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カナダが次期戦闘機88機にF-35を1番候補に [亡国のF-35]

総予算範囲で交渉決裂なら選定2番のグリペンへ
2025年に一番機導入予定で交渉へ

Tassi canada.jpg3月28日、カナダの調達担当大臣は、カナダ軍保有のCF-18戦闘機の後継として複数の候補機種を比較検討した結果、1番候補としてF-35が選ばれ、サーブ社のグリペン戦闘機が2番候補になったと語り、まず1番候補のF-35がカナダ政府予算の約1兆8000憶円範囲内で購入できるか交渉を開始すると明らかにしました

仮に、上記予算範囲内で1番機を2025年に受領する契約にロッキード社と合意できなければ、2番候補であるグリペンを求めサーブ社と交渉するとも同大臣は語っています

Trudeau.jpgカナダは策士であるトルドー首相の下、F-35共同開発国でありながら同機の開発遅れや価格高騰を理由に購入決定を延期し続け、一時は138機保有の老朽化CF-18を補完する「つなぎ戦闘機」として豪空軍中古F-18購入案まで持ち出して「戦って」いましたが、2018年頃から複数機種を候補に「ゆったりのんびり情勢をしっかり見極める機種選定」を開始していまし

2018年11月の記事からカナダ機種選定模様を
CF-18 canada.jpg●カナダ空軍はCF-18戦闘機を138機所有しているが、30年以上の使用で機体寿命に達しつつあり、ほどなく77機程度まで使用可能機数が減少することになる
●カナダはCF-18後継を想定してF-35共同開発国に加わり、60機購入を計画していたが、2015年にトルドー政権はF-35計画への不信感をあらわにし、F-35購入を少なくとも5年は延期し、白紙的に検討すると発表

●一方で老朽CF-18の穴埋めとして、ボーイング製FA-18の購入を検討し始めたが、ボーイング社がカナダのボンバルディア社を旅客機のダンピングで訴えたことから米カナダ関係が悪化し、FA-18の購入検討を中止し、中古の豪州空軍FA-18を25機購入を協議中。2018年9月、製造元米国も承認することを表明
F-35 canada.jpg●旅客機ダンピング問題は、2018年1月に米国調停機関がボーイングの訴えを却下して決着したが、トランプ政権の強引な米国製品売り込みの失敗例として、またNAFTAを巡り悪化する米カナダ関係を象徴する事象として大きな話題に

●紆余曲折の末、現有CF-18の老朽化もあり、トルドー政権下のカナダ国防省は本格的な後継機選定を、F-35、タイフーン、ラファール、グリペン、FA-18E/Fを対象として2018年から再開したところ
Gripen SAAB.jpg●カナダ政府は、今回の戦闘機選定を「once-in-a-generation opportunity for the Canadian economy」と見なし、産業政策の重要な柱と見ている。カナダはF-35共同開発国として1000億円の投資を行い、110社のカナダ企業が備品供給や維持整備に関与する資格を得ているが、今後の維持関連業務は費用対効果で定期的に見直されることから、いつ除外されてもおかしくない不安定なものである
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「予算範囲内で1番機を2025年に受領する契約にロッキード社と合意できなければ、2番候補であるグリペンで交渉」との戦術が功を奏するのかどうか「?」ですが、交渉がまとまればフィンランドが15番目で、ドイツが16番目、そしてカナダが17か国目のF-35購入国になります

みんなで渡れば怖くないのか? 

F-35導入を決定した国(カッコ内は購入予定機数)

●共同開発国(8か国とその他1国)
F-35 canada2.jpg 豪州(100機), Denmark(27), Italy(90), Netherlands(37), Norway(52), 英国(138)、米国(2443)(空軍1763、海兵隊420、海軍260)、そしてカナダ(交渉がまとまれば88機
 トルコも共同開発国ながら、ロシア製SAM購入で排除された

●FMS購入国(9か国)
Belgium(34機), Israel(19), 日本(42+100) , 韓国(40)、シンガポール(当面12機 最終的に約50機) ポーランド(32機 2020年1月)、スイス(32)、そして、フィンランド(64機)、ドイツ(最大35機)

●欧州だけピックアップすると・・・
Denmark(27), Italy(90), Netherlands(37), Norway(52), 英国(138)、Belgium(34機)、ポーランド(32機 2020年1月)、スイス(32)、そして、フィンランド(64機 2026年から導入)、ドイツ(最大35機)

F-35調達機数削減の動き
「米海兵隊も削減示唆」→https://holylandtokyo.com/2022/01/17/2586/
「米空軍2025年に調達上限設定を」→https://holylandtokyo.com/2021/09/09/2184/
「英国は調達機数半減か」→https://holylandtokyo.com/2021/03/31/174/

策士トルドー首相カナダ選定の紆余曲折
「仕切り直し再開か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-11-03
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

「カナダに軍配:旅客機紛争」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-28
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「5月18日が開戦日!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20

最近のF-35購入決定国
「ドイツが戦術核運搬用に16番目」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-03-15
「フィンランドが15番目」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-11
「スイスが14番目の購入国に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-01
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

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