SSブログ

日本に提示:F-22機体にF-35システム搭載案 [安全保障全般]

F-22ベースの機体にF-35システムを搭載する提案!

F-22Hawaii2.jpg8月30日付Defenseone記事が関係筋の話としてロッキード社が航空自衛隊や米空軍に対し、F-22の機体ベースにF-35のシステムや最新のステルス技術を搭載する案を提示していると報じています。

2017年夏ごろまで、米空軍内では次世代戦闘機をイメージするようなPCA(penetrating counter air)の検討が鳴り物入りで行われており、「2017年度が検討の山場だ!」との発言が米空軍幹部から聞かれましたが、2018年になってサッパリ話が出なくなり、代わりに2018年4月には「戦闘機ロードマップ」を秋に発表するとの話になっています

もちろん秋のロードマップはPCA検討を踏まえたものになると皆予想しているのですが、最近になってボーイングがF-15戦闘機の近代化改修版「F-15X」を米空軍に売り込んでいるとの報道があり、そして今回のロッキードによる「F-22とF-35ハイブリッド版」売り込みが報じられるなど、「戦闘機ロードマップ」に向けて様々な検討や思惑が交錯しているようです

F-15 upgrades4.jpg背景には中国やロシアが強力な防空網を整備し、ステルス機も安心できない環境が生まれつつあること、またF-16やF-15など第4世代機の老朽化が急速に進んで維持が困難かつ高コスト化しつつあることがあり、更に陸海空サイバー宇宙全てのアセットに近代化の要請がある中で、厳しい予算環境にあることなら多様なオプションを比較しつつ戦闘機ロードマップを検討する必要があると推察します

また30日付記事の特徴は、日本をまずターゲットに置いている点で、日本の国産機開発の動きに対抗する案としてぶつけている点も注目されます。まだまだ粗々の案の様ですが、米空軍内も単純にPCAでまとめられい臭いし、日本も巻き込む動きの様ですので、断片的ですがご紹介しておきます

8月30日付Defenseone記事によれば
Deptula AFA.jpgロッキード社が静かに、F-35の最新システム改良型を搭載するF-22の新タイプを米空軍に提案しているとの情報を関係筋から得た。これは中国やロシアに対抗する手段を検討している国防関係者へのオプションの一つとして提示されている
ミッチェル研究所のDeptula航空宇宙研究部長(退役空軍中将)は、「F-22とF-35のハイブリッド版で、新型機を設計開発するより、はるかに迅速に実現できる提案だ」と表現している

またこのハイブリッド案と同様の案が日本に提案されており、「F-35システムと最新のステルスコーティング等を組み合わせたものだ」と関係筋は語っている
●提案に際しロッキードは、「日本が国産機を開発しようとしても、所詮現在あるF-22を超えるものは出来ないのだから、より現実的な案としてハイブリッド版もオプションとして提案している」と売り込んでいる模様

F-22-wake.jpg●Deptula部長は、戦闘機体系の将来を考えるとき、(F-35に加えて)、第4世代機のバージョンアップ型を導入するのか、高価で開発リスクのある最新機を考えるのかは継続して議論されてるが、F-22のアップグレード版はより段階的な進化版として検討に値する案だと主張している
ボーイング社がこれに先立ち、F-15改良版の「F-15X」案を提示しているが、より多くの弾薬と電子戦装備を搭載し、ステルス機ほどではないにしろ有効性を高めたオプションを提示しているのもこの流れと推測される

●またDeptula部長は、「航空力学やエンジンやステルス等の面で、F-22をはるかに超える革新的な技術が出ているわけではない現実」をよく踏まえて考えるべきだとも語っている
●他のオプションとして、F-16やF-22やF-35に、エネルギー兵器や電子戦攻撃装置等を搭載する検討もロッキードは行っている模様で、関係筋は「米軍の次世代制空機には多様なオプションがある」と語っている

ロッキードは米海軍にもF-35C改良の提案を早くも行っており、エンジンの燃費や推力向上などが提案に含まれている模様
F-35 luke AFB.jpg●またロッキードは米空軍にF-35調達ペースを上げるように提案している。現状購入ペースでは、2030年時点でも5世代機と4世代機の機数が共に1000機づつで、中国やロシアに対応するにはリスクがると訴えているようだ

●Deptula部長はこの点に関し、現在1機100億円のF-35価格がどの程度下がるかが一つのポイントだと語っている
////////////////////////////////////////////////////////

今週は戦闘機の話題が多くなるのですが、他に話題がないから戦闘機関連報道が多いのでしょうか???

記者の皆さんもまだ、夏休み気分な抜けない感じなのでしょうか・・・

米空軍の次世代制空機検討PCA
「秋には戦闘機ロードマップ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22
「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

「ボーイングがF-15X宣伝中」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24-1
タグ:F-22 F-35
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。