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米宇宙軍が衛星への燃料補給方式異なる2企業と並行連携 [サイバーと宇宙]

NG社がまず認証:大型給油衛星方式
ベンチャー企業は他衛星サービス企業と連携し
2025-6年のサービス開始を目指す迅速さ

orbit fab rafti2.jpg2月5日付米空軍協会web記事は、1月29日にNorthrop Grumman社が米宇宙軍から、衛星が他の衛星から「宇宙給油」を受ける際に受け側衛星が装備すべき「ガスタンクへの注入口」「ガスタンクの蓋」仕様について、同社開発のPassive Refueling Module (PRM)が宇宙受油用インターフェースとして初の認証を得たと発表し、2025年までにPRM搭載衛星を打ち上げる予定だと報じるとともに、

米宇宙軍はNG社だけでなく、スタートアップ企業Orbit Fab社が開発したRapidly Attachable Fluid Transfer Interface (RAFTI)を8個ほど空軍研究所AFRLが既に入手し、2024年から確認を行うとともに、Orbit Fab社は「宇宙給油」の早期実用化に向け、他スタートアップ企業「ClearSpace(宇宙でのAAAを目指す企業)」や「Astroscale」と連携し、宇宙軍の「Prototype Servicer for Refueling (APS-R)」プロジェクト推進に取り組んでいる伝えています

PRM NG.jpgいきなり複数企業名が飛び交って恐縮ですが、従来は軌道上の衛星機器がまだ使用可能でも、姿勢制御や軌道維持&修正のための燃料枯渇により、衛星が役割を終える事を受け入れてきましたが、宇宙アセットの脆弱性重要性やコスト意識が高まる中、軌道上の衛星に燃料補給して延命したり、故障した衛星部品を「宇宙軌道上で修理」して長く活用する技術開発に注目が集まり、技術成熟もあり、宇宙軍は2020年代半ばに「衛星への宇宙での燃料補給」を実現したい意向です

Northrop Grumman社の構想は
●同社が宇宙軍から認証を受けたPRM方式の「燃料タンクへの注入口」を生かすため、宇宙軍とNG社は宇宙給油衛星GAS-T(Geosynchronous Auxiliary Support Tanker)の開発契約を既に締結。GAS-Tは十分な燃料を搭載して、燃料補給を求める衛星に自ら移動&接近し給油する方式
PRM NG3.jpg●GAS-T自身の搭載燃料が少なくなった場合には、宇宙燃料補給所(Depot)に立ち寄り、GAS-T自身が給油を受けて他衛星への給油を続ける構想もNG社は持っているが、まずは複数の衛星への給油可能な燃料搭載量を持つ、技術的にも十分に成熟しているGAS-Tの実現に取り組む。その後の判断は宇宙軍に委ねる
●なお、NG社はPRM方式の特許を既に確保済だが、開発費を宇宙軍から支援されており、宇宙軍が他衛星企業にPRM方式「燃料タンクへの注入口」搭載を要望する場合、当該衛星企業は特許使用料を支払う必要はない

Orbit Fab社の構想は
orbit fab rafti.jpg●同社は3万ドルの使用料でRAFTIを他企業に提供する事業形態を想定している
●同社は宇宙での給油を迅速に実現するため、今後数年以内に「宇宙ガスステーション:Gas Stations in Space」を宇宙空間に配備する計画だが、当該「宇宙ガスステーション」と給油を受けたい衛星の間を行き来するサービスは、他のベンチャー企業「ClearSpace(宇宙でのAAAを目指す企業)」や「Astroscale」に委託する方式を想定している

●例えば「ClearSpace社」は宇宙でのAAA(日本のJAFに相当)を目指す企業で、地上で故障して道路わきに停車した自動車にレッカー車を派遣して修理工場までけん引したり、故障現場で修理作業を提供する総合衛星サービス提供企業を目指しており、そのサービスの一つとしてOrbit Fab社のガソリンスタンドから燃料切れ衛星への燃料輸送担当を期待されている
●またOrbit Fab社は、別のベンチャー企業Astroscaleとも連携協議を進めている
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PRM NG2.jpg引き続きこの分野で「ど素人」状態のまんぐーすは、衛星に給油する燃料ってどんな燃料(Fuel)? 「Gas Stations in Space」はどれくらいの規模の宇宙船になるの? どうやって燃料を運ぶの? どのくらいの頻度で? 等々の疑問が次々に浮かんできますが、少しづつ学んでいく事といたしましょう

それにしても、日本は戦闘機開発に人材や資金や時間を費やしている場合なんでしょうか? 

衛星の機動性SM&ロジL重視
「衛星への軌道上補給に企業活用へ」→https://holylandtokyo.com/2023/03/01/4320/
「宇宙軍は衛星のSM&L重視」→https://holylandtokyo.com/2023/01/18/4130/
「衛星延命に企業と連携」→https://holylandtokyo.com/2021/11/10/2350/
「推進力衛星とドッキングで延命」→https://holylandtokyo.com/2020/02/28/839/

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