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昨年12月DARPAがコッソリAI無人機の空中戦試験 [米国防省高官]

細部は全く不明も1週間で複数回の飛行試験
専門家は自動車の自動運転より容易だと
「Air Combat Evolution」プロジェクトの一環

X-62A 2.jpg2月22日付military.com記事は、米国防省の最上位研究機関DARPAが細部には言及せず、昨年12月に1週間かけ、F-16を改修してAI搭載無人機にした「X-62A」が、他機との空中戦闘を複数回(several times during a single week)行ったと発表したと紹介しています

同記事は、どのような空中戦闘で、他機がどの機種なのかなどに全く触れておらず、推測や専門家の見解なども掲載していませんが、加州Edwards空軍基地で、緊急事態対処に備え人間操縦者が「X-62A」に登場していたとのみ言及しています

Air Combat Evolution.jpgDARPAは米空軍研究所AFRLなどと協力し、「Air Combat Evolution」プロジェクトとしてAI搭載ジェット機の試験をシュミレータから開始し、F-16改修の「X-62A」での実飛行試験に進んでいるようです

「Air Combat Evolution」プロジェクトは、単純にAI搭載無人戦闘機に空中戦させることを目的としているわけではなく、過去記事でご紹介している2020年頃の米空軍幹部の構想によれば

●人間操縦者が大局的な状況判断や戦術判断に集中できるよう、それ以外の部分をAIが代替可能か、どの程度任せられるかを確認する
●有人作戦機とチームを組む無人作戦機にAIを搭載し、地上や有人作戦機からの指示に従って行動可能な無人ウイングマン等として行動可能なAI操縦技術を確立する

●「数千時間の飛行経験がある優秀な戦闘機パイロットを、様々な英知を集めて学ばせた人工知能でサポートしたら、どれほどの能力を発揮可能か・・・」・・・等の夢や狙いを持って開始されたものです

Air Combat Evolution2.jpgまた、作戦機をAI操縦させることへの懸念や組織抵抗を見せる「戦闘機命派」に、人工知能AIの特性や能力を知ってもらう狙いが「入口」としてある、と関係者が語っていたところです。

末尾掲載の2020年頃の過去記事では、シュミレーション環境でAI操縦者と現役バリバリ操縦者が対決し「5-0」でAIが圧勝とか、2021年7月には実機を用いてAI操縦者と人間操縦者の空中戦試験を予定との発表をご紹介していますが、当時の「盛り上がり」ぶりと比べると、今回のDARPAの細部非公開のコッソリ発表に大きなギャップを感じ、なぜ?・・・との思いがよぎります

X-62A.jpg「Air Combat Evolution」プロジェクトは2020年に開始され、3年計画で2023年春終了の予定だったと記憶していますが、この辺への言及がないのも不思議です・・・

まんぐーすの邪推ですが、恐らく、2020年頃の盛り上がりに「有人戦闘機命派」が反発し、「世の中に誤解を与え、有人戦闘機不要論を高める懸念アリ」などと不満を訴え、ロープロファイルでのプロジェクト進行と対外発表になったものと考えます

無人機空中戦の検討プロジェクト
「8企業がAI空中戦でF-16パイロットに挑む」→https://holylandtokyo.com/2020/08/19/528/
「米空軍研究所AFRLは2021年に実機で」→https://holylandtokyo.com/2020/06/10/620/
「無人機含む空中戦を支えるAI開発本格化」→https://holylandtokyo.com/2020/05/22/678/

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