米空軍がF-15EX文書でF-15E後継も示唆 [米空軍]
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基本はF-15C/D型234機の後継用144機だが
後継未定のF-15E型218機の後継も見据えF-15EXか
7月30日付米空軍協会web記事は、米空軍がF-15EX導入の必要性を説明した2018年3月付文書「F-15EX Justification and Approval (J&A) document」を今年7月中旬になって公開し、その中で2030年代初めから機体寿命を迎えるF-15Eストライクイーグルの後継機としての可能性に言及してると報じています
「F-15EX J&A document」自体は、これまでご紹介してきたように、老朽化が進む制空用F-15C/D型の後継としてF-15EXが最適な理由を、飛行時間当たりの維持費が高額で、かつ各飛行場の受け入れ装備や施設整備に経費が掛かるF-35を後継として導入するより、5年間で約3300億円節約できること等を上げ、
更にF-15EXが、サウジやカタールへの輸出用にしている最新F-15のSA型やF-15QAと、90%以上の部品共通性を持つことから、生産体制立ち上げや維持体制にも無理がなく、新たな機体を準備するより負担なく必要なレベルの機体が準備できる点などを説明しているようです
米空軍が語らない軍事産業政策面からの配慮を米国防省高官の発言等から推察すると、ロッキードはF-35を世界全体で3000機レベルで担当する方向で、これ以上の一極集中は避けたいし、F-22とFA-18を担当しているボーイングにもF-15EX製造を通じ、ロッキードと競争可能な戦闘機メーカーとして業界に関与し続けてほしい・・・との思惑があります
以下では話題を変えて、F-15Eの後継に米空軍がF-15EXを考えている件を、関連部分を記事よりご紹介します
7月30日付米空軍協会web記事によれば
●文書作成から2年半後の今年7月中旬に公になった「F-15EX J&A document」は、F-15EXは当初、老朽化が進む制空用F-15C/D型の後継として計画が始まったが、地上攻撃用のF-15Eストライクイーグル218機の後継として使用する可能性についても、「決定されたわけではないが、オプションとしてある」と表現している
●米空軍報道官は本件に関し、文書が記載している通り「決定されたわけではないが、オプションとしてある」状態に変化はなく、今後米空軍として検討していくことになると述べ、F-15Eは見通しうる将来において引き続き任務を遂行していくと説明するにとどまった
●米空軍の現有作戦機と後継機の関係
--- 約230機のF-15C/D制空戦闘機とF-117ステルス攻撃機
→ 約180機のF-22戦闘機
(当初は381機調達予定も、ゲーツ長官が計画中止)
--- 約280機のA-10攻撃機と約930機のF-16C/D戦闘爆撃機
→ 約1700機のF-35へ
--- 更に約230機のF-15C/D制空戦闘機の後継
→ 144機程度のF-15EXへ
--- 218機の戦闘爆撃機F-15Eストライクイーグル
→ 未定(F-15EXを米空軍がオプションとして検討)
●戦闘爆撃機F-15Eの生産は、制空用F-15C/D型に約10年遅れて開始されており、2030年代初めには機体年齢を迎えて退役を開始する見込み。ただ、C/D型と比較し、E型は多量の兵器を搭載するため機体強度を高く設計されており、今後の機体疲労状況の見極めにより寿命は変化する可能性がある
●F-15EXは制空用F-15C/D型とは異なり、より「multirole aircraft」として設計されており、またF-15Eの兵器搭載量が11トンに対し、EXは13.3トン搭載可能とボーイングが発表しており、E型の後継として戦闘爆撃機としての役割を果たす素地は備えていると考えられる
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戦闘機というのは「大きな金が動く」アセットで、その導入経緯はどの国のどの機体を取り上げても単純ではありません。導入する国の安全保障を取り巻く環境の「縮図」とも言える様々なものを背負っています。
ですからこそ、その選択や投資の程度は、その国の国民の安全保障に関する見識を反映するもので、健全な国民の情勢認識を普段から形成しておくことが重要になります。
まもなく米空軍では、F-35導入機数が250機を超え、機種別保有数でF-16とA-10に続く第3位になるそうです。そんな折々に関係情報をご紹介し、ご参考に供したいと考えております
F-15EX関連の記事
「イヤイヤF-15EXに進む米空軍」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-30
「国防省高官もF-15EX導入を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-23-1
「統参議長がF-15EX購入を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-2
「F-15EXは空軍の選択ではない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-02
「参謀総長F-15Xを強く示唆」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31-1
「今頃になってEXのエンジン機種選定」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-21-1
「機種別保有機数でF-35は米空軍3位へ」
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
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基本はF-15C/D型234機の後継用144機だが
後継未定のF-15E型218機の後継も見据えF-15EXか
7月30日付米空軍協会web記事は、米空軍がF-15EX導入の必要性を説明した2018年3月付文書「F-15EX Justification and Approval (J&A) document」を今年7月中旬になって公開し、その中で2030年代初めから機体寿命を迎えるF-15Eストライクイーグルの後継機としての可能性に言及してると報じています
「F-15EX J&A document」自体は、これまでご紹介してきたように、老朽化が進む制空用F-15C/D型の後継としてF-15EXが最適な理由を、飛行時間当たりの維持費が高額で、かつ各飛行場の受け入れ装備や施設整備に経費が掛かるF-35を後継として導入するより、5年間で約3300億円節約できること等を上げ、
更にF-15EXが、サウジやカタールへの輸出用にしている最新F-15のSA型やF-15QAと、90%以上の部品共通性を持つことから、生産体制立ち上げや維持体制にも無理がなく、新たな機体を準備するより負担なく必要なレベルの機体が準備できる点などを説明しているようです
米空軍が語らない軍事産業政策面からの配慮を米国防省高官の発言等から推察すると、ロッキードはF-35を世界全体で3000機レベルで担当する方向で、これ以上の一極集中は避けたいし、F-22とFA-18を担当しているボーイングにもF-15EX製造を通じ、ロッキードと競争可能な戦闘機メーカーとして業界に関与し続けてほしい・・・との思惑があります
以下では話題を変えて、F-15Eの後継に米空軍がF-15EXを考えている件を、関連部分を記事よりご紹介します
7月30日付米空軍協会web記事によれば
●文書作成から2年半後の今年7月中旬に公になった「F-15EX J&A document」は、F-15EXは当初、老朽化が進む制空用F-15C/D型の後継として計画が始まったが、地上攻撃用のF-15Eストライクイーグル218機の後継として使用する可能性についても、「決定されたわけではないが、オプションとしてある」と表現している
●米空軍報道官は本件に関し、文書が記載している通り「決定されたわけではないが、オプションとしてある」状態に変化はなく、今後米空軍として検討していくことになると述べ、F-15Eは見通しうる将来において引き続き任務を遂行していくと説明するにとどまった
●米空軍の現有作戦機と後継機の関係
--- 約230機のF-15C/D制空戦闘機とF-117ステルス攻撃機
→ 約180機のF-22戦闘機
(当初は381機調達予定も、ゲーツ長官が計画中止)
--- 約280機のA-10攻撃機と約930機のF-16C/D戦闘爆撃機
→ 約1700機のF-35へ
--- 更に約230機のF-15C/D制空戦闘機の後継
→ 144機程度のF-15EXへ
--- 218機の戦闘爆撃機F-15Eストライクイーグル
→ 未定(F-15EXを米空軍がオプションとして検討)
●戦闘爆撃機F-15Eの生産は、制空用F-15C/D型に約10年遅れて開始されており、2030年代初めには機体年齢を迎えて退役を開始する見込み。ただ、C/D型と比較し、E型は多量の兵器を搭載するため機体強度を高く設計されており、今後の機体疲労状況の見極めにより寿命は変化する可能性がある
●F-15EXは制空用F-15C/D型とは異なり、より「multirole aircraft」として設計されており、またF-15Eの兵器搭載量が11トンに対し、EXは13.3トン搭載可能とボーイングが発表しており、E型の後継として戦闘爆撃機としての役割を果たす素地は備えていると考えられる
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戦闘機というのは「大きな金が動く」アセットで、その導入経緯はどの国のどの機体を取り上げても単純ではありません。導入する国の安全保障を取り巻く環境の「縮図」とも言える様々なものを背負っています。
ですからこそ、その選択や投資の程度は、その国の国民の安全保障に関する見識を反映するもので、健全な国民の情勢認識を普段から形成しておくことが重要になります。
まもなく米空軍では、F-35導入機数が250機を超え、機種別保有数でF-16とA-10に続く第3位になるそうです。そんな折々に関係情報をご紹介し、ご参考に供したいと考えております
F-15EX関連の記事
「イヤイヤF-15EXに進む米空軍」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-30
「国防省高官もF-15EX導入を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-23-1
「統参議長がF-15EX購入を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-2
「F-15EXは空軍の選択ではない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-02
「参謀総長F-15Xを強く示唆」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31-1
「今頃になってEXのエンジン機種選定」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-21-1
「機種別保有機数でF-35は米空軍3位へ」
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
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→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1
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