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着艦精密誘導装置JPALSで同盟強化を [Joint・統合参謀本部]

対中国での分散航空基地運用も容易に
運搬容易な地上装置で展開後80分程度で使用可能
英伊空母に搭載済みで、日本も関心、韓仏とも相談中

JPALS6.jpg3日付Defense-Newsが、レイセオン社が開発して米空母や強襲揚陸艦に配備している艦載戦闘機の着艦精密誘導装置JPALS(Joint Precision Approach and Landing System)を取り上げ、既に英や伊の空母にも提供しているこの装置を他同盟国艦艇に導入することで、F-35BやC型の運用オプションが飛躍的に向上すると紹介しています

また米海兵隊(米空軍も)が追求している、西太平洋の島々を利用した分散運用基地での対中国「飛び石作戦」遂行に際し、この輸送&設置容易なJPALSを使用することで、設備不十分で操縦者が不慣れな機動展開先飛行場でも安全に利用でき、これまた作戦運用の柔軟性を格段に向上させることができるとアピールしています

JPALS5.jpg着艦誘導装置の導入については4-5年前に、艦載戦闘機に搭載する(?)F-35C型機用の「Delta Flight Path」や、FA-18とEA-18G用の「PLM:Precision Landing Modes」や「MAGIC CARPET」との装備をご紹介し、

「100回着艦して失敗がゼロ。理想的着艦が80回」、「理想的着艦が多く、甲板の特定箇所のみ摩耗が進む新たな悩み」、「3本ある着艦拘束ワイヤーの2本目ばかりが摩耗する」等の現場ビックリの飛躍的成果が報じられていましたが、それらとJPALSの関係は把握していません

記事の主体がレイセオン社になっており、同社関係者のコメントで構成された記事で「案件記事?」との疑念もありますが、日本も関心をとレイセオン関係者が述べている装備ですので、ご紹介しておきます。10-11月に海兵隊F-35Bが空母型護衛艦いずもに展開するとの話もありますので・・・

3日付Defense-News記事によれば
JPALS3.jpgレイセオン社は、米海軍や海兵隊のF-35BやC型を艦載する空母や強襲揚陸艦が装備しているJPALSを同盟国艦艇に拡大配備することで、同盟国海軍間のクロス作戦運用をより容易にして作戦オプションを拡大し、また海兵隊が追求している「飛び石作戦」を支援できると推奨している
同社JPALS技術アドバイザー(退役海軍少将)は、英空母エリザベスや伊空母Cavourは既に同装置を装備しており、日本も関心を示している。また韓国やフランスとも協議を行っていると状況を説明した

米国が同盟国と協力した将来の戦いを想定している中、英空母エリザベスに米海兵隊F-35Bが展開して英軍F-35と一体運用しているように、またBerger海兵隊司令官が今秋F-35Bを海上自衛隊いずもクラスで運用すると語ったように、JPALSの重要性は増している
JPALS4.jpg仮に日本やイタリアの空母との関係が英空母並みにならないにしても、米軍航空戦力が日伊空母から運用可能であれば作戦オプションは飛躍的に向上し、維持整備&補給面でも柔軟性が向上する

同社アドバイザーで元FA-18操縦者は、例えば米軍艦載機が同盟国艦艇を使用するのは昼間や荒天時のみだったが、JPALS導入により運用制限が緩和できる可能性や、事前訓練不十分な艦艇への展開も容易になる可能性、また多様な代替着陸基地を準備することで米軍操縦者の心理的負担軽減効果も指摘している
更にJPALSは、車両やヘリに容易に搭載可能な旅行スーツケース程度のサイズで、空中投下も可能。15分程度で組み立て設置ができ、その後衛星と通信して約1時間で同期(synchronizing with satellites)すれば使用可能となる機動展開向き装備である

JPALS.jpg一度設置すると、その周辺20nm範囲の50か所を着陸誘導先に指定でき、過去2年間の様々な米海兵隊艦載機との約60回の試験では、作戦時に予想される着陸直前での代替着陸地点への誘導変更も円滑に実施できたと報告されている
JPALSはF-35BやC型だけでなく、初の艦載無人機MQ-25空中給油機への導入も進められており、今後は空母艦載の輸送用オスプレイCMV-22への導入も予定されている
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レイセオン社のJPALS 宣伝映像


ご紹介しながら、米海軍や海兵隊関係者が一切登場しない記事構成に、「案件記事?」との思いが更に強くなりましたが、記事原文を確認しても「案件」表示はありませんでしたので、Defense-News記者の取材記事としてご紹介しておきます

JPALSが地上システムと機上システムで構成されるものなのか、F-35C型機用の着艦誘導装置「Delta Flight Path」や、FA-18とEA-18G用の「PLM:Precision Landing Modes」や「MAGIC CARPET」との関係等々が益々気になりますが、とりあえず「JPALS」との言葉を記憶しておきましょう

着艦誘導装置の関連記事
「FA-18も精度向上」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-05-09
「MAGIC CARPET でF-35C着陸精度が飛躍向上」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-22

米海兵隊司令官が1日の講演で発言
「10月か11月に米海兵隊F-35が海自艦艇に展開」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-04

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