今そこにあるサイバー脅威は中露からではない [サイバーと宇宙]
ロシアや中国への過度の注目が懸念材料
もっとも今活発なのは中小アクターだ
断片的な記事ですが・・・
14日付FifthDomeinが12日に開催された「CyberCon2019」でのパネル討議を取り上げ、日々のサイバー脅威と向き合い対処に追われる関係者や研究者の声を紹介し、中国やロシアとの本格紛争に備える動きの中、サイバー分野でも中国やロシアの脅威に注目が集まっており間違いとはいえないが、サイバーが本来「貧者のツール」的な性格を持つ手段であり、今現時点で「観測される大部分のサイバー活動が中小アクターによって行われている」現実を忘れてはならないと警鐘を鳴らしています
匿名の世界で、大きなハードウェア投資が不要で、闇の世界に金で動く怪しげな専門家やオタク戦士がうごめく世界のようですから、サイバードメインで「今そこにある危機」が、記事が指摘する「minor or middle powers」から生み出されているとの指摘は重いものがあります
事柄の性格上、抽象的な部分が多い記事ではありますが、「中小アクター」が調査研究段階から作戦活動段階にレベルアップし、今年に入って活動を本格化させているような表現や、北朝鮮以外にも具体的なの国名も挙げられており、色々な闇の世界を創造させる内容です。
14日付FifthDomein記事によれば
●米海兵隊大学の軍政チェアーで米国サイバー評議会のメンバーであるBrandon Valeriano氏は、「サイバー関連の世の関心が、国家防衛戦略NDSの影響もあり、中国やロシアに過度に集中していることが最大の問題だ」と述べ、「変化しつつあるサイバー戦も現在位置を見ている我々からすると、中露など大国ばかりに注目が集まっていることが心配であり、この紛争ドメインの現実を見つめる必要があると思う」と危機感を訴えた
●そして、サイバーは、小さな国力のない国が、大きな国防投資をすることなしに国益を追求できる手段だとの原点を再度強調し、例えば北朝鮮は制裁を無効化してハッキングで得た資金で軍事力強化に当てる活動を行っており、イランや他の中東国家も最近数ヶ月でサイバー作戦に加わるようになってきていると最新動向を説明した
●また、現在日常的に行われているサイバー作戦の大部分が「中小アクター:minor or middle powers」によるもので、具体的にはUAE、カタール、フィリピン、ベトナムであると言及した
●更に、中国やロシアとの直接紛争の危機は差し迫った状況にはないが、シリアや湾岸地域では事態がエスカレートしつつあり、その点を危惧しているとも付け加えた
●民間サイバーセキュリティー会社「Dragos」の脅威分析担当Sergio Caltagirone副社長は、「中東は今、多くの組織や国家が入り乱れてサイバー作戦を開始する場となっており、活発な能動的な活動エリアになっている。中小アクターが調査研究段階から作戦活動段階にレベルアップしてきている」と状況を表現した
●同副社長は、それらのサイバー作戦の多くは、中東地域の他国の影響を削ぐ目的であったり、他国への自国の意図を発信するものであったり、原油市場での価格操作を目的としたものだと説明した
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「フィリピン、ベトナム」が気になります。中国と戦ってくれていると考えたいところです。また、もしそうならば、日本は防衛交流の機会を通じ、両国から教訓を学びたいところです
加えて、中東諸国内の争いは別として、北朝鮮のような「中小アクター」の標的となっている攻撃対象が気になります。日本が主要な被害者となって「知的財産」や「老後の資金」や「庶民のたくわえ」が強奪されていないか気になるところです
まんぐーすの身の回りでも、偽サイトに誘導するような怪しげなメールや「仮想通貨」を要求する脅迫メールを日常的に目にするようになり、その頻度が加速度的に増えていることに静かな脅威を感じております
最近のサイバーの世界を考える記事
「ハイブリッド情報戦に備えて」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-05
「ドキュメント誘導工作」を読む→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-22-1
「サイバーとISR部隊が統合して大統領選挙対策に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-19
もっとも今活発なのは中小アクターだ
断片的な記事ですが・・・
14日付FifthDomeinが12日に開催された「CyberCon2019」でのパネル討議を取り上げ、日々のサイバー脅威と向き合い対処に追われる関係者や研究者の声を紹介し、中国やロシアとの本格紛争に備える動きの中、サイバー分野でも中国やロシアの脅威に注目が集まっており間違いとはいえないが、サイバーが本来「貧者のツール」的な性格を持つ手段であり、今現時点で「観測される大部分のサイバー活動が中小アクターによって行われている」現実を忘れてはならないと警鐘を鳴らしています
匿名の世界で、大きなハードウェア投資が不要で、闇の世界に金で動く怪しげな専門家やオタク戦士がうごめく世界のようですから、サイバードメインで「今そこにある危機」が、記事が指摘する「minor or middle powers」から生み出されているとの指摘は重いものがあります
事柄の性格上、抽象的な部分が多い記事ではありますが、「中小アクター」が調査研究段階から作戦活動段階にレベルアップし、今年に入って活動を本格化させているような表現や、北朝鮮以外にも具体的なの国名も挙げられており、色々な闇の世界を創造させる内容です。
14日付FifthDomein記事によれば
●米海兵隊大学の軍政チェアーで米国サイバー評議会のメンバーであるBrandon Valeriano氏は、「サイバー関連の世の関心が、国家防衛戦略NDSの影響もあり、中国やロシアに過度に集中していることが最大の問題だ」と述べ、「変化しつつあるサイバー戦も現在位置を見ている我々からすると、中露など大国ばかりに注目が集まっていることが心配であり、この紛争ドメインの現実を見つめる必要があると思う」と危機感を訴えた
●そして、サイバーは、小さな国力のない国が、大きな国防投資をすることなしに国益を追求できる手段だとの原点を再度強調し、例えば北朝鮮は制裁を無効化してハッキングで得た資金で軍事力強化に当てる活動を行っており、イランや他の中東国家も最近数ヶ月でサイバー作戦に加わるようになってきていると最新動向を説明した
●また、現在日常的に行われているサイバー作戦の大部分が「中小アクター:minor or middle powers」によるもので、具体的にはUAE、カタール、フィリピン、ベトナムであると言及した
●更に、中国やロシアとの直接紛争の危機は差し迫った状況にはないが、シリアや湾岸地域では事態がエスカレートしつつあり、その点を危惧しているとも付け加えた
●民間サイバーセキュリティー会社「Dragos」の脅威分析担当Sergio Caltagirone副社長は、「中東は今、多くの組織や国家が入り乱れてサイバー作戦を開始する場となっており、活発な能動的な活動エリアになっている。中小アクターが調査研究段階から作戦活動段階にレベルアップしてきている」と状況を表現した
●同副社長は、それらのサイバー作戦の多くは、中東地域の他国の影響を削ぐ目的であったり、他国への自国の意図を発信するものであったり、原油市場での価格操作を目的としたものだと説明した
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「フィリピン、ベトナム」が気になります。中国と戦ってくれていると考えたいところです。また、もしそうならば、日本は防衛交流の機会を通じ、両国から教訓を学びたいところです
加えて、中東諸国内の争いは別として、北朝鮮のような「中小アクター」の標的となっている攻撃対象が気になります。日本が主要な被害者となって「知的財産」や「老後の資金」や「庶民のたくわえ」が強奪されていないか気になるところです
まんぐーすの身の回りでも、偽サイトに誘導するような怪しげなメールや「仮想通貨」を要求する脅迫メールを日常的に目にするようになり、その頻度が加速度的に増えていることに静かな脅威を感じております
最近のサイバーの世界を考える記事
「ハイブリッド情報戦に備えて」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-05
「ドキュメント誘導工作」を読む→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-22-1
「サイバーとISR部隊が統合して大統領選挙対策に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-19
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