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将来戦の鍵クラウド事業出直し:米国防省のJEDI [米国防省高官]

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国防省&米軍データの8割を管理する1兆円事業のドロ沼
Microsoftとアマゾンの法廷闘争で業者選定混迷
2025年までは2社とも採用方向で新事業として出直し
対中国の柱であるJADC2やAIDAやABMSを直撃中

JEDI.jpg7日付米各種報道は、米軍作戦活動を含む全データの8割を扱う国防省の一大クラウドサービス事業で、企業選定を2017年から開始していた1兆円強規模の「JEDI:Joint Enterprise Defense Infrastructure」に関し、マイクロソフトを選択した国防省決定に不服なアマゾンからの訴訟で事業がとん挫状態にあることから、両社合意の上で国防省がJEDIを白紙に戻し、新事業「JWCC:Joint Warfighter Cloud Capability」として再整理し、2社とも参画する方向で仕切りなおすと報じました

国防省は、形式的に2社の他にも参加を募り、条件を満たせば3社以上の協力体制で事業を進めるとしていますが、企業選定に2社以外で参戦していた「オラクル」や、他の新規企業が手を上げるかは微妙でなようです

JEDI5.jpg2019年10月の国防省決定で勝者になったはずのマクロソフトが、白紙撤回&仕切り直しに応じた背景には、下馬評ではアマゾン(Amazon Web Services)有利と言われていたのに、Jeff Bezos前アマゾンCEOと時のトランプ大統領が公開の場で口論するなど関係が悪化していたため、「政権による恣意的な選定への介入」が、公然と報じられていることがあるようです

ただ、2社体制(+αの可能性あり)の寝技決着であり、国防省も長くこのまま国防省クラウドを運用すれは批判を免れないことから、「非常に重要な事業であり、これ以上の遅れは受け入れがたい(実際その通り)」、「2025年には、以後の契約について完全オープンな態勢で企業選定する」と言い訳して、両社採用の折衷案で突き進むようです

7日更新C4ISRnet記事等から経緯の概要は
JEDI2.jpg2017年にJEDIの業者選定開始。1兆円事業を巡り、要求性能や選定の流れ説明の段階から、マイクロソフト、アマゾン、オラクルが激しいつばぜり合いで、選定手続きがしばしば中断延期
2019年10月、国防省がマイクロソフト選択を発表も、即日アマゾンはトランプ大統領による介入で選定がゆがめられたと法廷闘争へ

2020年、裁判所は国防省と勝者のマイクロソフトに、JEDI事業の停止を命令
2021年初、裁判所はアマゾンの訴えを却下することはせず、長期にわたる法廷闘争になると明らかに

今後の新事業JWCCの進め方
2021年10月、提案要求を2社に提示し、対応可能との返事があれば2社は採用へ。
同時に、産業界にも問いかけ、条件を満たす企業があれば、2022年4月に参加企業を最終発表

米国防省発表で報道官は
JEDI3.jpg(2019年10月の決定から時間が経過し、)要求したJEDIのスペックが、もはや国防省のクラウド要求を満たさなくなったことから、能力を有すると判断した2社と仕切り直して代替案を追求する
仮に第3の企業が条件を満たせば、その企業にも参画してもらう可能性がある

マイクロソフトのToni Townes-Whitley社長は
わが社は前進することに切り替えた。前線の兵士たちは、重要だが満たされていないニーズを抱えており、クラウドやAI技術を待ち望んでいる
我々は、国防省が前進するためのサポートを何時でも行える体制で臨んでいく

アマゾン(AWS)報道官は決定を讃え
我々は国防省の決断に同意する。不幸にも、以前の決定は外部からの影響力を受けたもので、正しい事実に基づかない決定であった。我々はこれから、最高の品質を最高の価格で提供することに、これまで以上に取り組んでいく
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JEDI4.jpg真偽のほどはわかりませんが、「Trump interference」が諸悪の根源である可能性は否定できません

ただ、残念ながら、米国の安全保障を支える根幹システムの選定にまで、税金をほとんど納めていないGAFAMの利権争いが影響を与えている側面もありましょう

ITとクラウドの話になると、腰が引けてしまうまんぐーすですが、ドロドロが透けて見える本事案にため息しか出ません。JADC2もABMSも何度も取り上げた重要事業で、AIDA(Artificial Intelligence and Data Accelerator)も始まったばかりなのに・・・

将来戦に向けた指揮統制改革:JADC2、AIDA、ABMS関連
「国防副長官がAIDA開始発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-23
「具現化第1弾でKC-46に中継ポッド」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
「3回目はアジア太平洋設定で」→https://holylandtokyo.com/2020/10/05/425/
「2回目のJADC2又はABMS試験演習」→https://holylandtokyo.com/2020/09/09/476/
「初の統合「連接」実験演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「今後の統合連接C2演習は」→https://holylandtokyo.com/2020/05/14/671/
「連接演習2回目と3回目は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-02
「国防長官も連接性を重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-09
「将来連接性を重視しアセット予算削減」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28

米海軍と海兵隊は我が道なのか
「米海軍の戦術ネットワークProject Overmatch」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-15
「米空軍の課題:他軍種はABMSに懐疑的」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-12
「陸軍と海兵隊F-35が情報共有演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-13
「統合にデータフォーマットの壁」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-12

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地域戦闘コマンドにJADC2を段階展開へ [米国防省高官]

国防副長官がAIDAイニシアチブを発表
各地に専門チームを派遣し、演習等を通じ煮詰める
具体的日程や細部については非公開も

Hicks6.jpg6月22日、Kathleen Hicks国防副長官が国防省AI Symposiumで、人工知能AIやデータ融合により作戦運用&意思決定支援を狙うJADC2構想推進のため、各地域戦闘コマンドに施策促進チームを派遣し、各コマンドの演習や訓練を同構想の沿って支援し、その教訓を束ねて全米軍にフィードバックするAIDAイニシアチブ(Artificial Intelligence and Data Acceleration Initiative)を開始すると語りました

これまでJADC2(Joint All-Domain Command and Control)は、各軍種司令部が主導(陸は「Project Convergence」、海は「Project Overmatch、空は「ABMS」として)して各軍種内で取り組んできましたが、それを統合作戦組織である地域コマンドに展開する点で、ついに本丸に国防省自身が動き始めたということです

Hicks4.jpg作戦運用の根幹や最新データ技術やAI技術に関わることですので、具体的な内容には触れていませんが、最近オースチン国防長官が国防省の「JADC2戦略(非公開)」を承認したようで、同戦略に沿って動き始めたということでしょう

ただし、統合参謀本部でJADC2を担当するJ-6のDennis Crall中将は本件に関し別の場で、国防省としてJADC2実現のために「何が不足しているか」を精査するギャップ分析を開始したと語り、「全ての必要な技術要素を活用しても、我々が目指すJADC2を遂行するには、なすべきことが長いリストとなって残されている」と表現し、先行きが容易ではないことを示唆しています

22日付C4ISRnet記事によればHicks国防副長官は
Hicks7.jpgAIを活用したデータ重視のJADC2構想を迅速に前進させるため、各地域コマンドに専門チームを派遣し、大量のデータを融合し、その中から必要なものを各級指揮官から前線兵士にまで迅速に提供するネットワーク確立させるAIDAイニシアチブを推進する
派遣された専門チームは、各地域コマンドにJADC2構想実現のひな型や実施要領を提供し、各コマンドが実施する演習や訓練を通じて、データ収集や収集データのAI分析を意思決定に有効活用できるようになるまで支援でし、そこでの教訓やノウハウを収集して国防省に持ち帰る

Hicks3.jpg国防省は各地域コマンドでのJADC2実施上の教訓やノウハウを集積し、特定コマンドの教訓を他コマンドにも生かせるよう情報共有を図る
また、各コマンドのJADC2構想関連演習や訓練の状況をいち早く入手し、特定コマンドで検証できなかったJADC2構想の部分を他コマンドの演習や訓練で検証させるなど、全コマンドを巻き込む形でコンセプトの成熟に取り組む

そして、究極的には、リアルタイムでセンサー等のデータ融合が可能で、そのデータに基づいて必要な指揮統制事項が自動的に提示され、更に情報システムに必要なISR指示提案ができるようなプラットフォームを生み出したい
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Hicks.jpg事柄の性質上、AIDAイニシアチブの具体的な日程や中身は非公開とされているようですが、各軍種が進めている陸の「Project Convergence」、海の「Project Overmatch、空の「ABMS」との関係が気になります

また、J-6のDennis Crall中将が「なすべきことが長いリストとなって残されている」と発言している点に関し、文民サイドによる取り組みアピール先行に対する「チクリ」が含まれているような気がしないでもありません

しばらく様子を見守りましょう。いつもですけど・・・

全ドメイン指揮統制連接実験演習:ABMS関連
「具現化第1弾でKC-46に中継ポッド」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
「3回目はアジア太平洋設定で」→https://holylandtokyo.com/2020/10/05/425/
「2回目のJADC2又はABMS試験演習」→https://holylandtokyo.com/2020/09/09/476/
「初の統合「連接」実験演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「今後の統合連接C2演習は」→https://holylandtokyo.com/2020/05/14/671/
「連接演習2回目と3回目は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-02
「国防長官も連接性を重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-09
「将来連接性を重視しアセット予算削減」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28

米海軍と海兵隊は我が道なのか
「米海軍の戦術ネットワークProject Overmatch」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-15
「米空軍の課題:他軍種はABMSに懐疑的」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-12
「陸軍と海兵隊F-35が情報共有演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-13
「統合にデータフォーマットの壁」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-12

実は米陸軍と空軍の2年計画は画期的だった
「米陸軍と空軍がJADC2コンセプト共同開発にゆるく合意」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-06

遠方攻撃を巡り米軍内に不協和音
「米空軍の課題:他軍種はABMSに懐疑的」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-12
「遠方攻撃をめぐり米空軍が陸海海兵隊を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-22
「米空軍トップも批判・誰の任務か?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-02
「海兵隊は2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06
「中国対処に海兵隊が戦車部隊廃止へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25

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海軍長官候補にキューバ移民の元イージス艦艦長 [米国防省高官]

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1歳でキューバから両親と共にNY移住し
海軍士官学校卒業後、22年間優秀な米海軍士官として勤務
退役後は海軍関連コンサル会社CEOとして実績
同企業が「2020 Small Business Success Story」賞受賞
ヒスパニックを代表する100名にも選出
StimsonセンターのBoardメンバーも

Del Toro.jpg11日、バイデン政権が海軍長官候補として上記のような経歴を持ち、海軍でも実業界でも実績のある60歳のキューバ移民のCarlos Del Toro氏を推挙しました。上院下院共にこの指名を歓迎しており、早めれば6月中にも新海軍長官が誕生するかもしれません

海軍長官ポストは、オバマ政権間はRay Mabus氏が8年間連続で務めましたが、トランプ政権4年間では、艦艇事故や空母でのコロナ大発生事案等もあり交代が相次ぎ、議会承認を得た長官が2名と臨時長官3名激しく後退する状態が続いていました

Bonhomme2.jpg最近の米海軍は、装備品開発では予算超過と開発期間超過、ついでに期待の性能発揮ができないケースが沿岸戦闘艦LCSやフォード級空母で連続し、部隊運用でも艦艇の衝突や火災事故が頻発、艦艇修理も補給処の根深い問題と予算不足で遅延が頻発、更にはシンガポール港湾業者による海軍士官へのワイロ事件などもあり、「何をやらしてもダメな米海軍」とのレッテルを議会や専門家から貼られる厳しい状況です

ついでに言えば、米海軍人トップの選考でも、ダントツの本命で期待の星と言われた人物が、就任直前に不適切な業務処理で候補から外れ退役となり、予想外の人物が現在の海軍人トップを務めているなど、負の話題が山積み状態です

そんな中ですが、単にバイデン政権が好きな多様性を理由のヒスパニック系押しとの理由だけでなく、米海軍士官としても、実業界での仕事ぶりでも立派な方のようですので、以下でご紹介しておきます

11日付Defense-News等によればCarlos Del Toro氏は
Del Toro2.jpg1961年キューバのハバナ生まれの60歳で、1歳の時にマンハッタンに両親とともに移住
1983年、海軍士官学校を電子工学の学位を取得して卒業し、水上艦艇担当士官のキャリアを開始。湾岸戦争に艦艇士官として参戦

中佐として、当時最新のイージス艦(Bulkeley)艦長を命じられ、進水、艤装、運用試験・実用試験全てを指揮しつつ、任務就航を果たす。同時に同イージス艦は女性を初めて受け入れる艦艇に指定され、艦内の様々な課題を整理解決して最初の道を開く
ペンタゴンでは国防長官室の事業評価分析部長補佐として、また米議会では予算管理部署の部長補佐として、更にホワイトハウスでは米海軍担当の法令戦略問題士官や研究員として勤務した経験を持つ

USS McCain.jpg米海軍で22年間勤務後、中佐を最後に退役し、艦艇建造や人工知能やサイバーや宇宙関連の事業提案やコンサルを行う「SBG Technology Solutions」を設立、その後17年間CEOや社長として経営の一線で活躍している
海軍退役後の活躍はヒスパニック系のローモデルとして広く知られ、同企業が「2020 Small Business Success Story」賞受賞するほか、ヒスパニックを代表する100名にも選出されたり等、多くの役職を務めており、日本の安保関係者が多くお世話になっているStimsonセンターのBoardメンバーも務めている

米海軍大学で国家安全保障修士号、ジョージタウン大学で法学修士、奥様とお子様4名、お孫さん1名
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NGAD Navy.jpg陸軍長官には女性で国防省の政策担当次官経験者のChristine Wormuthが既に議会承認を得ており、空軍長官も元調達&技術開発担当国防次官であるFrank Kendallが上院の最終投票を待つばかりの段階にあります

バイデン新政権誕生から約6か月、これまで政治任用者の承認でゴタゴタした話は聞きませんので、円滑に承認手順が進んでも各軍種長官が決まるまでに半年かかるということです。民主主義も大変です

米海軍の課題&問題の一端
「3大近代化事業から1つを選べ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-09
「第1艦隊復活を検討中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-20
「F-35搭載用強襲揚陸艦火災の衝撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-15
「コロナで艦長と海軍長官更迭の空母」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-27
「空母や艦艇修理の3/4が遅延」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-22
「空母フォード責任者更迭」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-08
「NGADの検討進まず」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-17
「米海軍トップ確定者が急きょ辞退退役へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-09

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米国防省EW室長が「Electronic Protection」超重視 [米国防省高官]

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電子妨害や電子情報収集より前に
通信やPNTやISRを機能させる根幹
これまであまりにも日陰者扱いだったが

Tremper.jpg最近米国防省の電子戦課長(director of electronic warfare for the Office of SOD)に就任したDave Tremper氏が、各所でこれまで無視又は日陰者扱いを受け、予算面でも「切りしろ」扱いされてきた「EP:Electronic Protection」分野の重要性を強調して回っていると話題になっています

「Electronic Protection」とは、敵の電磁波を使用した攻撃からISR、PNT(position, navigation and timing)や通信関連装備を守ることを意味し、Tremper氏が所掌する「electronic attack:電子攻撃」や「electronic support:電子戦のための電子情報収集」とは異なり、極めて重要な分野でありながら、ISRやPNTや通信担当部署がそれぞれの装備に対して個別に取り組んできたことから後回しにされている分野だと警鐘を鳴らしています

Electronic Protection3.jpgググってみると「EP:Electronic Protection」には他にも、味方の実施する電子戦の影響局限、周波数重複使用による障害の回避・対策、スペクトラム管理といった概念も含まれるようです

米国防省では最近、「Electronic Warfare:電子戦」との用語の使用を止め、「EMSO:Electromagnetic Spectrum Operations:電磁スペクトラム作戦」との用語を使用し、電子戦と電磁スペクトラム管理を組み合わせた包括的取り組みの必要性を強調することにしたようですが、EPを無視することで、レーダーやセンサーや通信機器開発関係者をEMSO議論から除外してしまっていると同課長は訴えています。

1日付C4ISRnet記事によれば
Electronic Protection2.jpgTremper氏は電子戦関係者の団体(Association of Old Crows)主催のサイバー電子戦総会で、「EPはこれまで多くの場合、予算制約や時間的制約を言い訳に予算をカットされ続けてきた。EPは最初にやるべきことなのに・・・」と語り、「EPは紛争のphase 0、つまりグレーゾーンでは影響を感じないが、紛争の初期段階で攻撃を受け初めて問題を認識する課題だ」と認識を新たにするよう訴えた
また「紛争直前のphase 0では課題を認識できないが、EP対処しておけば紛争緒戦でのリスクを緩和できるから必要なのだ」と説明した

Electronic Protection.jpgまた同課長は、ISRやPNTや通信装備を支えるレーダーやセンサーの残存性を高めるには、EPが不可欠であり、「EPがEMSOの一部として認知され実行されて、初めてEMSOが機能する」とも表現している
更に、「電子攻撃や電子戦のための情報収集、また電子スペクトラム管理ばかりに関心を向け、EPを除外していると、戦いを支えるレーダーやPNT装備や通信装備開発者を議論の外においてしまい、電磁スペクトラムの戦いにおいて優位を確保できない」とも語った

Electronic Protection4.jpgそしてTremper氏は、EPの重要性を主要幹部に理解してもらうための大規模な教育活動に取り組んでおり、従来「protection」と言えば航空アセットの防御を指すことが多かったが、これからはよりセンサー防御にも注目するよう働きかけている、と述べた

同課長は「It’s features, not systems(EPはシステムの防御でなく、機能の防御だ)」との言葉を多用し、EPの重要性を訴えている
例えば、国防省の電子戦関連の概念には、EPに全く触れていないコンセプトが存在しているが、国防省の主要幹部にこの問題を懸命に訴えているとも語っている。例えば「Counter Remote Controlled Improvised Explosive Device (RCIED) Electronic Warfare, or CREW」である
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20年間対テロに注力した結果として、忘れられ、余計な仕事(EW=Extra-Work)と扱われた電子戦、いやEMSOを本流に戻すには、一世代20年間は必要なのかもしれません。厳しい道のりです

大きな被害がない範囲で、皆が冷や汗をびっしょり流すような経験が必要かもしれませんねぇ・・・意識改革には・・・

EW関連の記事
「空軍トップが電子戦構想の方向を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-30
「米陸軍は2027年までに前線電子戦部隊整備」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-04
「国防省EW責任者が辞任」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-19
「ACC司令官が語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-19
「米空軍がサイバーとISRとEwを統合」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
「電子戦検討の状況は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-13
「エスコート方を早期導入へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27

「米空軍電子戦を荒野から」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

ロシアの電子戦に驚愕の米軍
「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

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米国防省監査官が省内のUFO対応を調査へ [米国防省高官]

法律が政府情報機関へのUFO報告を6月末に求める中
2020年4月に米海軍がUFOらしき画像公開後関心急上昇
中国の無人偵察機との懸念も大

UFO investigation.jpg3日、米国防省監察官が省内のUFOへの対処状況について調査・捜査(investigation)を開始すると発表しました。

発表メモは、「国防省がどの程度「未確認空中現象:unidentified aerial phenomena」に「has taken actions」しているかを評価する」としていますが、「監査の進捗で明らかになった結果を基に、その目的は柔軟に拡大や変化する」ともしており、秘密のベールに包まれた通称「UFO」に関する関心が急速に高まってることを感じさせます

一つの契機は、米海軍が各種UFO情報を公式報告させるフォーマットや報告要領を定め集めた情報を2020年4月に初公表し、訓練中の空母艦載機FA-18が目撃・撮影した3件のUFO(未確認飛行物体)映像(2004年11月と2015年1月2件)が公になったことです

UAP3.jpgそのほかにも、例えば2014~15年の間に米東海岸沖で空母艦載機がUFOと衝突直前にまで至った事象や、2004年に西海岸サンディエゴ沖で「腕時計型」の大型空中浮遊物体が目撃されている事象などが、米海軍内で公式報告されていると報じられているところです

これらを受け、2020年8月には当時のDavid Norquist国防副長官が「Unidentified Aerial Phenomena Task Force」を編成して国家安全保障上問題となる情報収集を開始し、また共和党ルビオ上院議員などの議員立法で2020年12月に成立した「2021年情報授権法」は、180日以内に国防省やFBIや関連情報機関にUFOやUAFに関するレポートをまとめて報告するよう命じました

背景には地球外に由来する未確認物体だけでなく、中国やロシアが開発する新技術由来の飛行物体の可能性も想定されていると言われています

4日付military.com記事によれば
Stone.jpg3日、米国防省監察官室はRandolph Stone監察官補(宇宙・情報・技術開発担当)が中心となり、「国防省がどの程度「未確認空中現象:unidentified aerial phenomena」に「has taken actions」しているかを評価する」ため、国防長官室、各軍種、メジャーコマンド、戦闘支援機関などを調査すると発表した
ただし、調査の範囲や対象は今後の監査の進捗で拡大する可能性があるとも発表メモは述べている

UFOに関しては、昨年8月に国防省自身が海軍が中心として、国家安全保障に影響する米軍兵士とUFOとの遭遇について調査を開始し、また2020年12月に成立した「2021 Intelligence Authorization Act」でも、180日以内に国家情報機関にUFO関連情報について報告するよう求めているところである
ただ、一般にはUFOと言えば地球外生物との関連を連想しがちであるが、今年4月に「The Drive」webサイトが報じたところによれば、UFOに関する調査の結果、これら未確認飛行物体の大部分が、米軍事力をスパイする目的をもったドローンや無人機だと結論付けられている模様である
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UAP2.jpg2020年12月成立の「2021年情報授権法」に含まれている「180日以内に報告せよ」指示への対応状況を「監査」するためなのか、今回発表の監査の目的が良くわかりませんが、「未確認飛行物体の大部分が、米軍事力をスパイする目的をもったドローンや無人機」であるならば、国防省としても大いにアピールすべきと考えますが・・

様々な取り組みが進んでいますので、数か月後には一部なりとも明らかになるであろう、調査や監査や報告書を楽しみにしておきましょう・・・

UFO関連の記事
「国防省等の米国情報機関が公式UFO報告書作成へ」→https://holylandtokyo.com/2021/01/07/293/
「英国防省:地球外生物ETは存在しそうもない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2013-06-22-1

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国防情報局長DIAが中露の脅威を語る [米国防省高官]

中国は2027年までに台湾強制併合可能な軍事レベルに
ロシアは資金資源インフラ不足の中、特定分野で特異な技術追求

Berrier DIA.jpg4月29日、国防情報局長DIAのScott Berrier陸軍中将が上院軍事委員会で中露の軍事脅威について証言し、中国が莫大な投資を背景に軍事力増強を加速させつつあり、約6年後には基礎的な軍事近代化を達成し、15年以内に最も破壊的な軍事能力新規導入に成功する可能性がある一方で、ロシアは資金資源インフラの制約を受け特定分野での軍事分野に注力する傾向が続くと主張しました

また非常に抽象的な表現で細部が不明ながら、全般には、今後20年間で、中国ロシア米国のいずれかが、戦いの性格を変えるような新たな兵器やコンセプトを持ち込むだろうとも証言しています

DIA.jpg中国が米国にとっての最も脅威となる国家で、その勢いが加速しているとの危機感を改めて強調するとともに、中国とロシアが共に宇宙ドメインでの能力を高めつつあり、またサイバー分野で米国社会全体に浸透しつつあり、コロナで混乱する社会問題に付け込む「information warfare」による世論誘導工作で、経済面や政治面で優位な環境を作為しているとも警告しています

4月末で退役したDavidson前インド太平洋軍司令官が3月上旬に、、6年以内に中国が台湾を力で統一する可能性があると議会で証言していましたが、この分析を事前に入手し引用していたのかもしれません。
以下では、中国とロシアに分け、同中将の証言をご紹介します

4月30日付米空軍協会web記事によれば
DIA局長は中国について
Berrier DIA3j.jpg中国は「全政府機関を上げての体制」で軍事力強化に取り組んでおり、「軍民融合military-civil-fusion」により、意図的に民間と軍事技術の境目をあいまいにしてより多くの投資を可能にしており、これが米国の技術優位への最大の脅威である
既に多くの研究分野で、米国と「同レベルかそれに近いレベルを達成」しており、特に「57分野に照準を定め」、米軍事技術を追い越して劣勢な立場に追いやる勢いである

まもなく中国は、中国本土から米軍や同盟国軍を脅威下に置くことが可能となり、戦力投射力も並行して強化している。結果、2027年までに台湾武力併合等を可能とする地域の短期紛争に勝利する能力と、併せて第3者の介入を阻止・抑止するだけの能力を獲得し、2050年までに世界を支配する軍事力を獲得する計画実現に向かっている
中国の軍事力進展を示す事例として、インドとの国境で緊張が高まっている時に、最新のJ-20ステルス攻撃機を国境地域に展開させた

DIA2.jpgまた中国は世界が注目する将来技術分野で世界をリードしており、人工知能AI、高速計算機、量子計算機、バイオ技術、先進ロボットでも世界の主導的立場にある。そしてこれら立場の獲得には、「合法と非合法の手段による海外技術獲得があり、これにより多くの科学分野で現在の地位を確保している
なお中国は、約6か月前に核兵器政策を変更し、核兵器運搬手段を現在の約200から400に倍増することを決定した模様で、加速度的に変化を進めている

このような中国の取り組みにより、中国は米国の技術優位に対する最大の脅威となる可能性が高く、情報コミュニティはこれをとらえて3年前から中国を「pacing threat着実に歩調を進める米軍事力に対する脅威」と表現している

DIA局長はロシアについて
ロシアは膨大な軍需産業群を抱えているが、ロシア独自に先進的な開拓を進めるのではなく、目標と定めた米国やその同盟国が優位にある特定分野で、対抗、対処、優位排除戦力を執ってい
Berrier DIA2j.jpgロシアは大量の兵器生産が可能な態勢にあり、先進技術分野での国産化を進めようとしているが、先進兵器を支えるハイテク部品を製造する下請部門の資金や資源不足、インフラ問題が足かせとなっている

このような通常兵器やIT技術の弱点を相殺するため、ロシアは他国には見られない形で核兵器活用の依存度を高めている。例えば、水中核爆発で津波を発生させて敵国沿岸部に破壊被害を与える兵器の開発追求などであり、この傾向は今後も続くと考えられる

中露共通
中国とロシアはともに、宇宙や対宇宙分野に注力しており、米国のインフラへの影響力を強める形でサイバー空間での活動も増加させている。また両国はコロナパンデミックの機会をとらえ、西側政府や同盟国を情報戦で攻撃して弱体させようとし、経済的政治的利益を得ようとしている
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「2027年までに台湾武力併合等を可能とする地域の短期紛争に勝利する能力と、第3者の介入を阻止・抑止するだけの能力を獲得」と分析されていますが、2027年まで体制整備に時間が必要な分野とはどこでしょうか?

直上陸輸送力、空中給油能力、長射程対艦ミサイルや同ミサイル搭載大型機の開発、洋上目標のターゲティング能力、西太平洋の島々に分散する米軍状況のISR能力などなどでしょうか? 

関連の記事
「フロノイ氏が今こそ語る中国抑止策」→https://holylandtokyo.com/2021/04/05/99/
「中国は6年以内に台湾併合」→https://holylandtokyo.com/2021/03/19/165/
「必要な国防政策を語る」→https://holylandtokyo.com/2020/08/17/526/
「米議会で中国抑止を議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-17
「太平洋軍司令官が追加要望事項レポート」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-03

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米欧州軍が最高度の警戒態勢:露軍がウ国境に兵力増強 [米国防省高官]

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4月13日には、バイデンとプーチン大統領が電話会談
(近く、両首脳の直接会談をセットで合意とか)
ロシア軍8万人が国境付近集結とウクライナ情報
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米軍トップがロシアとウクライナ軍と意思疎通図る
ロシア軍の演習だろうとの見方もあるが・・・

Kirby2.jpg3月31日、John Kirby米国防省報道官が記者会見で、ロシア軍がクリミア半島付近のウクライナ国境に戦闘車両や兵器システムを増強しており、米軍人トップのMark Milley統合参謀本部議長が、ロシア軍とウクライナ軍のカウンターパートと連絡を取って状況確認と情報収集にあたっていると語りました

米メディア(NYT誌電子版など)は、先週から欧州米軍の当該地域担当部隊が警戒レベルを最高度に引き上げ、監視体制や情報収集体制を強化していると報じている一方で、米国高官が軍事演習の準備だろうと語った等の報道も出ており実態がわかりませんが、米国がコロナや政権交代途中で万全ではない状態で、ロシアや中国にとってチャンスと見えるタイミングですので要注意のためご紹介します

同じタイミングで、ロシア軍は北極海やアラスカ周辺で大型偵察機を繰り出し、米軍やNATO軍が10回以上のスクランブル発進で対応する事案も発生しており、気になる動きです

3月31日付米空軍協会web記事によれば
crimia.jpgJohn Kirby米国防省報道官(元海軍少将・海軍でも報道担当)はロシア軍がクリミア付近のウクライナ国境周辺に軍備増強している件について、3月31日にMilley統合参謀本部議長がロシア軍とウクライナ軍トップに連絡を取り、状況確認を開始したと明らかにした
同報道官は、「ロシア側との接触は始まったばかりである。直接ロシア側に何が起こっているかを確認するため」であり、ロシア勢力のこれ以上のウクライナへの侵入を防止するためでもあると語った

ロシア側高官は「軍事対峙のエスカレーションがみられる」と表現したと伝えられているが、米CBSニュースは米側高官が「軍事演習の準備だろう」と語ったとも報じている
NYT紙は、先週から欧州米軍が地域担当部隊の警戒態勢を最高レベルに引き上げたと報じている

Kirby.jpg同報道官はまた、欧州米軍のTod Wolters司令官が潜在的な脅威を懸念していると語り、この警戒態勢アップにより、欧州米軍の脅威情報収集を強化し、各級指揮官の状況判断を適切にできると説明した
また、そこに注視して監視するに値する対象が存在する、とも表現した
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「杞憂」であることを祈りますし、米国防省が「ロシアの脅威を忘れるな」と訴え、予算獲得の「追い風」に利用しているのかもしれませんが、ロシアやソ連の前科を見ると、心配になります

crimia2.jpgJohn Kirby氏の姿を見るのは何年ぶりでしょうか・・・。このような形で安保や軍事分野を専門にする報道対応のプロが、日本でも望まれるのでしょう。男性女性関係なく、有能な人材の登用が望まれます

表面上だけでも、静かな週末を祈ります

ロシア関連の記事
「露軍がスーダンで海軍拠点確保」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-14
「セルビアが危ない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-03-10-2
「ベラルーシ大演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-11-23
「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

John Kirby米国防省報道官(海軍少将)関連
「マケイン議員が報道官に激怒」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-24
「国防省がHumint強化へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-27

ゲーツ長官とメディア
「最後の記者会見でプレスを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-17-2
「他国はなぜ米国と付き合うか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-02

報道やSNS上に流布する情報を見る上の参考に
新書「ドキュメント誘導工作」をご紹介
米大統領選挙や英国EU離脱国民投票での報道やSNSでの有権者誘導工作など、豊富な事例と専門家説明で平易に解説
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-22-1

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予想:米国防省2022年度予算案は横ばい実質2%削減か [米国防省高官]

新政権特有の遅れで5月初めに正式公表見込みも
リベラル派削減派とタカ派増強派の双方が反発姿勢

Pentagon Budget.jpg10日付Defense-Newsは前日のブルームバーグ報道等を基に専門家の意見も交え、国防省の2022年度予算(今年10月1日から)案の額が、2021年度予算705 billionに対し、704~708 billion(約75兆円)の横ばいレベルで煮詰められており、物価上場分を考えると実質的には2%程度の削減になろうと紹介しています

そして、実質の削減部分は、装備品の調達や研究開発分野の削減でカバーされるだろうとの推測を紹介し、この分野の2021年度予算額247 billionや、トランプ政権時の2022年度要求案243billionより少ない、227 billion(約25兆円)程度になるだろうと報じています

Pentagon Budget4.jpg通常は今頃の時期に公開される次年度政府予算案ですが、政権交代時は遅れるのが通例で、5月初めになるのではと言われていますが、コロナの影響で国内に直面する米国内では、民主党リベラル派が国防費大幅削減を訴え、議会で勢力が拮抗する共和党サイドが2-3%の増額を強く要求する激論の中、バイデン政権は国防費の削減はとりあえず避けるシグナルを米議会に出しているようで、落としどころを探っている印象です

ただし、国防省の予算編成実務を掌握するKathleen Hicks国防副長官は、就任時に海軍艦艇建造計画や核兵器の近代化などのカギとなる分野に集中してレビューすると発言しており、「装備品の調達や研究開発分野の削減」が関連部分に影響するとも考えられます

2021 NSSG.jpgまた、3月3日にバイデン大統領が「当面の国家安全保障戦略ガイダンス:Interim National Security Strategic Guidance」を発表し、その中で「不要なレガシー装備や兵器システム重視の姿勢からシフトし、将来の軍事や国家安全保障上の優位を確保するための最新技術や能力への投資に資源を投入する方向に変える。最新技術導入における、開発、試験、調達、部隊配備等のプロセスの円滑化を図る」とも述べており、この方針に沿った予算案が出てくると予想されます

10日付Defense-News記事によれば
専門家の一人は「バイデン政権が米議会に、国防費の削減は望まないとのシグナルを出していたラインと一致しており、諸般の情勢を考慮すれば妥当でポジティブな数字だと理解すべきだろう。リベラル派とタカ派の双方から反対の声が上がるだろうが、恐らく落ち着きどころとして妥当な数字だ」とコメントしている
Pentagon Budget2.jpg装備調達や研究開発費が前年より削減と見積もった別の専門家は、「国防省は、次期戦略原潜コロンビア級、B-21爆撃機、次期ICBM、F-35量産、陸軍近代化計画など主要装備品の調達額を増額要求するだろうが、研究開発費と合わせて、(新政権は)この部分で削減を見出すだろう」と述べている

10日に発表したレポートでリベラル系シンクタンクCPAは、国防予算を700 billionに抑え、F-35調達抑制やフォード級空母予算削減などを要求している。8日にブリッキングスで講演したAdam Smith下院軍事委員長も「3-5%増を要求する根拠が理解できない」、「過去20年間の国防調達は完全な大惨事レベルにでたらめだ」、「中国の軍事増強を前に大騒ぎするだけでなく、中国抑止のトータルなアプローチが必要だ」と訴えていたところである
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Pentagon Budget3.jpg共和党関係者が国防省幹部が毎年3-5%増額を主張してバイデン大統領にレターを送る一方で、Smith下院軍事委員長(民主党)のように「F-35への投資は金をどぶに捨てるようなもの」と厳しく批判し、併せてフォード級空母への投資削減等々を訴えるなど、論争は過熱しています

記事が予想している5月初めの2022年度米国政府予算案公表までに、米国の経済状況や国際情勢の動きで当然上記数字の動きもあるでしょうが、現時点での落ち着きどころの数字はこのレベルだということです

国防予算を巡る関連記事
「Hicks国防副長官の考え方」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-03
「バイデン政権で国防政策はどう変わるのか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-09
「辛らつな下院軍事委員長のF-35評」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06

「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10
「次期ICBMを巡る激論:延命は不可」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-07

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国防副長官候補の女性が政策方針を語る [米国防省高官]

議会承認に何の問題もないと評判の元政策担当次官
国防省業務移行チーム長だったKathleen Hicks女史
出勤初日から「即戦力」の呼び声高く

Hicks5.jpg2日、国防副長官候補のKathleen Hicks元政策担当国防次官が、議会承認を得るため上院軍事委員会ヒアリングに臨み、3時間以上に渡り重鎮議員からの広範な質問に対応しましが、予想されていたように極めてスムーズな対応で、「光速で承認されるだろう」「出勤第1日目から即戦力」とメディアは予想しています

Kathleen Hicks女史は、1996年から2006年の間に最初のペンタゴン勤務を経験し、その後2009年までCSISで国防関係研究に従事し、2009年から戦略計画担当国防次官、2021年から政策担当国防次官を務めました。2013年に退任後も複数の米議会評議会のメンバーを務めつつ、同時にCSISの研究員として活躍し、直近ではバイデン政権の国防省業務移行チーム長を務めていた実力派です

Hicks.jpg国防副長官に就任が認められれば、女性として初めて正式な国防副長官(Christine Fox女史が2013-14年に臨時副長官)が誕生しますし、実務面で国防省を引っ張ると言われる人物ですので、議会での発言からDefense-Newsが注目した発言をご紹介しておきます

2日付Defense-News記事によればHicks女史は上院で
厳しい予算配分や運用について
Hicks4.jpg--- 良くて現状維持と言われる予算状況の中、部隊装備や規模拡大が望めないと米軍内が沈滞することを防止するため、統合戦力発揮に資することを大前提に、士官の昇任枠などインセンティブには配慮し、部隊の活力を維持したい
--- また4軍への予算配分については、既得権益にとらわれず、良いアイディアを出した軍種予算を守る方針で臨みたい。また米空軍予算内ながら、実質は他政府機関に流れる部分については、空軍の主張にも耳を傾けて対応したい

米海軍の艦艇建造計画
--- トランプ政権時代にまとめられた艦艇建造計画については、大きな方向性は間違いないし、自立性自動化の導入加速、戦力の分散運用追求、現在より小型の水上艦艇指向などについては同意する
--- 一方で、艦艇建造数については、その算定根拠や見積もり手法の精査が必要と考えている。米海軍指導部の体制を早期に固め、バイデン政権のプランをまとめる

同盟国への国防費増額要求
Hicks3.jpg--- (トランプ大統領がNATOや韓国や日本に対し、国防支出を増やすように強硬に求めた件に関し、)米国は常に負担の共有を訴え、同盟国にはそのコミットメントを果たすよう求めてきたが、大きな同盟の戦略的価値を戦術的な問題が上回ることはあり得る(tactical issue that overrides the strategic value of the alliances)し、非戦略的なこともあり得
--- 同盟国に求めるコミットメントの意味を戦略的に考えるべきだ。時には支出を通じてであろうし、国防支出を通じてだろう。しかし時にはそれが他の手段であることも考えられる。コミットメントについて戦略的に考える必要がある

レイセンオン社関連案件にオースチン国防長官が関与不可
--- 国防長官就任以前にレイセオン社の役員であったオースチン国防長官は、国防長官として同社関連の案件には一切関与できないことから、国防省にとっての大きな案件である核兵器近代化事業の次期ICBMのGBSD計画やLRSO(核搭載巡航ミサイル)計画は、他のミサイル防衛システム関連事業と合わせ、副長官が一切を取り仕切ることになる。(提出書面でこの任をHicks女史が負うと説明している)

核兵器の近代化事業について
Hicks2.jpg--- 核兵器の近代化全般には賛成だが、個々の事業についての姿勢を示さなかったオースチン長官と同様に、全ての核兵器近代化プログラムを支持するとまでは言及しなかった。特に前述のGBSDやLRSOに対して民主党内や非拡散推進派から強い反対論があることを踏まえた姿勢とみられる
--- 核抑止の3本柱は良く機能しており、安定に寄与しているが、(バイデン政権が出すと言われている)「核兵器先制不使用」宣言は、高いレベルでの判断である。また核兵器の近代化等は「予算」からではなく、戦略に基づき決定されるべき
--- バイデン政権下で新たにNPR(核体制見直し)を国防省が行う。本件に関し専門家は、低出力核弾頭導入を求めたトランプ政権時のNPRとは、幾つかの点で異なった方向性を示すと見ている

政権移行作業の遅れと2022年度予算
--- (大統領選挙結果をトランプ前大統領がなかなか受け入れなかったことで、一部の前政権関係者が業務引継ぎ作業を妨げたと言われている件に関し、)一部の者が政権移行業務を難しくした。その結果として2022年度予算案の提出が遅れる可能性がある
--- 前政権が作業した2022年度案に初めて目を通したのが1月末だった。この遅れにより春には議会に提出するはずの予算編成作業が、通常より遅れる可能性があることに関し、米議会皆様にはご理解いただきたい
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Hicks6.jpgレイセオン関連の案件を全てHicks女史が仕切ることになる影響の大きさを改めて認識しました。ミサイルや誘導兵器のほとんどにレイセオンは関係しているしょうから、国防長官が参加する会議の仕分けだけでも大変そうです

日本では全く見かけない雰囲気の、とても聡明そうな方ですので期待いたしましょう。きれいな方ですね!

米海軍の関連記事
「米国防長官が米海軍体制検討のさわりを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-18-1
「21年初に本格無人システム演習を太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10-1 
「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10

GBSD関連の記事
バイデン政権関係者やシンクタンクのICBMミニットマンⅢの延命措置提言に、米戦略軍司令官が真っ向反論
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-07

同盟国に国防支出増を強行要求
「日本などにも2%要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-19
「国防長官が1.2万名削減計画を発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-30
「独駐留米軍を1万人削減へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-16
「基地勤務の韓国人5千名レイオフ開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-01

昨年の大統領選挙直後の予想記事
「バイデン政権で国防政策はどう変わるのか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-09
オースチン国防長官のご紹介記事
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-23

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電波高度計への5G干渉問題:まず影響確認実地試験を [米国防省高官]

政府は12月からの電波オークションで既に巨額の応札を
後戻り困難と判断し、国防省は影響局限策追求か

Burke 5G.jpg21日付Defense-Newsは、米連邦通信委員会FCCが昨年12月から開始した「5G」企業への「Cバンド:3.7–3.98 GHz」の電波オークションについて、5G通信企業がCバンドを使用することで民間航空機や軍用機の電波高度計に干渉が起きて飛行安全上の問題となる恐れが指摘されている中でも、国防省はFCCのオークションを中止させるのではなく、まず影響の確認と対策検討に集中する姿勢だと報じています

この件に関しては、オークション対象の周波数帯に近い「4.2〜4.4 GHz」帯を長年使用する電波高度計に狂いが生じる恐れがあると、民間航空関係団体で構成するRTCAが昨年10月の報告書で指摘したにもかかわらず、「5G」企業への「Cバンド:3.7–3.98 GHz」売却オークションをFCCが強行したことで大問題となり、米国防省も12月21日にFAAや国土安全保障省や電波高度計メーカーを読んで検討会を開くなど対応を協議していたところでした

Ligado7.jpg一方で12月8日開始の電波オークションには、5G進出を狙う通信企業が殺到し、1月15日現在で既に電波オークション史上最高の8兆円以上の応募があり、これをひっくり返すのは事実上困難な状況に立ち立っているようです

民間航空会社や連邦航空局FAAは昨年10月に干渉の恐れをレポートにまとめていますが、軍用機への影響については「試験環境が整っていない」等の理由で整理されておらず、FCCに反論するにも明確な根拠がないのが国防省の現状でもあり、慎重な姿勢のようです

ただ、米軍から「GPS干渉の恐れがある」と大反対されながらも、5G企業への衛星通信用電波売却を強行したFCC(まだ揉めてます)ですが、政権交代と共に委員長も交代することになり、各方面から相当な反発を受けているようでもあり、今後の動向が注目されますので、状況をご紹介しておきます

21日付Defense-News記事によれば
Burke1.jpg7日のインタビューで国防省の航空サイバー特別チーム(interagency Aviation Cyber Initiative Task Force)のリーダーであるAlan Burke氏は、国防省はFCCのCバンドオークションを中止させる方向ではなく、全米の都市を中心に今後構成される5Gネットワーク網が、軍用機の電波高度計に与える影響をまず確認し、その影響を局限する策を検討することにまず焦点を当てると語った
具体的には「大都市圏への5G展開を遅延させるべきではなく、航空業界が(電波高度計の)保護対策を強化するまでの間の影響局限策や技術開発を急ぐべきだ」と表現した

トランプ政権下で進められた5G普及計画下で進められたオークションでは、「Cバンド:3.7–3.98 GHz」の5000以上のライセンスが対象とされ、オークションの第一段階で既に史上最高額となる8兆円以上の応札となっている
一方で退任するFCC委員長Ajit Pai氏は声明を出し、「FCCは本オークションに関し、多くの技術的、法的、政治的問題に直面している」、「計画を遅らせることは容易だが、我々はあるべき方向に前進を続け、全ての障害を克服する。その結果として米国は5G分野での指導的立場を確保し、5Gの恩恵を米国が迅速に享受できるようになる」との意思を示している

Ligado5.jpg12月21日に国防省が主催し、国土安全保障省やFAAや高度計企業Honeywell(RTCAレポートにも参加)を交えて行われた検討会では、軍用機への影響について更なる実地試験の必要性が指摘されており、国防省のBurke検討チーム長は、喫緊の問題は実地試験に必要な試験場を確保することだと語っている
また同チーム長は「FCCとの交渉力を確保するために、我々の主張を裏付ける実地試験でのデータが欠かせない」と訴え、「省庁間や関係機関の間の協力体制を構築するべく協議を行っていおる」と説明した

軍用機の中でも、輸送機や空中給油機が計器飛行着陸で電波高度計への依存度が高く、5G通信の影響を受ける恐れがあるが、軍用の電波高度計はある程度の電波干渉防御機能を備えており、その能力発揮の程度に関心が集まっている
仮に防御機能にもかかわらず5G干渉が避けられない場合には、空港周辺に離着陸に影響を与えない「5G信号排除ゾーン」を設けて航空機の安全を確保する案などを並行して国防省は検討している模様

FCC 5G.jpgまた高度計の改修案としては、使用する「4.2〜4.4 GHz」帯以外を電波フィルターで排除する案があるが、政府関係者からは、それにより高度計の誤差が大きくなる恐れも指摘されている
国防省では、将来的には5G通信ネットワークが都市周辺で構築されることを前提とした、新たな工業規格(new industrial standards)を国として定め、5G環境の干渉に強い高度計を普及させる方向が望ましいとの意見も出ている
/////////////////////////////////////////////////

5G関連では、サイバー安全保障上の懸念がある中国企業の排除進める一方で、技術面や価格面で遅れている西側及び米国企業の5G開発を促進して「穴埋め」をする必要に西側諸国は迫られており、西側企業を応援することに西側各国政府は必死です

FCC 5G3.jpgトランプ政権下のFCCは、この流れで強硬に電波の優先使用を5G企業に与えるべく動いたと想像されますが、バイデン政権の新しいFCC委員長がどのようなかじ取りをするのかに注目です

FCCの「干渉が生ずるとの根拠はない。既得権の乱用だ」主張と、FAAや民間航空会社の「干渉の恐れがある」主張のどちらに分があるのか、技術的な知識やデータを把握していないのでコメントが難しいのですが、世界中で出そうな問題でもありますのでご紹介いたしました

5Gと電波高度計環境問題
「5G企業へのCバンド売却で電波高度計に懸念」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-22

5GのGPS信号への干渉問題
「炎上中:5G企業へのGPS近傍電波使用許可」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-14
「5G企業に国防省大反対の周波数使用許可へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-11
「米議会でも国防省使用の周波数議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-05
「ファーウェイ5G使用は米国との関係に障害」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-17
「軍事レーダーの干渉確認」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-05
「5G企業とGPS関係者がLバンド電波巡り激突中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-22-2
「戦略コマンドが5Gとの電波争奪に懸念」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-27

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軍需産業との機密情報共有拡大に踏み出す [米国防省高官]

Lord次官最後のお仕事です
対象企業名や数は非公開ながら
もしかして軍需産業からの撤退の脅しに屈したか?

Lord.jpg4日付米空軍協会web記事は、昨年12月15日付でLord調達担当国防次官が関係企業に対し、過去数年間「pilot initiative」として取り組んできた特定企業グループとの機密情報共有拡大で兵器・装備開発を円滑にする「SAP:special-access programs」を、公式にスタートすると通知したと報じています

このSAPは、特定の兵器&装備開発にかかわる企業に、従来限定的にしか開示してこなかった担当装備品の全体像や関連装備品開発状況や関連技術を、より広範にアクセスを強化することで、各企業が持つ知見や関連技術を装備品開発に取り込もうとする狙いを持った取り組みです

Lord3.jpg秘密情報漏洩が心配されるところですが、そこは管理体制を強化するとの姿勢を示すことで目をつぶり、兵器&装備開発に国防省外部の力を呼び込もうとの狙いを先行させた施策と理解いたしまし

事柄の性質上、具体的な対象装備や関連企業名が一切明らかにされないSAPの公式スタートですが、中国に後れを取ってはならないとの必死な米国防省の取り組みの一つですので、ご紹介しておきます

4日付米空軍協会web記事によれば
Lord4.jpg12月15日付の軍需産業界へのメモでLord次官は、「世界が大国間の紛争に備える環境に戻りつつある中、国防省は国家安全保障上の課題により迅速にかつ費用対効果良く対応するため、軍需産業界との関係を強化しなければならない
一方で同時に、急速に最新技術の拡散が進む新たな現象がみられる中で、米国の技術的優位を守るため、技術情報保護のレベルを高める必要もある。この重要情報保護と緊要な情報の共有との両立を目指すSAPは、前線兵士に最新技術を組み込んだ兵器や装備を迅速に届ける上で極めて重要な意味を持つ」とその狙いを語っている

●メモによればSAPは4つの目標を掲げている
--- 企業に、彼らが取り組む事業に関するより高い透明性をSAPを通じて提供しすることで、各企業が担当分野に他の知見や手法を導入することを容易にし、技術開発と費用対効果を改善する
--- 企業に、関連している他企業とのつながりに関する基礎的情報を提供し、当該企業が開発目標を設定しやすくすることで国防システムの開発に資する
Lord2.jpg--- 秘密情報を保護するために、関連企業の情報管理スタッフに必要な情報へのアクセス権を認める
--- 企業の管理者たちにSAPへのアクセスを認めることで、企業の責務遂行を促進する
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恐らく企業側から、新技術開発における官製事業の比重が益々低くなり、国防に協力することで得られるメリットが小さくなりつつあるのだから、せめて少しでも「秘密情報」に接する機会を増やしてくれないと事業から撤退する・・・等の脅しを受けているのかもしれません

同時に、「Give contractors’ security staff the access they need to protect classified information」(秘密情報を保護するために、関連企業の情報管理スタッフに必要な情報へのアクセス権を認める)との表現など、アクセス権拡大に伴う「情報保護」強化の対策が良くわかりませんが、情報漏洩のリスクを冒してでも、開発を費用対効果良く推進したいとの強い思いがあるのでしょう

特に西側の産業界は軍需産業の引き留めが難しくなりつつあり、米国以外でもこのような動きが進むのかもしれません。でも、くれぐれも中国やロシアへの情報流出にはご注意いただきたいものです

Lord次官関連記事
「中国製部品排除に時間的猶予を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15
「半年以内に武器輸出制限を緩和したい」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-18
「中国資本の米企業への接近警戒」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-02
「サイバー攻撃停電に備えミニ原発開発中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-07
「レアアース確保に米国が大統領令」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-03

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米国防省が小型無人機対処戦略を発表 [米国防省高官]

国防省のJCO:Joint Counter-sUAS officeが作成
情報収集、防御体制確立、他との協力体制構築の3本柱で

CUAS3.jpg7日、米国防省が小型無人機対処戦略(Counter-Small Unmanned Aircraft Systems Strategy)を発表し、「体制整備&情報収集分析」、「防御体制確立」、「他との協力体制構築」の3本柱で取り組みを加速すると明らかにしています。担当は国防省のJCO(Joint Counter-sUAS office)で、リーダーを米陸軍のSean A. Gainey少将が務めています

背景には、急速に普及・拡散が進む無人機技術とその脅威に対処するため、各軍種各部隊がバラバラに様々な対処装備を次々と導入して「無駄」や「重複」や「混乱」が生じているとの危機感があり、調達担当次官が無人機対処兵器を数種類に絞り込みたいと昨年秋に発言するまでに至っていた事態があります

CUAS.jpg装備の絞り込みだけでなく、運用ドクトリンや運用や訓練手法なども統合レベルで統一した基準を示し、米軍として一体的な取り組みを推進することも本戦略の重要な狙いとなっています。また指揮統制システムや既存システムとの連携も重要な課題で、報道では、最も進んだTHAAD指揮統制システムとの連接が極めて重要とのGainey少将の発言も紹介されており、広がりの大きな事業であることを伺わせます

更に、無人機対処と言っても海外展開拠点の防御から国内基地の警備まで対処環境は様々で、同盟国と協力した海外敵対勢力の無人機脅威分析から、米連邦航空局と連携した米国内で使用される小型無人機の把握などまで、多様なことを考える必要のある大きな課題で、加えて同戦略は「国内技術開発への投資政策」や「対処装備の海外への売込み」までを視野において記述されており、中身「山盛り」感のあるものとなっています

昨年末の記事で、アゼルバイジャンとアルメニアの紛争で、前者が攻撃型無人機で後者を圧倒し、ロシア製最新兵器を粉砕して世界の軍事関係者に「ついに現実になったか・・・」との衝撃が走っているとご紹介しましたが、米国防省も遅ればせながら本格的に動き出した形です

CUAS2.jpg1月中に本戦略遂行のための具体的なロードマップ計画が示されるようで、その中に4月にYumaの陸軍試験場で陸空軍が協力して行う「複数の企業提案対処装備の評価実験」も含まれており、既選定済の海兵隊採用車両搭載型「Light-Mobile Air Defense Integrated System」や、Bal Chatri社製の手持ち兵器「DronebusterとSmart Shooter」に続く対処装備の選定が行われるようです

本戦略の背景や概要をご紹介しましたが、以下では戦略の3本柱である「情報収集分析:Ready the force」、「防御体制確立:defend the force」、「他との協力体制構築:build the team」の3本柱(Ready the force, defend the force and build the team)について、つまみ食いでご紹介します

7日付Defense-News記事によれば

●To prepare the force
--- 脅威分析のため、現在と将来の脅威情報収集と分析体制を確立し、具体的な情報要求や収集優先順位を設定する
--- 無人機対処技術開発のため、科学技術投資先の見極め評価基準を統制し、この活動を米本土内だけでなく、同盟国との間でも行う必要がある
--- これらを推進するため情報共有枠組みを構築する必要があり、標準化されたインターフェースや相互運用性のある仕組みが求められる。企業が提案する防御装備の評価や審査に関する評価標準も必要となる

●To defend the force
--- 平時から大規模紛争時までをカバーする作戦運用ドクトリンやコンセプト開発が必須で、装備品、訓練、政策、運用管理組織を有機的に束ねる必要がある
--- またこのドクトリンやコンセプトは投資選択の基準としても重要で、一連の対処装備をファミリーとして整備していく上での基礎ともなる

●To build a team
--- 米国内だけでなく同盟国やパートナー国を含めた作戦運用協力や技術開発協力が重要である。特に最新技術を導入するために、新たなパートナーをひきつけなければならない
--- 多様な協力関係を構築するための民間機関との協力合意形成や、法執行機関や展開先ホスト国との協力体制や共通手順の作成が重要となる
--- 作戦運用や情報収集面だけでなく、必要な装備品の売却や提供の円滑化迅速化を図る必要もある
////////////////////////////////////////////////////////////

ちなみに本戦略では、「小型無人機」の重量25㎏以下(55ポンド)のものを「小型」と定義しているようです

CUAS4.jpg小型無人機の運用に関しては、米国内でも諸外国でも法体系の整備が「道半ば」「日々変化中」で、米国防省の対応も大変そうです

5日の週には、米連邦航空局FAAが小型ドローンの登録制度を強化(?)し、米軍基地周辺を飛行する小型無人機の識別や対処に有用な情報が得られやすくなるようですが、たとえ悪意のない小型無人機であっても無害であるとは限らず、平時の対応は法執行機関との調整を必要とします

これが海外の展開先ともなれば一層困難です。在基地米軍基地周辺を小型ドローンが飛行していたとして、国土交通省のwebサイト上に識別や対処に必要な情報が公開されているかと言えば心もとない限りでしょうし、迎撃兵器を使用すれば周辺住宅への落下被害の恐れもあり・・・・複雑です

この戦略関連で様々な報道や情報が提供されており、まとまりのないご紹介となりましたが、それだけ差し迫った「Clear and Present Danger」だということです

米国防省の小型無人機対処戦略(1月7日)
Counter-Small Unmanned Aircraft Systems Strategy
→ https://media.defense.gov/2021/Jan/07/2002561080/-1/-1/1/DEPARTMENT-OF-DEFENSE-COUNTER-SMALL-UNMANNED-AIRCRAFT-SYSTEMS-STRATEGY.PDF

世界の軍事関係者に衝撃
「攻撃無人機でアゼルバイジャン圧勝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-21

無人機対処にレーザーや電磁波
「小型ドローン対策に最新技術情報収集」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-20-1
「米海兵隊の非公式マニュアル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-31
「ドローン対処を3-5種類に絞り込む」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-14
「米軍のエネルギー兵器が続々成熟中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-30-1
「米空軍が無人機撃退用の電磁波兵器を試験投入へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-27
「米陸軍が50KW防空レーザー兵器契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-05
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24

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米空軍に海軍戦術核を補完する追加戦術核は必要ない [米国防省高官]

米国防省の核戦略担当次官補代理が語る
B61-12でOK、後は潜水艦発射W76-2弾頭で!?

Soofer.jpg3か月前の9月2日、米空軍協会ミッチェル研究所主催のオンラインイベントに登場した米国防省のRobert Soofer核戦略担当次官補代理が「米空軍は既に核兵器運用や核抑止に関して十分なシェアの役割を果たしており、空軍に核に関してこれ以上お願いする必要性はないと考える」と語りました

実際米空軍は、ICBMミニットマンⅢをN-グラマン社「Ground-Based Strategic Deterrent」への2020年代後半更新に着手し、2020年代半ば運用開始のB-21ステルス爆撃機の開発を進め、核搭載も狙う巡航ミサイルLRSOを2026年配備に向け開発中で、更に戦術核爆弾B61の後継B61-12(20キロトン以下)を2022-25年の間で調達する予定の大忙し状態です

B61-12 2.jpgただ本音としては、欧州諸国にも保管をお願いしている現有の戦術核は政治的意味合いもあり機種更新して現状維持も、ロシアや中国の強固な防空網や攻撃能力を考えると、米空軍航空アセットからの戦術核投射リスクは高まるばかりで、代わりに2019年末に配備が始まった潜水艦搭載戦術核弾頭「W76-2 弾頭」(5キロトン)に期待するとの意味を込めた発言だと思います

以下では、同次官補の発言とあわせ、通常戦と核戦争の区分が益々あいまいになりつつある中で、米空軍の対応を検討している米空軍司令部のRichard M. Clark核戦略担当部長(中将)による8月19日の情勢認識説明もご紹介しておきます

2日付米空軍協会web記事は次官補発言について
W76-2.jpg米国防省のRobert Soofer核戦略担当次官補代理は、「米空軍は既に核兵器運用や核抑止に関して十分なシェアの役割を果たしており、私としては空軍に核に関してこれ以上お願いする必要性を感じない」と語り、米海軍が2019年末から潜水艦への配備を始めた戦術核「W76-2弾頭」を補完するため、米空軍が追加で更に現在より小さい戦術核を保有する必要はないと示唆した

ちなみに、米海軍が2019年末に配備を開始した戦術核「W76-2弾頭」は「5キロトン」で、SLBM用戦略核の「W76-1 90キロトン」や「W88 455キロトン」、空軍が今後製造する戦術核B61-12の20キロトン以下よりも小さく、広島・長崎に投下された原爆の1/4程度である
なお、今後の核兵器については、使用の柔軟性を確保するため、状況に応じて破壊力を調整(dial a yield)可能な能力が重要になると言われている

8月19日付米空軍協会web記事はClark中将発言を
Clark.jpg8月19日、米空軍司令部のRichard M. Clark核戦略担当部長(中将)は同じくミッチェル研究所のイベントで講演し、通常戦と核戦争の区分が益々あいまいに流動的になりつつある中で、約1年半にわたり米空軍の新たな核兵器戦略を検討していると語った
同中将は、30年前にはソ連との間の核抑止を考えればよかったが、核戦力を強化している中国や行動が読めない北朝鮮など核兵器の使用を一つの兵器としか見ない考え方の台頭で、核戦略を取り巻く情勢が複雑になりつつあることを指摘し、「通常戦と核戦争の融合:conventional and nuclear integration」検討を迫られていると説明した

ロシアは地域的な戦いの場で、そのドクトリンや能力、戦術核を蓄積している様子から、明らかに(戦術核の使用を)作戦計画や戦略プロセスに組み込んでいると同中将は分析した
W76-2 sub-L.jpgまた中国に関し同部長は、核戦力の近代化更新を進めているが、これまで曖昧ながら基本としてきた「先制核攻撃はしない」姿勢から今後離れ、自身の防御のためには「Launch on Warning:我への危機が迫れば使用する」方向に向かうと見ていると述べた
さらに北朝鮮については、通常戦に核兵器を持ち込むカードを切る考えを持っていると語った

そして同部長は、核兵器を保有することで相手を抑止することが引き続き最優先であるが、中露北朝鮮などは通常戦力で米軍に圧倒されていると認識し、他の手段での対抗しようとしており抑止が崩壊した場合に備える体制が米軍にとって重要だと説明し、核兵器運用に関する指揮統制、訓練、技術などすべてを刷新して複雑な情勢に対応する必要があると述べた
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これまで戦術核については、欧州の戦術核を、ドイツ軍のトーネード後継検討や在ドイツ米軍の削減などを絡めてご紹介してきましたが、やっと米海軍が潜水艦に新たに配備開始した戦術核「W76-2弾頭」の話にたどり着きました

B61-12.jpg基礎知識不足で誤って紹介している部分がありそうですが、日本で核兵器の話となれば、被爆者団体や核実験反対団体しかメディアに登場しない「思考停止状態」なので、誤りを覚悟で取り上げております

「核兵器の時代に核兵器を持たないと馬鹿になる」と誰かの言葉を振りかざすつもりはありませんが、サイバー兵器も宇宙兵器も出現し、その影響が国家運営や国民生活に甚大な影響を与える時代です。核兵器も含めた実のある議論をしたいものです。健全な判断ができる国民の存在こそが、国家安定の最大の担保ですから・・・

ドイツと戦闘機関連記事
「独3機種混合案検討を認める」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-23-1
「独トーネード後継を3機種混合で?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-29
「トーネード後継でFA-18優位?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-08
「独の戦闘機選定:核任務の扱いが鍵」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-01
「独トーネード90機の後継争い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28

戦術核兵器とF-35等
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ドイツ駐留米軍削減の関連
「米軍削減でドイツのNATO核任務に影響は?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-14
「国防長官が1.2万名削減計画を発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-30
「独駐留米軍を1万人削減へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-16
「移動先ポーランド大統領と会談」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-25
「米独2000名に安保アンケート」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-10
「9月末までに米軍再編検討を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-14 

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米国防省が豪州と極超音速兵器で共同生産見据え合意 [米国防省高官]

豪州は2か国目で、ノルウェーが最初
豪州とは過去15年間基礎研究で協力してきたとか

Kratsios.jpg11月30日、米国防省のMichael Kratsios技術開発担当次官が、豪州と極超音速兵器のプロトタイプ迅速作成と将来の量産体制確立を念頭に置いた「SCIFiRE」(南十字星飛行研究実験:The Southern Cross Integrated Flight Research Experiment)に合意したと発表しました

このような極超音速兵器技術のプロトタイプ開発国際協力プロジェクトの取り組み(U.S.-run Allied Prototyping Initiative)は昨年米国防省が打ち出したものですが、1番に手を挙げたのがノルウェーの「固体燃料ラムジェット」共同開発で、今回の豪州との合意は2番目との事です

ARRW.jpg米国の陸海空軍は、極超音速兵器に関して共通部分を共同開発し、それぞれの搭載兵器や運用法に応じ、個別にランチャー等の開発にあたっており、陸2023年、海2023年、空2022年配備を目指してそれぞれが精力的に取り組んでいます

なお、米空軍は以下の2種類に取り組み中とのことです
「Mayhem」→air-breathing Hypersonic Attack Cruise Missile(ARRWより大きく、多様な弾頭を搭載可能)
「ARRW」→Air-Launched Rapid-Response Weapon 

以下では、細部不明ながら2番目の極超音速兵器の開発国際協力合意に達した豪州との取り組みについて、断片的にご紹介しておきます

11月30日付米空軍協会web記事によれば
Collins.JPG米空軍の計画リーダーであるHeath A. Collins准将は、「SCIFiRE:南十字星飛行研究実験」取り組みでは、米豪が協力して極超音速兵器のフルサイズ長射程プロトタイプを作成し、実戦的な飛行デモで検証すると計画を説明している
国防省によれば豪州との今回の合意は、「将来可能性のある極超音速兵器共同生産を追求する取り組みでもある。過去15年あまり、HIFiRE(Hypersonic International Flight Research Experimentation)との枠組みで同兵器開発で協力してきた両国の成果をてこにして取り組む」もので

「SCIFiRE:南十字星飛行研究実験」には、米空軍、米海軍、豪空軍、豪国防科学技術グループが協力して取り組む
Mayhem.jpg米国防省の研究開発担当次官室の下で運用されている「Allied Prototyping Initiative」は、世界中の軍事技術基盤を結んで迅速に最新技術を装備化する取り組みで、国際協力の重要性を説いている国家防衛戦略NDSに沿ったものである

Mel Hupfeld豪空軍参謀総長は合意に関し、「豪州の国防技術科学者と、米空軍をはじめ米国防省全体の最新の知見を持ち寄って、最新最高の成果を両空軍チームに提供したい」と述べている
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「Allied Prototyping Initiative」が極超音速兵器のみを対象として始まっているのか、他の分野にも展開されているのか把握していませんが、「人工知能AI」や「無人機の群れ」関連を含め、今になって「大学との連携強化」とか「民間企業との連携強化」とかを打ち出す動きが広がっています

もちろん必要なことで、日本の「学術会議」のようなお寒い組織との戦いレベルからすると格段の違いなのですが、中国が国内のみならず「千人計画」なるもので国外にも触手を伸ばしている現状からすれば、極めて厳しい状況を言わざるを得ません。しかしこれが現実です・・・

日本もガッチリかかわっていきたいところですが・・・

米軍の極超音速兵器開発
「今頃学会と情報収集枠組み」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-28
「3月の極超音速兵器テストは誤差20㎝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-14
「3軍協力で極超音速兵器開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1
「ボディー試験に成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-22
「空軍開発本格化」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-16
「攻防両面で超超音速兵器話題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-09-08-1
「防御手段無し」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-03-21-1
「宇宙センサー整備が急務」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31

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国防省政治任用ポストの4割が議会未承認のまま [米国防省高官]

平均未承認空席期間は1980年代以降で最長
8つの次官級ポストの内、5つが議会未承認

Undersecretary6.jpg20日付Defense-Newsは、米国防省の政治任用ポスト60個の内、4割の24ポストが米議会の承認を得ない臨時代理又は代行者(acting or performing-the-duties-of capacity)で占められる異常な状態のまま、来年1月の政権交代を迎えるだろうと紹介しています

人選や議会承認にレーガン政権時代以降40年間で最長の時間を要している理由として記事は、辞任者や更迭が多いこと以外にも、政権が指名する候補者の質が低く承認審議が難航していることや、政権自体が議会承認を重視せず臨時の状態を気にしていないこと、が背景にあるとの専門家意見を紹介しています

Undersecretary2.jpg議会未承認24ポストの中には、議会承認待ちの様々な段階にあるポストが「11個」あるようですが、米議会の年末までの稼働日数や他の優先課題等を考えれば、これ以上正式承認者が出る可能はなく、実質2か月足らずの任期のために承認を進める意欲をだれも持ち合わせていないのが現状だそうで

専門家は、臨時や代行者がいて業務を進められる部分はあるが、大きな課題になるほど、政府機関内や米議会との調整に「議会承認を受けた」立場が「見えない力」として必要であり、また文民重要ポストに未承認者が多いことで、軍人(統合参謀本部)の発言力が強くなりシビリアンコントロール上の懸念も出てくると教科書的な問題点を指摘しています

Undersecretary.JPG実態として「多数の未承認ポスト」の影響を理解していませんが、なし崩し的に組織制度が変わることには不安があるので、次期政権では解消されるでしょうが、未承認ポスト24個と解説記事の概要をご紹介しておきます

なお、国防省の本部(国防長官室)には、大きく6つの部署(政策、人的戦力管理、調達&兵站、研究開発、情報、改革Reform)があり、それぞれのトップに次官が指名され、監察官(Inspector General)や会見監査(Comptroller)と合わせて8つの次官級ポストがあり、その5つが未承認状態です。また陸海海軍省も次官補レベルまで政治任用のようで未承認ポストがあります

60ある政治任用ポストで未承認の24個は

国防長官
政策
Undersecretary of Defense for Policy
Deputy Undersecretary of Defense for Policy
Assistant Secretary of Defense for Legislative Affairs
Assistant Secretary of Defense for Space Policy
Assistant Secretary of Defense for Readiness
Assistant Secretary of Defense for Indo‐Pacific Security Affairs
Assistant Secretary of Defense for International Security Affairs
Assistant Secretary of Defense for Nuclear, Chemical, and Biological Defense Programs
Assistant Secretary of Defense for Special Operations and Low Intensity Conflict
Director of Cost Assessment and Program Evaluation

人的戦力管理
Deputy Undersecretary of Defense for Personnel and Readiness
Assistant Secretary of Defense for Manpower and Reserve Affairs

調達&兵站
未承認なし
研究開発
Undersecretary of Defense for Research and Engineering
Deputy Undersecretary of Defense for Research and Engineering

情報
Undersecretary of Defense for Intelligence and Security
Deputy Undersecretary of Defense for Intelligence and Security
改革
未承認なし

監察官や会見監査官
Inspector General of the department
Undersecretary of Defense (Comptroller)
Deputy Undersecretary of Defense ‐ Comptroller

陸海空軍省
Undersecretary of the Navy
Undersecretary of the Air Force
Assistant Secretary of the Air Force for Space Acquisition and Integration
General Counsel of the Army(米陸軍法務官)

20日付Defense-News記事によれば
Undersecretary3.jpg人選と承認に要した議会審議時間を見てみると、オバマ政権時代には平均で、人選に5か月、承認手続きに2か月だったが、トランプ政権ではそれぞれ、7.5か月と3.5か月要しており、トランプ政権の時間はレーガン政権以降で最長となっている
これを次官級ポストに絞って見てみると、トランプ政権は人選と承認で合計約6か月と、オバマ時代の2倍の時間を要している

人選が終わって議会承認を申請している段階にあるケースが11ポストあり、11月16日に申請された国際安全保障担当次官補ポストから、3月に申請されて承認の見込みがないものまで、様々な段階のものがあるが、今後政権交代まで米議会で承認審議が行われる見込みはない

このような状態になっている理由について政治任用者を審議する上院軍事委員会のTim Kaine議員(民主党・バージニア州)は、「様々な理由がある。政権側が更迭するケースや辞職者が多いことに加え、後任候補者が共和党優位の上院でも承認を躊躇するレベルであることも影響している」と述べ
Undersecretary4.jpgまた「トランプ大統領が上院の審議にさらされる承認手続きを好まず、臨時や代理で良しと考えるタイプの人物で、戦略的な業務が多い国防省ポストに関してはこの傾向が強い」ともコメントしており、臨時の政策担当次官である反イスラム姿勢が顕著なAnthony Tata氏の承認手続きが夏にとん挫したままでも、継続して「臨時」で職務を継続している例を挙げている

共和党系のシンクタンクAEIのMackenzie Eaglen女史はこの現状に関し、「大きな官僚組織であるペンタゴンは、ある程度の空席状態には対応してきた」と述べる一方で、正式な承認手続きを経た官僚でないと乗り越えられない重要な政策調整の「見えないゴールポスト:invisible goal posts」が障害物として厳然と存在する」と指摘している
また文民統制の観点から、承認を得ない国防省官僚が増えることで、ペンタゴン内での文民官僚の影響力が低下し、文民と軍人の力関係のバランスが変化することに関する懸念に触れ、次期政権ではこれ以上議会承認手続きを経ない臨時官僚が増えることに警鐘を鳴らしている
///////////////////////////////////////////////

Undersecretary5.jpg「見えないゴールポスト」や「文民統制」の視点での懸念はあるのでしょうが、政策担当次官との国防省No3ポストに加え、研究開発や情報担当次官のポストでも臨時や代理で回っている(らしい)現実から、議会承認を軽視する方向にならないか注視する必要があるのでしょう

トランプ大統領がツイートを多用したことで、バイデン氏のツイートが少ないと評価する人が出てくるくらい従来の「常識」を変えたトランプ政権ですから、後の人は色々大変そうです

バイデン政権の国防長官最有力候補フロノイ女史の思考
「必要な国防政策を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-12
「米議会で中国抑止を議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-17
「バイデン政権で国防政策はどう変わるのか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-09

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