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拒否戦略対応の着上陸大演習開始 [Air-Sea Battle Concept]

過去10年で最大:統合で多国籍の着上陸演習

amphibious assault1.jpg米海軍と海兵隊は、米東海岸で1月30日から2月12日までの間、過去10年で最大の共同着上陸演習Bold Alligator12を行っています。
中程度の脅威下での拒否戦略対処を想定して海兵旅団が急襲着上陸を行う演習で、「湾岸地域を想定した演習では」との質問が記者から出たような設定になっています。もちろん両軍の首脳は「対イラン想定ではない」と説明しつつ、「シナリオに最近の一般的な状況を反映させている」と記者に回答しています

演習には空軍は参加していませんが、拒否戦略対処を念頭に置いたAir-Sea Battle実験演習の性格も帯びています。両軍首脳は、2月末までに本演習の教訓を整理して諸計画やコンセプト作成に反映させると述べています。

主要な参加部隊は・・
エンタープライズ空母機動部隊や第2遠征攻撃群等
●海兵隊第2遠征旅団やIwo Jima即応着上陸群
●米海軍遠征戦闘コマンド

仮想的の脅威想定とは・・
●中程度の敵戦力を想定する。つまり中規模の軍で中程度の能力を保有し、陸上や海上から我の接近を拒否し上陸を阻止しようとする相手である。
地対艦巡航ミサイルや多数の小型船舶による攻撃、更に識別の困難な非対称脅威を想定する

amphibious assault.jpg演習のハイライトは3つ
●ノースカロライナ州でのamphibious assault演習
●バージニア州でのaerial assault演習
●フロリダ州でのamphibious raid演習

他国からの参加やオブザーバーは
●豪、カナダ、フランス、イタリア、オランダ、ニュージーランド、スペイン、英国
●細部は不明ながら、海、陸、航空戦力の参加又はオブザーバー参加

海軍代表のハーベイ大将(John C. Harvey Jr)は
AdmHarvey.jpg●着上陸部隊は、海上戦力プロジェクションにおける極めて重要な部門であり、我の戦力が限られた場面で活躍が期待されている。従って我々の支援任務も優先度が高
なぜならこの作戦は費用対効果が高く、多様な分野での目的達成が可能だからである
●海軍にとっては、海兵隊が着上陸に際しどのような位置取りでどのような行動を行うかを学ぶ機会である。一方海兵隊にとっては、海軍がどのような位置で作戦して海兵隊を支援するか等を学ぶ絶好の機会である

海兵隊のHejlik中将(Dennis J. Hejlik)は
HejlikLG.jpg●現在の国際情勢下、海軍と海兵隊は引き続き、相当な規模の陸上部隊を必要な地域に接近させ、送り込み、沿岸地域を確保できる態勢でなければならない
●我々はこのような作戦を実施出来るよう求められており、通常行動単位であるユニットレベル以上の旅団レベルで可能な体制でなければならない
●演習参加部隊が直面する状況の中で複数の任務にどう対応するか、特に限られた戦力をどう分配して使用するかを各指揮官の問うことになろう
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10年ぶりと言うことは、911事案以降、海軍と海兵隊は本格的な海からの侵攻を訓練していなかったと言うことになります。
10年前に少尉で入隊した士官が、そろそろ少佐になる頃ですが、アフガンやイラクでの活動で育った彼らに海から進出のイロハを教える演習でしょう。だから中程度の脅威なのでしょうか。
船酔いの克服から入るんでしょう・・・

中程度の脅威でもかなりの教訓が得られると思うので、早く空軍とAir-Sea Battleをまとめて欲しいと思います。

「ASBattleを議会に報告せよ!」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-07
「ASBattle検討室はよい話?」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10-1
「Air-Sea Battleに波風の年」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-04

「1/2米中衝突シナリオを基礎に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28
「2/2米中衝突シナリオを基礎に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-1

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(2/2)米中衝突シナリオを基礎に [Air-Sea Battle Concept]

F-35first-eglin2.JPG中国の空母や戦闘機開発等、ここ最近は本質的な「脅威の変化」や「戦いの変化」から目をそらす事象が多数発生し、本当に考え真剣に取り組む必要のある課題に目が向きませんでした。

特に年末のF-35購入決定は、まさに奈落の底に突き進む暴走列車を加速し、大東亜戦争時の大本営を思い起こさせます。

「石破茂・元防衛大臣の怒り」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-24

CSBA2ndjasbc.jpg年始に当たり、もう一度日本が置かれている戦略的環境を見つめ直すため取り上げるのが2010年5月にシンクタンクCSBAが発表したレポートAirSea Battle: A Point of Departure Operational Concept」です(説明スライドも)。

本レポートは、最近停滞気味のAir-Sea Battle(ASB)を提唱したモノですが、本レポートが分かりやすく描写した中国軍の予想行動は、脅威認識として米国防政策や各軍種の装備品開発や調達の基礎を成す一貫したモノとなっています。

「Air-Sea Battleの状況」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
その他、その2~6、番外編など

2回目の本日は、前回紹介した中国による接近拒否体制確立を防ぐため、CSBAのレポートが推薦する米軍と同盟国(日本が一番重要)の戦い方をご紹介します。

A2AD阻止の鍵「盲目化」作戦
PLA.jpg中国は、接近する敵を遠方で発見・識別・攻撃することで拒否戦略を成立させており、ISRシステムが中国のアキレス腱となる。逆に、米国にとってもISRが重要であり同時に弱点であるから、双方が相手を「盲目化」させる事を追求する。
●一朝有事に相手を盲目化させるための「偵察競争」は既に平時から始まっている。サイバー、宇宙、水中領域においても同様である。

●中国を盲目化することにより、中国の攻撃精度・能力が低下し、更に戦果確認能力も低下することから中国は余分な弾道ミサイルの使用を余儀なくされる。特に水上目標の位置評定は中国にとって難しい課題であり、盲目化は我への脅威減殺に重要である。
●米側にとって盲目化の重要目標は中国の宇宙関連システムである。中国の軌道上アセットへの攻撃や中国の衛星攻撃能力の破壊が重要である。

●宇宙目標以外では、中国の長距離攻撃を可能にする陸上設置の海洋監視OTHレーダーやISR関連中継施設が重要攻撃目標になる。
●また、中国軍が導入を計画している高々度長期在空無人機は宇宙アセットのISR能力を補完する装備として注意が必要である。

中国の弾道ミサイル対応
DF-21-1.jpg●盲目化で既に触れた対処以外では、空海軍のステルス長距離攻撃機と潜水艦発射兵器で中国防空システムを攻撃し、スタンドオフ電子攻撃兵器で弱体化させ、通過可能なコリドーを切り開いて弾道ミサイル攻撃パッケージを投入が鍵となる。
●この際、スタンドオフ兵器で固定ミサイルを攻撃し、有人無人の長期在空ステルス機で移動目標を破壊する。

中国海軍への対応
●情勢が緊迫し中国の先制攻撃の可能性が高まった時点で、日本にある海軍イージス艦は事前指定のBMD配備に就き、空母は中国の脅威レンジ以遠に移動する。
潜水艦は前進配備し、同盟国の潜水艦とASW(対潜水艦作戦)を第1列島線内で実施。巡航ミサイル潜水艦や攻撃潜水艦、同盟国潜水艦は大陸沿岸エリアでISRや攻撃(SEAD)任務に備える。
●紛争開始後、友軍潜水艦群の総合能力を考えれば、あまり中国艦艇への攻撃は期待出来ない。そこでASBでは航空機による艦艇攻撃に依存する。

●防空システムが強固な艦艇には空中発射巡航ミサイルが必要だが、中国艦艇自身の対空防御力は限定的であるため安価な兵器で対応できる。米海軍の航空攻撃アセットは、開発中の無人艦載機ステルス機N-UCASを除き足が短く空軍の戦闘機やUAVは、搭載量が少なく他の任務もある
●そこで、対空脅威がない前提で、在空時間が長く武器搭載量が多い空軍爆撃機に対応させる手法もある

中国潜水艦への対応
ChinaSB.jpg●まず第一列島線の東側の中国潜水艦排除に努める。次に、米と同盟国による「琉球バリア(第一列島線のラインをイメージ)」を通過する中国潜水艦を捕捉して対処する。
中国潜水艦は長期活動能力が低いため、母基地へ頻繁に帰投する必要があることからこの作戦が有効であろう。
●なおこの琉球バリア形成には、海上自衛隊の対潜水艦作戦能力が極めて重要な役割を担う。また米空軍ステルス爆撃機による潜水艦基地周辺への機雷投下や攻撃も有効。その他、水中無人システムとして開発中のUUVや移動型機雷なども有効

戦闘空域での航空優勢の確保
嘉手納、グアム、マリアナ諸島の米空軍基地や自衛隊の基地に被害が出た場合、東日本の基地へ米空軍戦闘機とミサイル防衛部隊の増強を送り込み、中国軍対処を支援する。これにより日本国内の目標防護と日本の防衛意志を強固にする
●米戦闘機等を早期に日本に増強すれば、それだけ中国側の損耗を増加でき、日米のBMD用ミサイルを防空に使用せずミサイル防衛に使用できる。

西日本から琉球列島にかけては、特に中国の弾道ミサイルや航空攻撃を受け脆弱なので、米日の大部分の戦闘機等は東日本から長距離運用を行う。
ChinaAF.jpg●航空優勢を東シナ海から琉球列島まで拡大し、琉球列島にある幾つかの滑走路を使用できれば、中国軍機を損耗させ、我のISRアセットの運用が容易になる。
●航空優勢拡大により、我の海上戦力による地上目標攻撃や突破型作戦の支援も容易になる。

その他のアセットや抗たん化
●確実な我の攻撃戦果確認や追加攻撃のため、ステルス長距離ISR攻撃機は高価であるが有効であり、また中国に対応策のための出費を強要する意味でも重要である。
テニアン、サイパン、パラオの空港施設は改造すべき。陸海空軍が合同で定期的にBMD訓練を実施すべきであり、日本との訓練も増やすべきであろう。

陸軍や海兵隊の役割
●地理的環境からも能力上も、米国は中国大陸で大規模な陸上作戦を行う意図はなく西太平洋地域は主に空軍と海軍の活動する戦域である
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2回に渡ってご紹介したCSBAの本レポートに関し、その信頼性を下げているのが、同レポートの航空優勢確保に関する具体的提案、つまり「日本の第4世代戦闘機を増やし、5世代戦闘機を提供する」の部分(今回は未紹介の部分)です。

CSBA LRS UCAS.JPG少なからず心ある者は「これだけ丁寧にかつ正直に各種ミサイルの脅威を認識していながら、脆弱な飛行場と多くの関連システムに依存する戦闘機への投資を日本に迫るのか」との純粋な疑問を持っています。

そしてまんぐーすの認識は・・・「この部分は軍需産業から資金を得ているシンクタンク特有の筆滑りだな」です。もちろん著名な研究者の皆様は、政府との関係もあり正面切って多くを語りませんが・・・。

日本自身がもう一度再考し、現在の方向性を大幅に見直すべきと考えます。レポートが描く将来戦の様相が完璧なモノでなくても、2回にわたってご紹介したシナリオは、納得できる情勢認識の上に立った分析に成っていると思うからです。
専守防衛、戦闘機重視、予算シェアの黄金律、正規戦のみの防衛論議、サイバーや宇宙を巡る縦割り行政等々・・・大いに再考すべきと考えます。(まんぐーすも思案中です)

明日は番外編として、CSBAのレポートが描いた「シナリオ」が米国の国防政策とリンクしている様子を垣間見たいと思います。

「1/2米中衝突シナリオを基礎に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28
「補足米中衝突シナリオを基礎に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-2

「どんな兵器:Anti-Access対応」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-04
「序論:長距離攻撃システム構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-25
「米無人機の再勉強」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-05
「米海軍航空戦力の将来・後編」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-27

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(1/2)米中衝突シナリオを基礎に [Air-Sea Battle Concept]

迎春 2012年 元旦

F-35stealth.jpg中国のF-20戦闘機や中国空母など、ここ一年は本質的な「脅威の変化」や「戦いの変化」から目を反らすような事象が多数発生し、日本国内の議論もマスコミ受けするセンセーショナルな話題が先行しました。

そのため、本当に考え真剣に取り組む必要のある「脅威の変化」や「戦いの変化」に目が向きませんでした。
小手先の文言「機動的防衛力」でお茶を濁した中身のない「防衛計画の大綱」や「中期防」が決定され、だめ押しは年末のF-35購入決定でした
これらの動きは、まさに奈落の底に突き進む暴走列車(大東亜戦争時の大本営もさぞかし・・・)を思い起こさせます。

「石破茂・元防衛大臣の怒り」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-24

年始に当たりもう一度、日本が置かれている戦略的環境を見つめ直し、いささかでも暴走列車を止める仲間を増やすべく、米国の西太平洋地域における対中国の軍事情勢認識を振り返りたいと考える次第です。米国の考えがすべて正しいとは思いませんが、多くの専門家が力を注いで分析に取り組んでいることは厳然たる事実です。

CSBA2ndjasbc.jpg2回連続の長い記事で取り上げるのは、2010年5月にシンクタンクCSBAが発表したレポートAirSea Battle: A Point of Departure Operational Concept」です(説明スライドも)。

タイトルが示すように、本レポートはAir-Sea Battle(ASB)を提唱したモノです。確かに最近、ASBは予算削減や海空軍の対立で動きが停滞気味ですが、本レポートが分かりやすく描写した中国軍の予想行動は、脅威認識として、今では米国防政策や各軍種の装備品開発や調達を司る一貫した基礎を成しています。

「Air-Sea Battleの状況」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
その他、その2~6、番外編など

本レポートについては、既に10本近くの記事で紹介していますが、ここに再びその内容を再整理して2回に渡ってご紹介し、日本の防衛を憂慮する心ある皆様の判断に供したいと思います。

中国正面の米軍の状況
DF-21-1.jpg中国正面の米軍の特徴は、防御が弱い同盟国の基地や防御が不十分な少数の前方展開基地に依存している点である。これらの基地は全て中国兵器の射程内にある後方補給面では、米本土から遠く、かつグアム島など少数の補給施設に依存する難しい環境に置かれている。
反面中国は、例えば膨大な飛行場と弾道ミサイルを移動できる広大な国土を持っている。
●よって、湾岸戦争に代表される米軍の過去のパワープロジェクションの前提であった、危機に際して迅速に必要な戦力を前方展開基地に展開し、近傍に兵站補給のための兵站の聖域(攻撃を受けない地域)を設置することができない

中国の戦い方
cyberwar.jpg中国の軍事論文や最近の中国軍研究によると、中国の接近拒否能力は、米軍が当然のように享受してきた従来のパワープロジェクションを無効化する。紛争時中国は、大規模な先制攻撃により短時間で米軍の基盤となる基地や部隊、指揮統制ネットワーク、補給ルートに大きな被害を与えることを狙っている。
具体的に中国の先制攻撃は、以下のような行動を伴う。
---開戦直後に中国は、エネルギー兵器、対衛星兵器、妨害電波及びサイバー攻撃等を併用し、米国の衛星(ISR、通信、赤外線)の無効化を行う。
---弾道ミサイルの連続同時発射攻撃と地上発射巡航ミサイルによる攻撃、更に航空機攻撃も併用し、米と日本の海空基地を攻撃する。アンダーセン、嘉手納、三沢、佐世保、横須賀、関連自衛隊基地、補給・燃料拠点(グアム等)等の基地が攻撃対象に含まれる。 
---対艦弾道ミサイルと対艦地上発射巡航ミサイルで、大陸から1500nm以内の米軍と同盟国艦艇を攻撃して耐えられない損害を与え、同距離内を「Keep-out zone」として米側に立ち入らせない(接近拒否戦略

米側が受ける被害
chinacyber3.jpg●仮に中国からの先制攻撃が行われれた場合、米軍の前方作戦基盤は無くなり、サイバー・宇宙・電磁パルスなどの分野でも聖域は期待できない。
サイバー戦能力については不明な部分が多いが、仮に米中双方が同等の能力を持って戦った場合、ネットワークへの依存度が高い米側が遙かに大きなダメージを受ける。典型的な例は米軍の兵站補給部門で、商用のネットワークに大きく依存する米側システムは大きな弱点を形成している。
●従来の戦いで当然のように行っていた、複雑な戦場情報ネットワークの立ち上げや衛星の回線周波数を買い占めを前提とする、大規模で継続的な海上・航空活動を遂行することは不可能となる。

これらの結果、米軍は、滑走路や燃料不足等による航空戦力運用の大幅制限、海上艦艇情報や対潜水艦情報の不足、空中給油機への過度の負担、作戦遂行物資の不足、長期を要する艦艇・潜水艦の再発信準備等の問題に直面する
●米軍は作戦地域へのアクセスを拒否され、作戦の主導権を失い、主導権を回復する足場をも失いかねない状況に至る。

せめてもの備え
CHAMP2.jpgC2やISRアセットへの被害を予期し、衛星が使用不能な場合に備え、空中中継機や空中ISRアセットを準備する必要がある。しかし同時に、能力が限られる空中アセットでの運用に備え、情報入手や回線使用の優先順位について、事前に全軍レベルや国家及び同盟国レベルで検討しておく必要がある
基地や施設の抗たん性強化は高価であり、またそれのみでは前線基地基盤を維持することは難しいため、次回に述べる中国ISRや宇宙アセットの無力化・盲目化等の施策と併せて総合的に対処策を考慮すべきである。
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上記の「戦いの様相」予想は、あくまでも米軍の立場から見たモノです。このような状況になった場合の日本国内の状況については、それぞれが胸に手を当てて考える必要があります
戦闘機に膨大な投資を行うべきなのか? 「四方を海に囲まれた日本は、500個師団の地上部隊を保有しているのと同じだ」と独の将軍に言わしめた日本が、陸自の定員と「黄金律」の予算シェアを維持していることが正しいのか・・・

次回は、このような状況になることを防ぐため、CSBAのレポートが推薦する米軍と同盟国(日本が一番重要)の戦い方をご紹介します。更に日本の国防に思いを馳せていただきます。

「2/2米中衝突シナリオを基礎に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-1
「補足米中衝突シナリオを基礎に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-2

「有事直前嘉手納から撤退?」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13
「Air-Sea Battleの起源」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24-1
「米海軍は日本から豪へ移動」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-29-2
「米国の姿勢シャングリラ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01
「前半:サイバーと宇宙演習の教訓」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「後半:サイバーと宇宙演習の教訓」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

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議会がAir-Sea Battleの細部を要求 [Air-Sea Battle Concept]

180日以内にAir-Sea Battleを報告せよ

Lieberman.jpg米民主党のリーバーマン上院議員が音頭を執り、2012年度予算に関する法案に「国防長官はAir-Sea Battleについて報告せよ」との付帯条項を付け加えた修正法案が12月1日、上院で成立しました。
付帯条項は、180日以内に公開及び非公開の報告書を提出するよう求めており、報告書に含まれるべき事項まで細かく既定する厳しい内容となっています。

国家予算と国防予算が厳しい状況にある中、国民の負託を受けて重要な国防政策を審議する上院軍事委員会の重要メンバーとしては当然のことでしょう。
大事なコンセプトが「お蔵入り」に成らないよう、また自ら改革の能力を失っている日本のような同盟国軍の改革推進のためにも、中国など恐れず、コンセプト推進のため頑張っていただきましょう。良心ある皆様には半年間お待ち下さい。

付帯条項(上院Amendment 1332)が要求の報告は・・・
airseaBC.jpg●国防長官は、2010QDRが求めたAir-Sea Battleコンセプトとその実行計画を180日以内に議会に報告書として提出せよ。公開と非公開の2つのバージョンで提出せよ
●報告書には最低限、以下の項目を含めること
---国防長官承認済みのAir-Sea Battleコンセプト
---同コンセプトが求める能力と現有能力の差異について
---現有兵力と能力で同コンセプトを実行する場合のリスク
---現在の研究開発や装備調達で同コンセプトの要求レベルを満たすかどうか
---同コンセプト実施に当たり、増加や維持が欠かせない5つの分野を優先度順に
---同コンセプト実施のコスト増を吸収のため、どの部分を削減し、どんなリスクが
---同コンセプト実施に際し予想されるコスト増と減について、その理由を含めて
---同コンセプト実施に当たり、同盟国等に期待する事項とそのリスク管理について
---上記以外で、国防長官が報告を要すると認めた事項
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Lieberman2.jpg単純に計算すると、報告期限は2012年5月27日と考えられます
ただ議会が国防省に求めている報告書は、多くの場合数ヶ月遅延して提出されており、Air-Sea Battle報告書がいつになるかは定かではありません。公開部分がどれほどになるかも・・・

しかし上記内容を網羅した報告書は、中国ならずとも大変興味深いモノとなるでしょう。余りにも先ですが、忘れないで待ちましょう。

AirSea Battle検討室は良い話?http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10-1
「Air-Sea Battleに波風の年」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-04

「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「久々にAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-16-1
「レビン提言とAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-14-1

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Air-Sea Battle検討室は良い話か? [Air-Sea Battle Concept]

ASEANPlus.jpg9日付「DODBuzz」が、久々にAir-Sea Battle(ASB)の検討状況に関する記事を掲載しています。決して「遂に完成!発表へ・・」のストーリーではなく、記事は、ASBが先の見えない闇の中へ突き進んでいくイメージで描かれています。

中国の拒否戦略が健全な中、CSBAレポートの考え方が消え去るわけではないですが、「数週間後には概要に関する公式文書が出るだろう」との発言も聞かれた春頃の雰囲気は完全になくなりました
9日、匿名で3名の国防省高官が会見を行い、陸軍関係者も含めた15名程度のAir-Sea Battle検討室を立ち上げると表明し、記者の質問を受けたようです。

対中関係配慮と予算削減額未定でコンセプトを打ち上げるのも困難な時期だと思いますが、今か今かの果てに肩すかしのような印象で、取材記者の主観もありますが、記事は米国軍事関係者の雰囲気を表しているような気がします

記事「陸軍もAir-Sea Battleへ」は・
●匿名を前提に3名はブリーフィングした。陸海空海兵隊からそれぞれ最低2名の佐官クラス又は同等の文民職員を派遣してもらい、ASBコンセプト専門の検討室を立ち上げる。陸軍もチームに入れる。
B-2restart.jpg●検討室はA2AD戦略により生ずる課題に対処するため、各軍種のA2AD対応の取り組みを「焦点レンズ」のように集約し、ASBコンセプト開発・遂行、訓練、装備取得、人材育成に関わる軍種間や機関間のコーディネートを行う。

●ASBの目的に関する質問に、「戦争計画でも、作戦計画でも、運用コンセプトでもない。A2ADの課題を表現し描写するデザインのフレームワークである」と抽象的に説明し、3名の高官は決して「中国」との言葉を使用せず、婉曲的な表現に終始した
●以前は、大部分が非公開でも一部は文書が公開されると言う話もあったが、移ろいやすいAir-Sea Battleは今、官僚機構の中に軌跡を向けようとしている。文書が出るか出ないか、具体的な検討期限や時間的計画は全く示されなかった

●海空軍が案をまとめ、パネッタ長官の承認を得るだけになっていたとの過去の説明との関連について、9日のブリーフィングでは明確に触れることなく、ブリーファーの一人が「パネッタ長官はASBを認知し、前進させるよう我々に青信号を送った」と説明した。しかし、本当にパネッタ長官が承認して検討室が出来たのか、拒絶されて検討室が出来るのか判然としなかった。
CSBA2ndjasbc.jpg検討室は「コンセプトを普及宣伝(promalgate)するシンプルな役割を持つ」との回答もあったが、全体に何が言いたいのか、記者達は頭をひねりながら聞いていた。シンクタンクCSBAのレポートが国防省の考えに近いと言われていたが、依然はっきりしない。

●記者が、例えば空軍のA-10が海兵隊船舶に近づく不審船舶を攻撃するとかが考えられているのかと聞くと、そうだと答えたがそれ以上は深く立ち入らず、3名は進んで具体的なことを話さない
唯一ASBを説明しているシンクタンクCSBAのレポートは、空軍爆撃機が機雷を敷設し、イージス艦が沖縄の地上基地を守るイメージを描いたが、その後の進展は何も聞こえない。

「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18

●議論は始まっている。(ただし、)検討室に資源配分を直接コントロールする権限はなく、特定の課題にスポットライトを当てることになる。各軍種から派遣される検討室勤務者は、そこでの議論や成果を各軍種に持ち帰る
検討室の設置は、ゲーツ前長官やパネッタ長官が望んでいる軍種横断の分析を永続的に行う一方、組織内の妥協によりASB公式文書の発表延期や中止を意味しているように見える

10日付米国防省HP記事が、上記ASB室設置について報じています。
http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=66042
国防省発表の細部には触れませんが、まんぐーすの印象はDODBuzz記事ほどではないにしろ、勢いあるスタートというよりは、QDRで打ち上げ、アジア諸国にも説明した手前、何か取り組む姿勢を見せなければ・・・との感じです。
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以前の記事で、軍種間の対立で話が進まない、また中国を刺激したくないとの政策的配慮からASBの概要文書も発表されない等の「噂」を取り上げましたが、そんな雰囲気も感じさせます。

「Air-Sea Battleに波風」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-04
「久々にAir-Sea Battle」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-16-1

BlueAngels.jpg中国への配慮、海空海兵隊の調整難航、予算も不透明だからチョットじっくり・・・そこで検討チーム・・・。との見方でよいと思うのですが、米国の記者は厳しいですね。
いずれにしても、A2ADの脅威認識は十分に共有され、西太平洋の米軍基地の分散や抗たん性強化に配慮した施策は進んでいます。また同盟国を鍛え、同盟国間の関係強化を推進し、米軍事予算削減を補完させようとの働きかけも行っています。海軍は無人艦載機の開発を進め、空軍は長距離新爆撃機を優先事業に掲げています。

別々にASBの方向に進みつつ、オーバーラップ部分の「譲り合い」が、まだまだ「火が付く」まで進まない・・・と言った具合ではないでしょうか・・・。

Air-Sea Battleカテゴリー記事
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301176212-1

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Air-Sea Battleに波風の年 [Air-Sea Battle Concept]

AFM1011.jpg10月号のAirForce Magazine「AirSea Battle’s Turbulent Year」との記事を掲載し、Air-Sea Battleを巡る状況を遠巻きに間接的にこれまでの報道を整理して紹介しています。
記事の内容自体は、本ブログの「Air-Sea Battle」カテゴリーで過去にご紹介した内容のがほとんどですが、囲み記事に海空海兵隊や米国防省内の動き、なぜコンセプトの概要が公開されないのかについて記述がありますのでご紹介します。

プロローグ
本年2月17日、米空軍参謀本部J-5のカーライル中将は「Air-Sea Battleの公開用概要文書が2週間以内に公開されるだろう」と述べている。
●また3月には前海軍作戦部長ラヘッド大将も「Air-Sea Battleの大部分は非公開にされるべきだが、海軍と海兵隊の部分の作業はほぼ終了し、2-3週間以内に概要が公開されるだろう」と述べていた。

更に7月末、当時海軍の副作戦部長(現海軍作戦部長)のグリーナート大将もまた下院軍事委員会で「公開部分のコンセプトが間もなく公開されるだろう」と語っていた。
●しかし、本誌が編集中の9月末現在、国防長官室や空軍関係者によると、Air-Sea Battle Conceptは以前非公開のままでパネッタ国防長官の卓上に上がっているという・・・。

どうなっているのか?
Afinalphoto.jpg●Air-Sea Battle Conceptの案は6月2日、海空海兵隊の制服トップと海空軍長官により合意署名され、国防長官の承認を得るため上申された。
ゲーツ前国防長官は、7月1日に退任する以前に同コンセプトに署名すると海空関係者に告げていたが、最終的に書名しないまま退任した。空軍関係者によると、コンセプトは国防長官室の政策部署で保留扱いになっている。

●複数の国防省及び空軍関係者が暗に陽に示唆するところによれば、国際政治的配慮が強く作用しているらしい。この派生的懸念が度重なるAir-Sea Battle Conceptの公表延期につながっている模様

中国の反応を気にしつつ・・・
7月末、空軍関係者は非公式に、国防長官室は中国の本コンセプトに対する受け止めと反応を非常に気にしていると述べていた。
chinachenbing2.jpg●8月24日、国防省は例年恒例の議会への報告書、通称「中国の軍事力」を公表したが、中国国防部はこれを「根拠のない懐疑に満たされている」と直ちに批判したところである。
Air-Sea Battle Conceptは中国を対象にしたモノだと誰もが考えているが、米国防省関係者はイランや北朝鮮などを含む接近拒否戦略をとる多様なシナリオに対応するモノだ、としばしば説明している。
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台湾への最新F-16提供を諦め、現有F-16のアップグレードで納めようとした米国ですが、この改修自体も中国から文句を言われる始末・・・。
8月のバイデン副大統領訪中時の対中妥協の噂を含め、何となく全体の雰囲気から納得できる説明です。
「バイデン訪中と米中妥協」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-12

B-2Navy.jpg囲み記事以外の本記事にも、断片的に面白い記述もあります。例えば、海兵隊は2011年の1月まで全く海空軍の検討に関与できていなかったとか、海空軍が同コンセプトに基づく演習を2012年に計画中だとか、マケイン上院議員が予算削減の影響を最も受けるのは海軍だと発言とか・・・。(写真上はB-2を研修する海軍関係者

Air-Sea Battleがどのような形になろうとも、また仮にコンセプトが消滅しても、中国の軍事力近代化を踏まえれば、米海軍と空軍の対中国戦略が「遠方から」を基本とし、長距離無人機やミサイルを組み合わせた方向にあることは間違いありません
また、「作戦面で打たれ強く、地理的に分散し、政治的に持続可能」との米軍体制の方向性は変えようもありません。

AirSeaBattle.jpgAir-Sea Battleが海空軍で合意できなければ、上記の方向が海空バラバラに非効率な形で進められ、予算削減の中、中途半端にまだら模様で形作られる事になるのでしょう。西太平洋地域の米同盟国にとっては大きなマイナス要素です。

まだまだ紆余曲折が予想されるコンセプトですが、本ブログの「Air-Sea Battle」カテゴリーを時系列で眺めていただいて、議論爆発の時期に備えていただければ。

タグ:Air-Sea Battle
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去りゆく海軍トップが語る [Air-Sea Battle Concept]

Adm.Roughead.jpg18日付「Defense News」が、9月23日で退役する米海軍制服のトップであるラヘッド海軍作戦部長(Adm. Gary Roughead)へのインタビュー記事(15日に実施)を掲載しました。
最後になるであろうインタビューですので慎重な姿勢が見えますが、海軍が他の軍種に比べて装備品取得の面で良い状態にあることを認めています
そしてその背景がAir-Sea Battleであろうことも・・・。

Q:何がもっとも今訴えたいことか?
A:如何に海軍が今行われている地上での戦いに参画しているかである。今現在中央軍隷下で、約12000人の海軍人が地上で戦いに参加している。これは海兵隊よりも多い数である。このほかに約4万人が故郷を離れた海外で勤務している。
12000人の勤務には、危険な爆発物処理に当たる者もいる。また施設部隊はベトナム戦争時よりも多忙な日々を送っている。

Adm.Roughead2.jpgQ:装備品調達はどうか
A:海軍の航空戦力は他軍種に比べてもっとも充実した状態にあるのではないか。EA-18G Growlerは飛行性能、高性能、高度さにおいて素晴らしいし、F/A-18 E and FやE-2D Hawkeye、P-8Aや F-35も生産段階に入っている。
艦艇でもLCS(Littoral Combat Ship)は2カ所で順調に生産されているし、潜水艦も良いし、水陸両用LPD 17も順調である。このように順調なのは海軍だけではないか

Q:Air-Sea Battleにおける海空軍の協力関係はどうか
A:私はAir-Sea Battleの販売員ではないが、極めて有意義なコンセプトである。anti-access環境に焦点を当てて考えることが出来るし、装備品調達だけでなく、訓練の方向性や研究開発の方向性、更には情報収集分析のあるべき方向性を示してくれ、海軍と空軍を以前よりも戦闘システム等でずっと密接にさせてくれる。

Adm. Roughead4.jpgA:厳しい予算環境ではAir-Sea Battleが一層その存在感を増している。もしこのコンセプトが無く予算削減が行われたなら、我々は別々に削減を行っていたはず。Air-Sea Battleの価値はいよいよ増している。

予算はAir-Sea Battleを基礎に組まれている。誰の目にも明らかなように、もし効率性や有用性を追求すれば、装備品の調達を統合の観点から行い、不要な重複を避ける必要がある。無論必要な重複もあるが。

Q:重複が必要な分野とは?、また不必要な重複とは?
A:重複が必要なのは兵器システムにもあろうが、典型的なのはネットワークである。共にこれを失っては何も出来なくなる。
A:不必要な重複には例えば、Global Hawk/BAMS(Broad Area Maritime Surveillance)の例がある。同じような機体を海空軍が同時に使用するに当たって、整備部門や教育部門が重複する必要はないし、発進基地も別々を追求する必要はない

Q:空母の建造を遅らせたり、中止することを検討しているか?
A:私は遅延や購入取りやめについて取り組んではいない。また細部について話すつもりはない。建造コストや軍需産業基盤など多様な要素が絡む話である。空母Gerald Fordの建造現場は素晴らしかった。定期的に空母建造については種々の検討がなされるであろう。

Adm. Roughead3.jpgQ:中央軍が空母2隻を中東湾岸地域に要望し、あなたは今年春、7割要求を満たすことが2年間は可能と答えている。その後はどうなるのか?
A:その時の安全保障環境が見えない状態でコメントすることは出来ない。4割の艦船が出航展開する状態は海軍にとって厳しい。整備や訓練、anti-access対応をどう考えるかにもよる。何を重視するかである。

Q:LCSの配備に関しシンガポールと協定は出来たか?
A:我々はその場所からLCSを運用したいとの構想を持っており、特に太平洋地域への展開を望んでいる。そのことで時間的に南東アジアへの展開を確保でき、西太平洋での態勢を強化できる。シンガポールで既に我々は実績を積んでおり、兵站支援面でも問題ない。2014年より早く、戦闘能力を備えた上で西太平洋地域にLCSを配備できるのではないか。
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Greenert.jpg結果的に、Air-Sea Battleや統合や予算削減が、海軍に有利に、そして空軍に不利に作用している様子が感じられます。
強固なanti-access防衛網を構築する中国相手には、脆弱な陸上固定の空軍基地より海上海中アセットが有効とのシンプルな理由や、空軍装備品の更新サイクルのタイミングが悪く、予算削減の時期に重なったとも言えましょう。
写真左は、後任のAdm. Jonathan Greenertです。だいぶん雰囲気の異なる潜水艦乗りです。

「Air-Sea Battleの起源」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24-1
「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「米海軍航空戦力の将来後編」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-27

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イランとAir-Sea Battle雑感 [Air-Sea Battle Concept]

irancruisemissile200km.jpg23日、イランがここ数ヶ月恒例となっている射程約200kmの「新型(対艦)巡航ミサイル:Ghader」を発表したことを一つのタイミングとして、23日付「DODBuzz」が思い出したようにAir-Sea Battleに関する記事を掲載しています。

「思い出したように・・・」とは、最近の軍事情報サイトは、予算削減を巡る軍需産業と政界のせめぎ合いや、国防省高官による「空虚な軍にするなかれ」、「退役制度の変更について心配するな」、また「議会で与野党が合意しなければ、恐ろしい一律カットになる」と言った発言ばかりを報じており、政治色中心の話題でにぎわっているからです。

それでも幾つかの情報も含まれていますのでイランの新巡航ミサイルを扱った23日付「Defense Tech」記事と併せてご紹介します。

23日付「DODBuzz」と「Defense Tech」記事は・・
23日にイランのアフマディネジャド大統領が、数ヶ月に一度の恒例行事のように新たな巡航ミサイルを発表した。射程約200kmのGhaderと呼ばれるミサイルで、名目通りの性能を発揮すれば、ペルシャ湾やオマーン湾を航行する船舶を全て攻撃することが可能になる。
イランが仮に誘導装置と目標位置評定能力を備えていれば、これら一連のミサイルはパレード用だけでないことになるが。
イランはこのほかにも大量の機雷を保有しているといわれ、仮にホルムズ海峡で使用されれば、最強で最新の装備を備えたとは自信を持てないバーレーン駐留の米掃海部隊などで、世界の原油需給を支える原油ルートを確保しなければならない。

ASBM DF-21D2.jpg米国防省による中国の軍事力に関する定例レポートの発表が3月1日の期限を過ぎて遅れている(8月24日に発表されました)。イランと中国関連の話題が出たことで、接近拒否戦略や領域拒否戦略への対策に再び注目が集まった。
中国が1996年の台湾総統選挙直前に米空母の登場によって味わった「恥」の汚名を晴らすべく、悪名高い対艦弾道ミサイルの開発に力を注ぐ中、米空母戦闘群はどのようにその射程外から活動するのか。

米海軍と空軍が取り組んでいるとされる「Air-Sea Battle Concept」がどれほど状況の打開に結びつくかは不明だが、国防省関係者は、文書自体はおおむね完成しており、国防長官周辺スタッフのところで精査中だと語っている。
本年後半には、公開バージョンの同コンセプトを我々も目にすることが出来るであろう。

SSGNOhio.jpg●例えば同コンセプトには、空軍爆撃機が機雷を敷設するか、海軍イージス艦が空軍の海外基盤基地の弾道ミサイル防衛を行うか、海空軍は協力して米空母群を狙う中国ミサイルシステムを破壊するか、空軍爆撃機と海軍潜水艦が協力して中国センサー群を盲目化するか、等々の方向性を示すのだろう。
●しかしコンセプトはあくまでペーパーでしかない。所詮、国防省の通常鈍重で欠陥だらけで時間が掛かる調達システムを通してしか現実にはならないが・・・。

●いずれにしても、現在実施中の「根本的戦略見直し(comprehensive strategic review)」によって、接近拒否戦略や領域拒否戦略への対策の方向性を示すべく同コンセプト関連の事業は、他の縮小分野を横目に成長を遂げる分野であろう。
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恒例のレポート「中国の軍事力」発表が延期されてましたが、24日に発表になりました。
「Air-Sea Battle Concept」の公開版が本年後半に公開されるであろうこと、公式の同コンセプトの方向性がCSBAレポートとほぼ同様であろうことが示唆されています。・・・イランの新ミサイルもでした・・・

「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「有事直前嘉手納から撤退?」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13
「Air-Sea Battleの状況」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「レビン提言とAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-14-1
「新防衛大綱とAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19

その他「Air-Sea Battle Concept」関連記事は・・・
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301176212-1

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ブルネイでもAir-Sea Battle確認か [Air-Sea Battle Concept]

bruneif-16.jpgAir-Sea Battleの検討において、Resiliency(打たれ強さ)の向上が重要な課題であることをしつこく取り上げ、例えば米軍事雑誌の「日本と韓国の飛行場被害時の代替飛行場確保が鍵。そのため米空軍は、アジア各国の飛行場施設の再調査を行っている。」といった記事をご紹介してきたところです

具体的には
●昨年4月にインドネシアで実施されたCope-West10演習で、同国ハリム空軍基地に展開した米空軍のC-130が飛行場施設等を確認
サイパンやテニアンタイ豪北部の飛行場、ベトナムのタン・ソン・ヌット、パキスタンのペシャワール、フィリピンのクラーク飛行場等々が同上の再確認対象
米海軍もベトナムのカムラン湾に興味を持っているが、ベトナムが中国との関係を危機にさらして米国に使用させるかは未知数
・・・といった具合です。そんな中、以下のような記事を見つけ、まんぐーすは思わずこれもそうだ・・と勘ぐった次第です。

bruneiconfe.jpg「これ」とは、第3回のブルネイ国際国防展示会BRIDEX:Brunei Darussalam International Defense Exhibition 7月2日~9日)のことで、本年はブルネイ軍50周年記念行事の一環として盛大に開催され、約30カ国から160もの企業や国が展示やプレゼンを行い、計150以上の国、企業、団体が代表団を派遣した模様です。

Air-Sea Battleとの関連ですが(米空軍HP記事
米空軍三沢基地所属のF-16とハワイ・ヒッカム基地所属のC-17輸送機が、本イベントにデモンンストレーションのために参加し、F-16に至ってはデモ飛行専用チームが派遣され、8日間毎日派手なデモ飛行を行いました。
C-17もその巨大な機体で会場上空に複数回デモ飛行したようです。もちろん両機種とも飛行の後は地上で展示され、観客の皆さんを楽しませたようです。

以後はブルネイ基本データと邪推ですが・・
●ブルネイは人口40万人の南シナ海沿岸国で、大量の石油・天然ガス埋蔵・産出国。石油等輸出で外貨を稼ぎ、所得税無し、医療は無料、ただし食料はほぼ輸入。
ブルネイの輸出先1位は日本(総輸出額の46%。石油・天然ガスが主)、2位は韓国で11%
●84年にイギリスから完全独立もイギリスの保護領で英国陸軍が千名程度駐留。実態は王族の絶対君主制に近い政治態勢。
●軍は 陸海空三軍の合計約8千人(陸軍:約5千人、海軍:約千人、空軍:約千人、またグルカ兵約3,050名(現役約千人、退役約2千人)が王宮等主要な建物の警備を担当
海軍は少数の沿岸警備と油田警備能力、空軍はヘリと輸送機と練習機を保有

bruneic-17.jpg●南シナ海沿岸国で、資源も十分で飛行場があれば、当然Resiliency向上の為の前方展開飛行場や代替飛行場として展示会場の飛行場は期待されていると思料される。
●この展示会を利用して戦闘機と輸送機の両方を送り込み、かなりの頻度の離発着を行うことにより飛行場の特性等を把握し、地上支援能力を確認したものと推測
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ブルネイと言えば・・その昔の週刊誌ネタで、「某女優?がブルネイ王室の○○王子のいとこの親戚と一夜を共にして・・・」との売名記事?が思い起こされます(まんぐーすだけか!?)。
しかし地図を一目見れば分かるように、いつ中国からちょっかいをだされてもおかしくない位置にあります。もしかしたら・・既にハニートラップ攻撃に王族の皆さんは襲われているかも。

三沢F-16の連日のフライトが有効であったことを祈念いたします。

「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「Air-Sea Battleの状況」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「Air-Sea Battleの起源」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24-1
「太平洋軍のAir-Sea Battle検討」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-05

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Air-Sea Battleテスト演習を海兵隊が [Air-Sea Battle Concept]

久々のAir-Sea Battleカテゴリーです。
6月30日、大西洋地域を担当する海兵隊のDennis Hejlik中将が朝食会で軍事記者団に対し、来年2月、大規模着上陸作戦をAir-Sea Battle Conceptに基づいてウォーゲームで実施しテストすると述べました。

同中将によると・・
HejlikUSMC.jpg演習は「Bold Alligator 12」と呼ばれる演習で、今年1月の海軍・海兵隊会議の席で実施の方向が決定されたところ。実施されれば過去10年間で最大の海兵隊演習になる。
海兵隊はこの1月まで、このコンセプトについて良く承知していなかった。しかし現在、部下のスタッフに命じて具体的な準備を進めさせているとのこと。海兵隊が本コンセプトの馴染む最初の重要な機会となる

●演習では、2週間にわたって幾つかの実験的な試みがテストされ、海軍海兵隊と空軍、もちろん沿岸警備隊も交えてコンセプトが機能するかを試すことになる。
注目しているのは、このコンセプトによって海兵隊の着上陸へのアクセスが確保されるかどうかにある。また本コンセプトを海兵隊の運用に取り込んで行くには、まだ時間が必要だ。
●なお、西海岸や太平洋を担当する部隊も、「Kernel Blitz」演習で同様の試みに挑戦する予定である。
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写真からの印象通り2005年から海兵隊始まって以来の特殊部隊の初代指揮官として勤務し、「海兵隊は皆エリートだ」とする海兵隊内の反対を押し切って、今後のテロとの戦いで必要になる(大活躍中)の部隊の基礎を作った人物です。
また、1968年に一兵卒として入隊し、一端大学進学のため除隊、再び士官として海兵隊に入隊した筋金入りです。

JASBC.jpg同中将をして、「余りよく知らなかった」と言わしめたAir-Sea Battle Conceptです。やはり戦略家やシンクタンクが先行して考え、トップダウンで決定したコンセプトだけに、部隊への浸透度はまだまだのようです
試験の結果、やっぱりだめです・・との結果は許されません。もう既にシャングリラ・ダイアログや国防大学やQDRで公式発表して外国にも宣言していますから・・対中国作戦戦略として

果たして海兵隊は今後も着上陸作戦を中心に据えることが出来るのか??? 転換点にある海兵隊にも注目です。

不慣れながらTwitterも始めました・・・@Mongoose2011です。

海兵隊関連
「海兵隊トップ候補が議会で」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-23
「海兵隊は生き残れるか」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-16-1
「海兵隊へ再び最後通牒」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-16
「海軍海兵隊とも全面対決へ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-04-1
「(追加)海軍海兵隊とも全面対決へ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-07

Air-Sea Battle関連記事
「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「2CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20
「3CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20-1
「4CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-21
「5CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-21-1
「6CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-24
「最後CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-30
「番外CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-02-1

「Air-Sea Battleの状況」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「Air-Sea Battleの起源」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24-1

「久々にAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-16-1
「レビン提言とAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-14-1

「新防衛大綱とAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19
「太平洋軍のAir-Sea Battle検討」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-05
「対中へミサイル原潜増強」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-10
「Air-Sea Battleとミッドウェイ68周年」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-08

「中国の南シナ海進出を如何に防ぐか」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-07
「前対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-03-1
「後対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-04
「グアム基地を強固に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12
「嘉手納基地滑走路の強化」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-09

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レビン議員提案とAir-Sea Battle [Air-Sea Battle Concept]

LevinOkinawa.jpg11日、米議会上院の軍事委員会をリードする大物議員3名が連名で「普天間移設合意が出来た2006年当時とは状況が変化している。高騰し続ける移転関連経費は現在の厳しい財政情勢から見れば調達不可能」、「沖縄とグアムの政治状況」や「大震災と津波で日本が受けたダメージ」を考慮すべき。  「高価なキャンプシュワブ沖への移転ではなく、普天間の嘉手納移転の実現可能性を検討せよ」と提言しました。

提言文書の実物は→こちらのレビン軍事委員長の議会サイト
普天間移設への影響については→ブログ国際情報センター13日記事

しかし皆様日本のメディアが注目する「嘉手納の普天間統合案」は、本提言のほんの小さな一部に過ぎません。Air-Sea Battleに無理矢理親しんでいただいている皆様には、きっと分かっていただけると思います。つまり・・

まず提言ペーパーでは背景として、レビン議員が、日米の厳しい財政情勢、沖縄やグアムの政治情勢、日本の大震災をあげ、マケイン議員は同盟関係がこの転換点で重要な点を再確認しています。

そしてウェッブ上院議員の次の一文・・・
WebbOkinawa.jpg我が国は東アジアにおける軍事的役割の再定義に関し非常に重大なタイミングを迎えている。歴史上のこの時、我々は明確にドクトリンを策定し、本地域、特に韓国、日本、グアムにおける戦力構成の再編を行うよう求められている。我々の関係成功は、韓国と日本との継続的で緊密な同盟維持と前方展開兵力によって保障される。

次に提言として以下の3点が・・・
韓国駐留米軍の再編計画を停止し、米軍人家族の韓国への移動増加を止めよ
海兵隊のグアム移転計画を再考し、つまりグアムに恒久的な司令部を置きつつも、グアム以外を基盤とする海兵隊部隊をローテンションで配置する。グアム島以外の訓練場確保を考慮せよ
●普天間の嘉手納移転の実行可能性を検討し、多額の経費が必要な辺野古沖案を止めよ。同時に現在嘉手納に配置の空軍戦力の一部を、グアムや日本の他の場所に分散移転させよ。
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まんぐーすは「嘉手納の普天間統合案」の部分より、他の部分全ての方が大事だと思うのです。以下それぞれ3点に関するまんぐーす的解釈です。

●韓国に関しては、現在の在韓米軍の地理的集約再編案は戦力の脆弱性を増すだけだからだめ。家族を呼び寄せるのも危険だし、有事に待避させるのが大変。家族用住宅建設の大プロジェクトも予算上困難
andersenGM.jpg●(ここは自信がありませんが・・)海兵隊グアム移転は、財政上+グアム島民の反対状況から要再考。また有事弾道中国ミサイルの攻撃を受けるグアムに海兵隊を置くのは、緊急展開を制約される恐れがあり再考すべき
●費用と政治情勢から嘉手納移転ではどうか。一方で嘉手納の空軍戦力は地上でやられる可能性が高いので、嘉手納から一部を移転させたい

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突き詰めて見れば、「財政悪化」と「中国脅威の急激な増大」を受け、2006年合意は見直すべきとのご意見です。
米軍事サイトも、本件に関しては「嘉手納からグアムへ空軍戦力を移動」等の見出しで伝えており、Air-Sea Battleの枠組みで当然のごとく報じられています。

「Air-Sea Battleの状況」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18

「グアム基地を強固に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12
「前対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-03-1
「後対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-04
「久々にAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-16-1
「嘉手納基地滑走路の強化」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-09

民主党のゴタゴタより、こっちの方を「米軍の西太平洋戦略の視点」つまりAir-Sea Battleの視点から分析して欲しいものです。日本のメディアの皆様。
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久々にAir-Sea Battle [Air-Sea Battle Concept]

「より詳細が公表されるだろう。しかし計画の大部分は秘密扱いであろう。それはそうあるべきである」

・・・と言うことで、長距離攻撃能力やグアムの施設強固化等の断片的施策が小出しになっているAir-Sea Battle Conceptですが、その後どのような検討が行われているのか、どこまで誰が何をやるのか、がよく分からない状況になっているところです。そんな中、久々に関連高官の発言がありましたので2つご紹介します。

3月16日、海軍制服のトップ・ラヘッド海軍作戦部長(Adm. Gary Roughead)が、軍事記者からのAir-Sea Battleに関する質問に対し、以下のように答えました。
RougheadNAVY.jpg●最近の中国ステルス機や対空母攻撃能力の向上だけが、海軍と空軍がAir-Sea Battleの検討を行っている理由ではない。時代全体の変化に対応したドクトリン、組織、訓練、装備調達の再検討である。
世界に拡散しつつある接近拒否戦略を背景に、米軍が当該エリアでも作戦出来るようにするためのものである。
●海空海兵隊のトップが基本的に合意し、数週間の内により詳細が公表されるだろう。しかし計画の大部分は秘密扱いであろう。それはそうあるべきである。

4月14日、ブリードラブ空軍副参謀総長(Gen. Philip Breedlove)が軍需産業関連の集まりで講演し、Air-Sea Battleはまだ第一段階にある、と語りました。
BreedloveAF.jpg相手は我々の弱点を突くことが非常に上手である。一方で、相手は我々が比較的良い軍隊を用いて国を分解するところを見てきた。彼らはそうはなりたくない。
●昨年来継続してきた海軍とのAir-Sea Battleを巡る議論から強く感じたのは、(海空海兵隊が)相互依存や相互協力を強化し、統合のチームとして普段から準備しなければならない、と言うことである。事が起こってからでは遅い。

●海軍と海兵隊は良いチームワークを築いているが、空軍は彼らともっと訓練を共にして一体感を高め、効率的に切れ目無く作戦出来るようにしなければならない。
航空戦力と海洋戦力のより緊密な融合を求めているAir-Sea Battle計画は素晴らしい第一歩である。それを実現するためには、共に訓練し活動を共にしなければならない。そうして国家目的に供しなければならない。
●Air-Sea Battleは大部分が秘密であるが、近い内により細部が公開されるであろうが。
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軍事に関して秘密の部分が多いのは当然ですが、米国では軍事作戦に関しても兵器開発構想にしても、かなりオープンに行われることがありました

chinaFlag.jpgしかし対中国においては、中国が情報を盗んで効率的に対応策を執ってしまう可能性がより高く、米国の開発経費に比して中国の対応策経費が「不当に」低くなる恐れがあります。
これを避けるため、中国にも軍事費を強制的に出費させるため、情報の公開を控える・・これがAir-Sea Battle構想を秘匿する背景です。  「相手にコストを強いる」との考え方です。

「Air-Sea Battleの状況」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「新防衛大綱とAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19
「太平洋軍のAir-Sea Battle検討」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-05

「前対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-03-1
「後対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-04
「グアム基地を強固に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12
「嘉手納基地滑走路の強化」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-09

「久々にAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-16-1
「レビン提言とAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-14-1
「対中へミサイル原潜増強」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-10
「Air-Sea Battleとミッドウェイ68周年」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-08

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グアムの基地を強固に [Air-Sea Battle Concept]

AFM1012.jpg中国が、作戦初動でサイバー攻撃や大量の弾道及び巡航ミサイルで西太平洋地域の米軍作戦基盤の無効化を狙っていることは中国の軍事論文等からも明らかになってきており、シンクタンクシCSBAやRAND研究所もその前提で政策提言を行っています。
そしてゲーツ国防長官もこの基本的認識の元にAir-Sea Battleに期待を寄せているところです。

中国の攻撃可能範囲は拡大を続けており、極東防衛の要であるグアム島の基地防護強化は米軍にとって喫緊の課題となりつつあります。(ついでに申し上げれば、海兵隊のグアム移転などはそのほんの一部に過ぎず、普天間--グアムのラインばかりに目を向けていると、米軍戦略の全体像を見失うことになります)

そこで本日は、グアム島施設の強化に関する最近の発言を各種ご紹介します。

7日、米空軍のシュワルツ参謀総長は下院の軍事施設関連の委員会に出席し、グアム島アンダーセン空軍基地の施設強固化計画について説明しました。
SchwartzAF2.jpg●我々は、建造物の強固化と燃料施設の二重化や抗たん性(redundancy and resilience)強化を確実なものにする。
●2011年度予算には約20億円を、2012年度予算にも同程度を上記施策に投入し、更に弾薬庫や燃料施設、更には機体洗浄施設の強固化等に合計110億円の予算をお願いしたい。熱帯地域での運用を考慮して。
●また、グアムに集中している施設や戦力を、紛争発生時にはグアム島周辺に分散したいと考えている。

太平洋空軍司令官のノース中将も2月に・・・
●グアム島に展開するB-52等の爆撃機は、敵にとって容易な目標である。
●多くの爆撃機を守るシェルター建設は莫大な費用を要するが、貴重な他の国家資産を防衛する航空機を防護することは空軍の義務であることを理解して欲しい。
●どの軍にとっても機動であれ固定であれ基地を守ることがまず第一の仕事である。そしてそれが弾道ミサイルであっても、非運動力性の兵器であってもである。

国防省に近いシンクタンクCNAS研究者は・・
cyberwar.jpg●(Abraham Denmark研究員によれば・・)中国のミサイル技術の向上により、米空軍の太平洋地域の基地は、抗たん化や分散配置を強いられるであろう。
●米国は大規模基地を持つ習慣から離れ、広範な基地ネットワークへと発想の転換を図るべき。
●戦力を(中国近傍から)グアムに移すことは第一歩であり、いずれかはパートナー国と協力して中国のミサイル射程外に米国の戦力投射基盤を持つべきである。
●米国はその方向への取り組みに着手したばかりである。
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SchwartzGen.jpgシュワルツ参謀総長は、「おくゆかしく」中国への直接言及はなく、台風や地震も念頭にあるようなニュアンスをにじませています。しかし中将レベルになると本音ベースです。

中国の脅威が及ぶ範囲が拡大し、米国はその直接的脅威の外に戦力基盤を持とうとする。ごく自然な流れです

しかし日本の国防関係者は、そんな戦略環境の変化に目を背け、「戦闘機命」の旗を依然掲げています。そんなことだから貴重なF-2戦闘機を20機近く津波でやられるんです。
曇りのない眼で極東の戦略環境を見れば、戦闘機命の発想など微塵もわかないと思うのですが・・・。情けない、恥ずかしい。

「前対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-03-1
「後対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-04

「前半:サイバーと宇宙演習の教訓」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「後半:サイバーと宇宙演習の教訓」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

「Air-Sea Battleの状況」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「Air-Sea Battleの起源」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24-1
「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18

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CSBA幹部がゲーツ案を絶賛 [Air-Sea Battle Concept]

Krepinevich.jpg6日にゲーツ国防長官が発表した「国防予算の効率化と再投資案」に関し、シンクタンクCSBA幹部が声明を発表し「完全に支持する」及び「ゲーツ長官提案の削減案は大変厳しいが、それらは公正な判断であり、むやみな兵力削減や兵器近代化遅滞を避けるための強い決意を示す物である」との表現で賛意を示しています。

CSBA理事長のAndrew Krepinevich(写真上)は・・
●厳しい財政状況と新たな能力への投資の必要性の良く認識した、バランスのとれた案である。

CSBA副理事長のJim Thomasは・・・
Jim Thomas CSBA.jpg●ゲーツ長官の決断は、CSBAが米軍兵力の将来像について提言した2つのレポートの内容と一致している。例えば・・
--高度な敵防空網に対応できる突破型の爆撃機を空軍に導入すること
--敵の接近拒否戦術に対抗するため、海軍に新電子妨害兵器と空母搭載の無人攻撃ISR機を開発
--海兵隊の戦力投射能力を維持しつつも、EFV計画を中止

CSBA上級研究員Mark Gunzingerは・・
●この案は、過去の戦いに備えた軍を再構築し、将来の脅威に備えるための大きな一歩である。
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本ブログ読者の方はお解りのように、上記コメントは全て、"CSBAの研究成果や考え方がゲーツ長官にほとんどそのまま採用された・・・"との自画自賛です。

CSBAのwebサイトに掲載されている「理事長のご挨拶」でも、QDR、国家安全保障戦略やFYDP(Future Years Defense Program)への関与のほか、陸海空海兵隊の要請に基づいて各種提言を行っている様子を語っています。

そして、副理事長が言及している柱となる2つのCSBA作成レポートとは・・しつこく本ブログでも紹介した
AirSea Battle: A Point of Departure Concept
Sustaining America’s Advantage in Long-Range Strike  の2つです。

gatesJapanT.jpgゲーツ長官が今時の訪日で評価するコメントを発した「新防衛大綱」も上記2つのレポートの考え方を取り入れています。(正確には、上記レポートと同様の方向性を持った米国防省の考え方に沿った新防衛大綱が出来た、と表現すべき)
やっと正月休み気分から復帰してきた頭を整えるため、下記の過去記事で頭を整理していただきましょう。

The Center for Strategic and Budgetary Assessments (CSBA) is an independent policy research institute established to promote innovative thinking about defense planning and investment strategies for the 21st century.

ゲーツ長官の効率化案
「14兆円精査案で政府議会と」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-07

「新防衛大綱とAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19

「AirSea Battle: A Point of Departure Concept」解説記事
「Air-Sea Battleの状況」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23-1
「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「2CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20
「3CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20-1
「4CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-21
「5CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-21-1
「6CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-24
「最後CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-30
「番外CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-02-1

「Sustaining America’s Advantage in Long-Range Strike」解説記事
「序論:長距離攻撃システム構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-25
「本論1長距離攻撃システム構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26
「本論2長距離攻撃システム構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26-1

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2/2対中国で北東から南東アジアへシフト [Air-Sea Battle Concept]

ASEANPlus.jpg1月号の「AirForce Magazine」が「Pacific Push(太平洋での攻勢)」と題した記事を掲載しています。
Richard HalloranというNY Times紙でアジア全体や軍事問題を扱っていた人物による記事で、対中国を巡る米国戦略で南シナ海が鍵となりつつあり、その対応のためにグアム諸島の強化や東南アジア諸国との連携強化が進んでいる様子を紹介し、反面日本との関係が停滞・退化している状況を伝えています。

後半の本日は、「グアムでの活動活発化と抗たん性強化」と「東南アジア諸国の巻き込みと日本の停滞」についてご紹介します。

★グアムでの活動活発化と抗たん性強化

●中国から1800nmのグアム島は、中国弾道ミサイルの射程内にあり、北朝鮮からの脅威下にもある。しかし、米軍幹部は「(中国に対する)我々はここにあり、ここに存在し続ける、とのメッセージだ」と説明した。

グアム島関連の強化策を列挙すると・・・
GuamRQ4-2.jpg--RQ-4グローバル・ホーク3機の配備。3機で24時間の連続偵察活動が可能で、ソウルからシンガポールまでをカバー可能。カーライル前13空軍司令官「監視されていると知ると、相手のお行儀が良くなる」
--空母機動部隊の修理・停泊施設の設置。ハワイに寄港する時間を節約し、(中国からの攻撃に脆弱な)日本やシンガポールへの依存を低減する。
--600名規模のBMD部隊の配置
--B-52やB-2爆撃機がCBP(継続的爆撃機プレゼンス)を行っている。またF-15やF-22が定期的に展開している。空母ジョージワシントンも。

--グアム島の北約100nmにあるテニアン島に海兵隊の訓練施設設置。空軍が代替飛行場としての活用調査
--グアム島施設の抗たん性強化(滑走路、格納庫、弾薬庫、通信施設、燃料施設 ※ただし公式には最大規模の台風とマグニチュード7の地震に耐える施設の準備)

--訓練の強化。東南アジア諸国とのValiant Shield演習(F-15,F-22,B-52,P-3C,FA-18,E-3,KC-135等計106機がグアムから参加)等々・・ハワイのヒッカム基地に所在の613th Air and Space Operations Centerが中心となって実施。 → その教訓はレポートとなり、ワシントンでのAir-Sea Battle計画取りまとめに活用される。

「対中国の空軍司令官交代」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-18
「太平洋軍のAir-Sea Battle検討」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-05
「グアムのB-52が存在感」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-09

★東南アジア諸国の巻き込みと日本の停滞

インドネシアとの関係強化
世界最大のイスラム教と人口と海上交通路に面する国家でありながら、東チモールでの人権問題等で米国は関係強化を控えていた。しかし昨年、米国防省が議会や政府を説得し、慎重に軍事関係構築に踏み出した
対テロ演習のモニターやスタッフの議論からスタートしている。
「インドネシアと関係強化」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-23
「マレーシアと関係強化」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-10

ベトナムとの急速な関係改善
GuamViet2.jpg36年前まで約10年間に渡って血なまぐさい戦いを敵同士として行っていた両国が、ここ15年、対中国の旗の下にドラマチックに関係を改善させてきた。
クリントン国務長官は昨年2回ベトナムを訪れ、ゲーツ長官は史上3人目のベトナム訪問国防長官となって以降、対話を加速させている。
またシンボリックなイベントとして、ベトナム難民だった男性が米海軍士官学校を卒業し、米イージス艦の艦長としてベトナムを訪問している。海上警備や救助訓練を実施した。
「元難民が故郷に錦」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-18-1
「ASEAN Plusに参加」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-11

日本との関係
日本の政治情勢は混乱している。米国大統領が3人しか替わっていない17年間に、日本の首相には12人がついており、何ら変化を生み出していない

日本の外交官は「日本は置き去りにされている(has been marginalized)」と述べている。知日・親日の米国人専門家も「日本は日本自身の最悪の敵となっている」と述べ、「米国の共和党も民主党も日本をby-passしたくないのに、そうせざるを得ない状況にある」と嘆いている。
東南アジア諸国と対称的に、日本と韓国は、これまでのように米国の広範なアジア戦略の中で「リンチピン」や「コーナーストーン」とは見なされていない

せめてもの明るい話は、米軍と自衛隊のカウンターパートが仲良くやっており、35600人の米兵が日本にいることだ。しかし横田基地の米軍幹部は、日本との関係について多くを語りたがらない。

韓国とは・・
自国の国防力を強化して米軍の役割を自ら担おうとしてきた韓国は、政権交代を機に最近態度を変化させ、戦時作戦統制権の移管を2015年まで延ばしてほしいとオバマ大統領に懇願し、米国の編力削減を28500人を下限とするよう要請してきた。(2000年には36000だったのが、2008年には25000人にまで減少していた)
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gates3NT.jpgこの記事だけでは全体像がはっきりしませんが、Air-Sea Battle Conceptに基づく諸施策は出来るところから開始されています。どこまで進められるかは資金次第でしょうが、投資の優先順位はこのconceptを基礎に取捨選択するのでしょう・・
財政が厳しい米国は、まっとうな地域情勢分析に基づき日本には応分の負担を求め、戦略の変更に共に取り組もうと働きかけています。

その場しのぎの表面だけ繕った「新防衛大綱」を作ってしまった日本・・・これからどうすることやら・・・

新防衛大綱とAir-Sea Battlehttp://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19

Air-Sea Battle関連記事
「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「2CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20
「3CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20-1
「4CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-21
「5CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-21-1
「6CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-24
「最後CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-30
「番外CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-02-1

米国防政策と最近の日本
「QDRから日本は何を読む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
「2QDRから日本は何を読む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-01-1

長距離攻撃(LRS)システム構想
「序論:長距離攻撃システム構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-25
「本論1:長距離攻撃システム構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26
「本論2:長距離攻撃システム構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26-1

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