B-21ステルス爆撃機の初飛行まで863日 [米空軍]
2021年12月3日が予定日だそうです
すごい自信ですが、順調そうで何より
1年ぶりにB-21ご紹介
24日、米空軍副参謀総長のStephen Wilson大将が米空軍協会の研究機関であるミッチェル研究所で講演し、B-1やB-2爆撃機の後継となるB-21爆撃機の今後の予定について、運用体制確立は2020年代中旬だが、初飛行は「863日後だ」と語り、開発が順調だと示唆しました
同副参謀総長は最近、開発を担当するNorthrop Grummanのフロリダ州の工場を視察した模様で、同社が「先行的に開発を進めている」ともコメントしており、かなりの好印象だった模様です
2020年代半ばに運用開始予定、強固な防空網を突破可能な性能(ステルス等)、1機約600億円($550million)、80-100機製造、無人機もあり得る(正式にはoptionaly manned)、既存成熟技術を活用して開発リスクを避ける等々の方針で進められているB-21ですが、機種選定後は秘密のベールに包まれています
B-21に関しては情報統制が厳しく、2018年12月に「重要設計審査:critical design review」を終了したとの発表があったきりで情報がほとんど漏れてきませんが、F-35やKC-46Aと並ぶ3大重要事業ですので、推測たっぷりの専門家の想像も含めて記事をご紹介しておきます
25日付Defense-News記事によれば
●米空軍協会機関誌の報道によれば、Stephen Wilson副参謀総長は24日の講演で、「現時点で必ず実現できるとまでは言い切れないが、今から863日後にB-21爆撃機は初飛行の予定となっている」と語り、最近訪問したB-21工場の様子を「moving out on that pretty fast:先行的に開発が進んでいる」とも表現した
●19日には、臨時空軍長官と空軍省の緊急能力造成室(RCP)長が、同じNorthrop GrummanのB-21設計部署を訪問して開発状況を確認した模様で、複数の空軍幹部の目で見て順調だとの印象を受けているようだ
●863日後とは2021年12月3日を指し、2年半先の予定であることから、航空専門家のRichard Aboulafia氏は、「今後2年間には多くのことが発生しうる。しかしノースロップ社がスケジュール管理に自信を示しているのは良い兆候だ」とコメントしてくれた
●同氏は、ノースロップが企業選定で選ばれ、敗れた他社からの訴えが却下されたのが2016年であることを考えると、短い時間で初飛行予定を固められたのは、同社が製造したB-2爆撃機の知見を活かせる、B-2を小型化したようなデザインだからではないかと推測し、「B-2から大きくデザインを変更する必要性はなく、全体に最新技術を導入し、小型化、高性能化を進める方法が合理的だ」と述べている
●ただ、仮にB-2形状から大きな変更があった場合には、2021年前に小型やフルサイズのデモ機による試験飛行が行われる可能性があるとAboulafia氏は見ている
●別の専門家Roman Schweizer氏は、関連情報が全くない中、2021年12月初飛行との情報は全体計画を推測する上で貴重な情報だと述べ、そこから類推すると2019年末頃にプロトタイプ製造のために必要な「Production Readiness Review」が行われることになろうと見積もりを示した
●3月のブルームバーグ報道によると、B-21関連予算は、2022年に220億円のところ、2023年には2700億円に跳ね上がり、2024年には更に3700億円に上澄みされる見込みであり、この数字から同専門家は、2023年に低レートの生産に入ると推測している
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この記事に登場する航空専門家はいずれも良く知られたその筋の「プロ」で、Teal GroupのRichard Aboulafia氏には何度もご登場いただいているところですが、その専門家にしても情報を持っていないとすると、相当なレベルで情報統制がなされています
まぁ。「権力と金と女」で世の中は動いているとの鉄則に従えば、既に中露には流れているのかもしれませんが、メディアへの統制は大したものだと思います。
記事の通りに進めば、今年末に「Production Readiness Review」実施をお伝えし、その次は2021年12月の初飛行を写真入りでご紹介するぐらいの頻度でしか話題になりそうもないので、とりあえず「863日後の2021年12月3日」についてご紹介しました
B-21爆撃機の関連記事
「初期設計段階終了」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-30
「米空軍の爆撃機体制計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
「2017年3月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20
「B-21に名称決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-27
「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28
米空軍爆撃機の話題
「B-1の稼働機一桁の惨状」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
すごい自信ですが、順調そうで何より
1年ぶりにB-21ご紹介
24日、米空軍副参謀総長のStephen Wilson大将が米空軍協会の研究機関であるミッチェル研究所で講演し、B-1やB-2爆撃機の後継となるB-21爆撃機の今後の予定について、運用体制確立は2020年代中旬だが、初飛行は「863日後だ」と語り、開発が順調だと示唆しました
同副参謀総長は最近、開発を担当するNorthrop Grummanのフロリダ州の工場を視察した模様で、同社が「先行的に開発を進めている」ともコメントしており、かなりの好印象だった模様です
2020年代半ばに運用開始予定、強固な防空網を突破可能な性能(ステルス等)、1機約600億円($550million)、80-100機製造、無人機もあり得る(正式にはoptionaly manned)、既存成熟技術を活用して開発リスクを避ける等々の方針で進められているB-21ですが、機種選定後は秘密のベールに包まれています
B-21に関しては情報統制が厳しく、2018年12月に「重要設計審査:critical design review」を終了したとの発表があったきりで情報がほとんど漏れてきませんが、F-35やKC-46Aと並ぶ3大重要事業ですので、推測たっぷりの専門家の想像も含めて記事をご紹介しておきます
25日付Defense-News記事によれば
●米空軍協会機関誌の報道によれば、Stephen Wilson副参謀総長は24日の講演で、「現時点で必ず実現できるとまでは言い切れないが、今から863日後にB-21爆撃機は初飛行の予定となっている」と語り、最近訪問したB-21工場の様子を「moving out on that pretty fast:先行的に開発が進んでいる」とも表現した
●19日には、臨時空軍長官と空軍省の緊急能力造成室(RCP)長が、同じNorthrop GrummanのB-21設計部署を訪問して開発状況を確認した模様で、複数の空軍幹部の目で見て順調だとの印象を受けているようだ
●863日後とは2021年12月3日を指し、2年半先の予定であることから、航空専門家のRichard Aboulafia氏は、「今後2年間には多くのことが発生しうる。しかしノースロップ社がスケジュール管理に自信を示しているのは良い兆候だ」とコメントしてくれた
●同氏は、ノースロップが企業選定で選ばれ、敗れた他社からの訴えが却下されたのが2016年であることを考えると、短い時間で初飛行予定を固められたのは、同社が製造したB-2爆撃機の知見を活かせる、B-2を小型化したようなデザインだからではないかと推測し、「B-2から大きくデザインを変更する必要性はなく、全体に最新技術を導入し、小型化、高性能化を進める方法が合理的だ」と述べている
●ただ、仮にB-2形状から大きな変更があった場合には、2021年前に小型やフルサイズのデモ機による試験飛行が行われる可能性があるとAboulafia氏は見ている
●別の専門家Roman Schweizer氏は、関連情報が全くない中、2021年12月初飛行との情報は全体計画を推測する上で貴重な情報だと述べ、そこから類推すると2019年末頃にプロトタイプ製造のために必要な「Production Readiness Review」が行われることになろうと見積もりを示した
●3月のブルームバーグ報道によると、B-21関連予算は、2022年に220億円のところ、2023年には2700億円に跳ね上がり、2024年には更に3700億円に上澄みされる見込みであり、この数字から同専門家は、2023年に低レートの生産に入ると推測している
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この記事に登場する航空専門家はいずれも良く知られたその筋の「プロ」で、Teal GroupのRichard Aboulafia氏には何度もご登場いただいているところですが、その専門家にしても情報を持っていないとすると、相当なレベルで情報統制がなされています
まぁ。「権力と金と女」で世の中は動いているとの鉄則に従えば、既に中露には流れているのかもしれませんが、メディアへの統制は大したものだと思います。
記事の通りに進めば、今年末に「Production Readiness Review」実施をお伝えし、その次は2021年12月の初飛行を写真入りでご紹介するぐらいの頻度でしか話題になりそうもないので、とりあえず「863日後の2021年12月3日」についてご紹介しました
B-21爆撃機の関連記事
「初期設計段階終了」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-30
「米空軍の爆撃機体制計画」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
「2017年3月の状況」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20
「B-21に名称決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-27
「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28
米空軍爆撃機の話題
「B-1の稼働機一桁の惨状」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
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