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米空軍が最新第4世代機F-15EXの初号機を受領 [米空軍]

本当はF35を希望も、F-15C/D老朽化にF-15EXを
F-15C/D後継機だがF-15Eの後継構想も

F-15EX Eglin.jpg11日、米空軍は最新型第4世代機F-15EXの初号機をフロリダ州Eglin空軍基地で受領し、空軍物資補給コマンド隷下の評価試験飛行隊の所属機体して能力評価試験を行うと発表しました

4月6日に同基地に到着する予定の2番機は作戦運用部隊である米空軍戦闘コマンド所属となり、こちらは実戦部隊による作戦運用試験用に提供使用されるとのことです。なお2番機は、ボーイング社のセントルイス工場からMark Kelly戦闘コマンド司令官自らが操縦して輸送するようで、初の作戦用機体として盛大に歓迎式典を行うそうです

F-15EX Eglin2.JPG米空軍は領空保全に使用している週空軍F-15C/D型の後継としてF-35の導入を想定していましたが、開発の遅れと維持費高止まりで断念し、当時のMattis国防長官らの説得で渋々「最新第4世代機」であるF-15EX導入を2019年2月に受け入れ、2020年6月に契約、2021年2月2日に初飛行、そして今回の初号機引き渡しと超特急で話が進んでいます

F-15は、米空軍が使用するC/D型(約450機)や日本が使用するJ/DJ型以降も進化を続けており、数年前に完成したシンガポール仕様SG型やサウジ使用SA型やカタール用QA型には最新技術が投入されており、今回のF-15EXも第4世代機とは言え、これら3機種の「美味しいとこ取り」で、最新コンピュータ、フライバイワイヤ、コンフォーマル燃料タンク、追加の兵器搭載ポイント、最新の電子戦装備Eagle Passive Active Warning Survivability System等に加え、オープンアーキテクチャー方式でソフト更新を柔軟に行える態勢の機体となっていま

F-15EX Eglin3.JPG2023年までに最初の8機を同基地で受領し、2024年にはオレゴン州Kingsley Field州空軍基地に、2025年には同じくオレゴン州Portland基地で受け入れ最初のF-15EX運用部隊とする計画で、今後10-12年間で計144機を調達する計画ですが、F-15Eストライクイーグル後継との構想もささやかれており、計200機までの追加オプションも契約上は想定されているようです

F-15C/D型は既に機体の平均年齢が37歳に達し老朽化が進んでいますが、F-15EXは2050年代までの使用が想定されているようです

11日付米空軍協会web記事によれば
米空軍でF-15EX計画責任者であるSean Dorey大佐は、「拡張された兵器搭載能力、デジタル化された装備、そしてopen architecture採用で、F-15EXは戦術航空部隊のカギとなるアセットとして第5世代アセットを補完していく」と述べ、「大国との紛争で重要となる極超音速兵器も搭載可能だ」とアピールしている

F-15EX Eglin4.jpgまた初号機受け入れた試験評価部隊を持つAir Force Life Cycle Management Centerは、「F-15EXは、老朽化が進むF-15C/D型リフレッシュの費用対効果の良い迅速な解決法で、F-15E部隊の増強にもつながるアセットであり」、国家安全保障戦略NDSの要求を2040年代にかけ満たすと声明を出している

また初号機を受け入れるArnold Bunch空軍物資補給コマンド司令官は、「コロナ下の困難な状況で、記録的な短期間で最新アセット導入を成し遂げた全てのチーム関係者の労を讃えたい」、「オープンシステムと兵器搭載量増で、将来に渡りF-15EXは優れた能力をわが軍に提供してくれるだろう」とコメントを寄せた
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ご参考まで、米空軍戦闘機の後継構想は
●米空軍の現有作戦機と後継機の関係
--- 約230機のF-15C/D制空戦闘機とF-117ステルス攻撃機
   → 約180機のF-22戦闘機
     (当初は381機調達予定も、ゲーツ長官が計画中止)
--- 約280機のA-10攻撃機と約930機のF-16C/D戦闘爆撃機
   → 約1700機のF-35へ
--- 更に約230機のF-15C/D制空戦闘機の後継
   → 144機程度のF-15EXへ
--- 218機の戦闘爆撃機F-15Eストライクイーグル
   → 未定(F-15EXを米空軍がオプションとして検討)

F-15EX 4.jpgですが、上記コメントや、最近のBrown空軍参謀総長の「TacAir」検討開始指示からすると、F-15EXはF-15E後継として有力だということでしょう。極超音速兵器搭載可能とは頼もしい限りです

またBrown大将が構想する新開発の「第5世代機マイナス」機に関しては、デジタル設計技術や既存成熟技術を活用すれば、このF-15EXのように迅速に実用化できることを示した例として「追い風」になるのでしょう

F-15EX関連の記事
「F-15Eの後継候補?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-02
「イヤイヤF-15EXに進む米空軍」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-30
「国防省高官もF-15EX導入を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-23-1
「統参議長がF-15EX購入を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-2

「F-15EXは空軍の選択ではない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-02
「参謀総長F-15Xを強く示唆」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31-1
「今頃になってEXのエンジン機種選定」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-21-1

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