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次の米海軍トップに空母の脆弱性問題を詰問 [Joint・統合参謀本部]

急遽推薦の候補者は議会で承認されましたが
承認質疑で空母の価格高騰と脆弱性を厳しく指摘

Gilday4.jpg次の米海軍人トップ予定者が突然退任に追い込まれ、後釜候補を中将から選ぶという50年ぶりの異常事態に直面した米海軍ですが後釜候補のMichael Gilday海軍中将(統合参謀本部幕僚長)が8月頭に上院でスムーズに承認を得たようです

しかしGilday海軍中将への上院軍事委員会の面々の指摘は厳しく新しい空母やSSBNやフリゲート艦や無人艦など、新型装備導入に際しての計画の遅延や価格高騰の「悪しき伝統」の再発防止を強く求めています

特にFord級空母への風当たりは強く、空母11隻体制の維持を支持している上院軍事委員長でさえ、同空母の価格高騰を「海軍の傲慢さを示しており、犯罪者と呼ぶべきレベル」と厳しく非難し、これ以上は許容しないと申しつけています

6日付Defense-News記事によれば
Gilday.jpgMichael Gilday海軍中将の米海軍トップの作戦部長(CNO)への就任に関する議会審議で、上院軍事委員会は同中将が同ポストのついて取り組むことが期待される重要事項として、大きく膨らんでいるFord級空母のコストと計画の遅延、空母自体の脆弱性への対応を上げた
●議員らは、飛翔速度を増し迎撃兵器を回避するミサイル技術進歩の中で、米海軍空母が中国やロシアのミサイルにとっての「サンドバック状態」になることを危惧し、各種対艦ミサイルや超超音速兵器の進歩への懸念を示し

海軍支援派として知られるAngus King議員は、特に超超音速兵器を空母を無効にする兵器として取り上げ、「悪夢の兵器」として米海軍の考えをただし、米海軍の中で最も高価で重要視されてきた空母の確固とした将来像をと防御法を、官民の知恵を結集して描くべきだと訴えた
●上院軍事委員長のJim Inhofe議員も空母11隻体制を支持し、米海軍が今年1隻削減案を持ち出した際は強く反対して案を葬った議員だが、Ford級空母の価格高騰を「海軍の傲慢さを示しており、犯罪者と呼ぶべきレベル」と非難し、新装備の初号機が価格高騰と計画遅延の常習犯であることに懸念を示した

Gilday2.jpg●同委員長は、同空母が技術的に未熟だった2周波数帯レーダーや電磁カタパルトや着艦フックや兵器用エレベータを無理やり設計に組み込んでリスクを冒し、1隻価格が1.5兆円にまで膨らんだ「悪夢」を厳しく批判し、今後海軍が取り組む新しいSSBNやフリゲート艦や無人艦など、新型装備導入に際しての計画の遅延や価格高騰の「悪しき伝統」再発防止を強く求めた

King議員は超超音速兵器について、「敵があと1年もすれば部隊配備する勢いなのに、我が国は何年も遅れを取っており、極めて危険な能力ギャップを抱えている」と語り、この兵器により米海軍艦艇の優位が失われることに懸念を訴えた

CSBAのBryan Clark研究員はKing議員の懸念に触れつつ、「空母の脆弱性は悪化を続けており、空中発射の超超音速巡航ミサイルがより大きな課題だろう」、「超超音速の空母攻撃兵器は安価で大量投入が可能であり、従来のミサイル防衛が必ずしも対象に想定してこなかった脅威であり、新たな課題として取り組む必要がある」と説明した
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Gilday3.jpg空母の脆弱性は誰もが普通に意識しているはずですが、投資の方向を大転換させるには、数発のミサイルで無効化される空母の姿を目にするまで待つ必要があるのかもしれません。人間のサガでしょうか・・・

米海軍では韓国プサンの港湾業務業者が絡んだ、新たな汚職疑惑が持ち上がっており、これから数年は高級幹部も含めたゴタゴタが予期されるようですし、艦艇建造・修理工場の疲弊も進んでいるようですし・・・

Michael Gilday海軍中将も、大変な時にCNOを引き受けることになったものです。

ところで・・・日本の空母形状護衛艦「いづも」にF-35Bを搭載する計画について、香田元海将と織田元空将が「大反対」論陣を張っていますが、全くごもっともです・・・

「代打の次期米海軍トップ候補」 →https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-19

米空母の話題
「空母1隻削減案に揺れる」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-29
「スミソニアン空母映像4つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-20
「空母群が温故知新訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-25
「空母艦載給油機のRFP発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13

「映像で学ぶ:米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「艦載機燃料タンクの振動問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-29
「空母フォード:3年遅れで米海軍へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-03
「フォード級空母を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20
「解説:電磁カタパルトEMALS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10

超超音速兵器関連の記事
「米空軍も取り組み本格化」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-16
「ミサイル防衛見直し発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-19
「ロシアが超超音速兵器試験に成功」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-27
「日本に探知追尾レーダー配備?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-24
「LRDRレーダー開発が順調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-10
「グリフィン局長の発言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-08-1
「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米空軍が1千億円で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-1
「同兵器は防御不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21-1
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

コロンビア級SSBN計画の関連
「NKのおかげSSBNに勢い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-2
「コロンビア級の予定概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-27
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

艦艇の修理や兵たんの課題
「米艦艇建造や修理人材ピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-24
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
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