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米海兵隊が歩兵の多兵器習熟を試行中 [Joint・統合参謀本部]

狙撃銃も迫撃砲も機関銃も対戦車ミサイルも扱えるように
「Arms Room Concept」と呼んで3部隊で2年間試行中
対中国本格紛争を見据え、状況や脅威に応じ柔軟運用部隊へ

Austin marine2.jpg4月26日付Military.comは、米海兵隊が対中国など本格紛争対処に備え、従来は狙撃兵、迫撃砲兵、機関銃兵、対戦車ミサイル兵等に細分化されていた歩兵兵士のMOS(特技:military occupational specialty)を、最終的には一つにまとめる方向で試行実験を行っていると紹介しています

米海兵隊はDavid Berger司令官の下で、毎年改定される「Force Design 2030」構想に基づき、10年計画で対テロから本格紛争対処への体制変換を目指しており、機動的に島々を移動する長射程砲で海軍艦艇を支援する作戦中心への転換や、砲兵に歩兵部隊を従属させる組織運用への転換、それに伴う戦車部隊の廃止や長射程対艦火砲の導入などなどを強力に推進しています

marine infantry2.jpgそんな流れの中、現在の狙撃ライフル、迫撃砲、機関銃、対戦車ミサイル等に専門化した各中隊で構成されている歩兵大隊を、一人の兵士が扱える兵器種類を増やすことで中隊の壁をなくす方向で、2年計画の検証試験が進行中のようです

担当の准将は「まだ何も決まっていない。試行実験を通じて提言をまとめ、司令官に報告する」と慎重な言いぶりですが、米海兵隊の3つの歩兵大隊が試行実験に取り組み、海兵隊員養成の基礎課程でも既に教育期間を延長して多能化試行を始めているようで、動きの迅速さに感心させられます

4月26日付Military.com記事によれば
Austin marine.JPG「Arms Room Concept」の名の下に、米海兵隊歩兵兵士の多兵器習熟型への改革が試行実験されている。海兵隊の戦闘開発融合を担当するEric Austin准将は、多様な兵器を武器庫に備えた部隊構築に向けたドラスティックな改革に向かっていると語った
同准将は「米海兵隊歩兵兵士は、状況や任務に応じた兵器を手にして作戦遂行できるよう、全ての兵器に対応できる訓練を受けることになるだろう」、「これにより海兵隊は、より成熟した、マルチドメイン対応の歩兵兵士によって構成された部隊となる」と表現した

具体的には、3つの海兵師団全てから歩兵大隊を一つ選び、一つの大隊は標準モデルで、他の2つの大隊はそれぞれに少し異なる形態で試行実験を行っていると説明した
Berger2.jpgBerger海兵隊司令官は検討の背景として、2020年3月に改訂版「Force Design 2030」構想を発表時に、「将来の歩兵大隊の構成を考える上で、将来作戦環境を正しく分析して検討がなされたかについて自信が持てない」と述べており、これを受け3つの大隊が試行実験に臨むことになっ

Austin准将は同時に海兵隊兵士の基礎課程でも訓練体系を変える試行を行っていると語り、「基礎課程教育期間を従来の9週間から14週間に5割増しし、歩兵海兵隊員が多様な兵器システムに習熟できるよう取り組んでいる」、「脅威に応じて命ぜられた任務に対応し、どの兵器が適切かを選択して前線に向かうことができる方向に取り組んでいる」と述べた
海兵隊は最終的に、歩兵兵士の職域を一つに統合したいと構想しているが、「Arms Room Concept」に対して批判的な声もある。そんなことが可能なのか・・・との率直な意見である
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marine infantry.jpg先日は、対テロも含め従来海兵隊の中心であった歩兵部隊が、砲兵に従属する形で作戦する次世代演習が沖縄伊江島で行われたとご紹介しましたが、対艦長射程兵器を中心に据える海兵隊の改革は勢いを増しています

米海軍や米空軍と比較すると、その柔軟性は際立っており、組織防衛意識は他軍種と同様ですが、方向性は正しいのでしょうし、海空軍には少しは改革意識を学んでいただきたいと思います

米海兵隊の変革関連
「米海兵隊改革のシンボル:洋上目標ミサイル攻撃成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-01
「海兵隊で歩兵が砲兵を支援する新形態演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-05
「対潜水艦作戦にも」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-07
「在日海兵隊の飛び石演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-23
「司令官が在日米海兵隊削減を示唆」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-25
「米海兵隊は戦車部隊廃止へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
「2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06

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小型無人機対処装備を求めオプション試験中 [Joint・統合参謀本部]

統合検討室を陸軍リードで空軍が支援
まずは副次的被害が少ない対処装備3つを試験

Skylord Griffon2.jpg16日付Defense-Newsは、国防省の小型無人機対処検討の一環として行われている、統合小型無人機対処システム室(JCO:Joint Counter-Small Unmanned Aircraft Systems Office)による候補システム試験の様子を紹介し、まず「副次的被害が少ない:low-collateral effects」対処兵器(小型無人機)の募集と試験を4月上旬に行ったと伝えています

このJCOは陸軍が主導して運用し、試験は陸軍のYUMA試験場で行われていますが、今回の副次的被害の少ない対処兵器試験は依頼を受けた空軍が試験の企画運用を担当する統合らしい分業体制で行われています

MIDAS.jpg候補機種の募集は統合検討室の要求事項に基づいて行われ、約37個の提案があったようですが、国防省の資金支援を受けていない新たな提案からのみ受け付けること等を踏まえ10提案に絞り込み更にプレゼン評価を経て5企業が選ばれた様です。ただ4月の試験には2企業がコロナの影響等で参加できず、3企業のみが参加したようです

米空軍は16個の様々な試験シナリオを準備して3提案を評価し、敵脅威シナリオには様々な速度と高度と飛行パターンを持つ固定翼と回転翼無人機が準備され、提案を様々な側面から吟味したということです

このような試験評価は今後年2回のペースで様々なカテゴリーの小型無人機対処装備について予定され、新たなアイディアと新たな企業の提案を促進するよう計画されているようです

16日付Defense-News記事によれば
Drone Kill Drone.jpgボーイング隷下のAurora Flight Sciencesが提案した「副次的被害が少ない:low-collateral effects」な対処兵器(小型無人機)は、air gunを備えたMIDASとのquadcopterで、敵無人機に接近して約30㎝のひもを付けた弾丸を6連発で発射し、敵無人機のローターやプロペラに絡めて無効化する装置である。2回連射攻撃を行って敵に効果がない場合は、あきらめて次の目標に指向する
2つ目の提案は敵をネット(網)に絡めて無効化するElta North America(イスラエル企業の米国支社)提案無人機Drone Kill Droneで、敵無人機の下部から網を射出し、敵にからめとって自らも共に墜落するタイプである

3つ目も同じく網で固めとるイスラエル企業提案のSkylord Griffonであるが、こちらは敵上部から網をかけ、うまく敵を拘束したら網を切り離して次の敵無人機に向かう方式である
Skylord Griffon.jpg16個の脅威シナリオで評価された3機種は、今後評価レポート受け取り、今後の開発の資とする

JCOと陸軍迅速能力検討室は、同様のデモ試験の機会を9月にも設ける予定で、異なった特性を持った対処装備に焦点をあて、5月には要求性能を公表する予定である
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「副次的被害が少ない:low-collateral effects」な対処兵器部門だけで、37個も提案があったすそ野の広さに感心しきりですが、それだけ脅威認識が高いということです

地道な取り組みの一つですが、陸軍と空軍が協力して取り組んでいる点はうれしいニュースです

世界の軍事関係者に衝撃
「攻撃無人機でアゼルバイジャン圧勝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-21

無人機対処にレーザーや電磁波
「国防省が小型無人機対処戦略発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-10
「小型ドローン対策に最新技術情報収集」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-20-1
「米海兵隊の非公式マニュアル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-31
「ドローン対処を3-5種類に絞り込む」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-14
「米軍のエネルギー兵器が続々成熟中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-30-1
「米空軍が無人機撃退用の電磁波兵器を試験投入へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-27
「米陸軍が50KW防空レーザー兵器契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-05
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24

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米海兵隊改革のシンボル:洋上目標ミサイル攻撃成功 [Joint・統合参謀本部]

NMESISで沿岸の無人車両から100nm離れた目標直撃
海兵隊司令官が成功を議会で報告し予算確保要請

NMESIS5.jpg4月29日、David Berger海兵隊司令官が米議会で、無人運用に改良された軽戦闘車両JLTVから発射された「naval strike missile」で、100nm沖合の海上目標攻撃試験に初めて成功したと証言し、2021年度予算で認められなかった本システム(海軍海兵機動型艦艇阻止システムNMESIS:Navy Marine Expeditionary Ship Interdiction System)予算を2022年度予算で確保するよう要望しました

NMESISは、既に沿岸戦闘艦LCS等に搭載されている対艦対地ミサイルと、既に運用実績がある軽戦闘車両JLTVを組み合わせ、JLTVに同ミサイルを搭載し、無人運用を可能にするため「ROGUE:remotely operated ground unit for expeditionary」システムを搭載して無人ミサイル発射兵器に改良したもので、開発リスクを最小限に抑えたものです

発射試験は加州Point Mugu Sea Rangeの地上にNMESISを配置し、その沖合約100nmの洋上に設置した海上目標を攻撃する形で実施され、「naval strike missile」は仮設目標に直撃したということで

NMESIS2.jpg米海兵隊は過去20年間の対テロ作戦体制から、このNMESISや陸上発射型トマホーク巡航ミサイルを迅速に機敏に西太平洋の島々に展開させ、敵水上艦艇や輸送船を射程に収めることで対中統合作戦に貢献する方向に大改革を進めており、NMESIS試験の成功は大きなマイルストーンとなりました

一方で米議会は作戦コンセプト未成熟として、2021年度で米海兵隊が求めた地上発射型トマホーク50発導入予算約150億円を認めず、Davidson太平洋軍司令官が3月に議会で「中国抑止力を削ぐ判断だった」と2022年度予算での復活を強く要求していたところです

Berger海兵隊司令官は議会で、NMESISが既に実績のあるミサイルと戦闘車両の組み合わせでできており、開発リスクの少ない重要新装備だと強調して訴えており、米海兵隊大変革のカギを握る兵器として今後の予算確保が注目されます

4月29日付Military.com記事によれば
Berger2.jpg4月29日David Berger海兵隊司令官は米議会で、同試験におけるミサイル発射写真を議員に示しつつ、NMESIS の信頼性が高いことと対中国抑止に重要な装備であることを説明し、予算確保への協力を訴えた。なお同試験の成功は、前日の4月28日に「naval strike missile」製造のレイセオン社から発表されていた
Berger海兵隊司令官は試験成功を「海兵隊若手担当者と軽戦闘車両JLTV改修に取り組んだOshkosh Defense社の努力の賜物だ」と讃えアピールし、「JLTVの後部を改修してnaval strike missileを搭載し、更にROGUE fires vehicleとの無人運用車両改修に可能にした彼らの努力が成功の原動力だった」と紹介した

更に同司令官は、「これで我々はNMESISを米艦艇や沿岸地域に配備し、敵水上艦艇に脅威を与えることができ、海上交通路を開放することができる」、「このNMESISを有効に活用できる迅速な機動展開運用が我々の目指すべき方向である」と説明した
NMESIS3.jpgそして同司令官は、米海兵隊にとって2022年度予算で地上や艦艇配備の精密誘導火力を確保することが死活的に重要だと訴え、「海洋エリアをバリアに変え、敵の海上交通路を遮断し、我が交通路を確保することが目的だ」と述べた

同司令官はNMESISの信頼性について、「naval strike missileは既に沿岸戦闘艦に搭載され運用実績のある兵器であり、輸送や兵站ルート確保も含めて実証済みである。また搭載車両も運用実績があり信頼できるシステムである」と開発リスクや運用リスクを局限したシステムであることを強調した
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NMESIS4.jpgBerger海兵隊司令官を中心に進められている海兵隊改革が成功するかどうかは「神のみぞ知る」世界ですが、歩兵中心で対テロ作戦を20年以上続けてきた組織が、またそれ以前は歩兵中心の着上陸作戦命で存在意義を見出してきた組織が、脇役だった「砲兵」を柱に組織改革を進める柔軟な姿勢を見せていることに感慨を覚えます

従来中心だった歩兵においても、単一兵器の専門職育成から、複数兵器を扱える多能兵士養成へと大きな改革が試行されており、米海軍や米空軍の硬直性を横目に、大変楽しみな組織力を発揮しています。注目したいです

米海兵隊の変革関連
「米海兵隊が歩兵の多兵器習熟を試行中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-27
「歩兵の多能兵士化を推進中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-27
「海兵隊で歩兵が砲兵を支援する新形態演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-05
「対潜水艦作戦にも」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-07
「在日海兵隊の飛び石演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-23
「司令官が在日米海兵隊削減を示唆」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-25
「米海兵隊は戦車部隊廃止へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
「2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06

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米空軍調達を知る剛腕Kendall氏が空軍長官候補に [米空軍]

オバマ政権で調達&開発担当国防次官を4年
陸軍士官学校卒で航空工学修士とMBAと法学博士
F-35低度量産開始時に「米軍の悪しき習慣だ」と酷評
F-35調達数削減配置か? ICBM存続で現ICBM延命か?

Kendall4.jpg27日付各種報道が、バイデン政権が次期空軍長官にFrank Kendall元調達&開発担当国防次官(71歳:シンクタンクCPA上席研究員)を指名し、空軍副長官候補にフィリピン系女性で元空軍士官のGina Ortiz Jones氏(40歳)が初めて有色人種女性として推薦したと報じました

Frank Kendall氏は、オバマ政権時の2010年から12年にかけ調達担当国防次官補を務め、続く12年から16年まで調達兵站&開発担当国防次官として「Better Buying Power initiative」をWork副長官らと推進し、権限委任による国防省調達の迅速化や効率化を強力に進めた剛腕で名をはせた人物です

特に航空機や宇宙アセットの調達改革に取り組みましたが、F-35の開発との同時本格生産開始が決定された際は、「米軍の悪しき習慣だ」、「私が国防省の調達に関わるずっと以前のF-35計画当初に立ち戻れるなら、一つの主契約企業に集中するような事業構造を望まないだろう。より競争を促す構造が健全だと思う」と担当次官らしからぬ本音発言で物議をかもしまし

Gina Ortiz Jones.jpgまた、将来航空戦力検討の過程では「航続距離を求める声も、兵器搭載量増を求める声もアリ、永遠の課題だろう。しかし我々に突きつけられた弾道・巡航ミサイル脅威は、航空機ではなく拠点となる航空基地や空母に向けられており、航続距離への要望はより鋭さを増している」と述べ、足の短い戦闘機への投資にくぎを刺すような発言も遠慮なくしていた剛腕次官でした

一方のGina Ortiz Jones副長官候補は、空軍士官として3年、国防情報局DIAで情報分析官として勤務し、その後米通商代表部でオバマ政権とトランプ政権にまたがって勤務し、2018年にテキサス州上院議員選挙に出馬したが落選し、2019年にも再度挑戦するも2回目の落選を経験している方です。15歳で母親にレズビアンであることを告白するも、当時の米軍の「言わない、聞かない」方針に沿って、空軍勤務間は性的志向を公言しなかった方です

勝手な想像ですがFrank Kendall氏は豊富な経験から、F-35や次期ICBM調達など重要な調達問題目白押しの米空軍での仕切りを期待されてのノミネートで、F-35調達数削減への道を開くことが第一優先任務でしょう。Jones副長官候補は、初のアジア系女性副長官やレズビアン副長官としての「多様性」話題を狙ってのバイデン政権人事だと思われます

Frank Kendall氏のご経歴など
Kendall3.jpg1949年1月生まれの71歳で、陸軍士官学校をJack Reed上院軍事委員長と同期生として卒業。10年間陸軍士官として勤務し、陸軍士官学校で施設工学の教官も務めた経験がある
航空宇宙工学修士を加州工科大学で、MBAをロングアイランド大学で、法学博士号をジョージタウン大で取得

1990年代には軍需産業レイセオンで研究開発副社長として勤務し、国防省入省直前は国防関連コンサル会社Renaissance Strategic Advisorsで経営人の一角を占めていた
国防省では、国防長官室で戦術戦闘検討部長や戦略国防システム担当次官補代理などを務めた

Kendall22.jpgオバマ政権時の2010年から12年にかけ調達担当国防次官補を務め、続く12年から16年まで調達兵站&開発担当国防次官として「Better Buying Power initiative」をWork副長官らと推進し、調達兵站と研究開発の両方を同時に担当した最後の国防次官となった
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上記でご紹介したように、国防予算右肩下がりのオバマ政権時代の調達担当次官で、特にF-35をはじめとする米空軍航空宇宙アセット調達に深くかかわった人物です

Gina Ortiz Jones2.jpg陸軍士官学校卒業ながら航空宇宙工学修士号を持ち、空軍調達には一言もつ剛腕の空軍長官と、初の黒人空軍参謀総長として「変化しなければ敗北する」と背水の陣で改革に臨むBrown大将のコンビに、レズビアン女性アジア系副長官のトリオが、如何なる方向に米空軍を導くのか注目してまいりましょ

Kendall氏が国防次官当時の記事
「米国防省内部でF-35計画見積を巡り内紛」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-12-09
「将来航空機投資を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-10-25
「レーザー兵器は万能薬ではない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-09-12
「F-35をまとめ買いで安く」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2015-05-31
「Offset Strategy」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2014-09-06-1

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米国務省が豪州へのMQ-9B輸出許可 [安全保障全般]

今後、議会承認や価格交渉があるも12機が豪州へ
関連機材や兵器やセンサー等含め約1800億円

MQ-9B.jpg4月23日、米国務省が豪州への12機の無人偵察攻撃機MQ-9B SkyGuardian売却をFMS形式で承認すると発表しました。

この承認は、あくまで米国政府として安全保障などの国際関係上問題ないとの判断を示したもので、今後米議会の承認を受け、その後に具体的な価格交渉に入るとの前段階の審査結果ですが、対中国で米国とガッチリスクラムの豪州が相手ですから、価格面で折り合えば何の問題もなく売却に進みます

MQ-9B2.jpg豪州は2018年に豪空軍用の中高度長期在空無人機の選定に入り、MQ-9 Reaperと今回承認を受けたMQ-9B SkyGuardianを候補に挙げて比較検討しているようです

MQ-9 Reaperと今回承認を受けたMQ-9B SkyGuardianの違いは、原型であるMQ-9 Reaperを改良し、有人機と無人機が同一空域で飛行可能な条件として欧州が定めた飛行規制に対応ている点です。一方で、NATOの装備規格STANAG 4671は引き続き満たしており、MQ-9の海外輸出版とも呼ばれています。

MQ-9B3.jpgMQ-9Bは2018年7月に大西洋横断に成功し、大きく報道されたところです

輸出版MQ-9であるMQ-9B SkyGuardianの購入国は、英国空軍のほか、台湾空軍が4機予定しており、ベルギーとUAEも購入を計画していると報じられています

MQ-9B4.jpgまたMQ-9の非武装型であるMQ-9ガーディアンは、米国の税関・国境警備隊で使用されており、沿岸警備隊は海洋監視用に改修した「シーガーディアン」を使用しています。日本の海上保安庁も、東シナ海の海洋監視を目的として、2020年から実証実験を行っています

国務省が承認した交渉の出発点となる価格は1800億円とされており、これには機体12機、エンジン、地上操作装置、訓練用シュミレータ、衛星通信用装置、操縦者や操作員と機体との通信装置の価格が含まれているようです

具体的な装備としては
Targeting System-D electro-optical/infrared sensors;
Lynx AN/APY-8 synthetic aperture radars;
Leonardo’s SAGE 750 electronic support measure system;
Rio communication intelligence systems; and
six Joint Direct Attack Munition tail kits が含まれているようです

MQ-9の概要:Wikipedia情報によれば
製作: General Atomics
操縦員(遠隔操作): 2名(操縦者1名、センサー員1名)
エンジン: Honeywell TPE331-10Tターボプロップエンジン、出力950 SHP(712 kW)
最大燃料搭載量: 1,815 kg (4,000 lb)
長さ: 11 m (36 ft) 翼幅: 20 m (66 ft)
機体重量: 2,223 kg (4,900 lb) 最大離陸重量:4,760 kg (10,500 lb)
最高高度: 15,200m (50,000 ft) 運用高度:7,600m (25,000 ft)
滞空時間: 14〜28時間
航続距離: 5,926 km (3,200 nmi,)
ペイロード: 3,750 lb (1,700 kg)
最高速度:482 km/h (260 knots)、巡航速度:276-313 km/h (150-170 knots)

自衛隊が海上保安庁に先を越された形です。RQ-4グローバルホークなんかじゃなくて、MQ-9にしておけばよかったのに・・・。戦闘機命派や有人対潜哨戒機命派の強固な組織防衛のため、無人機導入に関し、全てで後手後手になっている自衛隊です

関連の記事
「本格紛争対応に一部を機体改修へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-22
「JDAM完成弾運搬役も」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-04
「無人機MQ-9の対中国海上作戦への応用演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-26
「CSBAが米空軍の将来体制を提言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-24

「ハドソン研:68機MQ-4では不十分」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-23
「米海軍のMQ-4グアム配備」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-29
「CSISが米空軍の無人機用に苦言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-31

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対テロ戦力だったMQ-9を本格紛争用に改修へ [米空軍]

保有270機の中の70機を改良へ
使い道や改良の細部は不明ながら10年延命措置も

Agile Reaper4.jpg21日、米空軍がMQ-9無人偵察攻撃機の本格紛争用への能力向上改修のため、製造企業であるGeneral Atomics社と約300億円の契約を結んだと発表しました。契約には19機の改修経費が含まれ、最終的には保有機270機の中の71機に改修を行うようです。またこの改修には、機体寿命を10-15年延長するための延命措置も含まれているとのことです

これまで、MQ-9改修計画は全く耳にしないとお伝えし、「旧世代兵器は消え去るのみ・・・」などとご紹介したこともあったのですが、水面下で能力向上の検討が行われていたようです

Agile Reaper5.jpgもちろん前線部隊からは、MQ-9の改修型より、ステルス性を持つ新型無人偵察攻撃機「MQ-X」開発を望む声が多いようですが、270機も保有するMQ-9を簡単に捨てるわけにもいかず、残りの寿命を有効に活用する検討が行われていたことはご紹介していました

例えば昨年9月には、演習「Exercise Agile Reaper」が西海岸の海上中心に3週間以上実施され、空母戦闘群や潜水艦など米海軍アセットや、特殊作戦部隊や海兵隊、C-130輸送機なども参加し、MQ-9の航続性能と長時間在空能力を生かし、対中国作戦での「strike coordination and reconnaissance」や「combat search and rescue」などなどに活用する試みが行われ、部隊の機動展開能力向上にも取り組んでいたようです

21日付米空軍協会web記事によれば
Agile Reaper3.JPGGA社との契約発表を行った米空軍Life Cycle Management Center(AFLCMC)は、具体的な能力向上改修の中身は「closely held:閉鎖情報管理」するとしているが、最初の改修は電子妨害対処能力を向上させる「自己防御用の電子妨害対処アンテナシステム」だと説明している
そのほかには、データリンク能力、発電能力、照準センサー関連の能力アップが図られ、「open-architecture」採用による迅速な最新技術受け入れ能力アップも改修項目に含まれている模様である

米空軍AFLCMCはこの改修の背景を、MQ-9は今、過激派組織対処(C-VEO:Counter-Violent Extremist Organizations)のISRや攻撃任務から、強固に防御された厳しい作戦空域での任務にシフトしつつあると説明している
そして改修されたMQ-9は新たな名前を付与され、「MQ-9 Multi-Domain Operations (M2DO) system」と呼ばれるようになり、「2035年まで作戦上有効であり続けるだろう」ともAFLCMCは説明した

ただし、電力供給能力向上に伴い誰もが想定する「電子戦能力向上」に関しては、上記の電子妨害対処用アンテナ改修以外には答えられないと対応した
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Agile Reaper2.jpg昨年9月の演習「Exercise Agile Reaper」をご紹介した際に、MQ-9部隊の指揮官(中佐)が、MQ-9操縦者やセンサー捜査員の教育プログラムを約1か月間延長し、より複雑な作戦地域を想定した内容を付加したと部隊の変革を語っていました

また「この演習は、我が部隊が世界中どこへでも、未経験の場所へでも迅速に機動展開できることを示す良い機会であり、統合戦力に海洋作戦状況を提供する能力を示すチャンスでもある」とアピールし、演習後は「我々が迅速に展開を完了し、MQ-9の運用を開始し始めたことで、他の演習参加者たちを驚かせた」と語っていました

有事に西太平洋の島々へ、MQ-9を展開させる運用する余裕が米軍にあるのか、秘められた活用方法があるのか等、興味は尽きないところですが、いつもながら決してあきらめず「コツコツ」と取り組む姿勢には感心します

関連の記事
「JDAM完成弾運搬役も」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-04
「無人機MQ-9の対中国海上作戦への応用演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-26
「CSBAが米空軍の将来体制を提言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-24
「ハドソン研:68機MQ-4では不十分」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-23
「米海軍のMQ-4グアム配備」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-29
「CSISが米空軍の無人機用に苦言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-31

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米情報機関トップが中国開発宇宙脅威を語る [サイバーと宇宙]

講道館で柔道を学んだ経験もある女性
オバマ時に女性初のCIA副長官や安全保障大統領副補佐官

Haines.jpg14日、米国の政府情報機関すべてを束ねる国家情報長官(DNI:Director of National Intelligence)に女性として初めて就任しているAvril Haines氏が、上院情報委員会でDNIの年次リスクレポート(Global Risk Assessment report)について証言し、中国の宇宙脅威について語りました

DNIは、911同時多発テロを事前に察知防止できなかった反省を踏まえ、セクショナリズムナリズムに陥っていた米国の政府情報機関(CIAや国防省情報機関などなど)を束ねるポストとして2005年に設立され、大統領と国家安全保障会議の情報補佐官としての役割を担っており、毎日大統領に情報ブリーフィング(President's Daily Brief:大統領と大統領が承認した人物のみ閲覧可能)を行うポストです

Haines5.jpgAvril Haines氏は、高校卒業後に日本に1年間滞在し、その際柔道の講道館に所属した経験がある女性で、シカゴ大学で物理学士を取得した後の20代にはボルチモアの田舎でカフェを経営し、カフェでの詩の朗読を売りにしていた変わった方ですが、33歳でジョージタウン大学法学博士を取得し、国務省の条約局や政治軍事局でキャリアをスタートしています

その後、上院外交委員会の法律副主任として時のバイデン外交委員長を支え、2010年からはオバマ政権のホワイトハウスで安全保障担当スタッフを務め、2013年にオバマ大統領によって初の女性CIA副長官に指名されています。そしてCIA副長官の後は2017年まで女性初の安全保障担当副補佐官を務めました

そんなDNI女性が上院で、ロシアの宇宙脅威を説明するとともに、中国の宇宙能力開発を米国の技術競争力に対する「一番の脅威だ」と語ったようです

14日付Defense-News記事によれば
Haines3.jpgAvril Haines国家情報長官(DNI)は、中国は人民解放軍を中核として、米国を宇宙で出し抜くため、また米国が宇宙での主導権から得ていた軍事・経済面などでの利益を確保するため、米国や同盟国の衛星攻撃能力を多様な手法で獲得する野望に向かって突き進んでおり、既に一部は実用化されていると語った
年次レポートは広範なリスク分析の報告であるが、その中ではロシアの宇宙能力が引き続き脅威であることと共に、中国の宇宙能力開発を米国の技術競争力に対する「一番の脅威だ」と位置付けている

中国が着手した138個の商用地球監視衛星群に関する委員からの質問に対しDNIは、米国の宇宙支配に対する中国による多様な挑戦の一つだと回答したが、米国側の能力について保全上触れなかった
そしてHaines国家情報長官は、「一般常識として、中国は米国の宇宙での指導的立場にとって代わるため、米国よりも多様な分野で懸命な取り組みを続けており、宇宙でリーダーシップを獲得することに焦点があることは疑う余地はない」と語った

滅多に公の場で語らないDNIが議会で証言した背景には、秘密のベールに包まれ、米議会で中国の宇宙脅威への理解が不足しているとの一部議員の危機感と証言実現への働き掛けがあったと言われている

Haines4.jpg米国情報機関は具体的な中国の活動として、中国は2022~24年までに低高度軌道に宇宙ステーションを投入し、ロボットによる継続観測を企図して月面への探査ミッションを継続し、将来的には「断続的な人間チーム派遣」を目指すと分析している
中国の対宇宙兵器開発が増加しつつある状況についてレポートは、2019年に解放軍の宇宙支援部隊が地上発射対衛星兵器の訓練を開始し、既に低高度軌道の衛星のデリケートな光学センサーを無効化(blind or damage)する地上発射ミサイルや地上発射レーザー兵器を配備していると記している

またレポートは、中露両国が対衛星兵器部隊の増勢に取り組み、新たな破壊及び非破壊型対衛星兵器の配備が続いているとし
ロシアについても、「電磁波妨害やサイバー妨害、エネルギー兵器、地上及び衛星からの対衛星兵器で、米国や同盟国衛星を狙っている」、「大規模な偵察、通信、航法衛星ネットワークは、カギとなる対抗者であることを示している」と説明している
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DNIによる年次リスクレポート2021年(20ページ)
https://www.dni.gov/files/ODNI/documents/assessments/ATA-2021-Unclassified-Report.pdf

DNIによる議会証言関連報道
https://www.airforcemag.com/dni-cyber-is-the-common-weapon-among-top-adversaries/

中国が「2022~24年までに低高度軌道に宇宙ステーションを投入」したら、スプートニクショックまではいかないまでも、少しは西側諸国に衝撃が走るのかもしれませんが、コロナの傷がいえるまで、中国の脅威への関心が高まるには時間がかかるのかもしれません

中国とロシアが西側民主主義の限界をチャンスととらえて攻勢を強める中、米国情報機関トップへの期待は高まるばかりです。かつてゲーツ氏が国防長官になる前に打診され断ったDNIポストですが、女性初の壁を何度も突破してきた講道館メンバーのAvril Haines氏に、ここは期待しておきましょう

中露の宇宙関連記事
「中国安全保障レポートはサイバー宇宙情報軍民」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-15
「4月中旬のロシア衛星破壊兵器試験を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-17
「怪しげなロシア衛星問題提起」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-04
「再び同高官が指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-26

最近の宇宙関連記事
「80トンの物量を世界中に宇宙経由で1時間以内で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-08-1
「ロシア衛星がなどの物体射出」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-24
「国防宇宙戦略を発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-19
「提案:宇宙兵器の6分類」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-28
「航空機からロケット発射で衛星を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-14
「宇宙軍の最初の攻撃兵器」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-09
「画期的:衛星が推進力衛星とドッキングで延命へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-27

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資金不足でF-35兵站システムODIN開発停止 [亡国のF-35]

ALIS後継システムODINのソフト開発一時停止
要求より42%カットされた2021年度予算で資金尽きる
国防省F-35計画室長が衝撃の発表:再開時期説明できず

ODIN6.jpg22日、米国防省F-35計画室長のEric Fick空軍中将が下院軍事委員会で、機能不全で部隊や関係機関に大混乱を引き起こしているF-35兵站情報システムALISの後継システムとして、2020年1月に開発が決定(2022年12月運用開始を計画)したODINのソフト開発が、見積りの甘さと資金不足で「戦略的停止strategic pause」状態に至ったと証言しました

また再開見込みについて同室長は説明できず、ALISからODINへの移行状況、ODINハードの開発状況、同機保有部隊の状況、及び使用可能資金状況を踏まえて検討し、最新の状況を米議会にも今後報告していくと述べるにとどまりました

ODIN5.jpg兵站情報システムALIS(Autonomic Logistics Information System)の問題は語るに切ない惨状で、ソフト不具合からデータの誤処理が頻発して非稼働F-35を量産し、整備現場や部品管理施設を大混乱させ、おまけに旧発想設計で使いにくく、データ処理が遅く、機動展開用の機材が大きく重くかつネット接続できないなどなど、問題大爆発状態でした

いくら言ってもロッキードがALISを修正できないことから、2020年1月に国防省は開発費2兆円のALISをあきらめ新たなODIN(Operational Data Integrated Network)導入を決定し、ハードはロッキードだが、システム全体管理とソフトは国防省が主導して開発すると宣言しました

その後、昨年9月には新ハードの一部導入が海兵隊部隊で始まり、「装備の重量が1/10に」、「データ処理速度が2-3倍に」、「使いやすさも改善で部隊でも好評」とかの大本営発表(米国防省F-35計画室)がなされていたところでした

22日付Defense-News記事によれば
Fick2.JPGF-35計画室長は、2021年度のODIN関連予算が(おそらく予算要求額から)42%カットされたこともあり、ODINソフト開発の資金が底をついたことから、同開発を「戦略的停止strategic pause」したと証言した
そして「ODIN開発は全ての面において前進していたが、ALISシステムの複雑性やODINへの移行業務量を過小評価していたことについて、幾つかの教訓を得ることとなった」と反省の弁を述べた

また「我々はODINが想定されている地点に到達するため、ハード面でも、データ処理環境面でも、ソフト面でも必要するレベルに確実に到達し、ALISが期待されていた機能獲得追求を続ける」と語った
ODIN2.jpgただし同室長はODINソフト開発再開時期については説明できず、ALISからODINへの移行状況、ODINハードの開発状況、同機保有部隊の状況、及び使用可能資金状況を踏まえて検討し、最新の状況を米議会にも今後報告していくと証言するにとどまった

下院での発言とは別に提出された説明文書は、「ODINの装置はALISと比較して75%小型化され、重量も90%削減されており、価格も30%削減できる見込みである。またデータ処理速度も2-3倍速くなっていることが現場から報告されている」と説明している
また同文書は、「今年夏には、単一機材で複数の飛行部隊を支えることが可能な、経費も節減できる新機材を提供開始する予定」で、「ALISからODINへの移行経費として、今後5年間で約500億円を投資する予定だ」と説明している
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ODIN4.jpg米国と「血の同盟」で結ばれたF-35共同開発国である英国がF-35調達予定機数を半減することを匂わせはじめ、1700機以上調達予定だった米空軍も1000機まで削減する検討中と報じられる中、共同開発国でもないFMS調達国待遇に甘んじつつも、世界第2位の調達機数を予定している日本は、「亡国のF-35」とともに没することになるのでしょうか・・

あまりに悲しく、戦闘機のために汗を流している現場の隊員の皆様があまりにもかわいそうです。航空自衛隊のOBを含む戦闘機命派には、しっかり説明責任を果たしていただきたいと思います

でもねぇ・・・航空自衛隊の主要ポストを務めた戦闘機パイロットは、退役後に外に向けて語ることがありませんねぇ・・・。パイロット以外の人しか研究会とか学会的なところには出てきませんし・・・。

ALISの後継システムODIN
「ODIN提供開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ALISを断念しODINへ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-22
「ALIS問題を議会で証言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-15
「ALISは依然大きな障害」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-02

F-35維持費削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

最近のF-35
「英国は調達機数半減か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-24
「伊軽空母に海兵隊F-35B展開」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-14-1
「F-35投資はどぶに金を捨てるようなもの」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13
「F-35稼働率の状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21
「新型戦術核搭載飛行試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-28
「5月の事故対策改修は秘密」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

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戦略爆撃機による核抑止アラート待機復活を示唆 [Joint・統合参謀本部]

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新型ICBM開発が無くなりICBM待機が不可能になった場合
米戦略軍司令官が上院軍事委員会で訴える

Richard1.jpeg20日、上院軍事委員会でCharles Richard戦略軍司令官が証言し、核抑止3本柱の一つであるICBM配備が維持できなくなったら、冷戦終了後に中止した戦略爆撃機のアラート待機を復活させざるをえなくなると訴え、バイデン政権内や民主党左派が検討している次期ICBM(GBSD)開発中止やICBM自体の廃止議論をけん制しました

同司令官が仮定した「もしICBM保有がなくなったら」との表現が、次期ICBM(GBSD: )開発が中止になり、かつ現ICBM(Minuteman III)の老朽化で非稼働になることを懸念しているのか、一気にICBM廃止をバイデン政権が「核態勢見直し: nuclear posture review」で打ち出す可能性を述べているのか不明です

Minuteman III 4.jpgしかし、これまで同司令官が「現ICBM(Minuteman III)の延命は不可能」と訴え、次期ICBM(GBSD)開発予算の削減や開発延期を懸念していたレベルから一気に話が飛躍したことから、核抑止3本柱からICBMを無くし、戦略原潜と戦略爆撃機の2本柱体制への移行が本格的に議論されている可能性を感じさせます

サイバー兵器や宇宙兵器が、国家機能を停止されるほどのインパクトを持ち、なおかつ攻撃発信源の特定が困難な性格を帯びていることから、伝統的な核抑止の役割が低下しているとの議論と、次期ICBM(GBSD)開発に10兆円を超える莫大な予算が必要である現実を踏まえ、米国の核抑止3本柱維持が難しく成りりつつある様子を、戦略軍司令官の証言を機会に考えます

20日付Defnse-News記事によれば
Richard6.jpgRichard戦略軍司令官は、「大統領が命じている全ての任務を遂行するには、核抑止の3本柱の、どの一つが欠けることも許容できない」と述べ
●「既に現在でも、3本柱全が即応態勢にあるわけではない点が忘れられている」、「現時点でも既に即応態勢にあるのは2本柱(ICBMと潜水艦)だけである」とまず現状を説明した

そして同司令官は、「仮にICBMがなくなれば、我々は完全に戦略原潜のみに核抑止を依存する事になる」、「仮にICBMがなくなれば、戦略爆撃機のアラート待機(核兵器を搭載しての滑走路脇での即応体制待機)の復活を要望することになると、私は既に国防長官に告げている」と述べた
ただ同司令官は、ICBMが運用停止した場合に、どの爆撃機をアラート待機につけるかについては言及しなかった

Minuteman III 5.jpg米空軍が保有する爆撃機で核兵器搭載可能なのは、核搭載巡航ミサイルを搭載可能なB-52と、重力投下型核爆弾B61とB83を搭載可能なB-2爆撃機であるが、開発中のLRSO(Long Range Stand Off weapon:しばしばこれも開発中止議論が起こる)は両機種に搭載可能な設計となってる。(B-1はSTART条約で通常弾頭のみ搭載可能)
報道によれば、2017年に米空軍は北朝鮮の核脅威を受け、B-52の核搭載アラート待機準備を進めたと言われているが、最終的な実施指示は出なかったと言われている

また同司令官は同委員会で、繰り返し現ICBM(Minuteman III)は老朽化が進んで延命措置が不可能である点と、2030年代の中国やロシアの脅威に対処するには次期ICBM(GBSD)開発の遅延は許容出来ない点を訴えた
例えば同司令官は「現ICBM管制センターに入るためのスイッチの構造を知る者は既に存在せず、商売にならないそのような装置に取り組もうとする企業も存在しない」と延命の難しさを説明した

なお22日、米空軍Dawkins戦略計画部長は本件について
戦略爆撃機にアラート待機を命じても、現有戦力では長く続けることはできない
より多くのパイロット、爆撃機、整備員、核兵器管理施設、空中給油機を確保する必要がある

次期ICBM開発は、現有ICBM延命措置よりも安価である
・・・と述べ、無理な話だと示唆しています

なお、可能性のあるB-52爆撃機保有76機の内、核兵器搭載可能なのは46機のみです
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Richard2.jpeg核兵器の3本柱議論について「疎い」まんぐーすには、Richard戦略軍司令官の3本柱不可欠論が弱いような気がしますが、配備後半世紀が経過する現ICBM(Minuteman III)の延命が困難なのは理解できる気がします

今後の議論の展開を注視するしかないのですが、ICBM維持に必要な経費が莫大であることを考えると、他に優先順位が高い兵器や装備開発があるような気はします。難しい問題です

GBSD関連の記事
「国防副長官の認識」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-03
「米戦略軍司令官がICBM延命論に怒りの反論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-07
「バイデン政権で国防政策はどう変わるのか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-09

ICBM後継に関する記事
「ボーイング怒りの撤退」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-27
「提案要求書RFP発出」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-18
「次期ICBM(GBSD)企業選定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27-1
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

米軍「核の傘」で内部崩壊
「ICBMサイト初のオーバーホール」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-05-15
「屋根崩壊:核兵器関連施設の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-23
「核戦力維持に10兆円?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09
「国防長官が現場視察」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18
「特別チームで核部隊調査へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-27
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1
「米核運用部隊の暗部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-29

21世紀の抑止概念を目指す
「同司令官が中露の軍事力増強と抑止を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-01
「米議会で専門家を交え中国抑止を議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-17
「新STASRT条約は延長へ!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-17
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03

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ちょっと古いが米軍の即応態勢評価 [安全保障全般]

GAOによる2017-2019年の米軍即応態勢報告
議会に2020年1月までに報告された内容の公開版
国防省が評価指標を整備しないため部隊指揮官に調査

GAO readiness.jpg7日、米会計検査院GAOが米議会の指示で作成した米軍の即応態勢評価レポートの2017年~19年部分(議会には2018年8月から2020年1月に報告済)を、公開可能部分だけを公表しました
その中身は、地上部隊は改善を示したものの、海分野は低下し、空・宇宙・サイバー分野は分野によりさまざまとの結果だったようです

なお、国防省は既に米議会に報告されている同レポートの内容について、概ね同意しているとGAOはコメントしています

この調査は、故マケイン議員らが中心となり2019年国防授権法で規定されたもので、約20年に及ぶ対テロ戦により米軍の本格紛争への即応態勢が低下しているとの危機感から米議会が求めたもので、2017年を基準年として2022年まで継続評価&議会報告することを法的に求めているものです

F-22Hawaii.jpg議会の命を受けたGAOは、2019年5月に国防省に対して即応態勢評価の指標を定めて改善状況を把握できるようにすべきだと指摘しましたが、国防省側は即応体制回復に取り組んで予算審議等の中で報告しており、各軍種も把握していると指標整備提言を無視する形で今日に至っています

そのような中、GAOは「Resource readiness:人員装備の充足状況等」と「Mission capability readiness:統合作戦任務の遂行可能状況」の2側面から、各部隊指揮官に「即応態勢にある」「条件付きで即応態勢にある」「そのレベルにない」の3段階で自身の部隊を評価して回答するよう依頼し、調査結果としてまとめています

GAO readiness3.jpg調査では、陸海空に加え、宇宙とサイバーの5つのドメイン分野から、19個のミッションエリアの部隊を選び、上記のような指揮官への質問を行って集計した模様です
米空軍の場合、19個のミッションエリアには、爆撃機部隊、戦闘機部隊、空中給油部隊、戦闘ヘリ部隊の4つのミッションエリアが選ばれ、部隊指揮官に対し質問したようです

GAOのwebサイトで約40ページのレポートが7日に公開されていますが、その中身の確認はサボって、8日付米空軍協会web記事から、レポートのさわりのさわりの概要だけをご紹介します

8日付米空軍協会web記事によれば
GAOのDiana Maurer国防能力管理部長によるレポートは、「Resource Readiness」の視点で、19のミッションエリアで10エリアが改善傾向を示したが、海上分野は全てのエリアで改善が見られなかったと評価している
AH-1Z.jpg「Mission capability readiness」の視点では、19エリアの中で、地上部隊関連の5エリアのみで改善が見られ、海空宇宙サイバー分野は全て低下傾向を示している

個別に見ていくと、米空軍ではハリケーンで大きな被害を受けたF-22部隊へのダメージが大きく、陸軍のAH-64アパッチに代表される操縦者不足が、また海兵隊の軽攻撃ヘリは修理施設の能力限界などなどが、即応態勢低下の大きな原因となっている

GAO readiness2.jpg海上ミッションエリアでは、艦艇の修理補修を支える民間と国防省の造船修理施設の能力不足が、即応体制向上の大きな障害となっている
宇宙分野では、まだ即応体制の目標設定が不明確な部門も多く、評価が難しいとGAOレポートはコメントしている
//////////////////////////////////////////////////

これだけの内容では米軍の即応態勢について語れませんが、本格紛争態勢が十分ではないとの危機感が米国にあることや、海空軍で厳しい状態にある傾向はご覧いただけると思います

海軍艦艇の修理施設については何回か取り上げましたが、予算不足で部品や人の確保が困難となり、艦艇修理計画が連続で組めず、熟練作業員の雇用維持も若手の計画的採用や育成もできず、悲惨な状況にあることが話題となる惨状です。米海軍は衝突や火災事故も多く、人事のゴタゴタモ頻発しており、本当に心配です

艦艇修理の大問題
「米空母と潜水艦修理の75%が遅延」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-22
「空母故障で空母なしで出撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-16
「米艦艇建造や修理人材ピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-24
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
「空母確保困難でMQ-25給油機3年遅れか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-11
「軍需産業レポート2019」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-28
「2018年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-1

GAO関連の記事
「日韓への米軍駐留効果を評価」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-18
「米軍の女性採用&離職防止努力不足を指摘」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-20
「F-35部品供給が増産に追い付かず」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-13
「不明瞭な操縦者養成&訓練を非難」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-06-14
「米空軍の無人機操縦者処遇を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2014-04-16

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