5月のF-35着陸事故の対策機体改修は「秘密」 [亡国のF-35]
作戦運用上のセキュリティー漏洩につながるからとか
機体全損・パイロット大けがレベルの事故では異例の非公開
11月23日米国防省F-35計画室は、5月19日のエグリン基地夜間着陸時に発生した機体全損・パイロット重症の重大事故に関し、作戦運用上の必要性からハード対策の内容については非公開とすると発表しましたが、機体のソフトやハードが関係する大事故にもかかわらず、対策が非公開との異例の対応に驚きの声が上がっているようです
事故調査報告書が10月上旬に発表され、主因と副因が明らかとなっていますが、全世界で585機が運用中で合計33万時間以上の飛行時間を記録しているF-35でも、未だに未解明だったソフトバグや機材不具合があったと報告されていますが、その上で対策が非公開との対応に、敵が悪用可能な弱点がありそうな雰囲気です
またこの事故関連の対策費を、米国防省とロッキードのどちらが負担するのかについても「非公開」となっており、なにやら「闇」を感じさせる事故事例となりそうです
当該事故の概要
●2020年5月19日、学生訓練を指導した教官パイロット操縦のF-35Aが夜間着陸を行う際、規定速度より50ノットも早い202ノット、着陸時の機首上げ角度も既定の13度より少ない5.2度で着陸した。
●この規定外の着陸姿勢速度にも警告音は出なかったが、パイロットは着地直後に異常を感じ、アフターバーナーで再離陸のため機首上げを試みたが、機首下げモードに機体が反応したことから、操縦者はベイルアウトを選択した
●操縦者が脱出後、機体は1回転して大破し修理不能となり、パイロットも脱出時にキャノピー等の破片で目や体に傷を負い、背骨も負傷し、命に別状はないが重傷を負った
●事故の主因は、着陸時の速度設定を誤ったことと事故報告書は指摘しているが、複数の副因が主因に関連して事故を誘発したと報告書は指摘している
当該事故の副因
●浅い角度の着陸で全輪が同時に着地する特殊な状況下で、パイロットが回復操作や再離陸動作を行ったことで機体コンピュータの処理が飽和し、機首下げをコンピュータが操縦者指示にオーバーライドして命じたが、着地後3-5秒間のこの機体反応は、操縦マニュアルやシミュレータにも反映されておらず、未知の機体反応だった。
●また、操縦者はHMDが今までに経験がない「誤表示:misalignment」を示し、更に「green glow」して周辺を目視で十分確認できず、修正が間に合わずに低高度で着陸侵入したと証言し、HMDの改修指示が出された
●もともとF-35での計器飛行着陸は難しいと言われているが、F-35の酸素供給装置は呼吸に体力を要し(to work too hard at breathing)、他機種と比較し格段に疲労による認知能力の低下(ognitive degradation)を招いた
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10月に報告書が出た際、記者団は国防省F-35計画室に質問を出しましたが、同計画室は調査チームが所属した米空軍教育訓練コマンドに聞いてくれと対応し、逆に質問を振られた米空軍教育訓練コマンドは、報告を受け対策を決定するのは同計画室だからそちらに聞いてくれと「たらいまわし」状態を生み出し、自ら傷口に塩を刷り込んだ黒歴史を誇っています
教官パイロットが事故を起こしたこともあり、非常にインパクトが大きかった事故ですが、最後まで話題を提供してくれています
当該操縦者のご回復と今後のF-35無事故を祈念し、紹介とさせていただきます
最近のF-35
「ODIN提供開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
鬼門の戦闘機酸素供給装置
「F-35で謎の低酸素症多発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-06-11
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機体全損・パイロット大けがレベルの事故では異例の非公開
11月23日米国防省F-35計画室は、5月19日のエグリン基地夜間着陸時に発生した機体全損・パイロット重症の重大事故に関し、作戦運用上の必要性からハード対策の内容については非公開とすると発表しましたが、機体のソフトやハードが関係する大事故にもかかわらず、対策が非公開との異例の対応に驚きの声が上がっているようです
事故調査報告書が10月上旬に発表され、主因と副因が明らかとなっていますが、全世界で585機が運用中で合計33万時間以上の飛行時間を記録しているF-35でも、未だに未解明だったソフトバグや機材不具合があったと報告されていますが、その上で対策が非公開との対応に、敵が悪用可能な弱点がありそうな雰囲気です
またこの事故関連の対策費を、米国防省とロッキードのどちらが負担するのかについても「非公開」となっており、なにやら「闇」を感じさせる事故事例となりそうです
当該事故の概要
●2020年5月19日、学生訓練を指導した教官パイロット操縦のF-35Aが夜間着陸を行う際、規定速度より50ノットも早い202ノット、着陸時の機首上げ角度も既定の13度より少ない5.2度で着陸した。
●この規定外の着陸姿勢速度にも警告音は出なかったが、パイロットは着地直後に異常を感じ、アフターバーナーで再離陸のため機首上げを試みたが、機首下げモードに機体が反応したことから、操縦者はベイルアウトを選択した
●操縦者が脱出後、機体は1回転して大破し修理不能となり、パイロットも脱出時にキャノピー等の破片で目や体に傷を負い、背骨も負傷し、命に別状はないが重傷を負った
●事故の主因は、着陸時の速度設定を誤ったことと事故報告書は指摘しているが、複数の副因が主因に関連して事故を誘発したと報告書は指摘している
当該事故の副因
●浅い角度の着陸で全輪が同時に着地する特殊な状況下で、パイロットが回復操作や再離陸動作を行ったことで機体コンピュータの処理が飽和し、機首下げをコンピュータが操縦者指示にオーバーライドして命じたが、着地後3-5秒間のこの機体反応は、操縦マニュアルやシミュレータにも反映されておらず、未知の機体反応だった。
●また、操縦者はHMDが今までに経験がない「誤表示:misalignment」を示し、更に「green glow」して周辺を目視で十分確認できず、修正が間に合わずに低高度で着陸侵入したと証言し、HMDの改修指示が出された
●もともとF-35での計器飛行着陸は難しいと言われているが、F-35の酸素供給装置は呼吸に体力を要し(to work too hard at breathing)、他機種と比較し格段に疲労による認知能力の低下(ognitive degradation)を招いた
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10月に報告書が出た際、記者団は国防省F-35計画室に質問を出しましたが、同計画室は調査チームが所属した米空軍教育訓練コマンドに聞いてくれと対応し、逆に質問を振られた米空軍教育訓練コマンドは、報告を受け対策を決定するのは同計画室だからそちらに聞いてくれと「たらいまわし」状態を生み出し、自ら傷口に塩を刷り込んだ黒歴史を誇っています
教官パイロットが事故を起こしたこともあり、非常にインパクトが大きかった事故ですが、最後まで話題を提供してくれています
当該操縦者のご回復と今後のF-35無事故を祈念し、紹介とさせていただきます
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「ODIN提供開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
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鬼門の戦闘機酸素供給装置
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