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報復恐れるアフガン語通訳1.8万人を米国が特別移民認定へ [ふと考えること]

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「特別移民ビザ」発給をバイデン大統領が明らかに
海外での活動とはこれだけ大きな影響を生むということです

Ghani2.jpg24日、バイデン大統領が記者団に、アフガニスタンでの米国活動を通訳として支えてくれたアフガニスタン人の希望者に「特別移民ビザSIV:Special Immigrant Visas」を発給し、住居確保なども含む米国への移住手続き検討に入ったと語りました

バイデン政権は、911同時多発テロから丁度20周年に当たる今年9月11日までにアフガンから撤退すると表明しており、細部不明ながら在カブール米国大使館の警護要員など一部のみに米軍が残置すると言われていますが、米軍に通訳として協力したアフガン人が、米軍撤退後に支配を強めるタリバンから非人道的な扱いを受けることが予想され、どのように処遇するかが検討されてきました

afgan interpreters3.jpg軍隊の撤退と現地協力者のその後の処遇は、当該国との将来の関係を考える上で極めて大きな問題で、「協力者」が撤退後に冷遇され、新しい支配者により見せしめにされるような事態となれば、当該国と撤退国の将来関係に大きな影を落とすことになります

一方で、「協力者」の数が数十人であれば話は納めやすいでしょうが、それが1万名を超えるとなれば、受け入れ側の準備も大変ですし、長期的な影響も考えれば相当大きな国家事業です

タリバンの攻勢を受け、当初5月1日までとしていた撤退準備が遅れ、9月11日まで撤退期限を延期した米国ですが、タリバンに「足元を見られた」状態の厳しい立場にあり、まだまだ色々ありそうです

6月24日付米空軍協会web記事によれば
Ghani3.jpg24日にアフガニスタンのAshraf Ghani大統領が米国訪問を開始し、バイデン大統領やオースチン国防長官との会談が行われるのに合わせ、バイデン政権は米軍の通訳として活動した1万名を超えるアフガニスタン人協力者を、アフガンから避難させる検討を開始したと明らかにした
バイデン大統領は24日、「我々を助けてくれた人々を置き去りにはできない」、「既に手続きを開始した」と記者団に語った

ブリンケン国務長官も今週初めに、タリバンの勢力拡大により治安悪化が懸念される中、約1.8万名のアフガニスタン人協力者が「特別移民ビザ:Special Immigrant Visas」で米国に居住することに関心を示していると述べていたところである

afgan interpreters.jpg米国防省のKirby報道官は24日、国防省は国務省と国土安全保障省と協議しつつ、「彼らをアフガンから出国させ、他の場所に移動させるため」、何をどのようなスケジュールで行うか検討していると語った
同報道官は、ビザ発給に関することで国務省が中心となって話を進めるが、米軍は州軍と共に、アフガン移民への住居や食事や医療提供などなどに関与することになろうが、軍用機での移民の輸送を含め、何も決まっていないと述べた

アフガニスタン大統領は24日にワシントンDCに到着し、同日米議会関係者と会い、25日にはバイデン大統領やオースチン国防長官と会談する。会談では米軍撤退のプロセスや撤退後のアフガン支援が焦点になる
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afgan interpreters2.jpg通訳として働いた協力者だけでなく、当然家族を含めて面倒を見ることになるのでしょうから大変です。ちなみに、アフガンで活動した英国や豪州も同様の取り組みを行うようです

その方面に関心を持って戦史を見たことがありませんので確証はありませんが、ベトナム戦あたりから今までの海外活動の教訓を踏まえ、「協力者を置き去りにするな」の姿勢を米国政府が決断したということでしょう

アフガニスタンについては全くフォローしていませんが、それにしても18000名・・・・この数字がそのままであれば、一大事業です。大変なことです。

パキスタンを見捨てた米国が負う負の遺産
米国とパキスタン関係を振り返る記事
「マティス長官の苦悩」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-01-08
「ゲーツ氏がパキスタンを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-15
「茂田宏が語る米パを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-30
「国防&国務長官がパキスタンで罵倒される」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-23

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Bryan Clark氏意見投稿:ミニ原発開発は中止せよ [安全保障全般]

ミニ原発は攻撃目標となり危険とのシンプルな主張
展開先候補になる、日本、豪州、フィリピン等は今から頭の体操を

Portable nuclear3.jpg15日付Defense-Newsが、米国防省SCO(戦略的能力迅速計画室)が進めるサイバー攻撃等による電力網中断に備えた「ミニ原発開発」に反対するハドソン研Bryan Clark氏らの意見投稿を掲載し、中国やロシアの精密誘導兵器が進歩を遂げる中、標的となりやすい「ミニ原発」は非常に危険であり、他の代替手段検討に投資すべきとの主張を紹介しています

このミニ原発は、サイバー攻撃で電源網が被害を受けた際の主要基地機能確保や、僻地前線部隊の電源確保、レーザー兵器やレールガン等の大電力を必要とする新装備電源確保、また航空アセットを施設不十分な飛行場などで分散運用する場合の電力源等々として期待されるもので、ググると日本の東芝を含め基礎的な構想は主要な原発企業は古くから温めています

Portable nuclear5.jpg米国防省SCOを中心とした移動可能なタイプも含む「ミニ原発開発」は「Project Pele」と呼ばれ、サイバー攻撃による社会インフラへの脅威が現実のものとなる中、昨年3月当時の調達担当国防次官が「Project Pele」の重要性と事業加速の必要性を会見で訴えるなどしてきました

なお2022年度予算案には、「Project Pele」用に約65億円が計上されているようが、多方面の軍事問題でメディアからコメントを求められ、バランスの取れたコメントで信頼されているBryan Clark氏がわざわざ本件に意見投稿をしている点に注目し、ご紹介しておきますと

まず先に「Project Pele」関連の概要から・・・

2019年国防授権法が描くミニ原発活用構想
portable nuclear2.jpg2-10メガワット級を想定し、デモ機の効率性や安全性等を確認・実証するため、2023年にエネルギー省の試験施設での初期段階試験を構想
上記初期段階試験で所望の成果が得られた場合、米国原子力規制評議会の許可を受け、商業ベースで具体的開発を進め、2027年までに米本土の米軍基地で1号機の固定デモ運用構想

ミニ原発を基地内で運用開始後は、運用民間会社から電力を購入する形式で利用
約9割の米本土米軍基地の電力は40メガワット級の発電所でまかなえるが、サイバー攻撃停電に備え、ミニ原発で2-10メガワット程度を確保する方向目指す

Project Peleについて
portable nuclear.jpg2020年3月、1~5メガワット級の移動可能ミニ原発デザイン設計を競わせるため、3企業と総額約44億円の設計契約
安全かつ迅速に展開設置が可能で、かつ陸海空路で輸送可能なものを目指す
国防省のSCO(戦略的迅速計画室)が担当し、2年後に最も優れたものを1社選び、更にデモ機製造へ進む予定も、提案の成熟度によっては実用化しない可能性もあり

3企業とそれぞれとの契約額は・・・
--- BWX Technologies 約15億円
--- Westinghouse Government Services 約13億円
--- X-energy 約16億円

Bryan Clark氏とHenry Sokolski氏は反対意見を投稿し
Clark.jpg2007年に開始された「Project Pele」は、過去20年間の対テロ戦争時代を生き延びてきたが、今後の中露との対峙を見据えた時代には「時代遅れ」と言わざるを得ない
精密打撃力や我が方の基地を攻撃する能力の無い敵との戦いの時代には、ミニ原発も考慮の対象だったかもしれないが、精密誘導ミサイルや高性能攻撃用ドローンを使用する中露などを相手に想定するとき、第1の攻撃目標となるミニ原発を前線基地や前線の同盟国で運用することが可能だろうか?

小型原発が前線基地に十分な電力を供給し、エネルギー兵器や電動車両の運用が可能になり、前線への燃料輸送の負担が軽減されるにしても、多数の小型弾頭やタングステンの槍を装備した中国の弾道ミサイル攻撃も想定される前線基地に、ミニ原発を配備できるだろうか?
Portable nuclear4.jpg太平洋地域で対中国の前線を形成する重要な同盟国、つまり日本や豪州やフィリンピンは核に対する反発が強いが、果たしてミニ原発の展開を受け入れ、攻撃を受けた際の核汚染リスクを引き受けてくれるだろうか?

たとえそれが米国の影響力が強いグアム島や北マリアナ諸島だとしても、中国のミサイル射程内にあるこれらの島々の地元住民が、ミニ原発を歓迎するとは到底考えられない
仮にミニ原発を無事使用できたとしても、運用要員が使用した衣服や道具や廃棄物は全て「放射性廃棄物」として米本土に持ち帰る必要があろうし、その輸送や扱いは神経を要するだろう。つまり、ミニ原発は得られる恩恵よりもさらに大きな問題を我々にもたらすのだ

Portable nuclear6.jpgNASAやエネルギー省が、極地や惑星探査用にミニ原発開発に取り組むのは別として、「Project Pele」を大電力を要するエネルギー兵器や新型センサーや電子戦装備導入のために開発するのは正しい道ではない
これら大電力装備のために、国防省はより広範な技術分野に目を向け、発電や蓄電の次世代技術開発により焦点を当て、賞金付きコンテストを行ったり資金を出す道を選ぶべきである
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対中国の最前線国となる「日本や豪州やフィリンピン」での運用が想定されていることを忘れてはいけない問題です。

世界的なCO2排出量削減運動と同じで、代替手段に目途が立っていない中での「危険なミニ原発開発を中止せよ」論でした

常温核融合とか、発電や蓄電の世界で夢のある技術的ブレークスルーに期待するしかないのでしょうか? 元ZOZOの前澤さんも、もう少しこのような分野に「お金配り」してくれたらなぁ・・・と思います

Lord調達担当国防次官が必要性を訴えていた
「サイバー停電に備えミニ原発開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-07

前CSBAのBryan Clark氏関連の記事
「イージスアショア撤退の日本に提言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-28
「F-35搭載可能強襲揚陸艦の火災について」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-15
「FA-18後継機について」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-17
「F-35BとC型超音速飛行に制約」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「フォード級空母にレーザー兵器を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-05
「CSBA:大型艦艇中心ではだめ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10
「FA-18から2機の同機を操縦」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-05-1
「空母の脆弱性を海軍トップに詰問」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-07

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米国家情報長官DNIがUFOレポート発表 [安全保障全般]

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正確には「予備的な未確認空中現象アセスメント」
2004年以降の144件について調査
確実に存在し、安全保障上の脅威と認定
引き続き謎が多く、国防省内に継続調査&データ収集を指示

UAP Report.jpg6月25日、米国政府情報機関の元締めDNI(Director of National Intelligence)が、UAP(俗称UFO、未確認空中現象:unidentified aerial phenomena)に関するレポートを公表し、バールーンだと判明した1件を除き、「質の高い報告」が限定的なため断定的な結論には至らないと述べつつも、信頼に足る複数のセンサーで同時に補足されているUAPが相当数あり、飛行安全上の問題や安全保障上の脅威となりえるとレポートしています

本レポートは2021年国防授権法に基づき米議会から要求されたもので、米国政府系の各種情報機関が保有している2004年以降に記録されてた144件の事象について精査したものですが、レポートのタイトルが「予備的な未確認空中現象アセスメント:Preliminary Assessment・・・」となっているように、DNIはより体系的で組織化された情報報告と分析継続の必要性を最後に提言しています

UAP3.jpgこの提言部分を受け、Kathleen Hicks国防副長官は同日午後、現在国防省内の特別チーム「Unidentified Aerial Phenomena Task Force」が行っている関連調査を、正式な国防省と米軍の任務として位置付け、組織的な取り組みとする計画作成を省内に命じたようです

以下では、25日付Military.com記事や現物レポートから、レポート概要をご紹介します

25日付Military.com記事等によれば同レポートは
分析対象となった144件の事象の多くは、米軍航空機搭乗員や信頼できる各種センサーによって観測されたものである。きちんと整理された報告が限られているため精査が困難であるが、以下の5つのどれかに当てはまると考えられる
UAP5.jpg5分類とは、大気中に漂う単なる物体、何らかの大気中の自然現象、米国政府または米国企業の開発中物体、敵対的な他国のシステム、その他の様々な物体(a catchall “other” bin.)の5つである(「extraterrestrial」地球外との表現は一度も使用されていない)

144件の事象の内、80件は目視も含め複数のセンサー(レーダー、赤外線、電磁センサーや兵器のシーカー)で探知&追尾されており、その点でUAFは大部分が実態として存在する物体だと考えられる

いくつかの限られたケースでは、UAPが普通は考えにくい飛行パターンを示している(空中で静止、突然の急激な移動、推進装置の存在が確認できない高速移動など)が、観測センサーや目撃者の誤認識の可能性も残されている
また、幾つかのケースでは、UAP目撃箇所で無線周波数出力が確認されている

UAP.jpg報告された事象には、米軍の演習場や試験エリア周辺のものが多いが、これは最新のセンサーが同エリアに集まっていることや、人間の注目程度が高いエリアだからだろう
UAPが中国やロシア等が開発した未知の技術に立脚したものの可能性や、米国内の極秘プロジェクトに由来する可能性もあるが、確証が得られたものはない
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9ページの同レポート現物
https://www.dni.gov/files/ODNI/documents/assessments/Prelimary-Assessment-UAP-20210625.pdf 

UAP2.jpgHicks副長官は上述の指示文書で、「全ての米軍航空機搭乗員や関係者は、軍事訓練や作戦の妨げとなる全ての航空機や他の物体について報告しなければならず、これにはUAPも当然含まれる」と指示し、継続的な情報収集を行う姿勢を示しています

ちなみに米議会から要求の本レポートですが、DNIはレポートの締めを「Some of these steps are resource-intensive and would require additional investment」と「予算よこせ」メッセージで結んでいます。当然ですね

続々とUFO調査の指示が・・・
「米国防省監査官が省内のUFO対応を調査へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-05
「国防省等の米国情報機関が公式UFO報告書作成へ」→https://holylandtokyo.com/2021/01/07/293/
「英国防省:地球外生物ETは存在しそうもない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2013-06-22-1

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英国防相がF-35企業に不満をぶちまける [亡国のF-35]

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「ロッキードに言わせてもらう」と英議会で警告
維持整備費高止まりと英製ミサイル搭載遅延に不満爆発

Wallace5.jpg23日、英国のBen Wallace国防相が英国議会国防委員会で、英国が2015年時点ではF-35購入機数を138機と明確にしてにもかかわらず、今年3月発表の国防予算計画「Defence in a competitive age」では曖昧な表現に終始している件について、F-35の高止まりしている維持整備費と、英国が要求している欧州製ミサイル搭載事業が遅々として進まないことへの不満が原因だと明言しました

英国議会という公式な場で、しかも国防相としての立場で、これ以上は無い・・・と言えるほど明確に、相手を指さして恫喝するがごとく、「維持費を下げなければ、支払い不可能な請求書に縛られるつもりは無い」、「F-35を計画通り買ってほしければ、コストを抑えろ」、「白紙の小切手を渡すつもりは毛頭ない」と訴えています

Queen Elizabeth2.jpg加えて、F-35に欧州MBDA製の中距離空対空ミサイル「Meteor」(米製AMRAAMと同等)と空対地ミサイル「Spear」を2024年ころまでに搭載する計画について、ロッキードとBAEが真剣に取り組んでいるようには見えない点にも強い不満を表明しています

一方で、英国と米国は作戦運用面では緊密な連携を保っており、最近では英国の新型空母エリザベスに米海兵隊F-35を派遣する形で常駐させ、更に米イージス艦を同空母に同行させ「空母攻撃群」として一体運用を開始しており、既に中東地域で作戦行動を行い、アジアにも進出予定となっているところです

以下では、Ben Wallace英国防相の怒り爆発の国防委員会発言をご紹介いたします

23日付Defense-News記事によれば同国防相は
Wallace4.jpgBAE SystemsやLockheed Martin社、更にF-35製造にかかわるすべての関係企業の皆さんに、私から重要なことをお伝えしたい。F-35の維持コストを下げることは皆さんにとって極めて重要なことである。なぜなら、私は我が国が支払不可能な請求書に縛られたくないと考えているからだ
更に重要で、関連企業の皆さんに承知しておいてほしいのは、我々が引き続き「Meteor空対空ミサイル」を英国F-35Bに搭載したいと考えており、そのための検討や設計作業などを後回しされることに我慢ならないと考えていることである

F-35B.jpgもし関連企業の皆さんが、英国によるF-35継続購入を期待されるのであれば、維持整備経費を抑制し、欧州製のミサイル搭載改修要請に対し、公平に公正に対応してほしい
英国は(現在発注済の)48機以上のF-35が必要だし、そのために投資したいと希望しているが、関連企業の皆さんがコスト管理や維持整備分野で役割を果たさず、英国製兵器の搭載を確かなものとしないなら、私は白紙の小切手を切るつもりは無い

上記の国防相発言に対しロッキード報道官は、「多くの投資により、過去5年間でF-35の飛行時間当たり経費を44%削減してきたし、今後5年間で英米を含む関係国と協力して40%削減するよう取り組んでいる」と述べている
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英国防省関係者は、Wallace国防相の発言は、英国から米国に対する警告で、「Meteor空対空ミサイル」をF-35内部兵器庫に搭載する計画を邪魔するなら覚悟があることを伝えたものだとコメントしているようです

Wallace3.jpgまた国防相の発言は「Spear空対地精密誘導ミサイル」に触れていなませんが、「Meteor空対空ミサイル」のような扱いを受ければ、同様の問題として英米間に浮上するだろうと考えられているようです

なお、F-35の時間当たり維持整備費は、現状35000ドル/時間で第4世代機の約2倍で、これを25000ドル以下に2025年までに引き下げる目標を掲げていますが、様々なタイプのF-35が混在して維持整備が複雑で、整備支援システムALIS崩壊と後継ODIN開発中断で混乱に拍車がかかっており、加えて最新型Block4の導入も予定されていることから、削減目標達成は困難と考えられています

英国よりも遥かに多数のF-35を購入予定の日本も、これぐらい強気に出たいですがねぇ・・

英国のF-35への態度が冷徹に
「英国の138機F-35購入計画は多くて60-72機へ!?」→https://holylandtokyo.com/2021/03/31/174/
「英空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-11

空母エリザベスでは海兵隊F-35が
「英空母エリザベス米英のF-35B搭載で初出撃」→https://holylandtokyo.com/2021/05/11/1492/
「英新型空母と米駆逐艦が空母攻撃群を編成へ」→https://holylandtokyo.com/2021/01/27/308/

ALISの後継システムODIN
「ODINの開発中断」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-24
「ODIN提供開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ALISを断念しODINへ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-22
「ALIS問題を議会で証言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-15
「ALISは依然大きな障害」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-02

F-35維持費削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1

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KC-46空中給油機に更に2件の最高度不具合発覚 [米空軍]

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年初に「category 1」不具合2件減少も、再び計6件に
ボーイング開発費は当初5000億円から1兆円越えへ
2018年完全運用開始予定が2023~24年にずれ込み中

KC-46 Flight Manage3.jpg17日付各種軍事メディアは、米空軍によるKC-46A空中給油機に追加で2件の重要度最大を示す「category 1」不具合が見つかったとの発表を報じています。年初に2件の同レベル不具合解消を発表し、「category 1」不具合を4件まで減らしていた米空軍ですが、これで再び6件の重大不具合を抱えることとなりました

2件の新不具合は、余分な水を機外に出す「refueling receptacle drain line」に低温時に亀裂が生じる件と、「Flight Management System」の不具合で航法計算に不具合が生じる件の2件です。いずれの不具合もKC-46の飛行停止や運用制限にはつながらないと米空軍は発表しているようですが、直ぐに解消可能なものでもないようです

KC-46 Flight2.jpgKC-46空中給油機は、当初18機までの開発&製造を約5500億円の固定経費契約でボーイングが担当していますが、ボーイングは頻発する不具合対応に追われ既に1兆円以上を開発&製造&不具合対処に支出しており、5500億円を超える部分は全て「ボーイングの自腹」となっています。「身から出た錆」とは言え、コロナで航空業界大不況の中、経営上非常に厳しい状態に置かれています

当初計画では2017年に初号機が納入され、2018年には部隊運用開始予定でしたが、初号機納入は2018年にずれ込み、その後の不具合や機内への異物放置などで、179機導入計画中の46機が納入済の現時点でも運用開始できていません。しかし現有給油機の老朽化による給油機不足でこれ以上は待てず、不具合がある状態のまま用途限定で今年夏から使用開始することになっています

計画当初やドロ沼機種選定の後は、固定価格契約の優等生だと空軍はアピールしていたのですが、給油捜査員が相手機を確認しながら給油装置を操作するRVS(Remote Vision System)の「category 1」不具合などは、設計やり直しで機体に導入されるのが2023~24年になると言われており、完全戦力化に8年もの遅れが生じる問題装備となっています

17日付Defense-News等によれば
KC-46 RVS2.jpg米空軍報道官は、2件の不具合は5月に新たに「category 1」認定されたが、KC-46に飛行制限等は新たに課せられず、安全上の影響もないとしている
そして「米空軍のKC-46室とボーイング社は影響を局限するための対応手順を周知し、搭乗員や航空機に追加リスクが生じないよう対応している」と述べ、「ボーイングは両方の問題に自腹で対応している」とも説明した

KC-46 Flight Manage2.jpg「aerial refueling receptacle tube」に低温状態で排水が凍って膨張して配管に亀裂が入る件については、過去に3件事象が確認されており、特別な追加点検手順が示されている。しかし恒久的な解決には排水ラインの再設計が必要である

「Flight Management System」の不具合は、3月3日のハワイへ向かう飛行中に航法システム異常として初確認され、当該機のクルーは他の航法機材を頼りにホノルルに問題なく着陸している
担当のGeneral Electric社は、同不具合発生時のシステム再立ち上げなど当面の対処法を指示したが、根本解決には時間のかかるソフト改修が必要となる

KC-46A3.jpg上記2件以外のKC-46「category 1」不具合4件は、RVS(Remote Vision System)の見辛さ関連2件と、給油ブームが固着して給油が困難になる件、更に燃料系統での燃料漏れ問題である
特にRVSやブーム問題は根本的な装置の再設計を必要とするもので、Roth臨時空軍長官は16日の下院軍事委員会で「2023~24年ころまでに解決することを希望している」と説明している
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日本の航空自衛隊も米空軍以外で唯一KC-46を購入することが決まっており、この多発する不具合の影響を受けているはずですが何も聞こえてきません。「ボーイングの自腹持ち出し」部分を一部巧妙に押し付けられているのではないかと心配になりますが、そのようなことがないことを祈っております

KC-46関連の記事
「F-22とF-35のデータ中継装置を搭載へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
「KC-46空中給油機を一部の任務に投入開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-25
「恒久対策は2023-24年から」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-30
「今度は燃料漏れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-31-1
「やっぱりだめで更に1年遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「重大不具合について3月に手打ち!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-21
「空軍トップが新CEOに改善要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
「ついに空中給油の民間委託検討」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-15
「貨物ロックに新たな重大不具合」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-12
「海外売り込みに必死なボーイング」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-22-1
「米空軍2度目の受領拒否」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-1
「機体受領再開も不信感・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「米空軍がKC-46受け入れ中断」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-3
「不具合付きの初号機受領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-2
「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1 

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下院軍事委員長も絶賛のB-21爆撃機開発 [米空軍]

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民主党の重鎮であるAdam Smith下院議員が高評価
要求性能を変更しない姿勢で時間と予算が計画通り

Ray3.jpg3日、米空軍協会ミッチェル研究所主催のwebイベントで、B-21次期爆撃機を運用するGlobal Strike CommandのTimothy Ray司令官が、「modular approach」「漸進的な技術的変更」「根本の要求性能に変更なし」の基本姿勢で進行中のB-21開発は、スケジュール面でも開発コスト面でも極めて順調で、下院軍事委員長からも称賛されていると自信たっぷりに語りました

B-21開発を末尾の過去記事でご紹介していますが・・・
●2020年代半ばに運用開始、強固な防空網を突破可能な性能(ステルス等)、80-100機製造で1機約600億円($550million)以下
無人機もあり得る(正式にはoptionaly manned)、既存成熟技術を活用し開発リスク局限の要求で、2015年から開発開始

B-21 3.jpg2018年12月に「重要設計審査:critical design review」終了、ただし、引き続き細部性能や状況は非公開
2019年7月には米空軍副参謀総長が、初飛行は「863日後だ」(2021年12月3日)とアピールし、2019年秋に格納庫らしき場所で撮影された写真1枚が公開

2020年8月に担当幹部が、コロナの影響はあるが、「全ての困難で重要な設計段階や、難しい製造問題は全て解決済み。現在は機体の製造や、飛行試験に進むことに集中」と説明
コロナの影響に関し同幹部は、例えば機体を担当する「Spirit AeroSystems社」はボーイングのB-737MAX製造中止で会社が危機直面も、旅客機部門の人材をB-21に配置転換して危機に対処等と説明

B-21 B-2.jpg2021年1月に関係幹部が、初飛行「2021年12月」はベストなシナリオで、2022年半ばと想定するのが「穏当な見通し:good bet」。初飛行を目指す初号機はまだ最終組み立て段階にはなく、「爆撃機らしい形になってきた」段階と説明
2018年にコストに関し米議会調査局は、空軍見積もりとして100機で8兆8千億円だとレポート(単純だと1機880億円)

4日付米空軍協会web記事によれば同司令官は
「open mission systems」と「modularity of design」により、要求を安定した状態に保つことができている。統合の要求性能見直し評議会の開催をお願いし、無線機や兵器やセンサーや防御システム要求性能の見直しをお願いする必要もない
これらは全て爆撃機に必要な一部として設定されており、これがために「開発を迅速に計画通り進めることができた」と語り、「要求性能を変更することはなかった」と過去の開発案件との違いを強調した

(6年前に固めた要求性能を維持したままで、急速な技術進歩をとげる敵に対応できるのかとの質問に対し、)B-21は必要な新技術を取り込んでおり、継続して空軍迅速能力開発導入室(Rapid Capabilities Office)やNorthrop Grummanにより管理されている
B-21 bomber.jpgこのような手法は次期ICBMであるGBSDにも採用されているが、この取り組みがAdam Smith下院軍事委員長から「スケジュール通りで予算範囲内で進んでおり、知的な道を歩んでいる」との高評価を頂いた理由であろう

B-21は、よほど大きな必要性が生じない限り、「block upgrades」は実施せず、漸進的なアップグレードを行い、それらは前線部隊で実施されるであろう。補給整備基地に持ち込んで長期間非稼働で大規模改修を行う形式ではない
Roth臨時空軍長官からは「なぜ遅れが生じないのか」と問われたが、「要求性能の変更を拒否しているからだ」と答え、「必要なことに焦点を当て、ゴールすることに注力している」と補足したと振り返り、下院軍事委員長にも同じような説明をして高評価を頂いた
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B-21 Shelter.jpgKC-46A空中給油機も開発途中までは超順調だったのですが、終盤になってトラブル続発で4年以上(?)遅れていますが、そうならないことを祈ります

情報管理も、これまでのところ大したものです。それから・・要求機数は当初100機程度だったのが、146機とか178機とかの数字が空軍幹部から飛び出すようになっています

B-21爆撃機の関連記事
「格納庫写真から大きさを推定する」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06-1
「初飛行は2022年半ばか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-17
「B-21の開発状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1
「2021年12月3日初飛行予告」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-29
「初期設計段階終了」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-30
「米空軍の爆撃機体制計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2 
「2017年3月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20
「B-21に名称決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-27

「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28

米空軍爆撃機の話題
「B-1の稼働機一桁の惨状」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春時点の爆撃機構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2

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米海軍無人艦艇が中東から西海岸までの航海に成功 [Joint・統合参謀本部]

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米海軍の無人艦艇計画「Ghost Fleet Overlord」で
2022年初旬終了の検討第2段階での試験航海

Nomad USV.jpg7日付米海軍協会研究所web記事によれば、米海軍と国防省戦略能力検討室SCOが協力して進める無人艦艇計画「Ghost Fleet Overlord」の第2段階として、無人艦艇「Nomad(Riley Claire)」が、中東湾岸地域からパナマ運河を通過してカルフォルニアPoint Loma港に5月24日に到着し、4421nmの航海に成功した模様です

記事は米海軍発表を基礎にしているようで、「almost entirely in autonomous mode」だったが、5月20日のパナマ運河通過時は有人航海だったと記事は伝えていますが、中東湾岸地域を出港した日時や細部のルートには各種報道も触れておらず、また無人艦艇「Nomad」の規模や性能についても全く触れていません

Nomad USV2.jpgただ、無人艦艇計画「Ghost Fleet Overlord」の第2段階は2019年9月にスタートし、「政府の指揮統制システムとの融合や、様々な搭載物、更により高度な海洋作戦を想定した試験を行う」こととなっており、2022年初頭まで継続するとされているようです

「Nomad(Riley Claire)」は写真から見ると1000トン以下程度の大きさで、沿岸地域用の警備艇を改修したものと言われていますが、第2段階試験用に姉妹艦「Ranger」と共に従事している以外はよくわからない艦艇です

Ghost Fleet Overlord計画を国防省SCOと共に担当する米海軍のPete Small大佐は、「国防省戦略能力検討室SCOと緊密な連携を図ることで、Overlord計画の技術デモを加速し、作戦コンセプト開発に寄与し、米海軍が期待するような無人水上艦艇の作戦指揮統制実現を推進している」と声明でコメントしています

normad.jpg今後の計画として米海軍は、2023年度予算案でスタートする「LUSV:大型無人艦艇:Large Unmanned Surface Vehicle」計画に向け、無人艦艇「Nomad(Riley Claire)」と同規模の艦艇2隻を追加で無人化し、更に基礎データを収集しつつ技術実証デモに取り組みたいと考えている模様です

無人艦艇の必要性は対中国の作戦運用面でも求められていますが、睡眠不足を招く艦艇勤務や「長く退屈な」タイプの航海任務から艦艇勤務者を少しでも開放したいとの思いも強いようで、その点に関し

9日付Military.com記事は・・・
米海軍の艦艇勤務士官への調査によると、4割が睡眠の質低下を頻繁に経験し、3割が睡眠不足からくる迅速的確な判断能力の低下を時に経験しており、海洋事故の原因の過半数が疲労や不十分な連携からくる人的エラーから生じているとの調査結果も報告されている

USS McCain.jpg米海軍では艦艇乗員の疲労が原因の事故多発が問題となっており、即応態勢を維持しつつも、兵士の疲労権限策を求められている。これがため多数の検討がなされているが、無人艦艇導入は中心的な役割を担うと期待されている
米海軍は、無人艦艇が長期間に及び退屈又は危険な任務から、乗員を解放できないかと考えている
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失礼かもしれませんが、海路の難所とか、運河とか、交通量の激しい港湾とかは別として、船の場合は無人化がそれほど難しいとは思わないのですが、どうなんでしょうか?

難しい対潜水艦作戦や空母運用は別として、ミサイル防衛や艦隊防空任務なども、遠隔操作や無人化が可能ではないかと思ったりするのですが・・・・。船の分野では、空のドローンと異なり、無人船舶やボートの話をあまり聞きませんねぇ・・・

米海軍の無人艦艇を巡る動向
「海軍の無人システム計画が議会から猛批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-22
「21年初に本格無人システム演習を太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10-1 
「潜水艦も無人化を強力推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-03
「空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBA:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10

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10日間連続在空可能な無人機に問い合わせ殺到中 [Joint・統合参謀本部]

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同クラス世界記録保有の無人機
太平洋艦隊演習で大注目、南米軍や特殊作戦軍も試験へ
NASA、国土安全保障省、エネルギー庁、内務省、民間企業からも

Vanilla2.jpg14日付Defense-Newsは、4月に太平洋海軍が実施した有人と無人システムの融合を検証する演習「Unmanned Integrated Battle Problem」で、Platform Aerospace社の最大で10日間連続在空可能な無人機「Vanilla」が大きな注目を浴び、他省庁や民間企業から問い合わせが殺到していると紹介しています

4月の太平洋海軍の演習では45時間の連続飛行だったようですが、燃料消費率等からの結果分析から性能が証明された様で、7月には南米コマンドの要望でフロリダ半島から海洋監視ミッションを赤外線カメラ等で行い、11月にはNASAの要請を受け、北極圏の厳しい環境での運用テストを簡易コンテナからの操作&指揮で実施する予定で、他にも多数の引き合いが来ているようです

vanilla4.jpgPlatform Aerospace社の無人機「Vanilla」は、重量700㎏以下で速度250ノット以下のGroup 3カテゴリーの無人機で、2017年に連続在空時間の世界記録を樹立し、約15㎏のペイロード搭載で連続10日の飛行、70㎏搭載なら7日間飛行可能な性能を持ち、1機システムが2億円以下の無人機です

米海軍が演習前に行った2月の事前性能確認では、加州のEdwards空軍基地から連続約74時間飛行し、衛星通信経由で映像を送信し続け、指揮統制にも何の問題もなかったことが確認されており、小さな新興企業の製品ですが、既に性能や安定性に疑問を持つ者はいないようです

Vanilla3.jpgこれだけ航続距離があると、無人機「Vanilla」が離発着して燃料補給や維持整備を行う地上運用拠点は前線に近い危険地帯ではなく、「安全で補給ルートが確保された場所」を選ぶことができ、通常の民間契約業者が危険手当無しで運用可能になる点も同社はアピールしています

Platform Aerospace社は、様々な世界の注目地域で無人機「Vanilla」を運用した場合を想定したシミュレーションを行っており、例えば・・・
グアム島を拠点として、台湾とフィリピン間のルソン海峡の監視任務を行う場合、5日間の連続哨戒飛行が可能であるが、より高価な無人機で同様の任務を行うと、13ソーティーで倍以上の飛行時間が必要で、人的サポートも運用リスクもより大きくなると同社はアピール
Vanilla.jpg同じくグアム島から北朝鮮国境付近の偵察を行う場合は、5.5日間の連続哨戒が可能

ワシントンDC周辺から北大西洋の対潜水艦任務で飛行する場合、4日間連続在空して任務継続が可能。インド洋のディアゴ・ガルシアからアフガンを偵察する場合で、4.5日の連続哨戒が可能
イタリアのSigonella基地を拠点とすれば、アフリカ、欧州、東地中海、中東地域を数日間カバーできる

米海軍や海兵隊は最近、米空軍での任務が減少傾向のMQ-9の海洋活用を模索していますが、Platform Aerospace社は「Vanilla」がMQ-9と競合するとは考えておらず、より大型で搭載量も多いMQ-9ではオーバースペックな「退屈な任務」に、「Vanilla」は適していると考えているようです
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無人機「Vanilla」の紹介WEBページ
https://vanillaunmanned.com/aircraft

Vanilla5.jpg14日付Defense-News記事は更に、Platform Aerospace社の他の取り組みや、同様な新興小企業が国防省や政府機関とのビジネスを進める上で資金繰りにまだまだ苦労している様子等を紹介していますが、国防省や政府機関も、このようなアイデア勝負のスタートアップを大事にする体制を整えつつあるとも紹介しています

無人機はどんどん進歩しています。センサー別でも1機システム2億円以下で、再利用可能ながら任務中に損耗してもそれほど痛くない装備・・・。日本が求めるべきはこの方向なんじゃないでしょうか?

日本は買わされたRQ-4導入で予算面人材面で苦境へ
「日本用RQ-4が米国で初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-20
「グローバルホーク日本導入の悲劇」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-05-22

最近のMQ-9関連記事
「太平洋でMQ-9応用へ2回目演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-01-1
「本格紛争用に約1/4を改修&延命へ」→https://holylandtokyo.com/2021/04/28/118/
「豪州にMQ-9輸出許可」→https://holylandtokyo.com/2021/04/29/119/
「JDAM完成弾運搬役も」→https://holylandtokyo.com/2021/03/09/156/
「無人機MQ-9の対中国海上作戦への応用演習」→https://holylandtokyo.com/2020/10/02/424/

世界の軍事関係者に衝撃
「攻撃無人機でアゼルバイジャン圧勝」→https://holylandtokyo.com/2020/12/22/348/

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カンボジア海軍基地への中国進出警戒感高まる [安全保障全般]

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米国武官の同海軍基地訪問を妨害
米豪支援の施設を破壊し、中国支援施設拡充中
南シナ海に臨む海軍基地に中国軍アクセスの秘密協定か

Ream Naval Base2.jpg12日付Military.comは、数年前から中国の進出が懸念されているカンボジアの南シナ海に臨む海軍基地「Ream Naval Base」について取り上げ、米国務副長官が同国を最近訪問して合意したはずの同基地への米国武官の定期視察が、カンボジア側からの厳しい行動制限で妨害されたと報じています

カンボジアは、1985年にHun Sen首相が就任以来、国民への人権弾圧が強まり、法治体制がおろそかにされ、更に中国寄りの姿勢を強めています。2018年には時のペンス副大統領が中国との接近や中国軍基地の誘致疑念を問いただす書簡を送りましたが、同首相は嫌疑を否定していました

Ream Naval Base.jpgしかし2019年7月にWall Street Journal誌が、カンボジアと中国が同基地に中国軍事施設を建設し、装備や兵器を備蓄することを定めた有効期間30年(その後は自動的に10年継続延長)の秘密協定の草案を入手したと報じ、米国防省がカンボジア政府に事実関係を問い合わせたところ、カ国防省から「同基地では将来変化があるだろう」との曖昧な返答がなされ、Hun Sen首相は「根拠のない言いがかりだ」と反論していたところでした

同基地には、2012年に米国が資金を出し、両国合意に基づく「Tactical Headquarters of the National Committee for Maritime Security」が設置され、海洋監視用の「Rigid-Hulled Inflatable Boat (RHIB)」の停泊場所や整備施設が建設され、2017年には同施設の改修や装備補強が米豪により行われていました

Ream Naval Base4.jpgところが、2020年秋に同ボート整備格納庫が取り壊され、同時に基地内近傍で中国支援の施設整備が開始されたことがCSISによる衛星写真分析レポートで明らかになり、事態は急速に緊迫し始めます。同ボート施設の修理を米国に依頼していたカンボジア側も突然その頃に態度を豹変し、同施設を約20nm離れたより広い敷地に移動させる等の言い訳をし始めましたが、米国側への説明はころころ変化して要領を得ない状態なようです

このような状況の中、今年6月1日にバイデン政権誕生後で初の米高官訪問を行ったWendy Sherman国務副長官に対しHun Sen首相は、中国軍施設の設置を否定して同海軍基地は「どこ国の艦艇も歓迎する」と発言し、疑念を深める米側の要請に応じて米国武官の同基地定期訪問を許可したところでした

Ream Naval Base5.jpgただし、いくらカンボジアがごまかそうとしても、同基地周辺では北京政府と関係が深い中国リゾート開発会社による沿岸地域での謎の「リゾート開発」が始まっており、その一つとして同基地5㎞北の湾内で目的不明の埋め立て工事が進んでいる様子もCSISによる衛星写真分析で確認され、米国側の疑念は深まるばかりの状況です

そんな中で行われた、カンボジア駐在米国武官による初めてのReam Naval Base訪問ですが、色々カンボジア側の妨害にあったようです

12日付Military.com記事によれば
在カンボジアの米国大使館は、米国務副長官とカンボジア政府との合意に基づき、カンボジア側との調整を経て実現したMarcus M. Ferrara米国武官(大佐)のReam Naval Base訪問であったが、カンボジア側のフルアクセス拒否により十分な視察が出来なかったと不満を表明し、制限なき視察を要求して再視察を要求していると発表した
Ream Naval Base3.jpgこれに対しカンボジア政府報道官は、カンボジア政府は要請に応じて完全に対応したが、米側が不満であれば、カンボジアの主権を尊重してスパイ行為に当たらない範囲で再度要求するべきだと対応し

更にカンボジア国防省は、「米国はカンボジアの主権と法を尊重すべきだ。彼らは地政学的な利益追求のため、隠された訪問目的を持っている」と不満を示し、米国武官に同行したカンボジア側高官は「米国武官は事前要求がなかった場所や必要のない場所を探そうとした」等と非難した
米国武官の基地訪問に先立ち、6月1日に行われたWendy Sherman米国務副長官とHun Sen首相との会談では、米側が「カンボジアはどこへ向かうつもりなのか?」と厳しく問いただし、中国軍事施設の建設と米支援施設の解体に対し深い懸念を示し、中国軍事施設は当地域の安全と米カンボジア関係に負の影響を与えると主張したとされている
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CSISによる同基地衛星写真の詳細分析
https://amti.csis.org/changes-underway-at-cambodias-ream-naval-base/

習近平 愛される国.jpg5月31日、習近平は中共中央政治局の学習会で「愛される国」になる外交を展開せよと強調し、「開放的で自信に満ち、控えめで謙虚で、「可信、可愛、可敬」(信頼され、愛され、敬愛される)な中国の心象を創り上げていかなければならない」と指示しました

英国で6月11日から開催されたG7を念頭に、G7の対中国包囲網を「ひるませる」狙いの発言とも考えられますし、これを中国外交方針が変化するシグナルと解釈する人はいないと思いますが、カンボジアでも繰り広げられる「いつもの中国の姿」を改めて確認し、対中国を厳しく考えていきましょう 

「信頼され、愛され、尊敬される中国の印象」を形成せよ・・・ですから

めっきり減った南シナ海の話題
「中国大型機16機がマレーシア威嚇飛行」→https://holylandtokyo.com/2021/06/03/1868/
「航行の自由作戦活発化???」→https://holylandtokyo.com/2020/02/13/827/
「初のASEANと米国の海洋演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-03
「次期米軍トップが中国脅威を強調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-14-1
「海洋プレッシャー戦略に唖然」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13
「F-35搭載艦艇がFONOP」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-04-07
「中国艦艇が米艦艇に異常接近」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-10-06-1

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米海軍が空軍F-16を仮設敵機部隊用に導入へ [Joint・統合参謀本部]

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老朽FA-18を早期退役させ、中古F-16を活用へ
過去にも計40機F-16を導入し、今も使用中とか

F-16N.jpg5月28日付Military.comは、同日発表された2022年度国防省予算案の中で、米海軍が米空軍の中古F-16導入予算を要望していると紹介しています。米空軍は州空軍所属F-16を海軍に提供する方向だそうです

具体的なF-16導入機数にまで予算案には言及がないようですが、「老朽化したFA-18(Super Hornetではない初期型)の長期的な維持コストを考慮し、同時に仮設敵機部隊の能力維持確保を目的としたもの」と説明されているようで、初期型FA-18を約55機退役させ、その穴埋めをF-16に期待しているようです

まんぐーすは全く知らかなったのですが、米海軍は過去2回に渡り米空軍F-16を計40機導入し、今でも一部を「トップガン」教育機関で仮設敵機として使用しているとのことです
--- 1回目は空軍F-16を少々改良してF-16Nとし、26機導入(4機は2人乗り型)し、1988年から98年の間に使用
--- 2回目は2000年代初めに14機(もともとパキスタン空軍行予定だった機体)導入。ネバダ州のFallon海軍航空基地で、「トップガン」養成用の仮設敵機として使用

この記事のニュースとしては以上ですが、ついでに米海軍と空軍の関連動向を改めてご紹介

米海軍は
F-16N2.jpg空母艦載機部隊を、FA-18E/FとF-35C型、それに加えて次世代F/A-XXの3本柱で構想しているが、F/A-XXについては構想が煮詰まらず、米議会から検討予算を大幅削減されている状況
F/A-XXは有人機でも無人機でもありえ、また有人機と無人ウイングマンの組み合わせでもあり得るとの検討状況の模様も、米海軍計画部長は「将来空母艦載機は、その2/3が無人機になる可能性もある」と発言するなど、よくわからない状

米空軍は
現在約930機保有のF-16を、2026年までに124機削減する計画だが、残る800機以上の機体については減勢しつつも2030年代までの使用を想定している模様

F-16N3.jpg現在実施中の「TacAir Study」の分析次第であるが、能力向上等を行いながら約600機を2030年代まで使用し、新規開発の4世代機+アルファの「Multirole Fighter-X(MR-X)」に引き継ぐ案も有力
F-16をさらにアップグレードして、NGAD、F-35、F-15EXと共に、米空軍の戦闘機4本柱として活用する案も存在
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今も米海軍の「トップガン」スクールでF-16が使用されているようですので、もしかしたら劇場公開が延び延びになっている映画「トップガン」の続編「Top Gun: Maverick」に登場するかもしれませんね。いや、海軍の人気向上のため(空軍に新兵募集で負けないため)、空軍のイメージは排除かもしれません・・

国防省の2022年度予算案では、老朽装備や伝統的な装備品を早期に退役させ、維持費を浮かせ、次世代の本格紛争に備えた新装備や新システム導入予算に進みたい米軍の希望が多数盛り込まれているようです

その中の一つとして、ご紹介しました

米海空軍の航空戦力を考える関連記事
「今後10年くらいの戦闘機構想」→https://holylandtokyo.com/2021/05/21/1709/
「戦闘機は7機種から4機種へ」→https://holylandtokyo.com/2021/05/18/1496/
「戦闘機混合比や5世代マイナス機検討」→https://holylandtokyo.com/2021/02/22/266/
「空母艦載機は2/3無人機に」→https://holylandtokyo.com/2021/04/06/10

F-16は全世界で2070年代まで使用か
「世界中で根強い人気のF-16」→https://holylandtokyo.com/2021/06/01/1784/

続編「Top Gun: Maverick」をご紹介
「予告編第2弾」→https://holylandtokyo.com/2020/04/12/722/
「予告編公開:映画トップガンの続編」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-20-1
「太平洋軍司令官はトップガン出身」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-06

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海軍長官候補にキューバ移民の元イージス艦艦長 [米国防省高官]

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1歳でキューバから両親と共にNY移住し
海軍士官学校卒業後、22年間優秀な米海軍士官として勤務
退役後は海軍関連コンサル会社CEOとして実績
同企業が「2020 Small Business Success Story」賞受賞
ヒスパニックを代表する100名にも選出
StimsonセンターのBoardメンバーも

Del Toro.jpg11日、バイデン政権が海軍長官候補として上記のような経歴を持ち、海軍でも実業界でも実績のある60歳のキューバ移民のCarlos Del Toro氏を推挙しました。上院下院共にこの指名を歓迎しており、早めれば6月中にも新海軍長官が誕生するかもしれません

海軍長官ポストは、オバマ政権間はRay Mabus氏が8年間連続で務めましたが、トランプ政権4年間では、艦艇事故や空母でのコロナ大発生事案等もあり交代が相次ぎ、議会承認を得た長官が2名と臨時長官3名激しく後退する状態が続いていました

Bonhomme2.jpg最近の米海軍は、装備品開発では予算超過と開発期間超過、ついでに期待の性能発揮ができないケースが沿岸戦闘艦LCSやフォード級空母で連続し、部隊運用でも艦艇の衝突や火災事故が頻発、艦艇修理も補給処の根深い問題と予算不足で遅延が頻発、更にはシンガポール港湾業者による海軍士官へのワイロ事件などもあり、「何をやらしてもダメな米海軍」とのレッテルを議会や専門家から貼られる厳しい状況です

ついでに言えば、米海軍人トップの選考でも、ダントツの本命で期待の星と言われた人物が、就任直前に不適切な業務処理で候補から外れ退役となり、予想外の人物が現在の海軍人トップを務めているなど、負の話題が山積み状態です

そんな中ですが、単にバイデン政権が好きな多様性を理由のヒスパニック系押しとの理由だけでなく、米海軍士官としても、実業界での仕事ぶりでも立派な方のようですので、以下でご紹介しておきます

11日付Defense-News等によればCarlos Del Toro氏は
Del Toro2.jpg1961年キューバのハバナ生まれの60歳で、1歳の時にマンハッタンに両親とともに移住
1983年、海軍士官学校を電子工学の学位を取得して卒業し、水上艦艇担当士官のキャリアを開始。湾岸戦争に艦艇士官として参戦

中佐として、当時最新のイージス艦(Bulkeley)艦長を命じられ、進水、艤装、運用試験・実用試験全てを指揮しつつ、任務就航を果たす。同時に同イージス艦は女性を初めて受け入れる艦艇に指定され、艦内の様々な課題を整理解決して最初の道を開く
ペンタゴンでは国防長官室の事業評価分析部長補佐として、また米議会では予算管理部署の部長補佐として、更にホワイトハウスでは米海軍担当の法令戦略問題士官や研究員として勤務した経験を持つ

USS McCain.jpg米海軍で22年間勤務後、中佐を最後に退役し、艦艇建造や人工知能やサイバーや宇宙関連の事業提案やコンサルを行う「SBG Technology Solutions」を設立、その後17年間CEOや社長として経営の一線で活躍している
海軍退役後の活躍はヒスパニック系のローモデルとして広く知られ、同企業が「2020 Small Business Success Story」賞受賞するほか、ヒスパニックを代表する100名にも選出されたり等、多くの役職を務めており、日本の安保関係者が多くお世話になっているStimsonセンターのBoardメンバーも務めている

米海軍大学で国家安全保障修士号、ジョージタウン大学で法学修士、奥様とお子様4名、お孫さん1名
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NGAD Navy.jpg陸軍長官には女性で国防省の政策担当次官経験者のChristine Wormuthが既に議会承認を得ており、空軍長官も元調達&技術開発担当国防次官であるFrank Kendallが上院の最終投票を待つばかりの段階にあります

バイデン新政権誕生から約6か月、これまで政治任用者の承認でゴタゴタした話は聞きませんので、円滑に承認手順が進んでも各軍種長官が決まるまでに半年かかるということです。民主主義も大変です

米海軍の課題&問題の一端
「3大近代化事業から1つを選べ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-09
「第1艦隊復活を検討中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-20
「F-35搭載用強襲揚陸艦火災の衝撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-15
「コロナで艦長と海軍長官更迭の空母」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-27
「空母や艦艇修理の3/4が遅延」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-22
「空母フォード責任者更迭」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-08
「NGADの検討進まず」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-17
「米海軍トップ確定者が急きょ辞退退役へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-09

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中国ステルス艦載機や第3の空母建造状況 [中国要人・軍事]

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J-31は輸出に成功せずも、空母用に改造し配備へ!?
第3の空母にEMALSらしき上空写真
海南島の艦載機用基地の施設拡充中

J-31.jpg9日付Defense-Newsが、中国海軍による艦載ステルス戦闘機開発らしき動向、第3の空母の建造状況、更に空母艦載機拠点の整備拡充が行われている海南島の様子を報じていますので、不確かな内容も含まれていますが、興味あるところですのでご紹介しておきます

第3の空母については、2020年9月に米国防省が発表したレポート「中国の軍事力」で、2023年に作戦可能体制になると見積もられていましたが、2021年の現段階でまだ甲板下部までの状態ですので、もう少し時間が必要な気がします。ただ、初のカタパルト搭載、しかもEMALS(電子カタパルト)搭載になりそうなので注目しております

J-31については、「廉価版F-35」と噂されるほど「F-35」と外観が似ている航空機で、輸出用に民間会社が製造しましたが輸出には成功せず、今回、中国海軍が自身の装備を開発試験する基地で確認されたことで中国空母艦載用に転換との見方が強まっているようです

J-31(FC-31)がステルス空母艦載機へ!?
J-31 2.jpg武漢にある中国海軍の開発試験拠点で改良型のJ-31(FC-31)が目撃され、未確認だが、空母艦載機への使用可能性が出てきた
同機は輸出用を目指して2012年に初飛行したが、輸出には結びつかず、その後は空母艦載用に改修されるとのうわさが流れていたが、2016年にステルス性を向上させた新たな姿を見せて初飛行し、話題となった

ステルス形状がより追及され、エンジンの空気取り入れ口のステルス化が進み、機体内兵器搭載庫が追加された
依然として完成間近な段階ではないが、モックアップが中国海軍の開発拠点武漢の模擬空母上で確認されたことから、空母艦載可能性が高まったと話題になっている

第3の空母の建造状況
8.5から9万トンクラスと推定され、米空母(10万トン以上)より小型で、英仏の空母と同レベルと推定されている「第3の空母Shandong」であるが、上海近郊の造船所で建造中の模様が、上海浦東国際空港を離発着する民間旅客機から撮影された乗客の写真から分析されている

003 CV China.jpg写真からは、建造中の船体の脇に置かれている、赤枠で囲まれた電磁カタパルトEMALSらしきものが確認でき、これが搭載されることで中国空母の弱点であった機体重量の軽い航空機しか離陸できない点が解消される可能性がある。攻撃機なら燃料や弾薬の追加搭載が可能となり、早期警戒機や輸送機などの運用も可能性が広がる
もう一つ緑枠で囲まれた部分は、航空機や機材を飛行甲板まで移動させるエレベータのスペースを意味し、船体の右舷だけに2台確保されている。米空母は3台以上の同種エレベーターを備えるが、同規模の英仏空母は2台であり、船体規模に応じたものとみられる。ただ、左舷側にはエレベータが確認できず、一つの特徴と捉えられている

艦載機用の海南島地上施設が拡張充実中
Lingshui Hainan.jpg5月に南シナ海北部の海南島Lingshuiにある無名の航空基地で、中国艦載機J-15が訓練するのが初確認され話題となったが、同海軍基地の施設拡充も確認されている
同基地の滑走路の2か所に、空母への着艦をイメージできるマーキングがなされ、空母上のヘリポート位置などマーキングも含め、艦載機パイロット訓練を意識して準備されていることが明らかである

また同基地南部には、艦載機が格納可能な24個の強化シェルターが2020年までに設置済で、追加で北部にも2機収納可能なシェルターが2か所で建設中である
海南島では他にも海軍関連インフラの大規模増設が行われており、無名航空基地でのJ-15の初確認と合わせ、今後同島を拠点とした中国海軍の活動活発化が予期される
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Lingshui Hainan2.jpgいつもながら、世界からの批判にも聞く耳を持たず、淡々と粛々と軍備強化を続ける中国の勢いに唖然とするばかりです

J-31(FC-31)の成熟度がどれほどか、第3の空母の建造や米海軍でもうまくいっていない電磁カタパルトを中国がものにできるか等、興味は尽きませんので、時々フォローしたいと思います

第3の空母Shandong関連の記事
「第3の空母は電磁カタパルト搭載か?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-20

廉価版F-35とも言われたJ-31関連の2016年の記事
「輸出用の中国製ステルス機J-31改良型初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-12-27

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バイデン大統領にミサイル防衛削減提案 [安全保障全般]

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16日の米露首脳会談で議題にするよう60名の有力者が
軍拡競争につながる無駄予算だと
日米共同開発のSM-3 Block IIA開発配備制限も要求

Biden Putin.jpg6月16日にジュネーブで予定されている初の米露首脳会談を前に、元国防長官ら60名の識者が3日、ミサイル防衛への投資を削減して米露中の軍拡競争を鎮静化するよう要求する文書をバイデン大統領あてに公開しました。

Perry元国防長官やオバマ政権時の安保担当大統領補佐官Ben Rhodes氏、バイデン大統領が上院議員だった際にともに上院議員だった元議員などによるレターは、大陸間弾道弾ICBMのミッドコース迎撃を狙うGMD(Ground-based Midcourse Defense)システム開発は失敗を繰り返して税金を浪費し、同時に中露を巻き込んだ軍拡競争を引き起こしていると訴えています

GMD4.jpg背景にはバイデン大統領が上院議員時代の2002年にミサイル防衛制限条約からの米国脱退に反対していた点や、上院外交委員長だった当時にミサイル防衛への投資を「ミサイル防衛への神学的な信頼」と厳しく批判していたことがあり、その筋の皆さんが「バイデンよ、昔はMD大反対派だったよな!」と声を上げ始めたという構図です

大統領あての書簡では、まず手始めに、日米が共同開発し、苦労の末2020年11月に模擬ICBMの迎撃試験に初成功した「SM-3 Block IIA」の製造や、同ミサイル搭載可能なイージス艦の建造を制限するよう求めているようです

バイデン政権は先週発表の2022年度予算案で、GMD開発に約1000億円、またイージスシステム調達に約1100億円、海上発射ミサイル迎撃体開発配備に約700億円を要求しており、この書簡の要求に沿ってバイデン政権が動くとも考えにくいところですが、バイデンという人はBMDに対して上記のような態度をとってきた方だということを、これを機会に覚えておきましょう

3日付Defense-News記事によれば
GMD3.jpg3日付で書かれた同レターはCouncil for a Livable Worldとの団体によって取りまとめられ、「(16日の米露種の会談は)米国のミサイル防衛システムと中露による攻撃兵器開発の軍拡競争を止める重要な機会だ」との認識を示し
「GMDシステム開発は、混迷の中で突き進んでおり、試験の失敗と多額の税金の浪費を招く極めて非生産的な様相を呈しながら、中露による米攻撃用核兵器の保有拡大という軍拡競争を加速する役割を果たしてしまっている」と現状を批判した

GMD5.jpgまた昨年10月のSM-3 Block IIAによる模擬ICBM迎撃試験の成功を「中露の戦略抑止への信頼を脅かすものだ」と否定的に捕え、SM-3 Block IIAの製造やイージス艦調達速度に制限を加えることで、軍拡競争を抑え戦略的安定を回復するようバイデン大統領に促している

このレターをハドソン研究所のRebecca Heinrichs研究員は、「プーチンを喜ばすために、米国本土の防衛を疎かにするなどばかげた提案である」、「ならず者国家でミサイル能力改良に日々取り組んでいる北朝鮮に、チャンスを与えるようなものだ」、「米本土の防御システムを構築することは、何ら挑発的な行為ではない」と厳しく評価している
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ミサイル防衛というものは、敵のミサイルを、敵のミサイル価格の100倍以上(それ以上かも)のコストをかけて迎撃する点で、つまり、敵から大きなコストを押し付けられることを許容した点で、「敵の思うつぼ」に落ち込むことを選択した政策とも言えます

GMD6.jpg今話題のイスラエルの「アイアンドーム」にしても、PAC-3にしても、SM-3にしても、GMDにしても、敵のミサイル飛翔速度が上がる後者ほど、迎撃コストは急上昇します。

それでいて、敵のミサイルが同時多数で襲ってきたら、全てを迎撃することは不可能ですし、中露が保有する(おそらく北朝鮮も)弾道ミサイルの数量からすれば、完全な迎撃は到底不可能なことは、頭に置いておく必要があります。対応余裕時間のない日本では、迎撃成功率はさらに低下するということも・・・

トランプ時代のミサイル防衛議論
「MDRミサイル防衛見直しやっと発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-01-19
「MDRはまだなのか?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-25-1
「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「戦略国防次官にMD伝道者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-1
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米ミサイル防衛庁の2017年予算」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-12

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米海軍は3大近代化事業から1つを選べ [Joint・統合参謀本部]

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海軍長官による海軍メモ文書内容
次期イージス艦、次期攻撃原潜、FA-18後継に優先順位を
予算不足で同時進行は不可能と

Harker.jpg8日付Defense-Newsは、Thomas Harker臨時海軍長官が4日付のメモ文書で、国防長官室からの2023年度予算案準備に関する方針指示を踏まえ、2023年度予算案では、主要3大近代化事業(次期イージス艦DDGX、攻撃原潜SSNX、FA-18後継NGAD)の中で優先事業を一つに絞り込み、他を犠牲にして満額予算配分するよう指示していると報じました

4日付のメモ文書でHarker長官は、「米海軍には次世代の航空、水上、水中アセットを同時開発するだけの余裕はない。現有装備の維持整備と次世代装備の開発調達のコストバランスを勘案しながら、3つの事業の優先順位を明確にして1つに絞り込み、他の2つ関連の作戦上、財政上、技術上のリスクを再検討しなければならない」と厳しい認識を示しています

以下では、Defense-News記事が取り上げている3大近代化事業、Arleigh Burkeイージス艦後継DDGXと、ヴァージニア級攻撃原潜後継のSSNXと、FA-18空母艦載攻撃機の後継NGAD(Next Generation Air Dominance)の現在位置をご紹介しておきます

Arleigh Burkeイージス艦後継DDGX
DDG X2.jpg現在主力イージス艦であるArleigh Burke級は、Flight III近代化改修までを随時実施してきたことで、Baseline 10 システムやAN/SPY-6防空レーダーを艦艇に導入することができた
しかし、今後本格紛争に必要とされるレーザーなどビーム兵器や、極超音速兵器を運用するためには大電力が必要で、現在形態の修正程度では対応できないことから、DDGX開発が急務となっており、3大事業の中では1番の2029年投入を目指した計画が組まれている
米海軍は2022年度予算案に、DDGXの基礎設計や設計分析、地上試験や選考調達経費などを約140億円要求している

Virginia級攻撃原潜後継のSSNX
SSN X.jpg上述のDDGXが追加装備のための次世代艦艇を目指すのに対し、SSNXは米海軍攻撃原潜の方向性を大きく転換することを目指す開発プロジェクトである
Virginia級は冷戦終了後の本格紛争相手がいない状態で構想され、1998年から導入されているが、本格紛争での中露との対峙を前提としたとき、安価に沿岸作戦と地上攻撃を追求したVirginia級の延長線上のSSNXではためだと米海軍は考えている

最近ではロシア潜水艦隊の活発化を受け、兵装を強化し、水中ステルス性を備えて敵領土近海に侵入して敵艦艇や潜水艦を攻撃できるような、かつてのSeawolf級潜水艦計画の復活をイメージさせる潜水艦追及の声も上がっている
米海軍は2022年度予算案に、より高速で、水中ステルス性が高く、より多くの兵器を搭載でき、多様な装備を組み替えて搭載可能な潜水艦を求め、約110億円の初期検討予算を要求している

FA-18空母艦載攻撃機の後継NGAD
NGAD Navy.jpg3大近代化事業の中では、最も導入時期が遅い装備であり、3つの中で勝ち残るのが難しいと考えられる装備品である。米海軍はFA-18とF-35C型で2030年代の作戦運用を考えているが、FA-18の機体寿命に伴う退役に合わせNGAD導入を構想している
対テロ紛争で空母艦載機の酷使が続き、FA-18追加購入や延命改修措置を繰り返してきた米海軍だが、延命措置にも限界があり、2021年度予算でFA-18 の追加生産を終えており、2022年度予算要求案からはNGAD開発を本格化させると米海軍はしている(要求額は非公開)

仮に3大事業でNGADを犠牲にすることになれば、米海軍は早急にFA-18生産ラインの維持と追加購入を決定して作戦ニーズに対応する措置をとる必要があり、さもないと2030年代に艦載攻撃機不足に直面する

そのほかHarker臨時海軍長官はメモ文書で
次期戦略原潜コロンビア級には全面支援を要求
Harker2.jpg統合レベルのJADC2や米空軍のABMSと並び、データ共有や指揮統制の次世代化を図る「Project Overmatch」への全面支援要求

COVID-19関連で必要性が認識されたテレワーク環境整備や、Naval Community Collegeへの教育訓練投資強化を要求
海軍の膨大なインフラ施設維持費の問題を指摘し、10年計画で不要施設の見直し廃止を進めるよう要求
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DDGXが優先されそうな記事内容でしたが、大型水上艦艇は、弾道ミサイルや巡航ミサイルなど精密誘導兵器の餌食となりやすく、本格紛争での価値がそれほど高いのでしょうか?

無人の中小艦艇を多数準備して、分散運用する方式を追求する方向ではないのでしょうか? 陸軍はもとより、米海軍と空軍の考え方の変化の遅さに「?」な印象です

米海軍最近の話題
「無人システム計画が議会等から猛批判浴びる」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-22
「第1艦隊創設を検討中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-20
「米海軍の「Project Overmatch」」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-15
「NGADの検討進まず」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-17
「空母艦載機の2/3を無人機に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-31
「空母2隻削減と無人艦艇推進案」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBA:大型艦艇中心では戦えない」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10

艦艇修理の大問題
「空母や艦艇修理の3/4が遅延」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-22
「空母故障で空母なしで出撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-16
「米艦艇建造や修理人材ピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-24
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
「空母確保困難でMQ-25給油機3年遅れか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-11

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艦載無人給油機MQ-25が空中給油試験に成功 [Joint・統合参謀本部]

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2019年9月に初飛行のMQ-25がFA-18へ給油
今後様々な飛行パターンで試験を続け、2024年任務投入へ

MQ-25 refuel.jpg7日米海軍は、空母艦載無人空中給油機MQ-25の試験機がFA-18に対し、4日初めて空中給油を行ったと発表しました。試験はMQ-25の開発拠点があるイリノイ州のMidAmerica空港からセントルイス周辺で実施された様です

試験はMQ-25に装着された給油ポッドから伸びた「probe-and-drogue方式」の給油ホースを使用して実施された様です

MQ-25 refuel3.jpg米海軍とMQ-25開発担当のボーイング社は、試験を通じで得られた「給油機と相手機に生じる気流振動」などの分析に取り掛かっており、分析結果を踏まえて給油側・受け側双方に対する対策検討が進められ、飛行ソフト改良などに活用されますが、今後の飛行試験計画に大きな影響を与えるものではないと予期されているようです

今後数か月にわたってMQ-25による給油試験は続けられ、様々な飛行諸元で機体の最大性能を確認しつつ、様々な設定で給油試験を繰り返す予定でだそうです。
また空母甲板上での取り扱いや取り回し要領についても、今年後半にむけ煮詰められるようです
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MQ-25.jpg今後、給油対象機となるF-35C型やEA-18Gにも試験を行い、MQ-25はまず空中給油機として機能確立を目指しますが、ISR任務にも活用したいと米海軍は考えており、今後の進路が迷走しないことを祈ります

また昨年の今頃には、艦艇修理予算や造船所の人的能力低下から空母の修理が遅れ、MQ-25試験運用用の空母が十分確保できない可能性があり、最大でMQ-25運用開始が3年遅れる可能性があるとのは報道があり、海軍幹部が「3年まではいかないだろうが、影響が出るかもしれない」と懸念を認めたところです

2022年度米海軍予算案の肝は、この艦艇修理・整備体制の回復再整備にあると言われていますが、短時間で解決できる問題ではなく、今後の各方面への影響が懸念されます

MQ-25関連の記事
「MQ-25操縦者は准尉で処遇」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-23
「試験用空母確保難で3年遅れか?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-11
「空母艦載機の2/3を無人機に」→https://holylandtokyo.com/2021/04/06/100/
「MQ-25地上で初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-20
「2019年6月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-04
「MQ-25もボーイングに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-01-1
「NG社が撤退の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-29-1
「提案要求書を発出」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13
「MQ-25でFA-18活動が倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 

「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

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タグ:FA-18 MQ-25
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次の米軍人トップは空軍か宇宙軍から? [Joint・統合参謀本部]

統合参謀本部議長が空軍士官学校卒業式で示唆!?
2001-5年を最後に空軍人が統参議長になれない現実
空軍創設の1947年以降、4人だけが空軍から統参議長に
ちょっと品のない卒業式スピーチですが・・・

Milley AF academy.jpg5月26日、Mark Milley統合参謀本部議長が空軍士官学校卒業式で祝辞を述べ、卒業生に迅速な判断を要求される今後の厳しい戦いと抑止での勝利獲得に向け、統合マインドで臨むように激励しましたが、スピーチの冒頭では次の統合参謀本部議長の有力候補がBrown空軍参謀総長とRaymond宇宙軍参謀総長だと「異例で、余計な」発言をしています

Milley統合参謀本部議長はスピーチの中で列席のRoth臨時空軍長官に対し、「Brown大将か、Raymond大将を統合参謀本部議長に選んでほしい」と述べ、更に卒業式に列席の家族や空軍関係者に、Brown大将か、Raymond大将か、どちらが良いか拍手を求めるなどもしています

Milley 2.jpg確かに、4年任期の米軍人トップ「統合参謀本部議長CJCS:Chairman of the Joint Chiefs of Staff」に、1947年に米空軍が誕生して以来、空軍大将が僅か4名しかついておらず、最後に同職に就いた空軍人が2001-5年のRichard Myers空軍大将で「絶えて久しい」状況にあります

Milley議長自身も2019年11月から同職につき、まだ任期は2年ありますが、国防省・米軍は当時空軍参謀総長だったGoldfein大将を強く推していたにもかかわらず、トランプ政権の好みにより「ちゃぶ台返し」でMilley陸軍参謀総長が議長になった経緯があります

別に空軍の順番との理由だけでなく、宇宙軍の創設があり、今後の統合作戦が空軍が主に進める指揮統制改革(JADC2、ABMS)にかかっていることもあり、また識見や普段の発言ぶりからしてGoldfein空軍大将が米軍内で最適と考えられていた中での「ちゃぶ台返し」だったので、Milley陸軍大将も気を使って「余計な」発言をしたかもしれません

Milley AF academy2.JPG・・・気持ちはわからなくもないですし、政権や文民指導層への「意見具申」のニュアンスがあったのかもしれませんが、聴衆に2名のどちらが適任か拍手で選ばせるなど、日米の文化の違いを加味しても、士官学校の卒業式にふさわしい振る舞いとは考えられず、存在感の薄いMilley議長の影をさらに薄くした点では残念です

議長になれなかった当時のGoldfein空軍参謀総長が、空軍人を統合の主要ポストに就け、活躍の場を与えることに奔走していたことを米空軍人はよく承知しており、より一層、米空軍内でのMilley議長の評価が下がったかもしれません

下でご紹介する発言からも「パイロット」の勇敢さだけに言及する「底の浅さ」「高官としての配慮の無さ」を感じます

ところで本日は、米軍内では「次は必ず空軍か宇宙軍からCJCSを・・」との雰囲気があることをお知らせしておいて、以下ではMilley統合参謀本部議長が空軍士官学校卒業生に送った言葉の要旨をご紹介しておきます

Milley統合参謀本部議長は卒業式で
Milley AF academy3.jpg多くの陸軍や特殊部隊兵士が生き残れたのは、私のような地上兵士が航空支援を要求した際、勇気を振り絞って敵拠点上空に飛来し、目標を正確に攻撃してくれたパイロットがいたからだ
そこではユニフォームの色など関係ない。我々は統合の戦士として、「one team, one fight, every day, all day, day and night」任務に邁進し、敵はそのことを決して忘れないだろう

大国間の緊張が高まる中では抑止が重要であり、平和を維持確保するために真の能力が求められている。WW2終結後76年が経過するが、歴史を教訓とし、大国間の紛争を避けるため、繰り返し起こる緊急な事態にも、広い視野を持って賢明に対応し、緊張が紛争に発展しないよう努めなければならない
Milley AF academy4.jpgそんな中、君たち卒業生は、不十分な情報の中で厳しい選択を迫られるだろう。技術の発達は目まぐるしく、君たちの世代はその激流の中で活躍を期待され、極めて短時間のうちに決断し、ミスを修正することに迫られるだろう

君たちにはアグレッシブに将来の課題解決に取り組んでもらいたいし、そのことにより米国軍事力の優位を確実にし、紛争の抑止と紛争ぼっ発時の勝利獲得に寄与してほしい
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Brown nomination.jpg同卒業式ではBrown空軍参謀総長も祝辞の中で、統合での情報共有システム整備に尽力するが、将来の戦いでは「不十分な情報の中で、時間的余裕のない中で、最善の判断を下せる能力が求められる」と卒業生に自己研鑽を求めたようで、「緊張を紛争にエスカレートさせない」との言葉と同じく、米軍全体での合言葉のようです

加えてマスメディアへの対応はSNSの発達でますます難しくなり、情報工作を見据えた世論との戦いも極めて重要な要素になりそうですし、卒業生の皆さんの肩の荷は一層重くなっていると思います。

コロナを巡る反日メディアや反日野党の動きから想像すると、日本なら更に輪をかけ、現場を預かる皆さんには厳しい環境が予想されます

Milley統合参謀本部議長の訴え
「現実を見よ、予算増加は見込めない!」→https://holylandtokyo.com/2020/12/04/336/

統合参謀本部の調整力欠如を示す「遠方攻撃」縄張り争い
「空軍大将:地上部隊の動きばかげている」→https://holylandtokyo.com/2021/04/08/102/
「米陸軍トップが長射程攻撃やSEADに意欲満々」→https://holylandtokyo.com/2021/03/24/168/
「米空軍トップが批判・誰の任務か?」→https://holylandtokyo.com/2020/04/06/717/
「海兵隊は2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holylandtokyo.com/2020/03/09/777/

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