将来戦の鍵クラウド事業出直し:米国防省のJEDI [米国防省高官]
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国防省&米軍データの8割を管理する1兆円事業のドロ沼
Microsoftとアマゾンの法廷闘争で業者選定混迷
2025年までは2社とも採用方向で新事業として出直し
対中国の柱であるJADC2やAIDAやABMSを直撃中
7日付米各種報道は、米軍作戦活動を含む全データの8割を扱う国防省の一大クラウドサービス事業で、企業選定を2017年から開始していた1兆円強規模の「JEDI:Joint Enterprise Defense Infrastructure」に関し、マイクロソフトを選択した国防省決定に不服なアマゾンからの訴訟で事業がとん挫状態にあることから、両社合意の上で国防省がJEDIを白紙に戻し、新事業「JWCC:Joint Warfighter Cloud Capability」として再整理し、2社とも参画する方向で仕切りなおすと報じました
国防省は、形式的に2社の他にも参加を募り、条件を満たせば3社以上の協力体制で事業を進めるとしていますが、企業選定に2社以外で参戦していた「オラクル」や、他の新規企業が手を上げるかは微妙でなようです。
2019年10月の国防省決定で勝者になったはずのマクロソフトが、白紙撤回&仕切り直しに応じた背景には、下馬評ではアマゾン(Amazon Web Services)有利と言われていたのに、Jeff Bezos前アマゾンCEOと時のトランプ大統領が公開の場で口論するなど関係が悪化していたため、「政権による恣意的な選定への介入」が、公然と報じられていることがあるようです
ただ、2社体制(+αの可能性あり)の寝技決着であり、国防省も長くこのまま国防省クラウドを運用すれは批判を免れないことから、「非常に重要な事業であり、これ以上の遅れは受け入れがたい(実際その通り)」、「2025年には、以後の契約について完全オープンな態勢で企業選定する」と言い訳して、両社採用の折衷案で突き進むようです
7日更新C4ISRnet記事等から経緯の概要は
●2017年にJEDIの業者選定開始。1兆円事業を巡り、要求性能や選定の流れ説明の段階から、マイクロソフト、アマゾン、オラクルが激しいつばぜり合いで、選定手続きがしばしば中断延期
●2019年10月、国防省がマイクロソフト選択を発表も、即日アマゾンはトランプ大統領による介入で選定がゆがめられたと法廷闘争へ
●2020年、裁判所は国防省と勝者のマイクロソフトに、JEDI事業の停止を命令
●2021年初、裁判所はアマゾンの訴えを却下することはせず、長期にわたる法廷闘争になると明らかに
今後の新事業JWCCの進め方
●2021年10月、提案要求を2社に提示し、対応可能との返事があれば2社は採用へ。
●同時に、産業界にも問いかけ、条件を満たす企業があれば、2022年4月に参加企業を最終発表
米国防省発表で報道官は
●(2019年10月の決定から時間が経過し、)要求したJEDIのスペックが、もはや国防省のクラウド要求を満たさなくなったことから、能力を有すると判断した2社と仕切り直して代替案を追求する。
●仮に第3の企業が条件を満たせば、その企業にも参画してもらう可能性がある
マイクロソフトのToni Townes-Whitley社長は
●わが社は前進することに切り替えた。前線の兵士たちは、重要だが満たされていないニーズを抱えており、クラウドやAI技術を待ち望んでいる
●我々は、国防省が前進するためのサポートを何時でも行える体制で臨んでいく
アマゾン(AWS)報道官は決定を讃え
●我々は国防省の決断に同意する。不幸にも、以前の決定は外部からの影響力を受けたもので、正しい事実に基づかない決定であった。我々はこれから、最高の品質を最高の価格で提供することに、これまで以上に取り組んでいく
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真偽のほどはわかりませんが、「Trump interference」が諸悪の根源である可能性は否定できません。
ただ、残念ながら、米国の安全保障を支える根幹システムの選定にまで、税金をほとんど納めていないGAFAMの利権争いが影響を与えている側面もありましょう
ITとクラウドの話になると、腰が引けてしまうまんぐーすですが、ドロドロが透けて見える本事案にため息しか出ません。JADC2もABMSも何度も取り上げた重要事業で、AIDA(Artificial Intelligence and Data Accelerator)も始まったばかりなのに・・・
将来戦に向けた指揮統制改革:JADC2、AIDA、ABMS関連
「国防副長官がAIDA開始発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-23
「具現化第1弾でKC-46に中継ポッド」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
「3回目はアジア太平洋設定で」→https://holylandtokyo.com/2020/10/05/425/
「2回目のJADC2又はABMS試験演習」→https://holylandtokyo.com/2020/09/09/476/
「初の統合「連接」実験演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「今後の統合連接C2演習は」→https://holylandtokyo.com/2020/05/14/671/
「連接演習2回目と3回目は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-02
「国防長官も連接性を重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-09
「将来連接性を重視しアセット予算削減」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28
米海軍と海兵隊は我が道なのか
「米海軍の戦術ネットワークProject Overmatch」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-15
「米空軍の課題:他軍種はABMSに懐疑的」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-12
「陸軍と海兵隊F-35が情報共有演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-13
「統合にデータフォーマットの壁」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-12
応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
ブログサポーターご紹介ページ
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1
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国防省&米軍データの8割を管理する1兆円事業のドロ沼
Microsoftとアマゾンの法廷闘争で業者選定混迷
2025年までは2社とも採用方向で新事業として出直し
対中国の柱であるJADC2やAIDAやABMSを直撃中
7日付米各種報道は、米軍作戦活動を含む全データの8割を扱う国防省の一大クラウドサービス事業で、企業選定を2017年から開始していた1兆円強規模の「JEDI:Joint Enterprise Defense Infrastructure」に関し、マイクロソフトを選択した国防省決定に不服なアマゾンからの訴訟で事業がとん挫状態にあることから、両社合意の上で国防省がJEDIを白紙に戻し、新事業「JWCC:Joint Warfighter Cloud Capability」として再整理し、2社とも参画する方向で仕切りなおすと報じました
国防省は、形式的に2社の他にも参加を募り、条件を満たせば3社以上の協力体制で事業を進めるとしていますが、企業選定に2社以外で参戦していた「オラクル」や、他の新規企業が手を上げるかは微妙でなようです。
2019年10月の国防省決定で勝者になったはずのマクロソフトが、白紙撤回&仕切り直しに応じた背景には、下馬評ではアマゾン(Amazon Web Services)有利と言われていたのに、Jeff Bezos前アマゾンCEOと時のトランプ大統領が公開の場で口論するなど関係が悪化していたため、「政権による恣意的な選定への介入」が、公然と報じられていることがあるようです
ただ、2社体制(+αの可能性あり)の寝技決着であり、国防省も長くこのまま国防省クラウドを運用すれは批判を免れないことから、「非常に重要な事業であり、これ以上の遅れは受け入れがたい(実際その通り)」、「2025年には、以後の契約について完全オープンな態勢で企業選定する」と言い訳して、両社採用の折衷案で突き進むようです
7日更新C4ISRnet記事等から経緯の概要は
●2017年にJEDIの業者選定開始。1兆円事業を巡り、要求性能や選定の流れ説明の段階から、マイクロソフト、アマゾン、オラクルが激しいつばぜり合いで、選定手続きがしばしば中断延期
●2019年10月、国防省がマイクロソフト選択を発表も、即日アマゾンはトランプ大統領による介入で選定がゆがめられたと法廷闘争へ
●2020年、裁判所は国防省と勝者のマイクロソフトに、JEDI事業の停止を命令
●2021年初、裁判所はアマゾンの訴えを却下することはせず、長期にわたる法廷闘争になると明らかに
今後の新事業JWCCの進め方
●2021年10月、提案要求を2社に提示し、対応可能との返事があれば2社は採用へ。
●同時に、産業界にも問いかけ、条件を満たす企業があれば、2022年4月に参加企業を最終発表
米国防省発表で報道官は
●(2019年10月の決定から時間が経過し、)要求したJEDIのスペックが、もはや国防省のクラウド要求を満たさなくなったことから、能力を有すると判断した2社と仕切り直して代替案を追求する。
●仮に第3の企業が条件を満たせば、その企業にも参画してもらう可能性がある
マイクロソフトのToni Townes-Whitley社長は
●わが社は前進することに切り替えた。前線の兵士たちは、重要だが満たされていないニーズを抱えており、クラウドやAI技術を待ち望んでいる
●我々は、国防省が前進するためのサポートを何時でも行える体制で臨んでいく
アマゾン(AWS)報道官は決定を讃え
●我々は国防省の決断に同意する。不幸にも、以前の決定は外部からの影響力を受けたもので、正しい事実に基づかない決定であった。我々はこれから、最高の品質を最高の価格で提供することに、これまで以上に取り組んでいく
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真偽のほどはわかりませんが、「Trump interference」が諸悪の根源である可能性は否定できません。
ただ、残念ながら、米国の安全保障を支える根幹システムの選定にまで、税金をほとんど納めていないGAFAMの利権争いが影響を与えている側面もありましょう
ITとクラウドの話になると、腰が引けてしまうまんぐーすですが、ドロドロが透けて見える本事案にため息しか出ません。JADC2もABMSも何度も取り上げた重要事業で、AIDA(Artificial Intelligence and Data Accelerator)も始まったばかりなのに・・・
将来戦に向けた指揮統制改革:JADC2、AIDA、ABMS関連
「国防副長官がAIDA開始発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-23
「具現化第1弾でKC-46に中継ポッド」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
「3回目はアジア太平洋設定で」→https://holylandtokyo.com/2020/10/05/425/
「2回目のJADC2又はABMS試験演習」→https://holylandtokyo.com/2020/09/09/476/
「初の統合「連接」実験演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「今後の統合連接C2演習は」→https://holylandtokyo.com/2020/05/14/671/
「連接演習2回目と3回目は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-02
「国防長官も連接性を重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-09
「将来連接性を重視しアセット予算削減」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28
米海軍と海兵隊は我が道なのか
「米海軍の戦術ネットワークProject Overmatch」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-15
「米空軍の課題:他軍種はABMSに懐疑的」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-12
「陸軍と海兵隊F-35が情報共有演習」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-13
「統合にデータフォーマットの壁」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-12
応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
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ブログサポーターご紹介ページ
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1
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