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日米が協力すべき軍事技術分野4つ [安全保障全般]

ブログ「東京の郊外より」支援の会を立ちあげました!
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Atlantic Councilの研究レポート
日向亮との人物が執筆メンバーです

Atlantic.jpg17日、米シンクタンクAtlantic Councilが「新たな技術と日米国防協力:Emerging technologies and the future of US-Japan defense collaboration」とのレポートを発表し、中国対処を念頭に、具体的に4つの技術分野を日米の軍需産業や技術基盤を踏まえて提言し、併せて両国が協力するに当って克服するべき課題も指摘しました

また、現在議論されているであろう日本の次世代戦闘機開発への米国の関与具合や落ち着きどころが、両国軍需産業分野の協力の将来に大きな影響を与えるだろうと触れています

このレポートは2名の研究者がまとめたもので、1人はAtlantic CouncilのTate Nurkin上級研究員ですが、もう一人が日向亮(Ryo Hinata-Yamaguchi)との不思議な人物で、豪州国立大学を卒業後、豪州国防アカデミーで博士号を取得し、韓国の延世大学や高麗大学を経て、現在は釜山大学の客員教授(推定38歳)との経歴です

そんなに目新しい内容ではありませんが、Defense-Newsの主力記者であるAaron Mehta国防省特派員(副編集長)の記事で、同webサイトのトップに派手にアップされ、「東京の郊外より」でも触れている内容が「4つの技術分野」になっているのでご紹介しておきます

17日付C4ISRNet記事によれば
Atlantic4.jpgレポート執筆者は、米中がしのぎを削っている軍事技術分野として、「無人システム」、「超超音速兵器」、「AIの軍事応用」を上げ、これらを航空及びミサイル攻撃及び防御、また水中での戦いに絡めて激しい競争が行われていると全般状況を捉え
これらを背景としつつ米国の戦略と日本の地域利害、更に両国の産業力のマッチングを考慮し、地域と世界の安全保障に少なからず影響を受え、全ドメイン分野のバランスと安定が掛かった挑戦的な分野として、日米が協力すべき「4つの技術分野」を提言している

●無人水中艇と対潜水艦戦闘能力
中国は過去10年にわたり、有人及び無人の両潜水艦へ膨大な投資を行っている。米国も本分野への投資を始め、日本ではIHIが独自に無人水中艇開発を行ったが、防衛省としてこの分野への参画決断はない状態である。論理的に見て協力が望まれる分野である

●AIを活用した仮想訓練環境整備
両国は2016年に仮想空間での共同演習を行っているが、両国には更に実相に即した共同訓練が必要であり、機械学習や先進の仮想現実技術の導入による訓練のレベルアップが望まれる。また、様々な仮想やシム訓練が別々に細分化されている実情を変え、両国が協力して細分化された仮想訓練を融合する取り組みが必要である。そして日米両軍が協力して対処すべき緊急事態に即した環境での訓練体制を整えるべきである

●無人機の群れと無人ウイングマン
Atlantic3.jpg無人ウイングマン(loyal wingman)は、米国が次世代制空NGAD構想の柱の一つとして数年にわたり投資を続けている分野であり、無人機の群れも大きな投資対象となっている。両分野とも日本の防衛省が2016年頃から関心を示している分野である

●無人機への対処システム
既に世界中の国や企業がこの分野に挑んでいるが、日本側で取り組みがある「高出力マイクロ波システム:high-power microwave generation system」などを絡め、両国が協力して成果が期待できる分野が存在する

両国が克服すべき課題
日本が防御の観点から装備近代化を優先するのに対し、米国は戦力投射を優先して考えており、両国の協力に当りすり合わせが必要である
Atlantic2.jpg米国がクロスドメイン作戦遂行にとって重要だと最近数年力を入れている宇宙やサイバー分野で、日本は遅れをとっており、協力するにも差が生じている

共同研究に関する両国のアプローチ法が対照的で、米国が作戦コンセプトや必要な能力分析を重視して取り組む一方で、日本は依然として軍需産業の利害や技術開発の視点からスタートしがちであり、かみ合わないことが多い
日本の国防費のGNP1%枠は足かせとなっている。また、2014年まで日本の軍需産業に兵器輸出を禁じていた政策の結果として、技術や製造能力は優れていても、規模が小さく輸出経験不足である。日本政府がこれら企業を保護するため、甘い契約を許容してきた経緯も災いしている

米国企業側には日本企業の参入への懸念があり、先進技術の流出やシェアを奪われる可能性への心配から、共同開発に前向きでないこともある

日本の次期戦闘機開発で課題が浮上
counterdrone2.jpg上記の諸課題は、日本の次期戦闘機開発(F-3開発)への米国参入交渉でも既に浮上している。例えば、ロッキードが提案したF-22/F-35技術を活用した「ハイブリッド型開発」を日本が拒否し、「既存機の派生型は眼中にない」と主張したことは記憶に新しい
F-3開発は長期的な日米共同開発枠組みを考える上で極めて重要な案件である。このプロジェクトは今後の両国協力の道を切り開き、両国協力の中核となりうるが、逆に失敗は、将来の両国の共同開発を妨げることになろう

更に、中国や韓国との両国それぞれの関係が、日米の軍事共同開発に与える影響も無視できない。例えば超超音速兵器といった攻撃的性格の強い兵器の場合、中国やロシアからの様々な圧力が関係国に影響を与えうる
●また韓国と日本との関係は、歴史的な問題を含んでおり、日米韓の協力関係をより複雑なものにしている
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レポート紹介webページ
https://www.atlanticcouncil.org/in-depth-research-reports/report/emerging-defense-technologies-and-the-future-of-us-japan-defense-collaboration/

日米共同開発の「黒歴史」を知る方にとっては、細部の分析について突っ込みどころ満載でしょうが、まぁ・・アジェンダを整理したと考えていただければと思います

Atlantic日向亮.jpgまた、最近の米国からの装備品押し売りにヘキヘキしている皆様にとっては、共同開発どころじゃない・・・とお怒りのところでしょうが、コロナで米国軍需産業がどのような運命をたどるか判りませんので、チャンスもあるかも・・・程度のお気持を維持していただきたいと思います

ところで、この日向亮(Ryo Hinata-Yamaguchi)さん・・・謎ですねぇ・・・。この時期に韓国で・・・

関連しそうな記事
「統合全ドメイン連接演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「次世代航空機はギャンブル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-05
「無人配送投資で民間に貢献」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-17
「超超音速兵器ARRW開発本格開始」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-16
「24時間以内の緊急打ち上げへ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-01
「無人機ウイングマン構想」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-27
「調達担当者を活躍させる体制」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-16
「別の無人機Skyborg構想」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06
「KC-46Aの異物問題に」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「PGM不足問題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-09
「米空軍重視の9分野」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-4
「維持費削減に新組織RSO」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-23
「ソフト調達が最大の課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-01
「F-35維持費が大問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-20-1
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「無人機の群れに空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

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米海空軍アクロ飛行チームがコロナと戦う人に感謝飛行 [ちょっとお得な話]

4月28日、米海軍と米空軍の飛行アクロバットチームが、コロナと戦う関係者への敬意と感謝を示すため、全米の都市上空を飛行するイベント「America Strong」をニューヨークなどで開始。

皆が久しぶりに見上げる大空と華麗な編隊飛行に歓声を。今後全米の都市を巡回飛行へ





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ロッキードがF-16人気でニンマリ [安全保障全般]

21日の投資家説明会でCEOが発言
F-35はサプライチェーン混乱もF-16は影響小

Possenriede.jpg21日、ロッキードが投資家向け収支報告会を実施し、CEOのKenneth Possenriede氏が、F-35を購入できない国々からのF-16人気が強く、同機への発注が「新たな波」となってくるだろうと語り、またF-16製造に関係するサプライチェーンもコロナの影響が軽微で、F-35と異なりほとんど影響がないと説明しています

サプライチェーンに影響が少ないのはF-35が共同開発国を繋ぎ留めるため部品製造拠点を各国に分け与え、米国内でも広く議員の支持を集めるため全米50州に部品生産を分散させた影響が出て混乱している推測される状況とは対照的に、冷たく扱ってきたF-16生産は効率重視で、部品製造拠点を集約したのが「吉」と出たものと邪推しています

F-16.jpg記事は、今後F-16を購入する可能性がある具体的な国名として、正式に契約や発表があった以外も含め、バーレーン、ブルガリア、スロバキア、ボツワナ、台湾、モロッコ、エジプト、アルゼンチン、チリ、インドネシアを挙げており、200機以上は固い雰囲気です

F-35への各種資源集中で、冷や飯を食わされてきたF-16ですが、ここに来て母屋を支える孝行息子となり、交代したばかりの新CEOを喜ばせる働きを見せ、欠陥旅客機とコロナでの民航機需要激減で苦境に苦しむボーイングとは対照的な春を、ロッキードにもたらしているようです

22日付Defense-News記事によれば
21日、ロッキードCEOは四半期に一度実施される「earnings call:投資家向け収支報告会」で、F-16への関心の高まりが波となって訪れつつあると述べ、アフリカ、南米、東南アジアなどを示唆しながら語った

同CEOは「率直に言うと、現時点でF-35を購入する余裕がない国々にとって、F-35への移行の中間的な需要を満たすためにF-16がちょうどよい役割を果たしているように感じている。決してF-35とF-16が競合関係にあるわけではなく、相互補完関係にあると思う」と説明した
Possenriede2.jpg●またCEOは、F-35と異なり、F-16の製造ラインにはコロナウイルスによるサプライチェーン問題がほとんど発生しておらず、F-35ラインで発生している数か月の製造遅延は見られない、と述べた

昨年同社は、テキサス州でのF-35生産拡充に向け、F-16製造ラインをテキサス州からサウスカロライナ州へ移転したが、そこで2018年に受注したバーレーン向け70機の「Block 70型」の製造を行っており、バーレーンとの契約後に受注した、ブルガリア用6機、スロバキア用14機、そして米国政府が調整している台湾向け66機も、順次生産に入る
●同CEOは、「相手国からの発表許可が出ていないので具体的な国名には触れられないが、他にも契約に向け詰めの交渉を行っている国がある。南米や東南アジアの国がF-16に関心を持っている」と述べるにとどまった

航空宇宙産業評論家のRichard Aboulafia氏は、F-16関連の交渉が現実する可能性は高いと述べ、「ロッキードはここしばらく、将来はF-35しか無いとの頑なな姿勢で、高価なF-35を購入できない国を忘れ去ったかのような態度だったが、F-16のような4世代機には確固とした需要がある。ロッキードがこの市場を顧みなかったのは誤りだった」とコメントしている
F-16 2.jpgアフリカ市場で契約が成立する可能性が高いのが、以前から戦闘機に関心を示しているボツワナで、そのほかにはF-16を既に納入しているモロッコとエジプトに更新需要がありそうで、モロッコへは2019年に米国務省が輸出許可を出し、新型機と既存機改修の交渉が進められているはず、と同氏は述べた

また南米では、長年アルゼンチンへの売り込みが行われているが、チリへの第2弾の売り込みの方が成立の可能性が高いと同氏は分析している。更にアジアでは、インドネシアへの売り込み成功の可能性が最も高い、と同氏は見ている
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記事では「F-16を忘れ去り、ひどい仕打ちをした」との評論家の言葉が紹介されていますが、F-35開発が大炎上状態であったことから、F-16に手が回らなかった・・・との見方もできましょう

4月21日に時点では、既にコロナ感染による「第2の世界恐慌」との表現も使われ始めており、ロッキードの皮算用に投資家の皆さんの反応がどうだったのか気になるところですが、少なくとも、公的資金投入をトランプ大統領に泣きついたボーイングよりは大丈夫・・・ということでしょう

F-16関連の記事など
「F-16生産拠点移設であと200機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-3
「米軍F-16延命へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「稼働率8割はF-16だけが達成見込み」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-06
「インド機種選定に特別仕様F-16で挑む」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-22
「台湾F-16V型ようやく納入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-2
「哀愁の台湾F-16能力向上」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-23

「ボーイングへの公的資金投入」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-18

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F-35のB型とC型は超音速飛行制限を許容 [亡国のF-35]

カテゴリー1不具合を妥協して許容
不具合解消の費用対効果を考え
外国購入国にはこれから相談???

F-35B2.jpg24日、米国防省F-35計画室が、昨年明らかになったF-35のB型とC型のcategory 1問題:「高高度:extremely high altitudes」で超音速飛行を継続すると機体尾部の構造とステルス塗装に影響を及ぼすリスクが高く、尾部に装着された各種アンテナにも被害が出るとの指摘に対し、「何も対策をせず、運用制限でリスクを回避する」方法で「米軍内の合意」を得たと明らかにしました。

最大級の問題とは、KC-46A空中給油機で続発している「category 1」不具合のことで、「高高度:extremely high altitudes」の程度が不明ですが、1分以上超音速飛行をしないとの制約をB型とC型使用者は甘受する結論に至ったということです

「category 1」不具合にもかかわらず「何も対策をとらない」のは、莫大な費用と膨大な確認試験を注ぎ込んでまで解決しなくても、F-35のB型とC型の運用には大きな支障がないとの判断をしたということらしいですが、数か月前にご紹介した「強度の弱いボルトが、どこに、どれだけ誤使用されているか不明だが、安全上問題なさそうなので放置する」との決定とよく似たいい加減さ満載の結果

F-35の運用法からすれば、超音速飛行は「不可欠ではなく、できればよい」程度のものだとの解釈らしいですが、敵ミサイルや戦闘機に追い詰められて必死で回避するのはレアなケースで、アフターバーナーを使用した連続超音速飛行ができなくても「OK」・・・ということです。B型は日本も購入する機体ですので、ご紹介しておきます

24日付Defense-News記事によれ
F-35B.jpg24日付の国防省F-35計画室の声明文書は、「このcategory 1案件に関しては、対策をとらないことで米軍内の合意が取れた」、「不具合対処のno plan to correctとの項目に該当する」と述べており、対策の費用対効果から何もしないと判断された模様である
不具合事項は、超音速飛行を継続することで、尾部の機体構造材やステルス塗装が被害を受けるだけでなく、尾部に取り付けられた無数のアンテナにも被害が及ぶ可能性があるというもので、これに対して超音速飛行の時間に制約を設けることで対処するという決断である

この問題が発覚時、F-35計画室はF-35要求事項の主要な項目である超音速飛行に関する不具合であるため「category 1」に分類したが、F-35にはそれほど超音速飛行が必要ないことや、この不具合を機体改修する場合、機体重量バランスやステルス塗装等々の要求事項を満たすため、長期にわたる設計開発と飛行試験が必要となることから、高速飛行に運用制限を課すことで対処することにした

元米海軍操縦者でハドソン研究所のBryan Clark研究員は、F-22戦闘機は超音速飛行が機体の戦術上重要な役割を占めているが、F-35の場合、緊急時に必要であれば使用する程度の重要性だと述べ、F-35操縦者と話しても、限定的な時と場合にしか使用しないというだろうあればよいが高速の敵から逃げるような場面はF-35の戦術からしてまれなケースだと話すだろう、と説明した
F-35C2.jpgまた同研究員は、超音速飛行すると、その巨大な排気熱や機体表面の温度上昇でステルス性が犠牲になり、また単発エンジン機の特長である燃費の良さが大きく損なわれて作戦上の制約になるだけだ、とコメントしている

一方で懸念の声もある。同研究員も昨年この問題が表面化した際は、超音速飛行時間に制約が課せられることで、空対空戦闘で不利になることを気にしていたし、ベトナム戦時にミサイル戦を重視しすぎて機関砲を搭載しなかったことで、非撃墜数が増大した戦訓に言及して懸念を示し、
「戦い方全般の変化を受けたF-35の役割変化やミサイルの発達を受け、可能性が少なくなったとはいえ、超音速飛行が可能なことはF-35の重要な特長であり、敵ミサイルからの回避行動や空中戦時に、大きな制約となる」と述べていた

一応解決した他の「category 1」
F-35 HMD.jpg操縦者のヘルメットに装着するHMDに内蔵のLED緑ランプがまぶしく、特に夜間着陸の際に誘導信号ライトを見にくくする等の不具合が指摘されていたが、LEDライトを交換することで問題が緩和され、回収されたHMDが部隊に提供され始めている
A型とB型のタイヤが破裂して油圧系統に被害を与える可能性があるとの指摘に関しては、タイヤを交換して以降、同様の問題は確認されず、新しいタイヤがすべての要求事項を満たしていることから、「no plan to correct」措置になった

気温が低い環境で、前方車輪格納扉を開いた際に、バッテリーの温度を保つヒーターが十分に作動せず操縦席に警告を発する不具合が指摘されたが、関連ソフトを改修することで解決された
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F-35C.jpg超音速飛行の時間が制限される件ですが、「米軍内の同意が得られた:concurrence from the U.S. services」ということは、B型とC型を購入する外国からの合意はこれからなんでしょうか?

または、購入国が超音速飛行をたっぷりやりたければ、勝手にお金払って機体改修したら・・・ということなんでしょうか? B型を購入するのは、英国、日本、シンガポールぐらいでしょうから、英国には根回ししつつ、日本とシンガポールは強姦するつもりかもしれません

ボルト問題の際もそうでしたが、「それなら最初から、高価なボルトの使用や、超音速飛行をたっぷり可能などと要求するな」という話です。こんなところで腹を立てても、空しいだけですが・・・

その他、コッソリ処理が進む「category 1」不具合の様子
https://www.defensenews.com/smr/hidden-troubles-f35/2020/04/24/five-f-35-issues-have-been-downgraded-but-they-remain-unsolved/
https://www.defensenews.com/smr/hidden-troubles-f35/2020/04/24/the-pentagon-has-cut-the-number-of-serious-f-35-technical-flaws-in-half/

最近のF-35記事
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
「維持費削減:F-35計画室長語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「同上:米空軍参謀総長が」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02

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米空軍はワクチン完成まで1年間特別コロナ態勢で活動 [米空軍]

6月からワクチン完成まで「新たなアブノーマル」態勢で
他国空軍トップと重要アセット部品サプライヤー保護に
日本の皆様も早く考え方を切り替える必要が・・・

Goldfein9.jpg22日、Goldfein空軍参謀総長がオンラインで記者団と会見し、6月1日からワクチン完成まで「new abnormal」とも呼ぶべき業務態勢で臨むと語り、感染の波が繰り返し訪れるであろう「cyclical virus」を予期し、止められない核抑止や領空保全や空輸任務を優先しつつ、コロナ対処で遅れた事業の巻き返しに(優先度をつけて)取り組む考えを示しました

また、緊要な注視している装備品としてF-35, KC-46, B-21 and T-7Aを上げ、特にF-35などでは他国空軍トップと連携をとりつつ、代替の利かない弱小サプライヤー保護や効率的な部品の確保について協力して取り組んでいると説明しました

T-7A.jpg更に同大将は、自分も含めて主要幹部が出張を控えてオフィスにいることから、web上での会議を容易に大規模に開催できることや、今回の対処で急速に進んだリモート体制の利点を、コロナ態勢後も活用するよう発想の転換を図りたいと語っています

まぁ・・・本当に苦しい部分には触れていないと思いますし、「新たなアブノーマル」体制もよくわかりませんが、「ワクチンができるまで約1年間はかつての態勢には戻れない」と明確に打ち出すことで、組織全体の思想を統一し、組織として知恵を絞って取り組もうとのトップの決意表明ですので、日本の我々一般庶民にも参考になると思いご紹介しておきます

22日付米空軍協会web記事によれば
Goldfein空軍参謀総長は記者団に、我々は6月1日をもって体制をリセットし、今後何回か訪れるであろうコロナ感染の波の中に生きる「new abnormal」と呼ぶ世界の中で、ワクチンが完成するまで約1年間、我々の能力を総動員して作戦しながら生き延びることを考えている、と語った
Goldfein8.jpgこのリセットでは、休むことのできない核抑止や空輸や領空保全などの任務を継続しつつ、コロナ緊急事態で遅れが生じている事業に対処し、アブノーマルな世界の中でのノーマル態勢体制を追求していく、と表現し、我々にはDNAに組み込まれた対応力があり、CBN戦対処ノウハウと合わせ、基礎に立ち返って対応していきたい、と説明した

コロナで生じている軍需産業やサプライチェーンの問題については、Lord国防次官が3か月遅れと最近語ったロッキードのF-35計画は今後も遅れが出るだろうし、ボーイングのワシントン州の工場が数週間停止していると述べたものの、現時点で、契約企業が必要な部品等を入手できない深刻な事態は見られない、と同大将は説明した
また同参謀総長はサプライチェーンに関し、他国空軍トップと軍需産業基盤の維持に関する協力体制について検討しており、価格低減や即応態勢アップのため「shared systems」を構築することになろうと述べ、特に「subs, the Tier 2 and Tier 3」サプライヤーに関して重要になると表現した

F-35 2.jpg特にF-35に関しては、カナダ、日本、韓国、イタリアなどと緊密に連携をとっており、協力して資金の効率活用を図り、代替の利かない下請け企業の苦境乗り切りを支えたいと語った
●ただし同参謀総長は、トルコをF-35計画から除外した時のように、軍需産業界に縮小傾向がある中でも、F-35関連分担を米国内に戻そうとしているわけでは決してないと強調した

軍需産業現場の状況について参謀総長は、「工場勤務者が分散して働く職場は操業の遅れが比較的少ないが、密集して仕事する必要がある職場は問題を抱えている」と述べ、Roper空軍調達次官が外部資金も活用して緊急を要する小規模事業者の資金繰り支援に尽力している様子も紹介した

今回のコロナ対策を通じ、逆にコミュニケーションが改善された側面もあるとし、20日に空軍主要幹部20-30名と同時にweb会議を行ったが、コロナ以前だとこのような会議の準備に数週間以上必要だったことを考えれば、大きな変化を感じている、と同大将は語った
空軍士官学校の卒業式を1月ほど早めたが、これを可能にしたネットワーク活用の授業方式や教材の準備は、コロナ後の世界でも最大限に活用すべきものであろうと考えている、と所感を述べた

KC-46A9.jpg●これ以外にも、O’Shaughnessy北米コマンド司令官がコロナ対処の「思考リーダー:thought leader」として積極的に指揮統制改革に取り組み、医療機関や関連支援拠点との直通ラインを設置し、アップルやグーグルの検索技術の協力を得て、最も信頼できるデータ収集を行っている等の例を挙げて紹介した
●更に参謀総長自身も出張予定がなくなった時間を活用し、他国空軍トップや軍需産業幹部との電話会談を精力的に実施し、現状確認や情報共有に取り組んでいると述べた
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「new abnormal」体制をご紹介するはずが、軍需産業対策の話が大半になってしまいましたが、重要なのは「6月からワクチン完成までは新たなアブノーマル」で・・・とのトップとしての言葉です。もうそろそろ、多くの人が感じ始めていることを、明確に示すことの重要性です。文句ばっかり言ってないで、早く悟ってそのように自分の身は自分で守ることの重要性でもあります

軍需産業の現状についてはオブラートに包んだ形になっているのでしょうが、コロナ関連での在宅勤務や遠隔授業を通じ、新たなコミュニケーション手段に触れ、いろいろ考えさせられている皆様も多いのではないかと思います。この際だから、いろいろ挑戦し、経験することが上策でしょう

一度リモート飲み会やってみたいなぁ・・・とこの頃思うまんぐーすでした

米国防省や米軍のコロナ対策・影響
(4月23日までの状況:随時更新・追記中です!)
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太平洋空軍司令官Brown大将へのインタビュー [米空軍]

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次期空軍トップ候補に指名される直前のもの
2月末のインタビューを4月1日公開

Brown2.jpg4月1日付米空軍協会webが、次の米空軍参謀総長候補に指名されたCharles Q. Brown太平洋空軍司令官へのインタビュー記事を掲載しました。

インタビューは2月末にフロリダで開催された米空軍協会航空戦シンポジウムの期間中に行われ、3月2日に発表された次期参謀総長候補指名発表の数日前ですので、米空軍全体の話題にはなっていませんが、アジア太平洋地域を考える上で、また米軍の対中国戦力を考える上で示唆するものがありますので、Q&A方式ご紹介しておきます

コロナウイルス関連については、2月末の時点では軽いやり取りしかありませんので、特に取り上げません
今となっては、現在の心境をうかがいたいところではありますが・・・

4月1日付米空軍協会web記事
●Q 国家防衛戦略NDSにおけるアジア太平洋重視の影響は?
●A アジア太平洋地域について、政策担当者や意志決定者によく理解してもらう教育フェーズがとても重要だ。欧州を中心とした冷戦終了後、過去25年以上に渡り、我々にとって心地よいゾーンであるNATOと活動してきたからである。

我々がアジア太平洋地域を理解しているか良くわからない。意思決定に携わるのもが、より多くこの地を訪れることで、より多くを深く学ぶことが出来ると思う。のように脅威を捉え、パートナーがどのようであるかを理解する必要ある。全てがひとつの枠組みで捉えられない(It’s not one size fits all)

Brown4.jpg当地域の広さは欧州コマンドの約5倍、その中では場所によって異なる力学が働いている。日本や韓国やモンゴルは、一つの対極にあるインドとは異なるし、豪州やNZとも異なっている もう一つの違いは、アジア太平洋地域と米国が(欧州と比較して)経済的により密接な関係にある点である。ロシアはそれほどではないが、中国とアジア太平洋諸国との関係が深いもある

●Q 以前、中国とロシアの軍事協力が増えているとの話があったが、現状は(注:日韓関係が揉めた際、両軍機が編隊で日本海を飛行したことを捉え、両軍緊密化に警戒感を示していた)
●A 彼ら両国が軍事関係を強化しようとしているのかわからないし、アジア太平洋での地政学的な見方で共通の考えを持っているのかも不明である
彼らは共に演習を行うことがあるが、同じ日に、同じ場所で、両軍がそれぞれ並行的に訓練を行っているだけで、相互の連携はほとんどない。米軍が同盟国軍などと行う共同演習とは異なる

Brown3.jpgまた別の視点で、中露のどちらが、この関係で「junior partner」なのかという点も興味深いたぶん両国とも下になるのはいやだと考えているし、両国間には米軍とその同盟国間とは異なる「摩擦」も存在している。米国の同盟国等との関係では、相手が小さな空軍であっても、パートナー国ならではの分野があり、相互に補完して行動する柔軟性がある

●Q 欧州には「European Deterrence Initiative」用の特別予算枠があるが、アジア太平洋でもほしいと思わないか
●A その件はよく議論している。最初から大きな額を求めるわけではなく、欧州を参考に太平洋地域でどのように投資すべきかを考える必要がある

欧州では、私が欧州空軍作戦部長(A3)に着任した翌週に、ロシアがクリミアに侵攻を始め、明らかな危機と皆が意識し対応した。しかし中国はそのような際立ったトリガーと成る行動はとらず、南シナ海での動きのように、レーダーに映らないところで少しづつ着実に既成事実を積み上げ、長期的視点で狙いを達成する手法で行動している。この違いも踏まえる必要がある

●Q ACE(Agile Combat Employment)の進み具合はどうか
Brown.jpg●A コンセプトや大枠を示すことで、各部隊は色々なアイディアを出してくれる。正に米空軍らしい動きに自信を感じている。一方で各部隊レベルの指揮官と各地で話をすると、食い違いや部隊レベルでは解決できなかったり、リスクが明らかになることもある。それを取り上げリスクを如何に取り除くかを考えている

輸送が困難な大きく重い地上装備に問題や、細分化された特技制度の課題などもある。新たな軽量で移動しやすい装備の要望や同盟国から借用するアイディアなどを検討しているし、特技制度についても、簡単な他特技の業務を行える体制整備など検討している

また各地域空軍の副司令官クラスが集まって、ACE構想に関する意見交換を行い、互いに知見を共有したり、言葉の統一について検討したりを始めている
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Brown大将は、中尉時代に1.5年、大佐の基地司令として1年を在韓国の米空軍F-16部隊で過ごした程度で、アジア太平洋全体を見渡して勤務したのは太平洋空軍司令官としての勤務が初めてです。

ですから、NATOがパートナーである過去25年間とは「心地よさ」が異なる・・・とアジア太平洋地域の国々との関係を示唆しています。(the past 25-plus years since the Cold War in Europe, and in our alliance with NATO, we have a comfort zone there)

まずアジア太平洋について学んでもらうことが必要との発言にも、典型的な米国民の一般的視点が感じられます。
コロナで米国がどうなるのか先が見えませんが、太平洋空軍司令官から空軍参謀総長になる初ケースでしょうから、期待いたしましょう

次の米空軍トップ候補:Charles Q. Brown空軍大将の公式経歴
https://www.af.mil/About-Us/Biographies/Display/Article/108485/major-general-charles-q-brown-jr/

集中配備から、分散運用する新コンセプトACEへ
「三沢でACE訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-21
「太平洋空軍がACEに動く」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-12
「太平洋空軍司令官がACEを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-12-10-1
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「F-22でACEを訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-03-08

Brown太平洋空軍司令官の関連
「Brown大将が次期空軍トップ候補に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-03
「西太平洋の基地防御は困難」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-23
「欺まんで中国軍を騙せ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-21
「現空軍トップとベトナム訪問」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-14
「中露空軍の連携飛行を警戒」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-31
「PACAFが緊急避難訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-27
「南シナ海で中国軍鎮静化?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-11-28
「燃料と弾薬の備蓄不足を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02-1
「新司令官初海外は日本横田総隊」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-14
「Brown大将の経歴などご紹介」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19

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異例の空軍士官学校卒業式で宇宙軍へ86名直配 [米空軍]

ブログ「東京の郊外より」支援の会を立ちあげました!
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
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空軍は校内活動の制約から約1ヶ月卒業前倒し
海軍は卒業式中止、陸軍は5月23日予定

Commence USAF4.jpg18日、コロナ感染予防対策で異例の無観客体制の中、米空軍士官学校がペンス副大統領の臨席を得て卒業式を実施し、宇宙軍に配属される始めての卒業生86名を含む、約960名の巣立ちを祝いました

卒業式の最後には、恒例の米空軍飛行アクロバットチーム「Thunderbirds」による祝賀飛行が行われる中、卒業生が帽子を投げ上げて各任地に向かう様子が見られましたが、全寮制の同士官学校では3月中旬に卒業生を見送るはずの下級生が自宅帰省待機措置となり、普通なら各卒業生の両親や友人が駆けつけて賑やかに祝うところ、静かな卒業式となりました

写真でご覧いただけるように、卒業生は間隔をあけて座り、壇上のペンス副大統領、Barrett空軍長官、Goldfein空軍参謀総長や学校関係者も、スペースを開けて着座する「対コロナ」体制となっています

本日は、卒業生への先輩や関係者からのメッセージが含まれた長い卒業式映像と共に、卒業生に関するあれこれもご紹介いたします

18日付米空軍協会web記事によれば
Commence USAF3.jpg全員が約2.5mの間隔をあけて着席した卒業生967名に対しペンス副大統領は、「米国は今、試されている」、「感染拡大ペースを遅らせることに光明が見え始めているが、既に70万人が感染し、3.7万人の死者が出ていることを忘れてはならない」と語りかけ
●「米国民は困難に直面するたびに一丸となり、君たちが守ることになる勇気と情熱と寛大さを持った国と共に立ち上がってきた」、「我々はこの困難を乗り越える。我々は最も価値ある国民を守り、米国を癒すのだ」と語った

●そして副大統領は、「この試行錯誤の時、国家のため、そして君たち自身のため、勇気を示すべき時である。そしてその姿勢が、全ての米国民にとってのインスピレーションとなるのだ」とも語りかけた

初めての士官学校卒業生86名を受け入れることになる初代・宇宙軍参謀総長John Raymond大将は、「君たちは我々の未来である。君たちが大胆であることを望む」、「もし仮に抑止で抑えられなかったならば、君たちは宇宙優勢獲得のため戦いそして勝利しなければならない。そして宇宙で優位を確保することは、わが国、同盟国そして統合して作戦遂行するた軍種にとって死活的に重要なものである」と祝辞を述べた
また、君たちが卒業する2020年は、空軍士官学校が始めた卒業生を出した1959年や、初めての女性学生が卒業生が生まれた1980年と並んで、歴史に刻まれることになった、と表現した

今回の卒業生を含め、過去61年間に同士官学校を卒業した学生数は52000名を超えた

「Class of 2020」に関する各種内訳
Commence USAF2.jpg---卒業生の71%が男性で、29%が女性。同じく30%がマイノリティー
---卒業生には13名の他国軍士官候補生が含まれている。ジョージア、マケドニア、パキスタン、パナマ、フィリピン、ルワンダ、シンガポール、韓国、台湾、タイ、チュニジアからの留学生である

---卒業生967名は大きく2つのグループに分けて捉えることができる。一つはパイロット職を中心とする作戦運用職に就く「Rated officers」で今回の卒業生では536名。残り431名は「Support officers」と呼ばれる
---「Rated officers」には、485名が進むパイロットコース、11名が進む「combat systems officer」コース、10名が進む「air battle manager」コース、30名が進む無人機操縦コースが含まれ、飛行部隊の指揮官は「Rated officers」のみが付くことができる
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宇宙軍直接配属の86名もチャレンジな人生ですが、無人機操縦分野の30名も、重要ながら、かつては普通でなかった空軍人生です

留学生の受け入れ先も面白いですねぇ・・・。台湾の学生にはがんばっていただきたいものです。かつて別の米空軍の学校では、台湾からの留学生は制服の着用が許されず、私服で授業を受けていると聞いたことがありますが、今もそうなんでしょうか?

米空軍士官学校関連
「米3軍の長官が士官学校でのセクハラ問題議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-04-10
「出て行ってくれ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-09-30-2
「空軍士官学校の内通者が反旗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10-1
「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04

卒業式映像(関係者メッセージ含む)


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【おまけ】
今から約30年前のコカ・コーラのCMです
このキラキラ感&さわやかさが今欲しいですねぇ・・・


ついでに、約40年前の曲も
夏だ、海だ、達郎だ!


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防衛研究所が東アジア戦略概観2020発表 [安全保障全般]

2019年1月~12月の事象の記録と分析
米露東南アジアと核管理も含めた地域分析

東アジア2020.jpg14日、防衛研究所が毎年発行で24回冊目となる「東アジア戦略概観2020」を発表し、全文webサイトで閲覧可能となりました。

「防衛研究所の研究者が内外の公刊資料に依拠して独自の立場から分析・記述したものであり、日本政府あるいは防衛省の見解を示すものではない」、「文責を担う執筆者の氏名および分析根拠を示す脚注を明示することにより、研究者が独自に分析した学術専門書としての性格を明確にした」と「はしがき」に明記されている性格のものですが、「日本政府あるいは防衛省の見解」から逸脱した内容では当然ありません

2017年版をご紹介して以来、2年間サボって来ましたが、日本の安全保障環境をコンパクトに学ぶには最適の書物(しかも無料)ですので、まんぐーすの独断で「さわり」部分をご紹介し、皆様のご参考に供したいと思います

特に、米軍の国家防衛戦略NDSで対中国を念頭に「戦力態勢の在り方に係る4つの層(接触・鈍化・増派・本土)から成るグローバル運用モデル」を提示し、陸軍が中心となって検討検証を進める「マルチドメイン作戦」(MDO)の進展の中で米陸軍が存在感を増している点など、これまでご紹介していない内容が紹介されています

コロナ対処で「引きこもり状態」にある皆様におかれましては、YouTubeばかりでなく、こんな読書オプションも如何でしょうか?

防衛研究所webサイトの「東アジア戦略概観2020」より

●中距離核戦力(INF)全廃条約終了とその影響
Trump1.jpg2019年8月2日にINF全廃条約の失効後、米露ともに中距離ミサイルの開発に公式に着手しており、東アジアにおいてミサイルの分野で軍拡競争が発生する可能性がある。

の場合、米露関係、中露関係、日露関係など北東アジアの国際関係を本質的に変化させる可能性を秘めており、東アジアの戦略環境に大きな影響を与えるおそれがある

●デモに揺れた香港と習近平政権
2019年において習近平政権にとって予想外の大きな問題となったのが、香港住民のデモに端を発する混乱である
事態の終息の方向性が見えていない中、この影響が台湾の総統選挙情勢にも大きな影響を与え、香港情勢を見て台湾の将来にあらためて危機感を覚えた台湾民衆の心をつかんだ民進党が形勢を逆転した

●覇権争いへ転換する米中関係
DJI drone3.jpg米中の貿易交渉を断続的に実施し、2020年1月には両国政府が「第1段階」合意文書に署名して歩み寄りを見せた。ただ、今後「第2段階」の協議が合意にまで進展するかは予断を許さない状況が続いている

それは米中両国が単なる貿易不均衡是正の条件闘争ではなく、科学技術力を含めた総合的国力を争っていることがその背景にあるからである。対米関係で難しいかじ取りを迫られている習近平主席は、米国との長期戦を覚悟しているものとみられる

習近平主席は9月3日、共産党幹部を教育する中央党校で重要講話を行い、「現在の世界はこの100年間なかった大きな変局の中にある」、「中華民族の偉大な復興は、決して気楽に鳴り物入りで騒いでいるだけで実現するものではなく、偉大な夢の実現には偉大な闘争が必ず伴う」と述べ、直面する闘争は少なくとも2049年の中国建国100周年までは続くと指摘した

こうした中、習近平主席は、周囲を腹心で固めて権力基盤を強化し、党内を引き締め、自らに対する軍の忠誠を強化する取り組みを続けている

●「危機回帰」をめぐり揺れ動く朝鮮半島
金正恩.jpg第2回米朝首脳会談が共同声明なく終わった後、北朝鮮はミサイル発射再開で危機に(瀬戸際外交に?)回帰する能力を米国に強調した

並行して北朝鮮は中国に対し、米軍プレゼンスの将来に関わる平和体制協議に中国を参加させることを示唆して提携への引き込みを図った。中国抜きの平和体制協議の可能性を示した南北「板門店宣言」から1年余り後に早くも韓国を無視した動きに出ている

北朝鮮は核兵器への恐れが米韓にもたらす戦略上の効果と、中国の米軍への脅威認識を強く意識した行動をとっている。こうした行動の背後で北朝鮮は国内において、金正恩を代替する勢力の出現を防止すべく、国家機関を支配勢力の一翼とし、人々を「金日成民族、金正日朝鮮」に帰属させるイデオロギーの再確認を進めた

●米国「戦略的競争」の実像
Global Op Model.jpg冷戦以降も地域での紛争抑止とコミットメントの象徴として、米軍の前方プレゼンスが引き続き死活的な重要性を持つ一方、中国の接近阻止・領域拒否(A2/AD)システムにより、とりわけ九州から沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島(カリマンタン島)に至る第1列島線内において基地・港湾施設や水上艦艇などの軍事アセットが脅威下に置かれる状況に至っている

視認性・脆弱性のジレンマとも呼ばれるこの問題は、米軍の前方戦力の在り方を考える上で無視できない課題となっている

NDSでは、より具体的な運用に関するコンセプトとして、戦力運用の柔軟性と予測困難性を高めるための動的戦力運用や、戦力態勢の在り方に係る4つの層(接触・鈍化・増派・本土)から成るグローバル運用モデルなどを提示している

つまり、単に象徴的な「プレゼンスのためのプレゼンス」ではなく、前方の基地施設やそのほかの軍事アセットが有事の際に激しい戦闘環境下に置かれることを前提とし、それでもなお迅速に展開しながら敵の軍事行動を拒否し得る前方での態勢が必要とされているのである

そして敵戦力に対する前方からの拒否という点で、近年存在感を示しているのが陸軍である・・・
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東アジア戦略概観2020のwebページ
http://www.nids.mod.go.jp/publication/east-asian/j2020.html

この記事では、ほんの触りの部分しかご紹介していませんので、ネットアクセスで簡単に見らる現物を是非ご覧ください

米陸軍をはじめとする米軍の変化や、覇権争いへ先鋭化する米中対立の様子など、今後のコロナを巡る様々な中国と西側の対立・駆け引きを考える上で参考になる内容がまとめてありますので、繰り返しになりますが、「コロナ引きこもり期間」にお勧めの報告書です

東アジア戦略概観の関連
「2017年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「2016年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13-1
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-10
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-03

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国防長官が空母2隻削減と小型有事無人艦艇導入へ!? [Joint・統合参謀本部]

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エスパー長官指示で夏までに新方針決定
空母削減と有事無人艦艇増加方針は規定路線か?

Esper3.jpg20日付Defense-Newsが、米国防長官室作成の文書を入手し、エスパー長官が夏までを目途に進める全国防省を巻き込んだ「new joint war plan」作成の一貫として、エスパー長官が米海軍の体制再検討を強く推進していると紹介し、空母を2隻削減し、有事には無人で運用する小型艦艇導入を積極的に推進しようとしていると紹介しています

あくまでもエスパー長官は、全国防省を含めた新たな作戦構想を検討し、ウォーゲームなどの結果を踏まえて新たな方向性を打ち出すとの考えらしいですが、長官が数ヶ月間言い続けていると脆弱な空母削減は規定路線のような雰囲気を記事は表現しています

Gilday3.jpg米海軍は3月に、半年かけて新たな空母のあり方を検討すると突然打ち出していましたが、背景にはエスパー長官の頭にある「空母削減」に対抗すべく、米海軍の対案をまとめる作戦なのかもしれません

ちなみに記事は、艦載航空部隊については現計画の再考を求めていないようで、そのあたりの「こころ」が良くわかりませんが、エスパー長官の考え方は、1月にCSBAが発表したレポートの方向に似ており、空母削減を含む米海軍艦艇議論が盛んになりそうですので、ご紹介しておきます

「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10

20日付Defense-News記事によれば
ford_class3.jpgDefense-Newsが入手した文書は、現在11隻体制の空母を9隻体制にすることを求め、また65隻の有事無人で平時は少数の兵士で運用可能な小型艦艇の導入を計画している。またイージス艦などの大型艦艇については、現在の90隻に近い80隻以上を目指し、小型艦艇を現在よりもかなり多い55-70隻要求すると記している
この文書の内容に関し、国防省報道官はコメントを避け、独自に米海兵隊とのより緊密な連携を目指した戦力構造検討を行っている米海軍幹部は、「国防省内で議論段階にある文章に関してコメントはしない」としている

元米海軍大佐で軍事アナリストのJerry Hendrix氏は、「空母2隻削減案は米海軍に戦力投射の根本的変革を求めるものだ」、「中東やアジア太平洋に常駐している現在の体制に大きな転換を求め、前方展開プレゼンスの考え方から、有事増強モデルへの転換を空母部隊に求めることになる」と見ている
11隻体制を9隻体制にするということは、空母の定期修理や核燃料交換サイクルを考えると、平均して使用可能な空母が6-7隻のみとなる事を意味し、各地域コマンド司令官の作戦構想にも転換を迫るものとなる

Esper.jpg3月にエスパー長官はDefense-Newsのインタビューに答え米海軍のあるべき態勢に強い関心を持っていると語り、国防長官室内のネットアセスメント評価部署に対し、米海軍と共にウォーゲームや分析を行い、小さな海軍に向けての道筋を検討するよう指示したと述べていた
ただし長官は、最終的な決断は、夏に終了する全国防省で行う「new joint war plan」検討の結果も踏まえて行うと述べ、現時点では何も決まっていないと説明していた

エスパー長官は「将来の艦艇部隊に関するこの検討プロセスを経て、あたらな方向性や基礎的考え方を整理する」、「これは水上艦艇部隊にとって大きなgame changer検討となる」、「ただしこれはall-or-nothingの検討ではなく、私もその重要性を十分認識している空母をゼロにする検討ではない。空母は米国のパワーを象徴し、大きな抑止力であり、人々の大きな関心を集めるものだ」と表現していた
一方で国防長官室の文書は、大型艦艇の規模について実質的に凍結を示唆しており、米海軍が進める大型艦艇数削減の動きに慎重である。なお米海軍は、沿岸戦闘艦を現有20隻プラス契約済み15隻体制、これに20隻の次世代フリゲート艦を合わせた55隻をベースとして、追加のフリゲート15隻の計70隻程度を構想している

大きな変化は、エスパー長官がインタビューで焦点に当てていた、平時は少ない人員で運用し、有事厳しい環境下では無人で運用する小型艦艇導入である
Aegis Navy.jpg同長官は「一つのオプションとして、無人でも運用可能で、普段は少人数で運用する小型艦艇の迅速な導入だ」、「状況の推移や艦艇搭載装備に応じ、普段は有人運用をしているが、情勢の変化や作戦環境の変化により、無人運用にして犠牲が大きな負担とならない使用法に転換する」、「これがあるべき方向に向かう道だ。より積極的にこれを進める。迅速に、2030年までに355隻体制に到達する道だと信じている」と表現していた

米海軍は水上戦力の打撃力をより安価に増強するため、攻撃兵器を搭載した一連の無人艦艇導入を検討している。これにより、中国が攻撃すべき目標を増やし、中国の攻撃目標選定を複雑にする効果も狙っている
これに関し米海軍トップのMichael Gilday大将は、「無人艦艇を編成に組み入れなければならないことはわかっている。96発のミサイルしか搭載できない艦艇を2000億円以上かけて建造し続けることは出来ないのだ。敵は猛烈なペースで攻撃能力やプラットフォーム数を増強しているからだ」と述べている。
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最後の米海軍トップの発言は、無人艦艇導入は米海軍も検討している・・・との言い訳の言葉で、根本的に空母は脆弱で、平時におけるグレーゾーンでの使用には「too mauch」だとのエスパー長官の考え方に賛同しているわけではありません

Gilday2.jpg米海軍はこのほかにも、戦略原潜の更新(コロンビア急の導入)、造船・修理施設の維持問題(高価な艦艇ばかりで、毎年購入できず、操船所の人が維持できない。修理費が確保できず、修理も計画的に出来ず、修陸上が維持できない)を抱えており、これらの解決のためにも、小型無人艦艇の建造が求められているようです

コロナ関連で臨時海軍長官まで首になり、リーダーを失った形の米海軍が、コロナ対策で苦しむ中、国防長官主導の海軍改革案検討でどのような姿を見せるのかに注目です

米海軍を巡る動きと議論
「米海軍が半年で空母再検討」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-12
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10
「5年計画で新型大型艦艇設計」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-14
「最新イージス艦にレーザー兵器搭載」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-23
「米海軍トップが軍種予算シェア見直し要求」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-16
「中国巨大艦艇が就航」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-15-1
「米艦艇建造や修理人材ピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-24

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1
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ロシアの衛星攻撃ミサイル発射試験に警戒感 [サイバーと宇宙]

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https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
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ドサクサに紛れロシアが
宇宙関連の2つの研究機関レポートもご紹介

DA-ASAT.jpg15日、米宇宙軍のJohn Raymond司令官は、ロシアが地上打上式衛星攻撃ミサイル(DA-ASAT:direct-ascent anti-satellite)の発射試験を行い低高度軌道衛星を妨害又は破壊する能力を確認したと発表し、その姿勢を非難しました

同司令官は声明で、「ロシアのDA-ASAT試験は、宇宙における米国や同盟国に対する脅威の更なる事例であり、その脅威がますます大きく深刻に現実味を帯びてきていることを示すものだ」、「米国は、侵略を抑止し、米国や同盟国の国益を害する宇宙での行為を防ぐ体制を整えている」と発表しました

更にRaymond大将は、「ロシアは自身に宇宙兵器開発をやめる意図が全く無いにもかかわらず、米国の宇宙能力開発を抑えるため宇宙兵器の軍備管理を呼びかけているが、この実験は、ロシアの宇宙軍備管理呼びかけが、如何に偽善的なものであるかを如実に示している」とロシアの姿勢を厳しく表現しました

以下では、本件を報じる15日付Military.com記事が紹介する、最近発表された2つの米シンクタンクの宇宙兵器競争についてもご紹介します

15日付Military.com記事によれば
DA-ASAT4.jpg司令官の声明に関連し宇宙軍関係者は、2月に2個のロシア衛星(Cosmos 2542 and 2543)が米国の偵察衛星(KH-11)へ接近して不審な行動をとったと指摘し、同司令官はこれを過去にもロシアが行ってきた「普通でない迷惑で危険な行為」と雑誌インタビューで表現している

●また、同司令官はコロナ対処における宇宙軍の重要性についても言及し、「このような危機的状況に際し、地球規模のロジスティック、運輸輸送、通信を担う宇宙システムは、国家や国民の生活にとって必要不可欠なものであり、コロナ対処撲滅の鍵である」と述べ、
●更に、「宇宙活動の安全と安定的運用を全ての関係国家が享受することが、皆の共通の利害であり責任であるはずだ。その宇宙活動は商用、市民活動、安全保障関連を含む全てである」と述べている

CSISとSecure World Foundationのレポート
DA-ASAT2.jpg3月30日にCSISは「Space Threat Assessment 2020」なるレポートを発表し、米露中を含む多くの国が宇宙での次世代技術の実験や打ち上げを始めており、非破壊(non-kinetic)方向に向かう傾向もあると指摘し、GPSに対する通信妨害、なりすましかく乱、更にはレーザー光線による目くらまし、盲目化などへの取り組みが見られるとしている
そしてCSISレポートは、静止軌道にある他の衛星と同じ軌道に入り込み近接する「co-orbital adversary activity」の増加を警告しつつ、各国の能力向上にともない、このような近接行動は増える一方であろうと見ている

SWF(Secure World Foundation)が3月に発表した年次レポート「Global Counterspace Capabilities study」は、悪意あるプレーヤーが精力的に攻撃と防御の両面で能力向上に取り組んでいることを、世界の人々は肝に銘じるべきであると述べ、「ロシアは少なくとも2011年以来、軌道上での衛星攻撃兵器の実験に取り組んでいる」、「複数の国で、膨大な研究開発が、多様な破壊型と非破壊型の宇宙能力獲得に向け行われている」と分析している
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宇宙軍関連の記事が多くなるのは、創設直後の宇宙軍による積極アピールもありますが、地球上での米陸海空海兵隊の活動が、核抑止待機、領空領海保全、全ドメインでの警戒監視活動等の維持程度に成っており、実質的にコロナ対処以外での活動がほとんど停止していることが影響しています

DA-ASAT3.jpgエスパー国防長官が4月14日、米軍兵士やその家族の「不要不急」の移動を当初5月11日まで原則禁止するとしていたが、5月11日以降も延長すると発表し、複数の関係筋は夏ごろまで原則移動禁止が続くだろうと発言している模様です

中東やアフガン派遣兵士が期間延長で現場張り付きが続く中、宇宙軍にはがんばっていただきましょう

「コロナ関連・米国防省の動き」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-19

宇宙関連の記事
「航空機からロケット発射で衛星を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-14
「宇宙軍の最初の攻撃兵器」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-09
「画期的:衛星が推進力衛星とドッキングで延命へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-27
「怪しげなロシア衛星問題提起」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-04
「宇宙Fenceレーダー試験開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-12-1
「同盟国にも宇宙関連訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「再び同高官が指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-26
「米高官が不審な露衛星を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-15

「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

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16年続いた大型爆撃機のグアム駐留CBP終了 [米空軍]

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Dynamic force employment方式へ変更と言うも
大型爆撃機の海外駐留がこれで終了
中国兵器射程内からの撤退か?

Guam elephant.jpg16日、米空軍が2004年から継続していた大型爆撃機のグアム島駐留CBP(continuous bomber presence)を終了し、最後に駐留していた5機のB-52爆撃機が米本土の母機地(Minot基地)に帰還しました

このCPBは軍事力を急速に増強・近代化してきた中国や、挑発的行動を繰り返す北朝鮮などに「にらみ」を効かすため、また地域の地形や施設に完熟したり、地域同盟国との共同訓練の機会を増やすことなどを目的に開始されたもので、中東でも同様の取り組みが行われて来ました

ところが米空軍は、この大型爆撃機の継続的駐留方式を辞め、よくわからない「Dynamic force employment」方式に変更する方向を打ち出し、中東では18年継続した駐留を、2019年3月に当時展開していたB-1爆撃の帰国で終了しています。なお欧州では、特定な場所での継続的な駐留は行われておらず、必要に応じて、必要な場所に展開する形で行われています

Guam elephant4.jpg以下では、グアムでのCBP終了に関する米空軍幹部の発言や新方式「Dynamic force employment」に対する説明部分をご紹介し、併せてまんぐーすの「邪推」でその理由を考えたいと思います

なお、ご紹介する写真はB-52がグアムから撤収する3日前の13日に、米軍航空戦力を印象付けるため当地アンダーセン空軍基地で行われた「elephant walk:航空戦力大行進」の様子で、帰還する5機のB-52の他、同基地所在の6機のKC-135空中給油機、各1機のMH-60S多用途輸送ヘリ、RQ-4無人偵察機、MQ-4米海軍無人海洋偵察機が参加しています

17日付米空軍協会web記事によれば
B-52をグアムに派遣していた米空軍グローバルストライクコマンド(GSC)は声明を出し、「今後も米軍の戦略爆撃機は、選択した時と場所で、アジア太平洋地域で作戦活動を継続する」、「我々は全ての機会を捉え、同盟国などと訓練し、相互運用性を高め、作戦運用面で予測しにくい(operationally unpredictable)共同行動能力を向上させていく」と今回のCBP終了に関しコメントした
Guam elephant3.jpg●またGSCは「Dynamic force employment」方式への移行について、大型爆撃機を米本土の基地に置く一方で、更なる強靭性をもって、海外の多様な場所から作戦を開始する機会を与えるものだ、と説明した

「Dynamic force employment」方式について、Goldfein空軍参謀総長は「大型爆撃機に関する戦域での体制をまさに調整しているところだ」、「新方式は、高価値アセットのアジア太平洋の派遣において、「戦略的には予期可能でも、作戦面では予測困難(strategically predictable, and operationally unpredictable)」な方向を目指すものだ」4月1日に述べ、
GSC司令官であるTimothy Ray大将は、「Task force-size」での爆撃機派遣行動が将来にはより効果的だ、と説明している。また同大将は9月に、少数機での海外派遣要領を訓練し、B-1爆撃機の稼働率や即応態勢を改善して、2020年の太平洋戦域派遣に備えたいと述べている

なお中東では、2019年3月に、当時UAEのアルウデイド基地に展開していたB-1爆撃機が帰国し、18年間継続した爆撃機の駐留派遣は終了した。もちろんその後、イランの脅威に対処するため、一時的にB-52数機を中東に派遣したこともあるが、継続的なローテーション派遣ではない

邪推:Dynamic force employment方式への変更理由
Guam elephant2.jpg貴重な戦力である大型爆撃機を、3-5機も中国の弾道ミサイル射程内に派遣しておくのはリスクが高いし、情勢が緊迫してきてから撤退させては、同盟国に与える印象が悪いので、米本土待機に変更した
老朽化して部品調達も難しくなっているB-1爆撃機の稼働率が、2019年には一時は2割以下に落ち込むなど、戦力を分散しかつ稼動機数を確保する必要があるCBPを維持するのが困難なった。

20年以上続く中東での戦いのため、空軍兵士の海外派遣期間や頻度が高止まりしており、操縦者や兵士の流出に繋がっていることから改善する必要があった。
駐留的派遣CBPを維持するためのコストが高く、予算不足の中で遣り繰りが困難になった
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「邪推」部分はあくまで「まんぐーす」の推測ですが、大きくは外れていないと思います。新方式は「Strategically Predictable, and Operationally Unpredictable」がキーワードのようです

結果論かもしれませんが、米軍のアジア太平洋でのプレゼンスを示すために行われた「elephant walk:航空戦力大行進」は、かえって米軍戦力の中国正面からの撤退を、広く宣伝する結果になったような気がしてなりません

コロナ感染拡大で軍事的な話題が少ない中、南国のさわやかな太陽の下で大型爆撃機が大規模に整列する写真が全世界に発信され、「悪めだち」したような気がします

グアムCBP関連の記事
「アジアへの空軍戦力派遣」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-14
「グアムに大型B全機種勢揃い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-12
「B-2がCBPでグアム展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-18
「CBP受入の常設部隊設置へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-13-1
「爆撃機による外交」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-04

中東でも
「18年継続の爆撃機中東派遣終了」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-30-1
「対イランに中東へB-52短期派遣」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-08

爆撃機ロードマップ
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2

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新START条約存廃に関する米露交渉始まる!? [安全保障全般]

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2021年2月に破棄期限が迫る核兵器管理最後の砦
トランプ大統領は中国を含む3カ国条約へ拡大希望も

New START4.jpg17日、延長合意がなければ2021年2月に破棄になる新STAR条約について、ポンペイオ国務長官とSergey Lavrov ロシア外相との協議が同日行われたと米国務省が明らかにし、ラブロフ露外相は開発中の最新核兵器や超超音速兵器も交渉に含める用意があると語った模様です

新START条約は米露間で2011年2月5日に発効したもので、双方の戦略核弾頭上限を1550発とし、その運搬手段である戦略ミサイルや爆撃機配備数上限を700に制限する条約です。有効期限は10年間で、最大5年の延長を可能とし、条約の履行検証は米露両国政府による相互査察により行うこととなっています

核兵器管理の条約には新STARTとINF全廃条約がありましたが、1987年12月8日に米露が署名し、相互に射程500kmから5500kmの地上発射弾道ミサイルの廃棄と保有禁止を約束するINF全廃条約は、ロシアが条約を履行していないとして、トランプ政権が2019年8月2日に破棄通告しています

New START.jpgINF全廃条約破棄を受け、新START条約が核兵器管理の唯一の枠組みとなったことから、多くの専門家が同条約の延長すべきと主張していますが、トランプ大統領は本条約を「オバマ時代の悪いディールだ」と呼び、新START条約の延長はせず、中国も含めた米中露の3カ国で核兵器管理の合意を追及すべきだと発言しています

これらを踏まえエスパー国防長官もINF条約破棄通告の際、米国は他の核保有国も協議の枠組みに加え、更に条約の対象兵器も拡大すべきだと語っています。そして新STARTから新たな枠組みへの議論に展開しても、軍拡競争にはならないし、米国は欧州と太平洋地域を守るミサイル能力の展開が必要だと述べていました

ちなみにエスパー長官がミサイル防衛に言及したのは、核兵器管理とミサイル防衛議論の切り離しを狙ったもので、新START条約を両国の議会が批准した際、米議会は米ミサイル防衛システム(MD)の開発配備が同条約に規制されないとした一方で、ロシア議会は、MD配備によりロシアの核が不利になり戦力バランスが不均衡になる場合は条約から脱退できるとの付帯条項を含めた経緯を踏まえたものです

経緯の説明が長くなりましたが、4月17日の両国外交トップによる協議の始まり模様の「断片」をご紹介しておきます

17日付Defense-News記事によれば
New START3.jpg17日、ポンペイオ国務長官とラブロフ外相が軍備管理を含む協議を行い、ロシア側は米国が新START条約延長に合意するとの前提で、ロシアが開発中又は保有する最新核兵器や超超音速兵器も同条約の枠組みに含める可能性があることを示唆した模様
米国務省は協議後、米露の戦略安保対話の次のステップをどうするか協議したと表現し、ポンペイオ長官は、将来の軍備管理はトランプ大統領のビジョンである中国を含む3カ国合意でなければならないとの考え方を強調した、と協議内容を説明した

ロシアのプーチン大統領は新START条約の延長を提案しているが、トランプ政権の露中米3カ国取り決め追求については、米露と比較して少ない核兵器しか保有しない中国が、保有核兵器削減を求める可能性のある議論を拒んでいる現実を踏まえ、「非現実的だ」と評価している

ロシアのSergei Ryabkov副外相は17日、ロシアの最新型大陸間弾道弾「Sarmat(開発中)」や、(2019年12月に部隊配備したとロシアが発表した)Avangard超超音速兵器も、延長する新START条約の枠組みに含めて議論することも可能だ語った
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New START2.jpgロシアが発射試験を行い開発中の「Sarmat」(Satan2:RS-28)は、弾頭10-16個搭載し、音速の20倍で飛翔してミサイル防衛網を突破可能といわれる射程11000kmの新型ICVBMで、北極圏経由のみならず、南極経由で米国を攻撃可能とロシアが明らかにして米国を仰天させた新兵器です。ロシア系研究機関が「10発で米国の全国民を殺害する威力がある」との試算を発表しています

一方のAvangard超超音速兵器は、通常弾頭と核弾頭の両方を搭載可能で、大気中を音速の20倍以上で飛翔して敵の探知や迎撃兵器を無効化する兵器で、2019年12月に配備を開始するとプーチン大統領が昨年11月に発表した兵器です

トランプ大統領の3カ国条約構想に勝算があるとは思えませんし、米国の財政も厳しく核兵器の近代化計画が頓挫しそうな状況ですから、とりあえず5年間延長で凌ぐのが上策だと思うのですが・・

新START関連の記事
「Esper新長官アジアへ中距離弾導入と新STARTの運命」
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-04

ロシアの核兵器開発とINF条約関連経緯
「第3の超超音速兵器Zircon」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-21
「トランプが条約離脱発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-1
「露は違反ミサイルを排除せよ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-06
「露を条約に戻すためには・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-20
「ハリス司令官がINF条約破棄要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15

米国核兵器を巡る動向
「ICBMから怒りの撤退」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-27
「次期ICBMのRFP発出」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-18
「今後10年の核関連予算見積が23%増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26
「核兵器輸送がNo2任務」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-11
「ついにINF条約破棄へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-1
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「サイバー時代の核管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02
「リーク版:核態勢見直しNPR」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13
「議会見積:今後30年で140兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1

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航空機を利用した衛星打ち上げ計画OSP-4 [サイバーと宇宙]

航空機にロケットを搭載し小型衛星打ち上げ
今後9年間で20回の打ち上げ計画

LauncherOne.jpg13日付米空軍協会web記事は、バージン航空の系列会社である宇宙関連企業「Virgin Orbit」とその子会社「VOX Space」が、航空機からのロケット発射方式による衛星打ち上げを、2021年10月に開始するための準備を着々と進めていると報じています

この低軌道への衛星打ち上げ事業(宇宙軍のOrbital Services Program-4:OSP-4)には、バージン関係企業だけでなく、「Aevum, Firefly Black, Northrop Grumman, Rocket Lab, SpaceX, United Launch Alliance, and X-Bow Launch Systems」などの複数の企業が参入し、最大の打ち上げ需要を持つ米軍を初めとする民間需要を含め受注を目指すようで、競争原理による価格低下が期待されています

中国やロシアは、米国の衛星を無効化する手法開発に注力しており米国は少数の多機能で高価な衛星に依存する体制から、単機能で安価な多数の衛星による体制への転換を目指しておりこのようなより軽易な打ち上げを方法を確立することで、衛星打ち上げ計画から軌道への投入サイクルを早くすることや、打ち上げ単価を低下させることを狙っています

13日付米空軍協会web記事によれば
LauncherOne2.jpg「Virgin Orbit」とその子会社「VOX Space」は、2021年11月からの3回の打ち上げ(Space Test Program-S28)で、44個の衛星を打ち上げる契約を約40億円弱で受注している。
●同社は、Boeing 747-400旅客機を改良した「Cosmic Girl」との機体の翼の付け根に、「LauncherOne rocket」との全長約22mの打ち上げ用ロケットを装着し、高度35,000フィート上空に達した時点でロケットを分離発射させる方式に取り組んでいる

●同社は、「LauncherOne rocket」の全ての構成品のチェックを終え、間もなく実施予定である、上空の「Cosmic Girl」からデモ発射する準備が整ったと明らかにしている
「Virgin Orbit」CEOのDan Hart氏は、「宇宙の環境がより厳しいものとなる中、宇宙安全保障のために迅速に効率的に対応する能力が不可欠であり、我々の経済的で対応が早い打ち上げシステムは、衛星無効化を狙う敵対国に対抗する意味で、平和に貢献すると信じている」と語った

LauncherOne3.jpgこのような方式による低軌道衛星打ち上げ事業OSP-4は、今後9年間で400ポンド(200kg弱)以上の搭載物の打ち上げを20回計画しており、米宇宙軍はこれにより、従来は計画から打ち上げまで数年(several years)待つ必要があったが、それを2年以内に短縮しようとしている

●4月10日のリリースで米空軍宇宙ミサイルセンターは、「Virgin Orbit」とその子会社「VOX Space」との契約打ち上げでは、米空軍研究所とカナダ国防省の共同事業である「QUEYSSAT」との実験衛星が含まれていると明らかにし、「quantum channel(小規模チャネル)を活用した quantum network(小さなネットワーク)コンセプトの改良と量的拡大を実証したい」、「宇宙状況把握の能力向上に貢献したい」としている
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官民の打ち上げ需要の拡大を受け、様々な企業が打ち上げビジネスに参入し始めて競争が生まれ、その能力を安全保障関連打ち上げでも活用しようとの動きをご紹介しました

「LauncherOne rocket」は全長約22mで約28トンのロケットの様ですが、一回の打ち上げ能力400ポンド(200kg弱)以上とか、44個の衛星を打ち上げとか、9年間で20回の打ち上げとか、これらの関係がこの和訳で正しいのか自信がありません

LauncherOne4.jpgquantum channelとquantum networkの意味を正確に把握しておらず、GPS電波が活用しにくい宇宙で時刻・位置等を提供するquantumセンサーとの関係も気にしながら、「小さな」ととりあえず訳しています

小規模な衛星を、短い準備期間で、安価に打ち上げる手段の開発と理解すればよいのでは・・・と考えています。多数の企業が参加している点が魅力的ですね

鮮やかな色合いの「Cosmic Girl」による打ち上げ成功に期待しましょう

宇宙関連の記事
「宇宙軍の最初の攻撃兵器」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-09
「画期的:衛星が推進力衛星とドッキングで延命へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-27
「怪しげなロシア衛星問題提起」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-04
「宇宙Fenceレーダー試験開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-12-1
「同盟国にも宇宙関連訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「再び同高官が指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-26
「米高官が不審な露衛星を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-15

「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

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米国防省がコロナ関連の中露の情報操作を語る [安全保障全般]

中露担当の2名の次官補代理がコロナ情報戦の現状を
中国はコロナ責任転嫁を休戦し軍は協力姿勢に!?

disinfo COVID6.jpg9日、国防省報道官室主催でロシア・中国・欧州の地域担当国防次官補代理3名がTV討論を行い、コロナウイルスに関する中露による情報戦の状況を紹介し、ロシアが最も強烈で「手を洗っても効果がない」等の誤情報をばら撒くなど卑劣な一方で、中国は米国に責任転嫁しようとしたものの、その後は大人しく、むしろ米軍と協力する姿勢を見せつつあると語りました

中国の変わり身の早さや、日本を始め関係国に支援物資や人員を盛んに派遣していることについては吐き気が止まりませんが、ロシアよりは良いとの指摘は興味深く、反面で手段を選ばないロシアの冷酷さや非道さが浮き彫りになっているようです

日本では、お笑い芸人やアナウンサーが偉そうに立ち回り、好き勝手な見方を撒き散らしていて嘔吐しそうな気分の毎日ですが、彼らの姿に隠れて中露の状況が報道されていませんので、彼らの得意分野とする安価で手軽で影でコソコソ実行しやすいSNSや電子媒体を活用した情報戦の事例を学んでおきましょう

10日付Military.com記事によれば
disinfo COVID.jpg米国防省のCarla Gleason報道官が進行する形で、3名の地域担当次官補代理がコロナウイルスに関する中国やロシアの情報戦について語り、常日頃から中露が発している米国民を対象とした誤情報をモニターしているが、コロナとの戦いでも、根本的に中露の活動に違いは見られないと、その卑劣さを語った
中国は一時、同ウイルスが米国から持ち込まれたとの情報流布に努めたが、ロシアは、それ以上にウイルスに関する誤情報を大量に撒き散らしており、米国の公衆衛生当局による努力を無効にし、米当局に対す不信感をあおろうとしている、と担当の各次官補は説明した。

ロシア担当のLaura Cooper女史はロシアの行為を具体的に、「各国政府や保健当局が懸命に呼びかている感染防止策を混乱させて効力を弱め、世界の保健衛生状態を危機にさらす行動だ」と非難し、3月末に流布された「手洗いに効果はない」との複数の発信を指摘した
●そして1月初旬からその兆候が見られ、「複数のロシア政府系メディアが、米国の巨大製薬会社が自らの利益のために未知のウイルスの恐怖と噂を撒き散らし始めた」と説明し、米国の衛生当局の発する情報の信頼性低下を図るロシアの動きだと同女史は非難した

更にロシアは3月中旬に入って、イタリアではコロナの大量感染は発生しておらず、普通のインフルエンザによる死者や患者が混同されて大げさな数字が報じられている等の誤情報まで複数のチャネルで発信していたとも説明した

disinfo COVID5.jpg中国担当のChad Sbragia次官補代理は、中国政府がコロナウイルスを中国に持ち込んだのは米陸軍兵士で、ウイルス兵器だとの噂を流布させた件を指摘し、1月の段階から米国責任説を中国系メディアが発信していたと説明した
●ロシア担当次官補も、「ロシアやイランからも、米国が意図的にウイルスを流布させたとする米国起源説を、米国の一般大衆に流布している」と説明した

ただし中国担当次官補は、「この中国の主張は、米中の軍事協力関係を対立構図に一変させてしまう極めて残念な言いがかりであり、我々は中国が誤った解釈を正すように意思疎通を図った」と経緯を説明し、結果として中国政府が態度を改めるのは早かったと振り返った
●そして「それ以来、中国側は彼らの主張から引き下がり、そのような権威主義的な主張やコメントを聞かなくなった」、「最近の中国外務省の声明では、ウイルスの起源に関する公式な立場を明確にせず、時間を掛けた科学界の分析にゆだねる、との立場になっている」と現状を説明した

●これら各国からの誤情報に対処するため、まず中露を含む全ての国に対し、誤情報を流布させることを止めるよう、またそのような組織を取り締まるように働きかけているとロシア担当次官補は述べた。
disinfo COVID2.jpg●一方で、これら膨大な全ての誤情報に対し、もぐら叩きのように対応することは不可能であり、このような誤情報に惑わされないよう、国民に正しい情報を伝えることに焦点を当てているとも説明した

●ロシア担当次官補はまた、「組織の透明性を大切にしている。多くのブリーフィングや資料の提供により、米国政府が一丸となって透明性高く活動状況を発信することに努めており、これこそが誤情報や情報戦に対処する最も重要な基本姿勢だと考えている」と述べた
●中国担当次官補も同様の意見だと述べ、「中国から発信される誤情報に振り回されて立ち止まるのではなく、我々が守ろうとしている世界システムの団結や力を打ち出して対応することが大事だ」と表現し、中国軍がコロナ対応で米軍との協力の方向に踏み出しつつあるとも述べた
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中国が「米国起源説」を早々に引っ込めたのであれば結構なことですが、米国も極めて厳しい状況にありますから、風向きを見て、「科学界」を巻き込んで「米国起源説」を大発信するかも知れませんねぇ

disinfo COVID4.jpgそれにしても、「透明性の確保」とか、「もぐら叩きでは対処できない」とか、「我々の社会システムの力」だとか、中露からの情報戦に米側担当部署が疲弊し、国内世論との板ばさみで呆然と立ちすくんでいるようにも聞こえます

このような危機に、卑劣な手段を遠慮なく繰り出す中国やロシアを断固として許すわけには行かないわけで、日本の出鱈目なタレントコメンテーターなどは無視し、より広い視点でどっしり構えていたいものです

情報管理と情報戦
「海兵隊が艦艇にサイバーチームを」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-08
「ドキュメント誘導工作」を読む→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-22-1
「国防省5カ年計画を非公開要望」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-31
「ハイブリッド情報戦に備えて」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-05
「中国を欺瞞でだまそう」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-21
「対ロシア情報戦に国家として」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-03-24

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米海兵隊改編の柱MLRの最初の部隊を日本に [Joint・統合参謀本部]

3月23日発表の新構想について少し語る

Berger.jpg1日、米海兵隊のDavid Berger司令官が記者団に、3月23日発表の2030年の海兵隊像を描いた15ページの構想「Force Design 2030」について語り、構想の柱の一つである米海軍と連携して制海や海洋阻止任務を行う新部隊「MLR:Marine littoral regiment」3つに関し、最初の部隊を日本に配備すると語りました

3月23日に米海兵隊が発表した「Force Design 2030」構想の概要は以下の記事でご紹介しましたが
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25

対中国を強く意識した2030年の海兵隊の姿を描き、戦車部隊の廃止、歩兵部隊や回転翼部隊の削減、総兵数の削減、ロケット部隊や対艦部隊や無人システムの増加や電子戦の強化などを柱に、小規模だが軽快な部隊に再編し、海軍と連携し制海に力点を置く方向性を追及するものとなっています

上記記事の中では「MLR」について、以下のように説明
MLR.jpg米海兵隊は新たに、3つの「MLR」を編成し、海洋阻止や制海任務を遂行できるような装備を保有させ、「太平洋地域に配備する」
●「Marine expeditionary unit」は、海軍艦艇で機動展開し、上記3つの「MLR」を増強する形で支援する

まだまだ「MLR」の細部については固まっていないようですが、今後更にウォーゲーム等を繰り返して編成を固め、段階的に部隊装備や機能を充実させる「phased approach」を執ると語ったようです。 以下では、1日の記者会見で同司令官が日本に最初に配備する語った「MLR」関連部分をご紹介します

2日付Military.com記事によれば
MLR2.jpg米海兵隊が新たに3部隊編成する予定の「MLR:Marine littoral regiment」は、最新兵器が飛び交い・強固に防御され・激しい戦いが予期される「contested maritime spaces」を想定して設計される
米海兵隊は2020年中に、MLR部隊編成計画の細部を練るが、3つ編成する予定のMLRの最初の部隊は日本に配備する

我々はこれにまでに実施したウォーゲームやモデル分析の結果等から、有事にはMLRが「III Marine Expeditionary Force」の援軍を得て作戦する考え方が良いと確信している
3月23日発表の構想では、MLRは従来海兵隊が行ってきた任務からはなれ、海洋阻止や制海任務(sea denial and control)を遂行するよう編成・装備・訓練が行われることとなっている

MLRの具体的編成を考えるための実験演習を昨年行い、例えば、「Multiple Launch Rocket System」を備えた部隊が、どのように敵目標情報を入手し、また攻撃後に敵から反撃されないよう、どのように再機動(displace)するか等を検討しているところである
MLRS2.jpg我々はこれからもこのような試みを続け、MLRがどのような編成でどのような装備を保有すべきか最善の道を見つけていく

ただし、機動展開を機敏に行うことがMLRの大前提なので、大規模で重たい部隊を編成することは出来ない。引き続き様々な実験や検証を行っている段階なので、何時、どのような編成でMLRを立ち上げるか等の細部には言及できないが、段階的な部隊整備方式(phased approach)で行いたい考えている
●いずれにしても、この構想における戦いのパートナーとなる米海軍と考え方をしっかりと共有できるように、ウォーゲームや実験演習や議論を通じて構想を固めていく
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米海軍は、空母ルーズベルトで集団発生しているコロナ感染に関し、窮状を米海軍多方面に指揮系統を超えてレターで訴えた艦長を24時間以内に更迭し、様々な波紋を巻き起こしています。

そして、艦長更迭から1週間後の7日に、海軍長官も辞任(事実上の更迭)し、今度は艦長の復帰まで案として浮上している混乱振りです

「空母艦長を更迭し批判した海軍長官も辞任」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-27

海軍艦艇や潜水艦の構造上、艦船の広がりを避けることは難しく、当面、米海軍に新たな取り組みは難しそうですが、屈強な海兵隊の変革の動きは勢いを増しそうです

最初のMLRは沖縄に配備されるのでしょうか? それはそれで、厳しい地元調整が求められるのでしょう

「Force Design 2030」の現物(15ページ)
https://www.hqmc.marines.mil/Portals/142/Docs/CMC38%20Force%20Design%202030%20Report%20Phase%20I%20and%20II.pdf?ver=2020-03-26-121328-460

米海兵隊の変革関連
「Force Design 2030構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
「2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06

太平洋地域で地上部隊に期待
「南シナ海で航行の自由作戦活発化?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-06
「海洋プレッシャー戦略に唖然」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-13
「射程1000㎞の砲を真剣検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

「対中国で米軍配置再検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-16-1
「RIMPACで日米陸軍が訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21

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