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バイデン大統領がトランスジェンダーの米軍勤務再許可 [オースチン国防長官]

オバマ政権時2016年7月に認められた措置復活
2017年7月にトランプ大統領が出した禁止令を撤廃
Transgenderとは生まれながらの性に違和感を持つ人

Biden executive order.jpg25日バイデン大統領が、2017年7月26日にトランプ大統領が出した「トランスジェンダーの米軍勤務を認めない」指示を撤回し、オバマ政権時のカーター国防長官が2016年7月から採用した「トランスジェンダーの米軍兵士としての採用を妨げず、性転換医療を提供する」状態に戻すとの大統領令を出しました

2017年7月26日にトランプ大統領が「米軍勤務を認めない」指示をツイッターで発表した際はMattis長官が休暇中で、その直前に当時のMattis国防長官が「認めない指示」の影響や必要措置を十分検討評価する必要があるから2017年12月1日まで変更凍結指示を出した直後のツイートだったこともあり、大統領と国防長官の不一致を白日の下にさらすこととなりました

Trump transgender2.jpg「採用を妨げない」指示が出た2016年にRAND研究所が出したレポートは、米軍が把握していない(公表していない?)トランスジェンダーの人数を「1320名~6630名の間」と推測し、その一部が性転換措置を希望すると見積もって、その医療費(Active component health careまたはtransition-related careと呼称)を負担すると3億円から9億円の医療コストが毎年発生すると推計しています

また、2016年に国防省は「トランスジェンダー者が米軍に勤務しても、作戦遂行や部隊団結上の大きな影響はない」とのレポートを出し、2018年の米議会証言で当時の4軍制服トップはそろって「部隊団結上の問題を感じていない」と述べてたようです

2016年7月から「○」で、2017年7月に「×」になり、2021年2月に再び「○」のジェットコースター状態で、2017年7月時点で米軍内で勤務していたトランスジェンダー兵士がどのような扱いを受けたか把握していませんが、「多様性」を打ち出す民主党バイデン政権の一つの一貫した姿勢ですので、公式発表を中心にご紹介しておきます

25日付米空軍協会web記事によれば
Biden executive order2.jpgバイデン大統領の大統領令を受けホワイトハウスは声明を出し、「バイデン大統領は、性同一性が軍務に服する妨げになってはならないとの信念を持っており、米国の強みは多様性に基づくものだと考えている」、「基準を満たした全ての米国民が軍務に服す権利を有することは、我々の価値観の核心である。米国は包容力を持つことで、国内外でより強くなる。米軍も例外ではない。包容力ある軍はより効果的な軍であり、基準を満たした全ての米国民が軍務に服すことで、米軍や米国はよりよくなる」と述べている

大統領令を受けオースチン国防長官も直ちに声明を出し、「トランスジェンダーだと認識している者は、自身が認識する性別で米軍に入隊し、任務に就くことができる」、「自身が認識する性別(gender identity)により、何人も差別されたり、除隊を命ぜられたり、採用を拒否されたりすることはない」と明示した
Austin transgender.jpgまた「全ての性転換医療(transition-related care)が米軍人に提供される」とも同長官は声明で明らかにし、「我々の基準を満たして能力があり、かつ軍務に服する意志ある者が排除されるようなことがあれば、我々の任務遂行能力は低下する」、「これは正しく、賢明な措置である」と声明は記している

ホワイトハウスは国防省に、大統領令から60日後に、同大統領令の遂行状況を報告するよう求めている
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2017年7月26日にトランプ大統領が「米軍勤務を認めない」指示をツイッターで発表した際は、「米軍の将軍たちや軍事専門家と協議した結果、トランスジェンダーが米軍で勤務することを、どのような形であれ認めないこととした」、「わが軍は決定的で圧倒的な勝利のために集中すべきであり、トランスジェンダーが軍内に存在することで生ずる混乱や医療コストを負担すべきでない」とバッサリ断言しています

Trump transgender.jpgまさにジェットコースターです。想像力に乏しいまんぐーすには米軍前線部隊の状況が想像できないのですが、米軍陸上競技会とか水泳競技会とかが開催された場合、トランスジェンダーの方の性別はどのような扱いになるのでしょうか・・・枝葉末節の話ですが・・・

それにしても、性転換措置の医療費(Active component health careまたはtransition-related care)を負担するとは太っ腹です。巷の手術希望者望者が入隊し、手術後にさっさと除隊するケースも出てくるのでしょう。前線部隊指揮官は大変ですねぇ・・・

昨年の大統領選挙直後の予想記事
「バイデン政権で国防政策はどう変わるのか」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-09

ジェンダー関連と米軍
「トランプ大統領、米軍でトランスジェンダー認めない発言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-28-2
「同性愛者の陸軍長官」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-01
「同性愛者対応の変更に関するゲーツ国防長官メッセージ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-01

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