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米空軍情報部長が中露軍を語る [米空軍]

Jamieson2.jpg4日、米空軍情報部長(女性空軍中将)と作戦部長が米空軍協会で講演し、中国、ロシア、そして北朝鮮軍について米空軍としての視点で語りました。

中露が米空軍のイラクやシリア作戦から学び、ロシア軍はシリアを実戦的訓練場に位置付け、北朝鮮防空システムは米空軍が過去25年間戦った相手の中で最も手ごわいなどと言及しています

露やNK航空能力・防空能力を誇大評価しすぎのような気もしますが、確実に中露が米空軍レベルに追いついているという意識は共有しておきましょう

4日付米空軍協会web記事によれば
●4日、米空軍協会ミッチェル研究所で講演した米空軍情報部長VeraLinn Jamieson中将と作戦部長Chris Nowland中将は、ロシア軍と中国軍は、約30年間にわたり戦い続けている米軍作戦をよく観察して学んでいると語った
Jamieson.jpg●そして情報部長は「米空軍の航空優勢獲得維持能力は、以前ほど他を圧倒するレベルにはない」と表現し、過去のように航空優先を当然と考えて作戦可能な時代は終わりつつあると語った

●また情報部長は、ロシアは航空防衛に関し(air-to-air defense)で米空軍と肩を並べるレベルだと自身をみなしており、中国軍は米軍に約10年の遅れをとっていると認識してるとの分析を披露した
●そして、ロシア航空戦力によるシリアでの精密誘導兵器使用や、中露両軍による長距離航空戦力運用、更には空中指揮統制やISRや空中給油活動を例に挙げ、その能力進展を説明した

●このような中露の能力進展の背景には、「彼らが米軍によるイラクやシリアでの作戦を宝の山と見なし、米軍を観察してどん欲に学んでいる」ことがあると解説した
●そして中東作戦の枠を超え、より広範な宇宙アット配備やサイバーハッキング能力にも注力し、マルチドメイン能力を強化していると情報部長は説明し、特にサイバー作戦を作戦計画に組み込んでいると語った

SU-27.jpgロシアのシリアでの活動について情報部長は、精密誘導兵器を実戦で初使用し、作戦機搭乗員を全ロシア軍からローテーション展開させており、既に全搭乗員の85%がシリアで実戦を経験するに至っていると語った
ロシア軍はシリアでの航空作戦を、「搭乗員の気概を試すテスト」だと位置づけ、同時に兵器や航空機の実戦テスト場だとみなしており、「いわば初めての継続的な本格態勢展開でのアウェーゲーム」で自らを鍛えているとも語った

北朝鮮に関しては作戦部長が言及し、NKの統合防空システムは、米軍が過去25年間戦った他の地域よりもはるかに優れていると表現し、「米軍の支援がより必要になってる」と語った
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ロシア軍がシリアを「搭乗員の気迫見極め:test the mettle」に使用し、全搭乗員の85%がシリア作戦を経験しているとは興味深い話です。兵器の実験場との位置づけも、さもありなんです

Su-24 Russia.jpgこれまで米空軍幹部は、イラク戦争から継続して続く戦いを「more than a decade」とか「neary two decades」の戦いだと負担を訴えてきたように思いますが、この講演では「nearly three decades」と表現しています。湾岸戦争にまで遡ってカウントすることにしたのでしょうか???

また北朝鮮に関する、「a much more significant integrated air defense system」との言及は何を意味しているのでしょうか? ISRの結果として、弾道ミサイル発射だけでなく、防空部隊にも投資が流れているのでしょうか???

いずれにしても、女性情報部長に期待いたしましょう!

情報部長のご紹介記事 http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-02

VeraLinn Jamieson米空軍情報部長の経歴
http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108431/brigadier-general-veralinn-dash-jamieson.aspx

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