シンガポールにF-35B型売却許可 [亡国のF-35]
当面は4機でオプション8機を将来的には50機程度か
9日、米国務省の国防安保協力庁DSCAが、シンガポール政府から要望があったF-35B型購入を正式に承認したと発表しました。
シンガポールは昨年、Ng Eng Hen国防相が米国政府に対し、当面4機でオプションで追加8機の計12機の同機購入要請を行っていたところです
これにより、シンガポールは12番目のF-35運用国に向かうことになります。
ちなみに他の11カ国は・・・
(カッコ内の数字は購入予定機数、ちょっと古い数字も含まれます)
共同開発国では、豪州(100機), Denmark(27), Italy(90), Netherlands(37), Norway(52), 英国(138)、米国(2443)(A1763、M420、N260)
FMS購入国では、Belgium(34), Israel(19),、日本(42+100) , 韓国(40)
共同開発国の中でも、F-35に不信感を持つカナダのトルドー首相は正式購入決定を先延ばし続けて現在も機種選定中(65機購入予定だった)で、100機購入予定だったトルコはS-400をロシアから導入したことで、共同開発国から排除されました
各種報道によれば
●米国務省の承認範囲には、同機用エンジンF135のスペアエンジン13基、電子戦及び通信システム、訓練用装備品、ALIS自動兵站情報システム、その他兵たん支援装備などが含まれている
●米国務省の国防安保協力庁(DSCA:Defense Security Cooperation Agency)は承認発表声明で、「この取引は、米国の国家安全保障と外国政策目標達成に寄与するものである。シンガポールは、アジア太平洋地域の政治的安定や経済発展の推進力で、戦略的友人で主要な同盟国である」と表現し、
●更に「F-35の売却により、シンガポールの航空戦力は増強され、空対地及び空対空能力が向上することで抑止力が強化され、更に他の同盟国やパートナー国との有志連合作戦にも貢献する」と述べている
●シンガポール空軍はF-35Bを、現在運用している60機のF-16C/D Block 52/52+の後継機と考えており、当面12機としているF-35B購入数は更に増加する可能性が高い。(他にシンガポールは最新型F-15のF-15SGを導入中30機程度)
●なおロッキード社は、シンガポールがF-35を購入することになったことで、100機購入予定だったトルコが排除された穴埋めにもなると最近コメントしている
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シンガポールは、2013年当時に既に「間もなくF-35購入決定」とのニュースが流れていた国ですが、様々な駆け引きや「様子見」を経て、昨年やっと購入を決定した「策士の国」です。見習いたいものです
「亡国のF-35」ですが、日本が共同開発国入りを拒否されながらも、米国に次ぐ機数を購入することになった以上、少しでも多くの国と「負担を共有」したいものです
ただ、米国や英国やイタリアは明らかに現在の計画数を調達することは困難であり、他国が多少頑張っても様々な面でのコスト負担増は避けられません。また、今後ますますクローズアップされるであろう維持経費の高止まり(第4世代機の2-3倍)は、各国空軍関係者を脳死に導くと思います
日本の三沢基地でも、整備員の皆さんがF-35の維持整備に大変苦労し、何回か米本土の空軍基地からF-35整備員を呼んで「整備シンポジウム」をなるものを開催し、ノウハウを得ようと努力されていると米空軍協会web記事が報じていましたが、稼働率が上がるほど自らの首を絞めるジレンマを、前線整備員を襲うのは遠いことではありません・・・
F-35関連の最近の記事
「シュミレータを他基地と連接」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-06
「英空母で米F-35運用」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-26-1
「ALISや稼働率問題を議会で訴え」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-15
F-35維持費の削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
9日、米国務省の国防安保協力庁DSCAが、シンガポール政府から要望があったF-35B型購入を正式に承認したと発表しました。
シンガポールは昨年、Ng Eng Hen国防相が米国政府に対し、当面4機でオプションで追加8機の計12機の同機購入要請を行っていたところです
これにより、シンガポールは12番目のF-35運用国に向かうことになります。
ちなみに他の11カ国は・・・
(カッコ内の数字は購入予定機数、ちょっと古い数字も含まれます)
共同開発国では、豪州(100機), Denmark(27), Italy(90), Netherlands(37), Norway(52), 英国(138)、米国(2443)(A1763、M420、N260)
FMS購入国では、Belgium(34), Israel(19),、日本(42+100) , 韓国(40)
共同開発国の中でも、F-35に不信感を持つカナダのトルドー首相は正式購入決定を先延ばし続けて現在も機種選定中(65機購入予定だった)で、100機購入予定だったトルコはS-400をロシアから導入したことで、共同開発国から排除されました
各種報道によれば
●米国務省の承認範囲には、同機用エンジンF135のスペアエンジン13基、電子戦及び通信システム、訓練用装備品、ALIS自動兵站情報システム、その他兵たん支援装備などが含まれている
●米国務省の国防安保協力庁(DSCA:Defense Security Cooperation Agency)は承認発表声明で、「この取引は、米国の国家安全保障と外国政策目標達成に寄与するものである。シンガポールは、アジア太平洋地域の政治的安定や経済発展の推進力で、戦略的友人で主要な同盟国である」と表現し、
●更に「F-35の売却により、シンガポールの航空戦力は増強され、空対地及び空対空能力が向上することで抑止力が強化され、更に他の同盟国やパートナー国との有志連合作戦にも貢献する」と述べている
●シンガポール空軍はF-35Bを、現在運用している60機のF-16C/D Block 52/52+の後継機と考えており、当面12機としているF-35B購入数は更に増加する可能性が高い。(他にシンガポールは最新型F-15のF-15SGを導入中30機程度)
●なおロッキード社は、シンガポールがF-35を購入することになったことで、100機購入予定だったトルコが排除された穴埋めにもなると最近コメントしている
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シンガポールは、2013年当時に既に「間もなくF-35購入決定」とのニュースが流れていた国ですが、様々な駆け引きや「様子見」を経て、昨年やっと購入を決定した「策士の国」です。見習いたいものです
「亡国のF-35」ですが、日本が共同開発国入りを拒否されながらも、米国に次ぐ機数を購入することになった以上、少しでも多くの国と「負担を共有」したいものです
ただ、米国や英国やイタリアは明らかに現在の計画数を調達することは困難であり、他国が多少頑張っても様々な面でのコスト負担増は避けられません。また、今後ますますクローズアップされるであろう維持経費の高止まり(第4世代機の2-3倍)は、各国空軍関係者を脳死に導くと思います
日本の三沢基地でも、整備員の皆さんがF-35の維持整備に大変苦労し、何回か米本土の空軍基地からF-35整備員を呼んで「整備シンポジウム」をなるものを開催し、ノウハウを得ようと努力されていると米空軍協会web記事が報じていましたが、稼働率が上がるほど自らの首を絞めるジレンマを、前線整備員を襲うのは遠いことではありません・・・
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「ALISや稼働率問題を議会で訴え」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-15
F-35維持費の削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
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