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太平洋空軍が戦力緊急分散(退避)演習 [米空軍]

台風による緊急避難との名目ながら・・・
わざわざ三沢や嘉手納や横田から戦力を集め緊急避難を 

Resilient Typhoon3.jpg4月22日、太平洋空軍は配下の航空部隊をいったんグアムに集め、その後、台風からの緊急避難の名目のもと緊急にサイパン島周辺の島々に分散避難する演習「Resilient Typhoon」を行いました

この訓練は名称に「台風」を入れて「ギラギラ感」を出さないようにしていますが、担当幹部が「作戦環境と世界脅威の急激な変化」を訓練背景として語っているように、グアムが中国の弾道ミサイルや巡航ミサイルの攻撃を受けそうな場合の緊急避難を強く意識したものと考えて間違いありません

そして三沢や嘉手納基地所属の米空軍戦闘機が訓練に参加し、グアムからの避難訓練を行っている様子から、地域の米軍航空戦力を取り巻く情勢が如何に厳しいものとなっているかを示すものとなっています

23日付米空軍協会web記事によれば
●4月22日、太平洋空軍は、仮に母機地を放棄せざるを得ない状況になっても、他の分散配置された基地で作戦を継続できるよう、「Resilient Typhoon」演習を実施した

Resilient Typhoon4.jpg●演習は、大きな気象脅威を想定し、グアム島アンダーセン基地に集結していた航空戦力を、周辺のテニアン、サイパン、ミクロネシア、パラオに緊急分散避難させる形で行われた
●同演習には、三沢基地のF-16、嘉手納基地のF-15、横田基地のC-130、ハワイ・ヒッカム基地のC-17とF-22が参加し、アラスカのエレメンドルフ基地からも人員機材が参加した

●太平洋空軍戦略計画部長Michael Winkler准将は、「作戦環境と世界脅威の急激な変化を受け、我々の前方展開部隊は対処の余裕が無い場合においても、緊急事態対処が出来なければならない。そして我が戦力は主導の地位を獲得、確保、保持するため、流動的に機動展開できなければならない」と声明の中で述べている

●また同部長は「危機的災害における人道支援対処のため、関連地域に展開できることが一つの重要な鍵である」と述べ、各所の飛行場を理解すれば理解するほど、対処能力とその速度は向上すると付け加えた
太平洋軍司令官Charles Q. Brown大将は年初に、太平洋空軍として地域の代替基地候補を調査し、関係国政府とどの飛行場が米空軍の緊急飛行場として利用可能かを協議していると語っている
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Resilient Typhoon2.jpgいつものように、相も変わらず戦闘機中心の防衛力整備にながれ、亡国のF-35大量購入に踏み切る日本は、ちまちま滑走路普及部隊の整備や、焼け石に水の代替飛行場確保に取り組んでも、所詮は「戦闘機だけ防衛力整備」の言い訳に過ぎないことを、真摯に認めるべきだと思います

有事近づいたら米空軍のF-15もF-16もC-130も、全てグアム以東に避難するとのシナリオを頭に置きつつ、航空自衛隊の航空戦力が無残にも地上で戦う前に討ち死にする可能性を真剣に考え、防衛力整備の方向を今すぐ再検討すべきと考えます

米空軍の西太平洋対策
「担当空軍司令官がACEを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10-1
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「岩田元陸幕長の発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09 

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

グアム島の抗たん化対策
「被害復旧部隊を沖縄から避難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1
「テニアンをグアムの代替に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16-1
「グアム施設強化等の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1

「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12

関連の多様な記事
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06 

くたばれ戦闘機命派
「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02 

「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「ACC司令官も電子戦機を早期に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20
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米空軍ACC司令官がEW体制見直しを語る [米空軍]

電子戦専用機は現時点で考えない
基本DistributedなEW戦略で行く

Electronic Warfare.jpg16日、米空軍戦闘コマンド司令官Mike Holmes大将が米空軍協会のイベントで講演し、米空軍が1年かけて行ってきた電子戦EW見直しの結果について、限定的ながら少し具体的に語り、新たな空軍司令部での部署設置や装備品整備の方向性について触れました

講演後に米空軍報道官室には、講演内容に関する具体的な時程や細部を確認する問い合わせが相次いだようですが、講演内容以外については答えられないとの姿勢で終始一貫しているようです

米軍だけでなく米国防省も最近は、中国やロシアを利する可能性がある構想や戦略やレビュー文書の細部を非公開にすることが多く、このような講演の切れ端も貴重な情報ですのでご紹介しておきます。

16日付米空軍web記事によれば
HOLMES4.JPG●同司令官は、約1年間に渡りEWに関するECCT(Enterprise Capabilities Collaboration Team)が検討した電子戦レビュー(review of electronic warfare) について、電磁優勢EMSを将来にわたり確保するための新たな組織体制や施策について、従来よりも突っ込んで語った
●そしてECCTが同レビューが提言している主要な3点や関連事項について説明した。しかし、提言を実現する具体的な時期や要領等については言及せず、空軍報道官室も講演以上に説明できることはないとの立場を表明している

●まず電磁優位確保の責任者を空軍司令部におく
---空軍司令部内に「EMS Superiority Directorate」を設け、将官をトップにつけ、空軍内のEWの優先投資事項を見極めさせる
---担当範囲には、無人デコイのMALD、F-15CやF-15E搭載のEPAWSS電子戦システム、ALQ-131電子自己防御装置、光電赤外線センサーF-35のEOTS、先進スナイパーポッド等々があるが、サイバー攻撃やサイバーモニターシステムが所掌範囲かは不明

●次に、バラバラな電磁優位活動を一つの組織に融合
---米空軍内の電子戦取り組みをまとめるマルチドメイン組織を設置し、ソフト開発などを集約する。本組織は迅速な脅威への対応を実現するため、「machine-to-machine」認知連鎖や適応をリアルタイムで追及し、勝利のため連携した「分散型システム:distributed systems」を敵電子優位システムを撃破するために展開する

●更に、米空軍内の電子線魂を再活性化
EW Cognitive.jpg---米空軍司令部の電子戦部門長を先頭にして、米空軍全体に電磁優位魂(EMS warrior ethos)を醸成するため、空軍全体を対象とした教育訓練プログラムを構築する。なぜなら情報作戦は電子戦担当者だけでなく米空軍全兵士が関わる戦いだからである
---米空軍のEWに関わっていた者は、10年以上にわたり、米空軍の電子線活動が縦割りで、中露の脅威に対し不適切な状態にあると不満を訴えてきた

●ECCTのGaedecke准将は、EWは国家防衛戦略の基礎であり、米空軍指導力がEWの研究、開発、技術、革新の全てで求められると述べ、同時に不遇の時代にもEWの重要性を訴え続けてきた空軍兵士に大声で感謝を述べたいと1月に語っている

●Holmes司令官はインタビューで、電子専用機で1999年に退役したEF-117のような機体を導入するつもりはないと述べ、「米空軍は今、分散型システム(distributed systems)を追及している」と説明している
●一方で同司令官は、突破型の電子攻撃プラットフォームを将来導入する可能性について否定せず、次世代制空のためのシステム検討の中で吟味されると表現した
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EW Cognitive3.jpgあまりパッとしない、レビュー前から分かっていたことじゃないの・・・と言いたくなるような内容です。

本当は、統合面での言及ももっと必要だと思うのですが、良くわかりません。相変わらず米海軍のEA-18Gに同乗させてもらってエスコートEWを実施している現状について、どう考えているんでしょう?

予算面での手当ては大丈夫なんでしょうか? とりあえずF-35とB-21に投資しておけば大丈夫・・・なんて本音も聞こえてきそうです

EW関連の記事
アクセス数が多い記事ばかりです。是非チェックを!
「米空軍がサイバーとISRとEwを統合」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
「電子戦検討の状況は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-13
「エスコート方を早期導入へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27

「米空軍電子戦を荒野から」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

「EA-18Gで空軍の電子戦を担う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
「空軍用に海軍電子戦機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-09
「緊縮耐乏の電子戦部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29-1
「MALDが作戦可能体制に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29-1

「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02
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米空軍が上下別の飛行服を検討中 [米空軍]

戦闘機Pのシンボル的なつなぎスーツが変わるか
まずは輸送機とヘリから、トイレに便利

A2CU 2.jpg19日付military.comが、米空軍がパイロットの象徴的スタイルである「上下つなぎ」のパイロットスーツの見直しに着手し、通常の戦闘服スタイルの上下別の飛行服を輸送機やヘリ操縦者に許可して使用をはじめて受け入れられていることから、緊急脱出装置付きの戦闘機操縦者にも上下別タイプが提供可能かどうか安全面での確認を行っていると報じています

そもそも、なぜパイロットの飛行服が上下つなぎなのか・・・・。恐らく、戦闘機が攻撃を受けて火災を越した場合に、上下の隙間なく耐火性の飛行服を着ることで火傷を防ぐためや、操縦席からイジェクションシートで緊急脱出した際、パラシュートと身体を一体的に結びつけること、また着水して漂流する際に体温低下を防ぐため、与圧スーツとの関係、耐水服との関係・・・などの理由だと思いますが、今や一つの別人種であることを表すスタイルとなっています

実際の着心地から言えば、トイレに行ったとき大変・・・、特に女性は・・・ということで、この飛行服見直しの主担当はSaily Rodriguez少佐という女性で、Life Cycle Management Centerの「female fitment program manage officer for the the human systems program office」との役職の士官です

まぁ、トイレの不便さだけが見直しの背景ではないと思いますが、輸送機には急速に上下別の飛行服が普及しているらしいとは言え、戦闘機にはどうでしょうか・・・。安全面で基準をクリアーできたとしても、戦闘機操縦者のプライドの象徴ですからねぇ・・・。パイロットが難癖付けて普及しないような気がします

19日付military.com記事によれば
A2CU 3.jpg●18日、Rodriguez少佐は「上下別の2ピース飛行服が搭乗員に提供できるかを検討している」とmilitary.comの取材に対して述べ、つなぎ型から上下別にする利点は、トイレの利用しやすさと全体的な快適さのためであると説明した ●そして「上下別型は広範な観点から検討中であるが、特に安全性面で搭乗員の服装として適当かどうかの点を重視して確認している」と耐火性の確認などを行っている現状を語った

●既に脱出装置の無い輸送機やヘリでは、既に上下別タイプの戦闘服が搭乗員に使用され始めている。2017年、米空軍は上下別の迷彩戦闘服に似た通称「A2CU:Airman Aircrew Combat Uniform」をヘリや輸送機で着用することを認めたのだ。
A2CUはつなぎ型飛行服と同じ耐火性の繊維で作られており、脱出装置の無い航空機での着用が認められた以降、輸送機の定期運航分などから使用が広まっており、米本土では特に広まっている

各級指揮官もA2CUの使用を様々な場面で認めるようになってきており、訓練時や国外展開時にも使用が広がっている。最近の米空軍輸送コマンドの演習「Mobility Guardian」でも、同コマンドはA2CUの着用をオプションとした
●Rodriguez少佐は、米空軍だけでなく、陸軍でも上下別タイプの飛行服検討が行われているとコメントしている。ただし、急速に更に上下別タイプが普及するとは考えておらず、まだ安全性を確認している段階にあると慎重な姿勢を示した
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A2CU 4.jpg輸送機やヘリ搭乗員は飛行時間が長いから快適な上下別型を早期に許可し、安全面で検討事項が多い戦闘機乗り用には確認に時間がかかっている・・・・との説明のように解釈しましたが、救命救助ヘリは戦闘機以上に厳しい環境で運用する訳で、なぜ確認に時間がかかっているのか理解できません・・・

邪推ですが、つなぎ飛行服が廃止されると、またはつなぎ以外にも着用が認められると、戦闘機パイロットの領域が侵される、スタイルイメージが崩れる、他職域との差別化レベルが低下する・・・などの戦闘機操縦者世界や文化からの抵抗が全ての検討を長引かせているのでは・・・と疑ってしまいます

A2CUがこれほど急速に普及する中、戦闘機だけ・・・、なんか変です。

米空軍カテゴリー記事600本 https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300801463-1

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海軍の夢?魚雷を迎撃する魚雷 [安全保障全般]

米海軍はあきらめたが独企業が挑戦
ロシアやトルコも開発しているらしいが・・・

SeaSpider 2.jpg4月上旬、ドイツ企業とドイツ海軍が協力して「魚雷迎撃魚雷システム:anti-torpedo torpedoes」を開発中で2017年には一定の試験に成功していると同ドイツ企業が明らかにしました。

この魚雷迎撃システムは、古くから世界の海軍関係者が追及してきたものですが、大気圏や宇宙空間のようにレーダー探知追尾や光学監視追尾が不可能なことから、弾道ミサイル防衛とは異なる考え方が求められる困難な取り組みです

それでも細部は不明ながら、ロシア海軍は「Paket-E/NK」との対潜水艦攻撃用と対魚雷攻撃のdual-use魚雷を配備していると言われ、トルコでも魚雷迎撃魚雷の試験に企業「Aselsan」が成功したとの報道が昨年秋に出たようです。

しかし米海軍では、開発してきた「水上艦魚雷防御システム:Surface Ship Torpedo Defense system」の魚雷探知識別精度が低く、誤警報を頻発すること等から昨年秋に開発計画が中止されており、その開発の難しさが話題となりました

今日ご紹介するドイツ企業のシステムも、2023-24年に実戦導入を目指す計画と言っていますが、ドイツ政府はノーコメントで、カナダ企業との協力を模索しているとの話もあり、技術的成熟度がどの程度かは判然としませんが、四面環海の日本としては気になる動きですのでご紹介します

16日付Defense-News記事によれば
SeaSpider 3.jpg4月初め、ドイツ企業が「SeaSpider」との魚雷迎撃魚雷の試験に2017年成功していたと明らかにした。同試験はドイツ海軍艦艇と同海軍研究所「WTD71」の協力で行われ、停止した海上プラットフォームからの物だったようだが、2018年に試験データ解析を行い、やっと今年になって開発自体を公にする許可が出たとのことである
●ただしドイツ海軍は、兵器や弾薬に関することは全て秘密事項であるから、コメントできないとの姿勢である

●開発しているのはドイツの「ThyssenKrupp Marine Systems」の子会社の「Atlas Elektronik」で、「SeaSpider」魚雷迎撃魚雷と、敵の魚雷を探知・識別・追尾する「torpedo detection, classification and localisation (TDCL)」システムで、海上試験に成功したと発表した
●魚雷迎撃魚雷には、ロシアやトルコが取り組んでいるが、米国防省の試験評価局の2018年対象の報告書によれば、米海軍は開発システムの信頼性が不十分として開発を中止している

SeaSpider.jpg●一方でこのドイツ企業Atlas Elektronikの開発責任者Thorsten Bochentin氏は、米国が克服できなかった「開発上最大の課題」である魚雷探知識別精度の課題を、艦艇搭載センサー情報と迎撃魚雷がシーカーから入手する情報の融合で克服したとDefense Newsに対し語っている
●また同氏は、価格面でもローコストを実現できると主張し、一般的なMU90のような魚雷が1発2億円としても、「SeaSpider」はその何分の一かの価格で実現できると説明した

●更に同氏は、SeaSpiderがバルト海のような浅い海でも活用できるよう、水中投入後直ちに推進装置が駆動するような設計なっている点も強調している
●今後「SeaSpider」は、2023-24年の実戦投入に向け、独海軍の協力を得て移動艦艇からの発射事件などを行う計画であるが、仮に将来ドイツからの協力が得られなくなっても 、既に他国からも複数の問い合わせや投資申し出があることから、同氏は開発の今後に自信を持っている

●具体的にな動きとして4月8日の週には、カナダの「Mississauga」とのロケットモーター企業との提携を発表し、将来の製造拠点として米大陸への進出を見据えている
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wake-homing.jpg水上艦艇や潜水艦への脅威として古典的な魚雷ですが、最近は艦船の後ろに残る「航跡波」「航走波」「曳き波」を追随してスクリューや推進装置を破壊する「wake-homing魚雷」が極めて大きな脅威として恐れられており、その対策が急務となっています

「SeaSpider」は「wake-homing魚雷」への対処力も設計上あるようで、関係者は今後の試験でその能力をデモするそうです。最近ドイツの軍需企業からの話題が多いですね。偶然でしょうか?トルコも・・・

関連のありそうな記事
「独の後継戦闘機争い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-01
「独企業の対ステルスレーダー」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-17-1
「魚雷に目標情報アップデート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-16-1
「米NPRも露核魚雷に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13-1
「露が戦略核魚雷開発?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-06

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米空軍:抑止のため攻撃的宇宙能力を示すべき [サイバーと宇宙]

何か意味深な言いぶりです
安価小型を多数の方向に変化?
数か月後に細部を公表すると

Wilson6.jpg10日、Wilson空軍長官が宇宙関連のシンポジウムで講演し、今年2月に2年ぶりにまとめた「米空軍の宇宙戦略」の内容について「ぼんやりと」語り、敵を抑止するために攻撃的な能力を保有していることを相手に認識させる必要性や、多数の小型衛星を使用して脆弱性を克服する考え方の限界、また民間衛星会社との協力等について触れました

この2年ぶりの分析結果に基づく戦略については、数か月後(同空軍長官が退任後)に詳細を明らかにするとして細部に言及することは避けたようですが、多数のウォーゲームや机上演習での検証・分析を経てまとめられたもののようで、統合参謀本部や地域コマンド、、NROや研究開発機関であるDARPAも強い関心を持っていると空軍長官自らアピールしています

退任直前のWilson長官の表現には微妙な言い回しがあり、どう解釈すべきか悩むところもあるのですが、とりあえず詳細が出回る前の「前振り」として同長官の発言をご紹介しておきます

10日付米空軍協会web記事によれば
space aware2.jpg●10日、Space Foundation主催の宇宙シンポジウムの会場で空軍長官は記者団に、米国は宇宙での攻撃能力をデモンストレーションすることになるだろうと述べ、「敵対的な相手に割れの能力を理解させることが必要だ」と語った
●そして「我々に何ができるかをある程度、少なくとも大まかにでも、相手に知らせることが必要だ。抑止の最後の重要点は不確かさであり、我の能力に関し、相手がどれだけ確信をもっているかにかかっている。なぜなら相手の心には誤解のリスクが存在するからだ」と表現した

●更に同長官は細部に触れることをかけたが、米空軍が2年ぶりに4か月間かけてまとめた宇宙関連文書において、(攻撃的な)能力について検討していると言及した
●その検討文書について、「ミサイル早期警戒から通信・情報収集まで、全ての宇宙関連分野を検討の対象とした」、「脅威と我の行動に反応する仮想敵を可能な限りベストな形で想定して分析した」と説明した

●また、同分析は現在の予算計画の有効性を確信させるもので、統合参謀本部や地域コマンド、NROやDARPAからも関心を寄せられていると長官は説明した
wilson7.jpg特に米空軍は、新しいlSpace Development Agencyも検討している低軌道の低コスト商用衛星システムへの資源投資のやり方について検討し、「単一の答えが全ての状況に当てはまることはなく」、多様な対応が求められており、単に衛星を多数打ち上げて解決するものではないとの結論に至ったと同長官は語った

●更に、商用の低軌道衛星と「not well-aligned」な宇宙任務は、自身を守るための変更が可能な点で実際は優れているのだ、と同長官は表現した ●そして「米空軍は低軌道衛星システムや商用システムに投資している。しかし、数百個の安価な衛星を毎年打ち上げているだけでは、前線兵士を支える複雑なシステムの代替にはならない。分析結果が明確に示している」とも明言した

●また同空軍長官は、民間衛星会社との大きな協力のチャンスが見えていると表現し、米軍全ての軍種で、低コストのマルチバンド衛星通信装置が、全ての装備品に求められていると現状を語った
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これまでまんぐーすは、高コストで多機能の少数の衛星に頼っていいると、敵の衛星兵器や妨害電話で無効化された場合のリスクが大きいので、低コストで小機能の衛星を多数打ち上げる方向に米軍はあると単純に考えていましたが、そんなにシンプルではない・・・との分析結果の様です(たぶん・・)

space-based 2.jpg空軍長官や米空軍が言いたいのは、高機能で高価格な衛星も必要だと言いことなんでしょうか? 攻撃的な能力保有を相手に認知させるとは、どんな能力のことなんでしょうか?

数か月後の詳細な発表を待つことといたしましょう。元気があればフォローします

宇宙とサイバー関連の記事150本
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302888136-1
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調達担当者を守り、挑戦させる文化を [米国防省高官]

調達改革との言葉の煙幕にだまされるな
調達の迅速化とコスト削減には、担当者に権限を与え、かつ失敗のリスクから守ってやる仕組みが必要だ

Roper.jpg12日、米空軍協会のミッチェル研究所で講演したWill Roper次官補は、真の調達改革は調達意思決定系統チャート図を修正して達成されるものでは決してなく、調達の現場をよく知る経験豊富な担当官に「top cover:組織としての保護」を与え、多少のリスクを冒しても迅速に調達を進められる環境を与えることだと訴えました

そして、最新技術が民生分野から生まれてだれでも利用可能な時代には、調達のスピードこそが重要であり、コストの低下は自然と後からついてくるものだとも語りました

「top cover」の意味と、具体的に調達担当官にどんな権限を与えるのか、リスクをどこまで受け入れるのか等の細部は不明ながら、豊富な経験とアイディアを持つ担当官に、ある程度自由にやらせようとの主張で、重要な教訓が得られた場合には、失敗でもを表彰する制度も既に開始したと紹介されています

税金を使う役人の世界で、また特定の企業しか関与していない軍需産業の世界で、調達担当官の自由度を高める事は、業者との癒着や不正を生む可能性をはらんでいるわけですが、それを防止する仕組みが可能であれば傾聴に値する調達刷新につながるかもしれませんので、細部は不明ながら紹介しておきます

12日付米空軍協会web記事によれば
Roper55.jpg●Roper次官補は、世間で一般に言われている「国防調達改革」との言葉が「red herring:問題解決から目をそらすための誤魔化し」だと断罪し、調達の迅速化とコスト削減のためには、経験と能力を持つ調達担当官を守る「top cover」を与えて、彼らが守られていると信じられる環境を与え、リスクを恐れずに行動させることが必要だと語った
●また、調達に関する規則改正も議論されているが、この「top cover」さえがあれば、迅速にリーズナブルな調達を調達担当官は今でも可能なのだと訴え、議会だって迅速な調達を望んでいると説明した

●更に、調達関連の法律や規則改正で、調達の流れのチャート図を改正して改革が達成できると考えるのは大きな間違いであり、そんな改革は機能しないと言い切った
●そして、調達スピードの重要性を強調し、軍事が最新技術を独占していた冷戦期と異なり、民生技術がリードする現代においては、最新技術を導入するスピートが勝負を決めると力説した

●例えば、ある航空機を1500機30年使用する時代ではもはやなく、150機程度を10年で更新していくイメージだと語り、これによって30年間特定企業が事業を独占することもなくなり、新規参入企業にもチャンスが増え、競争原理も働き調達コストの削減につながると説明した。 ●最後にRoper氏は、調達にかかわっている担当官ほどリスクと戦いつつ業務をしている者はいないのだから、その上司がリスクを支える体制を明確にすることで彼らの士気は高まり、彼らの知識と経験が最大限に発揮されるのだと訴えた

Roper.jpg●Roper次官補は維持整備経費の大きさにも触れ、調達経費の7割が維持整備経費だと述べ、また大きな装備品調達にばかり注目が集まるが、調達予算の9割が小口の維持整備用の調達で占められていると語った
●そして、多額の費用が掛かる計画外整備を防止するためのAIによる予防整備の管理や、3Dプリンターによる少数パーツの調達が多額の維持整備費削減につながる可能性にも触れた
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語られている用語や法律名に知識がないため、雰囲気を紹介するような「意訳」でご紹介しましたので、細部についてはご自身でご確認ください

国防関連調達は、不正や癒着との戦いの歴史ですから、また今の法律や規則は、不正や問題が発覚する度に上積みされてきたものですので、「top cover」の提供やリスクを恐れない行動が、変な結果を招かないことを祈ります

ゲーツ長官(当時)が言ってました、「ロシアのセルジュコフ国防相と完全に意見が一致したのは、装備品開発におけるスケジュール遅延と価格高騰の常態化の問題である」と。古今東西の課題ですので、意欲的なRoper氏の手腕に期待したいと思います・・・

調達改革の関連
「議会軍事委員会でも問題視」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-14
「各軍種の調達担当幹部が改革要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-08
「調達価格削減戦略」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-19

「技術優位確保offset strategy」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-06-1
「Better Buying Power 2.0」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-14
「第1弾:ゲーツの取得改革指針」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1

ロバート・ゲーツ語録100選
https://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
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米3軍の長官が士官学校でのセクハラ問題議論 [Joint・統合参謀本部]

対策が尽きたので一般大学の知恵を
3軍で協力して士官学校のセクハラ対処へ

Sexual Assault summit.jpg4-5日にかけ、陸海空軍長官が米海軍士官学校に集結して「士官学校におけるセクハラ・性暴力」サミットを開催しセクハラや性暴力問題が近年悪化していると米国防省から指摘を受けたことを受け、専門家や一般大学関係者から話を聞き、互いに意見交換してネットワークを構築し、3長官が今後の協力していくことを誓いました

一般大学の話が士官学校の参考になるのか「?」なところですが、よりによって米軍のリーダーを育てる士官学校での問題であり、3軍長官の危機感が感じられます

この3軍長官サミットは、国防省が2月に公表した3軍士官学校におけるセクハラと性暴力に関する調査報告書が厳しい内容であったことから開催されたものですが、同報告書の中には例えば・・・

USAFA2.jpg空軍士官学校の女性候補生の46%が前年度間にセクハラを経験しているが、学校当局に報告されたのは1件のみである。陸海士官学校でも同様に報告される比率が極めて低い
空軍士官学校の女性候補生の15.1%が性的行為(お触りからレイプまでを含む)の被害を受け、前年度の11.2%から上昇している。そしてわずか13%の事例しか報告されていない。陸軍士官学校でも16.5%が被害を受けている

前年より悪化傾向を示す統計数値として、3軍士官候補生の間で男女を問わず、互いに「その行為は1線を越えている。セクハラ等に該当する」と明確に告げる意志レベルが低下している
USAFA.jpg●また、ハラスメントを受けた場合に、学校当局に報告して助けを求めようとの意志レベルも前年より低下している

●更に、女性士官候補生の中で、学校当局関係者が(セクハラや性的行為に関し)模範となるような行動や言動をしていると感じている者の比率が、前年より低下している
●また、学校当局が真摯(honest and reasonable)にセクハラ等に取り組んでいると感じている女性士官候補生の比率が前年より低下している
・・・などとの内容が含まれていました

8日付米空軍協会web記事によれば
wilson7.jpg●2日間のサミット後、Wilson空軍長官は声明を出し、「私たちは、セクハラや性的襲撃事案を減らすために、サミットで学んだことを共有し、全米の一般大学と協力していく責務を負っている」、「機関のリーダーとして、問題の存在を把握しているが、(3軍内に)対策案がない状態であることを率直に認める事でもある」
●更に「我々が協力することにより、性的襲撃事案が削減できる可能性がより高まるだろう」と述べている

Mark Esper陸軍長官は、「セクハラや襲撃は間違いなく困難な問題である。しかし協力して立ち向かうことで根本原因の理解を深め、このような犯罪を組織から根絶する革新的な対策の意見交換を行いたい」とコメントしている
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多様性が組織を強くするのは真実でしょうし、現代の紛争の様相や軍の活躍の場を考えると、女性の存在の必要性・重要性は否定できません

ただ、これを言うとお叱りを受けそうですが・・・、軍の現場では、課題も表面化し、また組織の「疲れ」も感じます

もちろん米国社会全体の劣化も強烈に感じますが・・・

軍での女性を考える記事
「現役パイロット時に上官にレイプされた」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-08
「自衛隊は女性登用に耐えられるか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10
「女性特殊部隊兵士の重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「Red Flag演習に女性指揮官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19

「米国防省:全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「ある女性特殊部隊員の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「珍獣栗田2佐の思い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17
「2012年の記事:栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1
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米海兵隊は特殊作戦軍を廃止せよ!? [Joint・統合参謀本部]

海兵隊OBの重鎮研究者が提唱の廃止案
議会にも賛同者が出て次期海兵隊トップは火消しに

Berger.jpg4月8日の週、次期海兵隊司令官の候補者として上院軍事委員会に臨んだDavid Berger中将は海兵隊は特殊作戦軍を廃止してアジア太平洋地域での着上陸作戦準備に集中すべきとの提言レポートへの見解を議員から問われ、米海兵隊は統合特殊作戦部隊が求めている前線小部隊のリーダーシップを担っていると反論しました

話題の提言レポートは、3月21日に海兵隊OBであるDakota Wood上席研究員がヘリテージ財団から発表した「Rebuilding America’s Military: The United States Marine Corps」で、海兵隊に特殊作戦分野から手を引くよう提言しています

Wood氏の考え方は・・・
●米海兵隊は、特に(対中国を意識した)アジア太平洋地域での近代戦における新たな着上陸作戦コンセプトや装備が必要だと自ら分析しているが、その能力開発獲得のためにほとんど何もしていない
●米海兵隊は、強固に防御されたアジア太平洋地域の沿岸地域での戦いを勝ち抜くために、限られた資源を注いでいるか再考すべきである
限られた資源で、アジア太平洋地域での新たなコンセプトや装備による着上陸作戦戦に取り組むためには、特殊作戦軍を廃止して資源の再配分を考えるべきである

Dakota2.jpgこの提言レポートが話題になったのは、執筆者であるWood上席研究員自身が、最近まで米海兵隊特殊作戦軍の政策戦略担当顧問を務め、将来の海兵隊に役割を踏まえ、海兵隊特殊作戦軍の戦略・政策・作戦コンセプト・戦術をまとめる仕事に従事し、米海兵隊上層部と共に同特殊作戦軍の将来を議論して実態を知り尽くしている人物だからです

恐らく海兵隊上層部からすれば「裏切り行為」であり、13年前に同特殊作戦軍を創設してからかかわってきたOBからも反論が相次いでいるようですが、海兵隊で20年間優秀な士官として中佐まで務めたWood上席研究員の主張に手を焼いている模様です

12日付Military.com記事によれば
次の海兵隊司令官候補にノミネートされているBerger中将は、「Marine Raiders」と呼ばれる海兵隊特殊部隊員は統合の米特殊作戦部隊に必要不可欠な中核であり、他軍種に比較して発足は遅れたが「考えうる最速で進歩発展している」と上院軍事委員会で述べた
●そして「日々続いている統合作戦において、航空機を投入し、兵站を支え、地上部隊を投入して作戦を遂行しているし、極めて自然に作戦に溶け込んでいる」、「海兵隊特殊作戦部隊の存在で、統合の特殊作戦軍はより良くなっている」と主張した

Berger3.jpg●委員会で質問した Richard Blumenthal上院議員は、元海兵隊員で最近まで海兵隊特殊作戦軍の政策戦略補佐官を務めていたDakota Wood上席研究員の主張である、海兵隊は着上陸任務に資源を集中し、強固に防御された沿岸地域を対象に遂行することになるアジア太平洋地域での作戦に集中すべきだと主張するレポートに関して見解を問いただしたものである
●かつて特殊作戦部隊の偵察部隊に所属していたBerger中将はまた、米海兵隊は統合特殊作戦部隊が求めている前線小部隊のリーダーシップを担っていると反論した

米海兵隊の報道官は、米特殊作戦軍の将来方向について議論は当然行われるべきだとの姿勢を示しつつ、3月にヘリテージ財団から当該レポートが発表された際は、「絶えず変化する安全保障環境を踏まえ、海兵隊や統合戦力がどのように対応すべきかを考える議論の一側面に過ぎない」とコメントしている
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Berger2.jpg対テロから中露との本格紛争に舵を切る米軍の苦悩の一側面ですが、陸海空軍より大きく遅れて特殊作戦軍を編成した海兵隊にとって、特殊部隊は存在意義に関わる任務でもあり、一方で着上陸作戦自体の存在意義も問われる時代ですから、海兵隊にとってはその根本にかかわる重い問題です

しかし、その組織の中核にいた人が、組織の外に出た後に、組織の考え方と反する方向で率直に堂々と自らの主張を展開する環境の存在を羨ましく思います

自衛隊のOBにも、言いたいことがある人は一杯いると思いますけどねぇ・・・

ヘリテージ財団の関連レポートwebページ
「Rebuilding America’s Military: The United States Marine Corps」
https://www.heritage.org/defense/report/rebuilding-americas-military-the-united-states-marine-corps

最近の米海兵隊関連の記事
「強襲揚陸艦にF-35を多数搭載へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-07
「自然災害で施設復旧予算枯渇」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-24
「大空に男性器:またやった今度は海兵隊」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-28
「米海兵隊が大型無人機開発へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-17-1

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米空軍F-35Aが中東に初展開 [亡国のF-35]

昨年海兵隊のF-35Bが強襲揚陸艦で展開に続く
F-22が展開していた同じUAEの基地に

F-35 UAE.jpg15日、米中央軍が中東UAEのAl Dhafra空軍基地(アブダビの南約30㎞)に初めて米空軍のF-35が展開したと発表し同地域に展開する多国籍部隊の能力を大きく強化すると表現しました

展開した機数は公開されていませんが、米本土ユタ州のHill空軍基地の第388戦闘航空団と第419戦闘航空団(予備役)から機体が派遣されたと明らかにしています

中東へのF-35派遣は海兵隊のF-35Bが強襲揚陸艦Essexに艦載されて昨年初めて行い、昨年9月にはアフガニスタン内の目標に対する攻撃任務で初実戦投入されたところです

中東への航空戦力派遣については、米空軍が約18年継続してきた大型爆撃機派遣が今年3月中旬にB-1が帰国して途絶え、同じAl Dhafra空軍基地に展開していたF-22も2月末には帰国して「引き潮」傾向が指摘されていたところでした

米中央軍のスタンスはあくまで、「必要な時に必要な戦力を投入する」であり、B-1やF-22の帰国、また今回のF-35Aの展開についても「ルーティーン」なものだと淡々としていますが、2016年8月にIOC宣言をした米空軍F-35にとっては、実質的な初実戦であり、大きな決断でありましょう

15日付Military.com記事によれば
Guastella.jpg中央軍空軍司令官のJoseph T. Guastella中将は声明で、「我々の最先端兵器を手にすることで、多国籍部隊の能力は著しく強化される」、「F-35が持つセンサー融合や残存性能力は、地域の安定と侵略勢力の抑止力を大いに強化する」と述べている
●またGoldfein空軍参謀総長は、「F-35Aは、如何なる相手と対峙しようとも、我が国に制空を提供してくれる」、「多国籍統合部隊のクォーターバックを考える時、相互運用性があるF-35Aこそが、明らかにそのリーダーの役割にふさわしい」と声明の中で表現した

●F-35Aが担うであろうと推測される任務は、これまで同基地に展開していたF-22が行ってきた、地上部隊へのエアカバーのほか、極めて重要な係争中の情報収集が想定される
●また、F-22はステルス性と強力なセンサー能力で、大きな衝突事案があった後、最初に当該地域に投入されるアセットであった。例えば、2017年の米軍機によるシリア軍機撃墜後や、米海軍トマホークによるシリア空軍基地攻撃後、最初に投入されたのがF-22だった

●米軍の声明はF-22が中東に戻ってくるかについて触れていないが、F-35は似た能力を提供可能であり、「F-35Aは全ての戦闘エリアを念頭に設計され、最も強力で包括的なセンサー融合パッケージを搭載している。その能力は新たな敵に対して航空優勢を維持するための致死性、残存性、適応性を改善してくれる」と述べている

F-35 Sun-Set.jpg●また中央軍空軍は、今回のF-35Aの展開が特定の事象や作戦と関連するものではなく、以前から計画されていた「ルーティーン」なものであることを強調した
●一方で、イラン勢力がシリア国内に展開中の米軍部隊近傍で活動しているとの状況下、トランプ政権がイランへの圧力を強めている中でF-35A展開のニュースが飛び込んできた
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イランとの関連は少し深読みしすぎのような気がしますが、2016年8月のIOCから3年近く経過し、満を持しての実戦投入ですから、徐々に明らかになるであろう展開規模や期間に注目いたしましょう

F-22は、マティス前国防長官の指示で9月末までに稼働率8割を目指していましたが、ステルス機体の維持工数等から早くも「白旗」が上がっている機体で、「クウォーターバック」の役割がF-35に回ってくる機会も徐々に増えるでしょう

三沢沖でのF-35A墜落の原因が気になるところではありますが・・・

関連の記事
「大型爆撃機の中東展開終了?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-30-1
「海兵隊F-35が初実戦投入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-28-1
「イスラエルが世界初実戦投入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
「米空軍F-35部隊がIOC宣言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-28 
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NATOが選挙妨害サイバー演習 なぜか韓国も [サイバーと宇宙]

エストニアという象徴的な場所を中心に
1000人以上が参加という規模の大きさ

Cyber-EX.jpg8日付Fifthdomain.comが、9日から4日間にわたり行われたNATOサイバー演習「Locked Shields 2019」を取り上げ仮想のとある国の総選挙に外部勢力がサイバー攻撃を仕掛ける・・・との如何にもありそうなシナリオで行われた演習を紹介しています

今回が初めてではない「Locked Shields」演習は、複数のチームがサイバー防衛部隊として演習に参加し、サイバー攻撃から如何に国を防衛したかを争い、最終的に優秀チームが表彰される形式の様で、昨年はNATOの「Communications and Information Agency」チームが優勝しているようです

事柄の性質上、どこで開催されたのかもはっきりしない(サイバー空間上で開催か?)など、細部は不明のサイバー演習ですが、なぜか韓国からも参加しているようですのでご紹介しておきます

8日付Fifthdomain.com記事によれば
Cyber-new2.jpg●NATOサイバー演習「Locked Shields 2019」は、9日から4日間、エストニアのタリンに所在するNATOの「Cooperative Cyber Defence Centre of Excellence」による仕切りで行われた。
●演習は、仮想の国「ベリーリア:Berylia」の総選挙に併せて外部勢力が国家全体を対象にした大規模サイバー攻撃を仕掛け、通信、浄水、電源、4Gネットワークや主要社会サービスを麻痺させることで選挙結果に対する国民の受け止めを操作し、社会に混乱をもたらす想定で行われた

演習には6つのサイバー防御チームが競い合う形で参加し、総勢1000名が演習に参加すると見られている。各チームは演習サイバー空間で「ベリーリア:Berylia」国に向けられた様々なサイバー攻撃に対処し、その結果は「実弾演習のように」演習仮想空間上で効果として現れるように準備されている
NATOチームは昨年優勝の「Communications and Information Agency」を中心として編成されており、他にもエストニア国防軍やフィンランド軍、米欧州コマンド、そして韓国国家安全保障研究所も、演習「オーガナイザー」として参加している

Cyber Top4.jpgこのエストニアはITを国家として積極的に導入し、公共機関や社会インフラ、住民サービスにネットワークを活用したIT活用先進国として知られていたが、2007年にロシアからと思われる大規模なサイバー攻撃を受け、国家機能がマヒした経験を持つ
●この経験を踏まえ、国としてのサイバー防衛体制を強化に取り組み、今やサイバー先進国として知られてるが、国際的なサイバー対処規範を目指す「タリンマニュアル」作成にリーダーシップを発揮する等の取り組みでも知られている
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選挙に合わせて政情不安・社会不安をサイバー攻撃で煽る・・・いかにもなシナリオ設定で感心させられますが、EUの足並みが乱れ、難民問題で揺れる欧州諸国にとっては切実な問題でしょうし、大統領選挙を迎える米国にとっても関心の深いシナリオでしょう

cybercrime1-.jpg最近の日本のマスコミの報道具合を見ると、既に外国勢力の工作の餌食になっているのでは・・・と感じてしまいますが、サイバー攻撃をに対する備えも当然怠ってはいけません。

それにしても・・・なぜ韓国が???


最近のサイバー関連記事
「ナカソネ司令官が米軍サイバーを仕切る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-17
「大活躍整備員から転換サイバー戦士」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-3
「サイバー戦略がもたらすもの」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-02
「市販UAVの使用停止へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-07-1
「サイバーコマンドの課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-04
「サイバー時代の核兵器管理」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-02

「人材集めの苦悩」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-31
「米空軍ネットをハッカーがチェック」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23
「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

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米海軍軍人トップ候補に初のP-3パイロット [Joint・統合参謀本部]

海軍人トップの海軍作戦部長CNOの候補
過去31名のCNOに9名操縦者も、P-3操縦者はなし
現在の副作戦部長だそうです

Bill Moran.jpg10日付Navytimes.comが、米海軍人最上位ポスト(もちろん統合参謀本部議長は除く)である現在のJohn Richardson米海軍作戦部長の後任として、現在副作戦部長であるBill Moran海軍大将をトランプ大統領が議会に推挙したと報じています

そして同記事は、過去31名の海軍作戦部長の中にパイロットは9名おり、いずれも空母艦載機のパイロットであったが、Moran海軍大将が議会に承認されれば、初めての対潜哨戒機パイロット出身CNOが誕生すると紹介しています

更に同記事は、Moran大将が米海軍内ではマイナーな職域の出身であることからか(邪推です)、これまでの業績や人柄が素晴らしいとOBから下士官までの言葉も紹介しる異例の長文記事となっており、Defense-Newsも全文を引用しています

過去に取り上げたことのない人物ですので、高い評価の一端とご経歴を簡単に紹介させていただきます。ちなみに現在の Richardson作戦部長がノミネートされた際は、原子力分野の技術者から初めてで、少し変わり者・・・との記事が海軍関係機関から出ていました

10日付Navytimes.com等によれば
Bill Moran2.jpgニューヨーク出身のMoran大将は、近くの陸軍士官学校には進まず、1981年に海軍士官学校を卒業した。卒業後はP-3操縦者の道を進み、冷戦期のソ連潜水艦追跡に従事した
●米海軍のP-3部隊の各種勤務のほか、空母戦闘群の作戦幕僚を経験し、将軍になって以降は、偵察任務機を束ねる部隊長や、米海軍司令部の航空作戦部長や人事部長を務め、2016年5月から副作戦部長を務めている、

特に米海軍内で記憶に新しいのは、米海軍司令部の人事管理部長を2013-16年に努めた際、長年問題を指摘されながら改革に着手できていなかった米海軍の旧態依然とした人事制度を刷新し、21世紀型に作り上げた点である
●「Sailor 2025」計画としてまとめられた人事制度改革は、人事管理だけでなく訓練体系や体制、報酬体系や昇任審査制度まで広範にわたるもので、更に家族のための基地内施設の充実やオープン時間の延長など福利厚生面、出産育児休暇制度などなどにも及んだ、

マイナーな職域でこのような活躍の場を与えられた背景には、同大将が「executive assistant」として仕えた海軍作戦部長や太平洋軍司令官からの極めて高い評価がある
●同大将を上級補佐官として使った元太平洋軍司令官は、通常は将軍になる直前のベテラン大佐を上級補佐官につけるが、彼の当時の司令部内での働きが目覚ましく、問題ないとして経歴管理上は異例だったが「executive assistant」にしたと証言している

P-3C Navy3.jpg●このような幕僚としての働きは、与えられた任務遂行のため関係部署との調整能力や企画能力の高さによるが、その力は海軍司令部の部長として、予算獲得のために奔走した議会調整でも発揮され、時に議会に厳しい警告を発する等の動きも出来る硬軟両方に秀でた人物との評価である
Moran将軍がかつて指揮官を務めた部隊の上級先任軍曹は、同大将が謙虚に下士官の言葉に耳を傾け、上級下士官食堂に度々足を運んで意見交換したこと、即答できない問題にも後日必ず返答があったことなど、下士官からの人望が厚い士官や指揮官であったと語っている

取材した中で全ての退役将軍や下士官が、Moran大将が素晴らしい作戦部長になるだろうと話してくれた。
●中には、米海軍が直面する厳しい情勢や予算環境から、またトランプ大統領と米軍の考え方が必ずしも一致していないことから、作戦部長として成果を上げることが容易ではないと指摘する人物もいたが、Moran大将の優れた資質に疑問を挟む人間は誰もいなかった
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P-3C Navy2.jpgこの厳しい予算状況と、トランプ大統領を最高指揮官に頂く中で、米海軍艦艇の355隻体制を追求することを求められるのが次期海軍作戦部長です。

米空母トルーマンを25年も早期退役させる案や、従来機種の倍の価格のフォード級空母やSSBNを調達する計画、F-35C調達圧力が国防省内からも高まる中、FA-18を追加で110機調達に突き進む米海軍トップです

米海軍で主流の艦艇族、癖の強そうな艦載機族や潜水艦族など、これらを束ねるのは至難の業でしょうが、P-3には親しみのある日本ですので、頑張っていただきましょう

Bill Moran大将のご経歴(超手短です)
https://www.navy.mil/navydata/bios/navybio.asp?bioID=483

今の米海軍作戦部長関連の記事
「曖昧なA2ADも使用禁止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-04
「呼称CBARSは好きでない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「同大将の初海外は日本」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-25
「海軍内では信頼薄い!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-14
「ノミネート会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-16-1

「空母トルーマン早期退役案で紛糾」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-29

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また米空軍研究所が無人ジェット機開発 [米空軍]

何がやりたいか見えません
先日紹介のXQ-58A Valkyrieとの違いは?

Skyborg.jpg3月末、米空軍省の調達責任者であるWill Roper氏が昨年10月から検討を開始したという米空軍研究所AFRLの「Skyborg」 との名前の無人機コンセプト図を公開し、関係企業の保有技術で何が実現可能か情報提供を募るRFI(request for information)を発出しました。

各種航空メディアは、この3本脚のずんぐりステルス形状のような機体を「無人ウイングマンのコンセプト図だ」とか、安価な無人戦闘機開発の原型だとか紹介していますが、3月5日に初飛行した同じく空軍研究所AFRLが開発を主導する「XQ-58A Valkyrie」もあることから、「米空軍は何をしようとしているのだ?」との疑問がくすぶっている状態です

もちろん一般的なイメージ理解としては、「XQ-58A Valkyrie」がMQ-9の発展形の無人機で、長時間在空のISR+攻撃能力を備え、ステルス形状で強固に防御された敵空域での戦いにも投入可能な方向を追及し、「Skyborg」が無人ウイングマンタイプで、例えばF-35が10機の「Skyborg」を引き連れて強固に防御された敵空域で行動するイメージだと思います

XQ-58A.jpgしかし両方の関係者はそれぞれに、「何ができて、何ができない、との縛りはない。AIや電子戦やサイバーも絡め、幅広い可能性を探っていく」との姿勢で現状を語っており、技術先行で運用コンセプト後回し状態が感じられます

このような状態に米議会からは、航続距離が短く搭載量も少ない従来型戦闘機の延長であるF-35に資源と労力の多くを費やしている米空軍は、戦闘機パイロットが支配する米空軍は、今生まれつつある最新技術を生かせないのではないか・・・との疑念も生まれつつあるようです(前からあった疑念が、いよいよ表面化したともいえますが・・・)

とりあえず本日は「Skyborg」の状況を、「XQ-58A Valkyrie」と絡めてご紹介し、無人機研究から垣間見えるコンセプトの混迷を垣間見たいと思います

4日付米空軍協会web記事によれば
3月末、米空軍は2023年までに運用態勢確立を目指す「Skyborg」のイメージ図を公開したが、米空軍自身がどのような無人機にするのか、すべきなのか決めていない。計画公表時には、悪天候でも自動で離着陸でき、他機や山や障害物との衝突を回避できるもの程度の解説だった。
Skyborg2.jpg●また「Skyborg」の方向性を検討するため発出されたRFIには、複雑なAI技術開発の機会となる「modular, fighter-like aircraft」で、「ここでのAI技術とは、単純な飛行制御から複数の主任務とサブ任務を自律的に遂行する技術までも含まれる」と狙いが記されている

●一方で3月5日に初飛行した「XQ-58A Valkyrie」も、今後半年間の5回の飛行で飛行特性などの確認試験飛行を行うが、「(基本的に長距離攻撃とISRを念頭に設計されているが、)高い亜音速飛行能力と高G旋回飛行が可能な飛行特性を備えており、何が可能で、何をすべきではないとの制限は設けていない」とプロジェクト報道官が語るように、将来に柔軟性や発展性を持たせている
●また価格的には、100機以内製造の場合は1機3億円で、それ以上だと2億円程度に抑えられる見積もりがあり、様々な応用アイディアが議論されている

約20年前に登場したMQ-1プレデターは近代戦を大きく様変わりさせ、作戦面、法規面、文化面にまで議論が及ぶことになったが、開発が進む2機種はその性能で活動領域や任務を拡大させ、戦い方を大きく変える可能性を秘めている。しかし具体的な姿は見えていない
●2009年に米空軍は「2009 Air Force UAS flight plan」を発表して無人機の将来構想を示したが、その検証や見直し議論は聞こえてこず、未だにF-35やF-15EXやFA-18などの従来戦闘機の議論が日々を賑わしている現状である

Skyborg3.jpg●専門家は、「基本的にF-35, F-22, and B-21で構成される米空軍が一般的にイメージされている。従来の発想の中での議論から抜け出せておらず、これだけ無人機技術が進歩し、実際の役割も拡大してるいる中でも、本質的な変化が見られない」と懸念している
●退役米空軍中将であるDeptula氏は、有人機と無人機の両方が必要で、無人機だけで多様で複雑な任務を全て遂行することは不可能と語っており、これは一般的にも理解される考え方であろうが、有人機と無人機の融合やミックスを整理するには「一世代」必要だと言われると複雑な思いも感じる

●つまり、米空軍を支配する戦闘機パイロットが、無人機の活用やその活用法議論の障害となっているのではないか・・・との疑念がそこにある
●3月20日、下院軍事委員会の小委員長は「I love leather jackets and fighter pilots, but that’s not the future」、「無人機がこの世界ではますます重要になっている」と語っている
/////////////////////////////////////////////////

それから、これら無人機を表現する際の新たな用語として、英和辞書にはない「attritable」との言葉が使用され始めています。

これは、使い捨てとまではいわないが失っても打撃にならない程度に安価で、一方でそれなりの性能を供えた無人機を表現する形容詞の様です。今後使われるでしょうからご注意ください

久しぶりに「leather jackets」への愚痴が出てしまいました・・・

関連の記事
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3

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米空軍が「サイバー軍」と「ISR+EW軍」を統合へ [米空軍]

シナジー効果が出るんでしょうか・・・?
まんぐーすの頭が固く古いのか・・・

Cyber Top3.jpg4日米空軍は、共にテキサス州のLackland統合軍基地に所在する第24空軍と第25空軍を統合つまりサイバー担当部隊とISR+EW電子戦担当部隊を融合してシナジー効果を狙うと発表しました

この構想は数年前から米空軍内で議論され、第一段階として今年2月に、米空軍司令部のISR担当部長(中将)が、ISRと共にサイバー分野も担う「ISR and Cyber Effects Operations」部長に変更されているようです

具体的な時期は示されておらず、統合合体後の組織編成などに詰めなければならない事が残っているようですが、早くも融合式典の計画が行われているようです

ISRの役割をサイバーにも担わせるということか、サイバードメイン情報をISRとして円滑に活用する狙いというか、他ドメインのISR情報をサイバー活動に生かすということか、情報は何でも総合して活用する必要があるということなんでしょう・・・

4日付米空軍協会web記事によれば
RQ-4 1.jpg●4日、3年前ほどから噂され、議論されてきた第24空軍(サイバー担当部隊)と第25空軍(ISR+EW電子戦担当部隊)の合併を行うと米空軍が発表した
●米空軍の声明文は「サイバーとISRと電子戦と情報作戦のシナジー効果により部隊能力の結合効果が高まり、戦闘コマンドへの提供能力がより改善される」、「2018年国家防衛戦略が示した優先事項の遂行に貢献する」、「米空軍の電磁波領域での能力強化をはかる」とその効果を表現している

●この改変に先立ち、2018年夏、米空軍内でサイバー任務が宇宙コマンドからACC戦闘コマンドに移管されて、今回の24と25空軍の統合の準備がなされた
Electronic Warfare.jpgまた今年2月、米空軍司令部のISR部長であるVeraLinn Jamieson中将が、サイバー任務も管轄する「ISR and Cyber Effects Operations」部長に名称及び役割変更が行われている

●米軍の戦いの場がデジタル領域に拡大する中、どのように組織し、訓練し、装備を導入し、そのように作戦するかの議論が続いているが、2つの組織を融合する今回の試みもその一環である
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余計な外野からの心配ですがサイバーやっている「ネットオタク」と、地域情勢を扱う「情報分析オタク」が仲良くやっていけるのか? 作戦部隊に近い電子戦EW関係者が、オタクの2大双璧「ネットオタク」「情報分析オタク」と融合できるのか・・・。

上層部が議論する理想と、現場人材の実態がかみ合うのかなど、これまたお手並み拝見したい試みです。もちろんこれら組織が有機的に活動するとの趣旨には抵抗できませんが、現場の様子に興味津々です

第24空軍関連記事
「ハッカーが空軍ネットをチェック」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23
「サイバー戦と既存航空戦力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-17
「SNSで探知目標を攻撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-06

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F-35B艦載強襲揚陸艦が南シナ海初航行 [安全保障全般]

海兵隊のF-35軽空母推進構想の具現化
通常の倍の10機を搭載し
米海軍が空母削減方向の中で

F-35B Assult ship.jpg3月末、米海兵隊の強襲揚陸艦「Wasp」が「航行の自由作戦」の一環として南シナ海を通過してフィリピンに入港したようですが、初めて垂直離着陸型F-35Bを搭載して同海域を通過し、更に通常の倍の10機を搭載して同作戦を行ったことで、米海兵隊が2017年に掲げた「Lightning Carrier」構想の具現化と話題になっています

南シナ海では朝鮮半島問題の騒ぎに乗じて中国による埋め立てが完了し、地上部分の軍事施設も滑走路やレーダー施設だけでなく、航空機格納庫や地下弾薬庫、更には電波収集用の巨大アンテナや地対空ミサイル配備施設まで、考えうる全てのやりたい放題もほぼ完成してしまっています

Thitu island.jpgそして今は、南沙諸島で2番目に大きなフィリピンが実効支配している「Thitu island:パグアサ島」に対し、数百の中国小型ボートが押し寄せ、フィリピンの守備隊約30名とフィリピン島民約100名を威嚇を始めている事態となっているようです

本日は、南シナ海の無法地帯ぶりは脇に置き、米海兵隊の強襲揚陸艦活用事例と試みについてご紹介します

5日付Military.com記事によれば
米海軍と海兵隊は、強襲揚陸艦をミニ空母として活用するコンセプトを試し始めたようで、関係国の係争が続く南シナ海を、通常よりF-35B多い10機も搭載した艦艇が3月末に初めて通過したようだ
F-35B-test.jpg●米海軍公開の写真によれば、同艦艇は別にオスプレイ4機も搭載している模様で、現在フィリピンで着上陸、実弾射撃、都市戦、対テロ戦、航空戦などを訓練中である。F-35Bがこの種の演習に参加するのも初である

●この強襲揚陸艦用コンセプトは数年前から議論していたもので、強襲揚陸艦を軽空母運用するもので、米海軍が空母トルーマンを寿命半ばで早期退役させる案を持ち出し中で、大型空母を補完するものとして注目を集めている
●米海兵隊は「The Marine Corps' 2017 aviation plan」の中で、米海軍の大型空母にとって代わることはないが、その補完として柔軟な運用を様々に想定するとして、「Lightning Carrier」との項目を立ててその構想を描いていた

●そのPlanの中では、「強襲揚陸艦の特性をフルに活用して統合戦力に新たな能力を提供する」、「強襲揚陸艦に16-20機のF-35Bと空中給油能力機を搭載し・・・」との構想が表現されている
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F-35B-2.jpg自己防御能力が限られる強襲揚陸艦が、16-20機のF-35を搭載して戦力になるのか???・・・との疑問が浮かびますが、米海軍艦艇や空母戦闘群と連携して安全を確保しつつ・・・ということなのでしょうか?

海自の「いずも」も、この流れに巻き込まれたのでしょうか???

話題に上ることが少なくなった「南シナ海」ですから、米海兵隊の地道な取り組みに敬意を表したいとは思いますが、中国のやりたい放題の前に無力感が漂う今日この頃です・・・

トランプの思い付きに期待するのは危険な考え方なんでしょうねぇ・・・

最近の南シナ海関連記事
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/search/?keyword=%E5%8D%97%E3%82%B7%E3%83%8A%E6%B5%B7

「空母トルーマンの早期退役を巡り紛糾」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-29

F-35B関連の記事
「F-35Bが初の実戦任務」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-28-1
「海兵隊F-35は岩国の次に中東へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03-1
「岩国配属F-35Bがホット給油&給弾訓練」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-18-1

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再び米空軍がKC-46A受領停止:またデブリ [米空軍]

3月上旬に2週間以上停止してボーイングお灸をすえたのに
続々明らかになる現場作業員のいい加減な作業ぶり

KC-46 Boom.jpg2日、Wilson空軍長官が下院軍事委員会で、ボーイング社から引き渡しを受けたKC-46A空中給油機の機体や同社工場での受領検査などで、再び機内から作業用の工具や安全上問題となる金属片が見つかったことから、2度目の機体受領停止措置を取っていると証言しました

この受け取り拒否措置は2回目で、最初は2月末から2週間以上でしたが、その間に米空軍が求める改善措置をボーイングに徹底させたとして3月11日に受け取りを再開していたところでした

米空軍としては、早期に機体を受領して遅れている要員養成を加速し、早くKC-46を戦力化したいとの思いもあり、ボーイングの真剣な反省を期待して早期の受領再開に踏み来たのでしょうが、完全にボーイングから裏切られた形になりました

この問題の根本は、同機の設計や製造技術にあるのではなく、ボーイング社従業員のモラルや躾に起因する根深い問題であり、B-737MAX事故で急上昇中のボーイング製品への懸念をさらに増す結果となっています

2日付米空軍協会web記事によれば
KC-46 Boom4.jpg●Wilson空軍長官は下院軍事委員会のメンバーに対し、KC-46の閉じられた機内部位から更なるFOD(foreign object debris)が見つかったことから、ボーイング社からの機体受領を再び停止したことを認めた
●同長官は同委員会で、翼内部など閉じられた機内空間全ての検査を米空軍が行うなどの措置を実施中だと説明し、機体生産ラインがあるべき状態で稼働しているのかを確認するためだと語った

●また米空軍の報道官は、2度目の停止は3月24日から行われているが、FODや他の品質上の問題が次々と今週になっても明らかになっていると述べ、「米空軍はボーイングとあるべき高いレベルの品質と安全を達成すべく協議を続けている」としている
●また同報道官は具体的に、「ボーイングが問題解決のため考えている改善対策と計画を確認ししている」とも説明している

●同日午後、空軍長官は下院の別の委員会で、最近見つかったFODについて、封鎖された機内空間で工具であるレンチの放置が、また機体表面からアルミ片の残置等が確認されていると述べ、アルミ片について、機体内に入って大きな問題を引き起こす原因となると危機感をあらわにした
KC-46 Boom3.jpg●また機内密閉空間の検査結果について、密閉されていない機内空間の状況と比較するとまだ良かったが、期待されるレベルにはなかったと空軍長官は表現し、「これは製造現場の躾の問題であり、躾が崩壊している」とも述べた

ボーイング社はこの状態に関し、「ボーイングはFODがない機体の提供にコミットし、既に改善を進めているが、更に上を目指している」と報道官が述べ、「追加の機体点検体制を構築し、重要員教育訓練を強化し、FODの日を設けて意識改革を図り、清掃の徹底を習慣づける」としている
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ボーイングの状況は深刻です。

KC-46-2.jpgこれほど明確に複数のFOD問題が表面化するということは、製造現場が壊れている・・・と考えざるを得ません。2年以上の遅れを表面上で取り繕うと、現場にしわ寄せが押し付けられているのかもしれません

又は、どこかの日本の重工業のように、軍事部門から人をどんどん民生分野に転用しているのかもしれません

関連の記事
「機体受領再開も不信感・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「米空軍がKC-46受け入れ中断」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-3
「不具合付きの初号機受領」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12-2
「7機種目の対象機を認定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08-3

「初号機納入が更に遅れ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20
「10月納入直前に不具合2つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-19
「10月に初号機納入を発表」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22
「開発が更に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-11-1

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トルコへのF-35輸出問題で米国内不一致を指摘 [安全保障全般]

トランプ大統領は「何とかする」と言い
米国防省は同機の部品提供を停止
トルコ外相が米国内不一致を指摘

USA Turkey.jpg3日、トルコ外相(Mevlüt Çavuşoğlu)が70周年のNATOを記念するNATO集会で挨拶しロシア製地対空ミサイルS-400導入(今年10月)の意思に全く変更はないと語り、またNATO防空システムとの連接は考えていない、防空のため早期に導入する必要があるから、米国とロシアのどちらか一方を選択するのでもない等と語りました

また同外相は、ロシア製S-400をトルコが導入することに反対する米国の国防省が今週、トルコが開発パートナー国として関与してきたF-35の部品供給を停止すると発表した一方で、「最近」トランプ大統領からトルコ大統領に直接電話があり、「ケアするから心配するな」との趣旨だったと明らかにし、米国内がバラバラなことが問題だと「暴露」しました

更に同外相は米国のシリア政策に関し、ホワイトハウス、国防省、国務省、米中央軍の説明や考え方がバラバラで困惑しているとも訴え、真実はいざ知らず、米国内の混乱ぶりを冷笑するような姿勢を示しています

さもありなん・・・と思わせるトルコ側の主張ですのでご紹介しておきます

3日付Defense-News記事によれば
S-400-launch.jpgトルコ外相は、360度NATO加盟国首脳や関係者に取り囲まれた70周年NATOを記念するステージ上から、S-400に関するトルコの姿勢を改めて主張し、米国からの本件に関するバラバラなシグナルを困惑材料として批判した
●同外相はS-400導入に関し、「トルコはロシア製か他国製かで選択する必要はない。またトルコはロシアとの関係を、他国との関係の代替とは考えていない」、「何人も、トルコにロシアと西側諸国の2者択一を迫ることはできない」と述べた

そしてS-400納入に関しては明確に、「間違いなく完全に実行される」、「既に締結された契約上の行為である」と聴衆に対し言い切った
●一方で同外相は、ペンタゴンが今週F-35部品の提供を中止する発表を行った中でも、トランプ大統領からはF-35取引の道は開かれているとの話を聞いていると述べ、真意を問いただす質問に対し、最近トランプ大統領からトルコ大統領に電話があり、「ケアするから心配するな」との趣旨の電話があったと明らかにした

●ただし、繰り返し投げかけられている質問、F-35計画から排除された場合のトルコ経済への打撃程度については、「我々はあくまでパートナー国であり、単純な話だ」と直接的な言及を避けた
USA Turkey2.jpg●同外相はまた、トルコからNATOに対し、S-400を如何にNATOシステムから切り離して運用するかを協議ずる場の設置を提案していると語り、NATOがカバーできていない地域の防空のため至急SAMを導入する必要性を強調した

●トルコ外相の後で同じステージに立ったペンス副大統領は、「トルコは米国製パトリオットを選択しなければならない。トルコは歴史上最も成功した同盟に残るつもりがあるのか、リスクを冒すのか?」とトルコに迫っている
Shanahan臨時国防長官は前日に記者団に、米国が提供しようと提案しているパトリオットに自信を持っている」と発言したが、これに対しトルコ外相は、米国からのパトリオットのオファーが正式に成立するかは不透明だと述べ、米議会が反対する可能性を鋭く指摘した

●更に同外相は、米国内の「ちぐはぐ」さを示す代表的な事例として、米国の長期的なシリア政策に関し、ホワイトハウス、国防省、国務省、米中央軍の説明ぶりや考え方がバラバラで困惑しているとも訴え、「米国の考え方がわからない、それが問題だ」と指摘した
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USA Turkey3.jpgトランプ大統領とトルコ大統領が最近電話で話したことを、もしかしたら国防省関係者は知らなかったかもしれません・・・邪推ですが・・・

でもわかりやすいです。国防上の問題が多少あろうとも、F-35の軍事機密が漏れてロシアに流出しようが、F-35がたくさん売れたほうが良い・・のがトランプ大統領でしょう。邪推ですが

トルコと米国関係
「もしトルコが抜けたら?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-21
「来年10月S-400がトルコ配備」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-1
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
「トルコ大統領が言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

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