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インド空軍機種選定に特別仕様F-16で挑む [安全保障全般]

かつて戦闘機946機の476機を事故で失ったインド空軍
2007年頃から機種選定で迷走中
4世代機はまだまだ世界で人気です
パキスタンとゴタゴタの中で・・

Indian Air Force.jpg21日付Military.comが、インド空軍による114機調達予定の戦闘機機種選定に挑むロッキード社の特別仕様F-16を取り上げ、同社の宣伝映像と共に紹介しています、

ライセンス生産を念頭に置くインド空軍の意向を受け、インド企業の「Tata Advanced Systems」との共同体制で案を練っているようですが、これまでほとんど細部が明らかになっておらず、一部のマニアや専門家の関心が高まっていたところでした

ただ、今回ご紹介する記事も約90秒の宣伝映像から懸命に読み取った内容で、細部のほどは依然として「?」ですが、機体の目指す方向性やインド空軍の要求事項が垣間見えますので、戦闘機ファンの皆様にご紹介しておきます

余談ですが、26日にパキスタンとの争いで、撃墜された(墜落した?)らしいインド軍機はMig-21だそうです。まだ飛んでいるとは・・・

まずインド空軍の戦闘機は・・・
Indian Air Force2.jpg●2002年から導入が開始されたライセンス生産のSu-30MKI戦闘機254機が主力であるが、旧式のMiG-21、MiG-29B、ミラージュ2000をまだ多く保有していることから、2000年代半ばから多目的戦闘機130機程度の調達選定に入っている。しかし紆余曲折でまだ機種が決まっていない
●余談であるが、インド空軍は1964年以来、初期の主力戦闘機であったMIg-21を946機調達したが、そのうち476機を事故で失うという恐ろしいまでの事故率を記録した空軍である

2007年頃の候補機は、F-16、FA-18、Su-30MKI、Mig-35、グリペン、ラファール、ユーロファイターであり、2011年からラファールに絞って交渉を開始も、ライセンス生産交渉でもめ、36機を輸入して打ち切られた
インドはロシアと共同で、5世代機の触れ込みのSu-57開発に資金協力しているが、開発は順調でなく、同じくライセンス問題もあり、調達対象となるには至っていない

●ラファール導入が不調に終わった後、2016年からは、ライセンス生産を念頭に約150機を調達する機種選定に仕切り直しで入っており、ロイター報道によれば、F-16、FA-18、グリペン、ラファール、ユーロファイター、Su-57が対象になっている模様

ロッキード公開のF-21映像


21日付Military.com記事によれば
●ロッキード社がインド空軍用に特別仕様で提案しようとしている「F-21」との名称のF-16発展型は、一言でいえば、「Stocky, but agile 多数の弾薬を搭載可能だが機敏に動ける」戦闘機と言えるかもしれない
●20日にインドで公開された「F-21」の映像などによると、同じくロッキード製のF-22やF-35の最新技術を取り入れたF-16改良版で、インド空軍の将来航空戦力を深化させる可能性を秘めている

Indian Air Force3.jpg●依然として細部は不明な部分が多いが、イメージ映像が公開されるとSNS上では専門家やマニアの間で、AMRAAM搭載量が3倍(一つのパイロンに3発)になっていることや、空中給油装置が特別製の格納可能タイプになっていることが指摘されている
●ロッキードのJohn Losinger報道官は映像発表に際し、「インド空軍の当別や要求事項を満たすため、いくつかの特別仕様を施している」、「空中給油装置やタッチパネル式の大型コックピットディスプレイなどで、ディスプレイはF-35の同形式である」と説明している

●同報道官はそれ以上の細部に機種選定中であることから言及しなかったが、現時点では「F-21をインド以外に提供する計画はない」と述べ、インド特別仕様だと表現した
●2018年7月、インド企業の「Tata Advanced Systems」との協力体制確立が発表され、総額1兆7000億円ともいわれるプロジェクト獲得に向けた動きをロッキードは加速させた
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Indian Air Force4.jpgなお、第5世代機が話題の中になっても、このF-16シリーズは引き続き根強い引き合いがあり、2018年1月にも最新型であるF-16V Block 70をバーレーンが16機購入することが発表されています

何度も頓挫を経験しているインド空軍の機種選定が、今回は結論を得て戦力化されるのか気になるところですが、ロシアも含めた世界中の全ての戦闘機を対象とするような機種選定で、さぞやインド担当の方は大変かと思いますが、

累計で4500機以上が製造され、2018年7月時点でも、F-16は世界25か国で合計約3000機が運用され、今後新たに200機を製造するため、2030年頃まで生産ラインを維持することになる予定だそうです。第4世代機で十分だと思います・・・

F-16関連の記事
「F-16生産拠点移設であと200機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-3
「サンダバードF-16も延命改修&後継機種はF-35?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26-1
「米軍F-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「米空軍がF-15と16の延命検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25
「F-16の延命措置300機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-31-1

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