次の米海軍トップ確定者が急きょ辞退退役へ [ふと考えること]
5月に議会承認もクリアしていたのに・・・
8月1日に就任する予定だったのに・・・
現職が任期を延長して次の後任探しへ
7日、次の米海軍人トップの海軍作戦部長(CNO:chief of naval operations)へ8月1日に就任する予定だったWilliam Moran海軍大将(現在はNo2の副作戦部長)が、5月に上院の承認を得ていたにもかかわらず、米海軍トップ就任を辞退し、海軍も退役すると明らかにし、米海軍長官もこの判断を尊重すると述べました
Moran海軍大将は対潜哨戒機P-3のパイロットで、過去31名の海軍作戦部長の中にパイロットは9名いますが、いずれも空母艦載戦闘機のパイロットでしたから、過去に例を見ない異例な職種からの作戦部長選出として大きな話題となり、マイナー職域出身でありながら米海軍トップに推挙されたMoran大将の業績や人柄が、あらためて高く評価され、まんぐーすも4月に取り上げたところでした
「P-3パイロットが初の米海軍トップに」
→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-12
そんな期待の新星だったのに、なぜ突然の辞退に退役なんでしょうか? どうやら・・・よろしくない勤務態度(セクハラ)で米海軍司令部勤務から外された中佐から、引き続き仕事上のアドバイスを受けていたことがメール調査で発覚した模様です。その中佐は「public affairs」担当で、仕事面では有能だったようです
非常に残念ですが、議会承認手続き途中で辞任したShanahan臨時国防長官の記憶が生々しい中、またもやトランプ大統領ご推薦の人事がとん挫した形となり、独立記念日のイベント関連で批判を受けている政権に、新たな負の話題を提供した形となりました
米海軍は、7月末で退役予定だった現在のRichardson作戦部長を引き続き勤務させ、9月の同作戦部長退役までに別の後任者を推薦し議会承認を得るよう頑張るようです
8日付Military.com記事によれば
●Spencer海軍長官は声明で、「Moran大将は、過去2年間に渡り、海軍人としての基準も満たさなかった人物と仕事上の関係を続けていたと申し出た」、「Moran大将の米海軍への真摯な姿勢を称賛する一方で、彼の当該人物との関係には疑問を持たざるを得ず、同大将からの退役の申し出を受理することにした」と説明した
●海軍長官は細部に触れなかったが、匿名の関係筋は本件に関し、2017年に現作戦部長らの Public affairs担当だったChris Servello中佐はセクハラで職を解かれ、2018年5月に退役していたが、そのServello氏から職務上のアドバイスを引き続き受けていたことが明らかになったためだと説明した
●Servello中佐(当時)は、2016年の米海軍クリスマスパーティーでサンタ役を務めていたが、酒に酔って若手(女性)士官に「unwanted sexual passes:体を触った」ことでけん責処分を受けていた。
●このセクハラで海軍司令部のPublic affairs担当職をServello中佐は追われたが、その後も、2018年5月に同中佐が退役したのちも引き続き、Moran大将は同元中佐からPublic affairs上のアドバイスをメールでのやり取りで受けていた模様である。
●なおメール上では、Chris Servelloとの名前に言及せずやり取りが行われており、意図的にChris Servello氏との関係を隠そうとしたようにも解釈できる状態だったようである
●匿名の関係者によれば、Spencer海軍長官がこの関係の存在を知ったのは、5月の上院での承認手続きが終了した後であったようだ
●Moran大将は声明で、「退役願を提出することは痛恨の極みであるが、米海軍人とそのご家族が国家に忠誠を尽くすべく日々を過ごされるに際し、私の進退が何ら障害となることはない」、「私が不適切な人物との関係を維持していたことが、ハラスメントや脅迫のような行為がない職場を醸成すべきとの米海軍の姿勢を否定することでは全くない」と述べている
●Chris Servello氏はMoran大将退役の方を受けメディアに対し、「信じられないし、残念でならない。米海軍にとってteriribleなニュースであり、それ以上申し上げることはない」とコメントした
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厳しいと言えば厳しい判断です。「Public affairs」関連は、細部の事情や経緯を知る専門スタッフの助言が無ければ、将軍や提督レベルが自身の経験だけでは対応できない分野で、米軍外の関係団体やメディアとの関係など、陰で支えるスタッフが極めて重要な役割を担います
セクハラ野郎のChris Servello元中佐ですが、恐らく社交的で、米海軍外の様々な人種の人たちと巧みに関係を気づくのが得意だったのでしょう。皆さんの周りにもそんな人いますよねぇ・・・。人間は紙一重ですから・・・
それにしても・・・トランプ政権では有能な人が次々と・・・
Moran大将の次期海軍トップ推薦を強く支持する報道
「P-3パイロットが初の米海軍トップに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-12
惜しまれつつ去った有能な武人たち
「マティス国防長官:最後の言葉」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-01
「男の辞表:マティス長官に学ぶ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-22
「Willson空軍長官が最後に語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-18
「マクマスター大統領補佐官が露を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-18
8月1日に就任する予定だったのに・・・
現職が任期を延長して次の後任探しへ
7日、次の米海軍人トップの海軍作戦部長(CNO:chief of naval operations)へ8月1日に就任する予定だったWilliam Moran海軍大将(現在はNo2の副作戦部長)が、5月に上院の承認を得ていたにもかかわらず、米海軍トップ就任を辞退し、海軍も退役すると明らかにし、米海軍長官もこの判断を尊重すると述べました
Moran海軍大将は対潜哨戒機P-3のパイロットで、過去31名の海軍作戦部長の中にパイロットは9名いますが、いずれも空母艦載戦闘機のパイロットでしたから、過去に例を見ない異例な職種からの作戦部長選出として大きな話題となり、マイナー職域出身でありながら米海軍トップに推挙されたMoran大将の業績や人柄が、あらためて高く評価され、まんぐーすも4月に取り上げたところでした
「P-3パイロットが初の米海軍トップに」
→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-12
そんな期待の新星だったのに、なぜ突然の辞退に退役なんでしょうか? どうやら・・・よろしくない勤務態度(セクハラ)で米海軍司令部勤務から外された中佐から、引き続き仕事上のアドバイスを受けていたことがメール調査で発覚した模様です。その中佐は「public affairs」担当で、仕事面では有能だったようです
非常に残念ですが、議会承認手続き途中で辞任したShanahan臨時国防長官の記憶が生々しい中、またもやトランプ大統領ご推薦の人事がとん挫した形となり、独立記念日のイベント関連で批判を受けている政権に、新たな負の話題を提供した形となりました
米海軍は、7月末で退役予定だった現在のRichardson作戦部長を引き続き勤務させ、9月の同作戦部長退役までに別の後任者を推薦し議会承認を得るよう頑張るようです
8日付Military.com記事によれば
●Spencer海軍長官は声明で、「Moran大将は、過去2年間に渡り、海軍人としての基準も満たさなかった人物と仕事上の関係を続けていたと申し出た」、「Moran大将の米海軍への真摯な姿勢を称賛する一方で、彼の当該人物との関係には疑問を持たざるを得ず、同大将からの退役の申し出を受理することにした」と説明した
●海軍長官は細部に触れなかったが、匿名の関係筋は本件に関し、2017年に現作戦部長らの Public affairs担当だったChris Servello中佐はセクハラで職を解かれ、2018年5月に退役していたが、そのServello氏から職務上のアドバイスを引き続き受けていたことが明らかになったためだと説明した
●Servello中佐(当時)は、2016年の米海軍クリスマスパーティーでサンタ役を務めていたが、酒に酔って若手(女性)士官に「unwanted sexual passes:体を触った」ことでけん責処分を受けていた。
●このセクハラで海軍司令部のPublic affairs担当職をServello中佐は追われたが、その後も、2018年5月に同中佐が退役したのちも引き続き、Moran大将は同元中佐からPublic affairs上のアドバイスをメールでのやり取りで受けていた模様である。
●なおメール上では、Chris Servelloとの名前に言及せずやり取りが行われており、意図的にChris Servello氏との関係を隠そうとしたようにも解釈できる状態だったようである
●匿名の関係者によれば、Spencer海軍長官がこの関係の存在を知ったのは、5月の上院での承認手続きが終了した後であったようだ
●Moran大将は声明で、「退役願を提出することは痛恨の極みであるが、米海軍人とそのご家族が国家に忠誠を尽くすべく日々を過ごされるに際し、私の進退が何ら障害となることはない」、「私が不適切な人物との関係を維持していたことが、ハラスメントや脅迫のような行為がない職場を醸成すべきとの米海軍の姿勢を否定することでは全くない」と述べている
●Chris Servello氏はMoran大将退役の方を受けメディアに対し、「信じられないし、残念でならない。米海軍にとってteriribleなニュースであり、それ以上申し上げることはない」とコメントした
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厳しいと言えば厳しい判断です。「Public affairs」関連は、細部の事情や経緯を知る専門スタッフの助言が無ければ、将軍や提督レベルが自身の経験だけでは対応できない分野で、米軍外の関係団体やメディアとの関係など、陰で支えるスタッフが極めて重要な役割を担います
セクハラ野郎のChris Servello元中佐ですが、恐らく社交的で、米海軍外の様々な人種の人たちと巧みに関係を気づくのが得意だったのでしょう。皆さんの周りにもそんな人いますよねぇ・・・。人間は紙一重ですから・・・
それにしても・・・トランプ政権では有能な人が次々と・・・
Moran大将の次期海軍トップ推薦を強く支持する報道
「P-3パイロットが初の米海軍トップに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-12
惜しまれつつ去った有能な武人たち
「マティス国防長官:最後の言葉」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-01
「男の辞表:マティス長官に学ぶ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-22
「Willson空軍長官が最後に語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-18
「マクマスター大統領補佐官が露を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-18
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