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英国の138機F-35購入計画は多くて60-72機へ!? [亡国のF-35]

23日発表の国防費計画で138機に言及無く疑念拡大
次期戦闘機「Tempest」開発優先で国内産業対策へ

2021 UK.jpg23日付Defensae-News記事は、英国防省が同日発表した国防予算計画「Defence in a competitive age」で、F-35購入について言及がなく、一方で英国がスウェーデン等と共同開発する次世代戦闘機「Tempest」に多額の投資を行うと明らかにしたことで、英国が2015年時点で表明していた138機F-35Bを購入する計画は極めて怪しくなったと伝えています

英国は2015年の「SDSR:Strategic Defence and Security Review」で、英国空軍と海軍が共同運用する形で138機F-35Bを購入するとしていましたが、現時点では2025年までに48機を導入する契約を結び、20機程度を受領した段階で、138機への動きは全く聞こえてきておらず、英国防省や英軍内でも138機体制が実現するとはだれも考えていない状態だと伝えられていたところでした

F-35B.jpgその結果として、当初、英海軍は空母エリザベス級空母を2隻建造し、各艦に最大32機のF-35B搭載する構想を持っていましたが、予算不足などから就航した1番艦空母エリザベスに20機以下のF-35Bしか搭載できず、米海兵隊F-35B部隊に最大能力試験の支援を依頼し、更に米海兵隊機との「戦力互換性:interchangeability」運用を目指すとの美しい形を演出して戦力不足を補っている状態

更に今年1月には、英海軍の新型空母エリザベスと米海軍の駆逐艦Sullivansが空母攻撃群を編成し、空母エリザベスの指揮のもと、2021年後半から作戦行動を行う旨の合意文書に米英国防大臣が署名して「強固な協力関係」をアピールしていますが、F-35B搭載可能な強襲揚陸艦を大火災で失った米海兵隊との「悲しきWIN-WIN関係」だとまんぐーすは邪推しております

Heappey UK.jpgただ、F-35の調達機数削減は米空軍も検討しているところ、関連企業が全米に分散されている米産業界への影響も大きく、政治的影響も大きいことから、英国としても慎重に検討を進めている姿勢を示し、米国新政権の出方を伺っているところでしょう

16日に英国政府は、安全保障や外交の中長期計画を定めた「安保・国防・外交政策統合レビュー(見直し)」を発表し、保有する核弾頭の上限目標を現在の180発から260発に引き上げる方針を表明し、世界を驚かせて安保への取り組み姿勢をアピールしましたが、すそ野の更に広い戦闘機に関しては「バチバチ」状態が続くのでしょう

3月23日付Defensae-News記事によれば
英国防省が23日発表した国防予算計画「Defence in a competitive age」では、「英国は、既に発注した48機を超えてF-35戦力拡大に取り組んでいく」と記されているが、2015年のSDSRに明示されていた138機体制への言及は全くなかった
Heappey UK2.jpgワシントンDC記者団への23日の会見で、この138機調達計画に関する直接的な記者からの質問に対しJames Heappey英国防副大臣は、明確な表現を避け、「48機購入にコミットしている」、「我々は他国とも共同でFuture Combat Air System(Tempestのこと)に取り組んでおり、将来の英軍航空戦力が如何にあるべきかの議論を行っている。ただ48機のF-35Bにはサイン済である」と回答した

昨年12月、本件に関し英国防省の計画担当であるRichard Knighton空軍中将は、「F-35Bを増強して英海軍空母の能力強化を進める必要性を感じているが、2025年ころまでに空母体制も含めて検討して結論を得たい」と述べるにとどまっていた

英シンクタンクのJustin Bronk研究員は、48機のF-35Bでは、英国軍が求める戦力レベルに達しないが、23日の文書がF-35調達の将来に言及しなかったことからすると、英国政府が国内産業維持を優先して「Tempest」投資を重視し、近未来の軍事的なニーズに目をつぶったのだろう、とコメントしている
F-35B2.jpg23日の文書国防予算計画「Defence in a competitive age」では、英国とスウェーデンが中心に共同開発の「Tempest」に対し、今後4年間で3000億円の開発費を投じる計画となっており、対抗する仏独伊スペインチームをおののかせている

「Tempest」計画は英国にとって、単に将来戦力としてだけでなく、軍需産業基盤にとって極めて重要な役割を期待されており、既に英国中の300以上の企業で1800以上の新規雇用を生み、18000名の既存高度熟練技能者を支えており、サプライチェーン全体では数万人規模に影響を与えると言われている
特に政治的経済的にかじ取りが難しい、Scotland, Wales and Northern Ireland地域の雇用への影響が大きい点でも、政治的な視点で見られがちな案件である

前出のJustin Bronk研究員は、「Tempestに対しこれだけ入れ込むシグナルが出ていることからすれば、F-35の調達機数は多く見積もっても合計で60-72機程度になるのでは」と見積もった
Heappey英副大臣は「F-35運用は、米、伊、豪などの海軍との共同運用を考える上で重要」で、このコミュニティーは無視できないともコメントしている
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英国防予算計画「Defence in a competitive age」
https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/971859/_CP_411__-_Defence_in_a_competitive_age.pdf

Queen Elizabeth.jpgF-35AとB型を、それぞれ105機と42機購入する予定で、米国に次ぐ世界第2位の購入予定数国でありながら、共同開発国の扱いも受けられない日本はどうするのでしょうか?

そもそも、対中国の環境からすれば、最新の戦闘機を導入するニーズ自体に疑問の余地が多い日本ですから、よく考えていただきたいものです

英空母エリザベスの悲しき現実
「英新型空母と米駆逐艦が空母攻撃群を編成へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-22
「コロナ下で800名乗艦で最終確認試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-01
「英空母エリザベスは米軍F-35B部隊と一体運用へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-26-1
「英海軍と英空軍共有のF-35Bが初任務」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-27
「米海兵隊F-35が英空母へ展開へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-09
「米軍F-35Bを英空母に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16
「英空母が航空機不足で米軍にお願い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-03

F-35搭載改修終了直前の惨事(放火)
「強襲揚陸艦Bonhomme Richard火災の衝撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-15

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米海軍の「無人システム計画」が議会等から猛批判浴びる [Joint・統合参謀本部]

空虚な言葉や表現ばかりで中身がない
F級空母やLCSやZumwalt級などの反省がない
何をどうしたいのか全く見えない

Navy Unmanned Plan.jpg18日、米海軍&海兵隊が16日に発表した無人システム活用の将来構想「Unmanned Campaign Plan」に関する質疑が下院軍事委員会で開催され、退役海軍人を含む米議員から「空虚な言葉や表現ばかりで中身がない」、「今やっていることの説明ばかりで、具体的将来計画がない」、「最近の数々の米海軍研究開発の失敗事例との差が感じられない」等々、辛らつな言葉が相次ぎました

また、つい最近まで米海軍トップの補佐官だった元海軍大佐の著名専門家からも、「中身がない」、「なぜ無人システムに投資する必要があるのか理解するのは困難」、「具体的なマイルストーンもなく、米海軍が責任を持って取り組むと感じさせるものが何もない」、「兵器ネットワークへの熱意と対照的」と厳しい言葉が上がっています

Navy Unmanned Plan5.jpg残念ながら米海軍の装備品開発は、フォード級空母、沿岸戦闘艦LCS、Zumwalt級駆逐艦(たった2隻で終了)など「死屍累々」の状態で、「何をやってもダメな米海軍」(現海軍人トップの表現)とのレッテルを否定できない状態にあります

無人システム関連でも、LCSの汚名挽回を狙った無人機雷探知対処システムRMMV(Remote Multi-Mission Vehicle)が、800億円規模の投資を行いながら「爆発物を探知できない」との理由で2016年に計画中止となるなど、米海軍の装備開発は外部の不信感との戦いになっています

18日付Defense-News記事によれば
Navy Unmanned Plan2.jpg退役海軍人であるElaine Luria下院軍事委員(民主党)は、「具体的な内容に欠け、空虚な言葉や表現ばかりの中身に本当にガッカリした」、「最近の米海軍による複数の艦艇開発失敗を踏まえ、本委員会の委員は、新たな技術を前線部隊の戦力に変える米海軍の能力について懐疑的である」と言い放った
また、最近のRMMVの失敗等にも言及して共和党のRob Wittman委員は、「何かを長く続けていれば、良いことが起こるだろうとの甘い認識で失敗した(RMMVの)教訓を、十分生かしていないのではないか?」と、現在の取り組みばかりに言及し、将来の具体的な計画を打ち出せていない点を厳しく指摘した

元CSBA研究員で、昨年まで米海軍作戦部長の上級補佐官を務めていたハドソン研究所のBryan Clark上級研究員も、「どんな任務や作戦が無人システムに有効なのかに関する議論が全くなく、無人システムに予算厳しき中で投資すべきと訴える中身が見当たらない。理解困難な文書だ」と酷評した
そして、「また現在取り組んでいる無人システムの開発がなぜ重要なのか、どの開発の優先度が高いのか等に関する言及もなく、内容が薄い」とも表現している

Navy Unmanned Plan3.jpg更に、「米海軍はこの文書発表で、米議会や政府指導層に米海軍のシステム開発への信頼を取り戻す必要があったが、私が議会関係者だったら、“今何をやっているかの説明をしているだけで、それがなぜ重要で、なぜ次世代の戦いに向け投資が必要なのかがわからない。海軍は何がしたいのだろう”と思うだろう」
また「仮にこの文書が無人システムを巡る海軍の中心文書であるならば、海軍はどのようにシステムを成熟させていきたいのか説明する機会を失したと言える」、「海軍は説明したいと思ったのだろうが、何も説明できなかったと私には思える」とコメントしている

更に同研究員は、例えば無人システムのための特別組織を立ち上げるとか、既存組織を格上げして権限を付与するとか、そんなことでも姿勢が感じられるのだが何もなく、米海軍が西太平洋で兵器とセンサーとプラットフォームを結び付けることに勢力を注いでいるのと対照的だ、とも語っている

Navy Unmanned Plan4.jpg「Unmanned Campaign Plan」発表の際、米海軍担当幹部は公開可能ベースでの文書作成と、開発中の非公開レベルの試みを組み合わせる難しさを記者団に語りつつ、米海軍は有人と無人システムを組み合わせた「ハイブリッド」部隊編成にコミットしていると語った
また別の幹部は、今後の無人システム開発においては、複数のプロトタイプを作成して実現可能性を見極め、現場の意見を聞きながら改良を進めつつ、費用対効果を突き詰めて進めていくと、過去の開発装備との違いを強調した
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中国等の長射程精密誘導兵器が充実する中、米海軍は従来の空母や大型有人艦艇中心の編成の見直しを迫られており、改革の方向性を無人システムの活用構想である「Unmanned Campaign Plan」の中で示すことが期待されていたわけですが、具体的な成果や方向性が見えない「迷子」状態にあることを逆に世に知らしめてしまう結果となったようです

米海軍&海兵隊としては、これはあくまで公開版バージョンであり、非公開で進んでいる重要開発物もあると示唆していますが、それだけが理由でこれだけ厳しい批判を受けるとは考えにくく、連続して発生した事故や火災、現有艦艇や潜水艦の維持整備体制だけでなく、根が深い組織の問題を抱えているような雰囲気を醸し出しています

現物約40ページ
https://www.navy.mil/Portals/1/Strategic/20210315%20Unmanned%20Campaign_Final_LowRes.pdf?ver=LtCZ-BPlWki6vCBTdgtDMA%3d%3d 

米海軍関連web記事
https://www.navy.mil/Press-Office/Press-Releases/display-pressreleases/Article/2538616/navy-marine-corps-release-unmanned-campaign-plan/

米海軍の関連記事
「米海軍の戦術ネットワークProject Overmatch」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-15
「米国防長官が米海軍体制検討のさわりを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-18-1
「21年初に本格無人システム演習を太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10-1 
「米空母と潜水艦修理の75%が遅延」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-22
「潜水艦も無人化を強力推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-03
「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10

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防衛研究所が「東アジア戦略概観2021」発表 [安全保障全般]

2020年1月~12月の事象の記録と分析
コロナの影響に様々な関係国の視点で迫る

2021East Asia.jpg3月26日、防衛研究所が毎年発行で25回冊目となる「東アジア戦略概観2021」を発表し、全文webサイトで閲覧可能(日本語と英語版の両方同時に)となりました。インドがご専門で、防衛研究所の紅一点である理論研究部長の伊豆山真理さんが編集長としてまとめられました

「新型コロナウイルス感染症後の世界の動向をめぐる議論が始まる中、本書が、東アジアの戦略環境に対する関心と理解を深め、日本がよりよい安全保障環境を追求するための知的議論の材料となれば幸甚である」と「はしがき」に記されているように、コロナがもたらした様々な変化を、各章を中朝アジア露米日に割り当て、多角的な視点で東アジアへの影響を描き出しています

COVID-19 2.jpeg「防衛研究所の研究者が内外の公刊資料に依拠して独自の立場から分析・記述したものであり、日本政府あるいは防衛省の見解を示すものではない」、「研究者が独自に分析した学術専門書としての性格を明確にした」と「はしがき」に明記されている性格のものですが、「日本政府あるいは防衛省の見解」から逸脱した内容では当然ありません

日本の安全保障環境をコンパクトに学ぶには最適の書物(しかも無料)ですので、まんぐーすの独断で各章冒頭のサマリーから「さわり」部分をご紹介し、皆様のご参考に供したいと思います

第1章 大国間競争に直面する世界―コロナ禍の太平洋と欧州を事例に
コロナパンデミックは、国際秩序の将来に関する既存の議論を一層活発化させた。本章では、このテーマの議論を往々にして独占しがちな米中両国および両大国の関係ではなく、それ以外の主要国、中小国の動向に焦点を当てる。特に章後半では、豪州をはじめとする太平洋地域および欧州連合(EU)を中心とした欧州の国際関係にそれぞれ焦点を当てて分析

第2章 中国―コロナで加速する習近平政権の強硬姿勢
parade.jpgコロナは習近平指導部に対する国民の不満を表面化させた。これに対して習近平政権は、経済活動の再開を進めると同時に、社会への統制を強化することで乗り切り、中国共産党5中全会を経て、政治的権威をさらに高めた
香港には「香港国家安全維持法」を強要し、「一国二制度」を骨抜きにし、香港市民の声を力で封じ込めるとともに、対外的にも強硬な姿勢を取り、欧州諸国を含む多くの国の対中警戒感を高めることになった

第3章 朝鮮半島―揺れる南北関係
北朝鮮は米国に追従する「事大主義」の是正を韓国に求め圧力をかけ、是正されなければ緊張を高めとの姿勢を取った。米新政権の発足に先立ち、北朝鮮は韓国を米国との協力から引き離すことに注力し 韓国の文在寅政権は、北の行動を受け南北関係の改善に強い意欲を示し、その結果米国との距離を取るかのような行動も見られたSM-3採用見送り、攻撃ミサイル導入の動き、戦時作戦統制権の移管や米軍駐留経費の米韓協議の停滞など韓国政権の動きが注目される

第4章 東南アジア―ポスト・コロナの安全保障課題
China.jpgインドネシアとフィリピンでは継続して感染が拡大または横ばいの状況であり、他の国でも、新規感染をほぼ抑え込んだ国がある一方、2020年後半から感染の再拡大が起きている国もあり、地域全体としては収束が見えない

コロナによる国境の封鎖や国内での都市封鎖・行動制限などの措置は、各国経済に深刻なダメージを与え、特に貧困層が大きな影響を受けている
中国の南シナ海等での攻勢に対し、ASEAN外交の場でも米中両国の意見の対立が目立つ中、ASEANとしては大国間競争から距離を置く姿勢を示している

第5章 ロシア―ポスト・プーチン問題と1993年憲法体制の変容
プーチン体制の変革を求める市民の声も高まっており、ロシア社会は変動期を迎えている。憲法修正で大統領の3選禁止が明確化されたものの、例外条項が設けられたため、プーチンとメドヴェージェフは次期大統領選挙に出馬することが制度上可能である。憲法問題に焦点を当て、ロシアの政治体制やポスト・プーチン問題の示唆を得る

第6章 米国―コロナ危機下の米国の安全保障
US China2.jfif2020年はトランプ政権下で、対中国政策が強化された中国政府職員が米国の地方自治体の関係者と接触への事前通告の対象とした。また、中国国営メディア「外交使節団」に指定し、米の諸規定に従うことを求めた。さらに、ウイグル人権侵害に対する人権侵害に加担した者に対する制裁を求める2020年ウイグル人権政策法が成立し、一部の中国当局者に対して資産凍結や入国拒否の制裁を課した
国防省は、各軍が中露を想定した作戦コンセプトの開発をそれぞれ進める中、これらの作戦コンセプトを包含する統合コンセプトの開発に着手

第7章 日本―ポスト・コロナの安全保障に向けて
2000年代以降に日米豪、日米韓、日米印の3カ国間協力が強化されてきたが、それらをさらに拡大する形で日米豪印の協力が追求されている

Sakura2.jpg防衛計画の大綱が求める「多次元統合防衛力」の構築に、宇宙・サイバー・電磁波といった新領域を活用するさまざまな施策が行われている。部隊の新編などで能力向上が図られているが、「領域横断作戦」が従来の戦闘様相とは大きく異なるため、同作戦能力を持続可能な形で発展させる長期的な方策が必要
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東アジア戦略概観2021のwebページ
http://www.nids.mod.go.jp/publication/east-asian/j2021.html

各章のサマリーの書き方にばらつきがあるように、「執筆者の氏名および分析根拠を示す脚注を明示することにより、学術専門書としての性格をより明確に」との姿勢から、各担当者が各地域の注目点をかなり自由なアプローチでまとめている印象です

コロナ騒ぎで、世界情勢へのフォローが日常の中で難しくなっている中で、「巣ごもり」のお供に最適の無料提供資料です

東アジア戦略概観の関連
「2020年版」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-21
(2年間サボリました・・・)
「2017年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「2016年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13-1
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-10
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-03

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「さまざまの 事おもひ出す 桜かな」 [ふと考えること]

「さまざまの 事おもひ出す 桜かな」
有名な表題の句は、松尾芭蕉によるものです

桜1.jpg「ふるさとに帰り、なつかしい場所の庭先に昔のように咲き乱れている桜を見ると、自分が若い日のことなど、この桜にまつわるさまざまのことが思い出されてならない」との感情を表現したものとされています。

少し詳しく展開すると・・・

桜4.jpg貞享五年(一六八八)四十五歳の作と言われています。芭蕉が中年になり江戸から伊賀上野へ帰った際、旧藩主の下屋敷に招かれて22年ぶりに花見をしたところ、辺り一面が昔のままで、花を見るや昔の色んな事を思い出し、感慨無量の気持ちを詠んだとされます。ちなみに伊賀上野は現在の三重県上野市で、芭蕉の生まれ育った地です。

この旧藩主というのが藤堂良忠という人で、俳人でもあり、芭蕉の若いころから交流がありました。この時はすでに病死していて、藤堂良忠の子・良長がこの花見を催した人とされています。

桜5.jpg旧藩主の良忠は俳諧を学ぶ若き青年武将でした。芭蕉は良忠から格別の待遇を与えられ、下屋敷である八景亭にも幾度か同行し、俳諧を学ぶ学友として苦労も喜びも共に味わっていまました

そんな支援者であった良忠公は、寛文六年、二十五歳の若さで亡くなりました。芭蕉は失意の中で伊賀上野を退き京都へ上京、血の滲む思いの苦闘の中やがて江戸に下り俳諧宗匠として認められるまでになりました

もう一つ、桜を謳った歌を・・・

「しき嶋の やまとごころを 人とはば 朝日ににほふ 山ざくら花」 

この歌は本居宣長によるものです
歌の意味
→ 日本人である私の心とは、朝日に照り輝く山桜の美しさを知る、その麗しさに感動する、そのような心です

桜3.jpg年輩の方には
→ 「日本の武士は決して死をおそれませんでした。うまく生きのびようとするよりもどうして立派な死にようをしようかと考えている武士は、死ぬべきときがくると桜の花のようにいさぎよく散っていったのです。だから本居宣長という人はこの歌により、日本人の心は朝日に照りかがやいている桜のようだと言ったのです。」 との解釈が一般的かもしれません。

いずれにしても、日本人にとって「桜」は特別な花です・

今日は午前中の天気が良さそうです。「さまざまの事」を思いつつ、桜などいかがでしょうか。
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次の太平洋軍司令官候補が台湾に切迫する危機に警鐘 [Joint・統合参謀本部]

3月23日の上院での指名承認公聴会で
中国のインド国境、香港、ウイグルでの行動をよく見よ
我々が予期していなかった行動を次々と繰り出している

Aquilino4.jpg23日、次の太平洋軍司令官(有事に対中国作戦の米軍指揮を大統領直属で執る)候補であるJohn Aquilino太平洋海軍司令官が上院軍事委員会での指名承認公聴会で、中国は台湾支配に向けた行動を「最優先」にしているとして、「大半の人が考えているよりもはるかに切迫している」と強い危機感を訴えました。

一方で、今の太平洋軍司令官であるDavidson海軍大将が9日に同じ委員会で述べた、「6年以内に」との表現については明確にコメントしませんでした 

この指名承認公聴会は、大半が中国対処問題について費やされ、その他の報道では、グアム島のミサイル防衛が重要な点や、空母11隻体制に関しての質問があったようですが、台湾への危機感を述べた部分が大きな関心を集めていますのでご紹介しておきます

24日付CNN電子版報道によればAquilino大将は
Aquilino5.jpg「この問題は大半の人が考えているよりもはるかに切迫しているというのが私の意見だ。われわれは受けて立たなければならない」
「中国とインドの国境問題にしても、香港での民主化運動弾圧においても、ウイグル族に対する行動にしても、我々が予期していたよりも遥かに速い速度で、中国は攻撃的な姿勢で行動を起こしている」
「だから私は、事態の緊急性について訴え続けているのだ。今すぐに備えなければならない」 ただし、具体的な時程や、この発言の裏付けとなる情報について言及しなかった

また「我々は中国の行動を変えることができなかった。我々が目にしてきた、彼らの願望、意図、過去最大の大規模な軍事能力増強などすべてに対し、何もできなかった」
更に議員からの「中国の台湾侵攻を許すとどのような影響が出るか」との質問に対し、「中国の軍事力が、台湾近傍を通過する世界の物流の2/3を脅かされる恐れがあり、日本・韓国・フィリピンなどアジアの同盟国が米国に寄せる信頼が損なわれる」という2つの大きな懸念があると述べた

グアム島のミサイル防衛強化に関し
Aquilino2.jpg予算化されていない要求事項として、先にDavidson現司令官が2022年度予算に追加で約5000億円を要望し、グアム島のミサイル防衛強化を最優先事項とした件についてAquilino大将は、「ミサイル防衛上の懸念は、戦域全体の課題である」、「グアム島には、17万人の米国市民と2万人の米軍兵士が所在しており、防護強化は絶対的に必要だ」と語った
Aegis Ashoreシステムについて同大将は、ポーランドでの配備でコストや種々の課題が判明している件や、日本が最近導入をキャンセルしたことに触れつつ、これらの教訓を踏まえて取り組みことで、2025年までに配備完了可能と考えると語った

ただし、あくまでもAegis Ashoreは現時点での最適オプションだとの見方を示し、「仮に私が太平洋軍司令官に就くことができ、近未来に実現可能なより良いオプションが見つかれば、耳を傾ける用意がある」と慎重な姿勢も見せ
更に、対抗者が追求している攻撃能力に対処するためには、極超音速システムを攻撃と防御の両方で開発することが重要だと強調した

米海軍の空母11隻体制強化の必要性
米海軍空母の態勢を、現在の11隻体制から16隻体制にすべきと主張している共和党Roger Wicker議員からの、「世界情勢や中国に対処するのに、現在の法律が定める11隻体制で十分なのか? 我々は法律を変えることができる立場にある。考えを聞かせてほしい」と質問に対し
同大将は「新たな情勢の変化がない限り、現時点では今の規模が正しいと考えている」と回答した
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Asia Pacific.jpgDavidson海軍大将が9日に同じ委員会で述べた「中国が今後6年以内に台湾を侵攻して支配下に置く可能性がある」との発言と、23日にAquilino大将が述べた台湾侵攻・支配への懸念度合いのどちらが強いのか、記事によって書き方はまちまちですが、Aquilino大将も相当高い危機感を持っていると感じました

インド国境や香港やウイグルでの動きを、世界がコロナの中で実質上「傍観」している間に、予期せぬ間に、中国にしてやられたのは紛れもない事実であり、その点は肝に銘じておくべきでしょう

「最後の空母をもっと欲しいか?」質問は、ちょっとかわいそうな質問です。厳しき予算や中国の脅威を踏まえ、国防省として空母削減を検討せざるを得ない厳しい状況にあるのですから。現場指揮官に聞かれても・・

次の太平洋軍司令官候補者のご紹介
日本との関係も深い優秀なFA-18パイロットです
「対中国作戦指揮官はトップガンパイロットへ」→→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-06

アジア太平洋軍関連の記事
「海兵隊長射程兵器の予算カットに不満」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-13
「太平洋軍司令官が追加要望事項レポート」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-03
「海兵隊司令官が在日米海兵隊削減を示唆」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-25
「米海兵隊は戦車部隊廃止へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
「2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06

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引き続き「第1艦隊」創設をアジア太平洋で検討中 [Joint・統合参謀本部]

昨年11月に当時の海軍長官が初言及の構想
引き続きコンセプトや受け入れ先を検討中???

Davidson7.jpg3月10日、Davidson太平洋軍司令官は下院軍事委員会で、部下であるJohn Aquilino太平洋海軍司令官が米海軍首脳から指示され、対中国のためアジアからインド洋にかけての場所を拠点に「第1艦隊」を創設することをひき続き検討していると語りました

この「第1艦隊」(かつて1943年から73年の間に存在)の復活とアジア配備検討の話は、2020年11月に当時のBraithwaite海軍長官が

「我々は新たな艦隊を立ち上げ、インド洋と太平洋の間のクロスロードに配備したい。そして同地域のプレゼンスを高めたい」
「我々は地域の同盟国やパートナ国であるシンガポールやインドなどと相談しなければならないし、不測の事態に備えて、懸念のある必要な場所に艦隊を配置しなければならない」
「チョークポイント近傍のシンガポール以外でも、米軍だけでなく、同盟国等にも安心感を与えられるような、アジア太平洋域全体への展開派遣に適した場所に第1艦隊を配置したいと考えている」

・・・等と語ったことで明らかになった構想です

RIMPAC 20202.jpg背景には、中国海軍の活動が活発化し、アジア唯一の米海軍艦隊である横須賀拠点の「第7艦隊」だけでは対応が困難になりつつあるとの現実があります。第7艦隊は米海軍最大の「艦隊」で、約2万の兵士と艦艇・潜水艦70隻(空母攻撃群含む)、航空機150機の大所帯ですが、それでも現在でも対中国に第3艦隊など他艦隊からの支援を得てやっと対応している状況です

この発言当時、専門家からはシンガポールが設備面では充実しているが、中国との関係から新艦隊受け入れは政治的に容易ではなく、空母配備ともなれば調整は更に容易ではない・・との意見や、フィリピンのスービック湾の他、豪州、タイ、インドネシアや、ベトナムなども候補ではあるが、設備と政治的状況からハードルはより高いとの評価でした

Andaman-Island.jpg中には、マラッカ海峡に近く、人口密度が低いことから政治的に受け入れ可能性が比較的高いとみられるインド領の「Andaman Island」の可能性を指摘する専門家もいましたが、関連施設を整備の莫大な資金と時間が課題だとしていたところでした

ただ、「艦隊」と言ってもその規模は様々で、兵員2万人規模で最大の「第7艦隊」とは対照的に、ロシア潜水艦対処専門に2019年末に設置された「第2艦隊」は司令部的機能の200名規模であることから、新たな「第1艦隊」がどのようなコンセプトのどのような編成を想定しているのかに関心が集まっています

15日付Military.com記事によれば
Davidson2.jpg10日、Davidson太平洋軍司令官は、米海軍首脳部からの指示に基づき、Aquilino太平洋海軍司令官が「第1艦隊の任務に関する各種オプション検討を行っている」、「引き続き、どのようなコンセプトの艦隊にすべきか、どのような効果や影響があるか、周辺国との関係への影響等々について検討している」と語った

また(保有数の削減が検討されていると報道されている)空母について、「アジア太平洋地域で空母の存在は特に重要だ」、「私は、空母に代わる代替案はないと考えている」とも下院軍事委員会で訴えた
/////////////////////////////////////////////////

Davidson太平洋軍司令官は、「Aquilino太平洋海軍司令官has been asked by Navy leadership to look at some options・・・」と表現したようで、なんとなく実際の戦力運用を担当する司令官として、主体性が感じられない雰囲気を漂わせています

Ford2.jfifもしかしたらDavidson司令官は、現場の運用を複雑にする「第1艦隊」を編成するアイディアに否定的なのかもしれません・・・。又は国防省などペンタゴン内部を中心に進められているGPR(世界的な米軍再編検討)について、予算や政治的要因の影響度合いが強く、手を出せない雰囲気があるのかもしれません

それよりも何よりも、Aquilino太平洋海軍司令官が自身の後任候補になっており、6月には退役が見えている気軽さから、怖いものなしで自由に語り始めたDavidson大将の今後が気になります

「米海軍長官がアジアに第1艦隊編成を要望」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-20

アジア太平洋軍関連の記事
「海兵隊長射程兵器の予算カットに不満」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-13
「太平洋軍司令官が追加要望事項レポート」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-03
「海兵隊司令官が在日米海兵隊削減を示唆」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-25
「米海兵隊は戦車部隊廃止へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
「2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06
「アジア認識を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-07
「欺まんで中国軍を騙せ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-21
「西太平洋の基地防御は困難」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-23
「現空軍トップとベトナム訪問」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-14
「アジア太平洋で基地増設検討中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-28 

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米陸軍トップが長射程攻撃やSEADに意欲満々 [Joint・統合参謀本部]

従来この任務を担ってきた米空軍との対立激化へ
統合参謀本部など誰か交通整理してください
内輪もめしている場合じゃないですよ・・・

McConville.jpg11日、James McConville米陸軍参謀総長が記者団に、米陸軍による極超音速兵器や長射程精密誘導兵器導入に伴い、遠方攻撃やSEAD(敵の防空網制圧)、更に米国版A2AD網構成によって米海空軍の作戦を支援することができるようになる等と述べ、将来の統合作戦により広い分野で貢献していくと語りました

対中国作戦で米陸軍の役割と存在感を確保する生き残り戦術ですが従来米空軍が担ってきた遠方攻撃やSEADや航空阻止任務に、他軍種が乗り出すことに米空軍は批判的で、前空軍参謀総長時代から「高価な遠方攻撃頼みでは米軍が破産する」、「予算厳しき折、軍種間の能力重複は避けるべき」、「軍種間の任務見直しはきちんと議論すべき」等と主張してきました。

PrSM3.jpgMcConville米陸軍参謀総長は、SEAD任務に米陸軍はかねてから取り組んできたと主張し、「30年前の湾岸戦争開戦時に、アパッチ攻撃ヘリで敵の前線レーダー基地を粉砕し、米空軍の侵攻ルートを切り開いた」と繰り返し語ったようですが、米空軍協会web記事は、同作戦で米空軍がステルス機や巡航ミサイルや戦闘爆撃機でSEAD任務のほとんどを担ってきたことに陸軍参謀総長が触れていないことを批判的に伝えています

こんな時こそ、統合参謀本部が将来の作戦コンセプトを打ち出し、4軍の役割や予算配分を仕切る役割を果たすべきだと思いますが、予算厳しき中で、各軍種の生き残りと予算確保の動きは「仁義なき戦い」の様相を示しています。Milly統合参謀本部議長は、「予算の伸びは期待できない。せいぜい現状維持が現実の世界だ」と4軍間の争いを戒めていますが・・・・。これが現状であり実態です

11日付米空軍協会web記事によれば
McConville4.jpg11日McConville米陸軍参謀総長は「Defense Writers Group」のバーチャルイベントで、極超音速兵器開発を強力に推進して敵にジレンマを与え、また統合作戦の中でSEAD任務や敵奥地への攻撃(deep strike)にも乗り出していくと語った
●そして「長射程精密攻撃能力は、地域コマンド司令官に複数の作戦オプションを提供する」、「海軍と空軍も敵奥地攻撃に大きな能力を保有しているが、共に統合戦力として任務に取り組んでいく」と表現した

同参謀総長は、このような能力を担う部隊組織として「multi-domain task force」を編成し、太平洋軍エリアに2個、欧州に1個配置する方向だと述べたが、具体的な配備場所については、オースチン国防長官がアジア太平洋を初訪問するタイミングで、地域諸国との話し合いが行われている段階なので、これ以上は言及できないと発言を控えた
Strategic Long2.jpgまた、「task force」を現在アジア太平洋地域で試験中だと述べ、極超音速での精密攻撃能力に加え、防空機能や、情報、サイバー、電子戦、宇宙等の能力を備えた部隊だと語った

米陸軍は新たな任務に挑むのか・・・との質問を受けることもあるが、決してそうではない。米陸軍は30年前の湾岸戦争開戦時、アパッチ攻撃ヘリで2つのイラク防空システムを無効化し、米空軍アセットの侵攻ルートを確保した実績があると、同大将は繰り返し強調した
更に、「現在は当時のような手法ではなく、異なったやり方で行うことになろう」、「陸軍がSEADを担うことは将来必要なことであり、我々は戦略的な距離の遠方から行い、敵の対処をより困難にする」とも表現した

そして、「陸軍の長射程能力で米軍のA2AD網を設定し、敵の海上戦力に圧力をかける」とも表現した
Strategic Long4.jpg米陸軍戦力が従来空軍が担ってきた遠方攻撃になぜ乗り出すのかとの質問に対しては、沈没する恐れの無い機動力を備えた地上戦力は、24時間、常時利用可能な安定した戦力であり、海空軍戦力が機動展開する間を支えるオプションになると説明した

海兵隊と並ぶ陸軍のこのような姿勢に対し、Brown空軍参謀総長は昨年5月議会で、宇宙軍が立ち上がったばかりで、国家防衛戦略NDSに取り組む初年度の今、4軍の任務担当について見直すのは適切なタイミングとは思えないとの意見を述べている
/////////////////////////////////////////////////////

更に、昨年4月に当時のGoldfein空軍参謀総長は、「現在の厳しい予算状況を勘案すれば、米軍内に重複投資はないか? より4軍が協力して必要能力を獲得維持する方法はないかと考えることが強く求められている」と訴え

Goldfein8.jpg将来戦に関する多くのウォーゲームの結果を引き合いに出し、長射程兵器(standoff missiles)と使い捨て無人機(attritable aircraft)で構成される「outside force」では勝利できていない、と説明し、最も厳しいシナリオでも勝利できたのは、長射程兵器と従来兵器を組み合わせたハイブリッド戦力(hybrid force of both stand-off and stand-in systems)だけだと主張しています

また同参謀総長は「長射程兵器のみ戦力推奨派」に対し、そう主張したいのなら分析結果を示せ、国家防衛の責任を負うなら、勢いだけで主張するなと厳しく表現し、将来戦において勝利できるとの証拠を示すべきだと強く訴えていたところです

「米軍人トップ:現実を見よ、予算増加は見込めない!」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-03

遠方攻撃を巡り米軍内に不協和音
「米陸軍は2023年から遠方攻撃兵器で変わる」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-09
「遠方攻撃をめぐり米空軍が陸海海兵隊を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-22
「米空軍トップも批判・誰の任務か?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-02
「海兵隊は2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06

米陸軍の目指す長距離攻撃能力
「射程1000nmの砲開発」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1
「射程1000nm砲の第一関門」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-15

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米会計検査院による日本と韓国駐留への評価 [安全保障全般]

2016~2019 年の日本と韓国に駐留経費とホスト国負担比較
シンクタンク専門家等による駐留利点評価

GAO3.jpg17日、2020年度国防授権法が米会計検査院GAOに求めた、日本と韓国に駐留する利点と関連する費用に関する報告書「責任分担:日本と韓国に駐留している米軍に伴う利点と経費」が公開され、米国目線で見て、経費のどれだけを米国とホスト国で分担しているかを米国民向けに示しました

また併せて米会計検査院GAOは、米国防省と国務省当局者11名と、政府外シンクタンクなどの9名の専門家にインタビューし、様々な関連文書と研究レポートから抽出した駐留に伴う安全保障上の利点と考えられる6つの視点に対する支持の度合いを確認し、支持されていると評価しているようです

日本には約5.5万人、韓国には2.8万人の米軍兵士が駐留し、2016~2019 年の4年間の日本駐留経費は日米合わせて約4兆円、韓国は2.3兆円となっていますが、このGAOの報告書は、その細部経費やその使い道を細かに精査するのではなく、国防省や国務省が分担している駐留経費を整理して掲載し、併せてホスト国が支援している経費も紹介し、全般的な意義を専門家にエンドースしてもらったとの形式になっているようです

同報告書や17日付米空軍協会web記事によれば
GAO4.jpg報告書での経費のとりまとめは、兵士の人件費、部隊の作戦費と維持管理費、家族用住宅の運用と維持管理費、軍事施設や家族用住宅の建設費を対象に行われた。ただし部隊運用費はどこに所在しても発生する経費なので除外されている
ホスト国から提供されている税金、光熱費、土地や施設使用料の免除は、今回の統計ではホスト国からの支援額に含まれていない

上記の前提で、2016~2019 年の4年間で、日本駐留に関し米側は209 億ドル(2.4 兆円)を負担し、日本側は126 億ドル(1.5 兆円)を支援。米国の負担は約60%
同じ期間で、韓国駐留に関し米側は134 億ドル(1.6 兆円)を負担し、韓国側は58 億ドル(6701 億円)を直接財政や現物支給など様々な状態で提供。米側の負担は約70%

専門家に問うた一般に主張される6つの米軍駐留の利点
Kadena-F16F15.jpg地域安定と安全保障→侵略を抑止し、有利な力の均衡を確保することで、地域の安定と安全保障を維持するのに役立つ
非核化と非拡散→北朝鮮の非核化達成のための努力を支援し、一般的な非拡散を促進する
防衛能力と相互運用性→日韓の防衛能力と米国兵器システムとの相互運用性を強化する
強固な同盟関係→日本及び韓国と米国との同盟関係を強化する
不測事態への対処→地域の軍事及び非軍事(自然災害など)への迅速な対応を可能に
自由なインド太平洋地域を維持→優れた統治や経済的繁栄を含む自由なインド太平洋地域を促進する

●上記6つの利点に関する評価
ほとんどの専門家は6つの利点に「同意」又は「強く同意」すると評価した
一方で、沖縄などいくつかの駐留先では、地域での駐留米軍への反発が強まっており、長期的には駐留地を維持するのが難しい(untenable)と考えられ、ホスト国との摩擦を避けるため、既に米国は戦力の一部を移転させている
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関連の米会計検査院webページ
https://www.gao.gov/products/gao-21-425

さすがの米会計検査院GAOも、駐留経費の総額及びホスト国の負担度合いと、抽象的な駐留の利点を比較し、「無駄使い」又は「妥当な支出」等々と評価するには至らなかったようです

Kadena-kc135.jpg極めて政治的で、極めて対外影響力の大きな問題であり、経費負担のデータや利点に関する視点を国民に示し、判断は国民に委ねる・・・とのスタンスかもしれません

日本側からすれば、米国のアジア太平洋戦略の前線拠点を提供し、優秀な維持整備力で特に米海軍艦艇の高稼働率確保に貢献し、おまけに米軍人に大人気の赴任先を提供していることでも貢献している等とアピールしたいところですが中国の多数のミサイル射程にすっぽり入り、在日米軍の脆弱性が日増しに増加している現実から背を向けることはできません

関連しそうな記事
「海兵隊司令官が在日米海兵隊削減を示唆」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-25
「日本など同盟国に国防費GDP2%以上を要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-19
「日米が協力すべき軍事技術分野4つ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-18
「基地勤務の韓国人5千名レイオフ開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-01

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米空軍が最新第4世代機F-15EXの初号機を受領 [米空軍]

本当はF35を希望も、F-15C/D老朽化にF-15EXを
F-15C/D後継機だがF-15Eの後継構想も

F-15EX Eglin.jpg11日、米空軍は最新型第4世代機F-15EXの初号機をフロリダ州Eglin空軍基地で受領し、空軍物資補給コマンド隷下の評価試験飛行隊の所属機体して能力評価試験を行うと発表しました

4月6日に同基地に到着する予定の2番機は作戦運用部隊である米空軍戦闘コマンド所属となり、こちらは実戦部隊による作戦運用試験用に提供使用されるとのことです。なお2番機は、ボーイング社のセントルイス工場からMark Kelly戦闘コマンド司令官自らが操縦して輸送するようで、初の作戦用機体として盛大に歓迎式典を行うそうです

F-15EX Eglin2.JPG米空軍は領空保全に使用している週空軍F-15C/D型の後継としてF-35の導入を想定していましたが、開発の遅れと維持費高止まりで断念し、当時のMattis国防長官らの説得で渋々「最新第4世代機」であるF-15EX導入を2019年2月に受け入れ、2020年6月に契約、2021年2月2日に初飛行、そして今回の初号機引き渡しと超特急で話が進んでいます

F-15は、米空軍が使用するC/D型(約450機)や日本が使用するJ/DJ型以降も進化を続けており、数年前に完成したシンガポール仕様SG型やサウジ使用SA型やカタール用QA型には最新技術が投入されており、今回のF-15EXも第4世代機とは言え、これら3機種の「美味しいとこ取り」で、最新コンピュータ、フライバイワイヤ、コンフォーマル燃料タンク、追加の兵器搭載ポイント、最新の電子戦装備Eagle Passive Active Warning Survivability System等に加え、オープンアーキテクチャー方式でソフト更新を柔軟に行える態勢の機体となっていま

F-15EX Eglin3.JPG2023年までに最初の8機を同基地で受領し、2024年にはオレゴン州Kingsley Field州空軍基地に、2025年には同じくオレゴン州Portland基地で受け入れ最初のF-15EX運用部隊とする計画で、今後10-12年間で計144機を調達する計画ですが、F-15Eストライクイーグル後継との構想もささやかれており、計200機までの追加オプションも契約上は想定されているようです

F-15C/D型は既に機体の平均年齢が37歳に達し老朽化が進んでいますが、F-15EXは2050年代までの使用が想定されているようです

11日付米空軍協会web記事によれば
米空軍でF-15EX計画責任者であるSean Dorey大佐は、「拡張された兵器搭載能力、デジタル化された装備、そしてopen architecture採用で、F-15EXは戦術航空部隊のカギとなるアセットとして第5世代アセットを補完していく」と述べ、「大国との紛争で重要となる極超音速兵器も搭載可能だ」とアピールしている

F-15EX Eglin4.jpgまた初号機受け入れた試験評価部隊を持つAir Force Life Cycle Management Centerは、「F-15EXは、老朽化が進むF-15C/D型リフレッシュの費用対効果の良い迅速な解決法で、F-15E部隊の増強にもつながるアセットであり」、国家安全保障戦略NDSの要求を2040年代にかけ満たすと声明を出している

また初号機を受け入れるArnold Bunch空軍物資補給コマンド司令官は、「コロナ下の困難な状況で、記録的な短期間で最新アセット導入を成し遂げた全てのチーム関係者の労を讃えたい」、「オープンシステムと兵器搭載量増で、将来に渡りF-15EXは優れた能力をわが軍に提供してくれるだろう」とコメントを寄せた
////////////////////////////////////////////////////

ご参考まで、米空軍戦闘機の後継構想は
●米空軍の現有作戦機と後継機の関係
--- 約230機のF-15C/D制空戦闘機とF-117ステルス攻撃機
   → 約180機のF-22戦闘機
     (当初は381機調達予定も、ゲーツ長官が計画中止)
--- 約280機のA-10攻撃機と約930機のF-16C/D戦闘爆撃機
   → 約1700機のF-35へ
--- 更に約230機のF-15C/D制空戦闘機の後継
   → 144機程度のF-15EXへ
--- 218機の戦闘爆撃機F-15Eストライクイーグル
   → 未定(F-15EXを米空軍がオプションとして検討)

F-15EX 4.jpgですが、上記コメントや、最近のBrown空軍参謀総長の「TacAir」検討開始指示からすると、F-15EXはF-15E後継として有力だということでしょう。極超音速兵器搭載可能とは頼もしい限りです

またBrown大将が構想する新開発の「第5世代機マイナス」機に関しては、デジタル設計技術や既存成熟技術を活用すれば、このF-15EXのように迅速に実用化できることを示した例として「追い風」になるのでしょう

F-15EX関連の記事
「F-15Eの後継候補?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-02
「イヤイヤF-15EXに進む米空軍」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-30
「国防省高官もF-15EX導入を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-23-1
「統参議長がF-15EX購入を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-2

「F-15EXは空軍の選択ではない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-02
「参謀総長F-15Xを強く示唆」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31-1
「今頃になってEXのエンジン機種選定」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-21-1

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太平洋軍司令官が海兵隊長射程兵器予算カットを嘆く [Joint・統合参謀本部]

海兵隊のトマーホークや改良SM-6予算2021年度予算
今後計画する無人発射装備ROGUEへの資金を懸念

Davidson3.jpg10日、Phil Davidson太平洋軍司令官が下院軍事委員会で、2021年度予算(今年9月末までをカバー)で米海兵隊が求めていたトマホーク対艦巡航ミサイル50発や射程延伸型SM-6対艦対地ミサイル(計約140億円)が米議会で認められなかったことに関し、中国軍事脅威への対処能力を削ぎ、対中国抑止力を低下させると不満を述べました

同週に同司令官は、米議会での様々な証言機会に、「中国による猛烈な軍事力投資により、このままでは2026年までに米国は優位性を失う(China's military investments could leave the U.S. outmatched in the region by 2026)」、9日には上院軍事委員会で「6年以内に台湾を併合する」と具体的時期まで出して危機感を訴えていたところです

ROGUE marine.jpg海兵隊は、トマホークやSM-6の発射機を、現有の車両Joint Light Tactical Vehicleの荷台に搭載し、同車両を無人化して「ROGUE:remotely operated ground unit expeditionary」システムとして装備し、第一列島線上や西太平洋の島々に柔軟に移動させながら使用して、中国海軍艦艇などを攻撃する残存性の高いアセットとして活用することを構想しており、米海空軍戦力の脆弱性を補完するものとして存在感発揮を狙っています

米陸軍も似たような構想を持っており、加えて射程1000nm(1800㎞以上)の砲の開発も構想するなど、地上部隊の存在感アピールを続けていますが、これまで遠方攻撃を担ってきた米空軍幹部は、「高価な遠方攻撃だけでは破産する」「予算厳しき折、きちんと議論すべき」と批判的に各所でコメントしているところです

12日付Military.com記事によれば
Davidson5.jpg10日Davidson司令官は、海兵隊が要求してきた地上発射の長射程&中射程対艦ミサイルの予算約140億円が2021年度予算で認められなかった件について、「このような予算カットが続くことは、中国脅威対処に今求められている能力整備への希望を削ぐことになる」、「そして対中国の抑止力を減ずることになる」と下院軍事委員会で訴えた
また中国の急速な軍事増強について同司令官は、「この状況を攻撃的な態勢整備だと言わずして、中国が現在行っている軍事能力増強を説明することはできない」、「中国は我々に対し、ルールに基づく国際秩序を、中国的な考え方に置き換えると告げているようなものであり、今世紀半ばまでに彼らが成し遂げると宣言していることでもある」と訴えた

同司令官は、米海軍艦艇や米空軍航空機がより自由に移動するために欠かせない能力だと、地上配備長射程兵器の重要性を議員たちに訴え、「敵が、我が攻撃兵器の場所を特定することを困難にすること、これがまさに抑止につながり、敵にコストを負担させることになる」と説明した

Tomahawk.jpg海兵隊の本構想を強力に推進しているDavid Berger海兵隊司令官は、海兵隊の能力整備計画文書の中で、機動力ある対艦攻撃能力獲得について、「全ドメイン関与、抑止、海上制圧、戦力投射のすべての面に貢献するもの」と表現し、更にロケット砲連隊整備がこれに続くと説明している
また「長射程精密誘導の機動力持つ対艦ミサイル兵器が、海軍作戦の成功と抑止への基盤能力だ」とも述べている
//////////////////////////////////////////////////////

対中国軍事作戦を大統領直属で指揮する太平洋軍司令官としては、作戦基盤が少なく脆弱な海空軍戦力依存では心もとなく、機動力を伴った地上火力部隊に期待を持つのは致し方ないことでしょう

ROGUE marine2.jpgしかし米議会からすれば、4軍内で「内輪揉め」している状態で、気前よく予算を認めるわけにもいかず、特に民主党が優勢の下院では・・・むなしくDavidson司令官の声が響いたのかもしれません

個人的には、米空軍がF-35への投資を絞り込み、米海軍が空母や大型艦艇への投資を見直すことを含む対中国の新たな態勢構想や作戦構想を説明することで、米議会を含むコンセンサスを得る方向しかないと思うのですが・・

「米軍人トップ:現実を見よ、予算増加は見込めない!
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Davidson司令官の動向
「太平洋軍司令官が追加要望事項レポート」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-03

遠方攻撃を巡り米軍内に不協和音
「米陸軍は2023年から遠方攻撃兵器で変わる」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-09
「遠方攻撃をめぐり米空軍が陸海海兵隊を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-22
「米空軍トップも批判・誰の任務か?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-02
「海兵隊は2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06

米陸軍の目指す長距離攻撃能力
「射程1000nmの砲開発」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1
「射程1000nm砲の第一関門」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-15

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米海兵隊F-35Bが伊空母に展開し受け入れ準備支援 [亡国のF-35]

伊軍も30機F-35B購入予定で同空母搭載準備中
英空母とは共同運用構想にまで発展しているが

F-35B Cavour3.jpg13日付Military.comは、米海兵隊F-35部隊約180名が約4週間に渡りイタリア海軍軽空母Cavourに展開し、同空母のF-35B受け入れ試験航海を支援したと報じています。

イタリアの軽空母Cavourは、海上自衛隊の「いづも」とほぼ同じ大きさで、「ひゅうが」よりは一回り大きく、2009年から就航している艦艇ですが、現在主戦力として搭載している12機のAV-8Bの後継として、F-35B受け入れ準備を行っており、米海兵隊が空母戦力化を支援した形です

F-35B.jpgイタリアは空軍が通常型のF-35A型を約90機購入予定で、更に短距離離陸垂直着陸のF-35Bを海空軍で計30機購入する計画を持っています。伊海軍は軽空母でのF-35B運用を想定し、空軍はF-35Bを短い滑走路しかない機動飛行場で運用することを想定しているようです

現時点でイタリアは、2機のF-35Bを受領し、米国内のBeaufort米海兵隊航空基地(SC州)で要員の訓練&養成を行っています

欧州の中では、英国に続いてF-35に積極的だったイタリアは、最終組み立て工場FACOや部品製造分担も担っているのですが、どうもお国柄(失礼・・・)からかうまく稼働していないようで、加えてコロナが追い打ちをかけた厳しい財政情勢からF-35調達が危うい雰囲気となっており、米軍がイタリアのF-35熱が冷めないように懸命に支援している・・・とも解釈できます

13日付Military.com記事によれば
F-35B Cavour.jpg米海兵隊のPatuxent River海軍航空基地所属の約180名が、約4週間に渡りイタリア空母Cavourを拠点に活動し、米海兵隊F-35Bの操縦を試験評価第23飛行隊のパイロットが務め、伊空母のF-35B受け入れ態勢準備を支援した
米第2艦隊のAndrew Lewis司令官は、「イタリア海軍の空母体制準備支援は、我々の共同運用体制における安全と戦闘能力向上につながるものだ」、「この支援を通じ両軍はさらに能力を向上させる」と語っている

空母Cavour艦長のGiancarlo Ciappina大佐は、「第5世代戦闘機が実際に我が空母に展開して活動するという、我々すべてにとって特筆すべき成果である」、「既に大きな成果であるが、同時にイタリア海軍にとって新たな挑戦の始まりでもある」と訓練の意義を語っている
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米海兵隊F-35Bが伊空母Cavourで活動(3分半)


米海兵隊は、F-35Bを十分に調達できない英海軍のため、新型の英空母Queen ElizabethにもF-35Bを派遣して空母受け入れ態勢準備を支援し、2021年1月には、両国からF-35Bと空母を差し出し、同空母と米駆逐艦で空母攻撃群を構成する合意文書にも署名しています

F-35B Cavour2.jpgそして今年中旬以降、米駆逐艦Sullivansと空母エリザベスが空母攻撃群を構成して作戦行動に出ることも決まっています。イタリア空母の場合、そこまで米軍と深い関係とはならないようですが、F-35Bを活用した両国軍の関係強化には貢献したということでしょう

英空母エリザベスの悲しき現実
「英新型空母と米駆逐艦が空母攻撃群を編成へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-22
「コロナ下で800名乗艦で最終確認試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-01
「英空母エリザベスは米軍F-35B部隊と一体運用へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-26-1
「英海軍と英空軍共有のF-35Bが初任務」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-27
「米海兵隊F-35が英空母へ展開へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-09
「米軍F-35Bを英空母に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16
「英空母が航空機不足で米軍にお願い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-03

F-35搭載改修終了直前の惨事(放火)
「強襲揚陸艦Bonhomme Richard火災の衝撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-15

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米陸軍が射程1000マイル砲開発に慎重姿勢 [Joint・統合参謀本部]

国家科学アカデミーの実行可能性評価を待つとか
担当准将は国防省内の戦略レベル検討もあり慎重に検討と
当初計画の2023年プロトタイプ試験は難しく

strategic long-range.jpg米陸軍で射程1000nm(1800㎞以上)を目指す「Long-Range Precision Fires (LRPF)」又は「Strategic Long-Range Cannon」計画を担当する准将がDefense-Newsに、計画スタート時にはなかった様々な戦略レベルでの検討が国防省で行われていること等を受け、同計画の今後については数か月後発表の国家科学アカデミーの実現可能性レポートを待って慎重に検討すると述べました

この計画は、対中国やロシアを念頭に、遠方から安価に攻撃できる能力を確保しようとの狙いで2018年中ごろから公になったものですが、何せ射程1000nm(1800㎞以上)とは「東京から上海までの距離」に相当し、そのスケールに驚く一方で、米空軍から米軍全体の資源配分を疑問視する声が上がっていたところです

Strategic Long2.jpg担当のJohn Rafferty陸軍准将の話は、今取り掛かっている検討や試験はもちろん継続するが、装備品としての開発決定前に米議会が求めた国家科学アカデミー(National Academy of Sciences)の評価を見る必要があるとの超慎重な姿勢で、おまけに同計画開始当初とは戦略レベルの風向きが変化していると言及していることから、振り上げたこぶしの降ろしどころを探しているようにも聞こえます

予算的な制約なのか、軍事戦略的な話なのか、両方なのか記事からは判然としませんが、米陸軍による射程1000nm(1800㎞以上)砲開発は、早くも収束の方向に向かう気配です。邪推ですが・・

9日付Defense-News記事によれば
Strategic Long3.jpgRafferty陸軍准将はDefense-Newsに対し、LRPF計画は依然として米陸軍の科学技術分野で最優先事業であると述べつつも、陸軍として具体的な装備化や部隊配備を決定していないとし、当初予定されていた2023年にプトロタイプ試験を行う計画も現時点では困難だと語った
そして米議会が2020年度予算法の中で指示し、数か月後に結果がまとまる国家科学アカデミーによる「実現可能性評価:feasibility review」をよく吟味し、そのデータや分析を米陸軍将来コマンドや米陸軍首脳と共に確認して前に進みたいと説明した

また同准将は「同計画の具体化は大きく難しい決断であり、国家科学アカデミーという権威ある機関のレビューは米陸軍にとっても貴重な判断材料となる」と述べたが
一方で、「同計画を開始した当初にはなかった戦略レベルでの出来事が生起しており、例えば、国防省が開始した資源配分レビュー(some portfolio reviews)のようなものが考慮すべき変化だ」と言及した

Strategic Long4.jpgただし同准将は、科学アカデミーの評価を待つだけでなく、同長距離砲開発で開始している種々の検討や開発を継続すると強調し、部分的ないくつかの能力デモを今年中に予定しているとも説明した
また「コロナによる中断や、資金面での余裕から遅れている部分もある」、「既に契約済の事項では、2つの企業と飛翔体開発や輸送用コンテナなどに継続して取り組んでいる」と付け加えた
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以上の他にRafferty准将は、種々の検討や試験が初期段階にあることを伺わせる抽象的な説明をしていますが、ご興味のある方は原文をご確認ください

同准将が言及した「国防省が開始した資源配分レビュー(some portfolio reviews)」が何を指すのかわかりませんが国家としてコロナ対処や経済立て直しが最優先となるのは統合参謀本部議長も認めているところであり、米空軍の次期制空機NGAD関係者が危機感を持つように、いろんな方面で悲鳴が聞こえるようになるのでしょう

ただ、射程1000NM砲の今後については、米軍の戦術面での整理も関係あるような気がしますので、太平洋軍が要望している第一列島線上に射程500㎞以上の火砲を配備する構想も併せ、今後の動きに注目いたしましょう

米軍人トップ「現実を見よ、予算増加は見込めない!」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-03

太平洋軍が2027年までに約3兆円追加要望
第一列島線上に射程500㎞以上の火砲配置構想も
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-03

米陸軍が長長射程砲を開発:LRPF計画
「射程1000nmの砲開発の第一関門間近」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-15
「射程1000nmの砲を真剣検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1

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予想:米国防省2022年度予算案は横ばい実質2%削減か [米国防省高官]

新政権特有の遅れで5月初めに正式公表見込みも
リベラル派削減派とタカ派増強派の双方が反発姿勢

Pentagon Budget.jpg10日付Defense-Newsは前日のブルームバーグ報道等を基に専門家の意見も交え、国防省の2022年度予算(今年10月1日から)案の額が、2021年度予算705 billionに対し、704~708 billion(約75兆円)の横ばいレベルで煮詰められており、物価上場分を考えると実質的には2%程度の削減になろうと紹介しています

そして、実質の削減部分は、装備品の調達や研究開発分野の削減でカバーされるだろうとの推測を紹介し、この分野の2021年度予算額247 billionや、トランプ政権時の2022年度要求案243billionより少ない、227 billion(約25兆円)程度になるだろうと報じています

Pentagon Budget4.jpg通常は今頃の時期に公開される次年度政府予算案ですが、政権交代時は遅れるのが通例で、5月初めになるのではと言われていますが、コロナの影響で国内に直面する米国内では、民主党リベラル派が国防費大幅削減を訴え、議会で勢力が拮抗する共和党サイドが2-3%の増額を強く要求する激論の中、バイデン政権は国防費の削減はとりあえず避けるシグナルを米議会に出しているようで、落としどころを探っている印象です

ただし、国防省の予算編成実務を掌握するKathleen Hicks国防副長官は、就任時に海軍艦艇建造計画や核兵器の近代化などのカギとなる分野に集中してレビューすると発言しており、「装備品の調達や研究開発分野の削減」が関連部分に影響するとも考えられます

2021 NSSG.jpgまた、3月3日にバイデン大統領が「当面の国家安全保障戦略ガイダンス:Interim National Security Strategic Guidance」を発表し、その中で「不要なレガシー装備や兵器システム重視の姿勢からシフトし、将来の軍事や国家安全保障上の優位を確保するための最新技術や能力への投資に資源を投入する方向に変える。最新技術導入における、開発、試験、調達、部隊配備等のプロセスの円滑化を図る」とも述べており、この方針に沿った予算案が出てくると予想されます

10日付Defense-News記事によれば
専門家の一人は「バイデン政権が米議会に、国防費の削減は望まないとのシグナルを出していたラインと一致しており、諸般の情勢を考慮すれば妥当でポジティブな数字だと理解すべきだろう。リベラル派とタカ派の双方から反対の声が上がるだろうが、恐らく落ち着きどころとして妥当な数字だ」とコメントしている
Pentagon Budget2.jpg装備調達や研究開発費が前年より削減と見積もった別の専門家は、「国防省は、次期戦略原潜コロンビア級、B-21爆撃機、次期ICBM、F-35量産、陸軍近代化計画など主要装備品の調達額を増額要求するだろうが、研究開発費と合わせて、(新政権は)この部分で削減を見出すだろう」と述べている

10日に発表したレポートでリベラル系シンクタンクCPAは、国防予算を700 billionに抑え、F-35調達抑制やフォード級空母予算削減などを要求している。8日にブリッキングスで講演したAdam Smith下院軍事委員長も「3-5%増を要求する根拠が理解できない」、「過去20年間の国防調達は完全な大惨事レベルにでたらめだ」、「中国の軍事増強を前に大騒ぎするだけでなく、中国抑止のトータルなアプローチが必要だ」と訴えていたところである
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Pentagon Budget3.jpg共和党関係者が国防省幹部が毎年3-5%増額を主張してバイデン大統領にレターを送る一方で、Smith下院軍事委員長(民主党)のように「F-35への投資は金をどぶに捨てるようなもの」と厳しく批判し、併せてフォード級空母への投資削減等々を訴えるなど、論争は過熱しています

記事が予想している5月初めの2022年度米国政府予算案公表までに、米国の経済状況や国際情勢の動きで当然上記数字の動きもあるでしょうが、現時点での落ち着きどころの数字はこのレベルだということです

国防予算を巡る関連記事
「Hicks国防副長官の考え方」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-03
「バイデン政権で国防政策はどう変わるのか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-09
「辛らつな下院軍事委員長のF-35評」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06

「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10
「次期ICBMを巡る激論:延命は不可」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-07

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横田米空軍C-130部隊が総力で陸自空挺団500名降下支援 [米空軍]

米空軍C-130を総動員で130個の装備パックも投下
前例のない米空軍と陸自の大規模空挺降下訓練

C-130 Yokota2.JPG12日付横田基地発米空軍web記事が、3月9日から11日かけ、米空軍横田基地所属の第374空輸航空団C-130輸送機12機が、陸上自衛隊第1空挺団の大規模空挺降下訓練を「最大出撃態勢」で支援し、陸自空挺隊員500名と134個の梱包装備品パッケージを富士演習場に無事輸送&投下したと発表しました

「Exercise Airborne 21」と名付けられた大規模空挺降下訓練について、米空軍公式webサイトは「日米間の協力で行われた史上最大の兵員&物資空挺投下だ」と表現していますが、これだけの規模を航空自衛隊輸送機部隊が支えられるとは考えられず、日本史上最大の空挺降下訓練が行われたと表現して過言ではないでしょう

陸自空挺隊員500名のパラシュート降下の後、2日後に134個の梱包装備品パッケージ投下が行われた模様ですが、数か月も前から第374空輸航空団はC-130輸送機の整備計画を練り直し、保有機の80%以上に当たる12機の稼働機投入を可能にしたということで

12日付横田基地発米空軍web記事によれば
C-130 Yokota3.JPG米空軍C-130部隊訓練指揮官であるEspinosa大尉は、「この訓練の主目的は、陸上自衛隊が日本中どこにでも空挺降下で展開できることを示すことにある」、「この演習は、大規模空輸に関わる教訓や、今後の我が部隊の訓練をどうすべきかを考える上での教訓を与えてくれた。また、敵対国を抑止する上でも効果的な事例になったと考える」と演習を振り返った

また同航空団整備部隊のPerkins少佐は、「この演習は一夜で準備できたものではない。保有機の80%以上の12機を出撃可能態勢とするために、広範な兵站支援を計画し、機内仕様を準備し、駐機場の運用を検討し、全てが組み合わさって演習を成功に導くことができた」、「この演習を通じ、12機の機体を数日間にわたり連続出撃させる経験を積むことができた。しかも日本との共同演習においてである。比類なき抑止力能力を示すことができた」と振り返っている

C-130 Yokota4.JPG実際にC-130機内で陸自隊員や物資に対応した空中輸送員Barnette上級軍曹は、「これだけの規模の兵員と物資を、搭載し、空中投下する任務は大きなリスクを伴うが、事前に準備段階で再整理したチェックリストに沿って着実に業務を進めることで、正確で安全な空挺降下を支援できた」と振り返り
「両国が任務遂行を通じて関係を深め、絆を強化することができた。これだけの規模の空輸ミッションは、私の空軍人生の中でも初めてだった。しっかり事前検討し、計画し、訓練して準備してきたが、実際にやり遂げることで、信じがたいほどの経験とすることができた。演習の担当部署のリーダーに指名され、第1空挺団と協力して任務を遂行できたことは素晴らしい経験だった」と語った
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現場の少佐や大尉クラスから軍曹のコメントをご紹介しましたが、経験の一つとしして貴重な大規模訓練だった・・・との内容です。多くが「抑止力」との言葉を使って語っているところが印象的です。日ごろから上司が「抑止力」との言葉を使って語っているのでしょう

C-130 Yokota.JPG日米間の作戦計画に、米空軍C-130部隊による陸自空挺団の輸送支援が含まれているとは考えにくく、また日本を取り巻く戦略&戦術環境で、第1空挺団が空挺降下して活躍する場面が思い浮かばないのですが、西太平洋地域で中国に押されっぱなしの日米両軍ですから、抑止力強化のため・・・との表現になるのでしょう

相対的戦力では対中国で厳しい状態にある西太平洋地域ですが、地道な努力が続いていますので、現場の隊員の皆さんの努力に敬意を表し、「Exercise Airborne 21」をご紹介しました

横田基地関連の話題
「在日米軍司令官はアジアのベテラン」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-06
「横田のC-130はH型からJ型へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-07-07
「横田C-130部隊も富士山が好き」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2012-06-12-1

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再び:夢を追いかけるだけでなく・・・ [ふと考えること]

この季節にはこのメッセージを何度でも!

「常にドアを明け、チャンスや機会をつかめ」
「予想していなかった道にも備え、臨んでみるべき」

innovation.jpg学校の卒業式も終了し、4月から新たな生活を開始する若い方も多いでしょう
私自身の過去を振り返ると、希望を抱きつつも、不安な思いに駆られている方も多いのでは・・・と思います。

そんな今日この頃世間には「夢を持て」、「夢をあきらめるな」、「夢を追い続けよ」などなど、「夢」を持つことや「夢」を追い求めることを訴えるメッセージが溢れています。

最近ひねくれたまんぐーすでも、「夢」追求メッセージを完全否定したりはしませんし、鼻で笑ったりもしませんが、若者達に「夢」追求だけを訴えるだけでは不親切だと思うんです。
innovation2.jpg社会経験も十分でなく、「夢」が何なのかもよくわからない若者達に、耳障りの良い「夢」追求メッセージだけでは「片手落ち」だと思います

冒頭に掲げた2つのメッセージは、「夢」追求に加え、必ず若者に伝えるべきと私が考えるメッセージです。そしてその2つは、米国防長官と米軍人トップ(当時)が、それぞれの母校の高校生に送ったメッセージでもあります


米軍人トップが高校生に(当時:2015年3月16日)
●(ニューヨークの母校でデンプシー統合参謀本部議長は)人生とは、常に扉を開いておき、機会やチャンスを活かすことです。将来をわくわくしながら迎える事で、決して投げやりになってはいけません
●私が君たちと同じ高校生の時に、仮に誰かが「君はいつか米軍トップになるよ」と言ったくれたとしても、私はその可能性を強く否定したでしょう

dempsy2.jpg●正直に言うと、私は陸軍士官学校に入ることを熱望していたわけではありません。しかしその道に進みました
●私は将軍になりたいと強く思っていたわけではありません。しかしそうなりました
●そして、私は決して4つ星の統合参謀本部議長になりたいと思っていたわけではありません。しかし今そうなっています

歴史や時代の流れが、人を見つけ使命を与えるのだと思います(history will find a person)
●もし君たちが、自身の人生設計を自分のものとして、何者にも影響を受けずに実行していけると考えていたなら、それは冗談にもならない間違いです

歴史や時代の流れが人を見つけ使命を与えるのだから、君たちや君たちの家族や国家の代わりにそれを与えるのだから、君たちは備えていなければなりません
●「Keep the doors open. Don’t do anything stupid to close them」--常に扉を開けておきなさい。それを閉ざすような馬鹿なことをしないように


ゲーツ国防長官(当時)が高校生に(2010年5月23日)
●(カンサス州の母校の卒業式で)私は高校卒業後、自分は優秀だと考え、医者になるために進学しました。しかし、いきなり一学期の微積分で「D」の成績を取り、私は父に「Dは贈り物だと思う」と言い訳し、自分に適性がないことが明らかになったと解釈しました。
私は大学院生の時、偶然CIAのリクルーターと出会いました。当時歴史の教師を目指していた私にとって、全く考えもしなかった組織です。

gatesDuke.jpg●最初、CIAは私をスパイに仕立てようとしました。初期の訓練でCIAの女性職員をグループで尾行しましたが、「怪しい男達が女性を追い回している」と一般市民から警察に通報され、仲間の2人が警察に捕まってしまいました。偶然私が逮捕を免れたのは、早々に女性を見失ってほとんど尾行できなかったからです。
●CIAは私が現場担当に向いていないと判断したのか、入手情報を検討解釈する分析官になりました。そしてこれが私に、米国史上の驚くべき出来事を目撃する機会を与えることになったのです。

皆さんも何度か誤った方向に踏み出すこともあるでしょうし、得意分野を見つけるまでに困惑するような事もあるでしょう。しかし、継続して努力することです
●大学に進学するにしても、他の道に進むにしても、最初につまずいていらいらしたり落胆するのではなく、努力を続け、学び方を学び、誘惑を遠ざけ、努力や挑戦を続けることです。そして、どのような道に向かおうとも、あなた方が必ずしも想像しなかったような道を歩むことにも備えておくべきです
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夢追求メッセージを「4割」、変化や未知のチャンスへの心構え、そしてその日に備える過程での努力継続を「6割」、ぐらいの比率が若者には適当なのかも・・・と個人的には思います

桜6.jpgスポーツのメダリストやプロ選手を目指すなら「夢」追求でしょうが、世の中の大部分の人たちは、年齢や経験を積む中で、いろんな経験をする中で、自分の「道」を見定めていくのだと思います。

それぞれの「道」が、夢の実現であることもあれば、ふとしたきっかけで出会った「道」であることもあるでしょう。最後まで自分の「道」に納得いかない人も居るでしょうが、出会った「道」、与えられた「道」で花を咲かせる努力は、何時の時代にも尊く大切なものだとアドバイスしてはどうかと思います

history will find a person」、「努力を続け、学び方を学び、誘惑を遠ざけ・・・」・・最近の日本で余り聞かない表現です。「いかなる形にせよ、社会に奉仕する事の大切さを忘れてはいけない」ともゲーツ氏は若者によく語っていました

若者に語るシリーズ
「リーダーたる者は:最後の卒業式」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-28
「空軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
「前:陸軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-1
「後:陸軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-2

「州立大学の卒業式で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-09
「軍と社会の遊離を憂う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10
「大学で「公への奉仕を」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-22
「ボーイスカウトの精神を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29

安全保障感覚の「体幹」を鍛えるために!
「ゲーツ元長官語録100選」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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トルコ戦車へのエンジン提供を韓国企業が [安全保障全般]

トルコへの制裁で世界の国が手を引く中
ドイツ製パーツに手を加えて制裁規定を逃れるとか

korea turkey.jpg8日付Defense-Newsは、トルコの装甲車両製造企業BMC関係者が匿名でDefense-Newsに語った内容として、トルコが1990年代から取り組んできた「Altay 戦車」に、韓国企業がエンジンとトランスミッションを提供することになったと報じています

「Altay 戦車」のエンジンやトランスミッションについて、トルコはドイツ製MTU engineとRENK transmissionを希望していましたが、欧州諸国がシリア内戦に関与しているトルコへの輸出制限を課していることから、話がとん挫していたところです

だからと言って韓国企業が自国製の戦車用エンジンを提供するのではなく、「韓国企業が戦車エンジン用のドイツ製パーツを非ドイツ化して(South Korean companies will “de-Germanize” some German components)ドイツ部品の輸出制限を回避する」と関係筋は語っているようです

Altay tank3.jpg記事はまた、韓国自身も自国開発の「K2 Black Panther戦車」量産に関し、エンジンとトランスミッション問題で着手が遅れていると伝えており、原因として韓国産のDoosan 1,500-horsepower engineやS&T Dynamics automatic transmissionが耐久性試験に合格できず、ドイツ製RENK transmissionと国産エンジンのハイブリッド型を追求しているところだと報じており、韓国軍需産業の複雑な内部情勢も背景にあるようです

韓国企業とBMCの契約は250両の製造と部品供給や維持整備支援を含み、うまくいけば18か月以内に「Altay 戦車」が提供開始できるとトルコ企業BMCは主張しているようです

「Altay 戦車」は2つのフェーズで製造され、最初のフェーズが250両で、その後発展的に改良し計1000両を製造したいとトルコ国防省は計画していると記事は報じています

Altay tank.jpgただ、1990年代半ばから計画が始まった「Altay 戦車」計画では、トルコ国防省と連携して4種類のプロトタイプを準備してきたOtokar 社が最有力と考えれれてきましたが、2018年11月に選定でBMCに敗れる「どんでん返し」が起こり、トルコ国内で「Altay 戦車」は政治的紛争の種となっているということです

なぜなら、勝者BMCの有力後援者であるEthem Sancak氏が、エルドワン大統領等と同じ政党の有力者で、大統領と懇意な間柄だからです

いろんな話が一緒になってしまいましたが、韓国企業は欧米諸国から制裁にあっているトルコへの軍事品輸出に手を出し、そのトルコ戦車はドロドロの象徴のような兵器だと「邪推」できます

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