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次期爆撃機B-21の初飛行は2022年半ばに [米空軍]

最速2021年12月予定が少しずれこみ
1機600億円以下は無理で、100機製造で1機800億強か

B-21 3.jpg15日付米空軍協会web記事が、米軍の優先重要プロジェクトB-21次期爆撃機の開発状況について、米空軍迅速能力開発室(RCO:Rapid Capabilities Office)のRandall Walden室長に独占インタビューを行い、おおむね順調で、初号機を2022年初旬に受領し、2022年半ばに初飛行を予定していると述べました。また、機体強度や耐久性試験を主目的とした2号機の製造も始まっていると明らかにしました

2016年2月に担当企業がB-2製造経験があるNorthrop Grummanに決定したB-21ですが、2020年代半ばに運用開始、強固な防空網を突破可能な性能(ステルス等)、80-100機製造で1機約600億円($550million)以下、無人機もあり得る(正式にはoptionaly manned)、既存成熟技術を活用し開発リスク局限等々の基本方針のみが公表され、細部性能や状況は非公開で開発が続いていました

B-21 bomber.jpgその後、2018年12月に「重要設計審査:critical design review」終了との発表があり、2019年7月には米空軍副参謀総長が講演で、初飛行は「863日後だ」(2021年12月3日)と語り開発の順調さをアピールし、2019年秋に格納庫らしき場所で撮影された写真1枚が公開されましたが、その後は再び秘密の闇に入っています

2020年8月に同じWalden室長は、コロナの影響を受けてはいるが、「全ての困難で重要な設計段階や、難しい製造問題は全て解決済みの過去の話となっている。現在は実際に機体を製造し、飛行試験に進むことに集中している」と状況を説明していました

コロナの影響に関し同室長は、例えば機体を担当する「Spirit AeroSystems社」はボーイングのB-737MAX製造中止を受け会社全体が危機に直面しているが、旅客機部門の人材をB-21に配置転換して危機に対処し、B-21のスケジュールへの影響を局限している等と説明していました

15日付米空軍協会web記事でWalden室長らは
Walden.JPG2019年7月に当時の空軍副参謀総長が述べた2021年12月初飛行との見積もりは「best-case scenario」であり、現時点では2022年半ばと想定するのが「穏当な見通し:good bet」だ。初飛行を目指す初号機はまだ最終組み立て段階にはなく、「爆撃機らしい形になってきた」段階だ
2号機も生産ラインに入ったが、この機体は機体構造の強度や耐久性を確認するために使用予定だ。曲げたり伸ばしたり、様々な負荷を機体構造に加えて試験を行う

B-21搭載システムの試験は、ロッキード社がF-35搭載システム試験にも使用してきた「CATbird」と呼ばれるビジネスジェット改良試験母機を利用して先行的に進めており、ハード面ソフト面の両方で過去2-3か月で成果が出ている

どの航空機開発にもサプライズは付き物で、エンジンの試験運用と関連試験の結果が初飛行の時期に影響を与えているが、「問題ないように修正を図っている」
B-21.jpg本件に関し下院軍事委員会のRob Wittman議員が2018年に、「B-21はエンジン推進排気や空気取り入れ関連の問題に対応している」と述べたことに関しては、「その問題は解決済で、先ほど述べたサプライズの一つだ。対応済だ」と語った

B-21関連予算について、2021年度に研究開発に3000億円強を要求し、2022年には受け入れ施設等に関し300億円を、5年間で1100億円を要求する計画だと説明したが、細部は今後変化する可能性があるとも述べた

1月14日、米空軍司令部の戦略抑止・核抑止担当部長のJames C. Dawkins中将は、B-21の運用開始(be available for service)は2026~27年だろうと述べ、それまでは核抑止任務をB-2とB-52が担うと述べている
コストに関して、米議会調査局は空軍見積もりとして100機で8兆8千億円だと2018年にレポートしている
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Walden2.JPGF-35やKC-46、フォード級空母などと比較すれば順調だと思うので期待していますが、KC-46の例からすると、このあたりから問題が多発した記憶があり、まだまだ安心はできません

政権が代わり、国防省や空軍省の調達担当幹部が変わる中、開発・導入の推進力が失われないよう祈念いたします・・・

B-21爆撃機の関連記事
「B-21の開発状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1
「2021年12月3日初飛行予告」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-29
「初期設計段階終了」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-30
「米空軍の爆撃機体制計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2 
「2017年3月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20
「B-21に名称決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-27

「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28

米空軍爆撃機の話題
「B-1の稼働機一桁の惨状」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春時点の爆撃機構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2

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