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やっぱり駄目:KC-46改善は2023年以降に [米空軍]

ボーイング新CEOが乗り出してもこの程度
空軍参謀総長が上院軍事委員会で交渉状況語る

Goldfein.jpg3日、この夏に退役するGoldfein空軍参謀総長が2021年度予算案に関する上院軍事委員会で証言し、大問題となっているKC-46A空中給油機の給油モニター操作システムRVS(Remote Vision System)の不具合改善に関するボーイング社との協議について、最後の詰めを行っているが改善開始は1年遅れて2023-2024年頃になるだろうと述べ、米議会を驚かせています

本件については、1月9日に同参謀総長がボーイングに直接書簡を送って早期対策を求め、ボーイング新CEOが1月15日に同参謀総長の下に来訪して全力対処を誓い、3月末までに改善計画をまとめて合意する予定だと同参謀総長が2月18日に語っていたところですが、やっと動き出したのに結論は1年遅れの2023年以降という情けない状況です

KC-46A 2.jpg米国防省は2021年度予算案で、統合アセットの連接強化を柱に掲げ、米空軍の老朽空中給油機等を早期退役させることで維持整備費を削減する姿勢を打ち出していますが、KC-46の更なる遅れで、20機程度のKC-135やKC-10早期退役案が流動的になっているようです

米議会がボーイングに法的な義務を負わせる動きもあるようですが、そんな中、米国務省がイスラエルの要請に応じ、8機のKC-46売却許可を出したとの報道がありました。米国からの軍事援助費を使用して購入するようで、米国政府からボーイングに資金が還流するような構図です

3日付Defense-News記事によれば
3日、Goldfein空軍参謀総長は上院軍事委員会で、ボーイング側とRVS改善計画について最終的な詰めを行っており細部を正確に説明できないが、2019年当時に想定していた2022年から改修開始ではなく、1年遅れの2023年から開始になる見込みだと証言した
●同大将は、「(1月15日にボーイングCEOとの直接会談で修復に全力を尽くすとの発言があった以降のボーイング側の動きについて、)細部をフォローしていないが、私はCEOのDave Calhoun氏に対し、きちんと改善してもらうことがもちろん重要だが、早期解決も同様に重要だと明確に伝えている」と語り、ボーイングの対応に不満を表した

KC-46A RVS.jpg米空軍は2021年度予算案で、13機のKC-135と10機のKC-10を早期退役させる計画にしているが、米輸送コマンド司令官Stephen Lyons大将が先週、国防省首脳と協議し、この早期退役案の扱いについて近く結論を得ると語っていたところである
●また米空軍輸送コマンドのMaryanne Miller大将も、「ボーイングとのRVS不具合改善の計画について合意できれば、老朽給油機の予定を決めることが容易になる」と語り、一方で日々の給油機のやりくりで23-28機の不足が常態化し、演習計画や中東での任務対応に影響が出ると語っている

Goldfein空軍参謀総長は自身がKC-46に搭乗した経験を踏まえ、太陽の位置によっては、給油相手の航空機の機体に太陽光が反射してまぶしく、現状のRVSでは相手機の位置が見にくくなり、給油操作員が危険と感じる状態が生じると議会で説明した
●同空軍参謀総長は、仮に中国やロシアと戦闘状態に至ったら、現状のRVSを搭載したKC-46でも、リスクを局限するように配慮して戦域に投入することになろうが、平時の任務時にリスクを冒すことはできないと説明した

上院軍事委員会の有力議員らから、下院軍事委員会メンバーとも協力し、ボーイング社にRVS不具合改善期間を短縮するよう働きかけるとともに、予算関連法案に何らかの施策を盛り込むよう検討べきとの声が上がっている

米国務省がイスラエルへのKC-46売却許可
Israel.jpg3日付Defense-Newsによれば、米国務省が3日、イスラエルから要請のあった8機のKC-46Aの売却について、問題ないとの意見を議会に提出した。正式には米議会が許可することが必要だが、重要な米国の同盟国の要請を断ることは考えられず、イスラエルは日本に続いてKC-46の2番目の輸出先となる模様です

イスラエル空軍は現在、旅客機B-707をイスラエル軍需産業IAIが空中給油機に改修した機体タンカーとして活用しているが、その後継機となる模様です

8機の機体と通信装置や整備関連機材、機体受け入れ準備の支援などを合わせた合計金額は2700億円と見積もられている様ですが、イスラエルは毎年米国から提供されている無償軍事援助約8000億円を使用して支払うと言われています
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米国とイスラエルの抜き差しならぬ関係については言及をしませんが、米国と日本との関係とは全く異なる意味で「KC-46」を購入する関係なのでしょう

繰り返しですが、ロッキードもボーイングも・・・・、腐ってますねぇ・・・・

日本はイスラエルと情報交換して、日本だけKC-46使用国として損しないように注意してください!!!

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「重大不具合について3月に手打ち!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-21
「空軍トップが新CEOに改善要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
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「米空軍2度目の受領拒否」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-1
「機体受領再開も不信感・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「米空軍がKC-46受け入れ中断」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-3
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「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1
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