米陸軍が50KW防空レーザー兵器搭載装甲車両契約 [Joint・統合参謀本部]
Stryker戦闘装甲車両に2022年度搭載
2社と契約し別々に2つのプロトタイプを作成
契約企業以外にも自費開発でのチャンスを残す
1日、米陸軍のRCCTO(迅速能力・緊要技術室: Rapid Capabilities and Critical Technologies Office)は、Stryker戦闘装甲車両に2022年度までに50kw防空用レーザー兵器搭載を担当する企業に、Northrop Grumman と Raytheonを選定したと発表しました
これは戦闘装甲車両にM-SHORAD(移動式短射程防空:Manuever-Short-Range Air Defense)能力付与を狙ったもので、同車両にスティンガー携帯型防空ミサイルを2020年度中にプロトタイプ搭載する Leonardo DRSとの契約に並ぶもので、米陸軍は欧州での緊急ニーズに答えるものだと説明しています
脅威の変化を見据え、既に100kw、更に250-300kwへと2024年度を目途に出力をアップする開発計画も始まっているようですが、まずはミニマムの50kwでも早期に完成させ、ロシアの小型無人偵察機などに対応し、運用ノウハウを蓄積しようとの狙いと邪推しております
1日付Defense-News記事は
●RCCTOは既にKord Technologiesを主契約企業としてレーザーによるM-SHORAD搭載契約を約220億円で結んでいるが、今回選定されたNorthrop Grumman と Raytheonは、Kord Technologiesのサブ契約者として本事業に参画し、合計で4台のStryker戦闘装甲車両プロトタイプ製造は約520億円の事業になる予定である
●Stryker戦闘装甲車両4台で構成されるプロトタイプ小隊には、2020年に2社が別々に開発したいずれかの50kwレーザーが搭載される方向だが、米陸軍は他社が自費で開発した同兵器にも門戸は開かれているとし、可能な限り競争環境を維持しようとしている
●同様にM-SHORAD(移動式短射程防空)機能として、2018年に米陸軍は同車両にスティンガー携帯型防空ミサイルをプロトタイプ搭載する Leonardo DRSとの契約を結んでおり、2020年を目途にプロジェクトを進めている
●米陸軍はレーザーなどエネルギー兵器に、無人機、ヘリ、ロケット弾、迫撃砲、野戦砲に対する防空対処を期待しており、米陸軍の運用単位であるBCT(brigade combat teams)の防空能力アップを狙っている
●米陸軍で本事業をつかさどるNeil Thurgood中将は、「エネルギー兵器を戦場に送る時が来た。米陸軍の近代化計画においてエネルギー兵器は極めて重要な位置を占めている。もはや研究開発デモ段階ではなく、戦略的な戦闘能力であり、前線兵士の手に渡る道を歩んでいるのだ」と説明している
●M-SHORADは技術成熟努力の一部であり、「Multi-Mission High Energy Laser」への道の一つである
●米陸軍は既に100kw級レーザーで「High Energy Laser Tactical Vehicle」に取り組んでおり、ロッキード等を交え、「Family of Medium Tactical Vehicles platform」を目指してるが、更に250-300kwの開発を目指している
●最も強力な出力のエネルギー兵器は、ロケット弾、迫撃砲、野戦砲やそれ以上の脅威対応に開発されており、「High Energy Laser Indirect Fire Protection Capability」として2024年度の部隊配備を現時点で想定されている
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50kwの防空用レーザー兵器のプロトタイプを、戦闘装甲車両に2022年までに搭載するため、有力2社を競わせることにしたが、自費でもっと良いものを作った企業が現れれば、躊躇なく良い方を採用する・・・との方針です
更に2024年には、300kwクラスも実現して、より大型で高速の目標への対処を目指す・・・ということの様です。
何回かこのような話をご紹介したような気もしますが、2022年だそうです。50kwですが・・・。ちなみに米艦艇には不退転の決意で60kwを2021年に搭載との話がありました
500kw以上ないと、ロケット弾とか野戦砲の玉相手には難しいと思いますが、なかなか出力アップは難しそうです。「何時までたっても、5年後に実現」の法則が今も有効なのでしょうか・・・
エネルギー兵器関連
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24
「F-15用自己防御レーザー試験」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-04
「エネルギー兵器での国際協力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-27
「エネルギー兵器とMD」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「レーザーは米海軍が先行」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24
「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06
国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24
夢見ていた頃
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1
2社と契約し別々に2つのプロトタイプを作成
契約企業以外にも自費開発でのチャンスを残す
1日、米陸軍のRCCTO(迅速能力・緊要技術室: Rapid Capabilities and Critical Technologies Office)は、Stryker戦闘装甲車両に2022年度までに50kw防空用レーザー兵器搭載を担当する企業に、Northrop Grumman と Raytheonを選定したと発表しました
これは戦闘装甲車両にM-SHORAD(移動式短射程防空:Manuever-Short-Range Air Defense)能力付与を狙ったもので、同車両にスティンガー携帯型防空ミサイルを2020年度中にプロトタイプ搭載する Leonardo DRSとの契約に並ぶもので、米陸軍は欧州での緊急ニーズに答えるものだと説明しています
脅威の変化を見据え、既に100kw、更に250-300kwへと2024年度を目途に出力をアップする開発計画も始まっているようですが、まずはミニマムの50kwでも早期に完成させ、ロシアの小型無人偵察機などに対応し、運用ノウハウを蓄積しようとの狙いと邪推しております
1日付Defense-News記事は
●RCCTOは既にKord Technologiesを主契約企業としてレーザーによるM-SHORAD搭載契約を約220億円で結んでいるが、今回選定されたNorthrop Grumman と Raytheonは、Kord Technologiesのサブ契約者として本事業に参画し、合計で4台のStryker戦闘装甲車両プロトタイプ製造は約520億円の事業になる予定である
●Stryker戦闘装甲車両4台で構成されるプロトタイプ小隊には、2020年に2社が別々に開発したいずれかの50kwレーザーが搭載される方向だが、米陸軍は他社が自費で開発した同兵器にも門戸は開かれているとし、可能な限り競争環境を維持しようとしている
●同様にM-SHORAD(移動式短射程防空)機能として、2018年に米陸軍は同車両にスティンガー携帯型防空ミサイルをプロトタイプ搭載する Leonardo DRSとの契約を結んでおり、2020年を目途にプロジェクトを進めている
●米陸軍はレーザーなどエネルギー兵器に、無人機、ヘリ、ロケット弾、迫撃砲、野戦砲に対する防空対処を期待しており、米陸軍の運用単位であるBCT(brigade combat teams)の防空能力アップを狙っている
●米陸軍で本事業をつかさどるNeil Thurgood中将は、「エネルギー兵器を戦場に送る時が来た。米陸軍の近代化計画においてエネルギー兵器は極めて重要な位置を占めている。もはや研究開発デモ段階ではなく、戦略的な戦闘能力であり、前線兵士の手に渡る道を歩んでいるのだ」と説明している
●M-SHORADは技術成熟努力の一部であり、「Multi-Mission High Energy Laser」への道の一つである
●米陸軍は既に100kw級レーザーで「High Energy Laser Tactical Vehicle」に取り組んでおり、ロッキード等を交え、「Family of Medium Tactical Vehicles platform」を目指してるが、更に250-300kwの開発を目指している
●最も強力な出力のエネルギー兵器は、ロケット弾、迫撃砲、野戦砲やそれ以上の脅威対応に開発されており、「High Energy Laser Indirect Fire Protection Capability」として2024年度の部隊配備を現時点で想定されている
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50kwの防空用レーザー兵器のプロトタイプを、戦闘装甲車両に2022年までに搭載するため、有力2社を競わせることにしたが、自費でもっと良いものを作った企業が現れれば、躊躇なく良い方を採用する・・・との方針です
更に2024年には、300kwクラスも実現して、より大型で高速の目標への対処を目指す・・・ということの様です。
何回かこのような話をご紹介したような気もしますが、2022年だそうです。50kwですが・・・。ちなみに米艦艇には不退転の決意で60kwを2021年に搭載との話がありました
500kw以上ないと、ロケット弾とか野戦砲の玉相手には難しいと思いますが、なかなか出力アップは難しそうです。「何時までたっても、5年後に実現」の法則が今も有効なのでしょうか・・・
エネルギー兵器関連
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24
「F-15用自己防御レーザー試験」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-04
「エネルギー兵器での国際協力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-27
「エネルギー兵器とMD」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「レーザーは米海軍が先行」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24
「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06
国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24
夢見ていた頃
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1
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