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米大統領:UAEへのF-35輸出は個人的にはOK [安全保障全般]

イスラエルとUAE&バーレーンの国交樹立署名式前に
この発言どうこうではなく、中東の変化を受け止めましょう

US UAE Israel Ba.jpg15日、トランプ大統領がイスラエルとUAE&バーレーンの国交樹立署名式直前にTVインタビューに答え、「個人的には(personally)UAEにF-35を輸出することについて、なんら問題はないと考えている」と述べ、イスラエルの「軍事技術的優位:qualitative military edge」維持の従来原則を主張する上下両院関係者から大反対の声が上がっています

兵器の輸出には米議会の承認が必要で、またイスラエルのネタニアフ首相がUAEなど中東諸国へのF-35輸出に反対を表明している中、中東でイスラエルしか保有していない最新鋭機を他の中東諸国に簡単に輸出するとは思いませんが、イスラエルの首相とUAE&バーレーン外相が笑顔で臨む調印式直前の発言に、「国交合意の細部をよく確認する必要がある」との声が議員や専門家から上がっています

このブログでは軍事の話題から世界の動きをご紹介しており、とりあえずトランプ大統領の発言をご紹介しておきますが、イスラエルとUAE&バーレーンの国交樹立に関しては、日本のメディアや日本の一般的中東研究者の視点とは異なる動きを感じますので、末尾に『イスラム2.0』の著者である飯山陽さんの視点もご紹介して、ご参考に供します

まず15日付Dfense-News記事によれば米大統領は
F-35 Sun-Set.jpg●トランプ大統領は「私はUAEにF-35を売ることに何の問題もないと考えている。全く問題ないと考えている」と調印式直前にFoxニュースのインタビューに答えた
●また「(中東諸国は)大部分UAEのように裕福な国であり、戦闘機を購入したいと考えている。私は個人的には問題ないと考えている」、「戦闘機を売れば戦争になる(と心配する人間もいるが):Some people do, they say maybe they go to war」とも語った

●また大統領は、今後もイスラエルと他中東諸国との外交関係樹立を促し、パレスチナをイスラエルとの和平交渉に臨むよう仕向ける戦略を執ると認めた

US UAE Israel Ba2.jpg14日、調印式の前日にUAE外相は、UAEが長年希望しているF-35購入については、イスラエルとUAEの合意文書に含まれていないと記者団に語っているが、有力共和党上院議員Mitch McConnell氏は、「アラブのパートナーが脅威から身を守ることを米国が支援する中にあっても、米国はイスラエルの軍事技術優位を揺ぎ無く維持しなければならず、米議会は米国の武器輸出を精査する義務を負っている」と警戒感を示した
また下院のNancy Pelosi議長も声明を出し、「UAEやバーレーンとの合意を確認する中でも疑問は残っている」、「米議会は超党派で、イスラエルの軍事技術優位が確保されることを監視していく」と大統領をけん制している
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上でも述べたように、F-35や最新装備の中東諸国への輸出が容易でないのはその通りですが、何か普通でない雰囲気を感じます。今後も注意が必要でしょう

US UAE Israel Ba3.jpgイスラエルと中東諸国の相次ぐ国交樹立について、日本のメディアや中東研究者の中には、トランプ大統領の選挙向けスタンドプレーで、パレスチナ問題を無視した暴挙であるから反対との論調もあります

しかし私は、『イスラム2.0』の著者である飯山陽さんの、「これは単なるイラン包囲網ではなく、イランを代表とするイスラム主義(政治も生活も全部イスラムでやるというイデオロギー)との決別と理解すべき」で、「国交正常化に反対しているのはイスラム主義に固執する主体」との説明に強い説得力を感じます

同じく飯山さんのnote解説にある
Middle east peace.jpg『中東和平というと、通常はパレスチナ問題を指し、「戦争だらけの中東→(パレスチナ問題の)二国家解決→中東和平」というのが描かれてきたシナリオです。そして現在中東で進められているのは、「戦争だらけの中東→中東和平」というプロセスです。真ん中を省略することにしたのです。なぜかというと、真ん中、つまり「二国家解決」は、実は「ニセの中東和平」しかもたらさないのではないかと皆が薄々感じ始めていたところ、これをアラブ諸国が正面から受け止めることにしたからです』との説明も腑に落ちます

飯山さんの言う、イスラム主義(政治も生活も全部イスラムでやるというイデオロギー)に支えられたパレスチナとの「二国家解決」は、中東和平につながらないのでは・・・とのもっともな疑問で、UAEとバーレーンに続く可能性がある国について飯山さんは、「オマーン、スーダン、モロッコ、クウェート、サウジの名が」と紹介しています

Middle east peace3.jpg頑なにコーランの教えを貫く「イスラム主義」、安易にイスラム主義に寛容さを見せたことから社会が混乱・崩壊の危機にある欧州社会の例を見るにつけ、トランプ大統領のパフォーマンスとは別に、イスラエルと中東諸国の相次ぐ国交樹立を大いに歓迎したくなる今日この頃です

中東とF-35
「米大統領:UAEはF-35を欲している」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-21
「中東第2のF-35購入国はUAEか?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-11-05
「湾岸諸国はF-35不売で不満」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-16
「イスラエルと合意後に湾岸諸国へ戦闘機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-17

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https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

飯山陽さんの著書『イスラム2.0』を推薦します!


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