AIは孤独に情報もなく判断を迫られる指揮官を助ける [Joint・統合参謀本部]
統合AIセンター(JAIC)とか
AI開発環境JFC(Joint Common Foundation)とか
11月24日、2018年に新設された統合AIセンター(JAIC)の所長であるMichaelGroen海兵隊中将が国防省で記者会見し、AIに対する米軍内の誤解からくる導入の難しさや、2021年に稼働予定の国防省にAI開発環境を提供するJFC(Joint Common Foundation)についてアピールしました
人口知能AIについては、人間に代わってコンピューターが勝手に判断するとか、AIの意思決定過程がブラックボックスで危険だとの懸念が先行し、今市場にあって米軍内でも活用できる技術が存在しているのに、なかなか導入が難しい現実が米軍内にはあるようで、そのような懸念払しょくのため同中将は語っているような印象を受けました
例えば、8月に人工知能戦闘機操縦者と人間パイロットのバーチャル空中戦対決が行われ、5戦5勝の圧倒的勝利をAI側が納めたことで話題になりましたが、同対決の主催者は、「AIに対する人間の信頼感を高めることが狙い」だと強調していた点が印象的でした
11月25日付Military.com記事によれば
●2018年に新設された統合AIセンター(JAIC)は、国防省内でAIの力が十分活用されるように推進することが任務であるが、センター長のGroen中将は、AIが単なる情報技術でも、業者提供のブラックボックスでも、デジタルガジェットでもない」と述べ、
●「状況分析の正確さと意思決定の成否が試される戦闘では、Xともいえる重要なカギとなる情報を把握していれば指揮官は正しい判断ができるが、我がセンターは全てのレベルの指揮官がXにアクセスできるようにしたいと考えている」と役割を説明した
●また上記を具現化するための一つとして、8月に国防省がDeloitte Consultingと約110億円の契約を結び、国防省のAI開発環境を提供するJFC(Joint Common Foundation)の設計と構築に取り掛かっていると述べた
●このJCFは、AI機能をテスト、検証、およびフィールド化するための開発環境となるもので、米軍部隊や国防省機関で、保有するデータ処理にAIを活用したいが専門家が近くにいなかったり、他の専門家からのアルゴリズム検討支援を希望するユーザーに技術的基盤を提供するもので、2021年に運用体制確立を目指している
●同センター長はこれまでの戦場指揮官の意思決定について、「多くの場合、戦闘での意思決定は、多くの経験や成熟した理解を持つと考えられた人間だからということで、不完全な知識に基づいてリアルタイムでの意思決定を強いてきた」と評価し、
●今後は例えば、「各種センサーの情報を総合して基地に対する脅威の自動検出や脅威の識別を行ったり、無人偵察機にある種の計測器を装着し、1時間後ぐらいに故障が発生する可能性が高いとの評価を事前に警報として送信させたり・・・といったことが現在ある技術で可能だ」とAIの現在位置について説明した
●そして、「戦域全体の状況を、指揮官が指先の操作で何時でも確認把握できるような技術が利用可能だ」とも表現した
●ただし、国防省全体にそのようなAI技術を注入・普及させる時程について具体的には語らず、「一連の技術変革の意味を広く理解するためにやるべきことが多くある。様々なアイディアが市場にあふれており、それを生かして効率的・効果的にならねばならない」とのみ述べた
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米空軍が主導して行われた、3回の統合全ドメイン指揮統制演習JADC2又は先進戦闘管理システムABMS試験では、様々な形で指揮官への情報提供が試みられ、フロリダ州のテントの中で米本土への巡航ミサイル対処指揮が行われたり、太平洋を戦域とした3回目の演習では宇宙ドメインも絡めた指揮統制がAIを活用して行われたと報道されています
この米空軍の動きと、本日ご紹介した統合AIセンター(JAIC)が、どこまで連携しているのか不明ですが、研究投資額や研究者数で中国に対して劣勢と言われているAI分野で、米国防省のみならず、米国全体いや西側が結集して力を発揮していただきたいものです
2024年に実際の戦闘機で披露するそうです
「AIと人間操縦者の実機対決を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10
米軍情報共有の厚い壁
「データフォーマットの相違」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-12
全ドメイン指揮統制連接実験演習:ABMSとJADC2関連
「突然前倒し?第3回目は太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-29
「2回目のJADC2又はABMS試験演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-05
「初の統合「連接」実験演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「国防長官も連接性を重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-09
「将来連接性を重視しアセット予算削減」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28
応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
ブログサポーターご紹介ページ
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1
AI開発環境JFC(Joint Common Foundation)とか
11月24日、2018年に新設された統合AIセンター(JAIC)の所長であるMichaelGroen海兵隊中将が国防省で記者会見し、AIに対する米軍内の誤解からくる導入の難しさや、2021年に稼働予定の国防省にAI開発環境を提供するJFC(Joint Common Foundation)についてアピールしました
人口知能AIについては、人間に代わってコンピューターが勝手に判断するとか、AIの意思決定過程がブラックボックスで危険だとの懸念が先行し、今市場にあって米軍内でも活用できる技術が存在しているのに、なかなか導入が難しい現実が米軍内にはあるようで、そのような懸念払しょくのため同中将は語っているような印象を受けました
例えば、8月に人工知能戦闘機操縦者と人間パイロットのバーチャル空中戦対決が行われ、5戦5勝の圧倒的勝利をAI側が納めたことで話題になりましたが、同対決の主催者は、「AIに対する人間の信頼感を高めることが狙い」だと強調していた点が印象的でした
11月25日付Military.com記事によれば
●2018年に新設された統合AIセンター(JAIC)は、国防省内でAIの力が十分活用されるように推進することが任務であるが、センター長のGroen中将は、AIが単なる情報技術でも、業者提供のブラックボックスでも、デジタルガジェットでもない」と述べ、
●「状況分析の正確さと意思決定の成否が試される戦闘では、Xともいえる重要なカギとなる情報を把握していれば指揮官は正しい判断ができるが、我がセンターは全てのレベルの指揮官がXにアクセスできるようにしたいと考えている」と役割を説明した
●また上記を具現化するための一つとして、8月に国防省がDeloitte Consultingと約110億円の契約を結び、国防省のAI開発環境を提供するJFC(Joint Common Foundation)の設計と構築に取り掛かっていると述べた
●このJCFは、AI機能をテスト、検証、およびフィールド化するための開発環境となるもので、米軍部隊や国防省機関で、保有するデータ処理にAIを活用したいが専門家が近くにいなかったり、他の専門家からのアルゴリズム検討支援を希望するユーザーに技術的基盤を提供するもので、2021年に運用体制確立を目指している
●同センター長はこれまでの戦場指揮官の意思決定について、「多くの場合、戦闘での意思決定は、多くの経験や成熟した理解を持つと考えられた人間だからということで、不完全な知識に基づいてリアルタイムでの意思決定を強いてきた」と評価し、
●今後は例えば、「各種センサーの情報を総合して基地に対する脅威の自動検出や脅威の識別を行ったり、無人偵察機にある種の計測器を装着し、1時間後ぐらいに故障が発生する可能性が高いとの評価を事前に警報として送信させたり・・・といったことが現在ある技術で可能だ」とAIの現在位置について説明した
●そして、「戦域全体の状況を、指揮官が指先の操作で何時でも確認把握できるような技術が利用可能だ」とも表現した
●ただし、国防省全体にそのようなAI技術を注入・普及させる時程について具体的には語らず、「一連の技術変革の意味を広く理解するためにやるべきことが多くある。様々なアイディアが市場にあふれており、それを生かして効率的・効果的にならねばならない」とのみ述べた
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米空軍が主導して行われた、3回の統合全ドメイン指揮統制演習JADC2又は先進戦闘管理システムABMS試験では、様々な形で指揮官への情報提供が試みられ、フロリダ州のテントの中で米本土への巡航ミサイル対処指揮が行われたり、太平洋を戦域とした3回目の演習では宇宙ドメインも絡めた指揮統制がAIを活用して行われたと報道されています
この米空軍の動きと、本日ご紹介した統合AIセンター(JAIC)が、どこまで連携しているのか不明ですが、研究投資額や研究者数で中国に対して劣勢と言われているAI分野で、米国防省のみならず、米国全体いや西側が結集して力を発揮していただきたいものです
2024年に実際の戦闘機で披露するそうです
「AIと人間操縦者の実機対決を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10
米軍情報共有の厚い壁
「データフォーマットの相違」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-12
全ドメイン指揮統制連接実験演習:ABMSとJADC2関連
「突然前倒し?第3回目は太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-29
「2回目のJADC2又はABMS試験演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-05
「初の統合「連接」実験演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「国防長官も連接性を重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-09
「将来連接性を重視しアセット予算削減」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28
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