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米海軍幹部:極超音速兵器は2025年水上艦艇配備 [Joint・統合参謀本部]

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Zumwalt級やバージニア級攻撃原潜に搭載へ
Constellation級フリゲートや海洋版トマホークなども
改良版Naval Strike Missileやローテーション変更など

Zumwalt4.jpg22日、米海軍のRoy Kitchener艦隊司令官が記者団に水上艦艇の能力向上計画について語り、なかなか戦力化できないZumwalt級ステルス駆逐艦の当面の計画や、新型兵器の水上艦艇への導入状況などについて言及しました

現在の米海軍は、米海軍トップのGilday大将が「何をやってもダメな米海軍」と各方面から揶揄されていることを自虐的に認めるほどの状態にあり、例えば装備品開発では、フォード級空母、沿岸戦闘艦LCS、Zumwalt級駆逐艦(たった3隻で終了)などが「死屍累々」状態にあるほか、虎の子のF-35搭載改修強襲揚陸艦を火災で損失(おそらく放火)、複数の艦艇衝突事故、港湾役務業者との癒着ワイロ事案などなど、明るい話題がありません

tomahawk3.jpgまた、艦艇修理施設の能力低下や関連予算不足から、空母や艦艇修理の75%が遅延状態にあるなど、一朝一夕に回復が難しい重い課題も抱えており、米軍の中で最も懸念される軍種と言っても過言ではありません

最近重要性が強調される無人システム開発関連でも、無人機雷探知対処システムRMMV(Remote Multi-Mission Vehicle)が、800億円規模の投資を行いながら「爆発物を探知できない」との理由で2016年に計画中止となり、2021年3月発表の「無人システム活用構想:Unmanned Campaign Plan」が「内容がない、空虚だ」等と酷評されるなど、「何をやってもダメな米海軍」との表現が定着しつつある残念な状況にあります

そんな中ですが、2022年度予算案を説明するため、様々な将来構想や計画のアピールが各軍種幹部から行われており、その一環としての記者会見から、米海軍水上艦艇の方向性概要を垣間見たいと思います

22日付Defense-News記事によれば同司令官は
Kitchener2.JPG2016年に就航したZumwalt級駆逐艦の1番艦Zumwalt級は、訓練や装備品装着等を経て、来年にはRIMPACやValiant Shield等の大規模演習参加を計画しており、その訓練内容について海軍首脳と協議している
Zumwalt級の大きな目玉兵器となる極超音速兵器については、共同開発中の米陸軍が2023年の地上配備を目指しているが、海軍艦艇への発射機の搭載や種々の確認訓練には更なる時間が必要で、バージニア級攻撃原潜への搭載も含め2025年頃になろう

なおCPS(conventional prompt strike)ミサイルとも呼ばれる極超音速兵器搭載のための艦艇改修は、2025年前後に開始される
従来のイージス艦等は空母と同じく36か月間を一つのサイクルとし、訓練、実任務、待機、艦艇修理を実施してきたが、Zumwalt級については24か月間ローテーションで回すことを考えている

Constellation.jpgZumwalt級以外の水上艦艇を含めた取り組みとしては、本格紛争に備えた訓練の高度化を図っており、南シナ海や北大西洋を想定した、より複雑な艦隊連携や敵脅威を想定した内容になってきている
また、これら長射程兵器を有効活用するため、より遠方でより正確な攻撃目標に関するターゲティング情報を提供する検討も行っており、特に強い要望がある第7艦隊と共に、無人機の活用やネットワークの充実を図ろうとしている

Kitchener.jpg(新たなセンサーや兵器や電子戦装備について細部には言及しなかったが、)米海軍トップのMike Gilday大将も同週に別の場で、極超音速兵器が導入される2025年以前にも、沿岸戦闘艦に導入済のNaval Strike Missileや、導入を進めている対潜装備や電子戦装備による作戦能力向上を進めていると説明している
また、Constellation級フリゲート艦導入や海洋版トマホーク巡航ミサイルも、極超音速兵器導入の2025年以前に戦力向上につながるとGilday大将は説明している
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極超音速兵器は時間がかかりますねぇ・・・。

米海軍の説明内容は、従来型戦力強化の延長で、中国の飽和ミサイル攻撃に対処可能とはとても思えません。本当であれば無人艦艇や無人機や無人水中艦艇を多数使用した作戦構想が欲しいところですが・・・

米軍の極超音速兵器開発
「豪州とも協力」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-01
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