Austin元大将が国防長官になる為の高いハードル [ふと考えること]
退役後7年以上経過が必要で、この規定除外は困難との見方
いずれにしても、新大統領就任段階では国防長官不在だろうと
各種軍事メディアが、バイデン政権の国防長官候補最有力だと言われていたMichèle Flournoy元政策担当国防次官が、軍需産業との関係を嫌った民主党議員グループの反対に直面して難しいとの見方が広まり、代わりに元中央軍司令官のLloyd Austin退役陸軍大将の名前が急浮上していると報じています
一方で元軍人の場合は、国防長官に就任するには退役後7年以上経過(陸海空軍長官に就任するにも5年以上)していることが必要で、Lloyd Austin元大将がこの規定を満たしていないため、国防長官に就任するには、上下院の過半数の賛成と大統領署名が必要な「waiver:法律の適応除外」承認が求められるが、議会がそれを許す雰囲気にはないと紹介しています
トランプ政権の初代国防長官だったマティス氏は、この「waiver:法律の適応除外」承認を得てトランプ大統領就任日から職務を開始できましたが、現在の議会情勢では「waiver:法律の適応除外」承認を得ることも、大統領就任日に国防長官職を開始することも難しいだろうと米メディアは推測しています
11月30日付Defense-News記事によれば
●国防長官最有力で初の女性国防長官誕生かと期待されていたFlournoy女史は、軍需産業の幹部を務めた過去や政策担当国防次官当時の姿勢から、民主党の一部議員から反対されており、Jeh Johnson元国土安全保障長官や元軍人のTammy Duckworth上院議員の名前が浮上していた
●そんな中、2016年に中央軍司令官を最後に退役したLloyd Austin元陸軍大将(陸軍士官学校卒)が有力だとのバイデン筋情報が報じられ、大きな話題となっている。一方で、マティス氏のように退役後7年経過の「waiver:法律の適応除外」承認を得ることは難しいだろうと言われている
●マティス氏が「例外」を認められたのは、米議会から人物見識とも申し分ない人物だとの高い評価を得ていた例外的人物であったことに加え、トランプ大統領が安全保障に関して「素人」であることから、マティス氏が必要だとの雰囲気が醸成されたからである
●それでも「例外」承認投票では、上院で81-17ながら、下院では民主党議員が36名しか賛成しない268-151で認められた経緯があり、民主党重鎮が「今回だけだ」または「シビリアンコントロールを冒すもので許容できない」などの声を当時上げており、トランプ政権で文民ポストに元軍人が多数配置されたことを批判してきた民主党が、再び「例外」を認める可能性は低いと見られている
●また次期政権の国防長官人事に関し専門家は、マティス氏がトランプ大統領就任日に「例外」認証を得て国防長官に就任できたのは、共和党が両院で過半数を確保していたことが大きく、バイデン大統領が就任日に国防長官候補者を議会に推薦することになろう状況とは環境が全く異なるとコメントしている
●国防省の機構上は、統合参謀本部から制服組の意見を吸い上げ、国防長官室の文民官僚が総合的に判断して政策を立案遂行する形になっているが、マティス国防長官は制服組の意見をに耳を傾ける傾向が強かったこともあり、また国防長官室に元軍人が増えてシビリアンコントルールが危ういとの声が各方面で大きくなっている
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ほぼ全ての次期政権閣僚予想で国防長官最有力候補だったMichèle Flournoy元政策担当国防次官が、今になって「危うい」状態になっているのには驚きですが、大統領選挙を通じて生じた政党内の「貸し借り」など、様々な要因が絡む政治の裏側を感じさせます
ちなみにLloyd Austin元中央軍司令官は、約50億円を投入した対ISのためのシリア反政府勢力教育訓練を米軍として担った当時の中央軍司令官でしたが、当時のマケイン上院議員に「結果として、養成した要員が何名ぐらい前線でISと戦っているのか?」と質問され、「4-5人です」と正直に回答してマケイン議員から「30年上院軍事委員会にいて、こんなにばかげた話を聞いたことがない」と酷評され大きく報じられた方です
ちなみにまんぐーすは、Lloyd Austin元中央軍司令官を信念をもって前線の現実を語った勇気ある人物だと思いますが、それ以上は知りません。また元軍人が国防省内で増えても、それが直ちにシビリアンコントロールの問題だとは思いませんが
バイデン政権の国防長官最有力候補フロノイ女史の思考
「必要な国防政策を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-12
「米議会で中国抑止を議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-17
「バイデン政権で国防政策はどう変わるのか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-09
応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
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いずれにしても、新大統領就任段階では国防長官不在だろうと
各種軍事メディアが、バイデン政権の国防長官候補最有力だと言われていたMichèle Flournoy元政策担当国防次官が、軍需産業との関係を嫌った民主党議員グループの反対に直面して難しいとの見方が広まり、代わりに元中央軍司令官のLloyd Austin退役陸軍大将の名前が急浮上していると報じています
一方で元軍人の場合は、国防長官に就任するには退役後7年以上経過(陸海空軍長官に就任するにも5年以上)していることが必要で、Lloyd Austin元大将がこの規定を満たしていないため、国防長官に就任するには、上下院の過半数の賛成と大統領署名が必要な「waiver:法律の適応除外」承認が求められるが、議会がそれを許す雰囲気にはないと紹介しています
トランプ政権の初代国防長官だったマティス氏は、この「waiver:法律の適応除外」承認を得てトランプ大統領就任日から職務を開始できましたが、現在の議会情勢では「waiver:法律の適応除外」承認を得ることも、大統領就任日に国防長官職を開始することも難しいだろうと米メディアは推測しています
11月30日付Defense-News記事によれば
●国防長官最有力で初の女性国防長官誕生かと期待されていたFlournoy女史は、軍需産業の幹部を務めた過去や政策担当国防次官当時の姿勢から、民主党の一部議員から反対されており、Jeh Johnson元国土安全保障長官や元軍人のTammy Duckworth上院議員の名前が浮上していた
●そんな中、2016年に中央軍司令官を最後に退役したLloyd Austin元陸軍大将(陸軍士官学校卒)が有力だとのバイデン筋情報が報じられ、大きな話題となっている。一方で、マティス氏のように退役後7年経過の「waiver:法律の適応除外」承認を得ることは難しいだろうと言われている
●マティス氏が「例外」を認められたのは、米議会から人物見識とも申し分ない人物だとの高い評価を得ていた例外的人物であったことに加え、トランプ大統領が安全保障に関して「素人」であることから、マティス氏が必要だとの雰囲気が醸成されたからである
●それでも「例外」承認投票では、上院で81-17ながら、下院では民主党議員が36名しか賛成しない268-151で認められた経緯があり、民主党重鎮が「今回だけだ」または「シビリアンコントロールを冒すもので許容できない」などの声を当時上げており、トランプ政権で文民ポストに元軍人が多数配置されたことを批判してきた民主党が、再び「例外」を認める可能性は低いと見られている
●また次期政権の国防長官人事に関し専門家は、マティス氏がトランプ大統領就任日に「例外」認証を得て国防長官に就任できたのは、共和党が両院で過半数を確保していたことが大きく、バイデン大統領が就任日に国防長官候補者を議会に推薦することになろう状況とは環境が全く異なるとコメントしている
●国防省の機構上は、統合参謀本部から制服組の意見を吸い上げ、国防長官室の文民官僚が総合的に判断して政策を立案遂行する形になっているが、マティス国防長官は制服組の意見をに耳を傾ける傾向が強かったこともあり、また国防長官室に元軍人が増えてシビリアンコントルールが危ういとの声が各方面で大きくなっている
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ほぼ全ての次期政権閣僚予想で国防長官最有力候補だったMichèle Flournoy元政策担当国防次官が、今になって「危うい」状態になっているのには驚きですが、大統領選挙を通じて生じた政党内の「貸し借り」など、様々な要因が絡む政治の裏側を感じさせます
ちなみにLloyd Austin元中央軍司令官は、約50億円を投入した対ISのためのシリア反政府勢力教育訓練を米軍として担った当時の中央軍司令官でしたが、当時のマケイン上院議員に「結果として、養成した要員が何名ぐらい前線でISと戦っているのか?」と質問され、「4-5人です」と正直に回答してマケイン議員から「30年上院軍事委員会にいて、こんなにばかげた話を聞いたことがない」と酷評され大きく報じられた方です
ちなみにまんぐーすは、Lloyd Austin元中央軍司令官を信念をもって前線の現実を語った勇気ある人物だと思いますが、それ以上は知りません。また元軍人が国防省内で増えても、それが直ちにシビリアンコントロールの問題だとは思いませんが
バイデン政権の国防長官最有力候補フロノイ女史の思考
「必要な国防政策を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-12
「米議会で中国抑止を議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-17
「バイデン政権で国防政策はどう変わるのか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-09
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