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米国防長官が米海軍体制検討のさわりを語る [エスパー国防長官]

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約半年、国防省が行った海軍体制検討
4月に資料がリークされ、空母2隻削減案だったが

Esper5.jpeg16日、エスパー国防長官がサンタモニカのRAND研究所で登壇し、春から半年かけて国防省独自に行った米海軍の将来体制検討「Future Naval Force Study」の結果について「さわり」部分に触れました。

この検討は、全国防省を巻き込んだ「new joint war plan」作成の一貫として、エスパー長官が米海軍の体制再検討を強く推進して行われたとされており、コスト評価計画室、統合参謀本部、米海軍とハドソン研究所らがそれぞれ独自に、ウォーゲームや分析を実施し、2045年までの約30年間の計画検討を行い、それぞれの結果を基にNorquist国防副長官に取りまとめを命じた力の入ったスタディーでした。

4月に検討文書の一部がリークされた際は
「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
●現在11隻体制の空母を9隻体制にすることを提言
●有事無人で平時は少数の兵士で運用可能な小型艦艇65隻の導入計画
●イージス艦等大型艦艇は現90隻に近い80隻以上で、小型艦艇を現在よりも多い55-70隻要求

LCSIndep2.JPG大きな変化は、平時は少ない人員で運用し、有事厳しい環境下では無人で運用する小型艦艇導入。同長官は「普段は状況の推移に応じ柔軟に搭載装備を変えて人運用をしているが、情勢の変化や作戦環境の変化により、無人運用にして犠牲が大きな負担とならない使用法に転換する」
●「これがあるべき方向に向かう道だ。より積極的にこれを進める。迅速に、2030年までに355隻体制に到達する道だと信じている」と表現

●3月にエスパー長官は、最終的な決断は、夏に終了する全国防省で行う「new joint war plan」検討の結果も踏まえて行うと述べ、現時点では何も決まっていないと説明

9月17日に長官が語ったのはほんの「さわり」で、4月のリーク文書からの変化がよくわからず、空母の扱いや有事無人の小型艦艇の方向性も語っていませんが、結果を副長官が中心になってまとめて検討はとりあえず終了したようなので記事をご紹介しておきます

17日付Military.com記事によれば
Ford2.jfifエスパー長官は、14日の週の週初めに副長官と検討チームから「Future Naval Force Study」の報告を受け、「結果は事実とデータに基づいた「game-changer」と言える真摯でしっかりしたものであった」、「検討結果は将来の海軍計画を考える際の指針となり、更に行う検討の材料ともなる」と語った
また、「手短に申し上げると、有人と無人艦艇をバランスを考えて合わせて350隻以上で、それら戦力が必要な期間内に予算枠内で完成させる計画である」、「これだけ大きな艦隊を構築する一つの道は、迅速に少人数で運用可能で、必要時には無人でも作戦可能な艦艇導入に向かうことだ」とも表現している

結果の概要について細部は語らなかったが、最終的には355隻体制を超える規模を目指し、より無人艦艇や無人水中艇に焦点を当てることや、造船所や修理施設への投資で「スケジュール通り予算内で収まる体制」整備の重要性を訴え、「検討結果を実現するには、艦艇建造や大規模戦力を維持する体制整備への予算増が欠かせない」と、すべては資金確保次第だとも表現している
そして「米海軍内や他所からその資金を見つけ、検討内容の実現を図るのが私と米海軍首脳のやるべきことだ」と付け加えた

FFGX.jpgまた、検討の中心にあったのはアジア太平洋で、より分散した戦力(によるネットワーク運用)と中国陸上配備の長射程空母キラーミサイルに対抗する「新型フリゲート」が一つの焦点だと語り、「米海軍は、計10隻で約6000億円となる新型ミサイルフリゲート艦の一番艦を、今年初めに約880億円契約している」と具体に紹介した
更に検討にあたり重視した中国の脅威について長官は、「開発中の最新兵器システムに加え、中国は、米海軍戦力に費用対効果良く対処するため、航続距離が長く、自立型な無人潜水艦にも投資をしている」と具体的な脅威を挙げた
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全国防省を巻き込んだ「new joint war plan」作成の一貫との事でしたが、最近ガードが堅い国防省が何を考えているのか、よくわかりません

母削減はどうなったのか・・・。無人でも運用可能で普段は少人数で多様な任務に対応する小型艦艇の迅速な導入はどうなったのか・・・。米海軍が独自に進めていた「空母の在り方検討」との折り合いはどうなのか・・・・今後表に出る様々な情報から邪推していきたいと思います

FFGX2.jpg新型フリゲート艦FFG(X)については知識不足で多くを語れませんが、イタリアの造船会社が落札で大きな話題となった7400トンの全長約150mで、32発の垂直発射管を備え、2029年度まで毎年2隻建造して20隻揃えたい思惑とかです

2017年当時の記事では
「新型フリゲート艦設計要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-06-01-1
我々の運用法は変化しつつある。ネットワークの視点で言えば、このフリゲート艦は大きな艦隊の一部となり、分散型海上作戦の遂行に寄与する」、「特に水上戦闘、局地的な航空戦、更に対潜水艦戦における破壊力と生存性の最大化を優先する」
「安保環境や予算環境が変化し、軍需産業基盤も変わった」、「これら変化を受け、フリゲート艦の多機能性を目指す要求性能を精査」「我々は設計段階に立ち返り、将来必要な艦艇を獲得する機会を確実にしなければならない」
沿岸戦闘艦をベースに、既存技術を活用して価格上昇リスクを抑え、能力向上が容易な中規模の艦を目指す・・・でした

米海軍への無人システム導入
「21年初に本格無人システム演習を太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10-1 
「潜水艦も無人化を強力推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-03
「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10
「新型フリゲート艦設計要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-06-01-1

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https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

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