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超超音速兵器の防御は不可能、抑止のみ [Joint・統合参謀本部]

Hyten SASC.jpg20日、米軍戦略コマンドのJohn Hyten司令官(空軍大将)が上院軍事委員会で証言し、中国やロシアが精力的に開発し、試験的でも実戦配備しているとも「豪語」している超超音速ミサイルについて、米国に防御能力なしと明言し、抑止に頼るしかないと語りました。

同司令官は飾らない冷徹な分析を語る軍人で、マティス国防長官の様に嘘のつけない人だからです。同時に、空軍参謀総長の最有力候補だった優秀で人望の厚い軍人でもあります。

例えば昨年4月には、同じく上院軍事委員会で、INF全廃条約に違反してロシアが開発した巡航ミサイル(恐らくSSC-8:9M729)が欧州方面に配備され欧州全域が射程範囲内に入る可能性があるが、米国や欧州同盟国は防御手段を有していない(no defense)と正直に語っていたところです

Hyten大将の味にある発言記事
「宇宙センサー整備が急務」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31
「露の巡航ミサイルへの防御無し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06
「艦艇配備のCPGSを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-04
「21世紀の抑止戦略が必要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11

21日付米空軍協会web記事によれば
Hypersonic4.jpg●Hyten司令官は、ロシアと中国が急速に開発に取り組んでいる超超音速兵器(hypersonic weapons)の脅威について、米国のミサイル防衛能力では対処できないと証言した
●同大将は「これら開発中の兵器を拒否する防御能力を保有していない。我々の防御は抑止しかない」と表現した

●この発言は、先ほど発表された核態勢見直し(NPR)が抑止能力強化を重視し、次期爆撃機B-21、長射程巡航ミサイル、低出力潜水艦搭載核巡航ミサイルの開発などを盛り込んだこともあり、注目を集めている
●同司令官は、NPRの全ての措置が、中国やロシアやイランやNKからの脅威に対応するものだと表現した
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Hyten7.jpg日本が空気のように享受してきた「核の傘」は、確実にその安定度が揺らいでいますし、そもそもの抑止の概念や定義を根本的に考え直す時期が来ています。

今日の記事で紹介した新兵器の登場や新型核兵器の登場も一つの理由ですが、サイバーや宇宙戦を従来の抑止でとらえられるのか等、新しい抑止概念の整理確立が急務となっています

もう・・・森友問題なんかどうでもいいから・・・

21世紀の抑止概念を目指す
「リーク版NPR概要報道」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03

超超音速兵器の動向
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1
「超超音速兵器の脅威が大きな話題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-19
「中国が優位なのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-14
「ロシアも取り組み表明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11

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