SSブログ
前の10件 | -

正直者は馬鹿を見る?:米軍が引き続きメキシコ国境警備 [ふと考えること]

国家安全保障省の任務を支援して19年
今や当たり前にみられてバイデン政権後も継続投入

Mexico border2.jpg2月25日付Military.com記事は、本来は20年前に誕生した国土安全保障省の任務でありながら、断続的に米軍が19年に渡り支援し、現在も3600名がメキシコ国境警備に展開している状況について国土安全保障省が今後も最低5年は継続支援を要請し、国防省側が恒常的な支援状態は好ましくないとの姿勢だと報じています

本件は、トランプ大統領が2019年2月に国家緊急事態宣言して国防省予算や米軍兵士を国境の壁予算や建設に投入して物議をかもしましたが、バイデン政権誕生後はこの宣言を引っ込めており、本来なら米軍派遣は根拠レスとも言えますが、引き続きメキシコ国境に不法移民が押し寄せる現状から、米軍の派遣は常態化しています

Mexico border.jpgこの状態に対し、米議会が会計検査院GAOに調査するように命じ、調査を踏まえてGAOが提言を行い、国防省には派遣要請を受ける判断基準の明確化、国境派遣のコストや部隊即応態勢への影響をきちんと評価して報告するよう要望し、国防省と国土安全保障省の双方に、両者でよく協議して恒常的な支援形態をまとめるよう提言したようです

これに対し国防省は、派遣判断基準やコストや部隊への影響報告には同意しましたが、恒常的な派遣に関する協議については拒否し、可能な範囲で国防省側の判断で派遣するとの姿勢を示しているようです

GAOはこのような国防省の姿勢に対し、実質的に大した問題もなく継続的に派遣し、コスト負担についても柔軟に対応してきた経緯があるにもかかわらず、今になって消極的な姿勢を見せるのはおかしいと指摘しているようです

国土安全保障省DHSが20年前に誕生した経緯を把握していませんが、DHSが自らの任務を自分の力で果たす能力を20年経過しても持ちえず、実質的に将来も変わりそうもないことが明らかな中、米軍頼みのゆがんだ体制はバイデン政権になっても変わりようがないのでしょう・・・

2月25日付Military.com記事によれば
Mexico border3.jpg国土安全保障省(DHS:Department of Homeland Security)が「南部国境管理:継続的な国防省支援の必要性と、対処すべきコストや即応態勢の課題」とのレポートをまとめ、今後少なくとも3-5年間、恐らくそれ以上、少なくとも現状数(3600名)以上の米軍派遣継続が必要だと訴えている
一方で国防省は調査を行ったGAOに対し、「国土安全保障省が独自に国境管理を遂行するまで期間に限り、一時的な支援を行う方向が望ましい」との姿勢を示している

現在の米軍派遣はトランプ大統領の要請で2018年4月から始まっているが、国境での不法入国の罪で拘束される人数が、40万から85万に急増したことが派遣要請の背景にある
Mexico border5.jpgなお前出のDHSレポートは、2018年4月から2020年9月までの米軍派遣コストを、約1100億円と推計している

国防省が長期的な派遣体制についてDHSと協議して固定するような方向を拒否する姿勢を見せていることに関し、GAOは、実際に国防省側が積極的に支援している現実との相違が理解できないと批判的にコメントしている
//////////////////////////////////////////////

この流れを見て思います。

Mexico border6.jpgわが国で自衛隊があらゆる場面に「便利屋」として担ぎ出され、地震や豪雨災害派遣ならいざ知らず、豪雪にもかかわらず高速道路に突っ込んだ車両への支援、鳥インフルや豚インフル関連の動物処分、更にはさっぽろ雪まつりの雪像作成まで、何でもかんでも拡大解釈で投入され、いつの間にか「当然視」され、「正直者が馬鹿を見る」ような状態におちいっているのではないかと・・・

いつまでも便利屋扱いしていると、だれも志願しなくなりますよ・・・・。あなたの子供をその職につけたいですか???

「米陸軍正規兵に国境の壁ペンキ塗り任務で非難殺到」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-07

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

KC-46空中給油機を一部の任務に投入開始 [米空軍]

KC-10やKC-135の負担軽減のため
軽易な国内任務や海外展開支援など
ステルス機への給油は不許可

Ovost6.jpg24日、Jacqueline Van Ovost米空軍輸送コマンド司令官が、空中給油操作システム不具合対策が2023年までかかるKC-46空中給油機に一部任務の遂行を可能とし、負担のかかっている老朽給油機(KC-10やKC-135)の負担軽減を図ると明らかにしました

これに先立つ22日と23日に、Brown空軍参謀総長や米議員代表団を同機に搭乗させ、一部の任務に投入可能な段階にあると確認の場を設けたようです。

現在既に44機が米空軍に納入され、今後も毎月2機ペースで納入されるKC-46Aが実施可能になった「一部の任務」とは「軽い:coronet」任務で、国内の演習訓練や国外へ機動展開する航空機への空中給油で、ステルス機であるB-2,F-22,F-35は対象外だそうです

KC-46A3.jpg給油boomを操作する際に操作員が見るBVS(remote vision system)の画像がゆがんだり、太陽の位置によって見難かったりで、ステルス機の表面コーティングを傷つけた「黒歴史」があるからで、当面給油対象機はF-15やF-16やFA-18などだそうです

それでも、老朽給油機(KC-10やKC-135)の負担軽減は待ったなしの様で、2023年まで時間が必要なRVSのハード改修までの間、KC-46操作員の操作練度が向上するにつれ、関係者の信頼感が高まるにつれ、少しずつ任務範囲を拡大するようです

24日付米空軍協会web記事によれば
24日、Van Ovost米空軍輸送コマンド司令官は記者団に、KC-46Aは米輸送コマンドからの命令に従い、一部の可能な空中給油任務を遂行し、同機の運用態勢確立の遅れに伴い老朽給油機(KC-10やKC-135)にのしかかっている大きな負担を軽減したいと語った
KC-46 Boom3.jpg同司令官は「我々は今後、KC-46空中給油機に、過去数年間に渡り運用試験等で行ってきたと同レベルの任務を実施させることとした。例えば、国内演習でのF-16への給油や、海外へ移動するFA-18やB-52への給油を行えることにすることにより、KC-10やKC-135に余裕時間を与える」と語った

米空軍でKC-46担当のRyan Samuelson准将はこの決定の背景について、まず、米空軍とボーイング社の間でBVS(remote vision system)改修方向に合意でき2023年から部隊提供が可能になったこと、更に米空軍の搭乗員が同機の操作に完熟してきた点を挙げた
KC-46 Boom4.jpg24日の発表に先立ち、空軍参謀総長と米議員団が22-23日に同機に搭乗して任務飛行開始準備状況を確認したが、この件についてVan Ovost司令官は「KC-46と搭乗員の能力を確認いただいたが、同時にRVSの課題についても認識いただけた」と説明した

Samuelson准将は今後のKC-46の任務について、これまではKC-46部隊が運用試験の他に適当な給油チャンスがないか探していたが、今後は米輸送コマンドがKC-46に可能な任務を割り当てることとなると語り、具体的に44機保有で毎月2機増加していく機体の何機を提供可能になるか等の具体的計画をまとめて報告すると説明した
また、米輸送コマンドが計画しやすいように継続的に任務遂行可能な態勢を作り上げると語り、部隊能力の進展に応じ、給油対象機種を拡大する可能性もあるとの「conditions-based approach」をとるとも説明した
//////////////////////////////////////////////////////////

KC-46A1.jpgどのくらいKC-46A型機のBVSが見づらいのかは、同型機を保有する航空自衛隊の方々にお尋ねください。既に器用に使いこなしているかも・・・です

米空軍も、ボーイングに対して振り上げたこぶしの降ろしどころを探っているのかもしれません。ボーイングは、既に契約金額の2倍の金額を開発に自腹投入することになっているようですから

KC-46関連の記事
「恒久対策は2023-24年から」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-30
「今度は燃料漏れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-31-1
「やっぱりだめで更に1年遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「重大不具合について3月に手打ち!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-21
「空軍トップが新CEOに改善要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
「ついに空中給油の民間委託検討」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-15
「貨物ロックに新たな重大不具合」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-12
「海外売り込みに必死なボーイング」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-22-1
「米空軍2度目の受領拒否」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-1
「機体受領再開も不信感・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「米空軍がKC-46受け入れ中断」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-3
「不具合付きの初号機受領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-2
「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1  

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

やっぱり危ういPACAF司令官:E-7ほしい発言 [米空軍]

翌日には空軍参謀総長が時期尚早と即否定
米軍内の不協和音が聞こえてきます・・・残念

Wilsbach3.jpg2月24日、Kenneth Wilsbach太平洋空軍司令官が記者団に、現有のE-3早期警戒管制機は老朽化が進んで稼働率が低下していることから、豪州やトルコや韓国が運用しているE-7早期警戒管制機を後継機として早期に導入したいと突然訴えましたが、翌日Brown空軍参謀総長が「E-7だと決めつけるのは早計だ」ときっぱり否定しました

Wilsbach太平洋空軍司令官はペンタゴン勤務経験がないままに、つまり「DC」の力学を知らずに「大将」になった人物で、Brown大将の後任として昨年夏から太平洋空軍司令官に就任していますが、就任当初から「中国に備えておけば、ロシアや北朝鮮やイラン等への対処は可能」とか、「米空軍はF-22導入から約5年間、その能力を十分使いこなせなかった」とか、その立場からすると「本音すぎる」発言で「危うさ」を感じさせる人物でした

Brown4.jpg今回の「E-7をすぐに欲しい」発言も、E-3の現状からすれば、また対中国航空作戦司令官としての立場からすれば、米空軍内の会議ならあり得る意見提示でしょうが、米空軍が公式には2035年まで使用予定との立場をとっている中、いきなり記者団の前で「E-7」と決めつけて訴えるのは異常であり、黒人として初の空軍トップになったBrown参謀総長へ、露骨に反旗を翻したとも受け取られています

Brown参謀総長は最近、地域コマンド等の反対を覚悟のうえで、新型の「5世代機マイナス」を開発製造するとぶち上げ、「今変えなければ勝てない」との信念で改革の道まっしぐらですが、早くも身近な中国最前戦の部隊指揮官からジャブを繰り出された形になりまし

E-7.jpg話題のE-7 Wedgetail早期警戒管制機は、B-737旅客機をベースに豪州空軍用に開発され、2009年から納入されていますが、その後トルコや韓国も採用し、更に英国も5機発注して2023年から受領予定となっている機体で、2018年にBrown大将も太平洋空軍司令官時代に体験搭乗しています

一方で米空軍が現在31機保有するE-3は、B-707旅客機をベースに1971年から84年の間に製造された機体ですが、米会計検査院GAOは2020年報告書で、「必要な部品調達などの維持整備の難しさから、2011年から19年の間、必要な稼働率を満たしていない」と評価しているところです

26日付Defense-News記事によれば
Wilsbach.jpg24日、Wilsbach太平洋空軍司令官は米空軍協会主催の「Aerospace Warfare Symposium」で記者団に、「現実は、E-3の最近の信頼性度合いから、早急に新たな代替を必要としている。E-3は離陸するのがどんどん困難になっている」、「最新のE-7を早急に導入すべき」と語った
そして更に、将来的には次期制空機NGADや同機搭載兵器の導入を推進すべきと述べ、航空優勢無くしては進歩した将来の敵とは対峙できないと訴えた

E-7 2.jpgしかし翌日の25日、同じ場で記者団と懇談したBrown空軍参謀総長は明確に、「どのような選択肢があるか見極めたい。E-7 Wedgetail早期警戒管制機のファンがいることは承知しているが、決定するのは時期尚早だ。もう少し時間をかけて検討する必要がある」と語った
またBrown大将は、自ら体験搭乗した経験があるE-7について「能力のある機体だ」と表現しつつ、「E-3の稼働率やその維持経費の状況から、対応する必要がある。しかし何をすべきかはまだ未定で、E-7は一つの選択肢だが、唯一の選択肢ではない」と語った
//////////////////////////////////////////////////

改めてWilsbach太平洋空軍司令官の次期制空機NGADを絡めた発言を眺めてみると、2月17日にBrown参謀総長が反対を覚悟のうえで表明した「戦闘機世代間構成の分析検討開始」や「5世代機マイナス」の新規開発への露骨な反発発言であることが伺えます

E-3 2.jpg米軍を取り巻く予算状況や、平時から有事までの幅広い任務を考えると、ハイ&ローミックスの戦力構成を追求せざるを得ないことや、全ての要求に対応できないことを踏まえて改革を目指すBrown参謀総長と、狭い視野で現場の主張をメディアに訴える「立場をわきまえない大将」の印象がぬぐえません

こんな時だからこそ、ペンタゴンと前線部隊が一体感を持って前進して頂きたいのですが・・

「戦闘機世代機構成と5世代機マイナスの検討開始宣言」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-19

ペンタゴン勤務がない異例の大将
日本ハワイ中東アラスカ韓国のみの飛行5000時間の男
「F-35はF-35らしく使用せよ:F-22の失敗に学べ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-29
「Wilsbach太平洋空軍司令官の紹介」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-16

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

中国政府が東北3省で産児制限撤廃へ [ふと考えること]

中国は1979年から「一人っ子政策」
2015年に慌てて「2人まで認める」に政策転換、しかし・・・

出生率.jpg19日付読売新聞電子版(20日付朝刊にも)は、若い世代の流出などで少子化が深刻で、働き手不足が深刻になりつつある東北3省(遼寧、吉林、黒竜江)に対し、中国政府が産児制限の撤廃を検討する方針を示したと報じています

正確には、18日に「国家衛生健康委員会」が産児制限撤廃の方針を明らかにし、産児制限の撤廃が与える経済的影響などを分析するよう東北地方の政府に指示すると伝えられています

東北3省2.jpg今回は「東北3省」を対象とした指示となる模様ですが、少子化が全国的に深刻になっている中国では、これをケーススタディーとして、全国に産児制限撤廃の動きが広がる可能性があると読売新聞は報道しており、注目を集めています

中国は急激な人口増加に危機感を感じ、1979年から「一人っ子政策」を全土で推し進めましたが、急速な経済発展に合わせ少子化が進んだことから、2015年に全国で「2人まで認める」決定をしました。しかし少子化傾向に歯止めはかからず、むしろ加速しているようです

少子化.jpg記事は、2020年の新生児数は「前年比15%減」の1003万人で、政府系調査研究機関の中国社会科学院は2019年に、中国の人口は2029年の14億4200万人をピークに減少に転じるとの予測を紹介し、少子化の背景には、不動産や教育費の高騰、子育て環境整備の遅れなど、政治から経済にまたがる構造的な要因があると解説しています

もちろん日本の少子化も深刻で、他国の心配などしていられる場合でないのですが、以下、記事に寄せられたコメントから、中国を一つのケースとして、人間の本質を見つめたいと思います

中島恵(フリージャーナリスト)
記事にあるように、不動産(新居購入)や教育費に、あまりにもお金がかかりすぎるという問題が大きいが、他にライフスタイルの変化、結婚率の低下など、政府がコントロールしにくい構造的な問題がある
皮肉なことに、それが顕著になってきたのは、一人っ子政策が撤廃された2015年頃からです。産児制限を撤廃して済むという問題ではありません。たとえ補助金などを出しても、子どもは増えていかないだろうと思う

中国の駐在員
中国ではとにかく子供に金がかかる。都市部だけかもしれないが、子供が結婚したら男の親はマンションを、女の親は車を買い与えないといけないとか
物価も、物によっては日本と同じかそれ以上の体感だけど、給料は日本より安い。そりゃあ子供を何人も育てられないよね

投稿者
中国の結婚難民の男性(一人っ子政策で男子人口が女性より多い)が女性を狡猾(こうかつ)なものに変えてしまった
幸せの形がお金無しでは話にならない、貧富の格差は夫婦の人生まで変えてしまう。子供をたくさん産んで幸せだった時代は、例え中国であっても過去のものになっています
///////////////////////////////////////////////

東北3省.jpg「東北3省」の経済的沈滞は深刻で、世帯の半数が貧困層・破産状態・・・との見方もあるようで、社会経済的に大きな問題を抱えているようですが、この地域が「アリの一穴」となって、中国全土で産児制限撤廃へ・・との見方は広くあるようです

この記事のコメント欄には他に、「日本は北欧のどこかのように、3人目から月に10万とか手当を出せばいい」とのありがちなコメントもありますが、現在社会は人間から、生き物としての基本機能である「子孫を増やす」との機能を失わせるインパクトを持っているようです

日本では、平成に入ったころからそんな時代に入ったのかもしれません・・・

記事カテゴリー「ふと考えること」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/archive/c2300583621-1

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

レアメタル中国依存脱却に米国企業への投資強化 [安全保障全般]

Lynas USA2.jpg1日、米国防省が米国内でレアアース(希土類:rare earth)の採掘精製に従事する企業との約30億円の契約発表を行い、レアアースの中国依存を脱却する一歩だとアピールしました。

レアアースに関しては、昨年9月30日に当時のトランプ大統領がレアアース確保に関する大統領令を発出しレアアースの世界市場を中国が牛耳っている危機的な状況に警鐘を鳴らし、米国政府を挙げて米国内採掘処理を活性化させて備蓄を増やすとともに、中国産の輸入を抑える関税などの措置検討に入ったところでした

rare earth3.jpg実際、米国はレアアースの約8割を中国から直接輸入しており、残りの部分にも第3国経由で中国産を輸入している鉱物が含まれているなど、米中対立が激化し緊張感が高まる中、中国側にアキレス腱をゆだねているような状態にあります

米国防省も重要な装備・兵器(ミサイル、弾薬、極超音速兵器、電子機器の放射線防護から携帯電話まで多様な装備)に不可欠なレアアース17種類を重要素材と指定し、Lord前調達担当次官が昨年10月に上院軍事委員会で、レアアース確保備蓄に向けた戦略作成や柔軟な予算運用が可能となるよう議会の協力を求めていたところでした

今回の30億円契約先は、中国企業以外で世界最大のレアアース採掘精製企業「Lynas Rare Earths Limited」の米国支社「Lynas USA」で、同社は米国防省からの資金でテキサス州に「light rare earth」の精製施設を建設するということです

1日付C4ISRnet記事によれば
Lynas USA.jpg●今回契約発表があった精製処理施設が完成すれば、Lynas社は世界のレアアースの1/4を採掘精製する規模となる見込みである
昨年4月にも国防省は、同社がテキサス州に建設する「heavy rare earth metals」処理施設に、他のベンチャー企業と共に資金を拠出しており、また昨年11月にはレアアース国内産出増加のために3件で計約13億円の契約を民間企業と結んでいるところ

rare earth2.jpg国防省は今回の契約に際し、「(トランプ大統領による)大統領令13817で指示された貴重で重要な鉱物資源確保に向け、米国防省が近年取り組んできた資源調達やサプライチェーン強化の一環である」と声明を出している
また専門家は「この契約の重要性は、米国防省が継続的に国家安全保障上重要なレアアース確保政策推進に取り組んでいることを示した点にある」、「レアアースはほとんどすべての国防装備品や兵器に不可欠な素材である」とコメントしている
////////////////////////////////////////////////////////

中国に8割依存とは厳しい現実です。また埋蔵量でも、中国が35%、旧ソ連圏で20%以上など、西側にとっては頭の痛い話です

rare earth.jpg日本の排他的経済水域内の海底に、多くの貴重な鉱物(レアアース?)が眠っていると耳にしたことがありますが、日本も貢献できそうならばぜひ投資を考えてはどうかと思います。詳しくないので素人アイディアですが・・・


レアアース関連記事
「レアアース確保に米国が大統領令:中国依存脱却へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-03
「中国がレアアース輸出規制へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-06

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

中国空軍がY-20U空中給油機を量産開始か? [中国要人・軍事]

2020年末、4機の機影が西安の飛行場で
中国軍の弱点だった空中給油に国産機量産か

Y-20U tanker.jpg18日付Defense-Newsは、昨年12月30日に撮影された西安飛機工業(集団)公司が所在する西安閻良飛行場の衛星写真を紹介し、2018年に初飛行が報じられたY-20U空中給油機が4機確認できると報じ、3機が量産機ではないかと推測しています

中国空軍にとって空中給油機は弱点・不足・ギャップ分野と呼ばれ、現在は1950年代設計のソ連製Tu-16の中国版H-6爆撃機を改良した給油量の少ないH-6U空中給油機20機余りと、ウクライナから2014年に輸入した3機のIl-78MP給油機(Il-76旅客機改良)を保有していますが、空中給油が確認されることはあまりありません

Y-20U tanker2.jpg中国空軍は2016年に就航したY-20輸送機を空中給油機に改良して問題解決を狙い、2018年にY-20U空中給油機の試験機初飛行が伝えられていました。今回撮影された4機のY-20Uの内、1機はこの開発試験機だとDefense-Newsは報じています

Y-20輸送機もY-20U空中給油機も、共に4基のロシア製D-30KP-2ターボファンエンジンを搭載しており、中国国産WS-20ターボファンエンジンへの切り替えを狙って開発が続いているようですが、WS-20の投入は早くても2024年以降だと言われています

推測が多い記事ですが、中国軍の着実な能力アップの一環ですので、ご紹介しておきます

YouTube上のY-20とY-20U紹介映像


18日付Defense-News記事によれば
2020年末に撮影され、Planet Labs社からDefense-Newsに提供された衛星写真は、両方の翼端下に空中給油用のポッドを装着した様子が「影」として確認できるY-20U空中給油機4機の存在をとらえている
Y-20U tanker3.jpg撮影された西安閻良(Xi’an-Yanliang)飛行場には、西安飛機工業(集団)公司(XAC:Xi’an Aircraft Company)の工場があり、4機の周辺には計16機のY-20輸送機が確認できる

ちなみに西安閻良(Xi’an-Yanliang)飛行場は試験飛行の拠点となっており、中国製航空機の飛行試験を行う組織が所在している
Y-20U空中給油機はhose and drogue方式の空中給油機で、撮影された4機の内、3機はグレーに塗装され、グレーの1機は試験開発用の1機と推測されている

中国軍にとって空中給油能力は弱点の一つと言われており、今後のY-20Uの製造状況や空中給油訓練の様子が注目されている
/////////////////////////////////////

Y-20U.jpg最近、中国空軍の大型爆撃機H-6の最新型が、極超音速兵器の搭載試験らしき飛行を行っている様子が確認されたり、グアム島の米空軍アンダーセン基地を攻撃する模擬映像が中国空軍により公開されたりと、中国の大型爆撃機が注目を集めています

そんな中国航空アセットの能力を、行動半径延伸や飛行時間増強で支えるのが空中給油機で、太平洋の島々や海面に分散して被害を免れようとする米海空軍戦力への大きな脅威です

じわじわとボディーブローのように効果を発揮し、西側の作戦計画の選択肢を狭める役割を果たす、中国空軍Y-20U空中給油機の今後に注目いたしましょう

中国空軍公開のアンダーセン米空軍基地攻撃デモ映像
「H-6Kのグアム島ミサイル攻撃模擬映像」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-23

中国の最新型大型爆撃機が極超音速兵器搭載試験か?
「中国空軍H-6Nが極超音速兵器試験?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-20

軍事ブロガーJSFさんの極超音速兵器「DF-17」解説
https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20191008-00145888/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米空軍が戦闘機世代構成と5世代マイナス機の検討開始 [米空軍]

国防省を巻き込んで「態勢見直し」との横串を狙う
5世代と次世代と「5世代マイナス」の混合編成を検討
地域コマンドや空軍内の反対を覚悟の上
「今変わらなければ勝てない」との危機感を前面に

Brown2.jpg17日、Brown米空軍参謀総長が記者団に、戦闘機の世代構成(force mix)を「数か月間:a months-long」で検討すると語り、5世代機と次世代機(NGAD)と「5世代機マイナスをイメージの新型機」のあるべき混合比率を見極めたいと語り、併せて「5世代機マイナス」の新型機が備えるべき要求性能を明らかにしたいと述べました

またこの米空軍司令部における検討には、国防省のCAPE(コスト見積評価局)のモデル分析やシミュレーション能力の力を借りたいと述べ、併せてオースチン国防長官が表明した「態勢見直し」との連携を少しでも図りたいとの希望も語っています

Fighter mix2.JPG15-20年後の将来脅威を念頭に、平時からグレーゾーン、そして有事のあらゆる場面を想定し、かつ限られた予算等を考慮した検討を想定しているようで、Brown参謀総長の強い信念である「今変わらなければ勝てない。今やらなければ変化を加速できない」との問題意識から、数年後を懸念する地域コマンド司令官や空軍戦闘機族からの大反対は承知の上と言い切ってまで検討を進め、分析結果を基に強く2023年度予算案から舵を切る決意の模様です

特に注目なのは「5世代機マイナス」との4世代機と5世代機の中間能力を備える新型機導入のアイディアで、1月に退任したRoper調達担当次官補が進めようとしていた「F-16導入案」を白紙にし、今回の検討で要求性能を見極め、「デジタル設計技術」を用いて早急に実現したいとの思いも語っています

もう一つの注目はF-35のエンジン問題で、Brown大将は明確に、エンジンが想定よりも早く損耗することからF-35の使用頻度を下げる必要があると語っており、これはこれで大問題になること間違いなしです。既に米空軍がF-35調達機数を、当初の1763機から1050機に削減する案を検討しているとの報道もありますし・・・

17日付米空軍協会web記事によれば
Brown nomination.jpg17日、Brown大将は記者団に、数か月間で「TacAir study:tactical aviation requirements study」を行い、近未来から将来の要求を踏まえたあるべき戦闘機の戦力構成(a force mix)を導き出したいと語った
また同検討には、検討の信頼性確保と国防長官室との意思疎通を図る意味で、国防省のCAPE(Cost Assessment and Program Evaluation)の協力を得たいとの希望を述べ、「態勢見直し」との連関性なく本検討を進めるのはあまりにもナイーブだとも語った

退任したRoper次官補が主張していたF-16導入案は採用しないと明確に述べ、1970年代設計のF-16では迅速なソフト更新に対応できないため、白紙的に新たな「fourth-and-a half/fifth-gen minus」機を導入し、上記検討の中で要求性能や必要機数も煮詰めたいと語った
Fighter mix3.jpg検討の結果に「誰もが同意するとは思わないが、議論の出発点にしたい」、「私の仕事は結果が持つリスクを合わせて見極めること」、「空軍司令部のスタッフには、事実やデータを持ってこい、感情や思いは求めていない」と語った

また、地域コマンドからの反対を予期し、「地域コマンドは私が米空軍参謀総長であることを知っており、戦力構成に関する意思決定する立場だと認識している」、「私の決定は人気のないものとなろう。私を嫌うものも出てくるだろう」、「だが、今意思決定をしなければ、変化を加速できない。私は私がベストだと思う方向に空軍を導きたい。申し訳ないが」とも表現した
更に、「地域コマンド司令官らは、2-3年先の将来を考えて議論するだろうが、私は地域コマンド司令官の5-6代後の時代、つまり15-20年後を見据えている。全ての任務に必要なだけの戦力を準備することはできない」とも表現した

(記者団からのF-35エンジン問題について問われ、問題の存在を認めつつ、)最新鋭機へのニーズが高いことから使用頻度が高くなり、F-35のエンジンが高頻度の使用で故障する率が高まっていると述べ、その問題も本検討の検討要素となると語った
Fighter mix.jpgこの問題対処に維持整備方式や整備施設の体制検討を中将大将レベルで行っていると述べ、シンプルにはF-35の使用頻度を下げることが対処法だ(simply be to use the F-35 less)とBrown大将は語った

「フェラーリで毎日通勤することはないだろう。フェラーリは日曜日に運転すればいいんだ。F-35はハイエンド環境の装備であり、ローエンド環境で常に使用する必要はない」と述べつつも、「この考え方にも異論があるだろう。反論も予期している」とBrown参謀総長は述べた
/////////////////////////////////////////

Brown大将の話しぶりは常に「直球」で、全く回り道をする気配がありません。就任直後に空軍内に配布した「Accelerate Change or Lose」との小冊子のタイトルの信念で、前進あるのみです

Brown4.jpg語弊があるかもしれませんが、「いつクビになっても構わない」と覚悟を決め、「あるべき姿に直進する」決意なのかもしれません

黒人との立場で、既に様々な声が周囲から聞こえてくるのでしょう。これまでの空軍生活の中で受けた差別への思いもあるのでしょう。信念に忠実に、ただ前進あるのみです・・・・。立派だと思います

「オースチン長官が態勢見直し開始」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-06

Brown空軍参謀総長の関連記事
「春完成の電子戦戦略を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-30
「戦闘機新調達方式などを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-24
「行動指針を小冊子で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-01
「米空軍は海兵隊と同じ方向を目指す」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-25
「人種問題を経験から語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-06-1

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

コロナ下でもUAEで巨大兵器見本市 [安全保障全般]

アブダビに1300企業が集結しアクチャルで
国交樹立のイスラエル企業含め5か国が初参加

IDEX NAVDEX.jpg2月21日から25日にかけ、UAEの首都アブダビで巨大兵器見本市(IDEX and NAVDEX)が実際に人や企業を集めて開催され、初参加5か国を含む世界各国から1300以上の企業が、自慢の武器兵器を展示アピールするようです

コロナ下で、実際に人や企業を集めて開催される本格的な兵器見本市は初めてで、体温感知センサーの入場口への配置はもちろん、滅菌の霧散布装置などハイテクコロナ設備を大挙投入し、出品企業関係者と見本市参加者は全員PCR検査「陽性」証明を提示する必要があるとの厳格な体制下ですが、バーチャルでない開催とはUAEの統制力を感じます

IDEX NAVDEX2.jpg15回目となるIDEX(International Defence Exhibition and Conference)と、NAVDEX (Naval Defence and Maritime Security Exhibition)の同時開催で、NAVDEXには複数の国から新型艦艇が参加展示される予定となっています

初参加の5か国は、UAEと歴史的な国交樹立を果たしたイスラエルの他、アゼルバイジャン、ポルトガル、ルクセンブルグ、北マケドニアで、特にイスラエルの初参加について、UAE国防省や参謀本部と連携して同イベントを開催運営する企業ADNEC幹部は、「如何にこのイベントが地域の平和維持を先頭に立ってけん引するものであるかを示す」、「中東地域の国防戦略の敷石となる重要イベントだ」とアピールしています

IDEX NAVDEX3.jpg今回の重要テーマは、サイバー、研究開発、サプライチェーン、人工知能、第4の産業革命などで「(コロナ拡散以降)世界で初めて、国防関係者や軍需産業関係者が一堂に会し、軍事情勢や新たな兵器技術について意見交換し、交渉する絶好の機会である」と同イベント関係者は説明しています

同イベント間のメディアイベントを取り仕切る関係企業によれば、5日間に40以上のビジネス発表、20以上の新製品の披露イベント、50以上の自立型・無人型車両、精密誘導兵器、海洋パトロール艇、電子戦機器、メンテナンス機材等々の新機能の紹介イベントが予定されているそうです

IDEXのwebサイトhttps://idexuae.ae/
NAVDEXのwebサイトhttps://www.navdex.ae/

Defense-NewsのIDEX特集ページ
https://www.defensenews.com/digital-show-dailies/idex/
////////////////////////////////////////////////////////////

この手の商売人の皆様の、いろんな意味での底力を見る思いがします

コロナ下で西側諸国が「瀕死」の状態にある中でも、無人機を使った作戦で戦史の一ページを飾る戦いが行われたり、サイバー戦分野でその脅威が現実化したりと、兵器武器世界は変化の歩調を緩めてはくれません。

参加者がどの程度になるか不明ですが、開催するからにはそれなりの「目算」があるのでしょう・・・

世界の軍事関係者に衝撃
「攻撃無人機でアゼルバイジャン圧勝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-21
「米国防省が小型無人機対処戦略を発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-10

最近のサイバー関連の記事
「ロシア発:驚愕の大規模サイバー攻撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-18
「フロリダ水道施設にハッカー:薬品投入量操作」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-10

無人機対処にレーザーや電磁波
「小型ドローン対策に最新技術情報収集」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-20-1
「米海兵隊の非公式マニュアル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-31
「ドローン対処を3-5種類に絞り込む」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-14
「米軍のエネルギー兵器が続々成熟中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-30-1

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

NATO国防相会合の雰囲気は変わるか? [オースチン国防長官]

オースチン国防長官初参加:17-18日
バイデン政権は前政権との違いがあるのか?

NATO ministerial3.jpg16日付Defense-Newsは、17日から18日にかけ開催されるNATO国防相会議(バーチャル)に関し、強硬に加盟諸国にGDP比2%国防費支出を要求し、目標達成に消極的だったドイツから駐留米軍を削減する姿勢まで示した(バイデン政権は削減凍結を表明)トランプ政権との違いを示せるのか・・・との視点で同会議の論点を、匿名の国防省高官の話から紹介しています

結論めいて申し上げると、「NATO諸国間の関係の再活性化」や「話し合いの雰囲気醸成」や「アプローチの変化」や「同盟国との協力」とのバイデン政権の姿勢を強調しつつも、「負担の共有」を求める姿勢に変化はないが、国防費のGDP2%枠だけでなく、兵力派遣での貢献も評価する考え方も議論の対象になるかも・・・といった雰囲気です

そのほか、サイバー対処問題、イラクやアフガニスタンへの派遣兵力の増減問題などが焦点になるだろうとの見方ですが、Aaron Mehta副編集長の記事ですのでご紹介しておきます。18日には日本でも少しは報道されると思いますが・・・

16日付Defense-News記事によれば
NATO.jpg15日、17日から開催されるオースチン長官初参加のNATO国防相会議について、2名の国防省高官は別々に、「米国と他加盟国との関係再活性化」や「国防支出増加の要求は引っ込めない」との米国の姿勢を語った
一人の高官は、非常に攻撃的対立的だったトランプ政権とは異なる姿勢を示し、「アプローチの仕方を変える」、「ともに同盟国等と取り組んでいきたい」とのトーンを打ち出していくと述べた

また、「相談する:consulting」ことに焦点を当てると表現し、前政権がドイツ駐留米軍削減を関係国との調整なしに打ち出したようなやり方とは、異なるアプローチをとるとの姿勢を強調した
しかし、凍結されたドイツ駐留米軍の削減とポーランドへの一部移動計画について高官の一人は、「欧州での米軍の態勢は当地の安全保障にとって重要であり、撤退と見られるようなことは考えていない」と述べるに留まった

NATO ministerial4.jpgただ、オースチン長官が異なる姿勢でバーチャル会議に臨むとしても、NATO加盟国に国防支出増加を要求する基本姿勢に変化はないと述べ、「加盟国に対し、既に決定した事項にコミットしていく事を確認したいし、その方向に向かっていることを評価したい。ただ課題があることも承知している」と高官の一人は表現している
同会議を前にした15日にJens Stoltenberg事務総長は、「負担の共有については、2%枠だけでなく、貢献や能力(contributions and capabilities)の話でもある」と表現し、9か国のみが2%枠を満たしている現状と、他の形での貢献も評価すべきとの考えを示唆した

これに対し国防省高官は、「事務総長の述べた3つのC(cash, contributions and capabilities)の考え方はわかるが、最終的にはお金が全てに深くリンクしていることも忘れるべきではない」、「今投資できなければ、将来のあるべき態勢を確立できない」と釘を刺した

NATO ministerial2.jpg上記のような論点の他に、NATO加盟国間にはイラクとアフガンへの派兵問題がある。トランプ政権は派遣兵力を2500名まで削減する決定をしたが、NATO加盟国はバイデン政権がこれを再び増加させることがないかを注視している
これに関し高官の一人は、「政権全体で取り組む米軍の態勢見直しに取り掛かっており、その中で議論される。米国とNATO加盟国は共に戦い、去るときは同じだ」と語った

もう一つの論点は、特別なセッションが設けられている「新たな破壊的な兵器技術」関連で、特に最近米国を揺るがしている「SolarWinds」ソフトを経由した大規模政府系機関ハッキングが問題になっているサイバー関連問題だろう。この問題議論のため、NATO正式加盟国でないスウェーデンやフィンランドの代表者も呼んで議論することになっている
//////////////////////////////////////////////////

Austin8.jpgバイデン政権になっても、むしろバイデン政権だから、日本にも「負担の共有」要求は「真綿で首を締める様に」強まると考えるべきでしょう。民主党政権ですから・・・

日本の米軍への「思いやり予算」が、とりあえず1年そのままで、それ以後について継続協議となりましたが、タフな交渉が待ち構えていると考えるべきでしょう

でも先日の記事の繰り返しになりますが、最終的には、日本はどうするのか? 覚悟はあるのか?・・・に行きつきますので、きちんと正面から情勢を見つめることが必要なのでしょう

アーミテージ氏が最近投げかけた、「日本は、中国に対してタフになる心構えは出来ているのか?」との問いに、答えることができるのか・・・です

バイデン政権の国防姿勢関連
「オースチン長官が米軍態勢見直し指示」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-06
「国防副長官が所信を述べる」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-03
「バイデン政権で国防政策はどう変わるのか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-09

影響深刻:米政府機関に大規模ハッキング
「ロシア発:驚愕の大規模サイバー攻撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-18

ドイツ駐留米軍削減の関連
「国防長官が1.2万名削減計画を発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-30
「独駐留米軍を1万人削減へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-16
「移動先ポーランド大統領と会談」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-25
「米独2000名に安保アンケート」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-10
「9月末までに米軍再編検討を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-14

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

F-35のエンジンブレードと整備性問題発覚 [亡国のF-35]

稼働率低調の2大原因の一つ
キャノピー問題は第2メーカー参入の5月まで辛抱か

F-35 F135.jpg12日付Defense-Newsが国防省筋の話として、F-35の稼働率低空飛行の当面の原因とされているF135エンジン問題について、エンジンブレード耐熱塗装の問題と、オーバーホール整備に想定以上の時間が必要となっている問題を取り上げ、国防省F-35計画室の対処方針を紹介しています

また、退任直前のLord前次官が明らかにしていたエンジン以外のもう一つのF-35稼働率低迷要因である「キャノピー」については、5月から新たなメーカーが製造や補修に参入して前線部隊を支える方向だと、同記事は紹介しています

F-35 F135engine.jpg退任前日の1月19日にLord前次官が明らかにしたF-35稼働率は、「複数ある任務の一つでも可能な機体は69%で、全ての任務が可能な機体は39%」との衝撃的なものでしたが、上記のエンジン整備やキャノピー問題だけに原因を集約するのは無理があり、兵站情報管理システム(ALISに代わりODIN)トラブルや部品確保サプライチェーンの混乱や想定以上の部品故障率や整備員の技量未熟等々・・・複数の大きな原因が背景にあります

ただ、当面の大きな課題であるF135エンジン問題とキャノピー問題の2つの状況をご紹介しておきます

12日付Defense-News記事によれば
12日、国防省F-35計画室幹部が、F-35用のF135エンジンの問題は2つあり、一つはオクラホマ州Tinker空軍基地の「F135 Heavy Maintenance Center」で計画通りの時間でエンジン整備が終了しない問題で、もう一つはエンジンブレードのコーティングが想定より早く損傷する問題だと説明した
F-35 F135 5.jpg同高官は「深刻な態勢維持上の問題だ」と述べ、上記問題により2022年まではF-35の5-6%の機体はエンジンが無い状態となり、2割のF-35が何らかの影響を受けることになる可能性があると述べた

この状況を受け、米空軍はF-35の展示飛行チームに対し、2021年の展示飛行計画から8つの計画を削減し、エンジンへの負担を減らしてエンジン整備所要を抑制するよう指示した

このエンジン問題に国防省F-35計画室が気づいたのは2020年初めで、同年夏には、上記エンジン整備センターで予定されていた年間60台のエンジン整備が遂行できないことが明らかになった
F-35 F135 4.jpg整備センターでの遅れは多様な要因で発生しており、技術データ不足、整備工程管理の不具合、整備支援機材の不足、整備担当者の技量不足などなどが組み合わさって発生している、と同幹部は語った

エンジン整備センターでの問題対処には、整備作業ラインをもう一つ6月までに立ち上げる方向で、また国防省とPratt & Whitneyが整備支援強化で契約を結び、作業員の技量向上訓練にも着手する予定である
これら対策により、「現状200日以上必要としているエンジン整備を、122日程度で終了させたい」と同幹部は語った

もう一つのエンジンブレードの問題は、耐熱コーティングが想定より早く劣化する問題である
本件に関しPratt & Whitney(Raytheon Technologiesの傘下:オースチン国防長官は関与できるのか?)は、2020年からエンジンブレード改良処理過程を導入開始し、製造ラインに投入していると声明を出している

F-35 F135 2.jpg2月17日にTinker空軍基地が「F-35関連各級指揮官がF-35関連の種々の課題を議論する会議サミット」を開催し、F135エンジン問題に関する議論も行われた模様だが、国防省関係者は細部への言及を避けた

唯一の良いニュースは、もう一つの稼働率関連の課題であるキャノピー問題で、現在唯一の「canopy transparencies」サプライヤーであるGKN Aerospaceがキャノピーのコーティングの表面剥離問題で製造・修理に苦しみ必要量の提供が滞っている中、第2のサプライヤーが参画する予定であることである
PPG Aerospaceという第2のキャノピーサプライヤーは、5月から「canopy transparencies」を提供開始する予定である
//////////////////////////////////////////////////

F135エンジンについては、F-35製造が始まる段階で「あの火災事故の原因対策は終了したのか?」、「本当に大丈夫か?」、「いろんな不具合データが出ており別のエンジンが良いのではないか」等々の意見が多く出されていたと記憶していますが、今になって・・・ではないことを祈ります

でも、最初に述べたように、エンジンとキャノピー問題はあくまで目の前の課題であり、その後ろや足元には、より大きな構造的な維持整備の問題が山積していることを忘れてはなりません

米空軍でまもなく第2位の保有機数となるF-35ですが、維持整備問題で既に大きな「お荷物」となっています。量産前に・・・

2016年9月23日の火災事故記事
「日本用1番機の式典日に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
「本当?:背風を受けF-35エンジン始動時に火災」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-07-13

2014年6月の火災事案
「火災メカニズム」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-04
「当面の対処と設計変更」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-29
「深刻:問題は軽易ではない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-08
「F-35:2週間後も飛行停止」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-26
「P&W社がエンジン亀裂を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-24

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース
前の10件 | -