃に発想してパワポスライドにまとめたACE(agile combat employment)が、米空軍全体に普及しつつある状況を感慨深く語り、太平洋空軍の配下部隊や同盟国日本や韓国にも少しづつ浸透し始めている様子と課題に触れています

ACE構想は、敵からの弾道・巡航ミサイル攻撃等で我の大規模作戦根拠飛行場が被害を受けることを想定し、戦力を施設不十分な地域内の基地に分散して柔軟に強靭に戦いを継続する考え方で、分散運用先の辺鄙な基地で、少人数で作戦機の再発進準備や燃料&弾薬の補給を行う体制が必要で、燃料弾薬の輸送や事前集積、必要な人員機材の輸送、少人数で対処するための多能力兵士育成、分散運用状態の迅速な把握と指揮統制などが求められる戦い方です

Wilsbach5.jpg具体的には、グアム島周辺であれば、アンダーセンを離陸した作戦機が施設不十分なテニアン島の飛行場に展開し、緊急空輸や事前集積された再発進用の燃料や弾薬を補給し、パイロット自身も給油や作業を手伝って再び離陸する訓練が行われています。地上要員として派遣される兵士は、本来の職種以外の任務も兼務し、複数の役割を果たすことが求められま

現状としてACE構想は、欧州米空軍が一応ながら初期運用態勢IOC確立を宣言していますが、太平洋空軍はまだの状態で、グアム島のアンダーセン基地を中心としたテニアン島やサイパン島を含む北マリアナ諸島で訓練検証が進められ、最近の「Valiant Shield」演習ではパラウに第5世代機を展開させる実績を積み上げているようです

ACE.JPGまたWilsbach司令官によれば、ハワイのヒッカム基地を中心に、周辺のハワイ諸島の島の飛行場や海兵隊航空基地に展開する訓練をF-22などを用いて行っているようです。

更に地域の同盟国にも範囲を広げ、日本の嘉手納・横田・三沢基地でも訓練やACE構想を意識した運用が日常ベースで導入されつつあり、航空自衛隊の部隊も同様の取り組みに着手していると同司令官はインタビューで語っています。また在韓米空軍については、北朝鮮問題もあり着手したばかりだが、オーサン基地を中心に周辺基地での再発進準備訓練を行っていると同司令官は説明しています

ただし、専門家からするとまだまだ不十分で、空軍協会ミッチェル研究所のDeptula所長は、「グアム周辺の北マリアナ諸島以外はどうするんだ? 中国のターゲティングを困難にするためには、より多くの西太平洋地域に分散拠点を確保する必要があるはずだ」と率直に指摘しています

Cooper 2.jpgまたAEIのZack Cooper研究員は、例えばフィリピン新大統領の安全保障面での米国との協力姿勢は不明確であり、他の東南アジア諸国との協力関係も現状では限定的で、中国は積極的にこれら国々への浸透を図っており、今後の米軍との連携強化は予断を許さない状況だと警戒しています

このように、決してACE構想の進展は満足できる状況ではありませんが、Wilsbach司令官はそれでも、5年前にはパワポ資料の構想だったACEが世界の米空軍の標準的考え方となり、アジア太平洋地域では全ての航空部隊がレベルの差はあるがACEの基礎を構築し、兵士の教育訓練も着実に進みつつあると評価しています
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ACE2.JPGACE構想の課題は以下の米空軍若手幹部の分析にあるように、空輸能力、兵士の多能化の限界、分散運用基地の確保、必要装備や燃料弾薬の事前集積準備予算などなど複雑多岐にわたっており、ACE生みの親Wilsbach大将の思惑通りに進めることは容易ではありません

「米空軍若手がACEの課題を語る」→https://holylandtokyo.com/2020/11/27/397/

Wilsbach司令官も、ハワイの島々にヒッカム基地から分散運用するだけでも、戦力の状況把握や維持整備の手配が大変で指揮統制が課題だと認めています。ただ、この方向は完全でなくても進めるべき方向であり、航空自衛隊は対中国最前線の航空戦力部隊として積極的に取り組んでいただきたいと思います

Wilsbach7.jpg同じインタビューでWilsbach司令官は、中露爆撃機による日本周辺の編隊飛行など脅威ではなく、「今のタイミングでロシアを支援する姿勢を見せることは、中国の国際社会での立場を悪くするだけの悪手だ」と語っています。
別記事ですのでご興味のある方はこちらを 

PACAF司令官はペンタゴン勤務がない異例の大将
日本ハワイ中東アラスカ韓国のみ勤務
「今すぐE-7ほしい発言」→https://holylandtokyo.com/2021/03/01/150/
「F-35はF-35らしく:F-22の失敗に学べ」→https://holylandtokyo.com/2020/11/05/379/
「Wilsbach太平洋空軍司令官の紹介」→https://holylandtokyo.com/2020/05/18/674/

米空軍の将来作戦コンセプトACE関連記事
「米空軍がACEドクトリン発表」→https://holylandtokyo.com/2021/12/17/2532/
「欧州米空軍がACE構想の確認演習」→https://holylandtokyo.com/2021/10/27/2317/
「F-22が岩国展開訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-13
「電動ヘリeVTOLで構想推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-02
「F-15EにJDAM輸送任務を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-04
「GuamでF-35とF-16が不整地離着陸」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-28
「米空軍若手がACEの課題を語る」→https://holylandtokyo.com/2020/11/27/397/
「中東派遣F-35部隊も」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「三沢で訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-21
「太平洋空軍がACEに動く」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-12
「太平洋空軍司令官がACEを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-12-10-1
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「F-22でACEを訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-03-08

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ウクライナ侵略は衛星通信へのサイバー攻撃で始まっていた [サイバーと宇宙]

昨年11月の露の衛星破壊実験と共に「侵略の兆候」だったと
仏軍宇宙軍司令官が欧州の事前予想を証明したと

Viasat2.jpg6月15日、フランス軍宇宙コマンド司令官Michel Friedling少将がパリ郊外の軍事見本市で講演し、ロシアのウクライナ侵略は「地上軍の侵攻に先立って、サイバーや宇宙ドメインで開始された」と語り、「長く欧州軍首脳が想定してきたことが現実になった。大きな教訓だ」と表現しました

Friedling.jpg具体的にFriedling少将は、「ロシア地上部隊の進軍に先立つ2月24日、民間衛星通信会社Viasatに対してサイバー攻撃が大規模に行われたが、これは極めて興味深い大きな出来事だった」と述べ、米国加州に拠点を置く高速大容量衛星通信サービスを軍民両方に提供していた「Viasat」への大規模攻撃は、ウクライナの国家指揮統制をロシア侵攻を前に混乱させることを意図したものだった語りました

また、侵攻に先立つ数か月前の2021年11月15日、ロシア衛星「Cosmos 1408」を標的としてロシアが強行した地上発射型兵器による衛星破壊実験は、1500以上の宇宙ゴミを生み出し、ロシアも関与する国際宇宙ステーションにまで防御態勢を強いることになったが、

Viasat.jpg「ロシアが米国宇宙アセットを拒否する準備を完了していることを示す狙いがあったものと考えている」、「宇宙デブリにより、ロシア自身の宇宙アセット使用が妨げられても、必要なら衛星攻撃を実施する覚悟を示したと考えている」との評価をFriedling仏少将は披露した

更に同少将は、「Viasat」だけでなく、ロシア軍の装備や活動状況を衛星写真で提供してきた民間企業「Maxar Technologies」や、衛星インターネットをウクライナに提供してロシアの電子妨害からも守った企業「SpaceX」も、日々のウクライナ情勢に密接に絡むようになっており、敵にとってその役割はますます複雑曖昧に(blurry)なってきていると表現し、そして「これは将来への問いかけである」と話を結んでいます
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Friedling2.jpg「Viasat」への地上侵攻直前の大規模サイバー攻撃ついては、米英高官も5月中旬に明らかにしていたようですが、ロシアの脅威をより身近に感じる欧州大陸の大国軍人によって語られることに意味アリとしてご紹介いたしました

民間企業の国家間の軍事作戦に重要な役割を果たす・・・・。もちろん歴史上の戦いでも、民間企業が輸送や兵站支援を担ったこともあるでしょうし、兵器製造は民間企業が担っているのでしょうが、最前線の戦いに直結する情報や通信の中核を担うとなると事情は違ってきそうです

何をどこまで期待してよいのか、情報保全や平時の関係は如何にあるべきか・・・など、仏将軍ならずとも、経験のない課題に直面しそうです

関連の記事
「ロシアの電子戦に迅速対処したSpaceXに学べ」→https://holylandtokyo.com/2022/04/22/3173/
「ウクライナ侵略最初の一撃は宇宙で!?」→https://holylandtokyo.com/2022/02/18/2732/
「露の衛星兵器試験で国際宇宙S危険に」→https://holylandtokyo.com/2021/11/17/2435/

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米陸軍はStryker装輪装甲車にAPSを導入するか? [Joint・統合参謀本部]

2014年の露によるクリミア併合に続き議論再び
対戦車砲や対戦車ミサイルから装甲車を守る防御兵器

APS.jpg6月2日、米陸軍の装甲車両(戦車・兵員装甲車)の防御システム関連イベントで米陸軍の担当大佐が、ウクライナ侵攻事案を受け欧州米陸軍からStryker装輪装甲車用のAPS(Active Protection Systems)装備についての問い合わせが来ており、脅威や最新装備について情報収集や分析を行っていると述べつつも、緊急限定導入は不可能ではないが様々な運用制限が必要で、本格導入にはより詳細で高度な評価分析が必要だと慎重姿勢を示しています

APS(Active Protection Systems)は、装甲車両(戦車・兵員装甲車)を対戦車砲や対戦車ミサイル攻撃から防御する装備で、高速で接近する砲弾やミサイルをミリ波等のセンサーで探知し、装甲車両から迎撃体を射出して装甲車両を防御する装備で、以下のYouTube映像でご紹介するように露米イスラエルなど複数の国や企業が実用化しています

市場にある各国のHard-Kill APS解説動画5分半
アブラハム戦車搭載のイスラエル製Trophy APS systemを含む


米陸軍は2014年のロシアのクリミア半島併合受け、2016年から19年にかけ、M1 Abrams 戦車とBradley歩兵戦闘車両とStryker装輪装甲車に対するAPS(Active Protection Systems)導入を検討しましたが、結局M1 Abrams戦車にイスラエル製Trophyを導入決定しただけで、他の候補装備を含め検討した結果、Bradley歩兵戦闘車両とStryker装輪装甲車には装備化しないことを2019年に決定しています

APS4.jpg当時Stryker装輪装甲車用で検討対象となったのは米国のArtis Corporation社製「Iron Curtain」で、最近はRheinmetall’社製のActive Defense System やM1戦車に装備化されたイスラエルRafael社製Trophy VPSも検討したようですが、どれも装甲車両のすぐそばで迎撃する装備であり、装甲車両周辺を移動する兵士や車両自体へのダメージが大きな懸念材料の一つとなり採用には至っていないと担当大佐が説明しています

その他にも、対処余裕時間がないため全自動で運用することになるAPSの車両による操作システムの成熟度や、APSが攻撃兵器を探知するために発するミリ波などが敵に察知される恐れ、鳥などの誤目標へのAPS作動等も指摘されており、最近米陸軍はレーザーによる飛来脅威探知センサー開発を目指し、ロッキード社と2021年2月に契約を結び、上記3車両等への搭載を構想しているようです

Jane’s社作成のAPS解説動画4分半(語り解説)


いずれにしても米陸軍の現在のAPSに対する基本スタンスは、上で述べた「装甲車両周辺を移動する兵士や車両自体へのダメージ」等々の課題が完全に解決されなくとも、前線からのニーズが強ければ、何らかの運用制限をかけたり、関連の対策を行って限定的に部隊配備することは可能であるが、全車両に標準装備する決定を下すためには、より詳細な評価や様々な場面を想定した試験が必要だ、とSBCT(ストライカー戦闘旅団チーム)担当のWilliam Venable大佐は講演で説明したようです

また米陸軍として、2022年には20億円程度の予算を確保していたが、2023年度予算案にAPS評価やテスト用の予算は含まれていないとのことです
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APS6.jpg重箱の隅をつつくような話題でしたが、高度で安価な攻撃用兵器が拡散する世界において、信頼に足る防御装備を開発することは難しいこと、そして、様々な限界を抱える一般的に高価な防御装備を搭載する防備は絞り込まざるを得ず、無人機を含む多様なセンサー情報を融合し、先手を打って敵を撃破し、攻撃を受けないような作戦運用を目指す方向にあると無理やり理解してかまわないのでは・・・とも考えております

ウクライナ侵略関連で話題の兵器
「大活躍スティンガー携帯防空ミサイルの後継選定」→https://holylandtokyo.com/2022/04/14/3123/
「欧州諸国からウクライナへの武器提供」→https://holylandtokyo.com/2022/03/02/2772/

ウクライナの教訓関連
「米陸軍首脳が証言」→https://holylandtokyo.com/2022/06/01/3245/
「陸軍訓練センターに教訓反映」→https://holylandtokyo.com/2022/05/12/3156/
「ウクライナ侵略は日本への警告」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-25
「露空軍に対する米空軍幹部や専門家の見方」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-16
「中国への影響は?CIAやDIAが」→https://holylandtokyo.com/2022/03/14/2826/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

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