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故障で空母なしの空母戦闘群が任務出撃 [Joint・統合参謀本部]

空母トルーマンが電気系統故障で帯同できず
代替空母派遣の余裕なく、巡洋艦らのみで(中東へ)出撃

Truman.jpg13日付Military.comは、空母トルーマン空母戦闘群が「空母なし」4隻のミサイル搭載艦のみを中心とした戦力で任務に出発したと報じています

空母トルーマンについては、今年3月には寿命を約25年残して早期退役させ、高額な中間解体修理(原子炉への燃料補給を含む)経費を次期空母Ford級建造に転用するとの案を米海軍と国防省でまとめて予算案として提出しましたが、議会やホワイトハウスの大反対を受けて引き続き任務継続となった空母です

また、7月にイラン人の血が流れるKavon Hakimzadeh大佐が艦長に就任したことでも話題を集めた空母で、(中東!?)派遣への準備が完了したと艦長自らが語るインタビュー記事をご紹介したところでしたが、8月に電気系統のトラブルが発覚し、米海軍が全力で修理に当っているようですが、このたびの出撃には間に合わなかったようです

これまでであれば、少し遅れて予備の空母戦闘群を派遣するとか、任務遂行中の空母群の任務期間を延長するとかで対応していたのですが、予算不足から部品調達の遅れや艦艇の老朽化、海外派遣の長期化などが重なり、艦艇修理・整備の滞留・遅延が慢性化かつ悪化しており、「全く余裕などない」状況が今回の空母なし派遣の背景にあります

13日付Military.com記事によれば
空母トルーマン空母戦闘群が東海岸の各地から任務地に向け出航を開始したが、通常とは異なり、一つ欠けているものがある・・・空母トルーマン自体である
Industrial Base2.jpg空母戦闘群(CSG)から空母が抜けたことで、SAG(surface action group)として出撃した戦闘群を構成するのは、ミサイル巡洋艦Normandyと、ミサイル駆逐艦Lassen, Forrest ShermanとFarragutの計4隻である

●同空母群が所属する第2艦隊司令官のAndrew Lewis中将は、この任務派遣は米海軍の柔軟な戦力運用能力を示すものだとの声明を出しているが、米海軍協会とのインタビューでは、当初「ユニーク」な展開と報じられた今回の編成を「不運なこと」と語っている
●しかし同時に同中将は「誰もこのような編成での派遣を望んでいない」、「しかし現実の世界の中で対応を望まれている。我々は大きな戦力を保有しており、保有戦力は時間通りに派遣される。そして空母トルーマンが復帰した時には更に強化される」と苦しい説明をしている

●同中将はまた、ちなみにSAGが東海岸から派遣されるのは13年ぶりだとも付け加えた

米軍のリーダーたちは、地域戦闘コマンド司令官からの要求に応えるだけの空母を準備できていないと認識しており、春にはJoseph Votel中央軍司令官が議会で証言し、米海軍が埋められないギャップは同盟国で埋め合わせてほしいと関係国に要請していると述べている
Industrial Base.jpg●過去に同様の空母の故障等が発生した場合、予備空母を代替として派遣していたが、東海岸にある米海軍用の艦艇修理・補修施設はこなし切れていない仕事が山済みとなっており、予備を準備できるような状態にはない

●この艦艇維持整備の問題は、新型の空母Fordの任務展開までも遅らせる事態となっている
空母トルーマンなしで派遣されたSAG指揮官であるJennifer Couture大佐は、「我々のSAGを構成する艦艇群は任務遂行の準備が出来ており、多様な任務要請に同盟国などと協力して対応可能で、世界中の安全保障と海洋安定に貢献できる」と語った
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ソ連崩壊とその後に起こった平和の配当議論と「戦力調達の空白」が生んだ現有装備品の高齢化、また近年の強制削減に起因する国防予算の実質減少、更に装備品の価格高騰による維持整備費へのしわ寄せ等々により、米軍装備の稼働率低下は目を覆うばかりです

米空軍も同様で、50機以上保有するB-1爆撃機の稼動機数が「一桁」台だとか、時の国防長官が指示した主要戦闘機4機種の稼働率8割確保を、1年後の今年9月に達成できるのが僅か1機種(恐らくF-22とF-35とFA-18は5割以下だと思います)だとか・・・深刻な状況です

加えて20年近く延々と続く実戦の継続で疲弊する装備品、トランプの独断でこちらも老朽化が激しい米軍施設の米軍施設更新費を削ってメキシコとの壁に充当など、現場の士気をそぐ政治判断も追い討ちをかけ、米軍の土台は揺らいでいます・・・対中国どころではない気がします・・・

空母トルーマン関連
「空母トルーマン艦長に元亡命イラン人」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-15
「空母トルーマンの25年早期退役案で紛糾」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-29
「空母関連の映像4つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-20

艦艇修理の大問題
「米艦艇建造や修理人材ピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-24
「空母定期修理が間に合わない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
「優秀な横須賀修理施設」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-05
「軍需産業レポート2019」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-28
「2018年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-1

空軍装備品の稼働率急降下
「稼働率8割達成はF-16のみ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-09-06
「戦闘機稼働率8割への課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-09
「マティス国防長官が指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-11
「B-1爆撃機の稼働機一桁の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「2/3が飛行不能FA-18の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07

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