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次の米軍人トップは空軍か宇宙軍から? [Joint・統合参謀本部]

統合参謀本部議長が空軍士官学校卒業式で示唆!?
2001-5年を最後に空軍人が統参議長になれない現実
空軍創設の1947年以降、4人だけが空軍から統参議長に
ちょっと品のない卒業式スピーチですが・・・

Milley AF academy.jpg5月26日、Mark Milley統合参謀本部議長が空軍士官学校卒業式で祝辞を述べ、卒業生に迅速な判断を要求される今後の厳しい戦いと抑止での勝利獲得に向け、統合マインドで臨むように激励しましたが、スピーチの冒頭では次の統合参謀本部議長の有力候補がBrown空軍参謀総長とRaymond宇宙軍参謀総長だと「異例で、余計な」発言をしています

Milley統合参謀本部議長はスピーチの中で列席のRoth臨時空軍長官に対し、「Brown大将か、Raymond大将を統合参謀本部議長に選んでほしい」と述べ、更に卒業式に列席の家族や空軍関係者に、Brown大将か、Raymond大将か、どちらが良いか拍手を求めるなどもしています

Milley 2.jpg確かに、4年任期の米軍人トップ「統合参謀本部議長CJCS:Chairman of the Joint Chiefs of Staff」に、1947年に米空軍が誕生して以来、空軍大将が僅か4名しかついておらず、最後に同職に就いた空軍人が2001-5年のRichard Myers空軍大将で「絶えて久しい」状況にあります

Milley議長自身も2019年11月から同職につき、まだ任期は2年ありますが、国防省・米軍は当時空軍参謀総長だったGoldfein大将を強く推していたにもかかわらず、トランプ政権の好みにより「ちゃぶ台返し」でMilley陸軍参謀総長が議長になった経緯があります

別に空軍の順番との理由だけでなく、宇宙軍の創設があり、今後の統合作戦が空軍が主に進める指揮統制改革(JADC2、ABMS)にかかっていることもあり、また識見や普段の発言ぶりからしてGoldfein空軍大将が米軍内で最適と考えられていた中での「ちゃぶ台返し」だったので、Milley陸軍大将も気を使って「余計な」発言をしたかもしれません

Milley AF academy2.JPG・・・気持ちはわからなくもないですし、政権や文民指導層への「意見具申」のニュアンスがあったのかもしれませんが、聴衆に2名のどちらが適任か拍手で選ばせるなど、日米の文化の違いを加味しても、士官学校の卒業式にふさわしい振る舞いとは考えられず、存在感の薄いMilley議長の影をさらに薄くした点では残念です

議長になれなかった当時のGoldfein空軍参謀総長が、空軍人を統合の主要ポストに就け、活躍の場を与えることに奔走していたことを米空軍人はよく承知しており、より一層、米空軍内でのMilley議長の評価が下がったかもしれません

下でご紹介する発言からも「パイロット」の勇敢さだけに言及する「底の浅さ」「高官としての配慮の無さ」を感じます

ところで本日は、米軍内では「次は必ず空軍か宇宙軍からCJCSを・・」との雰囲気があることをお知らせしておいて、以下ではMilley統合参謀本部議長が空軍士官学校卒業生に送った言葉の要旨をご紹介しておきます

Milley統合参謀本部議長は卒業式で
Milley AF academy3.jpg多くの陸軍や特殊部隊兵士が生き残れたのは、私のような地上兵士が航空支援を要求した際、勇気を振り絞って敵拠点上空に飛来し、目標を正確に攻撃してくれたパイロットがいたからだ
そこではユニフォームの色など関係ない。我々は統合の戦士として、「one team, one fight, every day, all day, day and night」任務に邁進し、敵はそのことを決して忘れないだろう

大国間の緊張が高まる中では抑止が重要であり、平和を維持確保するために真の能力が求められている。WW2終結後76年が経過するが、歴史を教訓とし、大国間の紛争を避けるため、繰り返し起こる緊急な事態にも、広い視野を持って賢明に対応し、緊張が紛争に発展しないよう努めなければならない
Milley AF academy4.jpgそんな中、君たち卒業生は、不十分な情報の中で厳しい選択を迫られるだろう。技術の発達は目まぐるしく、君たちの世代はその激流の中で活躍を期待され、極めて短時間のうちに決断し、ミスを修正することに迫られるだろう

君たちにはアグレッシブに将来の課題解決に取り組んでもらいたいし、そのことにより米国軍事力の優位を確実にし、紛争の抑止と紛争ぼっ発時の勝利獲得に寄与してほしい
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Brown nomination.jpg同卒業式ではBrown空軍参謀総長も祝辞の中で、統合での情報共有システム整備に尽力するが、将来の戦いでは「不十分な情報の中で、時間的余裕のない中で、最善の判断を下せる能力が求められる」と卒業生に自己研鑽を求めたようで、「緊張を紛争にエスカレートさせない」との言葉と同じく、米軍全体での合言葉のようです

加えてマスメディアへの対応はSNSの発達でますます難しくなり、情報工作を見据えた世論との戦いも極めて重要な要素になりそうですし、卒業生の皆さんの肩の荷は一層重くなっていると思います。

コロナを巡る反日メディアや反日野党の動きから想像すると、日本なら更に輪をかけ、現場を預かる皆さんには厳しい環境が予想されます

Milley統合参謀本部議長の訴え
「現実を見よ、予算増加は見込めない!」→https://holylandtokyo.com/2020/12/04/336/

統合参謀本部の調整力欠如を示す「遠方攻撃」縄張り争い
「空軍大将:地上部隊の動きばかげている」→https://holylandtokyo.com/2021/04/08/102/
「米陸軍トップが長射程攻撃やSEADに意欲満々」→https://holylandtokyo.com/2021/03/24/168/
「米空軍トップが批判・誰の任務か?」→https://holylandtokyo.com/2020/04/06/717/
「海兵隊は2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holylandtokyo.com/2020/03/09/777/

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