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Cope North GuamでF-35とF-16が不整地離着陸を [米空軍]

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ACE(Agile Combat Employment)訓練の一環として
グアム島Northwest Fieldを活用する模様
パラオ国際空港とアンガウル島でも何か訓練(空自機も)

Sloane2.jpg26日、グアム島の米空軍アンダーセン基地司令官&第36航空団司令官であるJeremy T. Sloane准将が、1月末から2月に米日豪軍共同(HADR部分に仏軍も参加)で実施する「Cope North Guam21」について、今年の目玉として、米空軍F-35とF-16が荒れた滑走路や設備の飛行場で離着陸や再発進準備訓練を行うと米空軍協会のバーチャルイベントで明らかにしました

実際の訓練は、アンダーセン基地の北西に位置する「Northwest Field」と呼ばれるWW2当時の飛行場、普段は人が維持管理していないジャングルに囲まれた8000フィート以下の滑走路と限定的な駐機施設しかない場所で計画されているようで、同基地司令官は「no-kidding remote environment:冗談じゃなく本当の僻地環境だ」と表現しています

Northwest Field3.jpegこのような訓練は、対中国などの本格紛争で、アンダーセン基地等の拠点根拠基地は敵からのミサイル攻撃等で被害を受ける可能性が高いことから、戦闘機などを普段は使用しない設備不十分な周辺飛行場に分散して運用するACE(Agile Combat Employment)作戦構想実現に向けたものです

ACE構想実現には、同盟国や友好国の飛行場施設利用承諾、展開先で使用する航空機用の地上機材や燃料弾薬の確保事前備蓄、緊急時の所要人員や機材の輸送力確保、展開先において限られた人員で航空アセットをケアする多能力人材の育成などの多くの課題がありますが、米空軍はアジア太平洋だけでなく、世界各地で同様の取り組みを行い、共通の手順等を確立しようとしているところです

「米空軍若手がACEの課題を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-13
「中東派遣F-35部隊も挑戦」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19

Palau1.jpgなお、今回目玉の不整地使用訓練との関係は不明ですが、「Cope North Guam21」にはパラオ共和国の国際空港や離島(アンガウル島)も訓練場所に含まれており、Sloane准将はコロナワクチン接種での便宜供与や災害対処等で、これら地域との関係強化を図り拠点確保につなげる重要性まで語っています

26日付米空軍協会web記事によれば
Cope North Guam21を統括するSloane航空団司令官は、今回の本訓練で、アラスカから参加のF-35と三沢から参加のF-16が、従来C-130やヘリしか使用したことのない不整地飛行場(rough airfield)での訓練に参加するとともに、小規模な緊急展開チームが航空機到着直前に移動して滑走路を整え、緊急時の移動式バリアを設置し、給油体制を整える訓練も行うとと説明した
Sloane.JPGまた同司令官は「中国やロシアからの脅威はますます高まっており、設備が充実した飛行場依存から脱却しなければならない。長距離爆撃機が我らの弱点を補ってくれるが、足の短い戦闘機等の運用確保ができなければ、良い結果は得られないだろう」とACE構想の重要性を説明した

更に「アンダーセン基地は太平洋地域で最も西側に位置しており、(対中国作戦の)カギとなる位置にある。しかし一方で、攻撃目標になりやすいことも意味している」と危機感を表現した
昨年9月、中国空軍がH-6爆撃機搭載ミサイルでアンダーセン基地を攻撃する挑発的な模擬映像を公開し、これに対して太平洋空軍が「地域に対する脅迫・恫喝行為だ」と非難したが、同基地司令官は「ACE構想の重要性や分散拠点を提供してくれる同盟国等との関係構築の重要性を再認識させてくれるものだ」と言及した

Northwest Field.JPGそして「我々はカギとなる太平洋島嶼国家との積極的関与に努めなくてはならないし、現実的で意味ある関係強化を進めること、つまりコロナワクチン接種支援であったり、話題にならない規模における災害対処支援等を通じて、アクセス確保に取り組む必要がある」と語った
なお今年のCope North Guam21には、米空軍と航空自衛隊と豪空軍から約100機と2500名の人員が参加する予定である。なお昨年の同訓練では、パラオで、F-22がエンジンを回したままC-130から燃料補給を受ける「hot-pit refueling」が行われた
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1月15日付のCope North Guam21関連の航空自衛隊発表によれば、訓練は大きく2つ、日米豪軍の「戦闘戦術訓練」と、日米豪仏軍による「HADR:人道支援・災害対処訓練」から構成されており、両方の訓練がグアム島とパラオの国際空港&アンガウル島で実施されることになっています。ということは、自衛隊機(戦闘機か輸送機)もパラオに着陸して訓練するのでしょう

Palau.jpgまた、「HADR」訓練には空自のC-2輸送機と基地警備教導隊員約10名が参加となっています。「HADR」活動を想定し、活動地域周辺の警備訓練を行うのでしょうか・・・それとも・・・

米軍がグアムの基地の被害を想定して一生懸命訓練しているのですから、日本だって当然何か考えているのでしょうし、考える必要があります。ちなみにパラオには昨年8月、米国防長官として初めてエスパー国防長官が訪問し、関係テコ入れを図りました

1月15日付の航空自衛隊訓練参加発表
千歳F-15と築城F-2と浜松AWACSと美保C-2で約250名
(基地警備教導隊員約10名も含む)
1月18日(月)~2月28日(日)
https://www.mod.go.jp/asdf/news/houdou/R2/20210115.pdf

対中想定の分散運用ACE関連記事
「米空軍若手がACEの課題を語る」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-13
「中東派遣F-35部隊も挑戦」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「三沢でACE訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-21
「太平洋空軍がACEに動く」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-12
「太平洋空軍司令官がACEを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-12-10-1
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「F-22でACEを訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-03-08

グアム関連の話題
「中国空軍がグアム攻撃動画」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-23
「エスパー長官がパラオ初訪問」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-25
「グアムにイージスアショア熱望」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-23

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